対象のドナーサイト内の表皮の一部を取り除くことと、ドナーサイト内の真皮プラグを取り入れることと、を含むシステム、装置、方法および組成物が説明される。注入可能フィラーは真皮プラグを刻むことによって形成される。注入可能フィラーは対象のレシピエントサイトへの注入用に構成される。
スカルペットデバイスがスカルペットアセンブリを含むよう構成されたハウジングを備えるシステム、機器および方法が説明される。スカルペットアセンブリはスカルペットアレイとひとつ以上のガイドプレートとを含む。スカルペットアレイはスカルペットの集合を含み、ある態様ではスカルペットの集合は複数のスカルペットを含む。ガイドプレートはスカルペットの集合の構成を維持する。スカルペットの集合はハウジングから出るよう、かつハウジングに入るよう構成され、出たときにターゲットサイトに切開皮膚ピクセルを生成するよう構成される。切開皮膚ピクセルは取り入れられる。
本明細書で説明されるスカルペットデバイスは、美的手術皮膚引き締めのための機器および手法について、急速に拡大している美観マーケットを満足させる。加えて、実施の形態は、ドナーサイトの変質を除去しつつ、同じドナーサイトから皮膚移植組織を繰り返し取り入れることを可能とする。本明細書で説明される実施の形態は、目に見える瘢痕を残さずに過剰な弛緩皮膚を切除するよう構成される。この場合、ピクセルアレイデルマトームによって過剰な皮膚弛緩の全てのエリアを切除することができ、かつ、手術切開の視認性のために従来では禁じられていたエリアにおいても手法を行うことができる。本明細書で説明される実施の形態を通じて実現される技術的効果は、解剖学的境界に沿った視認可能な瘢痕や長い瘢痕のない、滑らかで引き締められた皮膚を含む。
本明細書で詳細に説明される実施の形態はピクセル皮膚組織移植機器および方法を含み、ドナーサイトに視認可能な瘢痕を残すことなく分層植皮片を繰り返し取り込むことができる能力を提供するよう構成される。手法中、選択されたドナーサイトから皮膚移植組織を取り込むためにピクセルアレイデルマトーム(PAD)を用いる。取り込み作業中、ピクセル化された皮膚移植組織は準多孔フレキシブル粘着膜に載置される。次いで、取り込まれた皮膚移植組織/膜混成体はレシピエントの皮膚欠損サイトに直接適用される。部分的に切除されたドナーサイトは、所定の期間(例えば一週間など)中大きなバタフライ型(butterfly)包帯として機能する粘着シートまたは包帯(例えば、Flexzan(登録商標)シーティング等)の適用により閉じられる。PADにより生成された真皮内皮膚欠損を閉じることでプライマリ治癒プロセスを促進する。該プロセスでは、瘢痕を最小化するために、解剖学的態様で、通常の表皮−真皮アーキテクチャが再編成される。術後に発生するものとして、粘着膜は移植組織の角質層と共に落屑(脱落)する。すると、移植組織を乱すことなしにレシピエントベッドから膜を取り除くことができる。
ピクセル皮膚組織移植手法により実現される多くの効果は説明に値する。皮膚移植組織はピクセル化されているので、それは皮膚プラグコンポーネント間に排膿隙間を提供し、それによりシート皮膚移植組織と比べて「テイク(takes)」の割合を高めることができる。術後の最初の週において、皮膚移植組織は血管新生のプロセスによってレシピエントサイトで「テイク(takes)」する。そこでは、皮膚欠損のレシピエントベッドからの新たな血管が新たな皮膚移植組織の中で成長する。準多孔膜は浸出液を包帯へ導く。
フレキシブル膜は弾性反跳特性を伴うよう構成される。その特性により、移植組織/膜混成体内でのコンポーネント皮膚プラグの並置が促進され、皮膚移植組織プラグのプライマリ隣接治癒が促進され、皮膚移植組織のピクセル的外観がより一様なシート形態へと変換される。さらに、真皮が真皮に合わせられ、表皮が表皮に合わせられるように、膜がマイクロアーキテクチャ的コンポーネント皮膚プラグを揃えるので、瘢痕を低減するプライマリ治癒プロセスを促進できる。
本明細書で詳述されるデルマトームには多くのメジャーな臨床アプリケーションがある。皮膚引き締めのための部分的皮膚切除や、脱毛症のための部分的毛髪移植や、皮膚移植のための部分的皮膚取り込みである。実施の形態の部分的皮膚切除は、粘着膜を用いて皮膚プラグを取り込むことを含むが、部分的に切開された皮膚プラグは取り込むことなしに取り出されうる。切開して取り出して閉じるというパラダイムは皮膚引き締めの臨床アプリケーションを最も良く描写する。本明細書で説明される実施の形態は、切開および取り出しを容易にするよう構成される。また、多数のスカルペットを備えるより大きなスカルペットアレイを提供するために、実施の形態は皮膚表面を切開する新規な手段を含む。
皮膚移植術や皮膚切除術や毛髪移植術のためのピクセルアレイ医療システム、機器またはデバイス、および方法が説明される。以下の説明では、本明細書の実施の形態の完全な理解およびそれを実施可能とするための説明を提供するために、多くの具体的な詳細が紹介される。しかしながら、当業者であれば、これらの実施の形態をその具体的な詳細のうちのひとつ以上なしで、または他のコンポーネントやシステム等と共に実施できることを認識するであろう。また、開示される実施の形態の態様を不明瞭にすることを避けるために、周知の構成や動作は示されないかまたは詳述されない。
以下の用語は、それらが本明細書で使用される場合に、以下の概括的な意味を有するよう意図される。しかしながら、用語は本明細書で述べられる意味に限定されない。任意の用語の意味は、当業者によって理解されたり適用されたりする場合に、他の意味を含みうるからである。
本明細書で用いられる「第一度やけど(first degree burn)」は、表皮から真皮の破壊がない表面的な熱傷を含む。第一度やけどは皮膚の紅斑(赤み)として視認される。
本明細書で用いられる「第二度やけど(second degree burn)」は、表皮から真皮の破壊があり可変厚み分の表皮に変性がある比較的深いやけどを含む。大抵の第二度やけどは水ぶくれの形成を伴う。深い第二度やけどは、通常酸化や感染によって、厚み全体の第三度やけどに変わりうる。
本明細書で用いられる「第三度やけど(third degree burn)」は、真皮および表皮を含む皮膚の厚み全体に亘る熱破壊を伴うやけどを含む。第三度やけどは、より深い下層の組織(皮下層および筋肉層)の熱破壊を伴う場合がある。
本明細書で用いられる「除去(ablation)」は、例えばレーザによる皮膚病巣の熱除去のような、組織の破壊による組織の除去を含む。
本明細書で用いられる「自家移植(autograft)」は、同じ患者から取られた移植を含む。
本明細書で用いられる「支持された粘着膜(Backed Adherent Membrane)」は、横切された皮膚プラグを取得する弾性粘着膜を含む。実施の形態の支持された粘着膜は、取り込み中に皮膚プラグの並びを維持するために外側の面で支持される。皮膚プラグの取り込みの後、取り込まれた皮膚プラグを伴う粘着膜から、バッキングが除去される。実施の形態の膜は、レシピエントサイトに置かれた場合の排液を可能とするために多孔性を有する。実施の形態の膜は弾性反跳特性を有する。これにより、バッキングが除去されたとき、それは皮膚プラグのサイドを互いに近づけるようにし、レシピエントサイトでのシート移植組織としての治癒を促進する。
本明細書で用いられる「やけど瘢痕収縮(burn scar contraction)」は、傷治癒プロセス中に発生する瘢痕組織の引き締まりを含む。このプロセスは治療されていない第三度やけどで起こりやすい。
本明細書で用いられる「やけど瘢痕拘縮(burn scar contracture)」は、関節の可動範囲を制限するかまたは患者の外観を歪める瘢痕組織のバンド、すなわち顔面のやけど瘢痕拘縮、を含む。
本明細書で用いられる「デルマトーム(dermatome)」は、「皮膚を切る」かまたはシート状の分層植皮片を取り込む機器を含む。ドラムデルマトームの例は、パジェット(Padgett)およびリーズ(Reese)デルマトームを含む。電動デルマトームはツィマー(Zimmer)デルマトームおよびパジェットデルマトームの一つの電気バージョンである。
本明細書で用いられる「真皮(dermis)」は、主たる構造的支持体であって主として非細胞的コラーゲン繊維を含む皮膚の深層を含む。線維芽細胞は、コラーゲンタンパク質繊維を生成する真皮内の細胞である。
本明細書で用いられる「ドナーサイト」は、そこから皮膚移植組織が取り込まれる解剖学的サイトを含む。
本明細書で用いられる「表皮(Epidermis)」は、生育可能な表皮細胞と、生体バリアとして作用する生育不能な角質層と、を備える皮膚の外層を含む。
本明細書で用いられる「切除(excise)」は組織の手術的除去を含む。
本明細書で用いられる「切除的皮膚欠損(Excisional Skin Defect)」は、皮膚(病巣)の手術的除去(切除/切断)により生じる、部分厚さ欠損またはより典型的には全厚さ欠損を含む。
本明細書で用いられる「FTSG」は、皮膚の全厚みが取り入れられる全層皮膚移植を含む。本明細書で説明されるような機器の例外を除いて、ドナーサイトは手術切開として閉じられる。このため、FTSGは取り入れ可能な表面エリアに限定される。
本明細書で用いられる「肉芽組織(granulation tissue)」は、全層皮膚欠損における皮膚の欠如に応じて成長する高度に血管新生的な組織を含む。肉芽組織は皮膚移植レシピエントサイトにおいて理想的なベースである。
本明細書で用いられる「一次治癒(Healing by primary intention)」は、最小の瘢痕組織形成を伴って通常の解剖学的構成が再編成される傷治癒プロセスを含む。形態的には、瘢痕は視認可能とはなりにくい。
本明細書で用いられる「二次治癒(Healing by secondary intention)」は、通常の解剖学的構成の並びがよくなく、かつ瘢痕コラーゲンがより多く産出される形での治癒が生じる、よりまとまりのない傷治癒プロセスを含む。形態的には、瘢痕は視認可能になりやすい。
本明細書で用いられる「同種移植(homograft)」は、異なる人から取られ、患者のレシピエントサイトに一時的な生体包帯として適用される移植組織を含む。多くの同種移植は死体皮膚として取り込まれる。同種移植の一時的な「テイク」は免疫抑制により部分的に達成可能であるが、同種移植は患者が生き残った場合最終的には自家移植で置き換えられる。
本明細書で用いられる「切開(incise)」は、組織を除去せずに外科的切開をなすことを含む。
本明細書で用いられる「メッシュ分層植皮片(Mesh Split Thickness Skin Graft)」は、「メッシャー」と呼ばれる機器で取り込まれた皮膚移植組織を繰り返し切開することにより表面が拡張された分層植皮片を含む。メッシュ分層植皮片はシート状移植組織よりも高い「テイク」の割合を有する。メッシュ分層植皮片は移植組織を通じた排液を可能とし、かつレシピエントサイトの輪郭の不規則性により良くマッチするからである。しかしながら、それはレシピエントサイトにおいて醜い網状の移植外観を生じさせる。
本明細書で用いられる「PAD」はピクセルアレイデルマトームを含み、それは部分的皮膚切除のための機器のクラスである。
本明細書で用いられる「PADキット」は、多孔ガイドプレートと、スカルペットスタンパと、ガイドプレートフレームと、支持された粘着膜と、横切ブレードと、を備える使い捨て可能一回使用プロシージャキットを含む。
本明細書で用いられる「多孔ガイドプレート」は、移植取り込みエリア全体を含む多孔プレートを含み、そこではガイドプレートの孔はハンドル付きスタンパまたはスリップオンPADのスカルペットと揃う。プレートは、隣の皮膚の意図しない裂傷を防ぐためのガードとしても機能する。ガイドプレートの多数の孔は、丸、楕円、正方形、矩形および/または三角形等であってもよいがそれらに限定されない異なる形状であってもよい。
本明細書で用いられる「ピクセル化された全層皮膚移植」は、本明細書で説明される機器により取り込まれた全層皮膚移植であってドナーサイトにおける低減された良く視認できる瘢痕を伴わない全層皮膚移植、を含む。移植組織はシート状FTSGと同様にレシピエントサイトにおいて向上された外観を有するが、レシピエントサイトにより良く適合し、皮膚プラグ間の排液隙間によって「テイク」のより高い割合を有するであろう。シート状FTSGと比べた場合のピクセル化FTSGの別の顕著な利点は、そうでなければSTSGを必要とするようなより広い表面を移植することができる能力である。この利点は、複数のドナーサイトから視認可能な瘢痕を低減しつつ取り入れることができる能力に起因する。
本明細書で用いられる「ピクセル化された移植取り入れ(Pixelated Graft Harvest)」は本明細書で詳述される機器によりドナーサイトから取り入れる皮膚移植を含む。
本明細書で用いられる「ピクセル化された分層植皮」は、SRG機器により取り込まれた部分層植皮を含む。皮膚移植は、醜いドナーサイトや醜いレシピエントサイトを伴わないメッシュ状皮膚移植の利点を共有する。
本明細書で用いられる「レシピエントサイト」は、皮膚移植組織が適用される皮膚欠損サイトを含む。
本明細書で用いられる「切断(resect)」は切除することを含む。
本明細書で用いられる「スカルペット」は、皮膚および柔らかい組織を切開する片刃ナイフを含む。
本明細書で用いられる「スカルペット」は、皮膚プラグを切開する小型幾何形状(例えば、円形、楕円形、矩形、正方形等)スカルペットを説明する用語を含む。
本明細書で用いられる「スカルペットアレイ」は、基板(例えば、ベースプレートやスタンパやハンドル付きスタンパや端部や使い捨て可能端部など)に保持された複数のスカルペットの配列またはアレイを含む。
本明細書で用いられる「スカルペットスタンパ」は、多孔ガイドプレートを通じて皮膚プラグを切開するPADキットのハンドル付きスカルペットアレイ機器コンポーネントを含む。
本明細書で用いられる「瘢痕(scar)」は、傷の後に続く不規則なコラーゲンの組織沈着または傷の後に続く不規則なコラーゲンの組織沈着からの視覚的に目立つ形態的奇形を含む。
本明細書で用いられる「シート状全層皮膚移植」はFTSGをレシピエントサイトに連続的シートとして適用することを指すものを含む。FTSGの外観はSTSGの外観よりも優れており、そのためそれは顔面などの視覚的に目立つエリアにおける皮膚移植に主として用いられる。
本明細書で用いられる「シート状分層植皮」は、連続的なシートであり、かつ典型的なドナーサイトの奇形を伴う部分層植皮を含む。
本明細書で用いられる「皮膚欠損」は、皮下脂肪層および筋肉などのより深い構成を含みうる皮膚の全層の欠如を含む。皮膚欠損は、様々な理由、すなわちやけどやトラウマやがんの外科的切除や先天性変形の修正により生じうる。
本明細書で用いられる「皮膚ピクセル」は、表皮と分層または全層真皮とを備える一片の皮膚であってスカルペットにより切り出された皮膚を含む。皮膚ピクセルは、皮下脂肪のカフを伴うか伴わない毛包などの皮膚付属器を含んでもよい。また皮膚プラグを含む。
本明細書で用いられる「皮膚プラグ」は、表皮と分層または全層真皮とを備える円形(または他の幾何形状)の皮膚片であってスカルペットにより切り出された皮膚片を含み、それは横切ブレードによって横切され、粘着バック膜によって取得される。
本明細書で用いられる「STSG」は、真皮の一部および表皮が移植で取り込まれる部分層植皮を含む。
本明細書で用いられる「皮下脂肪層」は、皮膚の直下にあり主に脂質細胞と称される脂肪細胞からなる層を含む。この層は、環境からの主たる隔離層として機能する。
本明細書で用いられる「横切ブレード」は、本明細書で詳述されるように、多孔プレートのフレームのスロットに入れられるかまたはドラムデルマトームのアウトリガーアームに取り付けられる水平配置された片刃ブレードを含む。横切ブレードは切開皮膚プラグのベースを横切する。
本明細書で用いられる「傷治癒」は、熱的、運動学的、手術的のうちのひとつ以上のいずれであれ、任意のタイプの傷から生じる必須の生体プロセスを含む。
本明細書で用いられる「異種移植(Xenograft)」は、異なる種から取られ、患者のレシピエントサイトに一時的な生体包帯として適用される移植組織を含む。
用いられるピクセルアレイ医療システム、機器またはデバイス、および方法の複数の実施の形態が本明細書で詳述される。本明細書で説明されるシステム、機器またはデバイス、および方法は、皮膚移植のための、形成外科術などの種々の手術で用いられるデバイスを介した視認可能な瘢痕を伴わずにたるんだ皮膚を引き締める皮膚切除のための、および追加的に毛移植のための、最低侵襲外科アプローチを含む。ある実施の形態では、デバイスは使い捨て機器である。本明細書の実施の形態は、手術関連瘢痕および皮膚の電磁加熱の臨床可変性を回避し、皮膚の大規模形成外科的切除の最低侵襲的代替物として皮膚の小規模複数ピクセル化切除を行う。本明細書の実施の形態は毛移植に用いられてもよく、また手術瘢痕の視認性のために形成外科的には禁じられている体の部分に用いられてもよい。加えて、そのアプローチは、ドナーの組織サイトから皮膚の横切切開を取り込んでレシピエントの皮膚欠損サイトに置くことによって、患者のドナーサイトの瘢痕を低減しつつ皮膚移植操作を行うことができる。
老化関連皮膚弛緩(非限定的例として、首および顔面、腕、腋窩、大腿、膝、臀部、腹部、ブラライン、胸部の下垂部等)を有する多くの患者にとって、本明細書の最低侵襲ピクセルアレイ医療デバイスおよび方法は余剰の皮膚のピクセル化横切/切断を行うものであって、瘢痕がついてまわる形成外科手術を置き換えるものである。一般に、本明細書で説明される手法は、オフィスセッティングにおいて、局所麻酔のもと、周術期不快を最小化するように、行われるが、これに限定されない。形成外科手術からの長い治癒フェーズと比べて、短い回復期間のみが要求される。好適には、処置エリアの周りに巻かれた包帯および支持衣類を、予め指定された期間(例えば、5日間、7日間等)適用する。この手法に伴う痛みは無いか、最小である。
本明細書で説明される機器により生成される比較的小さな(例えば、約0.5mmから4.0mmの範囲内)皮膚欠損は、粘着性シート(例えば、Flexan(登録商標))を適用することで閉じられる。粘着シート(例えばFlexan(登録商標))は大きなバタフライ型包帯として機能し、処置エリアの美的な輪郭形成を最大化する向き(「ベクトル」)に引っ張られてもよい。美的な輪郭形成をさらに助けるために、包帯の上に圧縮可能弾性衣類を適用してもよい。最初の治癒フェーズの完了の後、処置エリア内の多数の小さなリニア瘢痕は、同じエリアにおけるより大きな形成外科的切開と比べて低減された視認性を有するであろう。遅れてくる傷治癒応答に起因して、数ヶ月に亘って追加的な皮膚引き締めが発生する可能性が高い。本明細書で説明される実施の形態の他の潜在的アプリケーションは、毛移植と、脱毛症の治療と、いびき/睡眠時無呼吸症の治療と、整形外科/理学療法と、膣引き締めと、女性尿失禁の治療と、胃腸括約筋の引き締めと、を含む。
ひどいやけどは、焼けた体表面の総量および熱破壊の深度によって分類される。これらのやけどを管理するために用いられる方法はこの分類に大きく依存する。第一度および第二度やけどは通常、局所的なクリームの塗布およびやけど包帯を伴う非手術的態様で管理される。より深い第三度やけどは、皮膚の全層熱破壊を含み、全層皮膚欠損を生成する。この重傷の手術管理は通常、やけどのかさぶたの組織除去および分層植皮片の適用を含む。
厚さ全体に亘る皮膚欠損は大抵の場合やけどやトラウマや皮膚がんの切除により生成され、従来の商用機器を用いて皮弁移送または皮膚組織移植で閉じられうる。どちらの手術的アプローチもドナーサイトから取り込みを必要とする。皮弁の使用はさらに、有茎血液供給を含む必要性により、および大抵の場合にはドナーサイトを直接閉じる必要性により、制限される。
分層植皮片手法は、免疫的制限により、同じ患者からの自家皮膚移植組織の取り入れを必要とする。典型的には、やけど患者のドナーサイトは非やけど領域から選ばれ、皮膚の部分的厚さのシートがその領域から取り入れられる。この手法についてまわるのは、ドナーサイトにおける部分的厚さの皮膚欠損の生成である。このドナーサイトの欠損は、それ自体、深い第二度やけどと同様のものである。このサイトでの再上皮形成による治癒は多くの場合痛みを伴い、数日かかる可能性がある。加えて、周りの皮膚よりも恒久的に薄くかつ脱色しているように見えるドナーサイトの視認できる変質が生成されることが多い。かなりの表面積にわたるやけどを有する患者については、皮膚移植組織の取り入れは非やけど領域の利用可能性によって制限されうる。
皮膚欠損を閉じるための従来の外科的アプローチの両方(皮弁移送および皮膚移植)は、皮膚欠損レシピエントサイトの顕著な瘢痕を伴うだけでなく、移植組織が取り入れられるドナーサイトをも伴う。従来の手法に対して、本明細書で説明される実施の形態はピクセルアレイ手法とも称されるピクセル皮膚移植手法を含む。それはこのドナーサイトの変形を除去し、シート状ドナーサイトまたはピクセル化されたドナーサイトのいずれかを含む任意の既存のドナーサイトから皮膚移植組織を再取り込みするための方法を提供する。既存のドナーサイトから皮膚移植組織を再取り込みすることができるこの能力は、ドナーサイト皮膚に対する表面積要件を低減し、またやけどのないドナー皮膚の表面積が限られている重傷やけど患者における追加的な皮膚移植能力を提供する。
実施の形態のピクセル皮膚移植手法は、全層皮膚移植として用いられる。顔面皮膚移植や手の手術や先天性変形の治療などの多くの臨床アプリケーションは、全層皮膚移植で行われるのが最良である。全層皮膚移植の肌合い、色および全体的な形態は、分層皮膚移植よりも、欠損の隣の皮膚により近いものとなる。このため、視覚的に目立つエリアにおける全層皮膚移植は、分層皮膚移植よりも外観的に優位である。従来の手法のもとでの全層皮膚移植の主な欠点は、全層ドナーサイト欠損の外科的縫合から生成される長い線状の瘢痕である。この瘢痕により全層皮膚移植のサイズおよび可用性が制限される。
比べて、本明細書で説明されるピクセル皮膚移植手法の全層皮膚移植は、ドナーサイトの線状瘢痕が除去されるので、そのサイズおよび可用性に対する制限の度合いは低い。したがって、通常は分層皮膚移植でカバーされる多くの皮膚欠損は、代わりに、ピクセル化された全層皮膚移植を用いて処置されるであろう。
ピクセル皮膚移植手法は、分層皮膚移植組織および全層皮膚移植組織を、ドナーサイトの視認可能な瘢痕を最小化しつつ、取り入れることができる能力を提供する。手法中、選択されたドナーサイトから皮膚移植組織を取り込むためにピクセルアレイデルマトーム(PAD)デバイスを用いる。取り込み作業中、ピクセル化された皮膚移植組織は粘着膜に載置される。実施の形態の粘着膜は準多孔フレキシブル粘着膜を含むがこれに限定されない。次いで、取り込まれた皮膚移植組織/膜混成体はレシピエントの皮膚欠損サイトに直接適用される。部分的に切除されたドナーサイトは、一週間、大きなバタフライ型包帯として機能する粘着シート(例えばFlexzan(登録商標))の適用により閉じられる。比較的小さな(例えば、1.5mm)真皮内円形皮膚欠損を閉じることでプライマリ治癒プロセスを促進する。該プロセスでは、瘢痕を最小化するために、解剖学的態様で、通常の表皮−真皮アーキテクチャが再編成される。術後約一週間で発生するものとして、粘着膜は移植組織の角質層と共に落屑(脱落)する。すると、移植組織を乱すことなしにレシピエントベッドから膜を取り除くことができる。したがって、ドナーサイトの治癒は最小の不快感および瘢痕を伴って、急速に生じる。
ピクセル皮膚移植手法を用いたレシピエント欠損サイトでの皮膚移植組織はピクセル化されているので、それは皮膚ピクセルコンポーネント間に排膿隙間を提供し、それによりシート皮膚移植組織と比べて「テイク(takes)」の割合を高めることができる。術後の最初の週(およそ)において、皮膚移植組織は血管新生のプロセスによってレシピエントサイトで「テイク(takes)」する。そこでは、皮膚欠損のレシピエントベッドからの新たな血管が新たな皮膚移植組織の中で成長する。準多孔膜は浸出液(流体)を包帯へ導く。さらに、フレキシブル膜は弾性反跳特性を伴うよう設計される。その特性により、移植組織/膜混成体内でのコンポーネント皮膚ピクセルの並置が促進され、皮膚移植組織ピクセルのプライマリ隣接治癒が促進され、皮膚移植組織のピクセル的外観が一様なシート形態へと変換される。加えて、真皮が真皮に合わせられ、表皮が表皮に合わせられるように、膜がマイクロアーキテクチャ的コンポーネント皮膚ピクセルを揃えるので、瘢痕を低減するプライマリ治癒プロセスを促進できる。さらに、ピクセル化された皮膚移植組織は不規則なレシピエントサイトにより容易に適合する。
本明細書で説明される実施の形態は、ピクセル手法とも称されるピクセル皮膚切除手法を含む。老化関連皮膚弛緩(首および顔面、腕、腋窩、大腿、膝、臀部、腹部、ブラライン、胸部の下垂部等)を有する多くの患者にとって、余剰皮膚の部分的切除は、瘢痕がついてまわる形成外科のかなりのセグメントを置き換える。一般に、ピクセル手法はオフィスセッティングにおいて、局所麻酔のもと、行われる。術後回復期間は、処置エリアに予め指定された日数(例えば、5、7等)の日間(例えば5日間、7日間等)、支持衣類を着ることを含む。その手法に伴う痛みは無いか比較的小さいと見込まれている。小さな(例えば、1.5mm)円形皮膚欠損は、粘着シート(例えば、Flexan(登録商標))を適用することで閉じられる。粘着シートは大きなバタフライ型包帯として機能し、処置エリアの美的な輪郭形成を最大化する向き(「ベクトル」)に引っ張られる。美的な輪郭形成をさらに助けるために、包帯の上に圧縮可能弾性衣類を適用してもよい。最初の治癒フェーズの完了の後、処置エリア内の多数の小さなリニア瘢痕は視覚的に目立つことはないであろう。さらに、遅れてくる傷治癒応答に起因して、数ヶ月に亘って追加的な皮膚引き締めが続いて発生するであろう。したがって、ピクセル手法は形成外科術の大きな瘢痕の最低侵襲的代替物である。
実施の形態のピクセルアレイ医療デバイスはPADキットを含む。図1は、実施の形態のもと、ターゲットサイトに置かれたPADキットを示す。PADキットは、フラット多孔ガイドプレート(ガイドプレート)と、スカルペットアレイを含むスカルペットパンチまたはデバイスと(図1−3)、支持された粘着膜または粘着基板(図4)と、皮膚ピクセル横切ブレードと(図5)、を備えるが、これに限定されない。実施の形態のスカルペットパンチは手で持てるデバイスであるがこれに限定されない。代替的な実施の形態ではガイドプレートはオプションである。これは本明細書で詳述される。
図2は、実施の形態のもと、スカルペットアレイを含むPADキットスカルペットパンチの断面である。スカルペットアレイはひとつ以上のスカルペットを含む。図3は、実施の形態のもと、スカルペットアレイを含むPADキットスカルペットパンチの部分断面である。部分断面は、スカルペットアレイのスカルペットの全長が多孔ガイドプレートの厚さと皮膚への切開深さとによって決まることを示すが、実施の形態はこれに限定されない。
図4は、実施の形態のもと、PADキットに含まれるバッキング(粘着性基板)を伴う粘着膜を示す。粘着膜の下面はターゲットサイトの切開皮膚に適用される。
図5は、実施の形態のもと、PADキットフレームおよびブレードアセンブリと共に用いられたときの粘着膜(粘着性基板)を示す。粘着膜の上面はフレーム内で粘着側が下となるように方向付けられ、押し出された皮膚ピクセル(本明細書ではプラグとも皮膚プラグとも称される)を取得するために多孔プレートの上に押し付けられる。
図1を参照すると、PADキットを用いる手法中、多孔ガイドプレートは皮膚切除/ドナーサイトに適用される。スカルペットパンチは多孔ガイドプレートの少なくとも孔の集合を通じて適用され、皮膚ピクセルを切開する。パンチのスカルペットアレイがガイドプレートの孔の総数よりも少ない数のスカルペットを含む場合、スカルペットパンチは孔の複数の集合に対して何回も適用される。スカルペットパンチの一回以上の連続適用の後、切開皮膚ピクセルまたはプラグは粘着基板に捕捉される。粘着基板は、粘着剤が押し出された皮膚ピクセルまたはプラグを捕捉するように適用される。例えば、実施の形態の粘着基板の上面はフレーム内で(フレームが用いられる場合)粘着側が下となるように方向付けられ、押し出された皮膚ピクセルまたはプラグを捕捉するために多孔プレートの上に押し付けられる。膜が引き上げられるにつれて、捕捉された皮膚ピクセルは横切ブレードによってそのベースにおいて横切される。
