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JP2024154232A - ダイオードを有する半導体装置の製造方法 - Google Patents

ダイオードを有する半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2024154232A
JP2024154232A JP2023067962A JP2023067962A JP2024154232A JP 2024154232 A JP2024154232 A JP 2024154232A JP 2023067962 A JP2023067962 A JP 2023067962A JP 2023067962 A JP2023067962 A JP 2023067962A JP 2024154232 A JP2024154232 A JP 2024154232A
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和幸 山倉
Kazuyuki Yamakura
寛人 杉浦
Hiroto Sugiura
博司 細川
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Denso Corp
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Abstract

【課題】 カソード層内に結晶欠陥を有するダイオードを容易に形成する。
【解決手段】 半導体装置の製造方法であって、カソード層形成工程と、前記カソード層形成工程の実施後に半導体基板の第2表面にレーザを照射するレーザ照射工程を有する。前記カソード層形成工程では、前記第2表面を含む範囲に分布するn型の第1カソード層と、前記第1カソード層に対して第1表面側から接するとともに前記第1カソード層よりも低いn型不純物濃度を有するn型の第2カソード層を形成する。前記レーザ照射工程では、前記第2表面の近傍の前記半導体基板の表層部に950℃以上の加熱範囲を形成する。前記レーザ照射工程では、前記第1カソード層と前記第2カソード層の境界が前記加熱範囲内に位置し、前記第2カソード層の前記第1表面側の端部が前記加熱範囲よりも前記第1表面側に位置する。
【選択図】図7

Description

本明細書に開示の技術は、ダイオードを有する半導体装置の製造方法に関する。
特許文献1には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBTという場合がある)とダイオードを有する半導体装置の製造方法が開示されている。この製造方法では、n型不純物のイオン注入によってn型のカソード層を形成する。次に、半導体基板にヘリウムイオンを照射することによって、カソード層内に高密度に結晶欠陥を形成する。カソード層内に結晶欠陥を形成することで、IGBTのターンオンするときにスナップバックを抑制できる。
特開2015-211149号公報
ダイオードのカソード層内に結晶欠陥を形成すると、ダイオードのリカバリ電流を早く減衰させることが可能であることが判明した。この効果は、IGBTとダイオードを有する半導体装置だけでなく、ダイオード単体の半導体装置でも得ることができる。特許文献1のようにヘリウムイオンの照射によってカソード層内に結晶欠陥を形成する場合には、ヘリウムイオンを照射するための専用の設備が必要となり、製造コストが高くなる。本明細書では、カソード層内に結晶欠陥を有するダイオードを容易に形成する技術を提案する。
本明細書が開示する半導体装置の製造方法では、p型のアノード層(42)と、n型のカソード層(48)と、前記アノード層と前記カソード層の間に配置されているドリフト層(44)を有するダイオードを有する半導体装置を製造する。この製造方法は、半導体基板準備工程と、アノード層形成工程と、カソード層形成工程と、レーザ照射工程を有する。前記半導体基板準備工程では、シリコンによって構成されており、第1表面(12a)と前記第1表面の反対側に位置する第2表面(12b)を有し、前記ドリフト層を有する半導体基板を準備する。前記アノード層形成工程では、前記半導体基板内の前記第1表面を含む範囲に前記アノード層を形成する。