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JP2021155837A - ベリリウム銅合金リング及びその製造方法 - Google Patents

ベリリウム銅合金リング及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶粒が微細化したベリリウム銅合金リング及びその製造方法を提供する。【解決手段】ベリリウム銅合金リングの製造方法であって、ベリリウム銅合金製の円柱状鍛造材を用意する工程と、円柱状鍛造材の上面中央から、円柱状鍛造材の中心軸と平行方向に穴を明けて、リング中間品とする工程と、リング中間品にリング鍛造を施すことで、次式:P=100×(T−t)/T(式中、Pは加工率(%)、Tはリング中間品の肉厚(mm)、tはリング鍛造品の肉厚(mm)である)により規定される加工率が63%以上となるように穴を拡げて、リング鍛造品とする工程と、リング鍛造品に溶体化処理及び時効処理を施して、ベリリウム銅合金リングとする工程とを含む、ベリリウム銅合金リングの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ベリリウム銅合金リング及びその製造方法に関する。
従来より、変圧器用アモルファス箔等の合金リボンを製造するために、鋳造用リングが使用されている。鋳造用リングは、合金等を溶解鋳造して得られた鋳塊を鍛造することにより鍛造材を得た後、この鍛造材の穴明け、穴拡げ(すなわちリング鍛造)、溶体化処理、及び時効処理といった工程を経て得られる。
こうして得られた鋳造用リングを高速回転させながら、このリング表面上に溶融合金を垂らし、急冷固化しながらリングから引き剥がすことにより、合金リボンが得られる。このとき、リング表面は、溶融合金に接触している間は急熱され、溶融合金が引き剥がされた後は急冷される。すなわち、鋳造用リングは膨張収縮を繰り返す。そのため、このような熱サイクルによる厳しい温度変化に耐えるためには、例えば、硬度(強度)が高く、熱伝導率に優れ、高温時に劣化しにくく、均一な微細組織を有するような鋳造用リングが必要とされる。従来の方法として、鋳造用リングの結晶粒を微細化するためには、鍛造工程にて、鍛造材の鍛錬比を上げることが行われている。また、熱伝導率等に優れた鋳造用リングとして、例えばベリリウム銅合金製のものが用いられている。
例えば、特許文献1(特許第3977868号公報)には、溶融合金を急速凝固させてリボンにするための、微晶質組織又は非晶質組織を有する急冷支持体であって、その急冷面が熱伝導性合金からなり、かつ、その組織が実質的に均質である、急冷支持体が開示されている。この急冷支持体として、析出硬化銅合金であるベリリウム銅合金等が挙げられている。
また、特許文献2(特許第3194268号公報)には、溶融合金をミクロ結晶構造又はアモルファス構造を有するリボンへ急速に固化するための焼入れ表面が開示されている。この焼き入れ表面は、微細で等削減再結晶粒子のみからなるミクロ構造を有する熱伝導性の合金で作られ、上記粒子の平均寸法が200μm以下であり、当該粒子が500μmより大きくなく、該粒子が緻密なガウス粒度分布を有する。このような焼き入れ表面を有する鋳造用リングとして、ベリリウム銅合金等が用いられている。
さらに、特許文献3(WO2012/096238A1)には、ベルト&ホイール法で製造する銅又は銅合金荒引線の表面欠陥の深さd(mm)が式(I)を満たす、銅又は銅合金の連続鋳造方法が開示されている。式(I)は、d≦r×0.1を示し、dは荒引線表面欠陥の深さ(mm)、rは荒引線の半径(mm)を表す。鋳造リングを構成する合金材料として、ベリリウム銅合金等が好ましいとされている。
特許第3977868号公報 特許第3194268号公報 WO2012/096238A1
しかしながら、上述のような従来のベリリウム銅合金リングを合金リボンの製造に用いた場合、合金リボンを鋳造中に、熱膨張及び熱収縮の繰り返しによりリング表面にクラックが入るという問題がある。クラックを低減する手法として、ベリリウム銅合金を構成する結晶粒を微細化することが知られている。例えば、ベリリウム銅合金リングの製造過程において、鋳造後かつ穴明け前に行われる鍛造工程の鍛錬比を上げることで、結晶粒の微細化は可能であり、それによりある程度のクラック低減効果は得られる。しかし、鍛錬比を上げることによる結晶粒の微細化には限界があり、更なる改善が望まれる。また、鍛錬比を上げることは製造コストの上昇につながる。
本発明者らは、今般、穴を明けた鍛造材(すなわちリング中間品)に対して、その穴を拡げるリング鍛造を所定値以上の加工率で施すことにより、結晶粒が微細化したベリリウム銅合金リングを製造できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、結晶粒が微細化したベリリウム銅合金リング及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、ベリリウム銅合金リングの製造方法であって、