図6は、実施の形態のもと、皮膚ピクセルの除去を示す。粘着基板はターゲットサイトから持ち上げられて後ろに引かれる(離される)。この動作が切開皮膚ピクセルまたはプラグを浮かせるか引っ張る。粘着基板が持ち上げられている間に、横切ブレードを用いて切開皮膚ピクセルのベースを横切する。図7は、実施の形態のもと、PADキットで切開皮膚ピクセルをブレード横切して除去することを示す側面図である。皮膚ピクセルまたはプラグのベースの横切によって、ピクセル取り込みが完了する。図8は、実施の形態のもと、PADキットを用いる手法の間のブレード/ピクセル相互作用を示す等角図である。図9は、実施の形態のもと、PADキット(明確性のためにブレードは除く)を用いる手法中の他の図であって、切除され取得された取り入れられた皮膚ピクセルまたはプラグおよび切除の前の非切除皮膚ピクセルまたはプラグの両方を示す図である。ドナーサイトにおいて、ピクセル化された皮膚切除サイトは、Flexan(登録商標)シーティングを適用することで閉じられる。
ガイドプレートおよびスカルペットデバイスは、レシピエントサイトで皮膚欠損を生成するためにも用いられる。皮膚欠損はドナーサイトで取り込まれたか捕捉された皮膚ピクセルを受け入れるよう構成される。レシピエントサイトで用いられるガイドプレートはドナーサイトで用いられるガイドプレートと同じであってもよいし、異なるパターンまたは孔の構成を伴う異なるものであってもよい。
横切中に粘着基板に載置された皮膚ピクセルまたはプラグは次に皮膚欠損サイト(レシピエントサイト)に移送される。それらはレシピエント皮膚欠損サイトでピクセル化された皮膚移植組織として適用される。粘着基板は弾性反跳特性を有し、これは皮膚移植組織内での皮膚ピクセルまたはプラグのより密な並びを可能とする。切開皮膚ピクセルは、粘着基板から、レシピエントサイトの皮膚欠損へ直接適用されうる。レシピエントサイトでの切開皮膚ピクセルの適用は、切開皮膚ピクセルを皮膚欠損と揃えることと、切開皮膚ピクセルをレシピエントサイトの対応する皮膚欠損へと挿入することと、を含む。
実施の形態のピクセルアレイ医療デバイスはピクセルアレイデルマトーム(PAD)を含む。PADは基板(例えばインベスティングプレート)上に保持される比較的小型の円形スカルペットのフラットアレイを備える。基板と組み合わされたスカルペットは、本明細書においてスカルペットアレイ、ピクセルアレイまたはスカルペットプレートと称される。図10Aは、実施の形態のもと、ピクセルアレイの一部の側面図であって、インベスティングプレート上に保持されたスカルペットを示す図である。図10Bは、代替的な実施の形態のもと、ピクセルアレイの一部の側面図であって、インベスティングプレート上に保持されたスカルペットを示す図である。図10Cは、実施の形態のもと、スカルペットプレートの上面図である。
図10Dは、実施の形態のもと、スカルペットプレートの一部の拡大図である。スカルペットプレートは皮膚表面に直接適用される。スカルペットアレイのひとつ以上のスカルペットは、とがり面と、針と、複数の先端を含む針と、のうちのひとつ以上を含む。
ピクセルアレイ医療デバイスおよび方法の実施の形態は、ガイドプレートの代わりに取り入れパターンを使用することを含む。取り入れパターンは、ドナーサイトおよびレシピエントサイトのうちの少なくともひとつのサイトの皮膚表面上のインジケータまたはマーカを含むが、これに限定されない。マーカは、皮膚のエリアをマークするために皮膚に直接適用されうる任意の化合物を含む。取り入れパターンはドナーサイトに置かれ、デバイスのスカルペットアレイはドナーサイトの取り入れパターンと揃えられるかそれに従って位置決めされる。本明細書で説明されるように、皮膚ピクセルはドナーサイトにおいてスカルペットアレイで切開される。レシピエントサイトは、レシピエントサイトに取り入れパターンを配置することによって準備される。レシピエントサイトで用いられる取り入れパターンはドナーサイトで用いられる取り入れパターンと同じであってもよいし、異なるパターンまたはマーカの構成を伴う異なるものであってもよい。皮膚欠損が生成され、本明細書で説明されるように切開皮膚ピクセルがレシピエントサイトに適用される。あるいはまた、実施の形態のガイドプレートは取り入れパターンを適用する際に用いられるが、これに限られない。
既存の手術器具にてこ入れするために、実施の形態のアレイは、例えばパジェットデルマトームやリーズデルマトームなどのドラムデルマトームと連携してまたはそれへの変更として用いられるが、これに限られない。本明細書で参照されるパジェットドラムデルマトームは元々1930年代にEarl Padget博士によって開発されたもので、世界中の形成外科医によって皮膚移植のために広く用いられ続けている。後に、取り込まれた皮膚移植組織の厚さをより良く較正するためにパジェットデルマトームのリーズ型変更が開発された。実施の形態のドラムデルマトームは使い捨て(手術ごと)であるが、これに限られない。
一般に、図11Aは、実施の形態のもと、回転ピクセルドラム100の一例を示す。図11Bは、実施の形態のもと、ハンドルに組み付けられた回転ピクセルドラム100の一例を示す。より具体的に、図11Cは、実施の形態のもと、スカルペットプレートと共に用いるドラムデルマトームを示す。
一般に、本明細書で説明される全てのピクセルデバイスがそうであるように、ピクセルドラム100は、例えば円形、半円形、楕円形、正方形、フラット、矩形など、限定無く種々の形状を有しうる。ある実施の形態では、ピクセルドラム100はアクセル/ハンドルアセンブリ102によって支持され、例えば電動モータによって動かされるドラム回転コンポーネント104の周りで回転する。ある実施の形態では、ピクセルドラム100は不使用中はスタンド(不図示)に置かれてもよい。スタンドはドラムの電動回転コンポーネントまたはシリンジプランジャの電動コンポーネントのための充電器として機能してもよい。ある実施の形態では、ピクセルドラム100の皮膚表面に真空(不図示)が適用されてもよく、また、ピクセルドラム100のトラッキングおよび安定性のためにアウトリガー(不図示)が設けられてもよい。
ある実施の形態では、ピクセルドラム100はドラム100の表面にスカルペットアレイ106を組み込んでおり、それにより、本明細書で皮膚プラグと称される小型の複数の(例えば、0.5−1.5mm)円形切開を生成する。ある実施の形態では、スカルペットの境界形状は、皮膚プラグを生成しつつピンクッショニング(「跳ね上げ扉(trap door)」)を低減するよう設計されてもよい。各皮膚プラグの周はスカルペットによって、円形皮膚プラグの代わりに非限定的な例で半円や楕円や正方形状の皮膚プラグへと伸ばされうる。ある実施の形態では、スカルペット106の長さは、外科医によって皮膚移植目的のために選択された皮膚エリアの厚さ、すなわち分層または全層、に依存して変わりうる。
ドラム100が皮膚表面に適用されるとき、ドラム100の内部に設けられたブレード108はスカルペットアレイによって生成された各皮膚プラグのベースを横切する。内部ブレード108は中央ドラムアクセル/ハンドルアセンブリ102と接続され、および/または中央アクセルアセンブリ102に取り付けられたアウトリガーに接続される。ある代替的な実施の形態では、内部ブレード108はドラムアクセルアセンブリ102には接続されず、皮膚の切開のベースは横切される。ある実施の形態では、ピクセルドラム100の内部ブレード108は手動で振動するかまたは電動モータによって動かされる。ドラム上の円形スカルペットの密度に依存して、過剰皮膚弛緩のエリアの中で、皮膚の可変割合(例えば、20%、30%、40%等)が横切される。
ある実施の形態では、追加的ピクセルドラムハーベスタ112はドラム100の内部に設けられ、ピクセルドナーの組織から横切された/ピクセル化された皮膚切開/プラグ(ピクセル移植組織)を取り入れて、ピクセルドラム100の内部に並べられた粘着膜110上に整列させることで、皮膚移植操作を行う。スカルペットアレイ106と粘着膜110との間に、内部ブレード108のための狭いスペースが生成される。
ある実施の形態では、ブレード108はドラム100およびスカルペットアレイ106の外側に設けられ、そこで切開円形皮膚プラグのベースが横切される。他の実施の形態では、皮膚の切開のベースが横切されるとき、外部ブレード108はドラムアクセルアセンブリ102に接続される。代替的な実施の形態では、皮膚の切開のベースが横切されるとき、外部ブレード108はドラムアクセルアセンブリ102に接続されない。粘着膜110は横切された皮膚セグメントを引き出して整列させ、その後患者の皮膚欠損サイトに置かれる。ブレード108(内部であれ外部であれ)はスカルペットアレイ106に揃えられたブレードの有窓層であってもよいが、これに限られない。
実施の形態の適合粘着膜110は準多孔であり、これにより、整列した横切皮膚セグメントを伴う膜がドラムから抽出されて皮膚移植組織として適用されるときに、レシピエント皮膚欠損での浸出が可能となる。粘着性準多孔ドラム膜110は弾性反跳特性を有し、それによりレシピエントの皮膚欠損サイトへの移植のために横切された/ピクセル化された皮膚プラグを互いに近づけることができる。すなわち、各皮膚プラグのマージンは、ピクセル化された移植組織を伴う粘着膜がドラム100から抽出された後のより一様なシートとして互いに近づけられる。あるいはまた、粘着性準多孔ドラム膜110はレシピエントの皮膚欠損サイトの広い表面積をカバーするよう、広げることができる。ある実施の形態では、粘着膜110とドラムハーベスタ112との間に粘着性バッカー111のシートが適用されてもよい。本明細書で詳述されるように、スカルペット106、ブレード108および粘着膜110のドラムアレイは、既存のドラム100に対するスリーブとして組み立てられてもよい。
実施の形態のピクセルドラム110の内部ドラムハーベスタ112は使い捨てかつ置換可能である。使い捨てコンポーネントの使用の制限および/または制御は、電子、EPROM、機械、耐久性を含むがそれらに限定されない手段によって達成されうる。使い捨てドラムのドラム回転数の電子的および/または機械的記録および/または制限は、使い捨てドラムの使用時間と共に、電子的にまたは機械的に記録され、制御され、および/または制限されてもよい。
ドラムデルマトームによる手法の取り入れ部分の間、PADスカルペットアレイは皮膚表面に直接適用される。皮膚ピクセルを周状に切開するために、ドラムデルマトームはスカルペットアレイの上に配置され、下の皮膚表面に負荷を与える。負荷を加え続けると、切開皮膚ピクセルはスカルペットアレイの孔を通じて押し出され、ドラムデルマトームの粘着膜上に捕捉される。デルマトームの切断アウトリガーブレード(スカルペットアレイの上に配置される)は押し出された皮膚ピクセルのベースを横切する。次いで膜およびピクセル化皮膚混成体はデルマトームドラムから取り除かれ、レシピエント皮膚欠損に皮膚移植組織として直接適用される。
図11Cを参照すると、実施の形態は、本明細書で説明されるように、スカルペットプレートと共に用いるドラムデルマトームを含む。より具体的には、図12Aは、実施の形態のもと、スカルペットプレートの上に配置されたドラムデルマトームを示す。図12Bは、実施の形態のもと、スカルペットプレートの上に配置されたドラムデルマトームの別の図である。ドラムデルマトームの切断アウトリガーブレードはスカルペットアレイの上に配置され、そこで押し出された皮膚プラグはそのベースで横切される。
図13Aは、実施の形態のもと、スカルペットプレートへのドラムデルマトーム(例えば、パジェットデルマトーム)の適用の等角図であって、粘着膜は、ドラムをインベスティングプレートの上で転がす前に、デルマトームのそのドラムに適用される。図13Bは、実施の形態のもと、ドラムデルマトームの一部の側面図であって、スカルペットプレートに対するブレードの位置を示す。図13Cは、実施の形態のもと、ドラムデルマトームの一部の側面図であって、スカルペットプレートに対するブレードの異なる位置を示す。図13Dは、実施の形態のもと、スカルペットプレートに対するブレードの他の位置を伴うドラムデルマトームの側面図である。図13Eは、実施の形態のもと、横切ブレードクリップを伴うドラムデルマトームの側面図であって、ブレードクリップによる皮膚ピクセルの横切を示す。図13Fは、実施の形態のもと、スカルペットプレートに沿うドラムデルマトームの底面図である。図13Gは、実施の形態のもと、スカルペットプレートに沿うドラムデルマトームの前面図である。図13Hは、実施の形態のもと、スカルペットプレートに沿うドラムデルマトームの背面図である。
臨床アプリケーションに依存して、ドラムデルマトームの使い捨て粘着膜は、切除された弛緩皮膚の載置/配置やピクセル化皮膚移植組織を取り入れる/並べるために用いられうる。
本明細書で説明される実施の形態は、例えばパジェットデルマトームやリーズデルマトームなどのデルマトームと共に用いられるピクセルオンレイスリーブ(POS)を含む。
図14Aは、実施の形態のもと、ピクセルオンレイスリーブ(POS)を伴うデルマトームの組立図を示す。POSはデルマトームとブレードとを備え、それらは粘着性バッカーと粘着剤とスカルペットアレイと一緒に組み入れられている。粘着性バッカーと粘着剤とスカルペットアレイとはデバイスに統合されているが、これに限られない。
図14Bは、実施の形態のもと、ピクセルオンレイスリーブ(POS)を伴うデルマトームの分解組立図を示す。図14Cは、実施の形態のもと、ピクセルオンレイスリーブ(POS)を伴うデルマトームの一部を示す。
POSは本明細書では「スリーブ」とも称され、余剰弛緩皮膚の部分的切除および皮膚欠損の部分的皮膚移植のための使い捨てドラムデルマトームオンレイを提供する。オンレイスリーブは、使い捨てコンポーネントとしてのパジェットデルマトームまたはリーズデルマトームと連携して用いられる。実施の形態のPOSはドラムデルマトームに係合する三面スリップオン使い捨てスリーブである。デバイスは、粘着面と、内部横切ブレードを伴うスカルペットドラムアレイと、を備える。実施の形態の横切ブレードは、スカルペットドラムアレイの内周面を横切って揺動される片刃切断面を含む。
代替的なブレードの実施の形態では、有窓切断層がスカルペットアレイの内周面をカバーする。切断面を伴う窓面のそれぞれは各個別のスカルペットと揃えられる。皮膚プラグのベースを横切するための揺動に代えて、有窓切断層はスカルペットドラムアレイの上で振動する。粘着面とスカルペットアレイとの間に、ブレードの通行のための狭いスペースが生成される。皮膚移植手術中の複数の取り込みのために、追加的な粘着膜のための挿入スロットが設けられる。粘着膜の上の保護層は引き出された引っ張りタブによってその場で剥がされる。該タブはスリーブアセンブリの反対側の面の引っ張りスロットから持ち上げられる。他のピクセルデバイスの実施の形態と同様に、粘着膜はレシピエント皮膚欠損サイトにおける排液のために準多孔である。ピクセル化皮膚移植組織をより連続的なシートに変形させるために、膜は弾性反跳特性を有し、それにより皮膚移植組織内で皮膚プラグが互いにより近くなるように並べることを提供してもよい。
本明細書で説明される実施の形態は、パジェットデルマトームまたはリーズデルマトームのいずれかを伴う使い捨てデバイスとして構成されるスリップオンPADを含む。図15Aは、実施の形態のもと、パジェットドラムデルマトーム上をスライドするスリップオンPADを示す。図15Bは、実施の形態のもと、パジェットドラムデルマトーム上にインストールされたスリップオンPADの組立図を示す。
実施の形態のスリップオンPADは(オプションで)多孔ガイドプレートとの組み合わせで用いられる。図16Aは、実施の形態のもと、パジェットドラムデルマトーム上にインストールされ、かつ、多孔テンプレートまたはガイドプレートと共に使用されるスリップオンPADを示す。多孔ガイドプレートはターゲット皮膚サイトの上に置かれ、エプロンの下面の粘着剤でその場に保持されることで向きが維持される。スリップオンPADを伴うパジェットデルマトームは多孔ガイドプレートを介して皮膚の上を転がる。
図16Bは、実施の形態のもと、パジェットドラムデルマトームおよびインストールされたスリップオンPADによる皮膚ピクセル取り込みを示す。皮膚ピクセル取り込みについて、スリップオンPADは取り除かれ、パジェットデルマトームのドラムの上に粘着テープが適用され、デルマトームのアウトリガーアームにクリップオンブレードが取り付けられ、そのブレードは次に皮膚ピクセルのベースを横切するために使用される。実施の形態のスリップオンPADは(オプションで)、ドナーサイトの隣の皮膚を保護するために、リボンリトラクタなどの標準的な手術器具と共に用いられる。
本明細書で説明されるピクセル器具の実施の形態は、使い捨て機器またはデバイスであるピクセルドラムデルマトーム(PD2)を含む。PD2はハンドルと結合されたシリンダすなわち回転/回動ドラムを備え、シリンダはスカルペットドラムアレイを含む。内部ブレードはドラム軸/ハンドルアセンブリと連結され、および/または中心軸に取り付けられたアウトリガーに連結される。本明細書で説明されるPADおよびPOSによると、皮膚の複数の小型ピクセル化切除が、皮膚弛緩の領域に直接行われるので、目に見える瘢痕を最小化しつつ皮膚引き締めを強化することができる。
図17Aは、実施の形態のもと、皮膚表面のターゲットサイトに適用されているピクセルドラムデルマトームの一例を示す。図17Bは、実施の形態のもと、皮膚表面のターゲットサイトに適用されているピクセルドラムデルマトームの一部の別の図を示す。
PD2デバイスは皮膚表面に回転/回動ドラム全体を適用する。そこでは、「スカルペットドラムアレイ」により、ターゲットサイトに、複数の小型(例えば、1.5mm)円形切開が生成される。次いで、各皮膚プラグのベースは内部ブレードによって横切される。内部ブレードは中央ドラムアクセル/ハンドルアセンブリと連結され、および/または中心アクセルに取り付けられたアウトリガーに連結される。ドラム上の円形スカルペットの密度に依存して、皮膚の可変割合が横切される。PD2によって、過剰皮膚弛緩のエリアに目に見える瘢痕を残すことなく皮膚の表面積の一部(例えば、20%、30%、40%等)を横切することが可能となるが、実施の形態はこれに限られない。
本明細書で示されるピクセル機器の他の代替的実施の形態は、ピクセルドラムハーベスタ(PDH)である。ピクセルドラムデルマトームと同様に、追加される内部ドラムは皮膚のピクセル化横切を取り入れて粘着膜上に並べ、該膜は患者のレシピエント皮膚欠損サイトの上に置かれる。適合粘着膜は準多孔であり、これにより、整列した切除皮膚セグメントを伴う膜がドラムから抽出されて皮膚移植組織として適用されるときに、レシピエント皮膚欠損での浸出が可能となる。膜の弾性反跳特性により、ピクセル化皮膚セグメントを互いにより近づけることができ、それによりピクセル化皮膚移植組織をレシピエントサイトにおけるシート状移植組織に部分的に変換することができる。
本明細書で説明されるピクセルアレイ医療システム、機器またはデバイス、および方法は、達成される臨床成績に必須の細胞応答および/または細胞外応答を引き起こすか可能とする。ピクセルデルマトームについて、皮膚表面の物理的収縮は、皮膚のピクセル化切除、すなわち皮膚プラグの生成、に起因して生じる。加えて、引き続く皮膚の引き締まりは、遅れてくる傷治癒応答に起因して生じる。本明細書で詳述されるように、各ピクセル化切除は複数フェーズでの必須傷治癒シーケンスを開始させる。
このシーケンスの第一フェーズは炎症性フェーズであり、そこでは肥満細胞の脱顆粒が「傷」にヒスタミンを放出する。ヒスタミン放出は毛細血管床の拡張を引き起こし、細胞外空間への血管浸透性を高める。この初期傷治癒応答は最初の日のうちに起こり、皮膚表面の紅斑として現れる。
(線維増殖の)第二フェーズは「傷」の三日から四日以内に始まる。このフェーズ中、線維芽細胞の転移および有糸分裂増殖がある。傷の線維増殖は、新コラーゲンの堆積と傷の筋線維芽細胞的収縮を含む。
組織学的には、新コラーゲンの堆積は、微視的には、真皮の細胞緊密化および肥厚化として特定可能である。これは静的なプロセスであるが、傷の張力はかなり増大する。線維増殖の他の特徴は、傷の多次元的収縮を生じさせる動的物理的プロセスであることである線維増殖のこのコンポーネント特徴は、筋線維芽細胞の活性細胞的収縮に起因する。形態学的には、傷の筋芽細胞的収縮は皮膚表面の二次元的引き締まりとして可視化されるであろう。全体として、線維増殖の効果は、新コラーゲンの静的な支持足場材料としての堆積による強化フレームワークを伴う真皮収縮である。臨床効果は、数ヶ月に亘る、肌触りのスムーズ化を伴う皮膚の遅れた引き締まりとして現れる。一般に、臨床エンドポイントは、処置エリアのより若々しく見える皮膚エンベロープである。
遅れてくる傷治癒応答の第三および最終フェーズは成熟である。このフェーズ中、(真皮の)コラーゲン線維マトリクスの相互リンクが増大することに起因して、処置エリアの強化およびリモデルが起こる。この最終ステージは「傷」の後6から12ヶ月以内に始まり、少なくとも1から2年続く可能性がある。皮膚の小型のピクセル化切除は、この遅れてくる傷治癒プロセス中に通常の真皮アーキテクチャを保存するものであり、これは目立つ瘢痕の生成を伴わない。該瘢痕はより大きな皮膚の手術的切除に伴って生じることが多い。最後に、表皮成長ホルモンの放出から、表皮の関連する刺激および若返りが起こる。遅れてくる傷治癒応答は、最小の既存のコラーゲンマトリクスを伴う組織(筋肉や脂肪など)の中で、瘢痕コラーゲン堆積と共に引き起こされうる。
審美目的のための皮膚引き締めの他に、本明細書で説明されるピクセルアレイ医療システム、機器またはデバイス、および方法は追加的な医療関連アプリケーションを有する。ある実施の形態では、ピクセルアレイデバイスは、標準的な手術切除に頼ることなく、任意の柔らかい組織構造の可変部分を横切することができる。具体的には、ピクセルアレイデバイスを介した皮膚の化学線損傷エリアの低減は、皮膚がんの発生を低減するであろう。睡眠時無呼吸症候群およびいびきの治療について、ピクセルアレイデバイスを介したピクセル化粘膜低減(軟口蓋、舌の基部および咽頭側壁)は、より標準的な手術に伴うかなりの不健全さを低減するであろう。膣円蓋の分娩外傷について、ピクセルアレイデバイスを介したピクセル化皮膚および膣粘膜切除は、A&P切除によらずに通常の分娩前の形状および機能を再確立するであろう。関連する女性のストレス性尿失禁もまた同様の方法で訂正されうる。
実施の形態のピクセルアレイデルマトーム(PAD)は本明細書においてスカルペットデバイスアセンブリとも称され、パンチインパクトハンドピースとも称される制御デバイスと端部デバイスとも称されるスカルペットデバイスとを備えるシステムまたはキットを含む。スカルペットデバイスは制御デバイスに取り外し可能に結合され、スカルペットデバイス内に設けられたスカルペットアレイを含む。実施の形態の取り外し可能スカルペットデバイスは使い捨てであり、その結果一回の手術中に使用されるように構成されるが、実施の形態はこれに限られない。
PADは、スカルペットデバイスを含むよう構成されたハウジングを備える装置を含む。スカルペットデバイスは基板とスカルペットアレイとを含み、スカルペットアレイは基板上にある構成に配置された複数のスカルペットを含む。基板および複数のスカルペットは、ハウジングから出るよう、かつハウジングに入るよう構成され、複数のスカルペットは出たときにターゲットサイトに複数の切開皮膚ピクセルを生成するよう構成される。制御デバイスの近位端は手で持つように構成される。ハウジングは、制御デバイスのコンポーネントであるレシーバと取り外し可能に結合されるよう構成される。制御デバイスは、駆動機構を含む近位端と、レシーバを含む遠位端と、を含む。制御デバイスは使い捨てとなるよう構成されるが、代替的に制御デバイスは、清掃、消毒、および滅菌のうちの少なくともひとつが行われるよう構成される。
スカルペットアレイは駆動機構の活性化に応じて出るよう構成される。実施の形態のスカルペットデバイスは、駆動機構の活性化に応じて、スカルペットアレイがスカルペットデバイスから出て、スカルペットデバイスに戻って入るように構成される。代替的な実施の形態のスカルペットデバイスは、駆動機構の活性化に応じてスカルペットアレイがスカルペットデバイスから出ると共に、駆動機構の解放に応じてスカルペットデバイスに戻って入るように構成される。
図18は、実施の形態のもと、PADアセンブリの側方透視図を示す。本実施の形態のPADアセンブリは、スカルペットアレイを備えるスカルペットデバイスとアクチュエータまたはトリガとを伴う制御デバイスであって手持ち型に構成された制御デバイスを含む。制御デバイスは再利用可能であるが、代替的な実施の形態は使い捨ての制御デバイスを含む。実施の形態のスカルペットアレイは、本明細書で詳述されるように、切開アレイ(例えば、1.5mm、2mm、3mm等)を生成するまたは作り出すよう構成される。実施の形態のスカルペットデバイスは、本明細書で詳述されるように、皮膚を切開するよう構成されたバネ式スカルペットアレイを含むが、実施の形態はこれに限定されない。
図19Aは、実施の形態のもと、PADアセンブリと共に用いられるスカルペットデバイスの上方透視図を示す。図19Bは、実施の形態のもと、PADアセンブリと共に用いられるスカルペットデバイスの下方透視図を示す。スカルペットデバイスは、プランジャと結合されるかそれを含む基板を収容するよう構成されたハウジングを備える。ハウジングは、プランジャの近位端がハウジングの上面から突き出るように構成される。ハウジングは制御デバイスと取り外し可能に結合されるよう構成され、プランジャの長さは、スカルペットデバイスが制御デバイスに結合されたときに制御デバイスおよびアクチュエータに接触するような距離だけ上面から突き出るよう構成される。
スカルペットデバイスの基板はスカルペットアレイを形成する多くのスカルペットを保持するよう構成される。スカルペットアレイは、スカルペットデバイスアセンブリが用いられる手法に適切であるよう、予め指定された数のスカルペットを備える。スカルペットデバイスは少なくともひとつのバネ機構を含み、該機構はスカルペットアレイデバイスの活性化に応じて下向きまたはインパクトまたはパンチング力を提供するよう構成される。この力はスカルペットアレイによる切開(ピクセル化皮膚切除サイト)の生成を助ける。あるいはまた、バネ機構は、スカルペットアレイの引っ込みを助けるための上向きまたは後退力を提供するよう構成されてもよい。
実施の形態のスカルペットデバイスおよび制御デバイスのうちのひとつ以上は暗号化システム(例えば、EPROM等)を含む。暗号化システムは、スカルペットデバイスおよび/または制御デバイスの不正使用および海賊版を防止するよう構成されるが、これに限られない。
手術中、スカルペットデバイスアセンブリはターゲットエリアに一度適用されるか、または代替的に、皮膚弛緩の指定されたターゲット処置エリア内で続けて適用される。本明細書で詳述されるように、処置エリア内のピクセル化皮膚切除サイトは次にFlexanシーティングを適用することで閉じられ、これらのピクセル化切除の方向付き閉鎖は、処置サイトの美的修正の最大化を提供する方向で行われる。
代替的な実施の形態のPADデバイスは、切開皮膚ピクセルを取り除くための真空コンポーネントまたはシステムを含む。図20は、実施の形態のもと、真空コンポーネントを含むパンチインパクトデバイスの側面図を示す。本例のPADは、切開皮膚ピクセルを吸引取り出しするために、制御デバイス内に真空システムまたはコンポーネントを含むが、これに限定されない。真空コンポーネントはPADデバイスに取り外し可能に結合され、その使用はオプションである。真空コンポーネントは、ハウジング、スカルペットデバイス、スカルペットアレイおよび制御デバイスのうちのひとつ以上の中にまたはそれに隣接する低圧力ゾーンを生成するよう構成されるかまたはそれに結合される。低圧力ゾーンは切開皮膚ピクセルを取り出すよう構成される。
別の代替的な実施の形態のPADデバイスは、皮膚ピクセルを生成するための無線周波数(RF)コンポーネントまたはシステムを含む。RFコンポーネントは、ハウジング、スカルペットデバイス、スカルペットアレイおよび制御デバイスのうちのひとつ以上の中でまたはそれに隣接してエネルギを提供するかまたはエネルギに結合させるよう構成されかつそのために結合される。RFコンポーネントはPADデバイスに取り外し可能に結合され、その使用はオプションである。RFコンポーネントによって提供されるエネルギは、熱エネルギ、振動エネルギ、回転エネルギおよび音響エネルギ等のうちのひとつ以上を含む。
さらに別の代替的な実施の形態のPADデバイスは、真空コンポーネントまたはシステムとRFコンポーネントまたはシステムとを含む。本実施の形態のPADは、切開皮膚ピクセルを吸引取り出しするために、ハンドピース内に真空システムまたはコンポーネントを含む。真空コンポーネントはPADデバイスに取り外し可能に結合され、その使用はオプションである。真空コンポーネントは、ハウジング、スカルペットデバイス、スカルペットアレイおよび制御デバイスのうちのひとつ以上の中にまたはそれに隣接する低圧力ゾーンを生成するよう構成されるかまたはそれに結合される。低圧力ゾーンは切開皮膚ピクセルを取り出すよう構成される。加えて、PADデバイスはRFコンポーネントを含み、該RFコンポーネントは、ハウジング、スカルペットデバイス、スカルペットアレイおよび制御デバイスのうちのひとつ以上の中でまたはそれに隣接してエネルギを提供するかまたはエネルギに結合させるよう構成されかつそのために結合される。RFコンポーネントはPADデバイスに取り外し可能に結合され、その使用はオプションである。RFコンポーネントによって提供されるエネルギは、熱エネルギ、振動エネルギ、回転エネルギおよび音響エネルギ等のうちのひとつ以上を含む。
