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JP2560239B2 - 含フッ素インドール酪酸系果実増糖減酸剤 - Google Patents

含フッ素インドール酪酸系果実増糖減酸剤

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Publication number
JP2560239B2
JP2560239B2 JP5304613A JP30461393A JP2560239B2 JP 2560239 B2 JP2560239 B2 JP 2560239B2 JP 5304613 A JP5304613 A JP 5304613A JP 30461393 A JP30461393 A JP 30461393A JP 2560239 B2 JP2560239 B2 JP 2560239B2
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JP
Japan
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acid
fluorine
sugar
fruits
formula
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JP5304613A
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JPH07133204A (ja
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正人 片山
省造 藤井
博 木本
且也 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/34Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • A01N43/36Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom five-membered rings
    • A01N43/38Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom five-membered rings condensed with carbocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B7/00Preservation or chemical ripening of fruit or vegetables
    • A23B7/14Preserving or ripening with chemicals not covered by groups A23B7/08 or A23B7/10
    • A23B7/153Preserving or ripening with chemicals not covered by groups A23B7/08 or A23B7/10 in the form of liquids or solids
    • A23B7/154Organic compounds; Microorganisms; Enzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な含フッ素インド
ール酪酸系果実増糖減酸剤、さらに詳しくは、植物生長
調節作用を有する含フッ素インドール酪酸類を有効成分
として含有し、特に柑橘類やブドウ類果実の糖度増大と
酸含量減少処理に用いられる含フッ素インドール酪酸系
果実増糖減酸剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】嗜好食品として生食あるいは果汁などと
して利用される果実は、基本的に美味であることが求め
られ、甘味の大きいことが最も重要な要素である。物理
量として測定される糖度の値が大きい場合と、酸含量の
値が小さい場合に、甘味が感じとられ、酸含量に対する
糖度の比として計算される糖酸比の値が、1以上大きい
ときに、有意差のある甘味として明確に認識される。
【0003】従来、収穫される果実の甘味を高める目的
で、生育中の作物に対して減酸剤あるいは増糖剤を用い
た処理が行われており、例えばエチルクロゼート[5‐
クロロ‐3(1H)‐インダゾリル酢酸ナトリウム又は
5‐クロロ‐3(1H)‐インダゾリル酢酸エチル]
が、柑橘類に対する増糖剤・着色促進剤として、多少の
効果が認められている。減酸剤としては、ヒ酸鉛が登録
農薬の第1号として登録され、柑橘類の減酸剤として古
くから広く使用されてきた。
【0004】しかしながら、柑橘類の減酸剤として有効
なヒ酸鉛は、散布従事者に数多くの慢性ヒ酸鉛中毒に伴
う肺ガン、皮膚ガンなどを引き起こすとともに、果実表
皮などに残留して果実の消費者に対する経口急性中毒の
可能性を内在し、わが国では1978年に農薬としての
登録が失効した。ヒ酸鉛による減酸効果は、果実だけで
なく樹体全体のTCAサイクルを乱し、クエン酸の生合
成の水準を低下させるためといわれ、アメリカなどの注
意書に3年連続の使用は樹体そのものを著しく痛めるこ
とが記載されている。現在でも酸味の強い種類の柑橘類
に対して、このような減酸剤の使用が必須とされ、柑橘
