JP2985103B2 - 急速硬化性超高強度セメント - Google Patents
急速硬化性超高強度セメントInfo
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- C04B7/32—Aluminous cements
- C04B7/323—Calcium aluminosulfate cements, e.g. cements hydrating into ettringite
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/02—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
- C04B28/06—Aluminous cements
- C04B28/065—Calcium aluminosulfate cements, e.g. cements hydrating into ettringite
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Description
【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、広い意味で、急速に硬化する高強度のセメ
ント配合物及びそれを構成する方法に関する。より詳細
には、本発明は、きわめて急速に硬化する超高強度のセ
メント配合物、及びそれを構成する方法であって、エト
リンガイト構造を適用して、セメントの圧縮強度及び迅
速な時効硬化特性を強化することを目的とするものであ
る。
ント配合物及びそれを構成する方法に関する。より詳細
には、本発明は、きわめて急速に硬化する超高強度のセ
メント配合物、及びそれを構成する方法であって、エト
リンガイト構造を適用して、セメントの圧縮強度及び迅
速な時効硬化特性を強化することを目的とするものであ
る。
発明の背景 水硬性セメント、あるいは水に反応して硬化するセメ
ントとしては、ポルトランド型のセメントが最も典型的
なものである。ポルトランドセメントのコンクリート
は、ほぼ100年前から知られており、最も一般的な建築
構造材の1つである。
ントとしては、ポルトランド型のセメントが最も典型的
なものである。ポルトランドセメントのコンクリート
は、ほぼ100年前から知られており、最も一般的な建築
構造材の1つである。
ポルトランドセメントは、化学組成及びそれに基づく
性質によって、少なくとも5種類に分類される。汎用の
ポルトランドセメントは、典型的には、約60〜65%の酸
化カルシウム、20〜24%のシリカ、4〜8%のアルミニ
ウム及び約2〜5%の酸化鉄を含んでいる。これらの鉱
物成分の原材料には、石灰、粘土、頁岩、砂岩、ボーキ
サイト及び鉄鉱石を含んでいる。これらの原材料の配合
物は、キルン炉を通して、1400〜1600℃(2500〜2900゜
F)の温度で、焼成材又は「硬質化材」になり、さらに
4〜5%の石膏を加えて粉末化されて、最終的なセメン
トが生成される。
性質によって、少なくとも5種類に分類される。汎用の
ポルトランドセメントは、典型的には、約60〜65%の酸
化カルシウム、20〜24%のシリカ、4〜8%のアルミニ
ウム及び約2〜5%の酸化鉄を含んでいる。これらの鉱
物成分の原材料には、石灰、粘土、頁岩、砂岩、ボーキ
サイト及び鉄鉱石を含んでいる。これらの原材料の配合
物は、キルン炉を通して、1400〜1600℃(2500〜2900゜
F)の温度で、焼成材又は「硬質化材」になり、さらに
4〜5%の石膏を加えて粉末化されて、最終的なセメン
トが生成される。
以下の説明の便宜のために、それらの焼成材料の物質
を、下記の標準的なセメント工業における省略記号を用
いて、記述することとする。
を、下記の標準的なセメント工業における省略記号を用
いて、記述することとする。
H−−水(H2O)を表わす。
C−−酸化カルシウム(CaO)を表わす。
A−−酸化アルミニウム(Al2O3)を表わす。
F−−酸化鉄(Fe2O3)を表わす。
M−−酸化マグネシウム(MgO)を表わす。
S−−酸化シリコン(SiO2)を表わす。
K−−酸化カリウム(K2O)を表わす。
N−−酸化ナトリウム(Na2O)を表わす。
S′−−三酸化硫黄(SO3)を表わす。
汎用のポルトランド型のセメント(通常、ASTM Iと
呼ばれる)は、典型的には、約50%のC3S、25%のC2S、
12%のC3A、8%のC4AF、5%のCS′を含んでいる。水
硬化の後、このような一般的な用途のポルトランド型の
セメントは、標準ASTM方式C109により決定される圧縮強
度が、一般に、処理後3日で1800psi(ポンド/平方イ
ンチ)を示し、また、処理後7日で2800psiを示す。
呼ばれる)は、典型的には、約50%のC3S、25%のC2S、
12%のC3A、8%のC4AF、5%のCS′を含んでいる。水
硬化の後、このような一般的な用途のポルトランド型の
セメントは、標準ASTM方式C109により決定される圧縮強
度が、一般に、処理後3日で1800psi(ポンド/平方イ
ンチ)を示し、また、処理後7日で2800psiを示す。
コンクリート構造物の多くの型枠中において、汎用の
ポルトランド型のセメントのこの強化度の率は、建築物
の価格をかなり高騰させることになる。その理由は、型
枠に支持されて水硬化鋳込みされたセメントが、所定の
強度に達して、型枠を除去し、次の建設作業にかかるこ
とができるまでに、時間がかかるからである。
ポルトランド型のセメントのこの強化度の率は、建築物
の価格をかなり高騰させることになる。その理由は、型
枠に支持されて水硬化鋳込みされたセメントが、所定の
強度に達して、型枠を除去し、次の建設作業にかかるこ
とができるまでに、時間がかかるからである。
従来、汎用のポルトランドセメントの強化の遅さを改
善するための努力がなされており、他のセメントより
も、C3A及び/又はC3Sを大量に含有する、ASTM IIIなど
の急速強化ポルトランドセメントが作られている。
善するための努力がなされており、他のセメントより
も、C3A及び/又はC3Sを大量に含有する、ASTM IIIなど
の急速強化ポルトランドセメントが作られている。
タイプIIIポルトランドセメントのASTM仕様の最低圧
縮強度は、1日で1800psi、3日で2800psiである。しか
し、それらのセメントの圧縮強度は、典型的には、1日
で2000〜2500psi程度で、7日で5000psi程度になり得
る。
縮強度は、1日で1800psi、3日で2800psiである。しか
し、それらのセメントの圧縮強度は、典型的には、1日
で2000〜2500psi程度で、7日で5000psi程度になり得
る。
しかし、より急速に硬化するセメントの開発につい
て、大きい要求が存在する。たとえば、前鋳造、前強化
のコンクリート構造の作業では、しばしば、1日で3000
〜4000psiの圧縮強度が要求されている。また、高速道
路の建設及び修理作業では、高速道路が使用できるよう
になるまでに、数日から数週間の処理時間を要してい
る。さらに、型枠内でセメントマトリックスを鋳造する
コンクリートのビルティングや橋梁の建設に置いては、
型枠を取り外せるようにセメントが硬化されるまでに、
幾日もの処理時間が必要になっている。
て、大きい要求が存在する。たとえば、前鋳造、前強化
