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JP2016162945A - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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JP2016162945A JP2015042039A JP2015042039A JP2016162945A JP 2016162945 A JP2016162945 A JP 2016162945A JP 2015042039 A JP2015042039 A JP 2015042039A JP 2015042039 A JP2015042039 A JP 2015042039A JP 2016162945 A JP2016162945 A JP 2016162945A
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【課題】電界集中を緩和させる技術を提供する。【解決手段】半導体装置の製造方法であって、六方晶の半導体により形成された第1のN型半導体層に、{11−20}面(等価な面を含む)(以下、「a面」とも呼ぶ)を側面とする凸部を形成する第1の工程と、前記第1のN型半導体層の上に、六方晶の半導体によりP型半導体層を形成する第2の工程と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置として、高い電界破壊強度が得られるパワーデバイスが知られている(例えば、特許文献1)。
特許第4798119号公報
こうしたパワーデバイスとして用いられる半導体装置では、トレンチゲート構造を採用する場合に、トレンチ内に形成されるゲート酸化膜で電界集中が起こる可能性がある。そこで、特許文献1に記載された技術では、トレンチの側面から所定距離だけ離れた位置に、トレンチと同じもしくはトレンチよりも深いp型ディープ層を設けることにより、ゲート絶縁膜での電界集中を緩和している。
しかし、特許文献1に記載された技術では、トレンチ内における電界集中を緩和することは可能であるものの、p型ディープ層の底面において、トレンチ側の角に電界が集中する可能性がある。このため、より電界集中を緩和させることが可能な技術が望まれていた。そのほか、従来の半導体装置においては、その小型化や、省資源化、製造の容易化、製造の精確さ、作業性の向上等が望まれていた。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、六方晶の半導体により形成された第1のN型半導体層に、{11−20}面(等価な面を含む)を側面とする凸部を形成する第1の工程と、前記第1のN型半導体層の上に、六方晶の半導体によりP型半導体層を形成する第2の工程と、を備える。この形態の製造方法によれば、凸部の側面下方のP型半導体層内部にN型の突起部が形成される。このため、P型半導体層内に形成される空乏層端が凸部側面下方から遠ざかり、凸部側面下方における電界集中を緩和できる。この結果、この形態の製造方法によれば、半導体装置の電界集中を緩和できる。
(2)上記形態の半導体装置の製造方法において、前記第1の工程と、前記第2の工程とは、異なる装置によって行われてもよい。
(3)上記形態の半導体装置の製造方法において、前記第2の工程は、MOCVD法により行われてもよい。
(4)本発明の一形態によれば、半導体装置が提供される。この半導体装置は、六方晶の半導体により形成された第1のN型半導体層と、前記第1のN型半導体層の上に積層され、六方晶の半導体により形成されたP型半導体層と、前記P型半導体層を貫通して前記第1のN型半導体層に至る溝部と、を備え、前記第1のN型半導体層は、前記溝部の周囲を覆うように形成された凸部を備え、前記凸部の側面は{11−20}面(等価な面を含む)であって、前記凸部は側面下方に突起部を備える。この形態の半導体装置によれば、凸部の側面下方のP型半導体層内部にN型の突起部を備えるため、P型半導体層内に形成される空乏層端が凸部側面下方から遠ざかり、凸部側面下方における電界集中を緩和できる。この結果、半導体装置の電界集中を緩和できる。
(5)上記形態の半導体装置において、前記P型半導体層は、主に、ガリウムを含む窒化物半導体により形成されてもよい。
(6)上記形態の半導体装置において、前記P型半導体層は、主に、窒化ガリウムにより形成されてもよい。
(7)上記形態の半導体装置において、前記P型半導体層は、マグネシウム(Mg)をP型不純物として含有してもよい。
(8)上記形態の半導体装置において、前記P型半導体層は、前記凸部の上面を覆っていてもよい。
(9)上記形態の半導体装置において、さらに、前記P型半導体層の上に積層され、六方晶の半導体により形成された第2のN型半導体層を備えてもよい。
(10)上記形態の半導体装置において、前記第2のN型半導体層の不純物濃度は、前記第1のN型半導体層の不純物濃度よりも高くてもよい。
(11)上記形態の半導体装置において、前記第1のN型半導体層および前記第2のN型半導体層に含まれる不純物は、ケイ素でもよい。
(12)上記形態の半導体装置において、前記凸部の厚みは、前記凸部の上面における前記P型半導体層の厚みより大きくしてもよい。
(13)上記形態の半導体装置において、前記P型半導体層の不純物濃度は、前記第1のN型半導体層の不純物濃度よりも高くしてもよい。