特定の一例として、実施の形態のPADは、隣の皮膚への熱伝導ダメージを最小化しつつドナーの皮膚または皮膚プラグをより効果的に切開するよう構成された電気手術ジェネレータを含む。このため、例えば、RFジェネレータは比較的短いデューティサイクルを伴う比較的高い電力レベルを用いて動作する。RFジェネレータは、切断のための追加的な押圧力を提供するよう構成された電動インパクタコンポーネント、サイクリングインパクタ、振動インパクタ、および超音波トランスデューサのうちのひとつ以上を供給するよう構成される。
本明細書で説明されるように、本例のRFを伴うPADは真空コンポーネントをも含む。本実施の形態の真空コンポーネントは、皮膚をスカルペットに向けて(例えば、スカルペットの内腔の中へ)引き上げる真空を適用し、それにより部分的切除フィールドの中での皮膚のRF仲介切開を安定化させかつ促進するよう構成されるが、これに限定されない。RFジェネレータおよび真空機器のうちのひとつ以上は、ソフトウエアアプリケーションを実行するプロセッサの制御下となるよう結合される。加えて、本明細書で詳述されるように、本実施の形態のPADはガイドプレートと共に用いられうるが、これに限定されない。
ドナーサイトでの部分的切開に加えて、部分的皮膚組織移植は、レシピエントサイトへの移送のための皮膚プラグの取り入れおよび(例えば、粘着膜上への)載置を含む。部分的皮膚切除と同様に、スカルペットアレイ上でのデューティ駆動RF切断エッジの使用はドナーの皮膚プラグの切開をより容易にする。次いで、本明細書で詳述されるように、切開スカルペットのベースは横切され、取り入れられる。
真空アシストコンポーネントのタイミングは、RFデューティサイクルを伴う規定されたシーケンスを提供するようプロセッサで制御される。ソフトウエア制御により、RF切断と真空アシストとの合成シーケンスの最適解を提供するために、異なるバリエーションが可能となる。限定はないが、これらはRFデューティサイクルの前の初期真空期間を含む。RFデューティサイクルに続いて、実施の形態のシーケンス中の期間は、切開皮膚プラグの吸引取得を含む。
PADの他の潜在的な制御シーケンスは、限定はないが、RFおよび真空アシストの同時のデューティサイクルを含む。あるいはまた、実施の形態の制御シーケンスは、シーケンス内の、および/またはRF電力の変化を伴うかまたは異なるRF周波数でのジェネレータの使用を伴う、RFデューティサイクルのパルスを出すかまたはサイクルさせることを含む。
他の代替的な制御シーケンスは、部分的切開の深さで生じる指定RFサイクルを含む。絶縁シャフトを伴う低電力の長い継続期間のRFデューティサイクルでは、アクティブ切断先端は真皮組織と皮下組織との深いインタフェースに熱伝導性傷害を生成しうる。深い熱傷は遅れてくる傷治癒シーケンスを引き起こし、皮膚表面を焼くことなく皮膚を二次的に引き締めることができる。
ソフトウエア制御により、RF切断および電動機械的切断と真空アシストとの合成シーケンスの最適解を提供するために、異なるバリエーションが可能となる。例は、真空アシストを伴う電動機械的切断、電動機械的切断および真空アシストを伴うRF切断、真空アシストを伴うRF切断、および真空アシストを伴うRF切断の組み合わせを含むがそれに限定されない。合成ソフトウエア制御デューティサイクルの例は、切断前真空皮膚安定化期間と、真空皮膚安定化期間を伴うRF切断デューティサイクルと、真空皮膚安定化を伴うRF切断デューティサイクルおよび電動機械的切断期間と、真空皮膚安定化期間を伴う電動機械的切断と、より深い真皮層および/または真皮下組織層を熱伝導的に加熱し皮膚引き締めのための傷治癒応答を引き起こすための切断後RFデューティサイクルと、皮膚引き締めのための切断後真空期間と、を含むがこれらに限定されない。
本明細書で説明されるピクセルアレイ医療デバイスの他の実施の形態は、スカルペットの振動フラットアレイと、電動または手動(非電動)のブレードと、を備えるデバイスを含み、これは本明細書で説明されるドラム/シリンダの代替物として皮膚引き締めのために用いられる。図21Aは、実施の形態のもと、振動するフラットスカルペットアレイおよびブレードデバイスの上面図を示す。図21Bは、実施の形態のもと、振動するフラットスカルペットアレイおよびブレードデバイスの底面図を示す。ブレード108はスカルペットアレイ106に揃えられたブレードの有窓層であってもよい。機器ハンドル102はブレードハンドル103から離れており、粘着膜110は粘着バッカー111から剥がされうる。図21Cは、実施の形態のもと、スカルペットアレイ106とブレード108と粘着膜110と粘着バッカー111とが組み立てられたときのフラットアレイの拡大図である。組み立てられたとき、スカルペットのフラットアレイは、一様な取り込みまたは一様な切除を提供するよう計測されうる。ある実施の形態では、スカルペットのフラットアレイはさらに、粘着取り込み膜110および粘着バッカー111のためのフィーダコンポーネント115を含んでもよい。図21Dは、実施の形態のもと、フィーダコンポーネント115を伴うスカルペットのフラットアレイの拡大図である。
他の皮膚移植の実施の形態では、ピクセル移植組織は照射死体真皮マトリクス(不図示)の上に置かれる。真皮マトリクスの上で培養されるとき、ピクセルドナーと免疫学的に同一の患者のための全層皮膚の移植組織が生成される。実施の形態では、死体真皮マトリクスは取り込まれた皮膚ピクセル移植組織と同様のサイズで円柱状に切除されてもよく、この場合、死体真皮フレームワークの中でピクセル化移植組織を組織的に揃えることができる。図22は、実施の形態のもと、サイズ的に取り込まれた皮膚ピクセル移植組織と似ている、円柱状に切断された死体真皮マトリクスを示す。ある実施の形態では、ドナーサイトの取り込み割合は、レシピエントの皮膚欠損サイトにおける通常真皮組織の誘起に部分的に依存して決定されてもよい。すなわち、皮膚移植組織の通常の(滑らかな)表面トポロジが促進される。粘着膜の実施の形態または真皮マトリクスの実施の形態によると、ピクセルドラムハーベスタは、患者のドナーサイトにおける目に見える瘢痕をかなり低減または除去しつつ、移植用に大きな表面積を取り入れることができる能力を含む。
本明細書で説明されるピクセルアレイ医療デバイスに加えて、実施の形態は薬剤搬送デバイスを含む。大抵の場合、薬剤の非経口的投与は依然としてシリンジおよび針による注射により達成される。針およびシリンジシステムの負の特徴を回避するため、閉塞性パッチを通じた経皮的薬剤局所吸収が開発された。しかしながら、これらの薬剤投与システムのどちらも、大きな欠点を有する。針注射に対する人の嫌悪は、そのほぼ二世紀に亘る使用期間中にやわらいでいない。皮下または筋肉内薬剤注射の可変の全身的吸収は、薬剤の効き目を低下させ、また患者への副作用の発生確率を高める。薬剤の液体または水性キャリア流体に依存して、局所的に適用された閉塞性パッチは、表皮バリアを通じた吸収の変動に悩まされる。皮膚の大きな表面に亘る局所麻酔が要求される患者について、シリンジ/針注射も表面麻酔も理想的ではない。シリンジ/針「フィールド」注射は多くの場合痛みを伴い、全身毒性の原因となりうる過剰量の局所麻酔を注入しうる。
表面麻酔が皮膚関連手術に必要なレベルの麻酔を提供することはまれである。
図23は、実施の形態のもと、ドラムアレイ薬剤搬送デバイス200である。薬剤搬送デバイス200は他の薬剤搬送システムの限界および欠点を解決することに成功した。デバイスは、アクセル/ハンドルアセンブリ204によって支持され、かつドラム回転コンポーネント206の周りで回転するドラム/シリンダ202を備える。実施の形態のハンドルアセンブリ204はさらに、投与対象の薬剤のリザーバ208と、シリンジプランジャ210と、を含む。ドラム202の表面は一様な長さの針アレイ212によってカバーされている。これにより、患者の皮膚に注射される薬剤量をよりよく制御しつつ、真皮内(または真皮下)注射深さを一様にすることができる。処置中、シリンジプランジャ210は薬剤をリザーバ208から押し出し、押し出された薬剤は接続チューブ216を介してドラム202内の密閉された注入チャンバ214内へ注入される。針アレイ212が患者の皮膚にドラム202の表面が皮膚に当たるまで押しつけられたとき、薬剤は最終的に患者の皮膚へ一様な深さで投与される。非麻酔スキップエリアは回避され、皮膚麻酔のより一様なパターンが生成される。薬剤搬送デバイス200の回転ドラムアプリケーションはまた、患者の不快感を低減しつつ局所麻酔をより早く注入できる。
図24Aは、実施の形態のもと、針アレイ薬剤搬送デバイス300の側面図である。図24Bは、実施の形態のもと、針アレイ薬剤搬送デバイス300の上方等角図である。図24Cは、実施の形態のもと、針アレイ薬剤搬送デバイス300の下方等角図である。薬剤搬送デバイス300はマニホールド310上に配置された一様な長さの鋭い針のフラットアレイ312を備え、薬剤投与に用いられる。この例示的な実施の形態では、注射用薬剤はシリンジ302に保持され、該シリンジ302はハンドル付き使い捨てアダプタ306にプラグインされる。シール308を用いて、シリンジ302と使い捨てアダプタ306とが互いに堅固に結合されることを保証することができる。シリンジプランジャ304が押されると、シリンジ302に保持される薬剤はシリンジ302から使い捨てアダプタ306へ搬送される。針アレイ312が患者の皮膚にマニホールド202が皮膚に当たるまで押しつけられたとき、薬剤はさらに患者の皮膚へ一様な深さで鋭い針のフラットアレイ312を通じて投与される。
薬剤搬送デバイス200の使用は、経皮的注射または吸収を必要とする薬物の数と同じ数の臨床アプリケーションを有しうる。非限定的例として、潜在的なアプリケーションのいくつかは、局所麻酔の注射と、ボツリヌス毒素(ボトックス)などの神経調節物質の注射と、インスリンの注射と、エストロゲンおよび副腎皮質ステロイドの置き換えの注射と、を含む。
ある実施の形態では、薬剤搬送デバイス200のシリンジプランジャ210は、非限定的例として、電動モータによって動力供給されてもよい。ある実施の形態では、点滴袋およびチューブに取り付けられた流体ポンプ(不図示)は、連続的注入のために、注入チャンバ214および/またはリザーバ208に接続されてもよい。ある実施の形態では、薬剤搬送デバイス200におけるシリンジプランジャ210の体積は、較正され、プログラム可能であってもよい。
本明細書で詳述されるPAD(ピクセルアレイデルマトーム)デバイスを伴うピクセル皮膚移植取り込みの他のアプリケーションは、脱毛症である。脱毛症はよくある美観的疾病であり、中年男性に好発するが、老化したベビーブーマーの女性にも見られる。脱毛症の最もよくみられる形態は男性型脱毛症(MPB)であり、頭皮の頭頂から前頭にかける領域に発生する。男性型脱毛症は性別にリンクした特性であり、母からのX染色体によって男の子孫に遺伝する。男にとって、この形質を表すのにただひとつの遺伝子のみが必要である。その遺伝子は劣性であるから、女性型脱毛症は父および母の両方からのXリンク遺伝子の両方の遺伝を必要とする。形質発現は患者により異なり、多くの場合、発症年齢および前頭部/部分/後頭部脱毛の量によって表される。MPBの形質発現の患者による変動は、この性別にリンクした特性の遺伝子型翻訳の可変性に依拠する。MPBは遺伝により発生するので、毛移植に対する必要性は巨大である。他の非遺伝的関連病因はより限定的な人口セグメントにおいて見られる。これらの非遺伝的病因は、トラウマや細菌感染やエリテマトーデスや放射や抗がん剤治療を含む。
さまざまな治療オプションが公衆に提案されてきた。これらは、ミノキシジルやフィナステリドなどのFDA認可塗り薬を含む。これらの薬剤は休止中の毛包を活動期成長フェーズへと変換することが必要なので、その成功は限られていた。他の治療法はかつらおよびヘアウィービングを含む。常套手段はやはり手術的毛移植であり、それは毛プラグ、ストリップおよびフラップを毛のある頭皮から毛のない頭皮へ移すことを含む。多くの場合、従来の毛移植は、複数の単体毛マイクログラフを毛のある頭皮から同じ患者の毛のない頭皮へ移すことを含む。あるいはまた、まずドナープラグが毛ストリップとして取り込まれ、次いでレシピエント頭皮への移送のためにマイクログラフに分割される。いずれにせよ、この多段階手法はめんどうかつ高価であり、平均的な患者について何時間もの手術が含まれる。
従来の毛髪移植マーケットは、数段階で行われる長い毛髪移植手術によって阻害されてきた。典型的な毛髪移植手法は、後頭部頭皮のドナーサイトから禿げている頭頂から前頭にかけての頭皮のレシピエントサイトへの毛髪プラグの移送を含む。多くの手法について、毛髪プラグひとつひとつがレシピエント頭皮へと個別に移される。手術中、数百ものプラグが移植され、これを行うのに数時間かかる。移植された毛髪プラグの術後「テイク」または生存率は、レシピエントサイトでの血管新生を制限するファクタによって可変である。運動による出血や機械的損傷は、血管新生および毛髪移植組織の「テイク」を低減するキーファクタである。
本明細書で説明される実施の形態は、いくつかの毛髪移植組織を一度に移送するよう構成された手術器具を含み、それらの毛髪移植組織は頭皮のレシピエントサイトにまとめて保持されそこで整列する。実施の形態のPADを用いた本明細書で説明される手法は、従来の器具により要求される煩わしさや時間を低減する。
図25は、人の皮膚の構成を示す。皮膚は、真皮および表皮と称される二つの水平重層を含み、外部環境に対する生体バリアとして作用する。表皮はエンベロープ層であり、表皮細胞の育成可能層を含む。表皮細胞は上向きに移動し、角質層と呼ばれる生育不能層へと「成熟」する。角質層は脂質−ケラチン混成体であり、主たる生体バリアとして機能する。この層は、落屑(desquamation)と呼ばれるプロセスで、常に剥がれては再構成される。真皮は、皮膚の主たる構造的支持体である下層であり、大いに細胞外であってコラーゲン線維からなる。
水平重層表皮および真皮に加えて、皮膚は垂直方向に揃った要素または細胞性付属器を含む。それは毛嚢脂腺ユニットを含み、該ユニットは毛包および脂腺を含む。毛嚢脂腺ユニットのそれぞれは皮脂腺および毛包を含む。皮脂腺は最も表面に近いところにあり、毛包のシャフトへ皮脂(オイル)を放出する。毛包のベースはバルブと称される。バルブのベースは真皮乳頭と称される深い生殖的コンポーネントを有する。毛包は典型的には皮膚表面に対して傾いた角度で並べられる。頭皮の所与の領域の毛包は互いに平行となるよう並べられる。毛嚢脂腺ユニットは全外皮に亘り共通であるが、これらのユニットの頭皮の領域内での密度および活動が毛髪の全体的な外観についてのキー決定打である。
毛嚢脂腺ユニットに加えて、汗腺は皮膚を通じて垂直に延びる。それらは、体温調節を助ける水ベースの浸出液を提供する。
腋窩および鼠径部のアポクリン汗腺はより刺激性の汗をもたらし、これが体臭の原因となる。体の残りの部分について、エクリン汗腺は体温調節のために低刺激の汗を排出する。
毛包は毛髪成長の異なる生理学的サイクルを通る。図26は、毛の成長の生理学的サイクルを示す。遺伝的男性におけるテストステロンの存在は、頭頂から前頭にかけての頭皮における可変度合いの脱毛症を生成する。基本的に、毛包は成長期に戻ることなく休止期に入ることで休止状態となる。男性型脱毛症は、毛髪が休止期から成長期へ戻り損ねた場合に生じる。
実施の形態のPADは、毛髪所持プラグの毛髪のない頭皮への一括移植を伴う毛髪のあるプラグの一括取り込み用に構成される。これは従来の毛移植の手術を短縮する。総じて、実施の形態のデバイス、システムおよび/または方法を使用して、多数の小型毛髪所持プラグを単一の手術ステップまたはプロセスで取り込んで整列させる。また同じ器具を用いて毛髪のない頭皮の複数ピクセル化切除を行うことでレシピエントサイトの準備を行う。複数の毛髪プラグ移植組織は準備されたレシピエントサイトへ一括して移送され、そこで一括して移植される。その結果、簡略化された手法の使用を通じて、数百もの毛髪所持プラグがドナーサイトからレシピエントサイトへ移送されうる。したがって、本明細書で説明される実施の形態を用いる毛髪移植は、煩わしく多段階の従来プロセスに対してより簡単でシンプルでかなり時間を節約できる単一手術である解法を提供する。
実施の形態のピクセルデルマトームを用いる毛髪移植は、従来の標準的な毛包ユニット抽出(FUT)毛髪移植アプローチに対する改良を促進する。総じて、実施の形態の手法のもと、取り込み対象の毛包はドナーの後頭部頭皮からとられる。それを行う際、ドナーサイトの毛髪は部分的に切られ、実施の形態の多孔プレートが頭皮に配置され、最大の収量を提供すべく方向付けされる。図27は、実施の形態のもと、ドナー毛包の取り込みを示す。スカルペットアレイのスカルペットは、毛包を取得すべく、皮下脂肪層まで達するよう構成される。本明細書で詳述される通り、毛髪プラグが切開されると、それらは、横切ブレードで毛髪プラグのベースを横切することによって粘着膜上に取り入れられる。ベースを横切する前に粘着膜を適用することによって、ドナーサイトにおける毛髪プラグの元々の相互の配列は維持される。次いで、粘着膜上の毛髪プラグの整列したマトリクスは、レシピエントの頭頂から前頭にかけての頭皮のレシピエントサイトに一括して移植される。
図28は、実施の形態のもと、レシピエントサイトの準備を示す。取り込まれた後頭部頭皮ドナーサイトと組織的に同一のパターンで毛髪のない皮膚プラグを切除することによって、レシピエントサイトを準備する。実施の形態のもと、ドナーサイトで用いられたものと同じ器具を用いて、毛髪プラグの大量移植のためにレシピエントサイトを準備する。その際、レシピエントサイトに頭皮欠損が生成される。レシピエントサイトに生成される頭皮欠損は、粘着膜上に取り込まれたプラグと同じ幾何形状を有する。
取り込まれた毛髪プラグを搭載した粘着膜は、レシピエントサイトの同じパターンの頭皮欠損の上に適用される。行ごとに、各毛髪所持プラグは、その鏡像関係にあるレシピエント欠損へ挿入される。図29は、実施の形態のもと、レシピエントサイトへの取り込まれた毛プラグの配置を示す。プラグ間の並びは維持される。したがって、移植された毛髪プラグから成長する毛髪は、それがドナーサイトで成長した場合と同じくらい自然に並ぶ。元々の頭皮と移植された毛髪との間のより一様な並びもまた生じるであろう。
具体的には、多孔プレートの頭皮への載置または配置を準備するために、ドナーサイトの毛髪は部分的に切られる。多孔プレートは、最大収量を提供すべく後頭部頭皮ドナーサイトに配置される。図30は、実施の形態のもと、後頭部頭皮のドナーサイトへの多孔プレートの配置を示す。毛髪プラグの大量取り込みは、スカルペット使い捨て端部を伴うインパクトパンチハンドピースを備えるバネ式ピクセル化デバイスを用いて達成される。実施の形態は、既製FUE摘出デバイスまたは生検パンチを用いる個々の毛髪プラグの取り込みのために構成される。供給される多孔プレートの孔のサイズは既製技術をカバーする。
スカルペットアレイ使い捨て端部を備えるスカルペットは、毛包を取得すべく、皮下脂肪層まで達するよう構成される。図31は、実施の形態のもと、スカルペットが皮下脂肪層を貫通して毛包を取得するよう構成されている場合の、スカルペットの皮膚への貫通深さを示す。毛髪プラグが切開されると、それらは、横切ブレードで毛髪プラグのベースを横切することによって粘着膜上に取り入れられるが、これに限られない。図32は、実施の形態のもと、後頭部のドナーサイトで多孔プレートを用いる毛プラグ取り込みを示す。実施の形態の粘着膜を適用することによって、毛髪プラグの元々の相互の配列は維持される。切除されたピクセルのベースを横切する前に、粘着膜が適用されるが、これに限られない。次いで、粘着膜上の毛髪プラグの整列したマトリクスは、頭頂から前頭にかけての頭皮のレシピエントサイトに一括して移植される。
多孔プレートを通じて追加的な単体毛髪プラグを取り込んでもよい。これは例えば目に見える生え際を生成するために使用される。図33は、実施の形態のもと、視認可能な生え際の生成を示す。目に見える生え際は、手動のFUT技術で決定され、作られる。目に見える生え際および頂点の大量移植は同時に、または別個のステージとして、行われてもよい。目に見える生え際および大量移植が同時に行われる場合、レシピエントサイトは目に見える生え際から始まって開発される。
取り込まれた毛髪プラグの移植は、取り込まれた後頭部頭皮ドナーサイトのパターンと組織的に同一のパターンで毛髪のない皮膚プラグを切除することによって、レシピエントサイトを準備することを含む。図34は、実施の形態のもと、パターン化された多孔プレートおよびバネ式ピクセル化デバイスを用いてレシピエントサイトに同一の皮膚欠損を生成するためのドナーサイトの準備を示す。実施の形態のレシピエントサイトは、ドナーサイトにおいて用いられたのと同じ多孔プレートおよびバネ式ピクセル化デバイスを用いて、毛髪プラグの大量移植のために準備される。頭皮欠損がレシピエントサイトに生成される。これらの頭皮欠損は、粘着膜上に取り込まれたプラグと同じ幾何形状を有する。
取り込まれた毛髪プラグを搭載した粘着膜は、レシピエントサイトの同じパターンの頭皮欠損の上に適用される。行ごとに、各毛包所持または毛髪所持皮膚プラグは、その鏡像関係にあるレシピエント欠損へ挿入される。図35は、実施の形態のもと、取り込まれたプラグをレシピエントサイトに生成された対応する皮膚欠損に挿入することによる、取り込まれたプラグの移植を示す。プラグ間の並びは維持される。したがって、移植された毛髪プラグから成長する毛髪は、それがドナーサイトで成長した場合と同じくらい自然に並ぶ。元々の頭皮と移植された毛髪との間のより一様な並びもまた生じるであろう。
臨床エンドポイントは患者により変わるが、改善された血管新生の結果として毛髪プラグが「テイク」するより高い割合が見込まれる。図36は、実施の形態のもと、ピクセルデルマトーム機器および手法を用いた臨床エンドポイントを示す。よりよい「テイク」とより短い手術期間とより自然に見える結果との組み合わせは、実施の形態のピクセルデルマトーム機器および手法が、従来の毛髪移植アプローチの欠点を克服することを可能とする。
皮膚欠損のためのピクセル化皮膚移植および皮膚弛緩のためのピクセル化皮膚切除の実施の形態が、本明細書で詳述される。これらの実施の形態は、皮膚の引き締めが望まれる弛緩皮膚領域で、皮膚ピクセルフィールドを除去する。この手法により生成される皮膚欠損(例えば、直径が約1.5−3mmの範囲)は可視の瘢痕を残さずに一次治癒するのに十分なほど小さい。複数の皮膚欠損の傷の閉塞は所望の輪郭形成効果を生成するよう有向的に行われる。ピクセル除去手法の動物実験は良好な成績を残した。
実施の形態のピクセル手法は、オフィスセッティングにおいて、局所麻酔のもとで行われるが、これに限定されない。外科医は実施の形態の器具を用いて皮膚ピクセル(例えば、円形、楕円形、正方形等)のアレイを素早く切除する。その手法に伴う痛みは比較的小さい。手術中に生成された真皮内皮膚欠損は粘着性Flexan(3M)シートの適用により閉じられるが、これに限られない。Flexanシートは大きなバタフライ型包帯として機能し、処置エリアの美的な輪郭形成を最大化する向きに引っ張られる。美的な輪郭形成を助けるために、包帯の上に圧縮可能弾性衣類を適用してもよい。回復中、患者はある期間(例えば五日間等)処置エリアの上に支持衣類を着る。最初の治癒後、処置エリア内の多数の小さなリニア瘢痕は視覚的に目立つことはない。
遅れてくる傷治癒応答から、数ヶ月に亘って追加的な皮膚引き締めが続いて発生するであろう。その結果、ピクセル手法は、従来の美容外科手術の大きな瘢痕が避けられるべきエリアの皮膚引き締めのための最低侵襲的代替物である。
ピクセル手法は、達成される臨床成績に必須の細胞応答および細胞外応答を引き起こす。皮膚の部分的切除に起因して皮膚表面エリアの物理的収縮が起こる。この切除は弛緩エリアにおいて皮膚の一部を直接取り除くものである。加えて、引き続く皮膚の引き締まりは、遅れてくる傷治癒応答により実現される。各ピクセル化切除は必須傷治癒シーケンスを開始させる。本明細書で既に詳述したとおり、実施の形態で効果のある治癒応答は三つのフェーズを備える。
このシーケンスの第一フェーズは炎症性フェーズであり、そこでは肥満細胞の脱顆粒が「傷」にヒスタミンを放出する。ヒスタミン放出は毛細血管床の拡張を引き起こし、細胞外空間への血管浸透性を高める。この初期傷治癒応答は最初の日のうちに起こり、皮膚表面の紅斑として現れる。
「傷」の数日内に、治癒の第二フェーズすなわち線維増殖が始まる。
線維増殖中、線維芽細胞の転移および有糸分裂増殖がある。
線維増殖は二つのキーフィーチャを有する。すなわち、新コラーゲンの堆積と傷の筋線維芽細胞的収縮である。組織学的には、新コラーゲンの堆積は、微視的には、真皮の細胞緊密化および肥厚化として特定される。これは静的なプロセスであるが、皮膚の張力はかなり増大する。筋芽細胞的収縮は皮膚表面の二次元的引き締まりを引き起こす動的物理的プロセスである。このプロセスは、筋線維芽細胞の活性細胞収縮および細胞外マトリクス内の収縮タンパク質の堆積に起因する。全体として、線維増殖の効果は、真皮収縮および、強化フレームワークを伴う新コラーゲンの静的な支持足場材料としての堆積である。臨床効果は、数ヶ月に亘る、肌触りのスムーズ化を伴う皮膚の遅れた引き締まりとして現れる。臨床エンドポイントは、処置エリアのより若々しく見える皮膚エンベロープである。
遅れてくる傷治癒応答の第三および最終フェーズは成熟である。成熟中、(真皮の)コラーゲン線維マトリクスの相互リンクが増大することに起因して、処置エリアの強化およびリモデルが起こる。この最終ステージは「傷」の後6から12ヶ月以内に始まり、少なくとも1から2年続く可能性がある。皮膚の小型のピクセル化切除は、成熟中に通常の真皮アーキテクチャを保存するものであるが、これは目立つ瘢痕の生成を伴わない。該瘢痕はより大きな皮膚の手術的切除に伴って生じることが多い。最後に、表皮成長ホルモンの放出から、表皮の関連する刺激および若返りが起こる。
図37から42は、実施の形態のもと、生きた動物に対して行われたピクセル手法の結果のイメージである。本明細書で説明される実施の形態はこの実証実験において動物モデルに用いられ、この実験はピクセル手法が目に見える瘢痕を残さずに審美的皮膚引き締めを生成することを証明した。実験は、手術用に麻酔された生きた豚モデルを用いた。図37は、実施の形態のもと、切除対象の領域の角および中間点に彫り込みが行われた皮膚のイメージである。術後の評価のため、切除のフィールドマージンはタトゥーで区別されたがこれに限られない。手法は多孔プレート(例えば、10×10ピクセルアレイ)を用いて部分的切除のエリアを指定するよう行われた。部分的切除は生検パンチ(例えば、1.5mm直径)を用いて行われた。図38は、実施の形態のもと、術後皮膚切除フィールドのイメージである。ピクセル切除の後、ピクセル化切除欠損は膜(例えば、Flexan)で(水平に)閉じられた。
術後11日でタトゥーで指定されたエリア内の全ての切除が一次治癒し、写真的および寸法的測定が行われた。図39は、実施の形態のもと、手術から11日経った後のイメージであって、切除が一次的治癒したことを測定されたマージンと共に示すイメージである。術後29日で、続いて、写真的および寸法的測定が行われた。図40は、実施の形態のもと、手術から29日経った後のイメージであって、切除が一次的治癒し、かつ切除フィールドの一次的成熟が続くことを測定されたマージンと共に示すイメージである。図41は、実施の形態のもと、手術から29日経った後のイメージであって、切除が一次的治癒し、かつ切除フィールドの一次的成熟が続くことを測定された横寸法と共に示すイメージである。
術後90日で写真的および寸法的測定が繰り返された。テストエリアの皮膚は完全に手触り滑らかとなった。図42は、実施の形態のもと、術後90日経った後のイメージであって、切除が一次的治癒し、かつ切除フィールドの一次的成熟が続くことを測定された横寸法と共に示すイメージである。
本明細書で説明される部分的切除は、皮内で行われるか、または真皮の厚さ全体に亘って行われる。スカルペット(例えば、丸い、正方形の、楕円形の、等)で皮膚を切開する能力は、追加的力の追加により強化される。追加的力はスカルペットまたはスカルペットアレイに印加される力を含み、例えば、力は、回転力、運動衝撃力および振動力のうちのひとつ以上を含み、それらの全ては皮膚の部分的切除について本明細書で詳述される。