のコンクリート構造の作業では、しばしば、1日で3000
〜4000psiの圧縮強度が要求されている。また、高速道
路の建設及び修理作業では、高速道路が使用できるよう
になるまでに、数日から数週間の処理時間を要してい
る。さらに、型枠内でセメントマトリックスを鋳造する
コンクリートのビルティングや橋梁の建設に置いては、
型枠を取り外せるようにセメントが硬化されるまでに、
幾日もの処理時間が必要になっている。
その他の急速硬化性を持つ、又は持たない水硬化セメ
ントは、「硫化アルミノカルシウム」と呼ばれる、3Ca
O.3Al2O3.CaSO4の組成のもので、これは、C3A3CS′、又
は好ましくはC4A3S′と略記される。典型的には、C4A
3S′の基本性質は、それらの拡張である。ポルトランド
セメントを、砂、砂利、その他の材料と混合して作った
コンクリートは、通常、乾燥中に収縮する。この収縮は
好ましいものでなく、他の理由と相まって、ひび割れを
生じ、コンクリートを弱くする。
ントは、「硫化アルミノカルシウム」と呼ばれる、3Ca
O.3Al2O3.CaSO4の組成のもので、これは、C3A3CS′、又
は好ましくはC4A3S′と略記される。典型的には、C4A
3S′の基本性質は、それらの拡張である。ポルトランド
セメントを、砂、砂利、その他の材料と混合して作った
コンクリートは、通常、乾燥中に収縮する。この収縮は
好ましいものでなく、他の理由と相まって、ひび割れを
生じ、コンクリートを弱くする。
C4A3S′などの添加物を添加すると、この収縮に対抗
するように作用し、急速高硬化性を有するセメントが得
られる。
するように作用し、急速高硬化性を有するセメントが得
られる。
たとえば、アメリカ合衆国特許第3,155,526号明細書
(発明者クライン)には、遊離したC及びCSの存在中
で、C4A3S′の水硬化により拡張される特性を使用し
て、標準のポルトランドセメントより拡張した強度特性
を備える、タイプKのポルトランドセメントを開示して
いる。
(発明者クライン)には、遊離したC及びCSの存在中
で、C4A3S′の水硬化により拡張される特性を使用し
て、標準のポルトランドセメントより拡張した強度特性
を備える、タイプKのポルトランドセメントを開示して
いる。
また、アメリカ合衆国特許第3,860,433号明細書(発
明者オスト他)は、C4A3S′、CS′及びC2Sを含有して、
水硬化後24時間で、少なくとも2900〜4000psiの圧縮強
度を示す急速強化セメントを開示している。
明者オスト他)は、C4A3S′、CS′及びC2Sを含有して、
水硬化後24時間で、少なくとも2900〜4000psiの圧縮強
度を示す急速強化セメントを開示している。
これらの利点に加えて、急速硬化高強度セメントは、
上述のように、現在使用されているものよりも、大きい
圧縮強度と迅速な強化性とを備えるポルトランド型のセ
メントは、建設工業に大きい経済的効果をもたらすため
に、その開発が待たれている。
上述のように、現在使用されているものよりも、大きい
圧縮強度と迅速な強化性とを備えるポルトランド型のセ
メントは、建設工業に大きい経済的効果をもたらすため
に、その開発が待たれている。
そこで、本発明の第1の目的は、きわめて急速に硬化
し、強力なセメント配合物であって、圧縮強度が、水処
理の後、1時間で3000〜5000psi、1日で7000psiに達す
るセメント配合物を製造する方法を提供することであ
る。
し、強力なセメント配合物であって、圧縮強度が、水処
理の後、1時間で3000〜5000psi、1日で7000psiに達す
るセメント配合物を製造する方法を提供することであ
る。
本発明の第2の目的は、急速硬化性高強度セメント配
合物であって、圧縮強度が、水処理の後、28日間で10,0
00psi以上に達するセメント配合物を製作する方法を提
供することである。
合物であって、圧縮強度が、水処理の後、28日間で10,0
00psi以上に達するセメント配合物を製作する方法を提
供することである。
本発明の第3の目的は、低温で焼成される急速硬化性
高強度セメント配合物を製作する方法を提供することで
ある。
高強度セメント配合物を製作する方法を提供することで
ある。
本発明の第4の目的は、水硬化したセメントを強化す
るために、エトリンガイト結晶構造を使用した急速硬化
性高強度セメント配合物を製造する方法を提供すること
である。
るために、エトリンガイト結晶構造を使用した急速硬化
性高強度セメント配合物を製造する方法を提供すること
である。
本発明の第5の目的は、最終固化中における水硬化の
発熱を、低温にすることができる急速硬化性高強度セメ
ント配合物を製造する方法を提供することである。
発熱を、低温にすることができる急速硬化性高強度セメ
ント配合物を製造する方法を提供することである。
本発明の第6の目的は、水硬化エトリンガイト(C6A
S′3・32H.)及び水硬化アルミネート・カルシウム(C
A・10H)の配合物を使用した、急速硬化性高強度セメン
ト配合物を製造する方法を提供することである。
S′3・32H.)及び水硬化アルミネート・カルシウム(C
A・10H)の配合物を使用した、急速硬化性高強度セメン
ト配合物を製造する方法を提供することである。
本発明によれば、上記の目的を達成するために、石
灰、石膏及びボーキサイト、カオリナイトもしくは高ア
ルミナ粘土からなる群から選択された1種乃至複数種の
混合物を形成し、該混合物が、0.64以上の全A/Fモル比
率を有し、0.35〜0.25の全S′/A+Fモル比率(A、F
及びS′は、各々Al2O3、Fe2O3及びSO3のモル数であ
る)を有するようにする工程;混合物を、1,000℃〜1,2
00℃のオーダーの高温に、十分な時間、加熱し、C4A
3S′の高濃度を有するクリンカーを形成する工程;該ク
リンカー中に存在するC4A3S′の平均量を測定する工
程;及び該クリンカーと、水硬化性セメントを含有する
CaO及び可溶性無水CaSO4を混合し、最終混合物の組成
が、10〜30重量%の含有量のC4A3S′セメントと5〜25
重量%の含有量の可溶性無水CaSO4であるようにする工
程を有する速硬性超高強度セメントの製造方法を提供す
る。そして、更に、加熱した混合物から取り出した試料
を周期的にX線回折分析をして、加熱温度を制御する工
程を有することができる。その加熱温度制御工程は、更
に、試料中に存在するC4A3S′の含有量を定量分析する
ために、参照基準に基づく、予め調整したX線回折曲線
を用意する工程;加熱した混合物から試料を周期的に取
り出す工程;各試料中に存在するC4A3S′含有量を、X
線回折分析により定量分析する工程;そして、混合物の
加熱温度を、高濃度のC4A3S′になるように調整する工
程が好適である。また、C4A3S′の高濃度が、15〜75重
量%の範囲が好適である。
灰、石膏及びボーキサイト、カオリナイトもしくは高ア
ルミナ粘土からなる群から選択された1種乃至複数種の
混合物を形成し、該混合物が、0.64以上の全A/Fモル比
率を有し、0.35〜0.25の全S′/A+Fモル比率(A、F
及びS′は、各々Al2O3、Fe2O3及びSO3のモル数であ
る)を有するようにする工程;混合物を、1,000℃〜1,2
00℃のオーダーの高温に、十分な時間、加熱し、C4A
3S′の高濃度を有するクリンカーを形成する工程;該ク