ベリリウム銅合金製の円柱状鍛造材を用意する工程と、
前記円柱状鍛造材の上面中央から、前記円柱状鍛造材の中心軸と平行方向に穴を明けて、リング中間品とする工程と、
前記リング中間品にリング鍛造を施すことで、次式:P=100×(T−t)/T(式中、Pは加工率(%)、Tは前記リング中間品の肉厚(mm)、tはリング鍛造品の肉厚(mm)である)により規定される加工率が63%以上となるように前記穴を拡げて、リング鍛造品とする工程と、
前記リング鍛造品に溶体化処理及び時効処理を施して、ベリリウム銅合金リングとする工程と、
を含む、ベリリウム銅合金リングの製造方法が提供される。
本発明の他の一態様によれば、ベリリウム銅合金で構成され、前記ベリリウム銅合金の平均結晶粒径が20μm以下である、ベリリウム銅合金リングが提供される。
例1(比較例)で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。 例2(比較例)で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。 例3で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。 例4で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。 例5で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。 例6で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。 例7(比較例)で作製されたベリリウム銅合金リング断面の光学顕微鏡写真である。
本発明は、ベリリウム銅合金リング及びその製造方法に関する。本発明の方法により製造されるベリリウム銅合金リングは、ベリリウム銅合金で構成され、ベリリウム銅合金を構成する結晶粒が微細化されたものである。前述したとおり、合金リボンの鋳造に伴い従来のベリリウム銅合金リングにはクラックが発生しうるが、ベリリウム銅合金を構成する結晶粒を従前のものよりも微細化することでクラックを有意に低減することができる。好ましくは、ベリリウム銅合金の平均結晶粒径が20μm以下であり、より好ましくは17μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下である。平均結晶粒径が小さいほどクラック低減の観点から有利であるため、平均結晶粒径の下限は特に限定されないが、典型的には5μm以上、より典型的には7μm以上、さらに典型的には10μm以上である。なお、平均結晶粒径は後述する実施例で述べる手順により決定されるものである。このように、平均結晶粒径が小さい、すなわち結晶粒が微細化したベリリウム銅合金リングを製造することは、従来の方法では限界があり困難であった。しかし、本発明のベリリウム銅合金リングの製造方法によれば、リング中間品に対して高い加工率でリング鍛造を施すことにより、結晶粒が微細化したベリリウム銅合金リングを製造することができる。
本発明のベリリウム銅合金リングのサイズは、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定すればよい。鋳造用リングの用途の場合、本発明のベリリウム銅合金リングのサイズは、320〜2045mmの外径及び265〜1875mmの内径であるのが好ましく、より好ましくは620〜2045mmの外径及び460〜1875mmの内径であり、さらに好ましくは830〜2045mmの外径及び680〜1875mmの内径である。
本発明のベリリウム銅合金リングの組成は特に限定されないが、典型的には、ベリリウム銅合金は、Beを好ましくは0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.4〜2.0重量%、さらに好ましくは1.8〜1.9重量%含み、残部がCu及び不可避不純物であるものである。ベリリウム銅合金は、Ni、Co、Fe、Zr等の任意元素をさらに含んでいてもよい。特にZrを含むことによりクラックを減少させることができる。すなわち、ベリリウム銅合金がZrをさらに含有するのが好ましい。
本発明のベリリウム銅合金リングの製造方法は、(1)ベリリウム銅合金製の円柱状鍛造材を用意し、(2)穴明け工程、(3)穴拡げ工程、(4)溶体化処理工程及び時効処理工程を順次実施することを含む。
(1)円柱状鍛造材の用意
まず、ベリリウム銅合金製の円柱状鍛造材を用意する。円柱状鍛造材は公知の方法により作製すればよく、特に限定されないが、溶解鋳造工程、均熱処理工程、及び中間鍛造工程を経て得られるのが好ましい。
溶解鋳造工程では、ベリリウム銅合金を溶解して鋳型に流し込み、冷却凝固し、鋳塊を得る。このときの溶解温度は、1100℃〜1250℃が好ましい。
均熱処理工程では、鋳塊を800℃〜850℃で6時間以上保持するのが好ましい。
