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JP2015207693A - プレーナ型変圧装置及びスイッチング電源回路 - Google Patents

プレーナ型変圧装置及びスイッチング電源回路 Download PDF

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JP2015207693A JP2014088126A JP2014088126A JP2015207693A JP 2015207693 A JP2015207693 A JP 2015207693A JP 2014088126 A JP2014088126 A JP 2014088126A JP 2014088126 A JP2014088126 A JP 2014088126A JP 2015207693 A JP2015207693 A JP 2015207693A
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Abstract

【課題】補助巻線パターンと、1次または2次巻線パターンとの間の寄生容量を小さくする。
【解決手段】第1の電力伝送を行う1次主巻線パターン6,7及び2次主巻線パターン8と、1次主巻線パターン6,7または2次主巻線パターン8よりも線幅が小さく、1次主巻線パターン6,7または2次主巻線パターン8との間で第2の電力伝送を行う補助巻線パターン9とが、絶縁層3,4,5を介して積層された多層基板PB1を有し、1次主巻線パターン7の形成層に対して、絶縁層5を介して設けられる補助巻線パターン9は、その形成層の1次主巻線パターン7がない領域7Aに対向するように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレーナ型変圧装置及びスイッチング電源回路に関する。
プレーナ型変圧装置(以下プレーナトランスと呼ぶ)は、従来の巻線トランスに対して小型化が可能なため、近年、様々な情報機器のスイッチング電源回路に使われ始めている。
プレーナトランスは電力伝送を行う主巻線となる1次及び2次巻線パターン(以下1次主巻線パターン及び2次主巻線パターンと呼ぶ)が絶縁層を介して積層された構造を有するものである。また、プレーナトランスとして、主巻線間の電力伝送よりも小さい電力の伝送に使用される補助巻線パターンを備えたものが考えられている。補助巻線パターンは、主巻線により電力伝送を行う際のスイッチング素子の制御を行う制御回路への電力供給等に用いられる。
特開平7−142269号公報 実開平6−79127号公報
ところで従来の補助巻線パターンを備えたプレーナトランスでは、補助巻線パターンと、1次または2次主巻線パターンとの間の寄生容量が大きいという問題がある。この寄生容量が大きいと、スイッチング電源回路にプレーナトランスを適用したときに、コモンモードノイズと呼ばれるノイズが発生しやすくなる。
なお、スイッチング電源回路に用いられるプレーナトランスにおいて、スイッチオンオフ時の巻線パターン間の寄生容量の充放電による電源効率の悪化を防ぐために、巻線パターン間の寄生容量を減らす手法が考えられている。その手法は、上下のパターン間距離が、b(プリント板の厚み)/sinθ(θは平行移動角度)になるように、平行移動配置を行い、上下のパターンをずらすことで寄生容量を減らすものである。しかし、この手法は補助巻線パターンと主巻線間の寄生容量について考慮するものではなかった。また、b/sinθの関係は、両パターンの幅(巻線の線幅)が等しい時には有効であるが、補助巻線パターンの幅は、1次または2次主巻線パターンの幅よりも小さくなる傾向にあるため、補助巻線パターンに対して使用することは適切ではない。
発明の一観点によれば、第1の電力伝送を行う1次主巻線パターン及び2次主巻線パターンと、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンよりも線幅が小さく、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンとの間で第2の電力伝送を行う補助巻線パターンとが、絶縁層を介して積層された多層基板を有し、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンの形成層に対して、前記絶縁層を介して設けられる前記補助巻線パターンは、前記形成層の前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンがない領域に対向するように配置されている、プレーナ型変圧装置が提供される。