リンカー中に存在するC4A3S′の平均量を測定する工
程;及び該クリンカーと、水硬化性セメントを含有する
CaO及び可溶性無水CaSO4を混合し、最終混合物の組成
が、10〜30重量%の含有量のC4A3S′セメントと5〜25
重量%の含有量の可溶性無水CaSO4であるようにする工
程を有する速硬性超高強度セメントの製造方法を提供す
る。そして、更に、加熱した混合物から取り出した試料
を周期的にX線回折分析をして、加熱温度を制御する工
程を有することができる。その加熱温度制御工程は、更
に、試料中に存在するC4A3S′の含有量を定量分析する
ために、参照基準に基づく、予め調整したX線回折曲線
を用意する工程;加熱した混合物から試料を周期的に取
り出す工程;各試料中に存在するC4A3S′含有量を、X
線回折分析により定量分析する工程;そして、混合物の
加熱温度を、高濃度のC4A3S′になるように調整する工
程が好適である。また、C4A3S′の高濃度が、15〜75重
量%の範囲が好適である。
そして、その製造方法で製造された速硬性超高強度セ
メントである。また、最終混合物中に存在するC4A3S′
の含有量は、15〜20重量%が好適である。最終混合物中
に存在するC4A3S′の含有量は、20重量%であり、可溶
性無水CaSO4の含有量は、10重量%が好適である。更
に、超可塑化剤を含有する、速硬性超高強度セメントが
よい。また、クエン酸遅延剤を含有する、速硬性超高強
度セメントが好適である。更に、硫酸アルミニウム、硫
酸鉄または塩化鉄の促進剤を選択された促進添加剤を含
有する、速硬性超高強度セメントがよい。
メントである。また、最終混合物中に存在するC4A3S′
の含有量は、15〜20重量%が好適である。最終混合物中
に存在するC4A3S′の含有量は、20重量%であり、可溶
性無水CaSO4の含有量は、10重量%が好適である。更
に、超可塑化剤を含有する、速硬性超高強度セメントが
よい。また、クエン酸遅延剤を含有する、速硬性超高強
度セメントが好適である。更に、硫酸アルミニウム、硫
酸鉄または塩化鉄の促進剤を選択された促進添加剤を含
有する、速硬性超高強度セメントがよい。
発明の概要 これらの目的及びその他の目的を達成するための、本
発明の方法及びセメント配合物によると、原材料を特殊
な配合で混合して、キルン炉内で低温で焼成して、水硬
化又はポルトランド型セメントを独特な混合方式で混合
したC4A3S′の高濃縮物を有する特殊なクリンカーが製
造される。
発明の方法及びセメント配合物によると、原材料を特殊
な配合で混合して、キルン炉内で低温で焼成して、水硬
化又はポルトランド型セメントを独特な混合方式で混合
したC4A3S′の高濃縮物を有する特殊なクリンカーが製
造される。
水硬化すると、セメント配合物は、非常に短時間で、
高い強度特性を生じ、かつ、C6AS′3及びCAの水相の結
合作用を通じて、従来のものでは得られない圧縮強度を
生じるように、著しく硬化する。
高い強度特性を生じ、かつ、C6AS′3及びCAの水相の結
合作用を通じて、従来のものでは得られない圧縮強度を
生じるように、著しく硬化する。
本発明の急速硬化性高強度セメント配合物を製造する
第1段階は、石灰、石膏、及びボーキサイト、カオロナ
イト、又はその他の高アルミナ粘土を混合して、原材料
のS,A,C,F及びS′を作ることである。この配合物にお
ける配合の分子比は、A/Fが、約0.64より大きいか又は
それと等しく、S′/A+Fが、ほぼ0.35から0.25の間と
するのが好ましい。
第1段階は、石灰、石膏、及びボーキサイト、カオロナ
イト、又はその他の高アルミナ粘土を混合して、原材料
のS,A,C,F及びS′を作ることである。この配合物にお
ける配合の分子比は、A/Fが、約0.64より大きいか又は
それと等しく、S′/A+Fが、ほぼ0.35から0.25の間と
するのが好ましい。
原材料を1200℃以上の温度で焼成する従来のセメント
製造の技術と異なり、本発明の方法では、1000℃から12
00℃の間の温度で、C4A3S′の高濃縮物を含むクリンカ
ーが形成される所要時間加熱する。本発明の配合物は、
1200℃より高温で加熱すると、必要とするC4A3S′が分
解することに留意しなければならない。すなわち、本発
明の方法は、キルン炉中で低温でクリンカーを焼成する
ことによって、C4A3S′相を生成するものである。
製造の技術と異なり、本発明の方法では、1000℃から12
00℃の間の温度で、C4A3S′の高濃縮物を含むクリンカ
ーが形成される所要時間加熱する。本発明の配合物は、
1200℃より高温で加熱すると、必要とするC4A3S′が分
解することに留意しなければならない。すなわち、本発
明の方法は、キルン炉中で低温でクリンカーを焼成する
ことによって、C4A3S′相を生成するものである。
クリンカーが生成されると、C4A3S′の平均量が定ま
り、最終の配合物が、クリンカーに、水硬化又はポルト
ランド型セメント及び可溶性のCS無水物を、式C4A3S′
+2C+2CS=C6AS′3・aq+2CA・aqに従って結合して形
成される。最終配合物は、C4A3S成分が重量比約10〜30
%、可溶性のCS′無水物成分が重量比5〜25%で、残り
の重量比45〜85%は、水硬化又はポルトランドセメント
である。
り、最終の配合物が、クリンカーに、水硬化又はポルト
ランド型セメント及び可溶性のCS無水物を、式C4A3S′
+2C+2CS=C6AS′3・aq+2CA・aqに従って結合して形
成される。最終配合物は、C4A3S成分が重量比約10〜30
%、可溶性のCS′無水物成分が重量比5〜25%で、残り
の重量比45〜85%は、水硬化又はポルトランドセメント
である。
キルン炉内でC4A3S′が安定する温度は、1000℃から1
200℃の狭い範囲であるため、本発明の方法は、キルン
炉の温度制御の技術を必要とする。
200℃の狭い範囲であるため、本発明の方法は、キルン
炉の温度制御の技術を必要とする。
現在のセメント用キルン炉は、燃焼部自体で温度制御
をすることができないので、温度制御は、X線回折技術
を使用して、クリンカー中のC4A3S′のセメント量を周
期的に分析することによって、行なうのが好ましい。こ
の技術分野におけるその他のクリンカー分析手段も使用
できるが、X線回折が望ましい。
をすることができないので、温度制御は、X線回折技術
を使用して、クリンカー中のC4A3S′のセメント量を周
期的に分析することによって、行なうのが好ましい。こ
の技術分野におけるその他のクリンカー分析手段も使用
できるが、X線回折が望ましい。
本発明の方法及び混合方式によって作られるセメント
配合物は、水硬化されて、圧縮強度が1時間で3000ps
i、24時間で6000psi、28日間で10,000psiに達する高強
度急速硬化性セメントを作る。すなわち、このセメント
配合物は、コンクリート構築に使用して、硬化時間を短
縮し、経済的利点が大きいものである。
配合物は、水硬化されて、圧縮強度が1時間で3000ps
i、24時間で6000psi、28日間で10,000psiに達する高強
度急速硬化性セメントを作る。すなわち、このセメント
配合物は、コンクリート構築に使用して、硬化時間を短
縮し、経済的利点が大きいものである。
また、本発明のセメント配合物は、従来のものでは得
