JP2014238264A - 胃癌の検査方法及び検査キット - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡便で感度及び特異度の高い胃癌の検査方法を提供する。
【解決手段】被検者の血液から調整した血清中のTFF1及びTFF3濃度を、抗TFFタンパク質抗体を用いたイムノアッセイによる、従来のペプシノゲン法よりも感度及び特異度の高い胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法、及び胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査用キットを提供する。
【選択図】図3
【解決手段】被検者の血液から調整した血清中のTFF1及びTFF3濃度を、抗TFFタンパク質抗体を用いたイムノアッセイによる、従来のペプシノゲン法よりも感度及び特異度の高い胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法、及び胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査用キットを提供する。
【選択図】図3
Description
本発明は、被検者の血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)タンパク質量を測定する工程を含む胃癌の検査方法等に関する。
従来、胃癌検診は、バリウムによる胃透視又は胃内視鏡によって行われている。日本では40歳以上にバリウム又は胃内視鏡による検診が義務付けられているが、未だ受診率は低い。この原因の一つには、検査手技の煩雑さや苦痛、肉体的負担が挙げられる。
また、血液による胃癌スクリーニング法としてペプシノゲン法がある(非特許文献1)が、感度及び特異度が十分とはいえない。また、ペプシノゲン法は、血清中のペプシノゲンIとペプシノゲンIIの比を測定するものであり、必ず2つの因子を測定しなければならないのでコストが高くなる。
また、血液による胃癌スクリーニング法としてペプシノゲン法がある(非特許文献1)が、感度及び特異度が十分とはいえない。また、ペプシノゲン法は、血清中のペプシノゲンIとペプシノゲンIIの比を測定するものであり、必ず2つの因子を測定しなければならないのでコストが高くなる。
胃癌は、現在でも世界のがんによる死因の4位をしめる。治癒の可能性は、胃癌のステージにより、早期発見こそ胃癌による死亡率を低下させる最も有効な手段である。したがって、より簡便で感度及び特異度の高い胃癌の検査方法が求められている。
例えば、血液サンプルで検出できるマーカーがあれば有用である。胃癌組織で発現が増えるタンパク質については報告があるが、血液サンプル中で検出されるためには、胃癌組織から血液循環に入り、且つ、肝臓で代謝されないものでなければならず、これまでに有用なマーカーは見出されていない。
本発明は、より簡便で感度及び特異度の高い胃癌の検査方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)の濃度は胃癌患者と非胃癌患者で有意に異なり、TFFをマーカーとすることによって感度及び特異度が高い検査ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕被検者の血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)レベルを測定する工程を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法;
〔2〕胃癌の検査方法であって、前記TFFが、TFF1又はTFF3である、上記〔1〕に記載の方法;
〔3〕ヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法であって、前記TFFがTFF1である、上記〔1〕に記載の方法;
〔4〕前記血清TFFレベルを測定する工程は、抗TFFタンパク質抗体を用いたイムノアッセイによって行う、上記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載の方法;
〔5〕胃癌の検査方法であって、血清TFF1レベルのカットオフ値を、0.1ng/mL〜10ng/mLとする、上記〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載の方法;
〔6〕胃癌の検査方法であって、血清TFF3レベルのカットオフ値を1ng/mL〜15nm/mLとする、上記〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載の検査方法;
〔7〕抗TFF抗体を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査用キット;
〔8〕前記抗TFF抗体が、抗TFF1抗体又は抗TFF3抗体である、上記〔7〕に記載のキット、に関する。
すなわち、本発明は、
〔1〕被検者の血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)レベルを測定する工程を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法;
〔2〕胃癌の検査方法であって、前記TFFが、TFF1又はTFF3である、上記〔1〕に記載の方法;
〔3〕ヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法であって、前記TFFがTFF1である、上記〔1〕に記載の方法;
〔4〕前記血清TFFレベルを測定する工程は、抗TFFタンパク質抗体を用いたイムノアッセイによって行う、上記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載の方法;
〔5〕胃癌の検査方法であって、血清TFF1レベルのカットオフ値を、0.1ng/mL〜10ng/mLとする、上記〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載の方法;
〔6〕胃癌の検査方法であって、血清TFF3レベルのカットオフ値を1ng/mL〜15nm/mLとする、上記〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載の検査方法;
〔7〕抗TFF抗体を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査用キット;
〔8〕前記抗TFF抗体が、抗TFF1抗体又は抗TFF3抗体である、上記〔7〕に記載のキット、に関する。
本発明の検査方法によれば、被検者の血液から調整した血清中のTFF濃度を測定するという簡便かつ苦痛を伴わない方法により、感度及び特異度の高い胃癌の検査を行うことができる。特に、TFF1及びTFF3を用いれば、従来のペプシノゲン法よりも感度及び特異度が著しく高く、また2種類のマーカーの量を測定するペプシノゲン法よりコストも抑えることができる。かかる検査であれば、受診率も高くなると考えられ、胃癌の早期発見につながり、ひいては胃癌による死亡率も低下させることができる可能性が高い。