(14)上記形態の半導体装置において、前記凸部を除く前記第1のN型半導体層の厚みは、10μm以上であり20μm未満としてもよい。
(15)上記形態の半導体装置において、さらに、前記第1のN型半導体層の下に、六方晶の半導体により形成された第3のN型半導体層を備えてもよい。
(16)上記形態の半導体装置において、前記第1のN型半導体層は、主に、ガリウムを含む窒化物半導体により形成されていてもよい。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、半導体装置およびその製造方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、本願発明は、上記形態の半導体装置が組み込まれた電気機器、上記形態の半導体装置を製造する製造装置などの形態で実現することができる。
この形態の製造方法によれば、凸部の側面下方のP型半導体層内部にN型の突起部が形成される。このため、P型半導体層内に形成される空乏層端が凸部側面下方から遠ざかり、凸部側面下方における電界集中を緩和できる。この結果、この形態の製造方法によれば、半導体装置の電界集中を緩和できる。
第1実施形態における半導体装置10の構成を模式的に示す断面図。 +X軸方向側から見たときの溝部184と凸部122の関係を模式的に示す図。 突起部125を備えることによって、電界集中を緩和できるという効果が得られる理由を説明する図。 半導体装置10の製造方法を示す工程図。 半導体層の形成工程(工程P100)を示す工程図。 工程P105の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P110の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P115の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P120の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P125の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P130の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P135の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P140の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P145の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 工程P150の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図。 凸部122の側面をm面とした半導体装置と、凸部122の側面をa面とした半導体装置との断面SCM(Scanning Capacitance Microscopy)像を示す図。 凸部122の側面下方の領域tにおける電界集中の程度をシミュレーションした図。
A.第1実施形態:
A1.半導体装置10の構成:
図1は、第1実施形態における半導体装置10の構成を模式的に示す断面図である。半導体装置10は、六方晶の半導体を用いて形成されたGaN系の半導体装置である。本実施形態では、半導体装置10は、トレンチゲート型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、電力制御に用いられ、パワーデバイスとも呼ばれる。本実施形態においては、六方晶の半導体として窒化ガリウム(GaN)を用いる。
半導体装置10は、基板110と、N型半導体層120と、P型半導体層130と、N型半導体層140と、電極210,230,240,250と、絶縁膜340とを備える。半導体装置10は、NPN型の半導体装置であり、N型半導体層120とP型半導体層130とN型半導体層140とが順に接合した構造を有する。なお、「基板110」は、「半導体基板110」とも呼び、「N型半導体層120」は、「第1のN型半導体層120」とも呼び、「N型半導体層140」は、「第2のN型半導体層140」とも呼ぶ。
半導体装置10のN型半導体層120、P型半導体層130、およびN型半導体層140は、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)による結晶成長によって形成された半導体層である。半導体装置10には、ドライエッチングによって、凹部182と、溝部184と、凹部186とが形成されている。
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸のうち、X軸は、基板110に対してN型半導体層120が積層する積層方向に沿った軸である。X軸に沿ったX軸方向のうち、+X軸方向は、基板110からN型半導体層120に向かう方向であり、−X軸方向は、+X軸方向に対向する方向である。図1のXYZ軸のうち、Y軸およびZ軸は、X軸に直交すると共に相互に直交する軸である。Y軸に沿ったY軸方向のうち、+Y軸方向は、図1の紙面左から紙面右に向かう方向であり、−Y軸方向は、+Y軸方向に対向する方向である。Z軸に沿ったZ軸方向のうち、+Z軸方向は、図1の紙面手前から紙面奥に向かう方向であり、−Z軸方向は、+Z軸方向に対向する方向である。