られない圧縮強度を有するので、構築物の寸法を、強度
低下を起こすことなく小さくすることができるという、
構造上の優れた利点を発揮する。
られない圧縮強度を有するので、構築物の寸法を、強度
低下を起こすことなく小さくすることができるという、
構造上の優れた利点を発揮する。
さらに、本発明の配合物が水硬化するときの高発熱
は、低温時に水硬化したセメントが凍結することを防止
するので、零度以下の温度でも、建設作業を継続するこ
とができる。
は、低温時に水硬化したセメントが凍結することを防止
するので、零度以下の温度でも、建設作業を継続するこ
とができる。
以下、本発明に基づいて製造されるセメント配合物の
その他の目的及び利点を、好適な実施例に基づいて、詳
細に説明する。
その他の目的及び利点を、好適な実施例に基づいて、詳
細に説明する。
好適な実施例の詳細な説明 前述したように、C4A3S′を混合したセメント配合物
を、ほぼ50年以前から業界で周知である。CS′とCの存
在下で水硬化すると、C4A3S′は、次の反応式によっ
て、エトリンガイト(C6AS′3・aq)の拡張した結晶を
生成する。
を、ほぼ50年以前から業界で周知である。CS′とCの存
在下で水硬化すると、C4A3S′は、次の反応式によっ
て、エトリンガイト(C6AS′3・aq)の拡張した結晶を
生成する。
C4A3S′+6C+8CS′+31H2O=3C6AS′3・31H2O 従来は、これらの拡張された結晶は、汎用のポルトラ
ンド型のセメントに標準的に生じる圧縮を、相殺するた
めに使用されてきた。しかし、ポルトランドセメント中
の石膏により、C4A3S′が制御不能に水硬化されると、
過剰反応を生じて、コンクリートを破壊する。
ンド型のセメントに標準的に生じる圧縮を、相殺するた
めに使用されてきた。しかし、ポルトランドセメント中
の石膏により、C4A3S′が制御不能に水硬化されると、
過剰反応を生じて、コンクリートを破壊する。
水硬化したポルトランドセメントにおけるこの過剰反
応を制御するために、多数の先行特許発明が開示されて
いるが、本発明の急速硬化性高強度セメントを製造でき
るものはなかった。
応を制御するために、多数の先行特許発明が開示されて
いるが、本発明の急速硬化性高強度セメントを製造でき
るものはなかった。
C4A3S′は、ある種の急速強化配合物を含む変形した
セメント配合物の成分として利用されているが、これら
の配合物は、反応中に現われる石膏相中の差異を生じる
ものではない。むしろ、かかる配合物は、上述の反応式
による拡張したエトリンガイト結晶の化学量的な製造に
利用されるものである。
セメント配合物の成分として利用されているが、これら
の配合物は、反応中に現われる石膏相中の差異を生じる
ものではない。むしろ、かかる配合物は、上述の反応式
による拡張したエトリンガイト結晶の化学量的な製造に
利用されるものである。
さらに、セメント製造の長い歴史において、C4A3S′
を使用してきたにも拘らず、従来の技術では、焼成工程
中に、セメントキルン炉内にC4A3S′を効率よく生成す
る手段を欠いていた。
を使用してきたにも拘らず、従来の技術では、焼成工程
中に、セメントキルン炉内にC4A3S′を効率よく生成す
る手段を欠いていた。
回転キルン炉を利用する確立されたポルトランド型セ
メントを製造する方法及びその変形では、原材料を1200
℃以上で加熱処理して、焼結物または透化物とする。所
望の珪酸塩のC3S及びC2Sは、1300℃付近で形成され始
め、1500℃以上の温度で安定するため、このような高温
度が使用される。
メントを製造する方法及びその変形では、原材料を1200
℃以上で加熱処理して、焼結物または透化物とする。所
望の珪酸塩のC3S及びC2Sは、1300℃付近で形成され始
め、1500℃以上の温度で安定するため、このような高温
度が使用される。
一方、珪酸塩の硫化アルミノカルシウム、C4A3S′
は、1200℃以上の温度では熱力学的に不安定であり、こ
のような高温では分解する。C4A3S′は、どちらかとい
えば、約1000℃の温度で形成され始め、約1100℃で安定
する。すなわち、この温度安定性の差によって、商業生
産されるセメントクリンカーにC4A3S′とともにC3S及び
C2Sを含有させることは、従来のセメント製造技術及び
キルン炉制御技術では、不可能ではないとしても、困難
であった。
は、1200℃以上の温度では熱力学的に不安定であり、こ
のような高温では分解する。C4A3S′は、どちらかとい
えば、約1000℃の温度で形成され始め、約1100℃で安定
する。すなわち、この温度安定性の差によって、商業生
産されるセメントクリンカーにC4A3S′とともにC3S及び
C2Sを含有させることは、従来のセメント製造技術及び
キルン炉制御技術では、不可能ではないとしても、困難
であった。
そこで、従来のセメント製造方法とは対照的に、本発
明の方法及び配合物は、セメントキルン炉中で、それ自
体がC4A3S′の高濃縮物を有する特殊なクリンカーを生
成するように、原材料を混合する独特な配合式を利用す
るものである。
明の方法及び配合物は、セメントキルン炉中で、それ自
体がC4A3S′の高濃縮物を有する特殊なクリンカーを生
成するように、原材料を混合する独特な配合式を利用す
るものである。
また、特殊なクリンカーの能力とは無関係に、本発明
の方法によって、ポルトランドセメント及び可溶性の無
水硫化カルシウムを混合し、粉末化した水硬化した水硬
化性セメントを作ると、これらの特殊なクリンカーは、
圧縮強度が、水硬化後、1時間で3000psi、24時間で600
0psi、28日で10000psiに達する、急速硬化性高強度セメ
ントを生成する。
の方法によって、ポルトランドセメント及び可溶性の無
水硫化カルシウムを混合し、粉末化した水硬化した水硬
化性セメントを作ると、これらの特殊なクリンカーは、
圧縮強度が、水硬化後、1時間で3000psi、24時間で600
0psi、28日で10000psiに達する、急速硬化性高強度セメ
ントを生成する。
説明のため、及びこの理論に捉われない前提として、
本発明は、水硬化後にエトリンガイト結晶及び水化アル
ミン酸塩カルシウムを含有する特殊なセメント配合物を
製造する方法を提供するものである。
本発明は、水硬化後にエトリンガイト結晶及び水化アル
ミン酸塩カルシウムを含有する特殊なセメント配合物を
製造する方法を提供するものである。
エトリンガイト及び水化アルミン酸塩カルシウムの針
状結晶は、強化微小繊維の網を形成して、水硬化性コン
クリートを強化するように作用すると信じられている。
この内部3次元強化繊維網は、高アルミナ相を生じる水
相のCAと結合して、従来は得られなかった本発明の急
速、高強度特性のセメント配合物を作る。
状結晶は、強化微小繊維の網を形成して、水硬化性コン
クリートを強化するように作用すると信じられている。
この内部3次元強化繊維網は、高アルミナ相を生じる水
相のCAと結合して、従来は得られなかった本発明の急
速、高強度特性のセメント配合物を作る。
従来のセメント配合物は、キルン炉の温度が高すぎる
ために、エトリンガイト又はC6AS′3・aq及びCA・aq及
びC3S・aqを結合することができなかった。
ために、エトリンガイト又はC6AS′3・aq及びCA・aq及
びC3S・aqを結合することができなかった。
これらの従来技術は、本発明のセメント配合物につい