前記カソード層形成工程では、前記第2表面にn型不純物を注入することによって前記半導体基板内の前記第2表面を含む範囲に前記カソード層を形成する。前記レーザ照射工程では、前記カソード層形成工程の実施後に、前記第2表面にレーザ(92)を照射する。前記カソード層形成工程では、前記第2表面を含む範囲に分布するn型の第1カソード層(48a)と、前記第1カソード層に対して前記第1表面側から接するとともに前記第1カソード層よりも低いn型不純物濃度を有するn型の第2カソード層(48b)を有する前記カソード層を形成する。前記レーザ照射工程では、前記第2表面の近傍の前記半導体基板の表層部に950℃以上の加熱範囲(94)を形成する。前記レーザ照射工程では、前記第1カソード層と前記第2カソード層の境界が前記加熱範囲内に位置し、前記第2カソード層の前記第1表面側の端部が前記加熱範囲よりも前記第1表面側に位置する。
なお、アノード層は、イオン注入とエピタキシャル成長のいずれによって形成してもよい。また、アノード層形成工程とカソード層形成工程はいずれを先に実施してもよい。また、カソード層形成工程では、第1カソード層と第2カソード層のいずれを先に形成してもよい。
この製造方法では、第1カソード層と第2カソード層にn型不純物を注入するときに、第1カソード層と第2カソード層の内部に高密度に結晶欠陥が形成される。その後、レーザ照射工程において第2表面にレーザを照射する。レーザ照射工程では、950℃以上の加熱範囲が形成される。当該加熱範囲内では、シリコンが950℃以上の温度に曝されることによって不純物が活性化するとともに結晶欠陥が消滅する。当該加熱範囲内に第1カソード層と第2カソード層の境界が位置する(すなわち、当該加熱範囲内に第1カソード層の全体が含まれる)ので、第1カソード層全体が活性化され、第1カソード層内の結晶欠陥の大部分が消滅する。このように、結晶性が高く、かつ、n型不純物濃度が高い第1カソード層が形成されるので、ダイオードの高いオン特性を実現できる。また、第2カソード層の第1表面側の端部が当該加熱範囲よりも第1表面側に位置する(すなわち、当該加熱範囲の外側に位置する)ので、第2カソード層の第1表面側の端部では結晶欠陥が消滅し難い。したがって、第2カソード層内に多数の結晶欠陥が残存する。このため、このダイオードではリカバリ電流を早く減衰させることができる。以上のように、この製造方法によれば、カソード層内に結晶欠陥を有するダイオードを製造できる。また、この製造方法では、カソード層に対するn型不純物の注入と第2表面へのレーザの照射という一般的な工程によって、結晶欠陥を有するカソード層を形成できる。したがって、カソード層内に結晶欠陥を有するダイオードを低コストで製造できる。
半導体装置10の断面図。 カソード層48の拡大断面図。 半導体装置10の製造方法の説明図。 半導体装置10の製造方法の説明図。 半導体装置10の製造方法の説明図。 半導体装置10の製造方法の説明図。 半導体装置10の製造方法の説明図。 リカバリ特性を示すグラフ。
本明細書が開示する一例の形態では、前記レーザ照射工程よりも前に、前記半導体基板内に前記第2カソード層に対して前記第1表面側から接するとともに前記第2カソード層よりも低いn型不純物を有するn型のバッファ層(46)を形成するバッファ層形成工程をさらに有していてもよい。
本明細書が開示する一例の形態では、前記半導体装置が、前記ダイオードの隣に絶縁ゲートバイポーラトランジスタを備えていてもよい。前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタが、前記半導体基板内の前記第2表面を含む範囲に配置されているとともに前記カソード層に隣接するp型のコレクタ層(30)を有していてもよい。前記バッファ層形成工程では、前記バッファ層が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタの範囲と前記ダイオードの範囲に跨って分布するように前記バッファ層を形成してもよい。
本明細書が開示する一例の形態では、前記レーザがグリーンレーザであってもよい。
この構成によれば、カソード層の厚さが薄い場合であっても、カソード層内に高密度な結晶欠陥を残存させることができる。