また、発明の一観点によれば、プレーナ型変圧装置と、入力信号を整流する整流回路と、整流された前記入力信号に基づくスイッチング電流を、前記プレーナ型変圧装置に供給するか否かを切り替えるスイッチ素子と、前記スイッチ素子の動作を制御する制御回路と、を有し、前記プレーナ型変圧装置は、第1の電力伝送を行う1次主巻線パターン及び2次主巻線パターンと、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンよりも線幅が小さく、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンとの間で第2の電力伝送を行い、前記制御回路への電力供給を行う補助巻線パターンとが、絶縁層を介して積層された多層基板を有し、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンの形成層に対して、前記絶縁層を介して設けられる前記補助巻線パターンは、前記形成層の前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンがない領域に対向するように配置されている、スイッチング電源回路が提供される。
開示のプレーナ型変圧装置及びスイッチング電源回路によれば、補助巻線パターンと、1次または2次巻線パターンとの間の寄生容量を小さくできる。
第1の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す断面図である。 第1の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す平面図である。 第1の実施の形態のプレーナトランスの1つ目の変形例を示す断面図である。 第1の実施の形態のプレーナトランスの2つ目の変形例を示す断面図である。 第2の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す断面斜視図である。 第2の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す平面図(その1)である。 第2の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す平面図(その2)である。 第3の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す断面図である。 補助巻線パターンが、絶縁層を挟んで主巻線パターンに対向するように配置されている例を示す図である。 補助巻線パターンを、ギャップ領域に対向するようにシフトさせた例を示す図である。 スイッチング電源回路の一例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す断面図、また、図2は、第1の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す平面図である。なお、図1は、図2に示すプレーナトランス1のA−A断面図である。
プレーナトランス1は、図1及び図2に示すように絶縁層2,3,4,5、1次主巻線パターン6,7、2次主巻線パターン8、補助巻線パターン9を有している。絶縁層2から、1次主巻線パターン6、絶縁層3、2次主巻線パターン8、絶縁層4、1次主巻線パターン7、絶縁層5、補助巻線パターン9の順で積層され、多層基板PB1が形成されている。なお、図示を省略しているが、各巻線パターンの形成層において、巻線パターンが配置されていない領域にはプリプレグ等の絶縁材が充填されていてもよい。
1次主巻線パターン6,7は、巻数を確保するため、図1の例では、2層にわたって形成されている。1次主巻線パターン6,7間は、図示しないビア等で電気的に接続されている。
このようなプレーナトランス1では、1次主巻線パターン6,7と2次主巻線パターン8との間で電力伝送が行われるとともに、1次主巻線パターン6,7と補助巻線パターン9との間でも電力伝送が行われる。
また、本実施の形態のプレーナトランス1では、補助巻線パターン9のパターン幅(巻線の線幅)は、図1の例では、1次主巻線パターン6,7及び2次主巻線パターン8のパターン幅よりも小さい。これは、1次主巻パターン6,7と2次主巻線パターン8が比較的大きな電流を扱う傾向にあるのに対し、補助巻線パターン9は比較的小さな電流を扱うものであるためである。
さらに、補助巻線パターン9は、図1のプレーナトランス1の例では、絶縁層5を挟んで設けられている1次主巻線パターン7の形成層において、1次主巻線パターン7がない領域(以下ギャップ領域と呼ぶ)7Aに対向するように配置されている。
図2では、絶縁層5の下に設けられている1次主巻線パターン7は点線で示されている。なお、図2に示す端子10,11,12は、補助巻線パターン9と、1次主巻線パターン6,7または2次主巻線パターン8を、プレーナトランス1の外部の回路と接続する際に用いられる。開口部13は、図示しないコアが挿入される領域である。
プレーナトランス1では、図1において点線で示されているように、絶縁層3〜5を挟む各巻線パターン間に寄生容量が生じる。寄生容量は、プレーナトランス1の平面に対する法線方向(矢印z方向)で見たときの、巻線パターン間の重なり(キャパシタの電極面積に相当)が多いほど、大きくなる。