ての前述の機能にも、理論適には認められるものである
が、本発明はそれだけに限定されるものではない。
ての前述の機能にも、理論適には認められるものである
が、本発明はそれだけに限定されるものではない。
上述したように、本発明の第1段階は、キルン炉内
に、大量のC4A3S′を含有する特殊なセメントクリンカ
ーを生成することである。このクリンカーの原材料は、
通常のポルトランドセメントクリンカーの製造に使用さ
れる公知のもので、特に、高アルミナ粘土又はボーキサ
イト又はカオロナイト、石灰及び石膏である。
に、大量のC4A3S′を含有する特殊なセメントクリンカ
ーを生成することである。このクリンカーの原材料は、
通常のポルトランドセメントクリンカーの製造に使用さ
れる公知のもので、特に、高アルミナ粘土又はボーキサ
イト又はカオロナイト、石灰及び石膏である。
これらの原材料は、業界において、S,A,C,F及びS′
として知られており、それぞれSiO2,Al2O3,CaO,Fe2O3,
及びSO3である。
として知られており、それぞれSiO2,Al2O3,CaO,Fe2O3,
及びSO3である。
これらの原材料を、本発明の方法によって、全体の分
子量比A/Fが約0.64より大きいかそれと等しく、分子量
比S′/A+Fが約0.35から0.25の間になるように混合す
る。
子量比A/Fが約0.64より大きいかそれと等しく、分子量
比S′/A+Fが約0.35から0.25の間になるように混合す
る。
この原材料の構成は、次の基準に基づいて決定され
る。第1に、原材料混合物を形成する原材料中には、自
然的に少量の不純物が存在する。不純物は、通常、酸化
ナトリウム(Na2O),酸化カリウム(K2O)、酸化マグ
ネシウム(MgO)その他を含んでいる。
る。第1に、原材料混合物を形成する原材料中には、自
然的に少量の不純物が存在する。不純物は、通常、酸化
ナトリウム(Na2O),酸化カリウム(K2O)、酸化マグ
ネシウム(MgO)その他を含んでいる。
しかし、本発明では、原材料混合物を特殊に配合して
あるために、これらの不純物は、キルン炉内におけるC4
A3S′の形成に、特に影響をおよぼすことはない。
あるために、これらの不純物は、キルン炉内におけるC4
A3S′の形成に、特に影響をおよぼすことはない。
さらに、本発明の方法によると、Cは、アルミナ及び
硫酸塩と反応して、C4A3S′を形成する。原材料中に存
在する鉄は、C4A3S′相中のアルミナに最も置換されや
すいものであるが、A/Fの比が0.64より大きければ、C4A
F又はC2Fを形成しない。原材料中のシリカは、クリンカ
ー生成温度で、残りのCと反応してC2Sを形成する。た
だし、この生成物は、2次的にC4A3S′を形成する。
硫酸塩と反応して、C4A3S′を形成する。原材料中に存
在する鉄は、C4A3S′相中のアルミナに最も置換されや
すいものであるが、A/Fの比が0.64より大きければ、C4A
F又はC2Fを形成しない。原材料中のシリカは、クリンカ
ー生成温度で、残りのCと反応してC2Sを形成する。た
だし、この生成物は、2次的にC4A3S′を形成する。
さらに、S′/A+Fの比が約0.25から0.35の間であれ
ば、C4A3S′は、珪酸相として平衡状態をとる。この比
が約0.25よりも小さいと、ゲヘリナイト相又はC2ASが優
性になる。逆に、この比が約0.35よりも大きくなると、
CS′は、優性相になり、C3Aがそれと平衡状態となって
形成される。
ば、C4A3S′は、珪酸相として平衡状態をとる。この比
が約0.25よりも小さいと、ゲヘリナイト相又はC2ASが優
性になる。逆に、この比が約0.35よりも大きくなると、
CS′は、優性相になり、C3Aがそれと平衡状態となって
形成される。
同様に、酸化ナトリウム(N)及び酸化カリウム
(K)などの不純物は、原材料混合物に存在する珪酸塩
と反応し、残りの珪酸塩は、C4A3S′を形成するように
反応するが、これは、製造されるセメント配合物の急速
固化、超高強度特性には影響しない。結合していない
S′は、Cと反応してCS′を形成し、残りのCは、シリ
カと反応してC2Sを形成する。
(K)などの不純物は、原材料混合物に存在する珪酸塩
と反応し、残りの珪酸塩は、C4A3S′を形成するように
反応するが、これは、製造されるセメント配合物の急速
固化、超高強度特性には影響しない。結合していない
S′は、Cと反応してCS′を形成し、残りのCは、シリ
カと反応してC2Sを形成する。
本発明の原材料の混合は、原材料を使用する伝統的な
分析技法を使用して行なうことができる。たとえば、原
材料混合物の事例は、S,A,C,F,M,K,S′及びL.I.O.を含
有する高アルミナ粘土、石灰及び石膏である。
分析技法を使用して行なうことができる。たとえば、原
材料混合物の事例は、S,A,C,F,M,K,S′及びL.I.O.を含
有する高アルミナ粘土、石灰及び石膏である。
次の比率は、本発明による原材料混合物の構成に適用
されるものである。
されるものである。
(1) K2SO4中の珪酸塩の量=0.42K2O (2) Na3SO4中の珪酸塩の量=0.65Na2O (3) C4A3S′の量=1.995Al2O3+1.63Fe2O3+1.64Mn2O3 (4) C4A3S′中の珪酸塩の量=0.26Al2O3+0.17(Fe2O3+Mn2O3) (5) C4A3S′中のカルシウムの量=0.73Al2O3+0.47(Fe2O3+Mn2O3) (6) CS′の量=1.7[S′-0.65Na2O+0.425K2O+0.26Al2O3+0.17(Fe2O3+Mn2O3)] (7) CS′中のCの量=0.41CS′ (8) CS中のCの量=1.87S (9) Cの合計必要量 =0.55Al2O3+0.35(Fe2O3+Mn2O3)+1.87S+0.7S′−0.45Na2O−0.30K2O (10) S′の合計必要量=0.65Na2O3+0.425K2O+0.26Al2O3+0.17(Fe2O3+Mn2O3) 前述のように、C4A3S′は、約1000℃から1200℃の間
の温度範囲で安定する。したがって、従来の原材料の混
合物は、高濃度のC4A3S′を有する所要のクリンカーを
形成するために、この比較的狭い温度範囲で、所要時間
加熱される。この加熱時間は、混合物の組成とキルン炉
の規格によって変化し、1時間から数時間あるいはそれ
以上に変動する。C4A3S′の濃度は、重量比で約15%か
ら75%の間になる。
の温度範囲で安定する。したがって、従来の原材料の混
合物は、高濃度のC4A3S′を有する所要のクリンカーを
形成するために、この比較的狭い温度範囲で、所要時間
加熱される。この加熱時間は、混合物の組成とキルン炉
の規格によって変化し、1時間から数時間あるいはそれ
以上に変動する。C4A3S′の濃度は、重量比で約15%か
ら75%の間になる。
キルン炉温度制御技術の現状は、伝統的に理解されて
いる燃焼領域の温度制御を包含しないことに留意すべき
である。
いる燃焼領域の温度制御を包含しないことに留意すべき
である。
通常、キルン炉内のクリンカー温度の制御は、遊離C
(遊離石灰)の湿式化学分析によって行なわれる。たと
えば、伝統的なポルトランドセメント原材料の計画構造
式は、クリンカー中に所定量の遊離Cが存在することを
許容する。クリンカーを湿式化学分析して、遊離Cの量