図1に示す実施形態の半導体装置10は、半導体基板12と、上部電極14と、下部電極16を有している。半導体基板12は、シリコンにより構成されている。上部電極14は、半導体基板12の上面12aに設けられている。下部電極16は、半導体基板12の下面12bに設けられている。
半導体基板12は、縦型のIGBTが設けられているIGBT領域20と、縦型のダイオードが設けられているダイオード領域40を有している。上部電極14は、IGBTのエミッタ電極とダイオードのアノード電極を兼ねている。下部電極16は、IGBTのコレクタ電極とダイオードのカソード電極を兼ねている。
半導体基板12の厚み方向の中央部には、ドリフト層44が設けられている。ドリフト層44は、低濃度のn型層である。ドリフト層44は、IGBT領域20とダイオード領域40に跨って分布している。
ドリフト層44の下側には、バッファ層46が設けられている。バッファ層46は、ドリフト層44よりも高いn型不純物濃度を有するn型層である。バッファ層46は、IGBT領域20とダイオード領域40に跨って分布している。バッファ層46は、IGBT領域20とダイオード領域40においてドリフト層44に対して下側から接している。
IGBT領域20内の半導体基板12内には、エミッタ層22、ボディ層24及びコレクタ層30が設けられている。
エミッタ層22は、高濃度のn型層であり、半導体基板12の上面12aに露出する範囲に配置されている。エミッタ層22は、上部電極14に対してオーミック接続されている。
ボディ層24は、p型層であり、エミッタ層22に接している。ボディ層24は、半導体基板12の上面12aに露出する範囲に配置されている。ボディ層24は、エミッタ層22の側方からエミッタ層22の下側まで伸びている。ボディ層24は、ボディコンタクト層24aと、低濃度ボディ層24bを有している。ボディコンタクト層24aは、高いp型不純物濃度を有している。ボディコンタクト層24aは、半導体基板12の上面12aに露出する範囲に配置されており、上部電極14に対してオーミック接続されている。低濃度ボディ層24bは、ボディコンタクト層24aよりも低いp型不純物濃度を有している。低濃度ボディ層24bは、エミッタ層22とボディコンタクト層24aの下側に配置されている。低濃度ボディ層24bは、ドリフト層44に対して上側から接している。
コレクタ層30は、高濃度のp型層であり、バッファ層46の下側に配置されている。コレクタ層30は、バッファ層46に対して下側から接している。コレクタ層30は、ドリフト層44及びバッファ層46によって、ボディ層24から分離されている。コレクタ層30は、半導体基板12の下面12bに露出する範囲に配置されている。コレクタ層30は、下部電極16に対してオーミック接続されている。
IGBT領域20内の半導体基板12の上面12aには、複数のトレンチが設けられている。各トレンチは、エミッタ層22に隣接する位置に配置されている。各トレンチは、ドリフト層44に達する深さまで伸びている。IGBT領域20内の各トレンチの内面は、ゲート絶縁膜32によって覆われている。また、各トレンチ内には、ゲート電極34が配置されている。各ゲート電極34は、ゲート絶縁膜32によって半導体基板12から絶縁されている。各ゲート電極34は、ゲート絶縁膜32を介して、エミッタ層22、低濃度ボディ層24b及びドリフト層44に対向している。各ゲート電極34の上部には、層間絶縁膜36が設けられている。各ゲート電極34は、層間絶縁膜36によって上部電極14から絶縁されている。
ダイオード領域40内の半導体基板12内には、アノード層42及びカソード層48が設けられている。
アノード層42は、半導体基板12の上面12aに露出する範囲に配置されている。アノード層42は、アノードコンタクト層42aと低濃度アノード層42bを有している。アノードコンタクト層42aは、高いp型不純物濃度を有している。アノードコンタクト層42aは、半導体基板12の上面12aに露出する範囲に配置されており、上部電極14に対してオーミック接続されている。低濃度アノード層42bは、アノードコンタクト層42aよりも低いp型不純物濃度を有している。低濃度アノード層42bは、アノードコンタクト層42aの側方及び下側に分布している。低濃度アノード層42bは、ドリフト層44に対して上側から接している。