半導体装置10の基板110は、Y軸およびZ軸によって規定される面方向に沿って広がる半導体層である。本実施形態では、基板110は、窒化ガリウム(GaN)から主に形成され、N型半導体層120よりも高い濃度でゲルマニウム(Ge)、酸素(O)、ケイ素(Si)などのN型不純物をドナーとして含有する。「基板110」は、N型半導体層120の下(−X軸方向側)に配されており、「第3のN型半導体層」とも呼ぶ。なお、窒化ガリウム(GaN)から主に形成されるとは、モル分率において、窒化ガリウム(GaN)を90%以上含有することを示す。
半導体装置10のN型半導体層120は、基板110の+X軸方向側に積層され、Y軸およびZ軸によって規定される面方向に沿って広がる半導体層である。N型半導体層120は、主に、ガリウム(Ga)を含む窒化物半導体により形成されている。本実施形態において、P型半導体層130は、主に、窒化ガリウム(GaN)から形成されている。N型半導体層120は、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。N型半導体層120は、「n-−GaN」とも呼ばれる。
半導体装置10のP型半導体層130は、N型半導体層120の+X軸方向側に積層され、Y軸およびZ軸によって規定される面方向に沿って広がる半導体層である。P型半導体層130は、主に、ガリウム(Ga)を含む窒化物半導体により形成されている。本実施形態において、P型半導体層130は、主に、窒化ガリウム(GaN)から形成されている。P型半導体層130は、マグネシウム(Mg)をP型不純物として含有する。P型半導体層130の不純物濃度は、N型半導体層120の不純物濃度よりも高い。P型半導体層130は、「p−GaN」とも呼ばれる。
半導体装置10のN型半導体層140は、P型半導体層130の+X軸方向側に積層され、Y軸およびZ軸によって規定される面方向に沿って広がる半導体層である。N型半導体層140は、窒化ガリウム(GaN)から主に形成されている。N型半導体層140は、ケイ素(Si)をN型不純物として含有する。つまり、N型半導体層120およびN型半導体層140に含まれる不純物は、ケイ素(Si)である。N型半導体層140の不純物濃度は、N型半導体層120の不純物濃度よりも高い。N型半導体層140は、「n+−GaN」とも呼ばれる。
半導体装置10の凹部182は、ドライエッチングによって形成され、N型半導体層140の+X軸方向側からP型半導体層130が露出した部位である。
半導体装置10の溝部184は、ドライエッチングによって形成され、N型半導体層140の+X軸方向側からP型半導体層130を貫通しN型半導体層120にまで窪んだ部位である。溝部184は、トレンチ(trench)とも呼ばれる。溝部184が、「課題を解決するための手段」における「溝部」に相当する。本実施形態では、溝部184は、凹部182の+Y軸方向側に位置する。
溝部184の表面には、N型半導体層140の+X軸方向側に至るまで、絶縁膜340が形成されている。本実施形態では、絶縁膜340は、二酸化ケイ素(SiO2)から形成される。
半導体装置10の凹部186は、ドライエッチングによって形成され、N型半導体層140の+X軸方向側からP型半導体層130を貫通しN型半導体層120にまで窪んだ部位である。凹部186は、半導体素子を分離するために設けられた領域である。本実施形態では、凹部186は、溝部184の−Y軸方向側に位置する。
半導体装置10の電極210は、基板110の−X軸方向側に形成されたドレイン電極である。本実施形態では、電極210は、チタン(Ti)から形成される層にアルミニウム(Al)から形成される層を積層した後に焼成することによって形成される。
半導体装置10の電極230は、凹部182の内側に露出するP型半導体層130に形成されたボディ電極である。本実施形態では、電極230は、パラジウム(Pd)から形成される層を積層した後に焼成することによって形成される。
半導体装置10の電極240は、凹部182と溝部184との間におけるN型半導体層140の+X軸方向側に形成されたソース電極である。本実施形態では、電極240は、チタン(Ti)から形成される層にアルミニウム(Al)から形成される層を積層した後に焼成することによって形成される。
半導体装置10の電極250は、溝部184における絶縁膜340上に形成されたゲート電極である。本実施形態では、電極250は、アルミニウム(Al)から形成される。
N型半導体層120は、溝部184の周囲を覆うように形成された凸部122を備える。本実施形態において、P型半導体層130は、凸部122の上面を覆っている。凸部122の厚みは、凸部122の上面におけるP型半導体層130の厚みより大きい。本実施形態において、凸部122を除くN型半導体層120の厚みは、10μm以上であり20μm未満である。
図2は、+X軸方向側から見たときの溝部184と凸部122の関係を模式的に示す図である。図2に示すように、溝部184は、溝部184の底面が六角形を描くように形成されている。凸部122の側面は、いずれも{11−20}面(等価な面を含む)(以下、「a面」とも呼ぶ)である。そして、図1に示すように、凸部122は、側面下方のP型半導体層130内部にN型の突起部125を備える。突起部125を備えることにより、P型半導体層130内部の空乏層端が凸部122側面下方から遠ざかり、凸部122の側面下方における電界集中を緩和できる。