実施の形態のスカルペットデバイスは総じてスカルペットアセンブリとハウジングとを含む。スカルペットアセンブリはスカルペットアレイを含み、スカルペットアレイは複数のスカルペットと力または駆動コンポーネントとを含む。スカルペットアセンブリはひとつ以上のアライメントプレートを含み、アライメントプレートはスカルペットアレイの配列にしたがってスカルペットを正確に維持、位置決めするよう、かつ、切除対象の対象組織にオペレータから力(例えば、z軸)を伝達するよう、構成される。スカルペットアセンブリはスペーサを含み、スペーサは、アライメントプレートが互いに固定距離だけ離れ、かつ、スカルペットアレイと同軸となるようアライメントプレートを維持するよう構成されるが、これに限られない。
シェルはスペーサおよびアライメントプレートを維持するよう構成され、ハウジングおよび駆動シャフト用の取り付け箇所を含む。アライメントプレートおよび/またはスペーサはシェルの位置に取り付けられるかまたは接続され(例えば、嵌合、溶接(例えば、超音波、レーザ等)、ヒートステーク等)、したがって堅固なアセンブリが提供され、スカルペットアレイの改ざんや他の目的のための利用が困難となっている。加えて、シェルは使用中の汚染から駆動機構すなわちギアおよびスカルペットを守り、かつ、トルク要件を低減しギアの寿命を延ばすためにギアに潤滑剤を与えることを(もし必要であれば)可能とする。
本明細書の実施の形態を用いた力の印加の例として、円形のスカルペットで皮膚を切開する能力は、回転トルクの追加により強化される。皮膚を切開するのに用いられる下向きの軸方向の力は、回転力と共に印加された場合、かなり低減される。この強化された能力は、外科医が標準的なスカルペットで皮膚を切開することに似ている。そこでは、外科医は皮膚を横切る方向の動き(運動エネルギ)と圧縮(軸方向の力)の同時印加との組み合わせを用いることで皮膚表面をより効率的に切開する。
皮膚を突き通すために要求される表面圧縮の量は、垂直運動力が同時に用いられた場合、かなり低減される。例えば、注射のためのダーツ投げテクニックは、過去、皮膚刺穿のために医療提供者によって用いられてきた。実施の形態の円形スカルペットによって皮膚に加えられる「インパクタ」作用は、軸方向の圧縮力と軸方向の運動力とを同時に用いることによって、このモダリティの切断能力を強化する。皮膚表面を切開するのに用いられる軸方向の圧縮力は、運動力と共に印加された場合、かなり低減される。
従来の生検パンチは、組織の除去において一回だけ使用されるアプリケーションのためのものである。これは、一般に、その中心軸に沿って組織の中へ直接パンチを押し込むことによって達成される。同様に、実施の形態の部分的切除は円形構成を有するスカルペットを用いる。実施の形態のスカルペットはスタンドアローン構成で用いられうるが、代替的な実施の形態は、スカルペットが種々のサイズのアレイに結集され、皮膚の複数のセクションを除去するよう構成されるスカルペットアレイを含むが、これに限定されない。部分的切除スカルペットを用いて皮膚を突き通すために用いられる力はアレイ内のスカルペットの数の関数であり、この場合、アレイサイズが増大するにつれて、皮膚を突き通すために用いられる力も増大する。
皮膚を突き通すために要求される力が低減されることで、円形スカルペットで皮膚を切開する能力がかなり強化される。そのような低減は、中心軸周りの回転運動および/または中心軸に沿った衝撃力の追加によってもたらされる。図43は、実施の形態のもと、印加された回転力および/または衝撃力を示すスカルペットである。この強化された回転構成は、外科医が標準的なスカルペットで皮膚を切開することに似た効果を有する。そこでは、外科医は皮膚を横切る方向の動き(運動エネルギ)と圧縮(軸方向の力)の同時印加との組み合わせを用いることで皮膚表面をより効率的に切開する。衝撃力は、ステープルガンを用いることに似ているか、または皮膚に当たる前に皮下針を素早く動かすことによるものである。
スカルペット回転の構成における考慮点は、複数のスカルペットを所望の速さで駆動するために用いられるトルクの量である。スカルペットアレイを駆動するために用いられるシステムの物理的なサイズおよび電力は必要なトルクが増大するにつれて増大するからである。スカルペットアレイで必要とされる切開力を低減するために、アレイの列または行またはセグメントはアレイの適用中、個々に駆動されてもよいし、順番に駆動されてもよい。スカルペットを回転させるためのアプローチは、ギア、らせん、スロット、内側らせん、ピン駆動、および摩擦(弾性)を含むがこれらに限定されない。
回転および軸方向切開の組み合わせを用いる部分的切除用に構成されたスカルペットアレイは、回転用のひとつ以上のデバイス構成を用いる。例えば、デバイスのスカルペットアレイは、ギア回転または振動機構、外側らせん回転または振動機構、内側らせん回転または振動機構、スロット回転または振動機構、およびピン駆動回転または振動機構のうちのひとつ以上を用いて回転するよう構成されるが、これに限られない。種々の実施の形態で用いられる回転機構のそれぞれは本明細書で詳述される。
図44は、実施の形態のもと、ギアスカルペットおよびギアスカルペットを含むアレイを示す。図45は、実施の形態のもと、ギアスカルペットアレイを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイスの下方斜視図である。デバイスは、スカルペット回転のための回転トルクの印加のためのギアスカルペットアレイを含むよう構成されたハウジング(詳細の明確化のため、透明な物として描かれている)を備える。図46は、実施の形態のもと、ギアスカルペットアレイを伴うスカルペットアセンブリ(ハウジングは不図示)の下方斜視図である。図47は、実施の形態のもと、ギアスカルペットアレイの詳細図である。
ギアスカルペットアレイは、アレイが用いられる切除手法に適切な程度の数のスカルペットを含み、ギアは各スカルペットに接続されている。例えば、ギアはスカルペット上またはスカルペットの周囲に嵌められるが、実施の形態はこれに限られない。ギアスカルペットは、各スカルペットが隣のスカルペットと共に回転するように、ユニットまたはアレイとして構成される。例えば、嵌められると、ギアスカルペットはアライメントプレートに一緒に装着され、この場合、各スカルペットは隣の四つのスカルペットに係合してそれらと共に回転し、したがって正確な並びで維持される。ギアスカルペットアレイは、遠位端にギアを備える少なくともひとつの回転外側シャフトによって駆動されるが、これに限られない。回転シャフトは軸方向の力を提供するか伝えるよう構成され、これは切開中にアレイのスカルペットを皮膚に押しつける。
あるいはまた、軸方向の力はスカルペットを維持するプレートに印加されてもよい。
代替的な実施の形態では、摩擦駆動を用いて、アレイのスカルペットを駆動するか回転させてもよい。図48は、実施の形態のもと、摩擦駆動構成のスカルペットを含むアレイを示す。摩擦駆動構成は各スカルペット周りの弾性リングを含み、これはギアの実施の形態におけるギア配置と似ており、互いに押し合っている隣り合うスカルペットのリングの間の摩擦力が、ギアアレイと同様のスカルペットの回転を生じさせる。
切除デバイスはらせん状スカルペットアレイを含み、それは外側および内側らせん状スカルペットアレイを含むがそれらに限定されない。図49は、実施の形態のもと、らせん状スカルペット(外向き)およびらせん状スカルペット(外向き)を含むアレイを示す。図50は、実施の形態のもと、らせん状スカルペットアレイを含むスカルペットアセンブリの側方斜視図(左)と、らせん状スカルペットアレイを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイスの側方斜視図(右)(ハウジング図示)と、を示す。図51は、実施の形態のもと、らせん状スカルペットアレイアセンブリを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイス(詳細の明確化のためハウジングは透明なものとして描かれている)の側面図である。図52は、実施の形態のもと、らせん状スカルペットアレイアセンブリを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイス(詳細の明確化のためハウジングは透明なものとして描かれている)の下方斜視図である。図53は、実施の形態のもと、らせん状スカルペットアレイアセンブリを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイス(詳細の明確化のためハウジングは透明なものとして描かれている)の上方斜視図である。
らせん状スカルペット構成はスカルペットの端部領域に嵌まるよう構成されたスリーブを備え、スリーブの外側領域はひとつ以上のらせん状ねじを含む。各スカルペットがスリーブに嵌まると、スリーブ付きスカルペットは、各スカルペットが隣のスカルペットと共に回転するように、ユニットまたはアレイとして構成される。
あるいはまた、らせん状ねじは各スカルペット上に形成されるか、各スカルペットのコンポーネントとして形成されてもよい。
らせん状スカルペットアレイはプッシュプレートによって駆動されるよう構成される。プッシュプレートはスカルペットアレイの中心軸のある範囲に沿って上下に振動する。図54は、実施の形態のもと、らせん状スカルペットアレイのプッシュプレートである。プッシュプレートは、アレイ中の多数のスカルペットに対応する多数のアライメント孔を含む。各アライメント孔は、スカルペットスリーブ上のらせん状(外側)ねじに係合するよう構成されたノッチを含む。プッシュプレートが駆動されると、それはアレイ中の各スカルペットの回転を引き起こす。図55は、実施の形態のもと、プッシュプレートを伴うらせん状スカルペットアレイを示す。
切除デバイスはさらに内側らせん状スカルペットアレイを備える。デバイスは、スカルペット回転のための回転トルクの印加のためのらせん状スカルペットアレイアセンブリを含むよう構成されたハウジングを備える。図56は、実施の形態のもと、内側らせん状スカルペットおよび内側らせん状スカルペットを含むアレイを示す。内側らせん状スカルペットは、スカルペットの開放端の中に嵌まるねじれ角ロッド(例えば、中実、中空等)またはインサートを含む。あるいはまた、スカルペットはらせん状領域を含むよう構成される。ねじれインサートは、インサートの周りにスカルペットの一部分を接着する(例えば、クリンプする、接着する、蝋付けする、溶接する、接着剤で付ける、等)ことによって、その場に保持される。あるいはまた、インサートは接着剤でその場に保持される。内側らせん状スカルペットは、各スカルペットが隣のスカルペットと共に回転するよう構成されるように、ユニットまたはアレイとして構成される。らせん状スカルペットアレイは駆動プレートによって駆動されるよう構成される。駆動プレートはスカルペットアレイの各スカルペットのらせん状領域に沿って上下に動くまたは振動する。駆動プレートは、アレイ中の多数のスカルペットに対応する多数の正方形アライメント孔を含む。駆動プレートが上下に駆動されると、それはアレイ中の各スカルペットの回転を引き起こす。図57は、実施の形態のもと、駆動プレートを伴うらせん状スカルペットアレイを示す。
図58は、実施の形態のもと、スロットスカルペットおよびスロットスカルペットを含むアレイを示す。スロットスカルペット構成はスカルペットの端部領域に嵌まるよう構成されたスリーブを備え、スリーブはひとつ以上のスパイラルスロットを含む。
あるいはまた、各スカルペットはスリーブを用いることなくスパイラルスロットを含む。スリーブ付きスカルペットは、各スカルペットのスロットの上側領域が互いに隣同士で揃えられるようにユニットまたはアレイとして構成される。外側駆動ロッドはスロットの上部と揃えられ、かつその上部に沿って水平方向に嵌められる。駆動ロッドが下向きに駆動されると、結果はスカルペットアレイの回転である。図59は、実施の形態のもと、駆動ロッドを伴うスロットスカルペットアレイ(例えば、四つ(4)のスカルペット)の一部を示す。図60は、実施の形態のもと、駆動ロッドを伴う例示的なスロットスカルペットアレイ(例えば、25のスカルペット)を示す。
図61は、実施の形態のもと、スカルペットを伴う振動ピン駆動アセンブリを示す。アセンブリは、スカルペットに接続または結合され、スカルペットを維持するよう構成された下側プレートおよび中間プレートを含む。上側プレートまたは駆動プレートは、スカルペットおよび中間プレートの上方のエリアに配置され、駆動スロットまたはスロットを含む。ピンはスカルペットの上部に接続または結合され、ピンの上部はスカルペットの上を越えて延びる。スロットはピンを受け、ピンが遊嵌するよう構成される。上側プレートの回転または振動によってスカルペットがスロット内のピンの軌跡を介して回転または振動するように、スロットはピンに対して配置されている。
スカルペットデバイスのひとつ以上のコンポーネントは、スカルペットアレイのターゲットサイトにおける展開中のスカルペット露出の量(例えば、深さ)を制御するよう構成された調整を含む。例えば、実施の形態の調整は、スカルペットアレイのスカルペットの展開の長さをまとめて制御するよう構成される。代替的な実施の形態の調整は、スカルペットアレイのスカルペットの集合または一部の展開の長さをまとめて制御するよう構成される。別の例示的な実施の形態では、調整は、スカルペットアレイのスカルペットの集合の個別のスカルペットのそれぞれの展開の長さを個別に制御するよう構成される。スカルペットの深さ制御は、スカルペットの深さの調整可能制御用に構成される数多くのメカニズムを含む。
実施の形態の深さ制御は、各スカルペットに設けられた調整可能カラーまたはスリーブを含む。カラーはスカルペットの長さ方向に沿って動く(例えば、摺動可能等)よう構成され、また、カラーの位置により制御される深さを超えてのスカルペットのターゲット組織への侵入を防ぐよう構成される。手術で使用される前に、スカルペットデバイスのユーザによってカラーの位置が調整され、その調整は、手動調整、自動調整、電子的調整、空気圧調整およびソフトウエア制御の元での調整のうちのひとつ以上を含む。
代替的な実施の形態の深さ制御は、スカルペットアレイのスカルペットの長さ方向に沿って動くよう構成された調整可能プレートを含む。プレートは、プレートの位置により制御される深さを超えてのスカルペットアレイのターゲット組織への侵入を防ぐよう構成される。このようにすることで、スカルペットアレイは、プレートから突き出ているスカルペットの長さと同等の深さだけ、ターゲット組織の中へと展開される。手術で使用される前に、スカルペットデバイスのユーザによってプレートの位置が調整され、その調整は、手動調整、自動調整、電子的調整、空気圧調整およびソフトウエア制御の元での調整のうちのひとつ以上を含む。
プレートを用いた深さ制御調整の一例として、可変長スカルペット露出はスカルペットアセンブリのスカルペットガイドプレートの調整を通じて制御されるが、これに限られない。図62は、実施の形態のもと、スカルペットガイドプレートでの、可変スカルペット露出制御を示す。代替的な実施の形態は、スカルペットアレイハンドピース内からのスカルペット露出を制御する、および/またはソフトウエアやハードウエアや機械的制御のうちのひとつ以上のもとでスカルペット露出を制御する。
実施の形態は、デバイスオペレータからの押圧力によって手動で軸方向の力および回転力が印加される機械的スカルペットアレイを含む。図63は、実施の形態のもと、オペレータにより手動で駆動されるよう構成されたスカルペットアレイ(例えば、らせん状)を含むスカルペットアセンブリを示す。
実施の形態は、軸方向の力との組み合わせで皮膚を切開するために適した回転(例えば、RPM)および回転トルクを提供するよう構成された回転ソースを含むか、および/またはそれと接続または結合される。スカルペットの適した回転は、回転速度および増大する切断効率と、増大する摩擦損失と、の間の最良のバランスにしたがい設定される。各スカルペットアレイ構成についての適した回転は、アレイのサイズ(スカルペットの数)、スカルペット切断面幾何形状、スカルペットおよびアライメントプレートの材質選択、ギア材質および潤滑剤の使用、および皮膚の機械的性質などのうちのひとつ以上に基づく。
本明細書で説明されるスカルペットおよびスカルペットアレイの構成において考慮されるべき力に関して、図64は、皮膚への印加を介してスカルペットに及ぼされる力を示す。実施の形態のもとで印加されうる力を決定する際に考慮されるパラメータは以下を含む。
平均スカルペット半径:r
スカルペット回転数:ω
スカルペット軸方向力:Fn(スカルペットは皮膚に垂直に適用される)
皮膚摩擦係数:μ
摩擦力:Ff
スカルペットトルク:τ
モータ電力:Php
最初の印加の際、スカルペットを回転させるのに用いられるトルクは、軸方向の力(皮膚の表面に対して垂直に印加される)と、スカルペットと皮膚との間の摩擦の係数と、の関数である。この摩擦力は、最初、スカルペットの切断面に作用する。スカルペットの皮膚への最初の印加において:
Ff=μ・Fn
τ=Ff・r
Php=τ・ω/63025
スカルペットが皮膚を貫通するための最初の力は、スカルペットの鋭さと、軸方向の力と、皮膚の張力と、皮膚とスカルペットとの間の摩擦の係数と、の関数である。スカルペットが皮膚の中へ刺さった後、スカルペットの側壁に作用する追加的な摩擦力があるので、摩擦力は増大する。
実施の形態の切除デバイスは、運動衝撃切開デバイスおよび皮膚の非回転突き通しのための方法を含む。スカルペットを皮膚の中へ直接押し入れるためのアプローチは、軸方向の力による押圧、単一の軸方向の力の押圧プラス運動衝撃力、およびスカルペットを高速で動かして皮膚に衝突させ、皮膚を突き通すこと、を含むがそれらに限定されない。図65は、実施の形態のもと、スカルペットを用いた定常的な軸方向の力による圧縮を表す。定常的な軸方向の力による押圧は、スカルペットを皮膚に直接接触するよう配置する。配置されると、連続的かつ定常的な軸方向の力がスカルペットに、スカルペットが皮膚を突き通し、真皮を通って皮下脂肪層に達するまで、印加される。
図66は、実施の形態のもと、スカルペットを用いた定常的な単一の軸方向の力による圧縮プラス運動衝撃力を表す。定常的な単一の軸方向の力による押圧プラス運動衝撃力は、スカルペットを皮膚に直接接触するよう配置する。軸方向の力を印加することで接触を維持する。スカルペットの遠位端は他の物体によってたたかれ、それにより中心軸に沿った追加的な運動エネルギが付与される。これらの力によって、スカルペットは皮膚を突き通し、真皮を通って皮下脂肪層に達する。
図67は、実施の形態のもと、スカルペットをある速さで動かして皮膚に当てて突き通すことを表す。スカルペットは、皮膚のターゲットエリアから少し離れたところに配置される。スカルペットに運動力を印加することで、皮膚を突き通すための所望の速度が達成される。運動力によって、スカルペットは皮膚を突き通し、真皮を通って皮下脂肪層に達する。
実施の形態のスカルペットは、スカルペットを含む手法の切開方法に適する様々な切断面やブレード幾何形状を含む。スカルペットブレード幾何形状は、例えば、直線エッジ(例えば、円筒)、斜め、複数針先端(例えば、鋸刃等)、および正弦波状を含むが、それらに限定されない。一例として、図68は、実施の形態のもと、複数針の先端を表す。
スカルペットは、例えば、正方形スカルペットのひとつ以上のタイプを含む。正方形スカルペットは、複数のとがった先端を伴わない正方形スカルペットと、複数のとがった先端または歯を伴う正方形スカルペットと、を含むがそれらに限定されない。図69は、実施の形態のもと、歯のない正方形スカルペット(左)と、複数の歯を伴う正方形スカルペット(右)と、を示す。
実施の形態の部分切除デバイスはスカルペットアレイ上に組み付けられた正方形スカルペットの使用を含み、該スカルペットは複数のとがった先端を有することで、直接的非回転運動衝撃を通じた皮膚突き通しを容易にする。取り入れられた皮膚プラグの正方形の形状は、集められた皮膚プラグの、粘着膜上への辺−辺および頂点−頂点近似を提供する。皮膚プラグのより密な近似は、レシピエントサイトにおける皮膚移植のより一様な外観を提供する。加えて、各取り入れられたコンポーネント皮膚プラグは、追加的な表面積(例えば、20−25パーセント)を有するであろう。
さらに、スカルペットは、楕円形または丸いスカルペットのひとつ以上のタイプを含む。丸いスカルペットは、斜め先端を伴う丸いスカルペットと、複数のとがった先端や歯を伴わない丸いスカルペットと、複数のとがった先端または歯を伴う丸いスカルペットと、を含むがそれらに限定されない。図70は、実施の形態のもと、斜め先端を伴う丸いスカルペットの側面図、前面図(または背面図)および側方斜視図を示す。図71は、実施の形態のもと、鋸歯状のエッジを伴う丸いスカルペットを示す。
実施の形態の切除デバイスはスカルペットに対応する押し出しピンを含むよう構成される。図72は、実施の形態のもと、スカルペットアレイおよび押し出しピンを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイス(詳細の明確化のためハウジングは透明なものとして描かれている)の側面図を示す。図73は、実施の形態のもと、スカルペットアレイおよび押し出しピンを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイス(詳細の明確化のためハウジングは透明なものとして描かれている)の上方斜視断面図を示す。図74は、実施の形態のもと、スカルペットアレイおよび押し出しピンを含むスカルペットアセンブリの側面図および上方斜視図を示す。
実施の形態の押し出しピンは例えば維持されている皮膚プラグを取り除くよう構成される。代替的な実施の形態の押し出しピンはレシピエントサイトの部分的欠損のなかに注入するよう構成される。別の代替的な実施の形態の押し出しピンは、部分的皮膚組織移植のために、皮膚プラグをドッキングステーションのピクセルキャニスタの中へ入れるよう構成される。
本明細書の実施の形態は振動コンポーネントまたはシステムの使用を含み、振動コンポーネントまたはシステムは、回転トルク/軸方向の力で皮膚切開を容易にするためのものであり、また振動を用いることで回転を伴わない直接衝撃で皮膚切開を容易にするためのものである。図75は、実施の形態のもと、振動ソースに接続されたスカルペットアレイアセンブリを伴うスカルペットアセンブリを含む切除デバイスの側面図である。
本明細書の実施の形態は、電気力学的スカルペットアレイジェネレータを含む。図76は、実施の形態のもと、電気力学的ソースまたはスカルペットアレイジェネレータによって駆動されるスカルペットアレイを示す。ジェネレータの機能は電力駆動されるが、電子的に制御されるわけではない。しかしながら、実施の形態はこれに限られない。実施の形態のプラットフォームは制御ソフトウエアを含む。
実施の形態は、スカルペットアレイのスカルペットによって皮膚(または粘膜などの他の組織表面)を切開するのに使用される軸方向の力を低減するよう構成された補助エネルギまたは力を含む、および/またはそれに結合または接続される。補助エネルギおよび力は、回転トルク、回転(RPM)の回転運動エネルギ、振動、超音波、および電磁エネルギ(例えば、RFなど)のうちのひとつ以上を含むが、これらに限定されない。
本明細書の実施の形態は、電磁放射ソースを備えるおよび/またはそれに結合されるスカルペットアレイジェネレータを含む。電磁放射ソースは例えば無線周波数(RF)ソース、レーザソース、および超音波ソースのうちのひとつ以上を含む。電磁放射を提供することで、スカルペットでの切断を補助する。
実施の形態は、「ミシン(sewing machine)」スカルペットとして構成されるスカルペット機構、または、手動制御、電気力学的制御および電子的制御のうちのひとつ以上の下でスカルペットが繰り返し出たり入ったりするスカルペットアレイ、を含む。この実施の形態は、サイトを行ごとに切除するための移動スカルペットまたはスカルペットアレイを含む。例えば、切除はスタンプ的アプローチの形態をとってもよい。該アプローチでは、スカルペットまたはスカルペットアレイが動き、またはアレイが処置対象の表面の上を転がってもよく、所与の進行距離でのスカルペットアレイ切除で所望の切除密度が達成されてもよい。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは部分的切除および移植用に構成される。そこでは、部分的に切開された皮膚プラグの取り入れが、各スカルペットシャフトの内腔のなかへプラグを取り込む真空により行われる。次いで、皮膚プラグは近位ピンアレイによって本明細書で説明される別個のドッキングステーションの中へ挿入される。近位ピンアレイはスカルペットのシャフトの中から皮膚プラグを押し出す。
図77は、実施の形態のもと、真空システムを含む切除デバイスの図である。真空システムは、真空チューブと、デバイスハウジング上/内の真空ポートと、を備え、ハウジングから空気を引くことによりハウジング内に真空を生成するよう構成される。実施の形態の真空はスカルペット切開に対して皮膚の真空ステント/フィクスチャを提供するよう構成され、それにより深さ制御を改善し、切断効率を高めることができる。
代替的な実施の形態の真空は、スカルペット内腔およびアレイマニホールドハウジングのうちのひとつ以上を通じた皮膚プラグおよび/または毛髪プラグの真空取り込みまたは取り入れ用に構成される。図78は、実施の形態のもと、切り取られた皮膚/毛髪プラグを取り出す/取り入れるためにターゲット皮膚表面に適用される真空マニホールドを示す。真空マニホールドは皮膚表面へ直接適用するよう構成され、真空ソースに結合または接続される。図79は、実施の形態のもと、切り取られた皮膚/毛髪プラグを取り出す/取り入れるためにターゲット皮膚表面に適用される、一体化ワイヤメッシュを伴う真空マニホールドを示す。
追加的に、外部的真空マニホールドを吸引アシスト脂肪吸引機器と共に用いることで、セリュライトの処置のために部分生成されたフィールドにおける部分的に切除された皮膚欠損を通じて、表面の皮下脂肪を経皮的に取り除くことができる。図80は、実施の形態のもと、皮下脂肪を真空除去するよう構成された、一体化ワイヤメッシュを伴う真空マニホールドを示す。
外部的真空マニホールドは、移植のために皮膚プラグを取り入れる一体化ドッキングステーション(本明細書で説明される)を含み、またそれと共に配置されるよう構成されてもよい。ドッキングステーションは、静的、伸張可能、および/または収縮可能のうちのひとつ以上であってもよい。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、部分的に取り入れられた皮膚プラグを集めて皮膚移植のためのより一様な皮膚シートにするためのプラットフォームとして構成される別個のドッキングステーションを備える。ドッキングステーションは多孔グリッドマトリクスを含み、該マトリクスはスカルペットアレイのスカルペットと同じパターンおよび密度の多孔を備える。各孔の下に位置する保持キャニスタは、取り入れられた皮膚プラグの並びを保持、維持するよう構成される。ある実施の形態では、表皮表面は孔のレベルにおいて上向きである。代替的な実施の形態では、ドッキングステーションは部分的に収縮可能であり、それにより粘着膜上に捕らえられる前に、ドックされた皮膚プラグをより密にすることができる。粘着膜上に捕らえられた部分的皮膚移植組織は次いで一体化または非一体の横切ブレードで脱脂される。別の代替的な実施の形態では、粘着膜自身が弾性反跳特性を有し、それにより捕獲皮膚プラグが密な配列にされるか配置される。実施の形態によらず、部分的皮膚移植組織/粘着膜の収縮混成体はレシピエントサイトの欠損へ直接適用される。
実施の形態は収縮可能ドッキングステーションまたはトレイを含み、それは、取り入れられた皮膚および/または毛髪プラグが押し出しピンを介してスカルペットから除去または排出されると、そのプラグを受け入れてそのプラグの配列を維持するよう構成される。図81は、実施の形態のもと、収縮可能ドッキングステーションおよび挿入される皮膚ピクセルを表す。ドッキングステーションは弾性材から形成されるが、これに限られない。ドッキングステーションは第1形状から、ピクセルレセプタクルをハンドピース上のスカルペットアレイに揃える第2形状へと伸びるよう構成される。図82は、実施の形態のもと、実施の形態のもと、(例えば、弾性的な)ドッキングステーションの伸張構成(左)および非伸張構成(右)の上面図である。
ピクセルはスカルペットアレイから排出されてドッキングステーションの中へ入り、これはドッキングステーションが満杯になるまで続き、次いでドッキングステーションはその伸張前の形状へと弛緩され、これによりピクセルを互いにより近づけることができる。一方の側に接着剤を伴うフレキシブル準浸透性膜が伸ばされ、ドッキングステーションの上に置かれる(粘着側が下向き)。ピクセルが膜に付くと、それはドッキングステーションから持ち上げられる。膜はその通常の非伸張状態に戻り、それによりピクセルを互いにさらに近づけるよう引っ張る効果が奏される。次いで膜はレシピエント欠損の上に置かれる。