カソード層48は、バッファ層46よりも高いn型不純物濃度を有するn型層である。カソード層48は、バッファ層46の下側に配置されている。カソード層48は、バッファ層46に対して下側から接している。カソード層48は、半導体基板12の下面12bに露出する範囲に配置されている。カソード層48は、下部電極16に対してオーミック接続されている。
ダイオード領域40内の半導体基板12の上面12aには、複数のトレンチが設けられている。各トレンチは、ドリフト層44に達する深さまで伸びている。ダイオード領域40内の各トレンチの内面は、絶縁膜52によって覆われている。また、各トレンチ内には、制御電極54が配置されている。各制御電極54は、絶縁膜52によって半導体基板12から絶縁されている。各制御電極54は、絶縁膜52を介して、アノード層42及びドリフト層44に対向している。各制御電極54の上部には、層間絶縁膜56が配置されている。各制御電極54は、層間絶縁膜56によって上部電極14から絶縁されている。各制御電極54は、ゲート電極34に電気的に接続されていてもよいし、ゲート電極34とは異なる電位を有していてもよい。
図2は、カソード層48の拡大断面図である。カソード層48は、第1カソード層48aと第2カソード層48bを有している。第2カソード層48bはバッファ層46よりも高いn型不純物濃度を有している。第1カソード層48aは第2カソード層48bよりも高いn型不純物濃度を有している。第1カソード層48aは半導体基板12の下面12bに露出する範囲に配置されている。第1カソード層48aは下部電極16にオーミック接続されている。第2カソード層48bは第1カソード層48aとバッファ層46の間に配置されている。第2カソード層48bは、第1カソード層48aに対して上側から接しており、バッファ層46に対して下側から接している。また、コレクタ層30は、半導体基板12の下面12bにおいてカソード層48に隣接している。
第2カソード層48b内には、周囲よりも結晶欠陥密度が高い高密度欠陥領域50が設けられている。結晶欠陥は、キャリアの再結合中心として働く。したがって、高密度欠陥領域50内ではキャリアライフタイムが短い。
次に、半導体装置10の製造方法について説明する。半導体装置10は、図3に示す加工前の半導体基板12から製造される。加工前の半導体基板12の全体は、ドリフト層44によって構成されている。
まず、アノード層形成工程を実施する。アノード層形成工程では、図4に示すように、イオン注入またはエピタキシャル成長によって半導体基板12にアノード層42を形成する。ここでは、アノード層42と同時にボディ層24を形成する。次に、図4に示すように、エミッタ層22を形成する。次に、図5に示すように、半導体基板12に、トレンチ、ゲート絶縁膜32、ゲート電極34、層間絶縁膜36、絶縁膜52、制御電極54、層間絶縁膜56及び上部電極14を形成する。
次に、バッファ層形成工程を実施する。バッファ層形成工程では、図5に示すように、IGBT領域20とダイオード領域40に跨って伸びるバッファ層46を形成する。ここでは、半導体基板12の下面12bに対してn型不純物をイオン注入することによってバッファ層46を形成する。バッファ層46を形成したら、バッファ層46をアニールすることによってバッファ層46内のn型不純物を活性化する。
次に、図5に示すように、半導体基板12にコレクタ層30を形成する。ここでは、IGBT領域20内の下面12bにp型不純物をイオン注入することによってコレクタ層30を形成する。コレクタ層30を形成したら、コレクタ層30をアニールすることによってコレクタ層30内のp型不純物を活性化する。
次に、図6に示すように、ダイオード領域40内の下面12bにn型不純物を注入することによってカソード層48を形成する。すなわち、第1カソード層48aと第2カソード層48bを形成する。第1カソード層形成工程では、下面12bに対して低いエネルギーかつ高いドーズ量でn型不純物を注入する。したがって、下面12bを含む表層部に、高いn型不純物濃度を有する第1カソード層48aが形成される。第2カソード層形成工程では、下面12bに対して、第1カソード層形成よりも高いエネルギーかつ第1カソード層形成工程よりも低いドーズ量でn型不純物を注入する。例えば、第1カソード層48aに対するドーズ量を7×1014cm-2とし、第2カソード層48bに対するドーズ量を6×1013cm-2とすることができる。