(胃癌及びヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法)
本発明に係る胃癌の検査方法の一態様は、被検者の血清中のTFFタンパク質量を測定する工程を含む。
TFFは、いずれも12-22kDaのTFF1、TFF2、TFF3の3つの安定なタンパク質からなるファミリーであり、哺乳動物の消化管から分泌されることが知られている(非特許文献2〜5)。
TFFはTFF1〜3が共通に有する3つのループ構造にちなんで名づけられた。TFFはこのループ構造によりタンパク質分解に対して極めて安定となり、耐酸性や耐熱性にも優れている。TFF1〜3は、消化管においてそれぞれ組織特異的に広く発現している。TFF1は、胃粘膜の表層粘液細胞で発現し、TFF2は胃底部のmucus neck cells、deep antral gland cells、及び十二指腸のブルンナー腺で発現し、TFF3は小腸及び大腸の杯細胞で発現している。
本発明に係る胃癌の検査方法の一態様は、被検者の血清中のTFFタンパク質量を測定する工程を含む。
TFFは、いずれも12-22kDaのTFF1、TFF2、TFF3の3つの安定なタンパク質からなるファミリーであり、哺乳動物の消化管から分泌されることが知られている(非特許文献2〜5)。
TFFはTFF1〜3が共通に有する3つのループ構造にちなんで名づけられた。TFFはこのループ構造によりタンパク質分解に対して極めて安定となり、耐酸性や耐熱性にも優れている。TFF1〜3は、消化管においてそれぞれ組織特異的に広く発現している。TFF1は、胃粘膜の表層粘液細胞で発現し、TFF2は胃底部のmucus neck cells、deep antral gland cells、及び十二指腸のブルンナー腺で発現し、TFF3は小腸及び大腸の杯細胞で発現している。
胃癌は、慢性的なヘリコバクターピロリ菌の感染によって生じる慢性萎縮性胃炎に続いて起こる。慢性萎縮性胃炎における粘膜の組織学的な変化には、foveolar hyperplasia、Spasmolytic polypeptide (TFF2)-expressing metaplasia(SPEM)及び腸上皮化生を伴う分泌性の萎縮がある。
Foveolar hyperplasiaは、もともとTFF1を発現する小窩表層粘液細胞からなる胃小窩の伸長である。SPEMは胃底部のTFF2陽性細胞を特徴とするantral phenotype lineageである。SPEMは胃癌を取り囲む胃粘膜によく見られ、初期の胃癌の58%においてTFF2は陽性である。腸上皮化生は胃粘膜に生じる腸型細胞(intestinal phenotype cells)を特徴とし、腸型胃癌の前癌病変であると考えられている。TFF3は、前述の小腸及び大腸の杯細胞に加え、胃の腸上皮化生でも発現する。
Foveolar hyperplasiaは、もともとTFF1を発現する小窩表層粘液細胞からなる胃小窩の伸長である。SPEMは胃底部のTFF2陽性細胞を特徴とするantral phenotype lineageである。SPEMは胃癌を取り囲む胃粘膜によく見られ、初期の胃癌の58%においてTFF2は陽性である。腸上皮化生は胃粘膜に生じる腸型細胞(intestinal phenotype cells)を特徴とし、腸型胃癌の前癌病変であると考えられている。TFF3は、前述の小腸及び大腸の杯細胞に加え、胃の腸上皮化生でも発現する。
後述する実施例に示されるとおり、血清TFF1レベルは、ヘリコバクターピロリ菌感染陰性群に比較して、陽性群で有意に高く、また、非胃癌患者群に比較して、胃癌患者群で高い傾向が見られた。よって、血清TFF1レベルは、特にヘリコバクターピロリ菌感染の検査に有用であると考えられる。ヘリコバクターピロリ菌の検査は、一般に、抗ヘリコバクターピロリ菌抗体を用いる方法で行われるが、ヘリコバクターピロリ菌は萎縮性胃炎が悪化すると死滅し、この方法では検出されなくなる。血清TFF1レベルによって検出すれば、かかるヘリコバクターピロリ菌が死滅した後にも、感染の有無を検出することが可能である。
また、TFF1は、ヘリコバクターピロリ菌感染陰性群と胃癌患者との判別においては、高い感度、特異度及びオッズ比を示し、胃癌の検査にも有用である。
また、TFF1は、ヘリコバクターピロリ菌感染陰性群と胃癌患者との判別においては、高い感度、特異度及びオッズ比を示し、胃癌の検査にも有用である。
血清TFF2及び血清TFF3は、ヘリコバクターピロリ菌感染陰性群に比較して、陽性群で有意に高く、また、非胃癌患者群に比較して、胃癌患者群で有意に高かった。特に、TFF3は、ヘリコバクターピロリ菌感染の有無に関わらず、非胃癌患者と胃癌患者の判別において、高い感度、特異度及びオッズ比を示し、胃癌の検査に有用である。
本発明に係る検査に用いられる血清は、被検者から採取した血液から常法にしたがって調製したものを用いることができる。
血清中のTFFを測定する工程は、液体中の特定のタンパク質を検出、測定するためのあらゆる方法を用いて行うことができ、例えば、例えば、イムノアッセイ(凝集法、比濁法を含む)、ウエスタンブロッティング法、表面プラズモン共鳴(SPR)法等が挙げられるが、これらに限定されない。抗TFF抗体とTFFとの抗原抗体反応を利用してTFF量を測定するイムノアッセイは、特に簡便で好ましい。
イムノアッセイは、検出可能に標識した抗TFF抗体、及び/又は検出可能に標識した抗TFF抗体に対する抗体(二次抗体)を用いる。抗体の標識法により、エンザイムイムノアッセイ(EIA又はELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、化学発光イムノアッセイ(CLIA)、蛍光酵素イムノアッセイ(FLEIA)、化学発光酵素イムノアッセイ(CLEIA)、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)等に分類され、これらのいずれも本発明の方法に用いることができる。
ELISA法では、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素、RIA法では、125I、131I、35S、3H等の放射性物質、FPIA法では、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、近赤外蛍光材料等の蛍光物質、CLIA法では、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン等の発光物質で標識した抗体が用いられる。その他、金コロイド、量子ドットなどのナノ粒子で標識した抗体を検出することもできる。
また、イムノアッセイでは、抗TFF抗体をビオチンで標識し、酵素等で標識したアビジン又はストレプトアビジンを結合させて検出することもできる。
ELISA法では、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素、RIA法では、125I、131I、35S、3H等の放射性物質、FPIA法では、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、近赤外蛍光材料等の蛍光物質、CLIA法では、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン等の発光物質で標識した抗体が用いられる。その他、金コロイド、量子ドットなどのナノ粒子で標識した抗体を検出することもできる。