が計画量よりも少なければ、クリンカーは、過剰燃焼さ
れており、キルン炉の温度を低下することが必要にな
る。逆に、遊離Cの分析量が計画量よりも多い場合に
は、クリンカーは、燃焼不足であり、キルン炉の温度を
上昇させなけりばならない。
(遊離石灰)の湿式化学分析によって行なわれる。たと
えば、伝統的なポルトランドセメント原材料の計画構造
式は、クリンカー中に所定量の遊離Cが存在することを
許容する。クリンカーを湿式化学分析して、遊離Cの量
が計画量よりも少なければ、クリンカーは、過剰燃焼さ
れており、キルン炉の温度を低下することが必要にな
る。逆に、遊離Cの分析量が計画量よりも多い場合に
は、クリンカーは、燃焼不足であり、キルン炉の温度を
上昇させなけりばならない。
しかし、このような湿式化学方法は、本発明における
高重量比のC4A3S′を有するクリンカーの製造には、実
際上、適用できない。
高重量比のC4A3S′を有するクリンカーの製造には、実
際上、適用できない。
湿式化学分析は、この状態、アルミニュア、粘土、ボ
ーキサイトなどのSを含有するものについては、誤りを
生じる。このシリカは、カルシウムと反応し、かつ、湿
式化学分析は、クリンカー中で現に進行している相を示
すものではない。
ーキサイトなどのSを含有するものについては、誤りを
生じる。このシリカは、カルシウムと反応し、かつ、湿
式化学分析は、クリンカー中で現に進行している相を示
すものではない。
そこで、本発明の加熱処理の温度上昇制御のための好
ましい方法は、湿式化学手法ではなく、加熱した混合物
から得られるサンプルの、周期的なX線回折分析を利用
するものである。湿式化学手法の分析によって、前述し
た本発明の構造式は、C4A3S′の計画量を決定すること
ができる。
ましい方法は、湿式化学手法ではなく、加熱した混合物
から得られるサンプルの、周期的なX線回折分析を利用
するものである。湿式化学手法の分析によって、前述し
た本発明の構造式は、C4A3S′の計画量を決定すること
ができる。
CAS′の含有量がわかっているサンプルについて、実
験的に分析して求めたX線回折特性曲線を用意してお
き、加熱された混合物からサンプルを周期的に取りだし
て、X線回折分析により、それらサンプルのC4A3S′の
含有量を分析する。そして、キルン炉制御における伝統
的な湿式化学分析方法に準じて、原材料中のC4A3S′の
濃度が、計画値より高いか低いかによって、混合物の加
熱温度を調節する。
験的に分析して求めたX線回折特性曲線を用意してお
き、加熱された混合物からサンプルを周期的に取りだし
て、X線回折分析により、それらサンプルのC4A3S′の
含有量を分析する。そして、キルン炉制御における伝統
的な湿式化学分析方法に準じて、原材料中のC4A3S′の
濃度が、計画値より高いか低いかによって、混合物の加
熱温度を調節する。
本発明において、クリンカーに含まれるC4A3S′を生
成するのに必要な温度範囲は、伝統的なセメントのクリ
ンカー化温度よりも狭いことに十分留意しなければなら
ない。したがって、クリンカー中に、安定なC4A3S′相
を作るために、X線回折分析あるいはその他の精密温度
制御方法に際して、厳密な温度制御を実行しなければな
らない。
成するのに必要な温度範囲は、伝統的なセメントのクリ
ンカー化温度よりも狭いことに十分留意しなければなら
ない。したがって、クリンカー中に、安定なC4A3S′相
を作るために、X線回折分析あるいはその他の精密温度
制御方法に際して、厳密な温度制御を実行しなければな
らない。
また、これらの方法は、標準的なX線回折特性曲線
が、所定の原材料混合物を計画的に燃焼させる実験を反
復することによって得られることを示す。これらの実験
は、燃焼不足、燃焼過剰及び適切な温度での燃焼実験を
含むものである。
が、所定の原材料混合物を計画的に燃焼させる実験を反
復することによって得られることを示す。これらの実験
は、燃焼不足、燃焼過剰及び適切な温度での燃焼実験を
含むものである。
各燃焼実験で得たC4A3S′の量は、X線回折で量的に
分析され、ASTM標準特性曲線と対比されて、含有するC3
S及びC2S、C3A及びC4A3S′の量を計算する。
分析され、ASTM標準特性曲線と対比されて、含有するC3
S及びC2S、C3A及びC4A3S′の量を計算する。
本発明により、実際にクリンカーを生成する工程を通
じて、加熱された原材料のサンプルを、好ましくは半時
間ないし1時間ごとに、キルン炉から取り出し、X線回
折により量的に分析する。この分析を容易にするため
に、X線回折装置をコンピュータ制御して、予備燃焼試
験を計算するようにできる。
じて、加熱された原材料のサンプルを、好ましくは半時
間ないし1時間ごとに、キルン炉から取り出し、X線回
折により量的に分析する。この分析を容易にするため
に、X線回折装置をコンピュータ制御して、予備燃焼試
験を計算するようにできる。
クリンカーが適切にクリンカー化されたら、本発明の
セメント配合物を製造する次の段階は、クリンカー中に
存在するC4A3S′の平均量を決定することである。
セメント配合物を製造する次の段階は、クリンカー中に
存在するC4A3S′の平均量を決定することである。
クリンカーは、粉砕されてセメント化した量自体を持
たないものを作る。したがって、本発明の次の段階は、
ポルトランド型セメントを含有するC及び可溶性の無水
CS′をクリンカーに混合して、最終混合物を形成するこ
とであり、この最終混合物の組成には、重量比約10%〜
30%のC4A3S′、及び約5%〜25%の可溶性の無水CS′
を含んでいる。
たないものを作る。したがって、本発明の次の段階は、
ポルトランド型セメントを含有するC及び可溶性の無水
CS′をクリンカーに混合して、最終混合物を形成するこ
とであり、この最終混合物の組成には、重量比約10%〜
30%のC4A3S′、及び約5%〜25%の可溶性の無水CS′
を含んでいる。
本発明の特殊なクリンカーに、水硬化又はポルトラン
ド型セメントを混合することは、混合物に遊離石灰及び
C3Sを与えて、セメントにC3Sを結合させるので、好まし
い技術である。
ド型セメントを混合することは、混合物に遊離石灰及び
C3Sを与えて、セメントにC3Sを結合させるので、好まし
い技術である。
拡張性結晶を作る公知のC4A3S′の化学量論的反応を
利用する従来のセメント製造方法と異なって、本発明の
方法は、次の水成混合式に基づいて、クリンカーを含む
高濃度C4A3S′の最終混合物を形成するものである。
利用する従来のセメント製造方法と異なって、本発明の
方法は、次の水成混合式に基づいて、クリンカーを含む
高濃度C4A3S′の最終混合物を形成するものである。
I C4A3S′+2C=C4AS′・aq+2CA・aq II C4A3S′・aq+2CS′=C3AS′3・aq I式とII式を加算することにより、次の混合反応式を
得る。
得る。
C4A3S′+2C+2CS′=C6AS′3・aq+2CA・aq 本分野の技術知識から、本発明によって作られるセメ
ント中のCA・aq相は、高アルミナセメントの主要相であ
って、かつ、この相の存在が、セメントを迅速に強化す
るものと信じられている。しかし、従来のセメント配合
物と異なって、本発明のセメント配合物は、水硬化の
後、C3S・aq相及びC6AS′・aqエトリンガイト相と同じ
くCA・aq相及びC3S・aq相を含み、C12A7の逆硬化がな