本実施の形態のプレーナトランス1では、補助巻線パターン9を1次主巻線パターン7の形成層のギャップ領域7Aに対向するように配置しているため、補助巻線パターン9と1次主巻線パターン7との間の重なりが少なくなる。そのため、補助巻線パターン9と1次主巻線パターン7との間の寄生容量を削減できる。図1のプレーナトランス1の例では、補助巻線パターン9は、ギャップ領域7Aの間幅と同程度のパターン幅を有している。これにより、補助巻線パターン9と、1次主巻線パターン7との間の重なりがさらに減るので、寄生容量についても、より削減することができる。
また、図1のプレーナトランス1の例では、補助巻線パターン9は多層基板PB1の最上層に配置されている(最下層に配置してもよい)。これにより、補助巻線パターン9との間で寄生容量を生じさせる導体パターンを、絶縁層5の下の1次主巻線パターン7に限定できるため、寄生容量を削減することができる。
これにより、プレーナトランス1を、スイッチング電源回路に適用したときの、コモンモードノイズの発生も抑制できる。
なお、1次主巻線パターン6,7と2次主巻線パターン8との間では、比較的大きな電力を伝送する可能性があるため、両巻線パターンの結合率(電力が伝達される効率を示す)を大きくできるように、なるべく近くなるように配置することが望ましい。一方、補助巻線パターン9は、スイッチング電源回路の制御回路への電力供給用等の、比較的小さな電力の伝送に用いられるため、1次主巻線パターン6,7と2次主巻線パターン8との間ほど結合率が大きくなくてもよい。そのため、上記のように、補助巻線パターン9と1次主巻線パターン6,7または2次主巻線パターン8との間の結合率が小さくなるような配置をしても、補助巻線パターン9の接続先の回路に与える影響は少ない。
なお、上記では、1次主巻線パターン7と補助巻線パターン9との間の寄生容量を削減する例を説明したが、これに限定されない。図1において、1次主巻線パターン7の位置に配置される巻線パターンは、2次主巻線パターン8であってもよい。その場合、2次主巻線パターン8の形成層のギャップ領域に対向するように、補助巻線パターン9を絶縁層上5に配置することで、両巻線パターンの間に生じる寄生容量を小さくすることができる。
また、補助巻線パターン9は、上記の理由で多層基板PB1の最上層または最下層に配置されていることが望ましいが、これに限定されない。例えば、図1に示す2次主巻線パターン8が配置されている層に、1次主巻線パターン6,7の形成層のギャップ領域7Aに位置するように補助巻線パターン9を配置するようにしてもよい。
(変形例1)
図3は、第1の実施の形態のプレーナトランスの1つ目の変形例を示す断面図である。なお、図3に示す要素で、図1と同一の要素によるものは、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
プレーナトランス1aの多層基板PB1aにおいて、補助巻線パターン9aは、1次主巻線パターン7の形成層のギャップ領域7Aに対向して配置されているが、ギャップ領域7Aの幅よりも広いパターン幅を有している。
上記のようなプレーナトランス1aであっても、補助巻線パターン9aを1次主巻線パターン7の形成層のギャップ領域7Aに対向するように配置しているため、補助巻線パターン9aと1次主巻線パターン7との間の重なりを少なくできる。そのため、補助巻線パターン9と1次主巻線パターン7との間の寄生容量を小さくできる。
(変形例2)
図4は、第1の実施の形態のプレーナトランスの2つ目の変形例を示す断面図である。なお、図4に示す構成要素で、図1乃至図3と同一の要素によるものは、図1乃至図3と同一の符号を付し、説明を省略する。
プレーナトランス1bの多層基板PB1bにおいて、補助巻線パターン9aと1次主巻線パターン7との間の絶縁層5aは、1次主巻線パターン6,7と、2次主巻線パターン8との間の絶縁層3,4よりも厚く形成されている。
互いに対向する巻線パターン間に生じる寄生容量は、巻線パターン間の距離が広がるほど小さくなる。巻線パターン間の距離が広がると、巻線パターン間の結合率は小さくなる。ただ、前述のように、補助巻線パターン9aと、1次主巻線パターン6,7または2次主巻線パターン8との間との結合率は小さくてもよいため、絶縁層5aについては厚く形成してもよい。
これにより補助巻線パターン9aと、1次主巻線パターン7との距離が広くなり、両巻線パターン間に生じる寄生容量を、さらに削減することができる。
また、絶縁層5aを厚く形成することで、補助巻線パターン9aと、1次主巻線パターン6及び2次主巻線パターン8との距離も広げることができる。そのため、補助巻線パターン9aと、1次主巻線パターン6、2次主巻線パターン8の間に生じる寄生容量も削減できる。