また、イムノアッセイでは、抗TFF抗体をビオチンで標識し、酵素等で標識したアビジン又はストレプトアビジンを結合させて検出することもできる。
イムノアッセイの中でも、酵素標識を用いるELISA法は、簡便且つ迅速に抗原を測定することができて好ましい。
ELISA法には競合法とサンドイッチ法がある。競合法では、マイクロプレート等の固相担体に抗TFF抗体を固定し、血清サンプルと酵素標識したTFFを添加して、抗原抗体反応を生じさせる。いったん洗浄した後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定する。血清サンプル中のTFFが多ければ発色は弱くなり、血清サンプル中のTFFが少なければ発色が強くなるので、検量線を用いてTFFレベルを求めることができる。
サンドイッチ法では、固相担体に抗TFF抗体を固定し、血清サンプルを添加し、反応させた後、さらに酵素で標識した別のエピトープを認識する抗TFF抗体を添加して反応させる。洗浄後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定することにより、TFF量を求めることができる。サンドイッチ法では、固相担体に固定した抗体と血清サンプル中のTFFを反応させた後、非標識抗体(一次抗体)を添加し、この非標識抗体に対する抗体(二次抗体)を酵素標識してさらに添加してもよい。
酵素基質は、酵素がペルオキシダーゼの場合、3,3'−diaminobenzidine(DAB)、
3,3'5,5'−tetramethylbenzidine(TMB)、o−phenylenediamine(OPD)等を用いることができ、アルカリホスファターゼの場合、p−nitropheny phosphate(NPP)等を用いることができる。
ELISA法には競合法とサンドイッチ法がある。競合法では、マイクロプレート等の固相担体に抗TFF抗体を固定し、血清サンプルと酵素標識したTFFを添加して、抗原抗体反応を生じさせる。いったん洗浄した後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定する。血清サンプル中のTFFが多ければ発色は弱くなり、血清サンプル中のTFFが少なければ発色が強くなるので、検量線を用いてTFFレベルを求めることができる。
サンドイッチ法では、固相担体に抗TFF抗体を固定し、血清サンプルを添加し、反応させた後、さらに酵素で標識した別のエピトープを認識する抗TFF抗体を添加して反応させる。洗浄後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定することにより、TFF量を求めることができる。サンドイッチ法では、固相担体に固定した抗体と血清サンプル中のTFFを反応させた後、非標識抗体(一次抗体)を添加し、この非標識抗体に対する抗体(二次抗体)を酵素標識してさらに添加してもよい。
酵素基質は、酵素がペルオキシダーゼの場合、3,3'−diaminobenzidine(DAB)、
3,3'5,5'−tetramethylbenzidine(TMB)、o−phenylenediamine(OPD)等を用いることができ、アルカリホスファターゼの場合、p−nitropheny phosphate(NPP)等を用いることができる。
本明細書において「固相担体」は、抗体を固定できる担体であれば特に限定されず、ガラス製、金属性、樹脂製等のマイクロタイタープレート、基板、ビーズ、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレン、PVDFメンブレン等が挙げられ、標的物質は、これらの固相担体に公知の方法に従って固定することができる。
また、上記イムノアッセイの中で、微量のタンパク質を簡便に検出できる方法として凝集法も好ましい。凝集法としては、例えば、抗体にラテックス粒子を結合させたラテックス凝集法が挙げられる。
ラテックス粒子に抗TFF抗体を結合させて適宜処理した血清サンプルに混合すると、TFFが存在すれば、抗体結合ラテックス粒子が凝集する。そこで、サンプルに近赤外光を照射して、吸光度の測定(比濁法)又は散乱光の測定(比朧法)により凝集塊を定量し、抗原の濃度を求めることができる。
ラテックス粒子に抗TFF抗体を結合させて適宜処理した血清サンプルに混合すると、TFFが存在すれば、抗体結合ラテックス粒子が凝集する。そこで、サンプルに近赤外光を照射して、吸光度の測定(比濁法)又は散乱光の測定(比朧法)により凝集塊を定量し、抗原の濃度を求めることができる。
抗TFF抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれも公知の方法に従って作製することができる。モノクローナル抗体は、例えば、TFF1〜3のそれぞれ又はその断片で免疫した非ヒト哺乳動物から抗体産生細胞を単離し、これを骨髄腫細胞等と融合させてハイブリドーマを作製し、このハイブリドーマが産生した抗体を精製することによって得ることができる。また、ポリクローナル抗体は、TFF1〜3のそれぞれ又はその断片で免疫した動物の血清から得ることができる。抗TFF抗体は、既存の抗体を用いてもよい。
本明細書において「胃癌」は通常の意味で用いられ、病理学的な分類、形態、深達度、進行で示される病期等によらず、あらゆる状態の胃癌を含む。
本明細書において「検査」は、診断に必要な情報を得るために、被検者から採取した試料を調べることを意味し、本発明の検査方法は、例えば検査会社等で実施され得る。
本発明の検査方法の一態様は、血清TFF1レベルを測定する工程を含む胃癌の検査方法であって、血清TFF1レベルのカットオフ値を0.1ng/mL〜10ng/mL、0.3ng/mL〜8ng/mL、0.5ng/mL〜5ng/mL、0.8ng/mL〜1.2ng/mL等とすることができる。カットオフ値をこの範囲とすることにより、感度、特異度、及びオッズ比が十分に高い検査とすることができる。
本発明の検査方法の一態様は、血清TFF3レベルを測定する工程を含む胃癌の検査方法であって、血清TFF3レベルのカットオフ値を1ng/mL〜15ng/mL、2ng/mL〜10ng/mL、3ng/mL〜5ng/mL、3.4ng/mL〜3.8ng/mL等とすることができる。カットオフ値をこの範囲とすることにより、感度、特異度、及びオッズ比が十分に高い検査とすることができる。
また、本発明に係る検査方法は、従来用いられているペプシノゲン法と組み合わせてもよい。ここでペプシノゲン法は、血清中のペプシノゲンI及びIIを抗ペプシノゲン抗体を用いて測定する方法であり、血清ペプシノゲンIレベルが70ng/mL未満で血清ペプシノゲンI/II比が3未満の場合に陽性と判定される。
後述する実施例に示されるとおり、血清TFF3レベルを測定する方法とペプシノゲン法を組み合わせることにより、さらに感度と特異度を上げることが可能である。
後述する実施例に示されるとおり、血清TFF3レベルを測定する方法とペプシノゲン法を組み合わせることにより、さらに感度と特異度を上げることが可能である。
(胃癌及びヘリコバクターピロリ菌感染の診断方法)