したがって、第1カソード層48aの上側に第1カソード層48aよりも低いn型不純物濃度を有する第2カソード層48bが形成される。なお、第2カソード層48bは、バッファ層46よりも高いn型不純物濃度を有するように形成される。第1カソード層形成工程と第2カソード層形成工程は、いずれが先に実施されてもよい。以下では、第1カソード層48aの厚さ(すなわち、下面12bから第1カソード層48aの上面までの距離)を厚さAという。また、以下では、カソード層48全体の厚さ(すなわち、第1カソード層48aと第2カソード層48bを合わせた厚さ)を厚さBという。厚さBは、下面12bから第2カソード層48bの上面までの距離ともいえる。例えば、厚さAを0.2μmとし、厚さBを1.0μmとすることができる。また、図6においてハッチングされている領域は、高密度欠陥領域50を示している。イオン注入工程では、イオンが注入された範囲に高密度に結晶欠陥が形成される。したがって、第1カソード層形成工程と第2カソード層形成工程の実施直後の段階では、第1カソード層48aと第2カソード層48bの全体に高密度欠陥領域50が分布している。なお、第2カソード層形成工程では第1カソード層工程よりも低い密度でn型不純物をイオン注入するので、第2カソード層48b内には第1カソード層48a内よりも低密度で結晶欠陥が形成される。すなわち、第2カソード層48b内の高密度欠陥領域50における結晶欠陥密度は、第1カソード層48a内の高密度欠陥領域50における結晶欠陥密度よりも低い。
次に、レーザ照射工程を実施する。レーザ照射工程では、図7に示すように、下面12bにグリーンレーザ92を照射する。ここでは、グリーンレーザ92のスポットを移動させることによって、ダイオード領域40内の下面12bの全域にグリーンレーザ92を照射する。なお、レーザ照射工程において、ダイオード領域40とIGBT領域20を含む下面12b全体にグリーンレーザ92を照射してもよい。下面12bにグリーンレーザ92を照射すると、半導体基板12のうちの下面12b近傍の表層部が950℃以上の温度に加熱される。以下では、グリーンレーザ92の照射によって950℃以上の温度に加熱された範囲を、加熱範囲94という。また、以下では、加熱範囲94の深さを深さDという。グリーンレーザ92の波長が短いので、レーザ照射工程では下面12b近傍のごく浅い範囲が加熱される。例えば、グリーンレーザ92の波長が532nmの場合、加熱範囲94の深さDを50~230nmに制御することができる。また、より短い波長のレーザを使用する場合には、加熱範囲94の深さDをより小さくすることができる。ここでは、厚さA、B及び深さDが、A<D<Bの関係を満たすように深さDを制御する。
シリコンが950℃以上に加熱されると、シリコンの内部の不純物が活性化する。また、シリコンが950℃以上に加熱されると、シリコンの内部の結晶欠陥が消滅することで結晶欠陥密度が低下する。したがって、レーザ照射工程では、加熱範囲94内において、n型不純物が活性化するとともに、高密度欠陥領域50が消滅する。A<Dが満たされるので、第1カソード層48aと第2カソード層48bの境界面は加熱範囲94内に位置する。したがって、第1カソード層48aの全体が加熱範囲94内に含まれる。すなわち、第1カソード層48aの全体において、n型不純物が活性化するとともに高密度欠陥領域50が消滅する。また、D<Bが満たされるので、第2カソード層48bの上端部(すなわち、第2カソード層48bとバッファ層46の境界面)は加熱範囲94よりも上側に位置する。したがって、第2カソード層48bの下部は加熱範囲94内に含まれる一方で、第2カソード層48bの上部は加熱範囲94内に含まれない。したがって、第2カソード層48bの下部では高密度欠陥領域50が消滅し、第2カソード層48bの上部では高密度欠陥領域50が残存する。本実施形態では、深さDは厚さAに対してわずかに大きい程度であるので、第2カソード層48bの厚みの半分以上の領域に高密度欠陥領域50が残存する。
次に、図1に示すように下面12bの全体に下部電極16を形成する。コレクタ層30と第1カソード層48aは下部電極16に対してオーミック接続される。以上の工程により、半導体装置10が完成する。