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す断面斜視図、また、図6及び図7は、第2の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す平面図である。なお、図5は、図6に示すプレーナトランスのB−B断面図であり、図7は、図6のX部の拡大平面図である。
プレーナトランス20は、図5及び図6に示すように絶縁層21,22,23、2次主巻線パターン24、1次主巻線パターン25、補助巻線パターン26を有している。
導体パターンである2次主巻線パターン24、1次主巻線パターン25、補助巻線パターン26は、絶縁層22,23を介して積層されており、多層基板PB20が形成されている。このようなプレーナトランス20では、1次主巻線パターン25と2次主巻線パターン24との間で電力伝送が行われるとともに、1次主巻線パターン25と補助巻線パターン26との間でも電力伝送が行われる。
また、本実施の形態のプレーナトランス20では、補助巻線パターン26のパターン幅は、2次主巻線パターン24のパターン幅よりも小さい。そして、補助巻線パターン26は、絶縁層23を挟んで設けられている1次主巻線パターン25の形成層において、ギャップ領域25Aに対向するように配置されている。
図6では、絶縁層23の下に設けられている1次主巻線パターン25は点線で示されている。なお、図6に示す端子30,31,32は、補助巻線パターン26と、1次主巻線パターン25または2次主巻線パターン24を、プレーナトランス20の外部の回路と接続する際に用いられる。開口部33は、図示しないコアが挿入される領域である。
第2の実施の形態のプレーナトランス20では、第1の実施の形態のプレーナトランス1と同様に、補助巻線パターン26は、絶縁層23を挟んで設けられている1次主巻線パターン25の形成層において、ギャップ領域25Aに対向するように配置されている。そのため、補助巻線パターン26と1次主巻線パターン25との間の重なりが少なくなり、補助巻線パターン26と1次主巻線パターン25との間の寄生容量を削減できる、という第1の実施の形態のプレーナトランス1と同様の効果が得られる。
さらに、第2の実施の形態のプレーナトランス20では、補助巻線パターン26には、多層基板PB20の積層方向に、図5、図7に示すように複数の貫通孔26aが形成されている。これにより、補助巻線パターン26と、絶縁層22より下側に位置する2次主巻線パターン24との重なりも小さくすることができるため、より補助巻線と主巻線の間に生じる寄生容量を削減することができる。
また、第1の実施の形態の変形例1と同様に、補助巻線パターン26は、1次主巻線パターン25のギャップ領域の幅よりも大きいパターン幅を有していてもよい。そのような場合でも、補助巻線パターン26に複数の貫通孔26aを設けたことにより、補助巻線パターン26と、それに対向する1次主巻線パターン25の重なりが小さくなるため、両巻線パターンの間に生じる寄生容量を小さくすることができる。
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態のプレーナトランスの一例を示す断面図である。
プレーナトランス40は、絶縁層41,42,43,44、2次主巻線パターン45、1次主巻線パターン46a,46b、補助巻線パターン47を有している。
導体パターンである2次主巻線パターン45、1次主巻線パターン46a,46b、補助巻線パターン47は、絶縁層42,43,44を介して積層されており、多層基板PB40が形成されている。このようなプレーナトランス40では、1次主巻線パターン46a,46bと2次主巻線パターン45との間で電力伝送が行われるとともに、1次主巻線パターン46a,46bと補助巻線パターン47との間でも電力伝送が行われる。
第3の実施の形態のプレーナトランス40では、1次主巻線パターン46a,46bが
絶縁層43を挟んで複数層(図8の例では2層)にわたって形成されている。なお、1次主巻線パターン46a,46bは図示しないビア等により電気的に接続されている。
これにより、同じ抵抗値を維持したまま、1次主巻線パターン46a,46bのパターン幅を狭くできる。例えば、1層で形成していた1次主巻線パターンを、2層にわたって形成し、多層基板PB40の積層方向のトータルの長さを、1層で形成していた1次主巻線パターンの2倍とすることで、抵抗値を維持したまま、パターン幅については1/2に削減できる。パターン幅を狭くすることで、ギャップ領域46aA,46bAの幅を広くすることができる。
これにより、ギャップ領域46aA,46bAに対向して設けられる補助巻線パターン47と、1次主巻線パターン46a,46bとを、より離して配置することができるため、両巻線パターン間に生じる寄生容量をより小さくできる。
(補助巻線パターンの配置変更方法(設計データの変更例))