なお、本発明は、被検者の血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)レベルを測定する工程を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の診断方法も包含する。
ここで「診断」は、医療行為者が、検査結果等に基づいて、被検者が特定の疾患に罹患しているかどうか判断することを意味する。
本発明に係る胃癌及びヘリコバクターピロリ菌感染の診断方法について用いられる用語のうち、前述の本発明に係る検査方法で用いられた用語はそれと同義であり、ここでは説明を省略する。
なお、本発明は、被検者の血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)レベルを測定する工程を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の診断方法も包含する。
ここで「診断」は、医療行為者が、検査結果等に基づいて、被検者が特定の疾患に罹患しているかどうか判断することを意味する。
本発明に係る胃癌及びヘリコバクターピロリ菌感染の診断方法について用いられる用語のうち、前述の本発明に係る検査方法で用いられた用語はそれと同義であり、ここでは説明を省略する。
(胃癌の検査用キット)
本発明に係る胃癌の検査用キットは、上述した検査方法を使用して胃癌の検査を行うためのキットであり、抗TFF1抗体、抗TFF2抗体、及び抗TFF3抗体の少なくとも1つを含む。
本発明の検査用キットは、抗TFF抗体とTFFとの抗原抗体反応を利用するイムノアッセイによって、血清TFFレベルを測定するために必要な試薬及び装置を含む。
本発明に係る胃癌の検査用キットは、上述した検査方法を使用して胃癌の検査を行うためのキットであり、抗TFF1抗体、抗TFF2抗体、及び抗TFF3抗体の少なくとも1つを含む。
本発明の検査用キットは、抗TFF抗体とTFFとの抗原抗体反応を利用するイムノアッセイによって、血清TFFレベルを測定するために必要な試薬及び装置を含む。
検査用キットの一態様は、サンドイッチ法によってTFFを測定するためのものであり、マイクロタイタープレート;捕捉用の抗TFF抗体;アルカリホスファターゼ又はペルオキシダーゼで標識した抗TFF抗体;及び、アルカリホスファターゼ基質(NPP等)又はペルオキシダーゼの基質(DAB、TMB、OPD等)、を含む。
捕獲抗体と標識抗体は、異なるエピトープを認識する。
このようなキットでは、まず、マイクロタイタープレートに捕獲抗体を固定し、ここに血清サンプルを適宜希釈して添加した後インキュベートし、サンプルを除去して洗浄する。次に、標識した抗体を添加した後インキュベートし、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、TFFレベルを求めることができる。
捕獲抗体と標識抗体は、異なるエピトープを認識する。
このようなキットでは、まず、マイクロタイタープレートに捕獲抗体を固定し、ここに血清サンプルを適宜希釈して添加した後インキュベートし、サンプルを除去して洗浄する。次に、標識した抗体を添加した後インキュベートし、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、TFFレベルを求めることができる。
検査用キットの別の態様は、二次抗体を使用してサンドイッチ法によりTFFを測定するためのものであり、マイクロタイタープレート;捕捉用の抗TFF抗体;一次抗体として、抗TFF抗体;二次抗体として、アルカリホスファターゼ又はペルオキシダーゼで標識した抗TFF抗体;及び、アルカリホスファターゼ(NPP等)又はペルオキシダーゼの基質(DAB、TMB、OPD等)、を含む。
捕獲抗体と一次抗体は、異なるエピトープを認識する。
このようなキットでは、まず、マイクロタイタープレートに捕獲抗体を固定し、ここに血清サンプルを適宜希釈して添加した後インキュベートし、サンプルを除去して洗浄する。続いて、一次抗体を添加してインキュベート及び洗浄を行い、さらに酵素標識した二次抗体を添加してインキュベートを行った後、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、TFFレベルを求めることができる。二次抗体を用いることにより、反応が増幅され検出感度を高めることができる。
捕獲抗体と一次抗体は、異なるエピトープを認識する。
このようなキットでは、まず、マイクロタイタープレートに捕獲抗体を固定し、ここに血清サンプルを適宜希釈して添加した後インキュベートし、サンプルを除去して洗浄する。続いて、一次抗体を添加してインキュベート及び洗浄を行い、さらに酵素標識した二次抗体を添加してインキュベートを行った後、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、TFFレベルを求めることができる。二次抗体を用いることにより、反応が増幅され検出感度を高めることができる。
また、検査用キットの別の態様は、マイクロタイタープレート;一次抗体としての抗TFF抗体;アルカリホスファターゼ又はペルオキシダーゼで標識した抗TFF抗体;及び、アルカリホスファターゼ又はペルオキシダーゼの基質、を含む。
かかるキットによれば、まず、適当な濃度に希釈したサンプルでマイクロタイタープレートをコーティングし、一次抗体を添加する。インキュベート及び洗浄を行った後、酵素標識した二次抗体を添加し、インキュベート及び洗浄を行い、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、TFFレベルを求めることができる。
かかるキットによれば、まず、適当な濃度に希釈したサンプルでマイクロタイタープレートをコーティングし、一次抗体を添加する。インキュベート及び洗浄を行った後、酵素標識した二次抗体を添加し、インキュベート及び洗浄を行い、基質を加えて発色させる。マイクロタイタープレートリーダー等を用いて発色を測定することにより、TFFレベルを求めることができる。
各検査用キットは、さらに、必要な緩衝液、酵素反応停止液、マイクロプレートリーダー等を含むことも好ましい。
標識抗体は、酵素標識した抗体に限定されず、放射性物質(25I、131I、35S、3H等)、蛍光物質(フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、近赤外蛍光材料等)、発光物質(ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン等)、ナノ粒子(金コロイド、量子ドット)等で標識した抗体であってもよい。また標識抗体としてビオチン化抗体を用い、キットに標識したアビジン又はストレプトアビジンを加えることもできる。
本発明の検査用キットのさらに別の態様として、ラテックス凝集法によってTFFレベルを測定するためのものも挙げられる。このキットは、抗TFF抗体感作ラテックスを含み、血清サンプルと抗TFF抗体とを混合し、光学的方法で集塊を定量する。キットに凝集反応を可視化する凝集反応板が含まれていることも好ましい。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として本明細書に参照により組み込まれる。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として本明細書に参照により組み込まれる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の意義を逸脱することなく様々な態様に本発明を変更することができ、かかる変更も本発明の範囲に含まれる。