次に、ダイオード領域40内のダイオードの動作について説明する。上部電極14に対して下部電極16よりも高い電位が印加されると、アノード層42とドリフト層44の界面のpn接合に順方向に電圧が加わる。すると、下部電極16からカソード層48とバッファ層46を介してドリフト層44に電子が流入する。同時に、アノード層42からドリフト層44にホールが流入し、ドリフト層44の抵抗が低下する。このため、電子はドリフト層44を低損失で通過することができる。ドリフト層44を通過した電子は、アノード層42を介して上部電極14へ流れる。このように下部電極16から上部電極14へ電子が流れることで、ダイオードがオンする。上述したように、第1カソード層48aのn型不純物濃度が高く、かつ、第1カソード層48aの結晶性が高い。したがって、第1カソード層48aの下部電極16に対するコンタクト抵抗は低い。したがって、ダイオードがオンしているときに生じる損失(いわゆる定常損失)は小さい。
上述したように、ダイオードがオンしている状態では、アノード層42からドリフト層44にホールが流入する。ドリフト層44に流入したホールは、バッファ層46及びカソード層48を介して下部電極16へ流れる。したがって、ダイオードがオンしている状態では、ドリフト層44、バッファ層46及びカソード層48内にホールが存在している。その後、下部電極16の電位を上部電極14の電位よりも高い電位まで上昇させると、ダイオードがリカバリ状態となり、ドリフト層44、バッファ層46及びカソード層48内に存在するホールが上部電極14へ排出される。これによって、ダイオードに一時的に逆電流(いわゆる、リカバリ電流)が流れる。
図8は、実施形態のダイオードと比較例のダイオードのリカバリ特性を比較して示している。比較例のダイオードは、高密度欠陥領域50を有さない点で実施形態のダイオードとは異なる。図8において、電圧Vakはダイオードのアノード-カソード間の電圧であり、カソードが高い方をプラスとして示している。電圧Vakは、実施形態と比較例とで共通である。図8において、電流Iはダイオードに流れる電流を示している。正の値は順方向に流れる電流を示し、負の値は逆方向に流れる電流を示している。
図8において、電流Iが負であるときがリカバリ状態である。リカバリ状態では、ドリフト層44、バッファ層46及びカソード層48内に存在するホールは、アノード層42の近い位置ほど上部電極14へ排出され易い。したがって、カソード層48内に存在するホールは、上部電極14へ排出されるまでに時間を要する。比較例のダイオードでは、カソード層48内に存在するホールが上部電極14へ排出されるまでリカバリ電流が流れるので、リカバリ電流が減衰し難い。これに対し、実施形態のダイオードでは、高密度欠陥領域50内の結晶欠陥が再結合中心として機能するので、第2カソード層48b内で多くのホールが電子との再結合によって消滅する。このため、実施形態のダイオードでは、比較例のダイオードよりも、リカバリ電流が速く減衰する。したがって、実施形態のダイオードでは、リカバリ損失が生じ難い。
以上に説明したように、本実施形態の製造方法では、n型不純物濃度が高く結晶性が高い第1カソード層48aを形成できるとともに、高密度欠陥領域50を有する第2カソード層48bを形成できる。したがって、ダイオードの定常損失とリカバリ損失を低減することができる。
また、本実施形態の製造方法では、第2カソード層48bに対して第1カソード層48aよりも低い密度でn型不純物を注入するので、第1カソード層48aのn型不純物濃度から独立して第2カソード層48b内の結晶欠陥密度を制御できる。これによって、第2カソード層48b内の結晶欠陥密度が過度に高くなることが防止され、ダイオードの定常損失が高くなることが防止される。
また、本実施形態の製造方法では、波長が短いグリーンレーザによって第1カソード層48aをアニールするので、厚さが薄いカソード層48内において高密度欠陥領域50が存在しない第1カソード層48aと高密度欠陥領域50が存在する第2カソード層48bを作り分けることができる。
また、本実施形態の製造方法では、n型不純物のイオン注入とレーザの照射という一般的な工程によって高密度欠陥領域50が存在しない第1カソード層48aと高密度欠陥領域50が存在する第2カソード層48bを形成できる。ヘリウム照射等の特殊な工程が不要であるので、低コストで半導体装置を製造できる。