本明細書で説明される切除デバイスは、本明細書で説明される切除デバイスにより生成された切除欠損を通じた医薬の投与を含む。この場合、切除サイトは、切除手術中またはその後における脂肪細胞の低減(脂肪分解)用の医薬の投与または適用のための局所適用注入サイトとして用いられるよう構成される。
本明細書の実施の形態は毛髪移植用に構成されてもよく、その毛髪移植は、ドナーサイトにおいて毛髪プラグをスカルペットの中へ真空で取り入れ、取り入れられた毛髪プラグを部分的に切除されたレシピエントサイトの欠損の中へ直接大量注入する(別個の収集リザーバを伴わない)ことを含む。この実施の形態のもと、後頭部頭皮に配置されるドナースカルペットアレイは、レシピエントサイトで欠損を生成するために配置されるスカルペットアレイの構成要素であるスカルペットよりも比較的大きな直径を有するスカルペットを備える。ドナーサイトでの毛髪プラグの取り入れの後、レシピエントサイトで生成された欠損はスカルペットアレイにおいて移送された取り入れられた毛髪プラグを用いてプラグされる。
切開された真皮の弾性的な収縮のため、後頭部頭皮で取り入れられた毛髪プラグの弾性的に収縮した直径は、頭頂−前頭−後頭部頭皮でのレシピエントサイトの部分的に切除された欠損の弾性的に収縮した直径と同様となろう。ある実施の形態では、ドナースカルペットアレイ内に取り入れられた毛髪プラグは、スカルペットの内腔内の近位ピンで直接押し出され、レシピエントサイトスカルペットアレイによって生成される部分的な欠損のパターンと同じパターンとなってもよい。ドナーサイトに配置されたスカルペットアレイのスカルペット(ドナー毛髪プラグを含む)は、レシピエント頭皮サイトでの欠損の部分的に切除されたフィールドのパターンと同じパターンに揃え(例えば視覚的に)られる。揃えられると、各スカルペットのシャフト内の近位ピンがスカルペットのシャフトに沿って下方に進み、毛髪プラグをレシピエントサイトの部分的に切除された欠損の中へ押し出す。これにより、レシピエントサイトへの複数の毛髪プラグの同時移植が実現される。毛髪プラグを部分的に切除されたレシピエントサイト(例えば、禿げた頭皮の)へ大量移植するこの方法は、そのレシピエント頭皮サイトの他の大量移植された毛髪プラグとの毛髪シャフトアライメントを維持する蓋然性がより高い。ドナーサイトフィールドの方向性閉塞は、最も医療的に効果的なベクトルで行われるが、これに限られない。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、タトゥーの除去用に構成される。多くの患者は、後の人生において、様々な理由から色素タトゥーの除去を望む。一般に、タトゥーの除去は、真皮内にしみこんだ色素の除去を含む。従来のタトゥー除去アプローチは、色素の熱的除去から直接的手術切除にいたるまで、説明されている。レーザによる熱的除去は多くの場合、色素脱失や表面瘢痕を引き起こす。タトゥーの手術的切除は、手術により避けられない線形瘢痕を要求する。多くの患者にとって、タトゥーの除去とその手術の後遺症との間のトレードオフはぎりぎりなものでありうる。
タトゥーを除去するために部分的な切除を用いると、真皮色素のかなりの部分を部分的除去しつつ可視的な瘢痕を最小に抑えることが可能となる。部分的切除がタトゥーの境界を超えて延びることにより、切除が非切除皮膚および非タトゥー皮膚と混ざり合う。最も顕著には、残留色素の全てが除去されることはないまたはありえないにもかかわらず、タトゥーのパターンのぼけが生じる。ある実施の形態では、スカルペットアレイを用いて最初の部分的切除が行われ、残りの真皮色素のための単一のスカルペット切除により後続の部分的切除が行われる。本明細書で説明される他のアプリケーションと同様に、方向性閉塞は、最も医療的に効果的なベクトルで行われる。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、セリュライトの処置用に構成される。この美観的歪みは、その病理的作用機序が多因性であることから、数十年もの間効果的な治療に対して抵抗してきた。セリュライトは、加齢または体重減少による皮膚弛緩と、表層脂肪小胞形成の成長および亢進と、の組み合わせである。皮膚の醜い玉石状の外観は、臀部および左右の大腿部によく見られる。効果的な治療は、歪みの各寄与因子を解決すべきである。
本明細書に記載の部分的切除デバイスは、処置された皮膚を引き締め、同時に玉石状表面形態に寄与している突き出た脂肪小胞を低減するための、皮膚の部分的切除用に構成される。皮膚引き締めのために生成された部分的に切除された同じ欠損を通じて、局所適用される真空を用いることで経皮的に表層脂肪小胞を吸引する。ある実施の形態では、クリアなマニホールド吸引カニューレを部分的に切除された皮膚表面に直接適用する。吸引アシスト脂肪吸引(SAL)ユニットで用いられる適切な真空圧力は、適切な量の皮下脂肪が吸引切除されることを視覚的に測ることによって決定される。マニホールド適用の適切な期間もまた、手術において監視される因子である。部分的皮膚引き締めと組み合わせられるとき、より滑らかな表面形態を提供するために、比較的少量のみの脂肪が吸引切除される。本明細書に記載の他のアプリケーションと同様に、部分的に切除されたフィールドは方向性閉塞で閉じられる。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、腹部線条および瘢痕の修正用に構成される。目に見える瘢痕は、隣接する通常の皮膚からの瘢痕の明確な区別を要求する歪みである。瘢痕の区別は、テクスチャの変化、色素の変化および軌跡の変化により生成される。瘢痕をより目に見えないものとするために、瘢痕のこれらの三つのコンポーネントを瘢痕修正において解決しなければならず、それにより視覚的インパクトをかなり低減することができる。関節に亘る拘縮と称されるひどい瘢痕は、可動範囲を制限しうる。大抵、瘢痕修正は手術的に行われ、そこでは瘢痕が楕円状に切り取られ、非瘢痕皮膚の切除マージンの慎重な接合によって慎重に閉じられる。しかしながら、手術的な修正は現在の手術的瘢痕を再導入し、既存の瘢痕をその現在の手術的瘢痕で置き換える。現在の手術的瘢痕は顕現する可能性があるか、またはZまたはW形成術によって部分的にのみぼかされうる。
瘢痕は診断上、肥厚性タイプと生育不全性タイプとに分けられる。肥厚性瘢痕は多くの場合、盛り上がった輪郭および不規則なテクスチャを有し、より深く色素が入っている。対して、生育不全性瘢痕は隣の通常の非瘢痕皮膚のレベルの下へ凹んだ輪郭を有する。加えて、色は青白く(脱色)テクスチャは通常の隣の皮膚より滑らかである。組織学的には、肥厚性瘢痕は超活性メラノサイトを伴う豊富な不規則真皮瘢痕コラーゲンを有する。生育不全性瘢痕は真皮コラーゲンをほとんど有さず、またメラノサイト活性もほとんどないかまったくない。
本明細書に記載の部分的切除デバイスは瘢痕の部分的瘢痕修正用に構成され、追加的な手術性瘢痕を再導入せず、むしろ歪みの視覚的インパクトをかなりぼかす。手術により生じる線形瘢痕の代わりに、瘢痕の部分的切除は、色素コンポーネント、テクスチャコンポーネントおよび輪郭コンポーネントを全体として低減させる。部分的修正は瘢痕の線の方向に沿って行われ、また瘢痕の境界を超えて通常皮膚へと延びる。瘢痕の部分的修正は、通常の非瘢痕皮膚と残留瘢痕とのマイクロインターレースを伴う、瘢痕組織の直接部分的切除を含む。基本的に、瘢痕の全長に沿ってマイクロW形成術が行われる。他のアプリケーションと同様に、部分的に切除されたフィールドは方向性閉塞で閉じられる。部分的修正の使用の一例は、生育不全性産後腹部線条の修正を含む。線条の凹んだ瘢痕上皮および真皮と隣の通常の皮膚とのマイクロインターレースは、この歪みの凹んだ、線形のかつ脱色した外観をかなり低減する。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、産後弛緩および脱出症のための膣部修復用に構成される。満期胎児の経膣お産は、膣口および膣路のかなりの伸張を部分的に含む。お産中、陰唇、膣口および膣円蓋の断面的膨張と共に膣路の縦方向の伸張が生じる。多くの患者について、お産の外傷は、縦方向および断面方向に沿った膣路の恒久的な伸張を生じさせる。脱出症に対する膣部修復は、典型的には、補綴メッシュの挿入を伴う膣部粘膜の前後切除として行われる。ひどい脱出症を有する患者については、この手術が必要であり、また前後の膣壁の追加的なサポートが必要となろう。しかしながら、産後膣部弛緩を有する多くの患者は、より侵襲的でない手術の候補となり得る。
本明細書に記載の部分的切除デバイスは、膣部粘膜を周方向に部分的切除し、陰唇および膣口において膨張した膣路を狭めるよう構成される。膣路が伸張している場合、部分的切除のパターンが縦方向において行われてもよい。部分的フィールドの方向性閉塞は真空タンポンで補助されてもよい。真空タンポンは部分的に切除された膣路を産前の状態へと形成するステントとして作用する。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、いびきおよび睡眠時無呼吸症の治療用に構成される。いびきについていくつかの健康上の問題があるが、一緒に寝るパートナーとの関係に及ぼされるうるさい音声的影響が重大でありうる。大抵、いびきは、呼気および吸気をしている間の、口腔、咽頭腔および鼻腔内における口腔内および咽頭柔組織構造の発音的振動に起因する。より具体的には、軟口蓋、鼻甲介、咽頭側壁および舌の基部の振動が、いびきの原因となる解剖学的キー構成である。多くの手術および医療デバイスについて、状況の改善の成功は限定的であった。軟口蓋の手術的減縮は、多くの場合、切開サイトの細菌汚染に起因する長いかつ痛みを伴う治癒に悩まされる。
本明細書に記載の部分的切除デバイスは、口腔内および咽頭柔組織構造の加齢関連粘膜冗長(および弛緩)を低減するために、中咽頭粘膜を部分的に切除するよう構成され、部分的に切除されたサイトの長期細菌汚染で悩まされることもない。これらの構造のサイズおよび弛緩の低減は、空気の通過により引き起こされる振動を低減する。(部分的切除フィールドに局所麻酔を塗布するために)多孔である口腔内デンタルリテーナ(これは、歯に係止され、軟口蓋の後面の周りにまかれている)を用いて、軟口蓋の前後方向の方向性閉塞を提供する。睡眠時無呼吸症候群と称されるより重篤な状態は、睡眠中の上気道閉塞により引き起こされる低酸素症に起因して重大な健康上の問題を有する。
CPAPが睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療となってきたが、舌の基部および咽頭側壁の選択的部分的切除は睡眠関連上気道閉塞をかなり低減する。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、本明細書で「Culturespansion」と称される部分的な皮膚の培養/伸張用に構成される。器官的に皮膚を成長させる能力は、火傷や外傷などの大きな皮膚欠損およびポートワイン母斑や大きな「海水着型」母斑などの大きな先天性皮膚奇形を有する患者にとって、大きな達成であろう。従来の能力は、取り入れられた皮膚の生存度を延ばすことができたことに留まっているが、ある報告は、器官型皮膚培養標本により傷の治癒が発生したことを示した。より良い基板、より良い培養媒体、および代謝副産物のより効果的な濾過により培養の結果が向上することが報告された。成長ホルモンおよび傷治癒刺激についての遺伝子発現プロテイノミクスの使用も期待が持てる。しかしながら、今日まで、器官的に皮膚が成長したという報告はない。
実施の形態に係る皮膚移植のための自家ドナー皮膚の部分的取り入れは、これまで存在しなかった、皮膚の器官的培養の機会を提供する。本明細書に記載の実施の形態により提供されるような、部分的に取り入れられた皮膚移植組織の収縮可能ドッキングステーションへの配置は、皮膚プラグが、互いに並置接触するようになることを可能とする。プライマリ傷治癒プロセスの誘起は、既知のまたはすぐに開発されるであろう器官的培養方法によって、部分的皮膚移植組織をシートへ変換することができる。さらに、機械的皮膚伸張を用いることで、器官的に保存/育成された皮膚の表面積をかなり増やすことができる。生体外基板デバイス繰り返しは、非限定的に、部分的に取り入れられた皮膚プラグを含む伸張可能ドッキングステーションと、器官的に培養された皮膚の厚さ全体に亘って漸進的かつ連続的な伸張を提供するよう制御可能な別個の基板(例えば曲がった、平らな、等)エキスパンダと、を含む。加えて、器官的皮膚伸張を用いることで、器官的育成について連続的なかつ相乗的な傷治癒刺激を提供することができる。漸進的かつ連続的伸張が真皮から表皮を剥離させる(基礎膜)蓋然性は低い。加えて、器官的皮膚伸張は、手術のリスクおよび生体内皮膚伸張に伴う痛みを避けるのを助ける。
本明細書で説明される部分的切除デバイスは、皮膚の器官的伸張のための方法を可能とする。方法は、患者のドナーサイトからの皮膚の自家部分的取り入れを含む。例えば、正方形スカルペットアレイを用いることで、移送時に、部分的に取り入れられた皮膚プラグの辺間および頂点間の接合が提供される。方法は、部分的皮膚プラグの収縮可能ドッキングステーションへの移送を含み、該ステーションは皮膚プラグの配列を維持し、皮膚プラグの並置を提供する。ドックされた皮膚プラグは多孔性粘着膜に捕らえられ、該膜は配列および並置を維持する。粘着膜の準弾性反跳特性は、皮膚プラグの追加的な接触および並置を提供する。方法は、粘着膜/部分的移植組織の混成体の培養ベイへの移送を含む。該ベイは基板と培養媒体を含み、培養媒体は生存度を維持し、器官的傷治癒および育成を推進する。皮膚プラグマージンの治癒の後、基板全体を機械的エキスパンダ基板を有する培養バスの中に置く。器官的伸張が漸進的かつ連続的態様で始まる。伸張された全厚さ皮膚が、患者のレシピエントサイトの欠損へ自家移植される。
器官的皮膚伸張を非部分的皮膚移植組織に対して行うことができ、より一般的には器官的伸張として、任意の他の組織構造に対して行うことができる。器官的培養について傷治癒応答を引き起こすための機械的刺激の使用は、効果的な付加物でありうる。
本明細書に記載される実施の形態は、本明細書で詳述されるデバイスおよび方法、ならびに本明細書に参照により組み入れられる関連出願に詳述されるデバイスおよび方法のうちのひとつ以上と共に、および/またはそれらのコンポーネントとして、使用される。加えて、本明細書に記載される実施の形態は、皮膚および脂肪の部分的切除に関するデバイスおよび方法で使用可能である。
実施の形態は、従来の整形外科術に対して相当な利点を伴う新規な最低侵襲的手術法を含む。切開瘢痕の視認性と得られる改善の量との間のトレードオフが小さいために従来の整形外科手術の限界を超える解剖学的エリアにおいて、皮膚の部分的切除を新たなスタンドアローン術として適用する。また、脂肪吸引法などの確立された整形外科術に対する付加物として皮膚の部分的切除を適用し、部分的切除を用いることで、特定のアプリケーションについて要求される切開長さをかなり低減する。切開の短小化は、整形外科の審美的側面および再構成的側面の両方において応用性を有する。限定ではなく、本明細書において、部分的切除の手順的発展および装置の発展の両方が詳述される。
本明細書に記載される実施の形態は、従来の皮膚のリニア切除の代わりに、瘢痕を残すことなく、皮膚の複数の小セクションを取り除くよう構成される。皮膚の複数の小セクションの除去は、よく見える瘢痕を伴わない弛緩余剰皮膚の除去を含む。一例として、図83は、実施の形態のもと、明らかな瘢痕を伴わずに弛緩余剰皮膚を取り除くことを示す。皮膚の複数の小セクションの除去はまた、明らかな瘢痕を伴わない皮膚の引き締めを含む。例えば、図84は、実施の形態のもと、明らかな瘢痕を伴わずに皮膚を引き締めることを示す。皮膚の複数の小セクションの除去はさらに部分的皮膚引き締めを含み、そこでは、臨床エンドポイントは皮膚エンベロープの三次元輪郭付けを生じさせる。図85は、実施の形態のもと、皮膚エンベロープの三次元輪郭付けを示す。
手術操作の臨床的有効性は、臨床エンドポイントへと信頼性高く導く、基礎となっているプロセスの完全な理解を必要とする。部分的皮膚引き締めおよび輪郭付けについて、多くの動作メカニズムが本明細書で説明される。特定される主要な動作メカニズムは、二次元的部分皮膚引き締めの、三次元的審美的輪郭付けへの変換である(例えば、図3を参照)。互いに協働する二次的動作メカニズムはその原理的臨床エンドポイントに寄与する。本明細書において、臨床エンドポイントを達成する能力にしたがい、寄与的動作メカニズムを説明するが、それに限られない。
輪郭付けされた部分的フィールド内の部分的切除の密度は、三次元輪郭付けに寄与する二次元皮膚引き締めの主な決定要素である。一般に、密度は、部分的フィールド内の部分的に切除された皮膚の割合であるが、それに限られない。図86は、実施の形態のもと、処置エリアにおける可変の部分的切除密度を示す。部分的切除の密度(「部分密度」)を変えることで、非部分的切除エリアへのより滑らかな遷移を提供しつつ、より選択的な皮膚引き締めおよび輪郭付けを提供することができる。したがって、例えば、非部分的切除エリアへの遷移は部分密度の低減を含むが、それに限られない。
部分的皮膚切除に関連付けられた他の作用機序は脂肪の部分的切除である。図87は、実施の形態のもと、脂肪の部分的切除を示す。皮膚の直下には真皮下脂肪層と皮下脂肪層とがあり、切除される皮膚プラグと解剖学的に連続して、可変量の脂肪(深さおよび/または量に基づいて)を部分的に切除することができる。ある実施の形態では、ターゲットサイトにおける切除の深さおよび切除される脂肪の量のうちのひとつ以上を制御することによって、部分的に切除される脂肪の可変量、したがって皮膚引き締めおよび輪郭付けの量を制御する。したがって、部分密度、切除深さおよび切除される脂肪の量のうちのひとつ以上を制御することにより部分的切除の密度(「部分密度」)を変えることで、非部分的切除エリアへのより滑らかな遷移を提供しつつ、より選択的な皮膚引き締めおよび輪郭付けを提供することができる。したがって、例えば、非部分的切除エリアへの遷移は、部分密度、切除深さおよび切除される脂肪の量の組み合わせの低減を含むが、それに限られない。
部分的脂肪切除の追加的モダリティは、皮膚の部分欠損を直接通じた脂肪の経皮的真空切除(PVR)である。本明細書の実施の形態において、部分的脂肪切除の数多くの臨床アプリケーションが想定されている。部分的脂肪切除の最も重要な審美的アプリケーションは、セリュライトの低減である。部分的皮膚切除と部分的脂肪切除の合成連続アプリケーションは、この審美的異形の基礎となっている病理を直接的に解決する。皮膚形態の視認できる表面玉石化を引き起こす皮膚弛緩および突き出た脂肪小胞はそれぞれ、この最低侵襲的切除能力の適用で解決される。図88は、皮膚表面の玉石化を示す。
さらに、他の一般的なアプリケーションは、部分的皮膚引き締めと、部分的脂肪切除からの内向き輪郭付けとの合成連続アプローチにより、三次元輪郭異常を変えることができる能力を含む。部分的フィールドの手術前トポグラフィカル輪郭マッピングは、より予測可能な臨床成績を提供することの役に立つ。特に、二次元部分的皮膚切除のトポグラフィカルマッピングは脂肪切除の可変マーキングと組み合わせられる。図89は、実施の形態のもと、部分的脂肪切除のより深いレベルのトポグラフィックマッピングを示す。マッピングはまた、非切除エリアへのフェザリングまたは遷移ゾーンを含み、そこでは部分密度が低減される。患者の手術前トポグラフィカルマーキングに依存して、脂肪の可変量が部分的皮膚切除と連続して部分的に切除される。
凸状輪郭を有する修正対象エリアはより深い部分的脂肪切除が行われる。修正対象の凹状(または凹んだ)エリアは部分的皮膚切除を用いて修正される。マップされた部分的フィールド内のトータルの結果は、皮膚の二次元引き締めでの三次元輪郭の全体的平滑化である。
従来の整形外科的切開で要求される長さの低減において、また、医原性切開皮膚余剰(「犬の耳」)の除去において、合成部分的切除の利用は最も効果がある。皮膚障害の標準的切除は楕円切開の追加的な瘢痕を要求しないが、切り取られた障害の閉塞のために要求される線方向寸法においてかなり低減される(図94参照)。
部分的皮膚切除に伴う追加的な動作メカニズムは、部分的切除フィールドの全体的な輪郭パターンのサイズである。部分的に切除される皮膚の総量はまた、部分的に切除されるフィールドのサイズに依存する。フィールドが大きいほど、部分的切除の指定された密度を伴ったより多くの皮膚引き締めが生じる。図90は、実施の形態のもと、複数の処置輪郭を示す。
パターン化輪郭のメカニズムは、各特定患者ごとの各特定解剖学的エリアの選択的曲線的パターニングを含む。描画された(および強化された輪郭のために再描画された)デジタルワイヤメッシュプログラムを含む、患者のデジタル的に取得された画像を伴うトポグラフィカル解析は、選択された解剖学的領域および患者のサイズおよび曲線的輪郭をフォーマットするのに役に立つ。特定の解剖学的領域の標準的な審美的整形外科的切り取りのパターンもまた、部分的切除パターンのフォーマットに役に立つ。図91は、実施の形態のもと、曲線的処置パターンを示す。図92は、実施の形態のもと、描画されたデジタルワイヤメッシュプログラムを伴う患者のデジタルイメージを示す。
実施の形態の部分的切除フィールドの方向性閉塞は、選択的に皮膚を引き締めることで強化された審美的輪郭付けを達成することができる能力を提供する。大抵のアプリケーションについて、閉塞はランゲル皮膚割線に対して直角に生じるが、静止皮膚引っ張り線に基づく閉塞などのように最大の審美的輪郭を達成できる異なる方向でなされてもよい。図93は、実施の形態のもと、部分的切除フィールドの方向性閉塞を示す。方向性閉塞は従来の整形外科術で用いられた既知の閉塞ベクトルに従ってもよい。(例えば、顔面のフェースリフト/フェースリフトの頤下コンポーネントは(部分的フィールドの水平方向閉塞に対応して)上向きであり、頸部下あご角より下の首コンポーネントは(部分的フィールドのより垂直方向の閉塞に対応して)より斜め後ろである。)顔面や首などのより複雑なトポグラフィカル領域においては、方向性閉塞の複数ベクトルを用いてもよい。
実施の形態は、皮膚の方向性部分的切除を含み、これは手術の有効性を強化する。このプロセスは、最大皮膚切除の好適な方向に対して直角に皮膚を前もって伸ばすことによって行われる。図94は、実施の形態のもと、皮膚の方向性部分的切除を示す。
実施の形態は、ターゲット輪郭に隣接する隣接部分的フィールドから生成される機械的引っ張り(またはベクトル)から生じる審美的輪郭付けを含む。部分的フィールドに対するこの影響は、ターゲット輪郭からの距離に向けられた整形外科手術に基づく。さらに、フィールド内における、およびパターン輪郭に沿った、切除密度の可変トポグラフィカル遷移が実現され、これにより、選択的輪郭付け、および非切除エリアへのより滑らかな遷移が提供される。
追加的に、パターン化された輪郭内での(およびアレイ内の異なるスカルペットサイズを伴う)スカルペットサイズ切除の可変トポグラフィカル遷移は、選択的な二次元皮膚引き締めおよび三次元輪郭付けを提供する。
本明細書に記載される実施の形態は、手術直後期間中のプライマリ治癒の促進と、コラーゲン増殖フェーズ中の皮膚の遅れた二次的収縮の促進を伴う、選択的傷治癒シーケンスを生じさせる。皮膚マージンの正確な接合の促進は、皮膚の小さなセグメントの複数の(部分的)切除にとって生来的である。すなわち、皮膚マージンは、閉塞前に、標準的な整形外科切開では普通であるところの皮膚のより大きな線形切開の場合よりも密に整列する。後続の傷収縮の発生もまた、部分的切除フィールドにとって生来的である。そこでは、部分的切除のパターンの伸長が、部分的切除パターンの縦方向に沿った方向性傷治癒応答を提供する。
部分的皮膚切除の臨床方法は、方向性閉塞の方法を含む。解剖学的エリアに依存して、部分的切除フィールド内の切り取りによる皮膚欠損の方向性閉塞は、ランゲル皮膚割線に沿って、静止皮膚線に沿って、および/または最大の審美的輪郭付けを達成する方向で、達成される。閉塞が最も容易に達成される方向を、方向性閉塞の最も有効なベクトルのための指標として用いてもよい。多くのアプリケーションについて、ランゲル皮膚割線の利用は、最大の審美的引き締めを提供するための指標として用いられる。ランゲル博士の原著作に従い、部分的に切除される欠損はランゲル皮膚割線の方向に伸長するであろう。解剖学的領域において、方向性閉塞はランゲル皮膚割線に対して直角に行われ、そこでは、各部分的切除欠損の皮膚マージンは最も接近する。
整形外科切開の次にまたはそれに連続して行われる連続性部分的手術では、本明細書の実施の形態により提供される最も重要な能力は、切開を短くすることができる能力を含む。皮膚腫瘍を楕円的に切り取る必要性は、この技術の適用および切開の長さの両方において低減される。したがって、腫瘍切除の横方向部分を切り取る必要性は、その同じ横方向における部分的切除により軽減される。図95は、実施の形態のもと、連続部分手順を通じた切開の短小化を示す。
実施の形態による部分的フィールドが視認可能な瘢痕を伴わずに治癒するので、トータルの結果は切り取り瘢痕の長さがかなり低減されるものとなる。このカテゴリ内での他のアプリケーションは、胸部低減、乳房固定および腹成術で用いられる従来の整形手術切開の短小化である。これらの切開の横方向の広がりは、そうでなければ同じ長さの切開で生じうるような「犬の耳」皮膚余剰を生成することなく、短小化されうる。図96は、胸部低減および腹成術における「犬の耳」的な皮膚の余剰の例示的な図示である。例えば、胸部低減のために横方向乳房下部を越えて切開を延長することや、腹成術のために腸骨稜を越えて切開を延長することは、もはや必要ではない。術後の「犬の耳」皮膚余剰の部分的見直しもまた、既存の切開を延長することなく行いうる。
実施の形態は、部分的切除ハーベストサイトおよびレシピエントサイトの両方における審美的増強を提供する合成手順を含む。この方法の最も自明なアプリケーションは、頭頂および前頭における毛髪移植のための頸部あごひげの部分的取り入れの利用である。前頸部に沿った審美的輪郭付けが生成されると共に毛髪を抱く頭皮が再生されるという二重の利益が、この手順によりもたらされる。
実施の形態は、手術切開の視認性と審美的改善量との間のトレードオフが小さいために現在では整形外科による解決がなされない解剖学的エリアにおける、個別の部分的手順を含む。このカテゴリにはいくつかの例が存在する。例えば、膝蓋、上腕、肘、背中のブラ皮膚余剰、大腿全部、大腿側部、臀溝である。
実施の形態は、従来の整形外科切開と非連続的な態様で用いられる付属的部分的手順を含む。このカテゴリは、臀部側部や大腿側部などの脂肪異栄養症エリアにおいて吸引により皮下脂肪を除去する吸引アシスト脂肪切除を含む。しかしながら、多くの患者は、吸引脂肪切除により悪化する既存の皮膚弛緩を有する。部分的切除によりこれらのエリアに亘る皮膚エンベロープを引き締めることは、これらの患者にとっていくつかの利点を有する。皮膚弛緩および脂肪異栄養症を伴う多くの患者は、そうでなければその方法の資格を満たさないのであるが、脂肪吸引法の候補となる。既存の皮膚弛緩はないがより顕著な脂肪異栄養症を伴う患者について、医原性皮膚弛緩を伴うことなくより大きな輪郭低減を行いうる。手順は、より小さな部分的切除の単一の合成手順として、または段階的手順として、行い得る。
部分的フィールドの方向性閉塞は縫合なしで行われ、本明細書で詳述されるような粘着性ステント膜の適用で達成される。数多くの方法を用いて、部分的フィールドは粘着膜で閉じられる。例示的方法は、部分的フィールドの周縁の外側に膜をアンカーすることを含む。粘着膜の反対側に張力が印加される。フィールド内の残存皮膚に対して、一列ずつ、粘着膜の本体が部分的フィールドに適用される。適用方向は、方向性閉塞の選択されたベクトルに従う。この適用方向は、ときどき、ランゲル皮膚割線に対して直角となるが、それに限定されず、最大の審美的輪郭付けを提供する任意の適用方向を選択してもよい。
他の方法は、粘着性のステントドレッシングの弾性を利用して部分的フィールドを選択的に閉じることを含む。この方法により、弾性的ステントドレッシングの端部が伸ばされるか前もって導入され、次いでステントドレッシングが部分的フィールドに適用される。膜の端部を離すと、ステントドレッシングの弾性収縮により部分欠損が、弾性収縮に対して直角の方向に閉じられる。
本明細書で詳述される実施の形態は、本明細書において「sPAD」とも称される皮膚ピクセルアレイデルマトームを含む。sPADは、複数の独立した円形スカルペットを含む一群の複数スカルペットによるアレイである。円形構成は、皮膚に回転トルクを印加することで切開をより容易にすることを可能とする。本明細書で説明されるように、各スカルペットと駆動シャフトとの間に、一連のギアとして、電気機械的動力源へのスカルペットのカップリングまたはリンケージが提供される。加えて、ハウジング内に生成される真空は、切開中のステント安定化用に構成される。同じ真空能力はまた、切開デューティサイクル中に追加的な軸方向(Z軸)力を印加する空気圧アシストとして適用可能である。他の真空の応用は、部分的フィールド内の切開された皮膚プラグの取り出しである。