類の有効な代替減酸剤が開発されていないために、ヒ酸
鉛が多くの問題点をもちながらも、その使用が一部の国
で認められているのが実状である。このような事情か
ら、柑橘類などの増糖あるいは減酸効果を有し、かつ人
体に対して安全な代替処理剤の早急な開発が望まれてい
る。
【0005】他方、4,4,4‐トリフルオロ‐3‐
(インドール‐3‐)酪酸、4,4,4‐トリフルオロ
‐2‐ヒドロキシ‐3‐(インドール‐3‐)酪酸及び
4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(インドール‐3‐)
ブチロニトリルは、植物の根の伸長促進作用をもつこと
が知られている(植物化学調節学会、平成2年度大会、
研究発表記録集第31ページ、植物化学調節学会発
行)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、柑橘類などの増糖あるいは減酸効果を有
し、かつ人体に対して安全な新規な果実増糖減酸剤を提
供するを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、果実増糖
減酸剤について鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有
する含フッ素インドール酪酸類が、特に柑橘類やブドウ
類果実の糖度増大と酸含量減少処理に有効であり、かつ
人体に対して安全であることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、一般式
【化2】 (式中のR及びRは水素原子又はアルキル基、Yは
水酸基、アルコキシ基、アミノ基又はアルキルアミノ基
である)で示される含フッ素インドール酪酸類の中から
選ばれた少なくとも1種を有効成分として成る含フッ素
インドール酪酸系果実増糖減酸剤を提供するものであ
る。
【0009】また、本発明の果実増糖減酸剤は、前記一
般式(I)で示される構造を有する含フッ素インドール
酪酸類を有効成分として成るものである。
【0010】前記一般式(I)中のYは、水酸基、アル
コキシ基例えばメトキシ基、エトキシ基、アミノ基又は
アルキルアミノ基例えばメチルアミノ基であり、R
びRは水素原子又はアルキル基例えばメチル基であ
る。
【0011】この一般式(I)で示される含フッ素イン
ドール酪酸類は、例えば次に示す反応式によって製造す
ることができる。
【0012】
【化4】
【0013】ただし、Rはアルキル基、R及びR
はそれぞれ水素原子又はアルキル基、Etはエチル基で
あり、R、Rは前記と同じ意味をもつ。
【0014】すなわち、マロン酸ジエチルを、例えばト
ルエン、ベンゼンなどに溶解し、これに金属ナトリウム
を加え、好ましくは加熱還流して式(III)で示され
る化合物とし、次いで一般式(II)で示される2,
2,2‐トリフルオロ‐1‐(置換インドール‐3‐)
エタノールを加えて再び加熱還流し、一般式(IV)で
示されるジエステルを得る。次にこの一般式(IV)で
示されるジエステルを低級アルコール(例えばメタノー
ル)に溶解したのち、アルカリ、好ましくは炭酸アルカ
リ(例えば炭酸カリウム)の水溶液を加え加熱還流する
ことにより、一般式(V)[式(I)のY=OHに相当
する]で示されるカルボン酸を得ることができる。さら
に、この一般式(V)で示される化合物をアルコールと
触媒、好ましくは酸存在下で加熱することにより、一般
式(VI)[式(I)のY=OR3に相当する]で示さ
れるエステルを得ることができるし、また、この一般式
(VI)で示される化合物をアミンと加熱することによ
り、一般式(VII)[式(I)のY=NR45に相当
する]で示されるアミドを得ることができる。
【0015】なお、一般式(I)で示される化合物を製
造するための原料である一般式(II)で示される化合
物は公知の方法[例えば「ジャーナル・オブ・フルオリ
ン・ケミストリ(J.Fluorine Che
m.)」第39巻、第47〜59ページ(1988
年)、「名古屋工業技術試験所報告」第41巻、第18
5〜195ページ(1992年)などに記載の方法]を
利用して製造することができる。
【0016】このようにして得られた前記一般式(I)
で示される含フッ素インドール酪酸類は、特に柑橘類や
ブドウ類果実の糖度増大と酸含量減少処理及び着色促進
に有効であり、かつ人体に対して、従来減酸剤として用
いられていたヒ酸鉛に比べてはるかに安全である。
【0017】本発明の果実増糖減酸剤は、前記一般式
(I)で示される含フッ素インドール酪酸類の中から選
ばれた1種又は2種以上を有効成分として含有するもの
であって、そのまま使用してもよいし、あるいはその効
果を助長若しくは安定化するために農薬に通常用いられ
る補助剤と混合して、液剤、粉剤、粒剤、水和剤、フロ
アブル剤又は乳剤などの製剤形態にして使用することも
できる。
【0018】これらの製剤は、実際の使用においては直
接そのまま使用するか、又は水で所定濃度に希釈して使
用する。
【0019】前記一般式(I)で示される化合物は、通
常1〜100ppmの範囲の濃度で使用されるが、もち
ろんこの範囲に限定されるものではない。
【0020】
【発明の効果】本発明の果実増糖減酸剤は、含フッ素イ
ンドール酪酸類を有効成分として含有するものであっ
て、特に柑橘類やブドウ類果実の糖度増大と酸含量減少
処理及び着色促進に好適に用いられ、かつ人体に対して