中間鍛造工程では、鋳塊に対して据込及び鍛伸を繰り返すことにより鍛錬し、加工しやすいサイズの円柱状鍛造材を得る。このときの温度は530〜760℃が好ましい。鍛錬比は18〜25であるのが好ましい。円柱状鍛造材のサイズは直径450〜850mm×高さ200〜600mmであるのが好ましい。
(2)穴明け工程
円柱状鍛造材の上面中央から、円柱状鍛造材の中心軸と平行方向に穴を明けて、リング中間品とする。穴明けの手法は、所望の穴が明けられるかぎり、いかなる手法により行ってもよいが、例えば、型による打ち抜きにより行われるのが好ましい。リング中間品のサイズは、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定すればよい。鋳造用リングの用途の場合、330〜815mmの外径及び150〜250mmの内径であるのが好ましく、より好ましくは400〜815mmの外径及び150〜250mmの内径であり、さらに好ましくは465〜815mmの外径及び160〜250mmの内径である。
穴明け工程において円柱状鍛造材を加熱することが好ましい。円柱状鍛造材の温度は550〜800℃が好ましく、より好ましくは550〜780℃、さらに好ましくは550〜750℃である。このように加熱することで、円柱状鍛造材に穴を明けやすくなる。
(3)穴拡げ工程
リング中間品にリング鍛造を施すことで、加工率が63%以上となるように穴を拡げて、リング鍛造品とする。この加工率は、P=100×(T−t)/T(式中、Pは加工率(%)、Tはリング中間品の肉厚(mm)、tはリング鍛造品の肉厚(mm)である)の式より規定される。ここで、リング中間品の肉厚Tは、T=(D−D)/2(式中、Dはリング中間品の外径であり、Dはリング中間品の内径である)により、リング鍛造品の肉厚tは、t=(d−d)/2(式中、dはリング鍛造品の外径であり、dはリング鍛造品の内径である)によりそれぞれ規定される。加工率は63%以上であり、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは73%以上である。このように、リング中間品に対して高い加工率でリング鍛造を施すことにより、結晶粒が微細化したベリリウム銅合金リングを製造することができる。このため、加工率の上限は特に限定されないが、典型的には90%以下、より典型的には85%以下、さらに典型的には80%以下である。
前述のとおり、ベリリウム銅合金リングの製造過程において、鋳造後かつ穴明け前に行われる鍛造工程の鍛錬比を上げることで、結晶粒の微細化は可能であり、それによりある程度のクラック低減効果は得られる。しかし、鍛錬比を上げることによる結晶粒の微細化には限界があった。また、鍛錬比を上げることは製造コストの上昇につながる。これらの問題が、穴拡げ工程において高い加工率でリング鍛造を行うことによって好都合に解消される。
リング鍛造が行われる温度は530〜780℃が好ましく、より好ましくは530〜750℃、さらに好ましくは530〜720℃である。このように加工温度を低くすることにより、ベリリウム銅合金リングを構成する結晶粒をより効果的に微細化することができる。
リング鍛造品のサイズは、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定すればよい。鋳造用リングの用途の場合、リング鍛造品のサイズは、320〜2045mmの外径及び265〜1875mmの内径であるのが好ましく、より好ましくは620〜2045mmの外径及び460〜1875mmの内径であり、さらに好ましくは830〜2045mmの外径及び680〜1875mmの内径である。
(4)溶体化処理工程及び時効処理工程
リング鍛造品に溶体化処理及び時効処理を順に施して、所望の特性のベリリウム銅合金リングとする。ベリリウム銅合金は時効硬化型合金であるので、溶体化処理及び後続の時効処理を経ることで所望の調質特性(例えば高強度)を呈することができる。
溶体化処理は、リング鍛造品を所定の溶体化処理温度で所定時間加熱した後、水冷処理を施すことにより行うことができる。好ましい溶体化処理温度は、700〜950℃であり、より好ましくは730〜920℃、さらに好ましくは760〜900℃である。上記溶体化処理温度での保持時間は、好ましくは120〜240分間、より好ましくは120〜180分間、さらに好ましくは120〜150分間である。
時効処理は、溶体化処理を経たリング鍛造品を所定の時効処理温度で所定時間保持することにより行うことができる。好ましい時効処理温度は、280〜450℃であり、より好ましくは300〜450℃、さらに好ましくは320〜450℃である。上記時効処理温度での保持時間は、好ましくは120〜600分間、より好ましくは180〜300分間、さらに好ましくは180〜240分間である。
時効処理の前後で、リング鍛造品及び/又はベリリウム銅合金リングを面削してもよい。こうすることで、これらの酸化面を削ることができる、これらのサイズを所望のものにすることができる、といった利点がある。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜7