1.実施例1
<被検者>
東京大学医学部附属病院の胃食道外科で2006年2月から2008年9月までに治療を受けた胃癌患者183人を対象とした。治療前に血液サンプルを採取した。患者は、早期癌又は進行癌、組織型(分化型、未分化型)、数、深達度、腫瘍のサイズ、リンパ節転移、及び臨床病期により分類した。コントロール群は、2006年9月から11月にNTT関東中央病院で健康診断を受けた健康な男性及び女性の提供者280人とした。患者及び提供者の特性を下表に示す。
<被検者>
東京大学医学部附属病院の胃食道外科で2006年2月から2008年9月までに治療を受けた胃癌患者183人を対象とした。治療前に血液サンプルを採取した。患者は、早期癌又は進行癌、組織型(分化型、未分化型)、数、深達度、腫瘍のサイズ、リンパ節転移、及び臨床病期により分類した。コントロール群は、2006年9月から11月にNTT関東中央病院で健康診断を受けた健康な男性及び女性の提供者280人とした。患者及び提供者の特性を下表に示す。
結果の検証のための第二コホートとして、2009年8月から2010年3月に東京大学医学部附属病院の胃食道外科で治療を受けた59人の胃癌患者について、TFF3とペプシノゲンの血清レベルを測定した。年齢をマッチさせたコントロール群は、2011年1月から4月にNTT関東中央病院で健康診断を受けた健康な男性及び女性の提供者45人とし、第二コホートの30代から60代の患者15人と比較した。
肥満治療手術前及び後の患者群は、Vanderbilt University Medical CenterでRoux-en-Y法によるバイパス手術を受けた20人の患者を対象とした。
肥満治療手術前及び後の患者群は、Vanderbilt University Medical CenterでRoux-en-Y法によるバイパス手術を受けた20人の患者を対象とした。
<血清TFFレベルの測定>
常法に従ってヒトTFF1、TFF2及びTFF3発現プラスミドを構築し、発現させ、組換えヒトTFF1、TFF2及びTFF3を精製した。これを用いてウサギを免疫し、ヒトTFF1、TFF2及びTFF3のそれぞれに対する抗血清を得た。
血清TFF1、TFF2及びTFF3レベルは、この抗血清を用いたELISA法により測定した。感度は、TFF1が7pg/mL、TFF2が30pg/mL、TFF3が30pg/mLであった。抗TFF抗体はそれぞれ特異的に反応し、他のTFFに対する交差反応は示さなかった。
常法に従ってヒトTFF1、TFF2及びTFF3発現プラスミドを構築し、発現させ、組換えヒトTFF1、TFF2及びTFF3を精製した。これを用いてウサギを免疫し、ヒトTFF1、TFF2及びTFF3のそれぞれに対する抗血清を得た。
血清TFF1、TFF2及びTFF3レベルは、この抗血清を用いたELISA法により測定した。感度は、TFF1が7pg/mL、TFF2が30pg/mL、TFF3が30pg/mLであった。抗TFF抗体はそれぞれ特異的に反応し、他のTFFに対する交差反応は示さなかった。
<血清Helicobacter Pylori IgGレベル及び血清ペプシノゲンレベルの測定>
血清中のHelicobacter Pylori IgGレベルを、Helicobacter Pylori IgG ELISA Kit(Biohit Plc社製)で測定し、H pyloriへの感染状態を調べた。ペプシノゲンIレベルは、Pepsinogen I ELISA Kit (Biohit Plc.)で、ペプシノゲンIIレベルは、Pepsinogen II ELISA Kit (Biohit Plc.)で測定した。すべてのサンプルはデュープリケイトで解析した。IgGレベルが9.9U/mLを超えた場合に、H pyloriに感染していると診断した。
血清中のHelicobacter Pylori IgGレベルを、Helicobacter Pylori IgG ELISA Kit(Biohit Plc社製)で測定し、H pyloriへの感染状態を調べた。ペプシノゲンIレベルは、Pepsinogen I ELISA Kit (Biohit Plc.)で、ペプシノゲンIIレベルは、Pepsinogen II ELISA Kit (Biohit Plc.)で測定した。すべてのサンプルはデュープリケイトで解析した。IgGレベルが9.9U/mLを超えた場合に、H pyloriに感染していると診断した。
<統計解析>
すべての統計解析は、JMP7 software(SAS Institute, Inc.)で行った。2群間の比較には平均値のt検定を用いた。各評価において、それぞれ胃の状態を判別できるカットオフ値を求めるために、ROC曲線(受信者動作特性曲線)を用いた。ROC曲線の下側の面積(ROC曲線下面積)で識別能を評価した。こうして求めたカットオフ値を用いて感度、特異度及びオッズ比を求めた。続いて、中央値の95%信頼区間を求めた。両側p値が0.05未満の場合に統計的に有意であるとした。
すべての統計解析は、JMP7 software(SAS Institute, Inc.)で行った。2群間の比較には平均値のt検定を用いた。各評価において、それぞれ胃の状態を判別できるカットオフ値を求めるために、ROC曲線(受信者動作特性曲線)を用いた。ROC曲線の下側の面積(ROC曲線下面積)で識別能を評価した。こうして求めたカットオフ値を用いて感度、特異度及びオッズ比を求めた。続いて、中央値の95%信頼区間を求めた。両側p値が0.05未満の場合に統計的に有意であるとした。
<結果>
1.血清TFFレベル
図1に、胃癌患者群とコントロール群(H pylori感染陽性群及び陰性群)の血清TFF1、TFF2、及びTFF3レベルを示す。H pylori感染は、血清抗H pylori IgGレベルで判定した。
1.血清TFFレベル
図1に、胃癌患者群とコントロール群(H pylori感染陽性群及び陰性群)の血清TFF1、TFF2、及びTFF3レベルを示す。H pylori感染は、血清抗H pylori IgGレベルで判定した。
1−1.TFF1(図1左)
H pylori感染陰性のコントロール群では、血清TFF1レベルは0.57±0.29(中央値0.51、レンジ0.18−3.10)ng/mLであった。H pylori感染陽性のコントロール群では、血清TFF1レベルは2.51±1.52(中央値2.43、レンジ0.36−6.94)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。胃癌患者群の血清TFF1レベルは3.35±3.06(中央値2.37、レンジ0.31−19.1)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。H pylori陽性コントロール群と比較すると、胃癌患者群の血清TFF1レベルのほうが高くなる傾向は見られるものの、有意差は得られなかった。