く、水硬化の後、数年間にわたって結晶転移をするコン
クリートを作るものである。
ント中のCA・aq相は、高アルミナセメントの主要相であ
って、かつ、この相の存在が、セメントを迅速に強化す
るものと信じられている。しかし、従来のセメント配合
物と異なって、本発明のセメント配合物は、水硬化の
後、C3S・aq相及びC6AS′・aqエトリンガイト相と同じ
くCA・aq相及びC3S・aq相を含み、C12A7の逆硬化がな
く、水硬化の後、数年間にわたって結晶転移をするコン
クリートを作るものである。
また、本分野の技術知識から、本発明のセメント配合
物の混合形式を、各種の急速硬化、高強度特性をもたら
せるために変形し得るものである。
物の混合形式を、各種の急速硬化、高強度特性をもたら
せるために変形し得るものである。
さらに、各種の添加物をセメントに添加して、所望の
性質を生じさせることもできる。同様に、3種類の主な
原材料成分の混合比を調節して、本発明のセメント配合
物の固化時間を制御することができる。
性質を生じさせることもできる。同様に、3種類の主な
原材料成分の混合比を調節して、本発明のセメント配合
物の固化時間を制御することができる。
たとえば、寒冷時やきびしい天候条件の下では、固化
時間は、15分から約2時間に増加する。硫酸塩アルミニ
ウムあるいは硫酸塩鉄などの適宜の促進剤をセメントに
添加すると、セメントの固化速度を早めることができ
る。前述したこれらの促進剤に加えて、ポルトランドセ
メントに使用される塩化物促進剤も、本発明のセメント
配合物として使用することができる。
時間は、15分から約2時間に増加する。硫酸塩アルミニ
ウムあるいは硫酸塩鉄などの適宜の促進剤をセメントに
添加すると、セメントの固化速度を早めることができ
る。前述したこれらの促進剤に加えて、ポルトランドセ
メントに使用される塩化物促進剤も、本発明のセメント
配合物として使用することができる。
さらに、本発明のセメント配合物にクエン酸抑制剤を
添加すると、初期固化時間を2時間程度増加させること
ができる。ただし、混合した水やコンクリートの落下を
減少させる超塑性剤をセメントに混合する場合は、初期
固化時間が水硬化の後、15分が理想的な硬化時間である
ことを、認識すべきである。
添加すると、初期固化時間を2時間程度増加させること
ができる。ただし、混合した水やコンクリートの落下を
減少させる超塑性剤をセメントに混合する場合は、初期
固化時間が水硬化の後、15分が理想的な硬化時間である
ことを、認識すべきである。
また、本発明に基づいて製造される新規なセメント配
合物は、水が浸透せず、耐酸性を備え、非収縮性の配合
物である。さらに、このセメント配合物は、海水にも抵
抗性を有する。凍結及び融解雪に対する抵抗力を増加す
るためには、超塑性剤の添加が推奨される。
合物は、水が浸透せず、耐酸性を備え、非収縮性の配合
物である。さらに、このセメント配合物は、海水にも抵
抗性を有する。凍結及び融解雪に対する抵抗力を増加す
るためには、超塑性剤の添加が推奨される。
以下、理解のために、本発明の標準的なセメント配合
物の組成を示すが、本発明は、これに限定されるもので
はない。
物の組成を示すが、本発明は、これに限定されるもので
はない。
第1例 本発明の方法に基づいて、石灰、石膏、及び高アルミ
ナ粘土を混合して、高濃度のC4A3S′クリンカーを作る
原材料を形成した。混合物の成分は、乾燥粉末の状態に
結合される。原材料の化学分析は、以下のとおりであっ
た。
ナ粘土を混合して、高濃度のC4A3S′クリンカーを作る
原材料を形成した。混合物の成分は、乾燥粉末の状態に
結合される。原材料の化学分析は、以下のとおりであっ
た。
粘土 石灰 石膏 SiO2 32.00% 2.00% 1.00% Al2O3 55.00% 0.70% 0.50% CaO 1.50% 55.00% 34.00% Fe2O3 1.00% 0.50% 0.20% MgO 0.26% 0.60% 0.60% K2O 2.60% 0.15% 0.05% SO3 3.50% 0.10% 43.00% L.O.I. 4.00% 41.00% 21.00% 本発明の混合式を用いて、重量比約55%の石灰に、重
量比20%の石膏及び重量比25%の粘土を混合した原材料
から作られる、クリンカーに含まれるC4A3S′を、平均
約32%に決定した。この原材料を、1000℃から1200℃の
間の温度で焼成して、高濃度C4A3S′クリンカーを作っ
た。このクリンカーは、セメント化した成分を持たない
ように作られている。
量比20%の石膏及び重量比25%の粘土を混合した原材料
から作られる、クリンカーに含まれるC4A3S′を、平均
約32%に決定した。この原材料を、1000℃から1200℃の
間の温度で焼成して、高濃度C4A3S′クリンカーを作っ
た。このクリンカーは、セメント化した成分を持たない
ように作られている。
同じく本発明の混合式を用いて、このクリンカーに、
可溶性の無水CS′及びポルトランドセメントを、次の比
率で混合した。70%の高C4A3S′クリンカー、20%のポ
ルトランドセメント・タイプIII、及び10%の可溶性無
水CS′。混合結果のセメント混合物は、約22%のC4A
3S′、約3%の遊離C、約10%の無水CS′、及び約65%
の珪酸塩(C2S及びC3S)を含有していた。
可溶性の無水CS′及びポルトランドセメントを、次の比
率で混合した。70%の高C4A3S′クリンカー、20%のポ
ルトランドセメント・タイプIII、及び10%の可溶性無
水CS′。混合結果のセメント混合物は、約22%のC4A
3S′、約3%の遊離C、約10%の無水CS′、及び約65%
の珪酸塩(C2S及びC3S)を含有していた。
このセメントから形成した凝集物は、セメントと砂と
を1対1の比率で混合したものである。次いで、セメン
ト3部に対して水1部の比率で、凝集物に水を加えた。
この分子組成物の圧縮強度は、修正したC109立方体強度
試験を使用して、次の値を示した。
を1対1の比率で混合したものである。次いで、セメン
ト3部に対して水1部の比率で、凝集物に水を加えた。
この分子組成物の圧縮強度は、修正したC109立方体強度
試験を使用して、次の値を示した。
経過時間 圧縮強度 1時間 5,000psi(35、185kg/m2) 1日 7,000psi(49.21kg/m2) 7日 8,000psi(56.24kg/m2) 28日 11,000psi(77.33kg/m2) 第2例 この場合は、第1例の粘土に代えたボーキサイト、石
灰、及び石膏で原材料の初期混合物を構成し、高濃度C4
A3S′クリンカーを生成するために使用される原材料を
形成させた。この原材料の化学分析結果は、次のとおり
であった。
灰、及び石膏で原材料の初期混合物を構成し、高濃度C4
A3S′クリンカーを生成するために使用される原材料を
形成させた。この原材料の化学分析結果は、次のとおり
であった。
ポーキサイト 石灰 石膏 SiO2 3.00% 2.00% 1.00% Al2O3 55.00% 0.70% 0.50% CaO 2.00% 55.00% 34.00% Fe2O3 27.00% 0.50% 0.20% MgO 0.00% 0.60% 0.60% K2O 11.00% 0.15% 0.05% SO3 0.00% 0.10% 43.00% L.O.I. 0.00% 41.00% 21.00% TiO2 3.00% 0.00% 0.00% 本発明の混合式を用いて、焼成後のクリンカーを、重