なお、上述した実施形態では、レーザ照射工程においてグリーンレーザを使用したが、グリーンレーザに代えて、グリーンレーザよりも波長が短いレーザまたはグリーンレーザよりも波長が長いレーザを使用してもよい。ただし、カソード層48の厚さが薄い場合には、グリーンレーザまたはグリーンレーザよりも波長が短いレーザを使用した方が、カソード層48内に高密度欠陥領域50を残存させ易い。
また、上述した実施形態では、ダイオードとIGBTを有する半導体装置の製造方法について説明したが、ダイオード単体を有する半導体装置、または、ダイオードとIGBT以外の素子を有する半導体装置を製造するときに本明細書に開示の技術を適用してもよい。また、ダイオード領域内にトレンチ、絶縁膜52、制御電極54及び層間絶縁膜56が設けられていなくてもよい。
上記の実施形態において、上面12aは第1表面の一例であり、下面12bは第2表面の一例である。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10:半導体装置、12:半導体基板、40:ダイオード領域、42:アノード層、44:ドリフト層、46:バッファ層、48:カソード層、48a:第1カソード層、48b:第2カソード層、50:高密度欠陥領域、92:グリーンレーザ、94:加熱範囲

Claims (4)

  1. p型のアノード層(42)と、n型のカソード層(48)と、前記アノード層と前記カソード層の間に配置されているドリフト層(44)を有するダイオードを有する半導体装置の製造方法であって、
    シリコンによって構成されており、第1表面(12a)と前記第1表面の反対側に位置する第2表面(12b)を有し、前記ドリフト層を有する半導体基板を準備する工程と、
    前記半導体基板内の前記第1表面を含む範囲に前記アノード層を形成するアノード層形成工程と、
    前記第2表面にn型不純物を注入することによって前記半導体基板内の前記第2表面を含む範囲に前記カソード層を形成するカソード層形成工程と、
    前記カソード層形成工程の実施後に、前記第2表面にレーザ(92)を照射するレーザ照射工程、
    を有し、
    前記カソード層形成工程では、前記第2表面を含む範囲に分布するn型の第1カソード層(48a)と、前記第1カソード層に対して前記第1表面側から接するとともに前記第1カソード層よりも低いn型不純物濃度を有するn型の第2カソード層(48b)を有する前記カソード層を形成し、
    前記レーザ照射工程では、前記第2表面の近傍の前記半導体基板の表層部に950℃以上の加熱範囲(94)を形成し、
    前記レーザ照射工程では、前記第1カソード層と前記第2カソード層の境界が前記加熱範囲内に位置し、前記第2カソード層の前記第1表面側の端部が前記加熱範囲よりも前記第1表面側に位置する、
    製造方法。
  2. 前記レーザ照射工程よりも前に、前記半導体基板内に前記第2カソード層に対して前記第1表面側から接するとともに前記第2カソード層よりも低いn型不純物を有するn型のバッファ層(46)を形成するバッファ層形成工程をさらに有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記半導体装置が、前記ダイオードの隣に絶縁ゲートバイポーラトランジスタを備えており、
    前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタが、前記半導体基板内の前記第2表面を含む範囲に配置されているとともに前記カソード層に隣接するp型のコレクタ層(30)を有し、
    前記バッファ層形成工程では、前記バッファ層が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタの範囲と前記ダイオードの範囲に跨って分布するように前記バッファ層を形成する、
    請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記レーザがグリーンレーザである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
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