H pylori感染陰性のコントロール群では、血清TFF1レベルは0.57±0.29(中央値0.51、レンジ0.18−3.10)ng/mLであった。H pylori感染陽性のコントロール群では、血清TFF1レベルは2.51±1.52(中央値2.43、レンジ0.36−6.94)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。胃癌患者群の血清TFF1レベルは3.35±3.06(中央値2.37、レンジ0.31−19.1)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。H pylori陽性コントロール群と比較すると、胃癌患者群の血清TFF1レベルのほうが高くなる傾向は見られるものの、有意差は得られなかった。
1−2.TFF2(図1中)
H pylori感染陰性のコントロール群では、血清TFF2レベルは2.88±1.04(中央値2.7、レンジ0.53−7.2)ng/mLであった。H pylori感染陽性のコントロール群では、血清TFF2レベルは5.15±2.41(中央値4.83、レンジ1.51−14.5)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。胃癌患者群の血清TFF2レベルは8.79±16.2(中央値6.36、レンジ0.78−210)ng/mLであり、いずれのコントロール群よりも有意に高かった。
H pylori感染陰性のコントロール群では、血清TFF2レベルは2.88±1.04(中央値2.7、レンジ0.53−7.2)ng/mLであった。H pylori感染陽性のコントロール群では、血清TFF2レベルは5.15±2.41(中央値4.83、レンジ1.51−14.5)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。胃癌患者群の血清TFF2レベルは8.79±16.2(中央値6.36、レンジ0.78−210)ng/mLであり、いずれのコントロール群よりも有意に高かった。
1−3.TFF3(図1右)
H pylori感染陰性のコントロール群では、血清TFF3レベルは2.72±0.80(中央値2.56、レンジ1.22−5.30)ng/mLであった。H pylori感染陽性のコントロール群では、血清TFF3レベルは3.05±1.10(中央値2.79、レンジ1.40−6.25)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。胃癌患者群の血清TFF1レベルは6.44±6.19(中央値5.02、レンジ1.85−74.4)ng/mLであり、いずれのコントロール群よりも有意に高かった。
なお、フォローアップ期間に第二の癌を発症した7人の患者と他の患者で血清TFF3レベルに有意差は見られなかった。
H pylori感染陰性のコントロール群では、血清TFF3レベルは2.72±0.80(中央値2.56、レンジ1.22−5.30)ng/mLであった。H pylori感染陽性のコントロール群では、血清TFF3レベルは3.05±1.10(中央値2.79、レンジ1.40−6.25)ng/mLであり、H pylori陰性コントロール群より有意に高かった。胃癌患者群の血清TFF1レベルは6.44±6.19(中央値5.02、レンジ1.85−74.4)ng/mLであり、いずれのコントロール群よりも有意に高かった。
なお、フォローアップ期間に第二の癌を発症した7人の患者と他の患者で血清TFF3レベルに有意差は見られなかった。
2.H pylori感染マーカーとしての血清TFFレベル
血清TFFレベルを用いたH pylori感染の診断の正確性を調べるために、ROC分析を行った。結果を図2Aに示す。図2Aは、血清抗H pylori IgGレベルで決定したH pylori感染陽性群とH pylori感染陰性群を比較した場合の血清TFFレベルのROC曲線を示す。TFF1、TFF2、TFF3の曲線下面積は、それぞれ0.952、0.811、0.587であった。
TFF1についてのROC曲線下面積は、0.95であった。カットオフ値を1.0ng/mLとすると、血清TFF1レベルのオッズ比は141.3、感度は87.8%、特異度は95.6%であり、血清TFF1レベルは、H pylori感染とよく相関していた。TFF2及びTFF3のROC曲線は、H pylori感染に対する高い感度と特異度は示さなかった。
血清TFFレベルを用いたH pylori感染の診断の正確性を調べるために、ROC分析を行った。結果を図2Aに示す。図2Aは、血清抗H pylori IgGレベルで決定したH pylori感染陽性群とH pylori感染陰性群を比較した場合の血清TFFレベルのROC曲線を示す。TFF1、TFF2、TFF3の曲線下面積は、それぞれ0.952、0.811、0.587であった。
TFF1についてのROC曲線下面積は、0.95であった。カットオフ値を1.0ng/mLとすると、血清TFF1レベルのオッズ比は141.3、感度は87.8%、特異度は95.6%であり、血清TFF1レベルは、H pylori感染とよく相関していた。TFF2及びTFF3のROC曲線は、H pylori感染に対する高い感度と特異度は示さなかった。
3.胃癌予測因子としての血清TFFレベル
血清TFFレベル及びペプシノゲンI/II比を用いた胃癌の診断の正確性を調べるために、ROC分析を行った。ペプシノゲン法では、血清ペプシノゲンIレベルが70ng/mL未満で、かつ、血清ペプシノゲンI/II比が3未満の場合に陽性と判定される。
図2Bは、血清TFFレベルとペプシノゲンI/II比による胃癌患者の識別能を示すROC曲線である。TFF3、TFF1、ペプシノゲンI/II比、及びTFF2のROC曲線下面積は、それぞれ、0.89、0.84、0.76及び0.74であった。また、TFF1、TFF2、TFF3、ペプシノゲンI/II比の陽性的中率は、それぞれ0.65、0.67、0.71、0.61であり、陰性的中率は、それぞれ0.92、0.81、0.90、0.87であった。
ROC分析の結果は、TFF3及びTFF1が、ペプシノゲンI/II比より正確な指標となることを示している。
血清TFFレベル及びペプシノゲンI/II比を用いた胃癌の診断の正確性を調べるために、ROC分析を行った。ペプシノゲン法では、血清ペプシノゲンIレベルが70ng/mL未満で、かつ、血清ペプシノゲンI/II比が3未満の場合に陽性と判定される。
図2Bは、血清TFFレベルとペプシノゲンI/II比による胃癌患者の識別能を示すROC曲線である。TFF3、TFF1、ペプシノゲンI/II比、及びTFF2のROC曲線下面積は、それぞれ、0.89、0.84、0.76及び0.74であった。また、TFF1、TFF2、TFF3、ペプシノゲンI/II比の陽性的中率は、それぞれ0.65、0.67、0.71、0.61であり、陰性的中率は、それぞれ0.92、0.81、0.90、0.87であった。
ROC分析の結果は、TFF3及びTFF1が、ペプシノゲンI/II比より正確な指標となることを示している。
次に、H pylori感染陰性群と陽性群にわけて、ROC分析を行った。