本明細書で詳述されるように、sPADは数多くの構成を含む。図97は、実施の形態のもと、深さ制御を伴う単一の削りスカルペットを含むsPADである。図98は、実施の形態のもと、標準的な単一のスカルペットを含むsPADである。図99は、実施の形態のもと、ペンスタイルのギア低減ハンドピースを含むsPADである。図100は、実施の形態のもと、3×3センタレスアレイを含むsPADである。
手術ドリルを含む機器はsPADと併せて用いられるよう提供される。図101は、実施の形態のもと、大きなアレイ用のコードレス手術ドリルを含むsPADである。図102は、実施の形態のもと、ドリル取り付け5×5センタレスアレイを含むsPADである。
実施の形態は、真空アシスト空気圧切除(VAPR)アレイsPADを含み、これは本明細書では「VAPR sPAD」とも称される。図103は、実施の形態のもと、真空アシスト空気圧切除sPADを含むsPADである。VAPR sPADは、スカルペットをsPADから処置サイトへと駆動するよう構成される真空圧を用いる。VAPR sPADは、ドリルアレイカップリング(DAC)を介してドリルに結合または接続される。図104は、実施の形態のもと、DACを介してドリルに係合するVAPR sPADである。DACはVAPR sPADのハウジングをドリルに固定する。一方、六角形チューブは、VAPR sPAD駆動シャフトが処置中に上下に摺動することを可能とする。外から供給される真空(不図示)は真空ポートを介してVAPR sPADと結合または接続される。
図105は、実施の形態のもと、準備済み状態(左)にあるVAPR sPADと、延伸処置状態(右)にあるそれと、を示す。真空およびドリルが動作している状態で、単一の処置サイクルは、VAPR sPADを処置サイトに配置し、ハウジングと処置サイトとの間にシールを生成することを含む。このシールが確立されると、真空が、回転歯車を伴うピストンを、処置サイトへと引っ張る。所望の深さの切断が達成された後、SPADは処置サイトから引き抜かれる。これはシールを破り、sPAD内のばねはそれを準備済み状態へと戻す。新たな処置サイトに対してサイクルを繰り返すことができる。
実施の形態はばねアシスト真空切除(SAVR)sPADを含み、これはVAPR sPADと同じように動作する。図106は、実施の形態のもと、準備済み状態(左)および後退状態(右)にあるSAVR sPADを示す。SAVR sPADはDACを介してドリルに結合または接続される。真空ポートは別個の真空サプライに取り付けられる。駆動シャフトはドリルに取り付けられたチューブ内を上下に摺動する。
SAVR sPADでは、総じて、ばねおよび真空の位置がVAPR sPADとは逆になっている。ばねおよび真空ポートは両方ともピストンの近位側に設けられているが、それに限られない。真空は、スカルペットを通じて皮膚ピクセルを引き上げ、したがって処置サイトから取り出すのを助ける。ばねは、処置サイトに入り込み、皮膚を切除するための、回転スカルペット用の軸方向力を提供する。スカルペットは、アレイ準備済み状態において、ハウジングの外側に延びている。
処置サイクルは、所望の処置位置に亘ってスカルペットを配置することで始まる。真空がターンオンされ、ドリルが下向きに適用される。これにより、ピストンおよびスカルペットがハウジング内に戻ってしまわれる(後退状態)。ドリルが回転し、スカルペットが回転する。スカルペットの回転に結合されたばね力が切除を生じさせる。真空は、切除により生成されたピクセルを引き上げ、次いでハウジングから引き上げる。所望の切断深さが達成されると、SAVR sPADは処置サイトから持ち上げられ、サイクルが繰り返されうる。
本明細書で説明される実施の形態は、同じドナーサイトからの皮膚移植片の繰り返し取り入れを、そのドナーサイトの異形化を排除しつつ、可能とする機器またはデバイスおよび手順を含むがそれに限定されない審美的手術皮膚引き締めの機器および手順を含む。本明細書の実施の形態は、真空マニフォールドを用いる単一スカルペットおよびマルチスカルペットアレイプラットフォームを含む、部分的切除用に構成されたデバイスおよび対応する方法または手順を含む。部分的切除用に構成された対応するデバイスおよび対応する方法または手順の追加的開示は関連出願に見出され、それらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。部分的に切除されるフィールドにおける真空の利用に関して、真空マニフォールドはスカルペット内(またはマルチスカルペットアレイ内)の腔内に真空を適用するよう構成される。あるいはまた、真空マニフォールドは、スカルペットアセンブリのコンポーネントとして、または、部分的フィールドの皮膚に直接適用される別個のマニフォールドデバイスとして、真空を腔外に適用するよう構成される。
スカルペットアセンブリの真空容量の適用は、部分的に切開された皮膚プラグの吸引除去(例えば、図108、112および113)を含む。
さらに、スカルペットアセンブリの真空容量の適用は、部分的切除中の皮膚表面の真空安定化(例えば、図109および114)を含む。スカルペットアセンブリの真空容量の追加的適用は、真皮下脂肪層および皮下脂肪層の部分的真空アシスト脂肪切除(例えば、図114)を含む。
図107Aは、実施の形態のもと、真空マニフォールドおよびスカルペットアレイと直列に係合するか取り付けられるよう構成された陰圧吸引器の側方断面図である。図107Bは、実施の形態のもと、真空マニフォールドおよびスカルペットアレイと直列に係合するか取り付けられるよう構成された陰圧吸引器の等角投影断面図である。図107Cは、実施の形態のもと、真空マニフォールドおよびスカルペットアレイと直列に係合するか取り付けられるよう構成された陰圧吸引器の実体側面図である。
図108Aは、実施の形態のもと、陰圧吸引器と共に用いられるスカルペットアレイの側方断面図である。図108Bは、実施の形態のもと、陰圧吸引器と共に用いられるスカルペットアレイの等角投影断面図である。図108Cは、実施の形態のもと、陰圧吸引器と共に用いられるスカルペットアレイの実体側面図である。
図109Aは、実施の形態のもと、陰圧吸引器に係合するか接続されるよう構成された真空マニフォールドの側方断面図である。図109Bは、実施の形態のもと、陰圧吸引器に係合するか接続されるよう構成された真空マニフォールドの等角投影断面図である。図109Cは、実施の形態のもと、陰圧吸引器に係合するか接続されるよう構成された真空マニフォールドの実体側面図である。陰圧吸引器は真空マニフォールドと直列に結合または接続され、部分的切除に特に適合された吸引器および従来の手術吸引器や吸引アシスト脂肪切除(SAL)用に特に用いられる吸引器などのデバイスのうちのひとつ以上として構成される。ある実施の形態では、腔内真空スカルペットまたはスカルペットアレイは、皮膚切開能力および脂肪吸引掻爬能力の両方を強化するための回転コンポーネントを有する。
実施の形態のデバイスの真空伝達は、デバイスのオペレータにより操作されるよう構成されたアパーチャコンポーネントにより制御される。図110は、実施の形態のもと、アパーチャを介した手動制御用に構成された真空コンポーネントを伴うデバイスの実体側面図である。あるいはまた、真空コンポーネントは電気的に制御される。例えば、真空源のオンオフサイクルは、少なくとも部分的にコンピュータにより制御される(例えば、コンピュータ制御されるデューティサイクル)。また、電子コントローラは、スカルペットアセンブリの回転(RPM)コンポーネントの変化をサイクルさせるために用いられてもよい。また、スカルペットの長さは手動制御およびコンピュータ制御のうちのひとつ以上であってもよい。
実施の形態の真空マニフォールドは、ハンドピースの遠位端の領域に「スリップオン」重なり容器を含む(例えば、図109)。真空マニフォールドはまた、深さガイドとして役に立つために、スカルペットへと遠位方向に延びる。種々の深さガイド依存真空マニフォールドは、異なる臨床アプリケーションおよび異なる解剖学的サイトにおける可変の真皮深さを解決する。ある実施の形態では、プラスチックマニフォールドは、そのマニフォールドに組み入れられた別個の真空ポートを有する単一プロセス使い捨て部材として生成される。代替的な実施の形態では、真空能力はハンドピースの「インライン」または「インシリーズ」構成であり、ハンドピースを通じて真空が内部的に適用されると共にスカルペット近傍の長さまで及ぶことができ、またはスカルペットの別個の側方アパーチャを通じて分岐する。図111Aは、実施の形態のもと、真空を含むか組み入れるよう構成されたハンドピースの等角図である。図111Bは、実施の形態のもと、真空を含むか組み入れるよう構成されたハンドピースの等角破断図である。
図112は、実施の形態のもと、ターゲット組織サイトに適用される単一スカルペットデバイスの側方断面図である。図113は、実施の形態のもと、ターゲット組織サイトに適用される単一スカルペットデバイスの等角投影断面図である。図114Aは、実施の形態のもと、ターゲット組織サイトに適用されるマルチスカルペットデバイスの側方断面図である。図114Bは、実施の形態のもと、ターゲット組織サイトに適用されるマルチスカルペットデバイスの等角投影断面図である。種々の実施の形態のスカルペットデバイスはひとつ以上のスカルペットを含む。実施の形態のスカルペットタイプは、スロットスカルペットおよびスロット鈍マイクロ先端カニューレのうちのひとつ以上を含む。図115は、実施の形態のもと、例示的なスロットスカルペットである。図116は、実施の形態のもと、例示的なスロット鈍マイクロ先端カニューレである。
本明細書の実施の形態のもと、真皮下/皮下脂肪を部分的に吸引する能力は、ターゲット解剖学的領域に依存していくつかのアプリケーションを有する。これらのアプリケーションは、限定を伴わず、凹状三次元輪郭および解剖学的領域の内向き輪郭化の平坦化により、オトガイおよび頸部下あご角などの審美的フィーチャを修復することを含む。これらのアプリケーションについて、本明細書では、側方スロットアパーチャスカルペットおよび鈍先端側方スロットアパーチャ部分的カニューレが説明される(例えば、図114および115)。鈍先端カニューレは、部分的脂肪切除フィールドの直下に重要な血管構造や神経構造がある解剖学的領域に用いられるよう構成される。スカルペット/カニューレのタイプによらず、システムの回転機能と真空能力とを組み合わせることで、真皮下/皮下脂肪層をより効率的に吸引掻爬する手段を提供することができる。
実施の形態は、限定を伴わず、十分な部分的切除密度を確保するためのガイドとして構成される部分的マーキングシステムを含む。例えば、ガイドは、部分的切除のガイドとして用いられるよう構成された、ステンシルおよび/または粘着半透明多孔プラスチック膜ガイド(ASPPMP)を含む。ステンシルマーキングシステムは、手術前にターゲットサイトに一時的に適用される円またはドットの格子パターンを含むステンシル(例えば、インク等)を含む。図117は、実施の形態のもと、例示的なインクステンシルマーキングシステムである。円またはドットは、格子パターンの正のまたは負のステンシルのうちの少なくともひとつを含み、インク材は生体適合性を有すると共に、患者の準備中にまたは手術中に薄くなったりぼやけたりしないように構成される。
ASPPMPマーキングシステムは、粘着半透明多孔プラスチック膜を含む。図118は、実施の形態のもと、粘着性半透明多孔プラスチック膜を示す。多孔プラスチック膜はまた、部分的切除の処方された深さを超えないことを保証する深さガイドとして役に立つよう構成される。図119Aは、実施の形態のもと、単一スカルペットデバイスを伴う深さガイドとして使用中のASPPMPの側面図である。図119Bは、実施の形態のもと、単一スカルペットデバイスを伴う深さガイドとして使用中のASPPMPの上方等角図である。
単一スカルペットおよびマルチスカルペットアレイプラットフォームの臨床的応用は審美的輪郭化を含み、これは実施の形態の皮膚引き締めと内向き輪郭化との組み合わせにより生成されるが、これに限定されない。手術中に皮膚および脂肪を部分的に切除する能力は、従来の電磁気デバイスおよび審美的整形外科手術を超える顕著な能力を生じさせる。これは、部分的切除が、視認できる瘢痕を残すことなく、(皮膚弛緩のエリアにおいて)皮膚を直接的に取り除くことを含むからである。実施の形態の、皮膚を部分的に切除するという強化された能力を、部分的真皮下/皮下脂肪切除と組み合わせることで、より若々しい審美的輪郭を復元することができる。
図120は、実施の形態のもと、皮膚の部分的切除および部分的真皮下/皮下脂肪切除を示す。皮膚の部分的切除および部分的真皮下/皮下脂肪切除の一例は、限定を伴わず、(顎の下の)オトガイの処置である。図121は、実施の形態のもと、皮膚の部分的切除および部分的真皮下/皮下脂肪切除のターゲットエリアとしてのオトガイの側面図を示す。図122は、実施の形態のもと、皮膚の部分的切除および部分的真皮下/皮下脂肪切除のターゲットエリアとしての部分的切除フィールドオトガイの底面図(見上げた)を示す。皮膚弛緩の存在およびオトガイ下脂肪パッドの顕著化が、この審美的異形の主たるコンポーネントである。各患者は、各特定の患者用にあつらえられたまたは構成された選択的修正を要求する、可変量の各軟組織コンポーネントを有するであろう。より具体的には、オトガイの凸状輪郭は主にオトガイ下脂肪パッドの脂肪異栄養症により引き起こされ、頸部下あご角の消失は主に皮膚弛緩による。
典型的に、患者は可変量のオトガイ下皮膚弛緩および脂肪異栄養症を示し、したがって、実施の形態は特定の手術のための患者計画およびマーキングを用いる。実施の形態のアセンブリの組み合わされた能力は、審美的異形の特定の軟組織コンポーネントを変更する必要性とよく相関する。よりひどい皮膚弛緩を伴う患者の場合、オトガイおよび首側方におけるより大きな水平整列処置エリアが、部分的皮膚切除のためにマーキングされる。図123は、実施の形態のもと、強度の皮膚弛緩に対する、オトガイおよび首側方における水平整列処置エリアを示す。
よりひどい脂肪異栄養症を伴う患者の場合、(部分的切除皮膚欠損を通じた)より広い部分的脂肪切除が処置エリア内にマーキングされる。また、部分的脂肪切除の深さは、この凸状輪郭異形のトポグラフィフィーチャを解決するよう選択的に変えられてもよい。図124は、実施の形態のもと、強度の脂肪異栄養症に対する、オトガイにおけるより広い部分的脂肪切除を示す。
単一スカルペットおよびマルチスカルペットアレイプラットフォームの臨床的応用は、方向性閉塞明細を含む。瘢痕を低減するプライマリ治癒(一次的治癒)を促進するために、切開の正確な閉塞は、整形外科手術において用いられる重要な原則である。しかしながら、閉塞の方向はまた、審美的輪郭付けにとっても重要である。皮膚引き締めの適切なベクトルは、審美的に強化されるべき解剖学的構造を考慮に入れる。顔面や首などのより複雑な審美的輪郭の場合、皮膚引き締めの複数のベクトルが手術中に用いられる。
図125は、実施の形態のもと、例示的な方向性閉塞の顔面ベクトルおよび首ベクトルを示す。皮膚引き締めベクトルに加えて、種々の閉塞線もまた閉塞の際の張力を制限する。閉塞線はカールランゲルにより説明されたそれを含み、図126は閉塞のランゲル線を示す。ランゲル線により示されるような皮膚切開の閉塞は、それが閉塞の張力を低減するため、プライマリ治癒を促進する。皮膚引き締めベクトルとランゲル線との間に合致があると、結果として得られる審美的輪郭およびプライマリ治癒は、互いに協働して最適な臨床成績を提供する。
本明細書の実施の形態は、予測可能な臨床成績を生成するより一様な具体化を提供するよう構成された段階的手術アルゴリズムを含む。本明細書の手術手順(および一連のステップ)の多くは部分的切除手術に独自の進歩である。限定を伴わず、手術アルゴリズムは、オトガイの部分的切除について含まれる。
実施の形態の処置手順によると、まず、患者は手術前に座った状態でマーキングされる。比較的多くの皮膚弛緩を伴う患者については、部分的切除用に描かれたエリアはより広く、首側方にまでわたる。比較的少ない皮膚弛緩を伴うかまたは皮膚弛緩がない患者については、描かれる部分的切除エリアは、オトガイ下脂肪パッドの脂肪異栄養症が凸状輪郭異形を生成しているエリアに限定される。皮膚弛緩および脂肪異栄養症の両方を伴う患者については、単一の合成処置輪郭のコンポーネントとして、両方のエリアが個々に描かれる。図127は、実施の形態のもと、首およびオトガイ下脂肪切除の部分的切除のマーキングされたターゲットエリアを示す。
部分的フィールド密度の低減を避けるために、局所麻酔フィールドブロックがオトガイ/首の区切られたエリアに投与される。次いで、本明細書で詳述されるように、部分的切除密度の十分さを保証するべくドット/円ステンシルを適用する。図128は、実施の形態のもと、例示的なマーキングステンシルを示す。局所麻酔の注射の前にステンシル付与が行われる場合、これらの手順ステップは逆になってもよい。ステンシル付与された皮膚の膨張は、より大きく描かれた処置エリアで補償可能である。次いで、区切られた処置エリア全体の境界内で、部分的皮膚切除が行われる。
部分的脂肪切除はトポグラフィ的に輪郭付けされた脂肪異栄養症エリア(例えば、図127)に限られ、部分的皮膚切除中または後続の手順ステップとして行われる。区切られた輪郭を超えての遷移やブリーハンドフェザリングは、部分的切除の境界を消すために行われる。部分的欠損の方向性閉塞は、閉塞/皮膚引き締めの好適なベクトルに伸ばされた(予め搭載された)吸収性粘着弾性包帯で行われる。
包帯(例えば、Flexzanなど)は、まず包帯の一端を部分的フィールドを超えた横方向係止点に付けることにより予め取り付けられてもよい。係止されると、次いで包帯の反対端に負荷が印加される。負荷は適用中維持される。代替的な取り付け技術は、まず、弾性包帯の各横方向端に反対方向の負荷をかけること、すなわち、包帯が適用の前にまず物質の縦軸にそって伸ばされること、である。負荷が維持されている間、弾性包帯は部分的フィールドに完全に適用される。負荷を解放すると、弾性反跳により、指定されたベクトルに沿って部分的フィールドの欠損が閉じる。首前方の皮膚弛緩が存在するオトガイでは、二つのベクトルを伴う二方向閉塞がなされるが、実施の形態はそれに限定されない。
図129は、実施の形態のもと、オトガイおよび首前方の例示的な方向性閉塞ベクトルを示す。首前方のベクトル(オトガイの下)はより横方向であり、頸部下あご角を強調するために用いられる。オトガイについて、閉塞ベクトル(ランゲル線により示される)は垂直である。次いで、滅菌包帯を適用し、手術が終わる。また、圧迫ガーメントを適用することで、術後フェーズ中の圧縮およびベクトル化支持を提供することができる。
実施の形態は、部分的傷跡修復を含む。この手術専科の始まり以来、既存の傷跡異形の可視インパクトの低減は整形外科の大きな焦点となってきた。傷跡の異形のタイプによって、異なる手術技術が用いられた。よく用いられた技術は、層状閉塞を伴う傷跡の楕円切開である。Z形成術やW形成術などの他の技術は、線形傷跡の低減を試行する。図130は、Z形成術およびW形成術傷跡修復を示す。しかしながら、これらの従来の技術は傷跡の異形を長くする。部分的傷跡修復は、傷跡を長くすることなく、傷跡の視覚的インパクトを低減するよう構成される。
線形の傷跡異形について、実施の形態は、傷跡の各マージンに沿って互いに組み合わされた部分的切除が行われる部分的非輪郭化技術を含む。非輪郭化を最大化するために、線形傷跡に対して直角となる部分的フィールドの方向性閉塞が行われる。図131は、実施の形態のもと、瘢痕切除の部分的非輪郭化技術の例を示す。
実施の形態のもと、傷跡のマージンを超えたフリーハンドの部分的切除により追加的な非輪郭化が生成される。実施の形態は、皮膚障害の剥離生検切開から生じた広いハイポトロフィック傷跡のための部分的技術を含む。傷跡の異形の幅を低減するため、傷跡のマージン内で部分的傷跡切開が行われる。本明細書で詳述される方向性閉塞が行われる。図132は、実施の形態のもと、広いハイポトロフィック瘢痕の部分的瘢痕切除の例を示す。他の代替的な実施の形態は両方の部分的傷跡修復技術を組み合わせ、そこでは、その組み合わされた修復は単一の手術として、または計画された一連の手術として、行われるが、これに限定されない。
追加的な実施の形態は、病巣を切り出すのに必要な切開を短くすることへの、部分的切除の応用を含む。この新規な能力はまた、過剰な皮膚を切り取るために用いられるより長い整形外科切開を短くすることに対しても適用可能である。各切開の横方向が本明細書で説明されるデバイスおよび方法を用いて部分的に切除される場合、切開の楕円的展開(「犬の耳」皮膚余剰を避けるため)はもはや必要ない。
部分的手術は、主たる切開手術と同時に、またはそれに続く計画された修復として、実行されうる。実施の形態の部分的切除はまた、切開後の既存の犬の耳余剰のために用いられてもよい。一例は、胸部低減および胸部再配置のために要求される乳房下部切開の短小化である。図133は、実施の形態のもと、胸部低減および/または胸部再配置に適用される場合の、乳房下部切開の短小化を含む例を示す。切開はもはや乳房下部を超えて延びないので、切開はよりみえにくくなる。
本明細書で説明される実施の形態は部分的皮膚移植を含む。これは全厚さ皮膚欠損の閉塞を含み、それはまた、整形外科医の主な焦点となってきた。直接的な閉塞によっては閉じることのできない大きな欠損はより複雑なアプローチを必要とする。整形外科によって開発された二つの従来のアプローチは、フラップ閉塞と皮膚移植とである。図134は、例示的なフラップの閉塞を示す。局所的または離れたフラップ閉塞は、ドナーサイトにおいてフラップに伴って取り入れられた有茎血液供給または真性血液供給を必要とする。皮膚欠損のフラップ閉塞はまた、ドナーサイトにおける追加的な傷跡の形成によって複雑になる。
皮膚移植(分割厚さまたは全厚さ)は、大きな全厚さ皮膚欠損を閉じるために用いられる他のアプローチである。皮膚移植アプローチを用いると、皮膚移植のドナーサイトが必要となり、また、そのサイトはかなりの瘢痕および不健全さを伴うこととなる。
これらの二つの整形外科アプローチが用いられてきた数十年の後、本明細書の実施の形態において、新規な第3のアプローチが説明される。部分的皮膚移植はシート状皮膚移植に伴うドナーサイトの異形化を避けることができる特異な能力を有するので、部分的皮膚移植はシート状皮膚移植に伴う副作用を避けることができる。部分的皮膚移植はまた、同じドナーサイトから続いて皮膚移植を取り入れることができる追加的な能力を提供する。図135は、実施の形態のもと、ドナーサイトに適用されるべき部分的皮膚移植取り入れを含む例を示す。
部分的皮膚移植は、ドナーサイト可用性が極度に制限される広範囲やけどを有する患者にとって特に重要である。同じドナーサイトにおける連続取り入れというこの特異な能力はまた、循環不良により生じる下肢の皮膚欠損を伴う患者にとって重要である。静脈鬱血、虚血性および糖尿病性潰瘍を伴う患者などの患者は特に、血管系不全潰瘍の皮膚カバレッジが適切に得られない場合、下肢の欠損を維持するリスクがある。これらの患者の多くは皮膚カバレッジが得られる前に一連の皮膚移植を行わなければならない。複数のドナーサイトを含むこの長期間に亘る皮膚移植プロセスに伴う不健全さは、特に、他の重大な体疾患を有する患者にはいらいらするものでありうる。本明細書で説明される部分的皮膚移植により、同じドナーサイトからの連続的皮膚移植取り入れの能力と組み合わされて、視認できるドナーサイトの異形がひとつも無くなるので、これらの患者に対して特異に可能性のある治療オプションが提供される。分割厚さ皮膚移植ドナーサイトと比べて、部分的ドナーサイトの方向性閉塞はより急速な治癒を提供し、もってドナーサイトの不健全さと傷跡とを劇的に低減する。
実施の形態の部分的皮膚移植は全厚さであるので、分割厚さ皮膚移植よりも、皮膚カバレッジの耐久性も向上する。これらの不全レシピエントサイトにおける傷治癒について、部分的皮膚移植の適用は、より一様なシートへの部分的皮膚セグメント(ピクセル)の形成なしになされうる。この臨床セッティングでは、個々の部分的皮膚セグメントとレシピエントベッドとの間に「サイド血管新生」が生じる。図136は、実施の形態のもと、レシピエントサイトにおける部分的皮膚移植の血管新生を含む例を示す。レシピエントサイトは、部分的皮膚セグメントをレシピエントベッドとのサイド方向に構成する生体ドッキングステーションとして機能する。
他の非不全およびより目に見える皮膚欠損について、実施の形態は、まず機械的ドッキングステーションにおいて部分的に取り入れられた皮膚セグメントをより一様な移植片に形成するオプションを含む。図137は、実施の形態のもと、ドッキングトレイおよび調整可能スライドを含む例示的ドッキングステーションを示す。この臨床セッティングでは、レシピエントベッドから真皮の深部への「ボトムアップ血管新生」が生じる(例えば、図136)。各臨床セッティングでは、圧縮ステント包帯は、血管新生または皮膚移植の「テイク」を促進する追加的サポートおよび固定化を提供する。
ウシコラーゲン注入フィラーの登場以来、フィラーの市場において、非生物的注入物の利用が支配的な役割を果たしてきた。本明細書で説明される実施の形態は新規なコラーゲン注入フィラー組成物を含み、その製造および利用は、本明細書および関連出願で詳述される部分的皮膚切除の新規な審美的手術法を含む。本明細書の実施の形態の新規なフィラーは、生体自家真皮マトリクス(LADMIX)注入可能フィラー、または「LADMIX」と称されるが、それに限定されない。LADMIXは、皮膚の部分的切除への特異な付属物として構成される生体コラーゲン注入可能物を含み、そこでは、部分的に切除された真皮プラグ(本明細書では「ピクセル」、「皮膚ピクセル」または「皮膚プラグ」とも称される)がドナー組織として用いられ、生体自家真皮注入可能フィラーが生成される。真皮マトリクス自体は「生きて」いないが、注入されたフィラー内における生体線維芽細胞の存在が、継続して、生きている生体真皮フィラーとしてコラーゲンを生成する。フィラー物質は患者自身の皮膚からのものであるから、フィラーの再吸収は最小化され、輪郭修正は従来の人工的フィラーよりも長く維持される。さらに、免疫生体反応または異物反応もまた最小化されるか回避される。
図138は、例えば、しわやたるみを含むターゲット組織を有する顔面を示す。LADMIX注射は、これらのよく生じる審美的異形に対して顕著な利点を提供する。本明細書の実施の形態のもと、そうでなければ廃棄される部分的切除の皮膚プラグは皮膚表面からその場所で取り入れられる。図139は、実施の形態のもと、部分的に切開されたフィールド(皮膚プラグが入っている)を示す。部分的皮膚引き締めとLADMIXフィラー注入との同時組み合わせ手術が行われてもよいが、これに限られない。
皮膚プラグは、両面粘着デルマトームテープなどの粘着基板を適用することで、および/または本明細書および関連出願に詳述されるように、部分的に切開されたフィールドからその場で取り入れられる。図140は、実施の形態のもと、部分的皮膚切除欠損取り入れの詳細な図である。本明細書で詳述されるように、表皮が外向きであることは取り入れプロセス中維持される。皮膚プラグはデルマトームに直接付された膜で取り入れられてもよいし、またはプラグは個別に膜に取り入れられ、次いでデルマトームに適用されてもよい。図141は、実施の形態のもと、および本明細書で詳述される、ドラムデルマトームに直接的に適用された膜を用いて取り入れられた皮膚プラグを伴う例を示す。図142は、実施の形態のもと、デルマトームにより生成された皮膚プラグを、デルマトームのアウトリガーブレードで横切することによる、表皮コンポーネントの除去を示す。図143は、実施の形態のもと、皮膚プラグが個々に膜の上に取り入れられ、次いで膜がデルマトーム(例えば、ドラム)に適用されることを示す。
取り入れられた真皮プラグは、LADMIX準備体または組成体への細分化のために集められる。細分化に用いられるデバイスは、真皮プラグを機械的に刻んで、線維芽細胞崩壊を最小化する粘性液にするよう構成される。図144は、実施の形態のもと、真皮プラグを機械的に刻んで粘性液にするよう構成された非圧縮モーセライザを示す。
LADMIX準備体は大径注射針を伴うシリンジに搭載される。注入の前に、局所麻酔(例えば、エピネフリンを伴う1%キシロカイン)がしわ/たるみ異形のすじに注入される。局所麻酔の注入は、麻酔およびすじのリフティングの両方を提供し、すじのリフティングはLADMIXフィラーの注入をより容易にする。LADMIXフィラーの注入は、例えば、針先端を下に向けた大径針およびシリンジで行われる。針先端はすじの縦軸に挿入されるが、これに限定されない。図145は、実施の形態のもと、ターゲット組織サイトにおけるLADMIXフィラーの注入を示す。LADMIXフィラーが注入されている間、異形のすじに沿って針を前進させることで、フィラーポケットが自動で切り出される。次いで、注入された自家フィラーは手でマッサージされて滑らかな表面輪郭が形成される。次いで、ステリストリップを注入後のすじの上に適用することで、修正された表面輪郭をステントして維持する。