例えば、補助巻線パターンが、絶縁層を挟んで主巻線パターンに対向するように配置するような設計データがあった場合、その補助巻線パターンを主巻線パターンのギャップ領域に配置するように設計データを変更するには、以下のようにすればよい。
図9は、補助巻線パターンが、絶縁層を挟んで主巻線パターンに対向するように配置されている例を示す図である。
主巻線パターン51(1次または2次の主巻線パターン)の上に絶縁層52が積層されており、絶縁層52の上に、補助巻線パターン53が、主巻線パターン51に対向するように配置されている。ここで、主巻線パターン51のパターン幅をWp、ギャップ領域51Aの幅をWg、絶縁層52の厚さをd、補助巻線パターン53のパターン幅をWa、補助巻線パターン53とのギャップ領域51Aとの距離をbとする。
ここで、Wa=Wgとすると、補助巻線パターン53をギャップ領域51aに対向するように配置するには、設計データ上で、以下のようなシフトを行えばよい。
図10は、補助巻線パターンを、ギャップ領域に対向するようにシフトさせた例を示す図である。
補助巻線パターン53をギャップ領域51aに対向するように配置するには、図10中の角度θが、θ=tan-1{d/(b+Wa)}の関係を満たすように、図9の状態から、補助巻線パターン53をシフトすればよい。このように設計データを変更することで、補助巻線パターン53と主巻線パターン51との間の寄生容量を小さくできるようなプレーナトランスを設計できる。
(スイッチング電源回路(プレーナトランスの適用例))
以上説明してきた補助巻線パターンと主巻線パターンとの間の寄生容量を小さくできるプレーナトランスをスイッチング電源回路に適用することで、コモンモードノイズの発生を抑制できる。
図11は、スイッチング電源回路の一例を示す図である。
スイッチング電源回路60は、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ61、整流回路62、スイッチ素子Tr1、制御回路63、インピーダンス(Zc)64、プレーナトランス65、ダイオードD1、容量素子C1を有している。
EMIフィルタ61は、入力信号(交流信号)が入力される入力端子In1,In2と接続されており、入力信号に加わるノイズの除去を行う。
整流回路62は、入力信号の整流を行う。
スイッチ素子Tr1は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等であり、整流された入力信号に基づくスイッチング電流を、プレーナトランス65に供給するか否かを切り替える。スイッチ素子Tr1は、2つの入出力端子(ドレインまたはソース)と、制御端子(ゲート端子)を有している。
制御回路63は、制御信号をスイッチ素子Tr1の制御端子に供給し、スイッチ素子Tr1の動作を制御する。例えば、制御回路63は、一定周期でスイッチ素子Tr1をオンまたはオフさせる。
インピーダンス64は、スイッチ素子Tr1の一方の入出力端子と、フレームグランド(FG)との間に接続されている。
プレーナトランス65は、1次主巻線65a、2次主巻線65b、補助巻線65cを有しており、1次主巻線65aと2次主巻線65bとの間で電力伝送を行うとともに、1次主巻線65aと、補助巻線65cとの間で電力伝送を行う。後者の電力伝送は、制御回路63への電力供給のために行われる。
プレーナトランス65は、1次主巻線65aの一端は、整流回路62に接続されており、他端は、スイッチ素子Tr1の他方の入出力端子に接続されている。また、2次主巻線65bの一端は、ダイオードD1のアノードに接続されており、他端は容量素子C1の一端及び出力端子Out2に接続されている。補助巻線65cの一端は、制御回路63に接続されており、他端はインピーダンス64、整流回路62及び制御回路63に接続されている。
ダイオードD1は、プレーナトランス65と出力端子Out1との間に設けられており、アノードがプレーナトランス65の2次主巻線65bに接続されており、カソードが出力端子Out2に接続されている。
容量素子C1は、出力端子Out1,Out2の間に接続されている。
このようなスイッチング電源回路60において、プレーナトランス65としては、前述した、プレーナトランス1,1a,1b,20,40の何れかまたはそれらの組み合わせを適用できる。例えば、プレーナトランス65として、図1、図2に示したプレーナトランス1を採用した場合、1次主巻線65aは、1次主巻線パターン6,7に相当する。また、2次主巻線65bは、2次主巻線パターン8に相当し、補助巻線65cは、補助巻線パターン9に相当する。また、前述したように、各巻線パターン間には、寄生容量が発生する。
図11には、寄生容量Cp1,Cp2,Cp3,Cp4,Cp5,Cp6が示されている。