図2Cは、H pylori陰性の胃癌患者群とH pylori陰性の非胃癌患者を比較した場合のROC分析の結果である。図2Bに比較すると、すべての曲線において曲線下面積が大きくなったが、特にTFF3及びTFF1は、TFF2及びペプシノゲンI/IIより良いマーカーであると認められた。TFF1、TFF2、TFF3、ペプシノゲンI/II比の陽性的中率は、それぞれ0.92、0.84、0.78、0.81、陰性的中率は、0.93、0.87、0.94、0.89であった。
図2Dは、H pylori陽性の胃癌患者群とH pylori陽性の非胃癌患者を比較した場合のROC分析の結果である。TFF1及びペプシノゲンI/IIの曲線下面積は小さく、H pylori感染陽性の場合の胃癌マーカーとしては有力ではないことが示唆された。TFF2の曲線下面積も小さかった。一方、TFF3の曲線下面積は大きく、TFF3はH pylori感染の有無にかかわらず、胃癌検出のための有用なマーカーとなりうることが示された。TFF1、TFF2、TFF3、ペプシノゲンI/II比の陽性的中率は、それぞれ0.62、0.81、0.78及び0.61、陰性的中率は、0.68、0.59、0.81及び0.51であった。
図2Cは、H pylori陰性の胃癌患者群とH pylori陰性の非胃癌患者を比較した場合のROC分析の結果である。図2Bに比較すると、すべての曲線において曲線下面積が大きくなったが、特にTFF3及びTFF1は、TFF2及びペプシノゲンI/IIより良いマーカーであると認められた。TFF1、TFF2、TFF3、ペプシノゲンI/II比の陽性的中率は、それぞれ0.92、0.84、0.78、0.81、陰性的中率は、0.93、0.87、0.94、0.89であった。
図2Dは、H pylori陽性の胃癌患者群とH pylori陽性の非胃癌患者を比較した場合のROC分析の結果である。TFF1及びペプシノゲンI/IIの曲線下面積は小さく、H pylori感染陽性の場合の胃癌マーカーとしては有力ではないことが示唆された。TFF2の曲線下面積も小さかった。一方、TFF3の曲線下面積は大きく、TFF3はH pylori感染の有無にかかわらず、胃癌検出のための有用なマーカーとなりうることが示された。TFF1、TFF2、TFF3、ペプシノゲンI/II比の陽性的中率は、それぞれ0.62、0.81、0.78及び0.61、陰性的中率は、0.68、0.59、0.81及び0.51であった。
図3に、TFF、ペプシノゲン法、及び抗H pylori IgGについての感度、特異度、及びオッズ比を示す。カットオフ値は、血清TFF1については1.0ng/mL、血清TFF2については4.0ng/mL、血清TFF3については3.6ng/mLとした。
血清TFF1レベルのオッズ比は18.1(10.5-31.0)、感度は89.6%、特異度は67.7%であった。血清TFF3レベルのオッズ比は18.1(11.2-29.2)、感度は80.9%、特異度は81.0%であった。TFF1及びTFF3は、ペプシノゲン法よりも有意に高いオッズ比を示した。
血清TFF1レベルのオッズ比は18.1(10.5-31.0)、感度は89.6%、特異度は67.7%であった。血清TFF3レベルのオッズ比は18.1(11.2-29.2)、感度は80.9%、特異度は81.0%であった。TFF1及びTFF3は、ペプシノゲン法よりも有意に高いオッズ比を示した。
胃癌患者群の平均年齢はコントロール群より高かったため、各年齢群における血清TFF3レベルを比較した。患者群及びコントロール群を年齢ごとに分類しても、血清RFF3レベルは高いオッズ比を示した。
また、胃癌患者において血清TFF3レベルが高いことを検証するために、第二コホートとして、30代から60代の15人の患者を、年齢をマッチさせた45人のコントロール群と比較分析した。結果を図4に示す。患者の血清TFF3レベルは、年齢をマッチさせたコントロール群と比較しても有意に高かった(P<0.001)。
また、胃癌患者において血清TFF3レベルが高いことを検証するために、第二コホートとして、30代から60代の15人の患者を、年齢をマッチさせた45人のコントロール群と比較分析した。結果を図4に示す。患者の血清TFF3レベルは、年齢をマッチさせたコントロール群と比較しても有意に高かった(P<0.001)。
4.血清TFF3レベルとペプシノゲン法との組み合わせ
胃癌患者182名のうち、血清TFF3レベルとペプシノゲン法で、陽性又は陰性と診断された数を下表に示す。
胃癌患者182名のうち、血清TFF3レベルとペプシノゲン法で、陽性又は陰性と診断された数を下表に示す。
182人の患者のうち、ペプシノゲン法では85人が胃癌とは診断されなかった。しかしながら、血清TFF3レベルと組み合わせると、この85人のうち69人は胃癌の可能性があると診断される。一方、182人のうち8人はTFF3レベルでは陰性であったが、ペプシノゲン法では陽性と診断された。
この結果を検証するために、59人の胃癌患者を第二コホートとして、血清TFF3レベルとペプシノゲン法によって分析した。ペプシノゲン法では、59人の患者うち27人は陰性となったが、TFF3法を組み合わせると、この27人のうち26人は陽性となった。ペプシノゲン法のみ、TFF3法のみ、及びこれらの組み合わせのそれぞれについてのROC曲線を図5に示す。陽性的中率及び陰性的中率は、ペプシノゲン法ではそれぞれ0.608及び0.874、TFF3法ではそれぞれ0.709及び0.895、両者を組み合わせるとそれぞれ0.828及び0.878であった。
この結果を検証するために、59人の胃癌患者を第二コホートとして、血清TFF3レベルとペプシノゲン法によって分析した。ペプシノゲン法では、59人の患者うち27人は陰性となったが、TFF3法を組み合わせると、この27人のうち26人は陽性となった。ペプシノゲン法のみ、TFF3法のみ、及びこれらの組み合わせのそれぞれについてのROC曲線を図5に示す。陽性的中率及び陰性的中率は、ペプシノゲン法ではそれぞれ0.608及び0.874、TFF3法ではそれぞれ0.709及び0.895、両者を組み合わせるとそれぞれ0.828及び0.878であった。
5.血清TFFレベルと胃癌の組織型
胃癌がTFFの血清レベルに与える影響を調べるために、胃癌の組織型による血清TFFレベルの違いを測定した。結果を図6に示す。TFF1及びTFF2レベルは、未分化型胃癌患者と比較して、分化型胃癌患者では有意に低かった(TFF1:P=0.018、TFF2:P=0.016)。一方、分化型患者と未分化型患者の間には血清TFF3レベルについては有意差が見られなかった(P=0.312)。胃癌のその他の病理学的分類(数、深達度、サイズ、リンパ節転移、臨床病期)による血清TFFレベルの違いは見られなかった(データ示さず)。
胃癌がTFFの血清レベルに与える影響を調べるために、胃癌の組織型による血清TFFレベルの違いを測定した。結果を図6に示す。TFF1及びTFF2レベルは、未分化型胃癌患者と比較して、分化型胃癌患者では有意に低かった(TFF1:P=0.018、TFF2:P=0.016)。一方、分化型患者と未分化型患者の間には血清TFF3レベルについては有意差が見られなかった(P=0.312)。胃癌のその他の病理学的分類(数、深達度、サイズ、リンパ節転移、臨床病期)による血清TFFレベルの違いは見られなかった(データ示さず)。