スカルペットデバイスの例示的な実施の形態は多機能チャンバを含むマルチスカルペットアレイを含み、複数ピクセルの同時切除および収集用に構成される。収集チャンバは本明細書において「チャンバ」とも称され、自家注入可能フィラーの生存性およびボリュームを保つよう構成され、さらに、例えば以下を含むひとつ以上の機能の役に立つよう構成される:切除されたピクセルの収集チャンバまたはレセプタクル、集められた真皮プラグを刻むための刻みチャンバ、刻まれた組織をヒアルロン酸または生理食塩水と混ぜるための混合チャンバ、および/または刻まれたピクセル溶液を皮下へと運ぶための移送ベッセルまたはローディングステーションとしての作用など。
多機能チャンバが収集チャンバ機能用に構成されるか用いられる場合、それはプラグをチャンバ内に押し出すことにより、取り入れられた真皮プラグを受動的に集める。デューティサイクルのこのフェーズの終わりに、多機能ポートは、スカルペットのルーメン内での、真皮プラグの短期間真空抽出用に構成される。そうでなければ、チャンバは真皮プラグの生存性に圧力を与えるために雰囲気大気圧に維持される。逆向きギア粒子汚染を避けるために、中央駆動シャフトの遠位領域(例えば、インベスティングプレートに)に、「O−リング」を含める。初期部分的切除パスの間に、まず、別個の取り外し可能(真空アシスト)表皮抽出チャンバが用いられてもよいが、実施の形態はこれに限られない。
多機能チャンバが刻みチャンバ機能用に構成されるか用いられる場合、それは中央駆動シャフトに結合されるか取り付けられる回転刻みブレードを受ける。
デューティサイクルの取り入れフェーズ中に、中央スカルペット駆動シャフトおよび刻みブレードが近位向きに後退することで、取り入れられた真皮プラグの連続的刻みを避ける。デューティサイクルの刻みフェーズ中に、中央駆動シャフトおよび刻みブレードは遠位向きに、所定の期間、前進する。
多機能チャンバが混合チャンバ機能用に構成されるか用いられる場合、それは多機能チャンバポートを通じてシリンジを介してキャリア流体を受ける。キャリア流体は、生理食塩水、ヒアルロン酸、ハイドロジェルおよび真皮成長因子などの生理活性因子のうちのひとつ以上を含んでもよい。
多機能チャンバがシリンジローディングチャンバ機能用に構成されるか用いられる場合、それは、ターゲットまたはレシピエントサイトへの後の注入のための、多機能ポートを介したシリンジへの刻み組成物の引き込みまたは抽出用に構成される。
より具体的には、図146は、実施の形態のもと、多機能チャンバを含むスカルペットデバイスの例を示す。この例示的な実施の形態のスカルペットデバイスのマルチスカルペットアレイは、八つ(8)のピクセルの同時切除および収集用に構成されたセンタレス3×3マルチスカルペットアレイを含むが、これに限定されない。デバイスは、駆動システム(例えば、ギアなど)に結合された中央駆動シャフトまたはピニオンに係合されるかそれを含むハンドピースであって、八つのスカルペットの回転を駆動するハンドピースを含む(3×3アレイの中央位置にはスカルペットはない)。駆動システムハウジング(例えば、ギアボックス等)の真空ポートを通じて真空が適用され、ピクセルチャンバへのギアデブリの移送が最小化されるおよび/または取り除かれるが、実施の形態はこれに限定されない。収集チャンバまたはチャンバは、例えば以下を含むひとつ以上の機能の役に立つよう構成される:切除されたピクセルの収集レセプタクル、ピクセルを刻んでヒアルロン酸または生理食塩水と混ぜるための混合チャンバ、および/または刻まれたピクセル溶液を皮下へと運ぶための移送ベッセルとしての作用など。収集チャンバのサイズ(例えば、直径など)は、例えば、収集チャンバに集められるべきピクセルの体積または数に基づいて選択される。
ハウジングはスカルペットデバイスの遠位端のエンドキャップを含むかそれに結合され、実施の形態のエンドキャップは取り外し可能であるが、これに限定されない。エンドキャップの長さは、所望の切除の深さに依存して変化してもよい。あるいはまた、エンドキャップは、使用されていないときのスカルペットの上にエンドキャップを延ばすよう構成された内部ばねを介して取り付けられる。エンドキャップが取り付けられると、駆動システムハウジングの真空ポートに真空チューブが接続される。これは、ギアデブリの実効的な除去を保証し、メッシュバッファプレートと組み合わせることで、切除されたピクセルに望まれない物質が入らないことを保証する。スカルペットデバイスおよび/または真空は、切除されたピクセルをスカルペット(例えば、ルーメンおよび近位端領域)を通じて引き、収集チャンバへと入れるよう構成されるが、これに限定されない。図147は、実施の形態のもと、スカルペットデバイスを通じた例示的な真空流路を示す。
図148は、実施の形態のもと、収集チャンバへのピクセルの収集に続く、例示的なスカルペットデバイスを示す。十分な真皮プラグまたはピクセルの取り入れ手順および/またはチャンバへの収集の一部が完了した後、スカルペットアレイが取り付けられた状態のハンドピースは逆さにされ、これにより、ピクセルを収集チャンバの近位端に集めることが可能となる。エンドキャップは取り除かれ、真空フィッティングおよび締めねじが二つのプラグに置き換えられる。図149は、実施の形態のもと、収集チャンバ内のピクセルを伴う逆向きのハンドピースを示す。収集チャンバは生理食塩水および/または他の所望の溶液または組成物を受けるか含むよう構成され、それはピクセルに加えられる。ルアーまたは同様のフィッティングプラグを伴う代替的エンドキャップが取り付けられ、チャンバを伴うハンドピースがその元の向きに戻される。図150は、実施の形態のもと、代替エンドキャップおよびフィッティングプラグが取り付けられた、逆向きのハンドピースを示す。
次いで、ハンドピースがチャンバから外され、刻みブレードが固定され、次いで収集チャンバに再度取り付けられる。図151は、実施の形態のもと、ピクセル溶液を伴う収集チャンバ内に取り付けられ、位置決めされた刻みブレードを伴うハンドピースを示す。ピクセル溶液は刻みブレードを用いて所望の粘度まで刻まれ、これにより、LADMIXフィラーが形成される。次いで刻み器が取り除かれ、シリンジがエンドキャップに取り付けられる。LADMIXフィラーは収集チャンバからシリンジへと引き込まれ、LADMIXフィラーは、シリンジに取り付けられた針を用いてターゲット組織サイトへと注入する準備ができる。図152は、実施の形態のもと、シリンジに引き入れられたLADMIXフィラーを示す。図153は、実施の形態のもと、ターゲット組織サイトへのLADMIXフィラーの注入の準備ができている、シリンジおよび取り付けられた針を示す。
LADMIXを準備するのに用いるために実施の形態において組織を取り入れることは、表皮を取り除くことを含み、これによりレシピエント注入サイトにおける表皮包含包嚢の生成を避けることができる。表皮の除去および真皮プラグの取り入れは、表皮の剥離、表皮の皮膚切除、真空アシストツーパス技術、および注射を伴うツーパス技術のうちのひとつ以上を含むがそれに限定されない方法を用いて達成される。これらの方法のそれぞれが本明細書で詳述される。
真皮からの表皮の剥離は、部分的フィールド全体内で、または個々の部分的サイトにおいて、皮膚を水ぶくれさせることを含む。図154は、実施の形態のもと、部分的フィールド全体内に形成された皮膚水ぶくれを示す。図155は、実施の形態のもと、部分的フィールド全体に重なるふくれた組織の除去の後の部分的フィールドを示す。図156は、実施の形態のもと、複数の皮膚水ぶくれの形成を示す。図157は、実施の形態のもと、部分的フィールドに重なるふくれた組織の除去の後の複数の部分的フィールドを示す。実施の形態の水ぶくれは、加熱を伴う、真空アシスト機械的振動剪断を用いて行われる。代替的実施の形態の水ぶくれは、加熱を伴わない、真空アシスト機械的振動剪断を用いて行われる。皮膚水ぶくれ形成のさらに別の代替的な実施の形態は、短い複数針注射マニフォールドの使用を伴う、表皮/真皮接合部における局所麻酔または通常の生理食塩水の体表注射を含む。追加的代替物は、真空アシストおよび/または機械的剪断および/または加熱を含むが、実施の形態はこれに限定されない。
本明細書で詳述されるように、皮膚水ぶくれに続いて、単一スカルペットシステムまたは複数スカルペットアレイのいずれかの単一パスにより、真皮プラグ取り入れが適用される。図158は、実施の形態のもと、単一のスカルペットシステムまたは複数のスカルペットアレイを用いて水ぶくれした領域内の真皮プラグを取り入れることを示す。
代替的な実施の形態の表皮の除去および真皮プラグの取り入れは、真皮からの表皮の皮膚切除を含む。部分的ドナーフィールドの全体が標準的な皮膚切除システムで皮膚切除されるが、実施の形態はこれに限定されない。あるいはまた、表皮の除去は、本明細書で説明される単一スカルペットコンソールによって操作される小さな回転バー(burr)で個々の部分的サイトを皮膚切除することによって、達成される。
表皮の除去および真皮プラグの取り入れの他の代替的な実施の形態は、真空アシストツーパス方法またはプロセスの使用を含む。最初の部分的切除パスは真皮乳頭層の小部分および表皮を除去するように体表的に行われる(取り入れられる真皮プラグへ真皮乳頭層を含めることは、真皮層のその部分に高密度の線維芽細胞が存在するので、重要である)。第2の部分的取り入れパスは、真皮を通じた全厚さで行われる。第1の部分的パスの皮膚欠損マージンの弾性反跳は、第2の取り入れパスの部分的欠損皮膚エッジの追加的クリアランスを提供する。本明細書で説明される他の方法によるものと同様に、切開された真皮プラグは次いで真空抽出され、例えばインラインスケール体積的収集キャニスタへと集められる。
真空アシストツーパス方法の実施の形態は、表皮マージンクリアランスを提供する追加的方法を提供する。追加的マージンクリアランス方法は、第2の部分的取り入れパスの間に用いられ、そこではまずスカルペット/アレイが回転なしで部分的欠損に挿入される。第1パスの部分的欠損へ完全に挿入されると、次いで、第2の取り入れパスのためのコンソールの回転が開始される。
表皮の除去および真皮プラグの取り入れの追加的な代替的実施の形態は、局所麻酔または通常の生理食塩水の体表注射を伴う真空アシストツーパス方法の利用を含む。これは、第1パス中の真皮乳頭層の望まれない切除を最小化する。
表皮の除去および真皮プラグの取り入れのために用いられる方法によらず、取り入れられた真皮プラグは、本明細書で説明されるように収集キャニスタに集められる。図159は、実施の形態のもと、取り入れられた真皮プラグを含む収集ベッセルまたはキャニスタを示す。取り入れが完了すると、真皮プラグは収集キャニスタから取り出され、刻みコンテナに挿入される。図160は、実施の形態のもと、取り入れられた真皮プラグを含む刻みコンテナまたはキャニスタを示す。刻みコンテナは、真皮プラグを刻むか切断して、注入用に構成される小片にする際に用いられるよう構成されるが、これに限定されない。
実施の形態の刻みは、生きている線維芽細胞を保存するために、最小のトラウマ(trauma)で行われる。この目的のため、刻み器は、圧縮細分化を伴わない手動、回転、振動、および往復動高鋭利ブレードのうちのひとつ以上を含む。図161は、実施の形態のもと、上下動および/または回転するよう構成されたブレードデバイスを含む手動刻み器を示す。図162は、実施の形態のもと、電力のもとで回転するよう構成されたブレードまたは切断デバイスを含む電動刻み器を示す。回転は、電動モータ、空圧モータ、および手動デバイスまたは機械操作デバイスのうちのひとつ以上により、ブレードに印加されるが、これに限られない。
実施の形態の刻みコンテナはまた、その中で真皮組織にキャリア流体/ジェルが追加される混合チャンバとして用いられるよう構成される。実施の形態のキャリア流体は、ヒアルロン酸、ハイドロジェル、および通常の生理食塩水などのうちのひとつ以上を含む。注入物に対する表面損失およびトラウマを低減するため、実施の形態の刻みコンテナは、生きている自家組成物を注入シリンジへと直接搭載するプランジャおよびポートを含むローディングチャンバとして構成される。レシピエントサイトへの注入の前に、シリンジはまた、真皮組成物から液体化した脂肪を分離するために遠心分離器に置かれてもよい。摩擦低減シリンジ(例えば、ガラス、プラスチック等)を用いることで、注入中の生きている自家組成物へのトラウマをさらに低減する。
実施の形態のLADMIX取り入れは、フェースリフト、腹成術、乳房固定および/または胸部低減などの整形外科手術中に切開された皮膚の利用を可能とするよう構成される。実施の形態の組み合わされた手術は、同じ整形外科手術中に、粘着膜テープを用いてパジェットデルマトームの上に切開された皮膚を置く(およびくっつける)ことを含むがこれに限定されない。皮膚は、表皮がデルマトームテープに接するように下向きに向けられるが、これに限定されない。次いで、デルマトームを体表セッティングにセットすることによって、表皮が取り除かれる。次いで、機器除脂術によって、または、深いセッティングのデルマトームを伴う第2パスで、手動で皮下組織を取り除いてもよい。次いで、本明細書で説明されるように、切開された皮膚の分離された真皮層が刻まれる。
実施の形態では、部分的皮膚切除と同時に、またはそれが行われている間に、LADMIXの注入が行われる。これら二つの手術を単一の手術として一緒に組み合わせることは、審美的強化の特異な能力を提供する。組み合わされた手術では、部分的傷跡修復フィールドから生きている真皮組成物を取り入れ、これは凹状瘢痕異形を治療するための特異な能力を提供する。手術はまた、特定可能な所定の生理学的病気状態に対して適用可能であり、それらの一例は、女性の腹圧性尿失禁の治療である。
LADMIXを用いる手術または方法は、審美外科、再建瘢痕、および生理学的病気状態のうちのひとつ以上を含むがそれに限定されない数多くの異なる臨床方法や適用への適用のために構成される。総じて、手術は、患者や対象の手術前の詳細写真を撮るか取得することを含む。患者は、手術前、立った姿勢または座った姿勢のいずれかでマーキングされる。例えば、4対1ルールを用いることで、部分的切除フィールドの全体サイズを決定するが、実施の形態はこれに限られない。フィールド内のより小さなトポグラフィー的にマーキングされた部分はまた、真皮プラグの取り入れ用のドナーサイトとして役に立つよう用いられてもよい。
手術前鎮静作用および予防的抗生物質は、適宜、患者および/または手術に提供(例えば、静脈注射、経口等)され、患者は手術室に運ばれ、そこで行われる手術に応じて適宜麻酔が投与される。手術エリアは滅菌態様で準備され、ドレープされる。次いで、局所麻酔またはチューメセント麻酔が手術サイトに注入される。エピネフリンを伴うキシロカインの希薄溶液(例えば、フィールドブロックについては1/200000パートのエピネフリンを伴う0.5%キシロカイン、またはチューメセント麻酔については1/400000パートのエピネフリンを伴う0.25%キシロカイン)を用いることで、麻酔(および流血を低減するための血管収縮剤)を提供する。
次いで、マーキングシステムテンプレートまたはステンシルが手術サイトに適用される。実施の形態のマーキングシステムテンプレートは、多孔およびノッチ付きプレートを含み、該プレートは、ドナーサイトにおける十分な部分的密度の切除を区画するためにそのプレートの角を利用するよう構成される。図163は、実施の形態のもと、例示的なマーキングシステムテンプレートである。周辺ノッチはテンプレートの適用中の方向付け用に構成され、多孔は、部分的切除の密度を示し、そこでは、手術者がフリーハンドで間に部分的切除を「埋める」。さらに、マーキングテンプレートは、手術サイトを例えばインクで、またはテンプレート内のより大きな多孔を通じた直接的部分的マーキング切除で、マーキングする際に用いられるよう構成される。
実施の形態の部分的切除は、部分的切除フィールドの行や列の輪郭化を低減するための、部分的切除の千鳥状技術を含む。本明細書で詳述されるように、フィールドのドナー領域内で、ツーパス技術は真皮取り入れのために用いられる。次いで、最大の審美的輪郭付けを提供する方向性閉塞ベクトルを用いて、部分的フィールドはFlexzanまたは他の弾性吸収材で閉じられる。次いで、組み合わされた部分的皮膚/脂肪切除/真皮ドナーサイトに滅菌包帯が適用される。
次いで、生きている自家フィラーの生存性を保持するために同じ手術中に、取り入れられた真皮プラグを処理し、以前にマーキングされたレシピエントサイトに注入する。局所麻酔の点滴注入の後、まず以前にマーキングされた凹状異形の長さに沿ってシリンジの大径針を進めることによって、注入物のレシピエントポケットが生成される。図164は、実施の形態のもと、注入のためのレシピエントポケットの生成を示す。次いで、生成されたポケットの全長に沿って自家フィラーが注入される間、大径針がゆっくり後退する。図165は、実施の形態のもと、注入されたフィラーを伴うレシピエントポケットである。
より具体的に、LADMIX注入物を含む例示的な手術プロトコルが詳述される。患者が手術前確保されている間に、ドナーサイトおよびレシピエントサイトがマーキングされる。本例のドナーサイトは腹の毛深くない右下腹部(RLQ)を含む。レシピエントサイトは、左手の甲およびRLQの虫垂切除の傷跡であろう
患者が手術室にいる状態で、腹のRLQのドナーサイトに、真皮下フィールドブロック(例えば、1/200000パートのエピネフリンを伴う0.5%キシロカイン)を投与する。真皮と表皮との接合部に体表的に注入された他の浸潤物(水ぶくれなしで)はまた、区画されたエリアを通じて投与される。左手の甲のレシピエントサイトおよび凹状虫垂切除傷跡のレシピエントサイトの両方は、同じ局所麻酔を用いて通常の真皮下フィールドブロックを受ける。ドナーサイトおよびレシピエントサイトは滅菌態様で準備され、ドレープされる。
ドナーサイトにおける部分的切除の第1のパスは、真空ラインにインラインフィルタを伴わず、スカルペット(例えば、2mm内径)を用いて、深さストップ/真空マニフォールド(例えば、1mm深さストップ/真空マニフォールド)で行われる。この初期パスは、表皮を、できる限り少ない真皮乳頭層を伴って、取り除くために行われる。
ドナーサイトにおける第2の真皮取り入れパスは、インラインフィルタを配置した状態で、スカルペット(例えば、1.5mm内径)を用いて、深さストップ/真空マニフォールド(例えば、4−6mm深さストップ/真空マニフォールド)で行われる。フィルタはできる限りマニフォールドに近い位置に挿入されるべきである。スカルペット/マニフォールドを周期的に通常の生理食塩水で空にする。これは全ての取り入れられた真皮プラグをフィルタに集めて湿らせるためである。
取り入れられた真皮プラグはフィルタから取り出され、刻み器に入れられる。そこでは、少量の通常の生理食塩水が加えられる。真皮プラグの通常の生理食塩水を伴う刻みによって、自家組成物が生成されるが、これに限定されない。組成物は、短い鈍先端17ゲージ針を用いてフィラー注入シリンジへと搭載(吸引により)される。次いで、22ゲージカニューレを用いることで、レシピエントサイトに組成物を注入する。
まず、組成物のサンプルを生存性染色用の顕微鏡スライドに載せることで、取り入れられた線維芽細胞の生存性を判定する。左手の甲にある第1のレシピエントサイトは、例えば、Stephen Yoelin博士により開発された技術を用いて注入される。ポケットを生成するため、カニューレはまず注入無しで進められる。次いで、カニューレがポケット内で後ろ向きに後退する際、組成物が注入される。
第1のレシピエントサイトの注入の後に十分な量の注入物が利用可能であるなら、凹状虫垂切除傷跡の第2のレシピエントサイトに注入される。三ヶ月後、注入された虫垂切除傷跡を組織学的評価のために切除し、長期生体内構造と注入された組成物の生存性と判定する。
例えば、ランゲル線により判定されて、RLQドナーサイトの方向性閉塞は単一係止技術を用いたFlexzanの適用で行われてもよい。レシピエント注入サイトの両方は、滑らかな輪郭を目指して手で扱われる。次いで、ステリストリップ(1/2インチ)を、ステントとして、レシピエントサイトに縦方向に適用する。ドナーサイトのFlexzanの上に、4×4の通常包帯およびABDパッドを適用する。
本明細書で説明されるLADMIXフィラーの臨床応用は審美的応用、再建的応用、および生理学的応用を含むが、実施の形態はそれらに限定されない。審美的応用は、すじ、しわ、たるみおよび一般的な審美的輪郭を含むがそれに限定されない。しわは、顔面筋への取り付けにより生じ解剖学的領域の活動中に強調される審美的異形を含む。眉間のしわは、最もよく指摘される審美的しわ異形である。例えば、皮膚と筋肉との間の真皮下にLADMIXを注入することによって、LADMIX組成物を用いてしわを治療することができる。
すじは、たいていの場合、真皮コラーゲンマトリクスの線状萎縮によって引き起こされる。LADMIXの体表的真皮内注入は、審美的異形の長期改善に有効である。
目立つたるみ、特に法令線、は、この構造の進行性皮膚弛緩に一部起因する。上唇および鼻翼溝を伴う法令線のマージンに沿ったLADMIXの注入は、これら二つの構造の間のより若々しい遷移を提供する。
女性の一般的審美的輪郭付けに関して、目立つ上唇の紅斑皮膚接合部は、社会から見て、審美的に強化されたものとして解釈されうる。上唇の紅斑皮膚接合部に沿ったLADMIX注入は、この解剖学的構造の長期強調を提供する。長期間継続する唇の強化に対する可能性も存在する。
LADMIXの再建的応用は、瘢痕および軟組織輪郭異形を含むアプリケーションを含むがそれに限定されない。さらに、これらのアプリケーションは、異形の解剖学的基礎の理解を必要とする。
例えば、凹状の瘢痕異形は、より深い組織層への瘢痕付着を有する。ほとんどの場合、LADMIX組成物の真皮下注入を含む同じ手術の間に、下にある傷跡付着の解放が必要とされる。
多くの凹状軟組織輪郭異形は皮下脂肪層の外傷性脂肪分解に起因する。凹状異形の解放の後、皮膚とその下の皮下組織との間に注入が行われるべきである。
LADMIXの生理学的応用は、女性の尿失禁、胃食道逆流、および声帯声変調などを含むがこれらに限定されない。女性の尿失禁の治療に適用される場合、生体自家コラーゲンフィラーの注入は、非生体異種移植注入物よりも長く続く生理学的サポートを提供する。図166は、実施の形態のもと、LADMIXの注入を用いて女性の尿失禁を治療することを示す。
逆流性食道炎を伴う患者は、胃酸を低減する薬理的管理に耐性がある。種々の硬化剤の注入が試みられ、良い結果もあれば悪い結果もあった。遠位食道括約筋へのLADMIXの注入は胃内容物の逆流を低減する。胃酸の薬理的管理を内視鏡的LADMIX注入を組み合わせることで(後遺障害として)、逆流性食道炎の症状および発生を相乗的に低減できる。
本明細書で説明されるLADMIXは声帯声変調の臨床応用に用いられる。声帯の並置不良または不完全並置は種々の発声困難を引き起こしうる。声帯へのLADMIXの粘膜下注入は、選択された患者において良い方向の声変調を提供する。
実施の形態は、対象のドナーサイトを特定することを含む方法を含む。方法は、前記ドナーサイト内の前記表皮の一部を取り除くことを含む。方法は、前記ドナーサイト内の複数の真皮プラグを取り入れることを含む。方法は、前記真皮プラグを刻むことによって注入可能フィラーを形成することを含む。方法は、前記対象のレシピエントサイトに前記注入可能フィラーを注入することを含む。前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる。
実施の形態は、対象のドナーサイトを特定することと、前記ドナーサイト内の前記表皮の一部を取り除くことと、前記ドナーサイト内の複数の真皮プラグを取り入れることと、前記真皮プラグを刻むことによって注入可能フィラーを形成することと、前記対象のレシピエントサイトに前記注入可能フィラーを注入することであって、前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる、注入することと、を含む方法を含む。
前記注入可能フィラーが生体自家真皮マトリクス(LADMIX)注入可能フィラーを含む。
前記注入可能フィラーが生体線維芽細胞を含む。
前記表皮の前記一部を取り除くことが、前記ドナーサイトの領域内の前記表皮の前記一部を取り除くことを含む。
前記表皮の前記一部を取り除くことが、前記ドナーサイトの複数の領域内の前記表皮の前記一部を取り除くことを含む。
前記表皮の前記一部を取り除くことが、前記ドナーサイトの少なくともひとつの領域内の前記真皮から前記表皮を剥離させることを含む。
前記剥離させることが皮膚を水ぶくれさせることを含む。
前記剥離させることが前記ドナーサイトにおいて皮膚を水ぶくれさせることを含む。
前記剥離させることが振動剪断を含む。
前記振動剪断が真空および加熱のうちの少なくともひとつを含む。
前記剥離させることが体表注射を含む。
前記体表注射が生理食塩水および麻酔のうちの少なくともひとつを含む。
前記表皮の前記一部を取り除くことが、前記ドナーサイトの少なくともひとつの領域内の前記真皮からの前記表皮の皮膚切除を含む。
前記複数の真皮プラグを取り入れることが、前記ドナーサイトの少なくともひとつの領域から少なくともひとつの真皮プラグを部分的に切除することを含む。
前記複数の真皮プラグを取り入れることが、前記ドナーサイトの複数の領域のそれぞれから少なくともひとつの真皮プラグを部分的に切除することを含む。
前記複数の真皮プラグを取り入れることが、前記ドナーサイトにおいて少なくともひとつの部分的切除を適用することを含む。
前記少なくともひとつの部分的切除の適用は、前記ドナーサイトにおいて千鳥状部分的切除を適用することを含む。
前記ドナーサイトにおける前記少なくともひとつの部分的切除の適用は、第1部分的切除を適用することと、第2部分的切除を適用することと、を含む。
前記第1部分的切除の適用が表皮の切除を含む。
前記第2部分的切除の適用が前記真皮を通じた部分的切除を含む。
前記第2部分的切除が前記真皮を通じた部分的厚さ部分的切除を含む。
前記第2部分的切除が前記真皮を通じた全層部分的切除を含む。
前記第2部分的切除の適用の部分的欠損皮膚エッジが、前記第1部分的切除の適用の前記部分的欠損皮膚エッジに対して追加的なクリアランスを含む。
方法は、前記少なくともひとつのドナー領域へと少なくともひとつのスカルペットを挿入することと、
完全に挿入された場合、前記少なくともひとつのスカルペットを回転させることと、を含む。
前記部分的切除が、スカルペットアセンブリを含むハウジングをターゲットサイトに位置決めすることを含み、前記スカルペットアセンブリがスカルペットアレイと少なくともひとつのガイドプレートとを含み、前記スカルペットアレイが複数のスカルペットを含み、前記少なくともひとつのガイドプレートが前記複数のスカルペットの配置構成を維持する。
前記スカルペットアレイのうちの少なくともひとつのスカルペットは、前記スカルペットの遠位端に切断面を含む円柱形スカルペットを含む。
前記部分的切除が、前記ハウジングから前記ターゲットサイトの組織へと前記スカルペットアレイを出すことと、出された場合、前記ターゲットサイトにおいて複数の切開真皮プラグを生成することと、を含み、前記出すことが前記スカルペットアセンブリの駆動システムの力を前記スカルペットアレイに作用させることを含む。 前記部分的切除が、前記スカルペットアレイに回転力を印加することを含み、前記回転力が前記複数のスカルペットのうちの少なくともひとつの集合を回転させるよう構成される。
前記複数のスカルペットが、前記複数のスカルペットの複数のルーメンを通じて前記真皮プラグを受動的に押し出すよう構成される。
方法は、前記ハウジングを介して前記ターゲットサイトに真空を運ぶことであって、前記真空が雰囲気大気圧よりも比較的低い圧力を含む、運ぶことと、前記真空を利用して前記複数の切開真皮プラグを取得することと、を含む。
部分的切除は、前記ターゲットサイトから前記ハウジングの中へ前記スカルペットアレイを戻すことを含む。
方法は、粘着性基板を用いて前記複数の切開真皮プラグを取得することを含む。
方法は、切断部材を用いて前記切開真皮プラグを横切すること含む。
前記部分的切除が、ターゲット皮膚サイトにスカルペットアレイを適用することを含み、前記スカルペットアレイがインベスティングプレート上に置かれた複数のスカルペットを含み、前記インベスティングプレートが多孔プレートである。
部分的切除は、前記ターゲット皮膚サイトを含む下方の皮膚表面に対して前記スカルペットアレイを介して負荷をかけることによって、前記ターゲット皮膚サイトにおいて真皮プラグを周状に切開することと、を含む。
前記負荷をかけることが、デルマトームで前記負荷をかけることを含む。
前記デルマトームがフラットデルマトームを含む。
前記デルマトームがドラムデルマトームを含む。