図3は、突起部125を備えることによって、電界集中を緩和できるという効果が得られる理由を説明する図である。図3(A)は、凸部122と突起部125とを備えない半導体装置10bを模式的に示す断面図である。半導体装置10bは、半導体装置10と比較して、凸部122と突起部125とを備えていない点で異なるがそれ以外では同じである。半導体装置10bにおいては、絶縁膜340の側面下方の領域である領域sにおいて電界が集中する。
図3(B)は、突起部125を備えない半導体装置10cを模式的に示す断面図である。半導体装置10cは、半導体装置10と比較して、突起部125を備えていない点で異なるがそれ以外では同じである。半導体装置10cにおいて、絶縁膜340の側面下方の領域である領域sおよび凸部122の側面下方の領域である領域tにおいて電界が集中する。つまり、電界が一つの領域のみに集中しないため、半導体装置10bと比較して電界集中が緩和される。しかし、領域sと比較して、領域tにおいて電界が集中するため、電界集中を緩和させるための方法としては十分ではない。
図3(C)は、本実施形態である半導体装置10を模式的に示す断面図である。半導体装置10において、絶縁膜340の側面下方の領域である領域sおよび凸部122の側面下方の領域である領域tにおいて電界が集中する。しかし、凸部122の側面下方の領域である領域tにおいて、P型半導体層130内部にN型の突起部125を備える。突起部125を備えることにより、P型半導体層130内部の空乏層端が凸部122側面下方から遠ざかり、凸部122の側面下方における電界集中を緩和できる。この結果、半導体装置10の電界集中を緩和できる。
A2.半導体装置10の製造方法:
図4は、半導体装置10の製造方法を示す工程図である。半導体装置10を製造する際には、製造者は、まず、基板110上に、N型半導体層120と、P型半導体層130と、N型半導体層140とを順に形成する(工程P100)。これによって、製造者は、基板110上に各半導体層を形成した半導体装置10の中間製品を得る。つまり、製造者は、工程P100により、半導体装置10の中間製品を準備する。なお、中間製品とは、製造過程における半導体装置のことを示す。工程P100は、工程P105から工程P150を備える。
図5は、半導体層の形成工程(工程P100)を示す工程図である。工程P105は、N型半導体層120を形成する工程である。
図6は、工程P105の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。本実施形態では、製造者は、基板110をMOCVD炉内に導入し、N型半導体層120の成長する温度(例えば、1050℃)まで加熱する。MOCVD炉内は、キャリアガスとしての水素(H)及びV族元素としてのアンモニア(NH)雰囲気とする。その後、製造者は、III族原料としてトリメチルガリウム(TMGa)とN型不純物としてシラン(SiH4)を炉内に導入し、ドナー濃度1×1016cm−3程度のN型半導体層120を約15μm成長させる。このときのIII族原料とV族原料の比率(V族原料/III族原料)は、例えば、900〜3000とする。
図7は、工程P110の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P110は、保護層810を形成する工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、N型半導体層120の上に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置により二酸化ケイ素(SiO)の保護層810を約500nm成膜する。
図8は、工程P115の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P115は、レジストパターン820を形成する工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、保護層810の上に、レジストを塗布する。その後、製造者は、a面を辺とする六角形のレジストパターン820を形成する。
図9は、工程P120の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P120は、保護層810のドライエッチングを行う工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、レジストをマスクとして反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行うことにより、レジストの開口した部分の保護層810をドライエッチングする。
図10は、工程P125の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P125は、N型半導体層120のドライエッチングを行う工程である(図5参照)。本実施形態では、まず、製造者は、半導体装置10の中間製品を剥離液に浸漬することによりレジストパターン820を除去する。そして、製造者は、誘導結合方式(ICP:Inductively Coupled Plasma)を採用したドライエッチング装置により、N型半導体層120を約1μmドライエッチングする。工程P125により、側面がa面である凸部122がN型半導体層120に形成される。凸部122の厚みA(図10参照)は、約1μmとなる。「工程P125」は、N型半導体層120に、a面を側面とする凸部122を形成する工程であり、「第1の工程」とも呼ぶ。