安全である。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0022】参考例1 4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(インドール‐3‐)
酪酸[式(I)のY=OH、R1=H、R2=Hに相当]
の製造 マロン酸ジエチル16.0g(100ミリモル)のトル
エン50ml溶液に金属ナトリウム2.3gを加え、
1.5時間加熱還流したのち、2,2,2‐トリフルオ
ロ‐1‐(インドール‐3‐)エタノール4.3g(2
0ミリモル)を加えた。さらに4時間加熱還流したの
ち、注意深く水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、次い
で酢酸エチル層を水及び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥したのち減圧濃縮し、粗ジカルボン酸ジ
エステルのトルエン溶液を得た。この溶液をヘキサン/
アセトニトリルで分配したのち、アセトニトリル層を減
圧濃縮し、得られる粗ジエステルをメタノール100m
lに溶解したのち炭酸カリウム25.7gの水溶液80
mlを加え、90時間加熱還流した。
【0023】次に、塩酸で中和したのち減圧濃縮してメ
タノールを除去し、4N水酸化ナトリウム水溶液でアル
カリ性にしたのち酢酸エチルで抽出した。水層を塩酸で
酸性にしたのち酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧濃縮後得られる粗カルボン酸をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製して、4,4,4‐ト
リフルオロ‐3‐(インドール‐3‐)酪酸4.2g
(収率82.0%)を得た。
【0024】このものの融点は117〜119℃であ
り、また赤外線吸収スペクトル、マススペクトル及び1
H‐NMRの測定結果は次のとおりである。 IRνmax KBr(cm-1):3430、1722、146
0、1438、1422、1380、1326、131
3、1296、1280、1155、1117、96
2、823、745、664、618 MS(70ev):257(M+、86%)、237
(30)、198(100)、188(22)1 H‐NMR(200MHz、TMS)(アセトン‐
6):2.95〜3.25(3H,m)、4.35
(1H,m)、7.00〜7.25(2H,m)、7.
40〜7.55(2H,m)、7.69(1H,d,J
=7.0Hz)
【0025】参考例2 4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(2‐メチルインドー
ル‐3‐)酪酸[式(I)のY=OH、R1=H、R2
CH3に相当]の製造 マロン酸ジエチル88.5g(555ミリモル)のトル
エン300ml溶液に金属ナトリウム12.7gを加
え、2時間加熱還流したのち、2,2,2‐トリフルオ
ロ‐1‐(2‐メチルインドール‐3‐)エタノール
[式(II)のR1=H、R2=CH3に相当]42.3
g(185ミリモル)を加えた。さらに20時間加熱還
流したのち、メタノールを加えて未反応ナトリウムを分
解して、反応混合物を4N‐塩酸で中和した。中和した
溶液を濃縮して得られた水溶液を4N‐塩酸で酸性化し
て酢酸エチルで4回抽出し、次いで酢酸エチル層を水及
び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥したの
ち減圧濃縮し、油状の粗ジカルボン酸ジエステル[式
(IV)のR1=H、R2=CH3に相当]を得た。この
粗ジエステルを200mlのメタノールに溶解し、10
0mlの水に溶解した炭酸カリウム127.6g(92
5ミリモル)をメタノール溶液に加え、48時間加熱還
流した。溶液を室温に冷却したのち、4N‐塩酸で中和
してから真空濃縮して水溶液を得、さらにこの水溶液を
4N‐水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性とし、酢酸エ
チルで3回処理し、水層を4N‐塩酸で酸性として酢酸
エチルで抽出した。次いで酢酸エチル層を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、真空濃縮して得られた粗イン
ドール酪酸をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分
離し、酢酸エチル/n‐ヘキサンより再結晶化して4,
4,4‐トリフルオロ‐3‐(2‐メチルインドール‐
3‐)酪酸38.8g(収率77.4%)を得た。
【0026】このものの融点は148〜149℃であ
り、また赤外線吸収スペクトル、マススペクトル及び1
H‐NMRの測定結果は次のとおりである。 IRνmax KBr(cm-1):3475、3420、306
0、2930、1713、1460、1430、131
0、1260、1150、1110、1020、75
0、630、465 MS(70ev):271(M+、85%)、251
(6)、226(5)、212(100)、202(3
9)、160(10)、156(12)、130(1
2)1 H‐NMR(200MHz、TMS、アセトン‐
6):2.95〜3.25(3H,m)、4.35
(1H,m)、7.00〜7.25(2H,m)、7.