量比40%のボーキサイトに、重量比40%の石灰及び重量
比20%の石膏を結合したC4A3S′を62%含有するものと
して、作成することができた。
量比40%のボーキサイトに、重量比40%の石灰及び重量
比20%の石膏を結合したC4A3S′を62%含有するものと
して、作成することができた。
同じく本発明の混合式を用いて、焼成したクリンカー
に、ポルトランドIII型セメント及び可溶性無水CS′
を、高濃度C4A3S′クリンカーが35%、可溶性無水CS′
が10%、及びポルトランドIII型セメントが55%の比率
で結合して、最終のC4A3S′を20%含有するセメント配
合物を作成した。
に、ポルトランドIII型セメント及び可溶性無水CS′
を、高濃度C4A3S′クリンカーが35%、可溶性無水CS′
が10%、及びポルトランドIII型セメントが55%の比率
で結合して、最終のC4A3S′を20%含有するセメント配
合物を作成した。
第2例のセメント配合物を水硬化すると、最終凝固に
おける水硬化熱は、75℃を示した。この高い水硬化熱
は、第2例のセメント配合物を、寒冷地の気候及び零度
以下の気温に対して、特に好適なものとする。
おける水硬化熱は、75℃を示した。この高い水硬化熱
は、第2例のセメント配合物を、寒冷地の気候及び零度
以下の気温に対して、特に好適なものとする。
この分野の知識により、本発明に基づいて作成される
初期の焼成クリンカー中のC4A3S′の量の範囲は、広く
変化させ得ることが認識されると思う。
初期の焼成クリンカー中のC4A3S′の量の範囲は、広く
変化させ得ることが認識されると思う。
しかし、C4A3S′成分が約15%より少ないものは、本
発明の範囲に含まれるが、経済的効果としては最適では
ない。逆に、クリンカー用の元混合物を作るときの原材
料の化学組成に、約75%以上のC4A3S′の成分があるも
のも、本発明の実際の範囲にあるものと考えられる。
発明の範囲に含まれるが、経済的効果としては最適では
ない。逆に、クリンカー用の元混合物を作るときの原材
料の化学組成に、約75%以上のC4A3S′の成分があるも
のも、本発明の実際の範囲にあるものと考えられる。
同様に、焼成したクリンカーに対するポルトランドセ
メント及び可溶性無水CS′の混合比も、最終のセメント
配合物中にC4A3S′が占めるパーセンテージの所望値に
応じて、広い範囲に変化させ得るものである。しかし、
本発明によって作られる最も経済的なセメント配合物
は、C4A3S′の重量比が、約10%から30%の範囲である
と予想される。
メント及び可溶性無水CS′の混合比も、最終のセメント
配合物中にC4A3S′が占めるパーセンテージの所望値に
応じて、広い範囲に変化させ得るものである。しかし、
本発明によって作られる最も経済的なセメント配合物
は、C4A3S′の重量比が、約10%から30%の範囲である
と予想される。
したがって、可溶性無水CS′の関連成分は、約5%か
ら25%まで変化させるのが最も経済的である。残りの配
合成分は、任意の型の水硬化性セメントで形成すること
ができる。ただし、セメントは、C3S相を大量に含有す
るものであることが望ましい。すなわち、残りのセメン
ト配合物は、所望の強度及び最終の水硬化セメント製品
の性質に応じて、重量比が約45%から85%まで変化する
ポルトランド型セメントを構成するのが好ましい。
ら25%まで変化させるのが最も経済的である。残りの配
合成分は、任意の型の水硬化性セメントで形成すること
ができる。ただし、セメントは、C3S相を大量に含有す
るものであることが望ましい。すなわち、残りのセメン
ト配合物は、所望の強度及び最終の水硬化セメント製品
の性質に応じて、重量比が約45%から85%まで変化する
ポルトランド型セメントを構成するのが好ましい。
上述の説明は、本発明の好適な実施例に基づいて記載
したものである。この分野の知識によって、同等と認め
られるその他のセメント配合物は、本発明の範囲に含ま
れることを理解すべきである。したがって、本発明は、
上述記載したセメント配合物の実施例に限定されるもの
ではない。
したものである。この分野の知識によって、同等と認め
られるその他のセメント配合物は、本発明の範囲に含ま
れることを理解すべきである。したがって、本発明は、
上述記載したセメント配合物の実施例に限定されるもの
ではない。
Claims (10)
- 【請求項1】石灰、石膏及びボーキサイト、カオリナイ
トもしくは高アルミナ粘土からなる群から選択された1
種乃至複数種の混合物を形成し、該混合物が、0.64以上
の全A/Fモル比率を有し、0.35〜0.25の全S′/A+Fモ
ル比率(A、F及びS′は、各々Al2O3、Fe2O3及びSO3
のモル数である)を有するようにする工程; 混合物を、1,000℃〜1,200℃のオーダーの高温に、十分
な時間、加熱し、C4A3S′の高濃度を有するクリンカー
を形成する工程; 該クリンカー中に存在するC4A3S′の平均量を測定する
工程;及び 該クリンカーと、水硬化性セメントを含有するCaO及び
可溶性無水CaSO4を混合し、最終混合物の組成が、10〜3
0重量%の含有量のC4A3S′セメントと5〜25重量%の含
有量の可溶性無水CaSO4であるようにする工程を有する
ことを特徴とする速硬性超高強度セメントの製造方法。 - 【請求項2】更に、加熱した混合物から取り出した試料
を周期的にX線回折分析をして、加熱温度を制御する工
程を有する請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】前記の加熱温度制御工程は、更に、試料中
に存在するC4A3S′の含有量を定量分析するために、参
照基準に基づく、予め調整したX線回折曲線を用意する
工程; 加熱した混合物から試料を周期的に取り出す工程; 各試料中に存在するC4A3S′含有量を、X線回折分析に
より定量分析する工程;そして、 混合物の加熱温度を、高濃度のC4A3S′になるように調
整する工程である請求項2に記載の製造方法。 - 【請求項4】C4A3S′の高濃度が、15〜75重量%である
請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項5】請求項1に記載の製造方法で製造される速
硬性超高強度セメント。 - 【請求項6】最終混合物中に存在するC4A3S′の含有量
は、15〜20重量%である、請求項1に記載の製造方法で
製造される速硬性超高強度セメント。 - 【請求項7】最終混合物中に存在するC4A3S′の含有量
は、20重量%であり、可溶性無水CaSO4の含有量は、10
重量%である、請求項1に記載の製造方法で製造される
速硬性超高強度セメント。 - 【請求項8】更に、超可塑化剤を含有する、請求項5に
記載の速硬性超高強度セメント。 - 【請求項9】更に、クエン酸遅延剤を含有する、請求項
5に記載の速硬性超高強度セメント。 - 【請求項10】更に、硫酸アルミニウム、硫酸鉄または
塩化鉄の促進剤を選択された促進添加剤を含有する、請
求項5に記載の速硬性超高強度セメント。
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