図11は、工程P130の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P130は、保護層810のウェットエッチングを行う工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、半導体装置10の中間製品をバッファードフッ酸(BHF:Buffered Hydrogen Fluoride)に浸漬することにより、保護層810のウェットエッチングを行う。
図12は、工程P135の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P135は、基板110の裏面に保護層830を形成する工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、基板110の裏面に保護層830として二酸化ケイ素(SiO)の保護層830を約300nm成膜する。
工程P137は、TMAH(Tetramethylammonium hydroxide)に浸漬する工程である(図5参照)。工程P137において、製造者は、半導体装置10の中間製品をTMAHに約30分間浸漬することにより、半導体装置10の中間製品がドライエッチングによって受けたダメージを除去する。
図13は、工程P140の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P140は、保護層830のウェットエッチングを行う工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、半導体装置10の中間製品をバッファードフッ酸(BHF)に浸漬することにより、保護層830を除去する。
図14は、工程P145の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P145は、P型半導体層130を形成する工程である(図5参照)。工程P145は、MOCVD法により行われる。本実施形態では、製造者は、半導体装置10の中間製品をMOCVD炉内に導入し、P型半導体層130の成長する温度(例えば、1050℃)まで加熱する。MOCVD炉内は、キャリアガスとしての水素(H)及びV族元素としてのアンモニア(NH)雰囲気とする。その後、製造者は、III族原料としてトリメチルガリウム(TMGa)とP型不純物としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg:bis (cyclopentadienyl) magnesium)を炉内に導入し、マグネシウム(Mg)濃度4×1018cm−3程度のP型半導体層130を凸部122上面の厚みが約0.7μmとなるように成長させる。このとき、凸部122の側方では、凸部122上面の厚さよりも厚くなる。P型半導体層130の成長時におけるIII族原料とV族原料の比率(V族原料/III族原料)は、例えば、900〜3000とする。工程P145は、N型半導体層120の上に、P型半導体層130を形成する工程である。工程P125により凸部122の側面をa面としたことによって、工程P145は、突起部125が形成される工程である。「工程P145」を「第2の工程」とも呼ぶ。なお、第1の工程(工程P125)と第2の工程(工程P145)とは、異なる装置により行われる。
図15は、工程P150の後の半導体装置10の中間製品を示す断面図である。工程P150は、N型半導体層140を形成する工程である(図5参照)。本実施形態では、製造者は、III族原料としてトリメチルガリウム(TMGa)とN型不純物としてシラン(SiH4)を炉内に導入し、ドナー濃度1×1018cm−3程度のN型半導体層140を約0.2μm成長させる。このときのIII族原料とV族原料の比率(V族原料/III族原料)は、例えば、900〜3000とする。以上の工程により、基板110上に、N型半導体層120と、P型半導体層130と、N型半導体層140とが、この順に形成される(工程P100)。
工程P100の後、製造者は、半導体装置10の中間製品に、N型半導体層140からP型半導体層130まで達する凹部182と、N型半導体層140からN型半導体層120まで達する凹部186とを形成する(工程P215(図4参照))。凹部182と凹部186との形成方法としては、まずマスクとなる絶縁膜を積層した後、フォトレジストにてパターニングを行なう。その後、エッチングを行なうことにより、製造者は、凹部182と凹部186とを形成する。本実施形態において、エッチングとして、ドライエッチングを採用する。なお、ドライエッチングの後に、エッチングによるダメージ層を除去するため、ウェットエッチングを行なってもよい。
次に、製造者は、半導体装置10の中間製品に、P型半導体層130を貫通してN型半導体層120まで達する溝部184を形成するために、まず、中間製品の表面(+X方向の面)にマスクとなる絶縁膜を積層した後、フォトレジスト400にてパターニングを行なう(工程P220)。
次に、製造者は、フォトレジスト400のパターンに沿って絶縁膜をエッチングし、その後、フォトレジスト400を剥離する(工程P225)。エッチング方法は、ドライエッチングもしくはウェットエッチングの少なくとも一方を採用できる。