40〜7.55(2H,m)、7.69(1H,d,J
=7.0 and 7.0Hz)
【0027】参考例3 4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(インドール‐3‐)
酪酸エチル[式(I)のY=OC25、R1=H、R2
Hに相当]の製造 参考例1で得られた4,4,4‐トリフルオロ‐3‐
(インドール‐3‐)酪酸エチル5.1g(20ミリモ
ル)をエタノール300mlに溶解し、塩酸ガスを飽和
させ、一夜還流したのち、エタノールと塩酸を留去、乾
固し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで分離してヘキサンより再結晶化することによ
り、4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(インドール‐3
‐)酪酸エチル5.5g(収率96%)を得た。
【0028】このものの融点は57〜58℃であり、赤
外線吸収スペクトル、マススペクトル及び1H‐NMR
の測定結果は次のとおりである。 IRνmax KBr(cm-1):3430、1725、146
8、1390、1263、1161、1020、96
3、821、750 MS(70ev):285(M+、100%)、265
(32)、237(51)、198(75)1 H‐NMR(90MHz、TMS、アセトン‐d6):
1.07(3H,t,J=7.0Hz)、4.00(2
H,q,J=7.0Hz)、3.02 and 3.1
1[2H,AB‐d,J=15.7 and9.8
(4.7)Hz]、4.35(1H,d‐d‐q J=
9.8、4.7and 9.3Hz)、7.68(1
H,m)、7.09(1H,m)、7.15(1H,
m)、7.43(1H,m)、7.44(1H,d,J
=2.4Hz)
【0029】参考例4 4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(2‐メチルインドー
ル‐3‐)酪酸エチル[式(I)のY=OC25、R1
=H、R2=CH3に相当]の製造 参考例2で得られた4,4,4‐トリフルオロ‐3‐
(2‐メチルインドール‐3‐)酪酸2.21g(8.
18ミリモル)をエタノール50mlに溶解し、濃硫酸
0.05mlを加え、11時間加熱還流したのち、氷水
中に投入してエーテルで3回抽出し、次いでエーテル層
を水及び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
したのち減圧濃縮した。得られた抽状の粗エチルエステ
ルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、四
塩化炭素/ヘキサンより再結晶化して4,4,4‐トリ
フルオロ‐3‐(2‐メチルインドール‐3‐)酪酸エ
チル2.40g(収率98.1%)を得た。
【0030】このものの融点は71〜71.5℃であ
り、赤外線吸収スペクトル、マススペクトル及び1H‐
NMRの測定結果は次のとおりである。 IRνmax KBr(cm-1):3360、1710、146
0、1420、1315、1295、1265、123
0、885、718、650 MS(70ev):299(M+、100%)、254
(10)、230(25)、212(92)、157
(14)1 H‐NMR(90MHz、TMS、アセトン‐d6):
1.03(3H,t,J=7.0Hz)、2.46(3
H,s)、3.16(2H,d、J=7.2Hz)、
4.01(2H,q,J=7.0Hz)、4.27(1
H,t‐d,J=10.5 and 7.2Hz)、
6.9〜7.6(4H,m)、10.05(1H,br
s)
【0031】参考例5 4,4,4‐トリフルオロ‐3‐(2‐メチルインドー
ル‐3‐)酪酸アミド[式(I)のY=NH2、R1
H、R2=CH3に相当]の製造 参考例4で得られた4,4,4‐トリフルオロ‐3‐
(2‐メチルインドール‐3‐)酪酸エチル0.60g
(2.0ミリモル)をメタノール5mlに溶解し、28
wt%アンモニア水20mlを加え、かきまぜながら6
時間加温し(35℃)、反応させた。氷冷後、飽和食塩
水を加え、酢酸エチルで4回抽出し、次いで酢酸エチル
層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
のち減圧濃縮し、ほぼ純粋のアミド体を得た。酢酸エチ
ル/ヘキサンより再結晶化して、4,4,4‐トリフル
オロ‐3‐(2‐メチルインドール‐3‐)酪酸アミド
0.39g(71.9%)を得た。