ベリリウム銅合金リングを以下の手順により作製し、評価した。
(1)鋳造
例1〜5及び7について、ベリリウム銅合金(Be含有量:1.86〜1.87重量%、Co含有量:0.24〜0.25重量%、Fe含有量:0.02〜0.03重量%、残部:Cu及び不可避不純物、UNS番号:C17200)を用意する一方、例6については、ベリリウム銅合金(Be含有量:1.86〜1.87重量%、Co含有量:0.24〜0.25重量%、Fe含有量:0.02〜0.03重量%、Zr含有量:0.2重量%、残部:Cu及び不可避不純物、UNS番号:C17200)を用意した。ベリリウム銅合金を1130〜1170℃の温度で溶融して溶湯とし、これを鋳型に流し込んだ。鋳型から出た鋳塊を水で冷却した。
(2)均熱処理
得られた鋳塊を、800〜850℃の温度で6時間以上保持することにより、均熱処理を行った。
(3)中間鍛造
均熱処理を経た鋳塊を668〜749℃の温度で、鍛錬比が18〜25となるように据え込み及び鍛伸を繰り返し、直径440〜460mm×高さ110〜460mmの円柱状鍛造材とした。
(4)穴明け
550〜748℃の温度で、円柱状鍛造材の上面中央から、円柱状鍛造材の中心軸と平行方向に直径160〜250mmの穴を明けた。このとき、プレス機で加圧することにより円柱状鍛造材の上面中央を打ち抜いた。これにより、表1に示されるサイズのリング中間品を得た。
(5)穴拡げ
リング中間品に、表1に示される温度で、表1に示される加工率となるようにリング鍛造を施すことにより穴を拡げた。このとき、プレスして明けた穴に芯金を差し込み、リング中間品を外側から抑え加圧しつつ回転させながら、穴を拡げた。これにより、表1に示されるサイズを有するリング鍛造品を得た。
(6)溶体化処理及び時効処理
リング鍛造品に対して、700〜800℃の温度で120分間加熱した後水冷することにより溶体化処理を行い、さらに面削した。そして、溶体化処理したリング鍛造品に対して、300〜350℃の温度で120〜180分間保持することにより時効処理を行い、さらに面削した。こうして表1に示される外径を有するベリリウム銅合金リングを得た。
(7)評価
得られたベリリウム銅合金リングに対して以下の評価を行った。
<平均結晶粒径の算出>
ベリリウム銅合金リングを肉厚方向に切断した面を光学顕微鏡で観察し、得られた断面ミクロ組織を解析することにより、ベリリウム銅合金リングの平均結晶粒径を切断法にて算出した。具体的には、撮影したミクロ組織画像に3本の直線を引き、各々の直線が横切る結晶粒の個数を直線の長さで除した値の算術平均値を平均結晶粒径とした。結果は図1〜7及び表1に示されるとおりであった。なお、図1、2、3、4、5、6及び7はそれぞれ例1、2、3、4、5、6及び7に対応する。
Figure 2021155837
表1に示される結果から、加工率Pが大きくなるほどベリリウム銅合金リングの平均結晶粒径が小さくなることが分かる。

Claims (8)

  1. ベリリウム銅合金リングの製造方法であって、
    ベリリウム銅合金製の円柱状鍛造材を用意する工程と、
    前記円柱状鍛造材の上面中央から、前記円柱状鍛造材の中心軸と平行方向に穴を明けて、リング中間品とする工程と、
    前記リング中間品にリング鍛造を施すことで、次式:P=100×(T−t)/T(式中、Pは加工率(%)、Tは前記リング中間品の肉厚(mm)、tはリング鍛造品の肉厚(mm)である)により規定される加工率が63%以上となるように前記穴を拡げて、リング鍛造品とする工程と、
    前記リング鍛造品に溶体化処理及び時効処理を施して、ベリリウム銅合金リングとする工程と、
    を含む、ベリリウム銅合金リングの製造方法。
  2. 前記リング鍛造が530〜780℃の温度で行われる、請求項1に記載のベリリウム銅合金リングの製造方法。
  3. 前記リング鍛造が530〜720℃の温度で行われる、請求項1又は2に記載のベリリウム銅合金リングの製造方法。
  4. 前記リング中間品が、330〜815mmの外径及び150〜250mmの内径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベリリウム銅合金リングの製造方法。
  5. 前記リング鍛造品が、320〜2045mmの外径及び460〜1875mmの内径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベリリウム銅合金リングの製造方法。
  6. 前記ベリリウム銅合金がZrをさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベリリウム銅合金リングの製造方法。
  7. ベリリウム銅合金で構成され、前記ベリリウム銅合金の平均結晶粒径が20μm以下である、ベリリウム銅合金リング。
  8. 前記ベリリウム銅合金がZrをさらに含有する、請求項7に記載のベリリウム銅合金リング。

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