この後、製造者は、ドライエッチングを行なうことにより、溝部184を形成する(工程P230)。本実施形態におけるドライエッチングの条件としては、例えば、プラズマ生成電力が100W、バイアス電力が45W、SiCl/Clガス流量比が0.1という条件を例示できる。なお、本発明はこの条件に限定されない。例えば、エッチングガスは、ClとBClとを用いてもよい。
次に、製造者は、半導体装置10の中間製品の全面に絶縁膜340を堆積し、電極230と電極240を形成する部分にコンタクトホールを形成する。その後、製造者は、電極230と電極240とを形成する(工程P240)。
電極230、240の形成後、製造者は、各電極のコンタクト抵抗を低減させるための熱処理を行なう(工程P245)。その後、製造者は、絶縁膜340が積層された溝部184に、電極250を形成する(工程P250)。
最後に、製造者は、半導体装置10の中間製品の−X側に電極210を形成する(工程P255)。これらの工程を経て、図1に示す半導体装置10が完成する。
B.性能評価:
図16は、凸部122の側面を{1−100}面(等価な面を含む)(以下、「m面」とも呼ぶ)とした半導体装置と、凸部122の側面をa面とした半導体装置との断面SCM(Scanning Capacitance Microscopy)像を示す図である。凸部122の側面をa面とした半導体装置は、上記製造方法により製造した。凸部122の側面をm面とした半導体装置は、凸部122の側面をm面としたこと以外は、上記製造方法と同じ製造方法により製造した。
半導体装置の断面SCM像において、白い部分がN型半導体層を示し、黒い部分がP型半導体層を示す。理解を容易とするため、図16において、さらに、試料構造の概略を示す。図16に示される結果から、凸部122の側面をm面とした半導体装置において、突起部125が形成されないのに対して、凸部122の側面をa面とした半導体装置において、突起部125が形成されることがわかる。突起部125は、凸部122の側面下方から突出しており、長辺が0.5μmから1μmであり、例えば、直線状に延びている。このメカニズムは不明であるが、このような現象が起こることを発明者らは発見した。
図17は、凸部122の側面下方の領域である領域tにおける電界集中の程度をシミュレーションした図である。図17(A)は、凸部122に突起部125を備える半導体装置を示す図であり、図17(B)は、凸部122に突起部125を備えない半導体装置を示す図である。このシミュレーションは、電圧500V印加時を想定している。太線で示される線がPN接合界面を示し、白線で示される線がP側空乏層端を示し、それ以外の線が等電位線を示す。
図17(B)に示されるとおり、突起部125を備えない場合の領域tにおける等電位線の間隔は、他の領域と比較して狭い。しかし、突起部125を備えない場合の領域tにおける等電位線の間隔(図17(B)参照)と比較して、突起部125を備える場合の領域tにおける等電位線の間隔(図17(A)参照)は広い。この結果から、突起部125を備える半導体装置は、突起部125を備えない半導体装置と比較して、電界集中が緩和されていることが分かる。
C.変形例:
この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
本実施形態において、基板とN型半導体層との少なくとも一方に含まれるドナーとして、ケイ素(Si)を用いているが、本発明はこれに限られない。ドナーとして、ゲルマニウム(Ge)や、酸素(O)を用いてもよい。
C2.変形例2:
本実施形態において、P型半導体層に含まれるアクセプタとして、マグネシウム(Mg)を用いているが、本発明はこれに限られない。アクセプタとして、亜鉛(Zn)や、炭素(C)を用いてもよい。
C3.変形例3:
本実施形態において、半導体は六方晶の半導体である窒化ガリウムを用いている。しかし、本発明はこれに限らない。半導体としては、他の六方晶の半導体を用いてもよい。
C4.変形例4:
本実施形態において、ボディ電極である電極230は、パラジウム(Pd)から形成される。しかし、本発明はこれに限られない。電極230は、他の材料により形成されていてもよく、複数層の構成であってもよい。例えば、電極230は、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、コバルト(Co)等の導電性材料の少なくとも1つを含む電極であってもよく、ニッケル(Ni)/パラジウム(Pd)構成や、白金(Pt)/パラジウム(Pd)構成(パラジウムが半導体基板側)のような2層構成であってもよい。
C5.変形例5:
本実施形態において、ゲート電極である電極250は、アルミニウム(Al)から形成される。しかし、本発明はこれに限られない。電極250は、ポリシリコンを用いてもよい。また、電極250は、他の材料により形成されていてもよく、複数層の構成であってもよい。例えば、電極250は、金(Au)/ニッケル(Ni)構成や、アルミニウム(Al)/チタン(Ti)構成、アルミニウム(Al)/窒化チタン(TiN)構成(それぞれ、ニッケル、チタン、窒化チタンがゲート絶縁膜側)のような2層構成であってもよいし、窒化チタン(TiN)/アルミニウム(Al)/窒化チタン(TiN)構成のような3層構成であってもよい。
C6.変形例6:
本実施形態において、半導体装置10はMOSFETを用いている。しかし、本発明はこれに限られない。つまり、半導体装置10は半導体を用いればよい。MOSFET以外の半導体としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのトレンチゲートを有する半導体を挙げることができる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…半導体装置
10b…半導体装置
10c…半導体装置
110…基板
120…N型半導体層
122…凸部
125…突起部
130…P型半導体層
140…N型半導体層
182…凹部
184…溝部
186…凹部
210…電極
230…電極
240…電極
250…電極
300…絶縁膜
400…フォトレジスト
810…保護層
820…レジストパターン
830…保護層
s…領域
t…領域

Claims (16)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    六方晶の半導体により形成された第1のN型半導体層に、{11−20}面(等価な面を含む)を側面とする凸部を形成する第1の工程と、
    前記第1のN型半導体層の上に、六方晶の半導体によりP型半導体層を形成する第2の工程と、を備える製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の工程と、前記第2の工程とは、異なる装置によって行われる、半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第2の工程は、MOCVD法により行われる、半導体装置の製造方法。
  4. 半導体装置であって、
    六方晶の半導体により形成された第1のN型半導体層と、
    前記第1のN型半導体層の上に積層され、六方晶の半導体により形成されたP型半導体層と、
    前記P型半導体層を貫通して前記第1のN型半導体層に至る溝部と、を備え、
    前記第1のN型半導体層は、前記溝部の周囲を覆うように形成された凸部を備え、
    前記凸部の側面は{11−20}面(等価な面を含む)であって、
    前記凸部は側面下方に突起部を備える、半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置であって、
    前記P型半導体層は、主に、ガリウムを含む窒化物半導体により形成されている、半導体装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の半導体装置であって、
    前記P型半導体層は、主に、窒化ガリウムにより形成されている、半導体装置。
  7. 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記P型半導体層は、マグネシウム(Mg)をP型不純物として含有する、半導体装置。
  8. 請求項4から請求項7までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記P型半導体層は、前記凸部の上面を覆っている、半導体装置。
  9. 請求項4から請求項8までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、さらに、
    前記P型半導体層の上に積層され、六方晶の半導体により形成された第2のN型半導体層を備える、半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置であって、
    前記第2のN型半導体層の不純物濃度は、前記第1のN型半導体層の不純物濃度よりも高い、半導体装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の半導体装置であって、
    前記第1のN型半導体層および前記第2のN型半導体層に含まれる不純物は、ケイ素である、半導体装置。
  12. 請求項4から請求項11までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記凸部の厚みは、前記凸部の上面における前記P型半導体層の厚みより大きい、半導体装置。
  13. 請求項4から請求項12までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記P型半導体層の不純物濃度は、前記第1のN型半導体層の不純物濃度よりも高い、半導体装置。
  14. 請求項4から請求項13までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記凸部を除く前記第1のN型半導体層の厚みは、10μm以上であり20μm未満である、半導体装置。
  15. 請求項4から請求項14までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、さらに、
    前記第1のN型半導体層の下に、六方晶の半導体により形成された第3のN型半導体層を備える、半導体装置。
  16. 請求項4から請求項15までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記第1のN型半導体層は、主に、ガリウムを含む窒化物半導体により形成されている、半導体装置。
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