6.胃切除前後の血清TFFレベル
血清TFFレベルが上昇する原因を調べるために、胃癌の切除の前後における血清TFFレベルを比較した。46人の患者について、手術前と手術1週間後の血清TFF1、TFF2、TFF3レベルを測定した。9人の患者は胃全摘術を受け、32人は幽門側胃切除術を受け、5人は噴門側胃切除術を受けた。
図7は、胃切除前後の血清TFFレベルの分布を示す。血清TFF1レベルと血清TFF2レベルは、術後1週間で半分以下となった。一方、血清TFF3レベルには有意な変化が見られなかった。術後1週間では、患者は未だ急性炎症状態にあるため、その後3ヶ月以上血清TFFレベルを測定したところ、TFF1及びTFF2レベルは低いままであり、TFF3レベルは高いまま維持されることを確認した(図8)。
術後のTFF3レベルの増加が生理的な食べ物の流れの変化によるものである可能性を検証するため、Roux-en-Y法によるバイパス手術を受けた20人の患者について、手術の前後における血清TFF3レベルを測定した。血清TFF3レベルは、手術前が7.13±8.18ng/mLであり、手術後が5.32±2.04ng/mLであった。患者は、健康なコントロール群に比較して高いTFF3レベルを示したが、手術後のアップレギュレーションは見られなかった。
血清TFFレベルが上昇する原因を調べるために、胃癌の切除の前後における血清TFFレベルを比較した。46人の患者について、手術前と手術1週間後の血清TFF1、TFF2、TFF3レベルを測定した。9人の患者は胃全摘術を受け、32人は幽門側胃切除術を受け、5人は噴門側胃切除術を受けた。
図7は、胃切除前後の血清TFFレベルの分布を示す。血清TFF1レベルと血清TFF2レベルは、術後1週間で半分以下となった。一方、血清TFF3レベルには有意な変化が見られなかった。術後1週間では、患者は未だ急性炎症状態にあるため、その後3ヶ月以上血清TFFレベルを測定したところ、TFF1及びTFF2レベルは低いままであり、TFF3レベルは高いまま維持されることを確認した(図8)。
術後のTFF3レベルの増加が生理的な食べ物の流れの変化によるものである可能性を検証するため、Roux-en-Y法によるバイパス手術を受けた20人の患者について、手術の前後における血清TFF3レベルを測定した。血清TFF3レベルは、手術前が7.13±8.18ng/mLであり、手術後が5.32±2.04ng/mLであった。患者は、健康なコントロール群に比較して高いTFF3レベルを示したが、手術後のアップレギュレーションは見られなかった。
2.実施例2
2007年10月から2009年12月までに、東芝病院で手術前の内視鏡による精密検査を受けた胃癌患者を対象とした。他の癌または重篤な疾患を合併している者は対象から除いた。コントロール群は、2008年12月から2009年12月に野村病院予防医学センター(Health Medical Center of Nomura Hospital)で健康診断を受けた健康な男女とした。
年齢/性別マッチ群は、患者群とコントロール群の比を1:3とし、年齢は患者群とコントロール群で3歳以内にマッチさせ、性別は完全にマッチさせた。
実施例1と同様の方法で測定した患者群及びコントロール群の血清TFF1〜3レベルは下表に示すとおりであり、P値はいずれも0.0001未満であり、患者群とコントロール群で有意差が見られた。
2007年10月から2009年12月までに、東芝病院で手術前の内視鏡による精密検査を受けた胃癌患者を対象とした。他の癌または重篤な疾患を合併している者は対象から除いた。コントロール群は、2008年12月から2009年12月に野村病院予防医学センター(Health Medical Center of Nomura Hospital)で健康診断を受けた健康な男女とした。
年齢/性別マッチ群は、患者群とコントロール群の比を1:3とし、年齢は患者群とコントロール群で3歳以内にマッチさせ、性別は完全にマッチさせた。
実施例1と同様の方法で測定した患者群及びコントロール群の血清TFF1〜3レベルは下表に示すとおりであり、P値はいずれも0.0001未満であり、患者群とコントロール群で有意差が見られた。
実施例1と同様に、TFF3の結果についてROC分析を行ったところ、曲線下面積は0.812であった。
また、TFF3について、カットオフ値を7ng/mLとして感度と特異度を求めたところ、それぞれ66.1%(63.6−68.6%)と91.7%(90.1%−93.1%)であった。
一方、この患者群及びコントロール群についてのペプシノゲンI/II比の感度と特異度は67.2%(64.7−69.6%)と81.7%(79.6−83.6%)であった。
TFF3法はペプシノゲン法より特異度が約10%、陽性的中率が約25%高かった。
また、TFF3について、カットオフ値を7ng/mLとして感度と特異度を求めたところ、それぞれ66.1%(63.6−68.6%)と91.7%(90.1%−93.1%)であった。
一方、この患者群及びコントロール群についてのペプシノゲンI/II比の感度と特異度は67.2%(64.7−69.6%)と81.7%(79.6−83.6%)であった。
TFF3法はペプシノゲン法より特異度が約10%、陽性的中率が約25%高かった。
また、胃癌患者群を癌の進行度及び組織型にわけて感度を求めた。結果を下表に示す。
Miki K. et al. Adv Exp Med Biol 1995;362:139-143.
Plaut AG. N Engl J Med 1997;336:506-507
Ribieras S. et al. Biochim Biophys Acta 1998;1378:F61-F77
Kjellev S. Cell Mol Life Sci 2009;66:1350-1369
Wong WM. et al. Gut 1999;44:890-895
Claims (8)
- 被検者の血清中のトレフォイルファクターファミリー(TFF)レベルを測定する工程を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法。
- 胃癌の検査方法であって、前記TFFが、TFF1又はTFF3である、請求項1に記載の方法。
- ヘリコバクターピロリ菌感染の検査方法であって、前記TFFがTFF1である、請求項1に記載の方法。
- 前記血清TFFレベルを測定する工程は、抗TFFタンパク質抗体を用いたイムノアッセイによって行う、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
- 胃癌の検査方法であって、血清TFF1レベルのカットオフ値を、0.1ng/mL〜10ng/mLとする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 胃癌の検査方法であって、血清TFF3レベルのカットオフ値を1ng/mL〜15nm/mLとする、請求項1から5のいずれか1項に記載の検査方法。
- 抗TFF抗体を含む、胃癌又はヘリコバクターピロリ菌感染の検査用キット。
- 前記抗TFF抗体が、抗TFF1抗体又は抗TFF3抗体である、請求項7に記載のキット。
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