前記部分的切除が、粘着基板上に複数の切開真皮プラグを取得することを含み、前記切開真皮プラグが前記スカルペットアレイを通じて押し出される。
方法は、前記粘着基板を前記デルマトームに結合させることを含む。
前記部分的切除が前記スカルペットアレイを通じて押し出された切開真皮プラグのベースを横切することを含む。
横切することは切断部材で横切することを含む。
前記切断部材はドラムデルマトームに結合されている。
方法は前記ドナーサイトで取り入れられた前記複数の真皮プラグを集めることを含む。
方法は、前記複数の真皮プラグを、前記スカルペットアレイに結合された収集チャンバに集めることを含む。
前記収集チャンバが、前記真皮プラグを受けること、前記真皮プラグを集めること、前記真皮プラグを刻むこと、前記真皮プラグをキャリアと混ぜること、および前記真皮プラグを含む組成体を針および注射カニューレのうちの少なくともひとつに搭載するためのチャンバを搭載することのうちの少なくともひとつのために構成される。
前記収集チャンバが加圧チャンバを含む。
前記収集チャンバが非加圧チャンバを含む。
前記収集チャンバが刻むことのために構成され、前記刻むことが前記収集チャンバ内の前記真皮プラグを刻むことを含む。
前記取り入れることが、前記スカルペットアレイに回転力を印加することによる部分的切除を含み、前記刻むことが、前記回転力により回転するよう構成された少なくともひとつのブレードで前記収集チャンバ内の前記真皮プラグを刻むことを含む。
前記注入可能フィラーを形成することが、前記刻まれた真皮プラグとキャリアとを混ぜることを含み、前記収集チャンバが前記混合のための混合チャンバとして構成される。
前記注入することが、針および注射カニューレのうちの少なくともひとつを用いて注入することを含み、前記収集チャンバが前記針および前記注射カニューレのうちの前記少なくともひとつ用のローディングチャンバとして構成される。
前記収集することが、前記ドナーサイトから前記複数の真皮プラグを取り出すことを含む。
前記刻むことが、少なくともひとつのブレードで前記真皮プラグを刻むことを含む。
前記刻むことが、手動刻みおよび電動刻みのうちの少なくともひとつを含む。
前記刻むことが回転刻みを含む。
前記刻むことが往復刻みを含む。
前記刻むことが振動刻みを含む。
前記刻むことが圧縮刻みを排除する。
前記刻むことが圧縮細分化を含む。
前記注入可能フィラーを形成することが、前記刻まれた真皮プラグとキャリアとを混ぜることを含む。
キャリアが流体を含む。
キャリアがジェルを含む。
キャリアがヒアルロン酸を含む。
キャリアがハイドロジェルを含む。
キャリアが生理食塩水を含む。
キャリアが生体活性剤を含む。
前記生体活性剤が真皮成長因子を含む。
方法は、前記注入可能フィラーを遠心分離することを含む。
前記注入することがシリンジから注入することを含む。
前記注入することが前記取り除くことと同時に行われる。
前記注入することが前記取り除くことと同じ手順中に行われる。
前記ドナーサイトが、より大きな作業サイト内のフィールドを含む。
前記ドナーサイトを特定することが、前記ドナーサイト内の作業サイトにテンプレートを適用することを含む。
前記テンプレートが前記作業サイトをマークするよう構成される。
前記テンプレートが多孔性および周辺ノッチのうちの少なくともひとつを含む。
前記多孔性が前記複数の真皮プラグの少なくともひとつの密度を示すよう構成される。
前記周辺ノッチが前記テンプレートの後の適用を方向付けるよう構成される。
前記マークすることが、インクおよび染料のうちの少なくともひとつで前記多孔性を通じて前記作業サイトをマークすることを含む。
前記マークすることが、前記多孔性を通じた直接部分的マーキング切除を含む。
方法は、前記取り入れることに続いて、前記ターゲットサイトに少なくともひとつの包帯を適用することを含む。
前記少なくともひとつの包帯は前記ターゲットサイトを閉じるために力を印加する。
前記少なくともひとつの包帯は前記ターゲットサイトにおける閉じ方の方向を制御するために方向性の力を印加する。
前記注入することが、前記レシピエントサイトに、前記注入可能フィラーのためのポケットを生成することを含む。
方法は、前記注入可能フィラーを前記ポケットに置くことを含む。
前記注入することが、前記針を進めて前記注入可能フィラーを注入することを含む。
前記注入することが、針および注射カニューレのうちの少なくともひとつを前記レシピエントサイトの隣の領域に進めることで前記ポケットを生成することを含む。
前記注入することが、前記注入可能フィラーを注入している間に前記針を前記ポケットから後退させることを含む。
前記レシピエントサイトが審美的異形を含む。
前記レシピエントサイトがすじ、しわおよびたるみのうちの少なくともひとつを含む。
前記レシピエントサイトが上唇の紅斑皮膚接合部を含む。
前記レシピエントサイトが瘢痕および凹んだ瘢痕うちの少なくともひとつを含む。
前記レシピエントサイトが、輪郭奇形、軟組織輪郭奇形および外傷後凹状輪郭奇形のうちの少なくともひとつを含む。
前記レシピエントサイトが、尿道および膀胱のうちの少なくともひとつに隣接する少なくともひとつのサイトを含む。
前記レシピエントサイトが食道括約筋の隣の少なくともひとつサイトを含む。
前記レシピエントサイトが声帯の隣の少なくともひとつのサイトを含む。
実施の形態は、対象のドナーサイト内の前記表皮の一部を取り除くことを含む方法を含む。方法は、前記ドナーサイト内の複数の真皮プラグを取り入れることを含む。方法は、前記真皮プラグを刻むことによって注入可能フィラーを形成することを含む。方法は、前記対象のレシピエントサイトへの注入用に前記注入可能フィラーを構成することを含む。前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる。
実施の形態は、対象のドナーサイト内の前記表皮の一部を取り除くことと、前記ドナーサイト内の複数の真皮プラグを取り入れることと、前記真皮プラグを刻むことによって注入可能フィラーを形成することと、前記対象のレシピエントサイトへの注入用に前記注入可能フィラーを構成することであって、前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる、構成することと、を含む方法を含む。
実施の形態は、対象のドナーサイトから皮膚を切除することを含む方法を含む。方法は、前記切除された皮膚から前記表皮の一部を取り除くことを含む。方法は、皮下脂肪組織を取り除くことによって前記切除された皮膚の真皮層を分離することを含む。方法は、前記真皮層を刻むことによって注入可能フィラーを形成することを含む。方法は、前記対象のレシピエントサイトに前記注入可能フィラーを注入することを含む。前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる。
実施の形態は、対象のドナーサイトから皮膚を切除することと、前記切除された皮膚から前記表皮の一部を取り除くことと、皮下脂肪組織を取り除くことによって前記切除された皮膚の真皮層を分離することと、前記真皮層を刻むことによって注入可能フィラーを形成することと、前記対象のレシピエントサイトに前記注入可能フィラーを注入することであって、前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる、注入することと、を含む方法を含む。
実施の形態は、ドナーサイトにおいて対象の組織から取り入れられた複数の真皮プラグを含む組成物を含む。真皮プラグは刻まれる。前記組成物が、流体およびジェルのうちの少なくともひとつを含むキャリアを含む前記キャリアが前記刻まれた真皮プラグと混ぜ合わされることによって注入可能フィラーが形成される。前記注入可能フィラーが前記対象への注入用に構成される。
実施の形態は、ドナーサイトにおいて対象の組織から取り入れられた複数の真皮プラグを含む組成物を含む。真皮プラグは刻まれる。組成物は、流体およびジェルのうちの少なくともひとつを含むキャリアであって、前記キャリアが前記刻まれた真皮プラグと混ぜ合わされることによって注入可能フィラーが形成され、前記注入可能フィラーが前記対象への注入用に構成される、キャリアを含む。
前記注入可能フィラーが生体自家真皮マトリクス(LADMIX)注入可能フィラーを含む。
前記注入可能フィラーが生体線維芽細胞を含む。
前記複数の真皮プラグが複数のドナーサイトから取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが前記対象から直接的に取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが、前記対象から前記組織が取り除かれることに続いて、前記組織から取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが前記表皮を含まない。
前記表皮が前記ドナーサイトの少なくともひとつの領域において取り除かれる。
前記表皮が、前記少なくともひとつの領域内の真皮から前記表皮を剥離させることにより取り除かれる。
前記剥離させることが皮膚を水ぶくれさせることを含む。
前記剥離させることが振動剪断を含む。
前記振動剪断が真空および加熱のうちの少なくともひとつを含む。
前記剥離させることが体表注射を含む。
前記体表注射が生理食塩水および麻酔のうちの少なくともひとつを含む。
前記表皮が皮膚切除により取り除かれる。
前記複数の真皮プラグが、ドナーサイトの少なくともひとつの領域から少なくともひとつの真皮プラグを部分的に切除することにより取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが、前記ドナーサイトの複数の領域のそれぞれから少なくともひとつの真皮プラグを部分的に切除することにより取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが、前記ドナーサイトにおける少なくともひとつの部分的切除の適用を介して取り入れられる。
前記少なくともひとつの部分的切除の適用は、前記ドナーサイトにおいて千鳥状部分的切除を適用することを含む。
前記少なくともひとつの部分的切除の適用は、第1部分的切除を適用することと、第2部分的切除を適用することと、を含む。
前記第1部分的切除の適用が表皮の切除を含む。
前記第2部分的切除の適用が真皮を通じた部分的切除を含む。
前記第2部分的切除が前記真皮を通じた部分的厚さ部分的切除を含む。
前記第2部分的切除が前記真皮を通じた全層部分的切除を含む。
前記第2部分的切除の適用の部分的欠損皮膚エッジが、前記第1部分的切除の適用の前記部分的欠損皮膚エッジに対して追加的なクリアランスを含む。
少なくともひとつのスカルペットが前記少なくともひとつのドナー領域に挿入され、完全に挿入された場合、回転する。
スカルペットアセンブリを含むハウジングがドナーサイトに位置決めされ、前記スカルペットアセンブリがスカルペットアレイと少なくともひとつのガイドプレートとを含み、前記スカルペットアレイが複数のスカルペットを含み、前記少なくともひとつのガイドプレートが前記複数のスカルペット構成を維持する。
前記スカルペットアレイのうちの少なくともひとつのスカルペットは、前記スカルペットの遠位端に切断面を含む円柱形スカルペットを含む。
前記スカルペットアレイが前記ドナーサイトにおいて前記ハウジングから組織の中へ出され、前記複数の真皮プラグが前記ドナーサイトにおいて生成される。
前記複数のスカルペットの少なくともひとつの集合が回転する。
前記複数の真皮プラグが、前記複数のスカルペットの複数のルーメンを通じて受動的に押し出される。
前記複数の真皮プラグが前記ドナーサイトにおいて真空によって捕らえられ、前記真空は雰囲気圧力よりも相対的に低い圧力を含む。
前記スカルペットアレイは、前記ドナーサイトから前記ハウジングへと後退する。
前記複数の真皮プラグが粘着基板を用いて捕らえられる。
前記切開真皮プラグが切断部材を用いて横切される。
スカルペットアレイがドナーサイトに適用され、前記スカルペットアレイがインベスティングプレート上に配置された複数のスカルペットを含む。
前記複数の真皮プラグが、前記ドナーサイトを含む下方の皮膚表面において前記スカルペットアレイによって印加される負荷を介して、前記ドナーサイトにおいて周状に切開される。
前記負荷がデルマトームで印加される。
前記デルマトームがフラットデルマトームおよびドラムデルマトームうちの少なくともひとつを含む。前記複数の真皮プラグが前記スカルペットアレイを通じて押し出され、前記複数の真皮プラグが粘着基板上に捕らえられる。
前記粘着基板が前記デルマトームに結合されている。
前記スカルペットアレイを通じて押し出された前記複数の真皮プラグのベースが横切される。
前記スカルペットアレイを通じて押し出された前記複数の真皮プラグのベースが、前記ドラムデルマトームに結合された切断部材で横切される。
前記複数の真皮プラグは、前記スカルペットアレイに結合された収集チャンバに集められる。
前記収集チャンバが、前記複数の真皮プラグを受けること、前記複数の真皮プラグを集めること、前記複数の真皮プラグを刻むこと、前記複数の真皮プラグをキャリアと混ぜること、および前記複数の真皮プラグを含む組成体を針および注射カニューレのうちの少なくともひとつに搭載するためのチャンバを搭載することのうちの少なくともひとつのために構成される。
前記収集チャンバが加圧チャンバおよび非加圧チャンバうちの少なくともひとつを含む。
前記複数の真皮プラグが前記収集チャンバ内で刻まれる。
前記複数の真皮プラグが回転ブレードで刻まれる。
前記キャリアが前記刻まれた真皮プラグと、前記収集チャンバ内で混ぜられる。
針および注射カニューレのうちの少なくともひとつが注入のために用いられ、前記収集チャンバが前記針および前記注射カニューレのうちの前記少なくともひとつ用のローディングチャンバとして構成される。
前記複数の真皮プラグが少なくともひとつのブレードで刻まれる。
前記刻むことが、手動刻みおよび電動刻みのうちの少なくともひとつを含む。
前記刻むことが、回転刻み、往復刻み、振動刻み、および圧縮細分化のうちの少なくともひとつを含む。
前記刻むことが圧縮刻みを排除する。
前記キャリアが流体およびジェルうちの少なくともひとつを含む。
前記キャリアがヒアルロン酸、ハイドロジェルおよび生理食塩水のうちの少なくともひとつを含む。
キャリアが生体活性剤を含む。
前記生体活性剤が真皮成長因子を含む。
前記注入可能フィラーが遠心分離される。
前記注入可能フィラーがシリンジから注入される。
前記注入可能フィラーが前記複数の真皮プラグの取り入れと同じ手順中に注入される。
前記ドナーサイトが、より大きな作業サイト内のフィールドを含む。
前記ドナーサイトにテンプレートが適用され、前記複数の真皮プラグは前記ドナーサイトにおいて取り入れられる。
前記ドナーサイトが前記テンプレートを用いてマークされる。
前記テンプレートが多孔性および周辺ノッチのうちの少なくともひとつを含む。
前記多孔性が前記複数の真皮プラグの少なくともひとつの密度を示す。
前記周辺ノッチが前記テンプレートの後の適用を方向付ける。
前記ドナーサイトが、インクおよび染料のうちの少なくともひとつで前記多孔性を通じてマークされる。前記ドナーサイトが、前記多孔性を通じた直接部分的マーキング切除を用いてマークされる。
前記複数の真皮プラグの取り入れに続いて、前記ドナーサイトに少なくともひとつの包帯が適用される。
前記少なくともひとつの包帯によって閉塞力が印加される。
前記少なくともひとつの包帯によって方向性の力が印加されることによって、前記閉塞の方向が制御される。
前記注入可能フィラーが前記対象のレシピエントサイトへ注入されるように構成され、前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる。
前記レシピエントサイトに、前記注入可能フィラーを受けるためのポケットが生成される。
針および注射カニューレのうちの少なくともひとつを前記レシピエントサイトの隣の領域に進めるときに、前記ポケットが生成される。
前記針および前記注射カニューレのうちの前記少なくともひとつを用いて前記注入可能フィラーが前記ポケット内に注入される。
前記レシピエントサイトが、審美的異形、すじ、しわ、たるみ上唇の紅斑皮膚接合部、瘢痕、凹状瘢痕、輪郭奇形、軟組織輪郭奇形、外傷後凹状輪郭奇形、尿道および膀胱のうちの少なくともひとつに隣接する少なくともひとつのサイト、食道括約筋の隣の少なくともひとつサイト、および声帯の隣の少なくともひとつのサイトのうちの少なくともひとつを含む。
実施の形態は、ハウジングの近位端に取り外し可能に係合するよう構成されたハンドピースを含むシステムを含む。前記ハンドピースが駆動システムを含む。システムは、前記ハウジングの遠位端および前記駆動システムに取り外し可能に係合するよう構成されたスカルペットアセンブリを含む。前記スカルペットアセンブリが前記駆動システムから伝達される力を用いて回転するよう構成された複数のスカルペットを含むスカルペットアレイを含む。前記スカルペットアレイが部分的切除を介してドナーサイトから複数の真皮プラグを取り入れるよう構成される。システムは、前記ハウジングに係合する収集チャンバであって、前記スカルペットアセンブリによって生成された前記複数の真皮プラグを集めるよう構成される収集チャンバを含む。
前記収集チャンバがさらに、前記真皮プラグを刻み前記真皮プラグをキャリアと混ぜることによる注入可能フィラーの形成を収容するよう構成される。前記注入可能フィラーが前記対象への注入用に構成される。
実施の形態は、ハウジングの近位端に取り外し可能に係合するよう構成されたハンドピースであって、前記ハンドピースが駆動システムを含む、ハンドピースと、前記ハウジングの遠位端および前記駆動システムに取り外し可能に係合するよう構成されたスカルペットアセンブリであって、前記スカルペットアセンブリが前記駆動システムから伝達される力を用いて回転するよう構成された複数のスカルペットを含むスカルペットアレイを含み、前記スカルペットアレイが部分的切除を介してドナーサイトから複数の真皮プラグを取り入れるよう構成される、スカルペットアセンブリと、前記ハウジングに係合する収集チャンバであって、前記収集チャンバが前記スカルペットアセンブリによって生成された前記複数の真皮プラグを集めるよう構成され、前記収集チャンバがさらに、前記真皮プラグを刻み前記真皮プラグをキャリアと混ぜることによる注入可能フィラーの形成を収容するよう構成され、前記注入可能フィラーが前記対象への注入用に構成される、収集チャンバと、を備えるシステムを含む。
前記注入可能フィラーが生体自家真皮マトリクス(LADMIX)注入可能フィラーを含む。
前記注入可能フィラーが生体線維芽細胞を含む。
前記キャリアが流体およびジェルうちの少なくともひとつを含む。
前記キャリアがヒアルロン酸、ハイドロジェルおよび生理食塩水のうちの少なくともひとつを含む。
キャリアが生体活性剤を含む。
前記生体活性剤が真皮成長因子を含む。
前記ハウジングが真空源への結合用に構成された真空ポートを含み、前記真空が雰囲気圧力よりも相対的に低い圧力を含み、前記ハウジングが前記真空を用いて前記複数の真皮プラグを捕らえるよう構成される。
前記複数の真皮プラグが前記収集チャンバに集められる。
前記収集チャンバが加圧チャンバおよび非加圧チャンバうちの少なくともひとつを含む。
システムは前記ハウジングの前記遠位端に取り外し可能に係合するよう構成されたエンドキャップを備え、前記エンドキャップが医療機器のうちの少なくともひとつに係合するよう構成されたフィッティングとプラグとを含み、前記エンドキャップが前記複数の真皮プラグの収集の後に前記スカルペットアセンブリと置き換わる。
前記フィッティングがルアーテーパーフィッティングを含む。
システムは、前記駆動システムから伝達される力を用いた回転のために前記駆動システムに取り外し可能に係合するよう構成された刻みブレードを備え、前記刻みブレードが前記複数の真皮プラグの収集の後に前記スカルペットアセンブリと置き換わる。
前記複数の真皮プラグが前記収集チャンバ内で刻まれる。
前記刻みブレードが少なくともひとつのブレードを含む。
前記刻みブレードが複数のブレードを含む。
前記刻むことが、回転刻み、往復刻み、振動刻み、および圧縮細分化のうちの少なくともひとつを含む。
前記刻むことが圧縮刻みを排除する。
前記収集チャンバが、前記真皮プラグを含む組成体を、前記フィッティングに係合されたシリンジおよび注射カニューレのうちの少なくともひとつに搭載するよう構成される。
前記シリンジおよび前記注射カニューレのうちの前記少なくともひとつが前記注入の用に供される。
前記注入可能フィラーが前記複数の真皮プラグの前記取り入れと同じ手順中に注入される。
前記注入可能フィラーが前記対象のレシピエントサイトへ注入されるように構成され、前記レシピエントサイトが前記ドナーサイトとは異なる。
前記レシピエントサイトに、前記注入可能フィラーを受けるためのポケットが生成される。
針および注射カニューレのうちの少なくともひとつを前記レシピエントサイトの隣の領域に進めるときに、前記ポケットが生成される。
前記針および前記注射カニューレのうちの前記少なくともひとつを用いて前記注入可能フィラーが前記ポケット内に注入される。
前記レシピエントサイトが、審美的異形、すじ、しわ、たるみ上唇の紅斑皮膚接合部、瘢痕、凹状瘢痕、輪郭奇形、軟組織輪郭奇形、外傷後凹状輪郭奇形、尿道および膀胱のうちの少なくともひとつに隣接する少なくともひとつのサイト、食道括約筋の隣の少なくともひとつサイト、および声帯の隣の少なくともひとつのサイトのうちの少なくともひとつを含む。
前記スカルペットアレイが前記ドナーサイトにおいて前記ハウジングから組織の中へ出され、前記複数の真皮プラグが前記ドナーサイトにおいて生成される。
前記複数の真皮プラグが、前記複数のスカルペットの複数のルーメンを通じて受動的に押し出される。
前記複数の真皮プラグが複数のドナーサイトから取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが前記表皮を含まない。
前記表皮が前記ドナーサイトの少なくともひとつの領域において取り除かれる。
前記表皮が、前記少なくともひとつの領域内の真皮から前記表皮を剥離させることにより取り除かれる。
前記剥離させることが皮膚を水ぶくれさせることを含む。
前記剥離させることが振動剪断を含む。
前記振動剪断が真空および加熱のうちの少なくともひとつを含む。
前記剥離させることが体表注射を含む。
前記体表注射が生理食塩水および麻酔のうちの少なくともひとつを含む。
前記表皮が皮膚切除により取り除かれる。
前記複数の真皮プラグが、前記ドナーサイトの少なくともひとつの領域から少なくともひとつの真皮プラグを部分的に切除することにより取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが、前記ドナーサイトの複数の領域のそれぞれから少なくともひとつの真皮プラグを部分的に切除することにより取り入れられる。
前記複数の真皮プラグが、前記ドナーサイトにおける少なくともひとつの部分的切除の適用を介して取り入れられる。
前記少なくともひとつの部分的切除の適用は、前記ドナーサイトにおいて千鳥状部分的切除を適用することを含む。
前記少なくともひとつの部分的切除の適用は、第1部分的切除を適用することと、第2部分的切除を適用することと、を含む。
前記第1部分的切除の適用が表皮の切除を含む。
前記第2部分的切除の適用が真皮を通じた部分的切除を含む。
前記第2部分的切除が前記真皮を通じた部分的厚さ部分的切除を含む。
前記第2部分的切除が前記真皮を通じた全層部分的切除を含む。
前記第2部分的切除の適用の部分的欠損皮膚エッジが、前記第1部分的切除の適用の前記部分的欠損皮膚エッジに対して追加的なクリアランスを含む。
少なくともひとつのスカルペットが前記ドナーサイトに挿入され、完全に挿入された場合、回転する。
前記ドナーサイトが、より大きな作業サイト内のフィールドを含む。
システムは、前記ドナーサイトへの適用用に構成されたテンプレートを備える。
前記ドナーサイトが前記テンプレートを用いてマークされる。
前記テンプレートが多孔性および周辺ノッチのうちの少なくともひとつを含む。
前記多孔性が前記複数の真皮プラグの少なくともひとつの密度を示す。前記周辺ノッチが前記テンプレートの後の適用を方向付ける。
前記ドナーサイトが、インクおよび染料のうちの少なくともひとつで前記多孔性を通じてマークされる。前記ドナーサイトが、前記多孔性を通じた直接部分的マーキング切除を用いてマークされる。
システムは、前記複数の真皮プラグの取り入れに続いての前記ドナーサイトへの適用のために構成された少なくともひとつの包帯を備える。
前記少なくともひとつの包帯は閉塞力を印加するよう構成される。
前記少なくともひとつの包帯は前記閉塞の方向を制御するために方向性の力を印加するよう構成される。
前記駆動システムはギア駆動システムを含む。
前記駆動システムは、前記複数のスカルペットのうちの少なくともひとつの集合の圧縮コンポーネントを通じて摩擦力を生成するよう構成される摩擦駆動システムを含み、前記摩擦力は前記複数のスカルペットのうちの少なくともひとつの集合を回転させるよう構成される。
前記駆動システムはらせん状駆動システムを含む。
前記駆動システムは、前記スカルペットアレイのスロットコンポーネントと係合するよう構成された駆動ロッドを含むスロット駆動システムを含み、前記駆動ロッドは前記スカルペットアレイに対する上下運動用に構成される。
前記駆動システムは、前記スカルペットアレイの少なくともひとつのスカルペットを振動させるよう構成された振動性駆動システムを含む。
前記スカルペットアセンブリは、前記ターゲットサイトに軸方向の力を伝えるよう構成される。前記軸方向の力は連続的な軸方向の力および衝撃力を含む。
前記スカルペットアレイのうちの少なくともひとつのスカルペットは、前記スカルペットの遠位端に切断面を含む円柱形スカルペットを含む。
前記切断面は鋭いエッジを含む。
前記切断面は鋸歯状のエッジを含む。
前記切断面は少なくともひとつの曲率を含む。
システムは、前記スカルペットアレイに結合された振動システムを含む。
システムは、前記スカルペットアレイに係合された電磁システムであって、前記スカルペットアレイに電磁エネルギを作用させるよう構成された電磁システムを備え、前記電磁エネルギは、無線周波数(RF)エネルギ、レーザエネルギおよび超音波エネルギのうちの少なくともひとつを含む。
文脈が明示的にそうでないことを要求しない限り、説明全体を通して、「備える(「comprise」)」及び「備えている(「comprising」)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味において、すなわち、「含むが、それらに限定されるわけではない」の意味において解釈される。単数又は複数を用いる言葉は、それぞれ、複数又は単数も包含する。さらに、「本明細書において」、「以下に」、「上記に」、「下記に」、及び同様の意味を有する単語は、本願において使用される場合、本願全体を指し、本願の特定の部分を指すものではない。「又は」なる単語が、2つ以上の項目のリストを参照して使用される場合、その単語は、当該単語の以下の解釈の全てを網羅する;リストにおける項目のいずれか、リストの項目の全て、及びリストの項目の任意の組み合わせ。
実施形態の上記の説明は、網羅的であることも、開示された厳密な形態に当該システム及び方法を限定することも、意図しない。例示目的のために、医療デバイス及び方法の具体的な実施形態及び実施例について、本明細書において説明しているが、当業者が認識するであろうように、当該システム及び方法の範囲内において様々な等価な変更が可能である。本明細書において提供される医療デバイス及び方法についての教示は、上記において説明されるシステム及び方法だけではなく、他のシステム及び方法にも適用することができる。
上記において説明される様々な実施の形態の要素又は行為は、さらなる実施の形態を提供するために組み合わせることができる。上記の詳細な説明を考慮して、医療デバイス及び方法に対してこれらの変更又は他の変更を為すことができる。
概して、以下のクレームにおいて、使用される用語は、当該医療デバイス及び方法並びに対応するシステム及び方法を、本明細書及びクレームにおいて開示される具体的な実施の形態に限定すると解釈すべきではなく、クレーム下において作動する全てのシステムを包含すると解釈すべきである。したがって、当該医療デバイス及び方法並びに対応するシステム及び方法は、本開示によって限定されないが、その代わりに、その範囲はクレームによって完全に決定される。
当該医療デバイス及び方法並びに対応するシステム及び方法のある特定の態様が、ある特定の請求項形態において下記に提示されているが、本発明者らは、あらゆる請求項形態において当該医療デバイス及び方法並びに対応するシステム及び方法の様々な態様を想定する。したがって、本発明者らは、当該医療デバイス及び方法並びに対応するシステム及び方法の他の態様のための追加の請求項形態を追求するために、本願の出願後にさらなるクレームを追加する権利を保有する。