【0032】このものの融点は177〜177.5℃で
あり、また赤外線吸収スペクトル、マススペクトル及び
1H‐NMRの測定結果は次のとおりである。 IRνmax KBr(cm-1):3500、3380、325
0、1685、1675、1465、1340、126
0、1155、1105、1025、755、4451 H‐NMR(90MHz、TMS、アセトン‐d6):
2.40(3H,s)、3.18(2H,s)、4.3
8(1H,m)、6.29(1H,brs)、6.9〜
7.1(3H,m)、7.2〜7.6(2H,m)、1
0.08(1H,brs) MS(70ev):271(M+、14%)、270
(M+、93%)、250(34)、226(17)、
213(14)、212(100)、211(21)、
201(9)、158(25)、157(14)
【0033】実施例1 ミカンの果実に対する生物試験 15年生のミカン樹(オキツ早生ウンシュウ)を用い
て、着色開始時期に、各区2枝ずつの枝別(7〜10果
実の枝単位)に、試料〔参考例1で得られた化合物[式
(I)のY=OH,R1=H、R2=Hに相当]〕の10
0ppm、5ppm濃度の薬液を散布した。散布35日
後に各枝から生育の良い果実を4果ずつ採取し、果実
重、着色度、糖度、酸含量を調査し、計算により求めら
れる糖酸比とともにその結果を表1に示す。5ppmで
着色促進効果と、甘味の指標となる糖酸比が1.0以上
の有意ある甘味増強効果が認められた。
【0034】
【表1】 注1) 果実汁1mlを中和するに必要な0.1N N
aOH水溶液量 2) 糖度/酸含量の比率
【0035】実施例2 キンカン果実に対する生物試験 20果実程度の着果している枝勢のそろった枝を選び、
着果数を10果実ずつにそろえ、着色開始時期に各区3
枝ずつの枝別に、試料〔参考例1で得られた化合物[式
(I)のY=OH、R1=H、R2=Hに相当]〕の10
0ppm、10ppm、1ppm濃度の薬液を散布し
た。散布50日後に一斉収穫して、合計30果実/区の
傷と病害のない25果実/区について、果実重、着色
度、糖度、酸含量を調査し、計算で求められる糖酸比と
ともにその結果を表2に示す。10ppm以上の濃度で
大きな着色促進効果があり、糖度の増大と酸含量の著し
い減少による糖酸比の顕著な増大が認められた。
【0036】
【表2】 注1) 果実汁1mlを中和するに必要な0.1N N
aOH水溶液量 2) 糖度/酸含量の比率
【0037】実施例3 ブドウの果実に対する生物試験 ブドウ(巨峰)を用いて着色成熟の始まろうとする時期
に、着粒数が35〜40粒/房の生育のそろったものを
選び、各区5房ずつとして、試料〔参考例1で得られた
化合物[式(I)のY=OH、R1=H、R2=Hに相
当]〕の50ppm、5ppm濃度の薬液を、果房と着
房部位の上下の2〜3枚の葉に、したたる程度に散布し
た。散布時に除袋し、散布液が乾いてから再度袋掛けし
て一般管理で栽培した。散布25日後に各区一斉収穫し
て、果粒重、着色度、糖度、酸含量を調査し、糖酸比で
計算した結果を表3に示す。50ppm処理で、ブドウ
に対しても着色成熟が促進され、着色進行に伴って、糖
度上昇と酸含量の著しい減少効果による糖酸比の大幅な
増大が認められた。
【0038】
【表3】 注1) 果実汁1mlを中和するに必要な0.1N N
aOH水溶液量 2) 糖度/酸含量の比率
【0039】上記試験結果から明らかなように、含フッ
素インドール酪酸類の1種また2種以上を有効成分とし
て含有する含フッ素インドール酪酸系果実増糖減酸剤
は、果実に対して増糖作用と顕著な減酸作用を合わせも
ち、特に柑橘類、ブドウ類の果実に対して有効な着色促
進作用と顕著な増糖・減酸作用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−169858(JP,A) 特開 平5−279331(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のR及びRは水素原子又はアルキル基、Yは
    水酸基、アルコキシ基、アミノ基又はアルキルアミノ基
    である)で示される含フッ素インドール酪酸類の中から
    選ばれた少なくとも1種を有効成分として成る含フッ素
    インドール酪酸系果実増糖減酸剤。
  2. 【請求項2】 柑橘類及びブドウ類果実の糖度増大と酸
    含量減少処理に用いられる請求項1記載の含フッ素イン
    ドール酪酸系果実増糖減酸剤。
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