このうち、1次主巻線65aと、補助巻線65cとの間の寄生容量Cp5,Cp6が大きいと、スイッチング電流が1次主巻線65aから寄生容量Cp5,Cp6を介して、インピーダンス64側へリークする。この電流により発生するコモンモード電圧が、ノイズ(コモンモードノイズ)を増大させる主要因となる。このようなノイズを抑制するために、EMIフィルタ61の機能を強化することが考えられるが、その場合、回路面積が増大する。
しかし、プレーナトランス65として、例えば、プレーナトランス1,1a,1b,20,40の何れかまたはそれらの組み合わせを採用することにより、前述したように、1次主巻線65aと補助巻線65cとの間の寄生容量Cp5,Cp6を小さくできる。これにより、コモンモードノイズを抑制でき、ノイズ抑制のための回路を新たに設けなくてもよくなるため、回路面積の増大も抑えられる。
以上、実施の形態に基づき、本発明のプレーナトランス及びスイッチング電源回路の一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
例えば、上記の各実施の形態または変形例のプレーナトランスの要素を組み合わせてもよい。例えば、図4に示した、プレーナトランス1bにおける補助巻線パターン9aに、図5に示したような貫通孔26aを設けてもよいし、1次主巻線パターン7を、図8に示すように、複数層にわたって形成するようにしてもよい。
1 プレーナトランス
2,3,4,5 絶縁層
6,7 1次主巻線パターン
8 2次主巻線パターン
9 補助巻線パターン
7A ギャップ領域
PB1 多層基板

Claims (6)

  1. 第1の電力伝送を行う1次主巻線パターン及び2次主巻線パターンと、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンよりも線幅が小さく、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンとの間で第2の電力伝送を行う補助巻線パターンとが、絶縁層を介して積層された多層基板を有し、
    前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンの形成層に対して、前記絶縁層を介して設けられる前記補助巻線パターンは、前記形成層の前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンがない領域に対向するように配置されている、
    ことを特徴とするプレーナ型変圧装置。
  2. 前記補助巻線パターンと、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンとの間の前記絶縁層は、前記1次主巻線パターンと前記2次主巻線パターンとの間の前記絶縁層よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプレーナ型変圧装置。
  3. 前記補助巻線パターンは、前記多層基板の最上層または最下層の一方に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプレーナ型変圧装置。
  4. 前記補助巻線パターンには、前記多層基板の積層方向に、複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のプレーナ型変圧装置。
  5. 前記補助巻線パターンとの間で前記第2の電力伝送を行う前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンは、絶縁層を介して複数層にわたって形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のプレーナ型変圧装置。
  6. プレーナ型変圧装置と、
    入力信号を整流する整流回路と、
    整流された前記入力信号に基づくスイッチング電流を、前記プレーナ型変圧装置に供給するか否かを切り替えるスイッチ素子と、
    前記スイッチ素子の動作を制御する制御回路と、
    を有し、
    前記プレーナ型変圧装置は、
    第1の電力伝送を行う1次主巻線パターン及び2次主巻線パターンと、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンよりも線幅が小さく、前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンとの間で第2の電力伝送を行い、前記制御回路への電力供給を行う補助巻線パターンとが、絶縁層を介して積層された多層基板を有し、
    前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンの形成層に対して、前記絶縁層を介して設けられる前記補助巻線パターンは、前記形成層の前記1次主巻線パターンまたは前記2次主巻線パターンがない領域に対向するように配置されている、
    ことを特徴とするスイッチング電源回路。
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