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JP2014187751A - 燃料供給装置 - Google Patents

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JP2014187751A
JP2014187751A JP2013059583A JP2013059583A JP2014187751A JP 2014187751 A JP2014187751 A JP 2014187751A JP 2013059583 A JP2013059583 A JP 2013059583A JP 2013059583 A JP2013059583 A JP 2013059583A JP 2014187751 A JP2014187751 A JP 2014187751A
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Shinichiro Horisoko
伸一郎 堀底
Keizo Hayama
恵三 葉山
Masateru Shimokawa
真輝 下川
Yoshizumi Takahashi
義往 高橋
Takao Ikaruga
孝夫 鵤木
Taichi Nakamura
太一 中村
Hiroshi Sato
浩 佐藤
Naoki Takeuchi
直樹 竹内
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Abstract

【課題】給電電極の電食防止のための工程を簡略化することができるとともに、異物混入に対する管理負担を軽減することができる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料タンクの外部に露出される電源端子と、燃料ポンプ3を駆動するモータ部Mの給電端子45とが、燃料タンク内でハーネス20を介して接続され、電源端子に供給された電力をモータ部Mの給電端子45へ供給可能な燃料供給装置において、給電端子45の周囲を覆うカバー部46と、ハーネス20を挿通しつつカバー部46を閉塞する閉塞部材50と、を備え、カバー部46と閉塞部材50との少なくとも一方に、カバー部46の内外差圧を抑制する差圧抑制機構55を備えることを特徴としている。
【選択図】図3

Description

この発明は、燃料タンクから内燃機関に燃料を供給するための車両用の燃料供給装置に関するものである。
自動二輪車や四輪車などの車両にあっては、燃料タンクの内部に燃料ポンプが収容される、いわゆるインタンク式の燃料供給装置を用いる場合が多い。一般に、インタンク式の燃料供給装置は、燃料タンクの底面側に設けられたポンプ部で燃料を汲み上げて内燃機関へ圧送するようになっており、ポンプ部の上方にポンプ部を駆動するモータ部が設けられ、ポンプ部の下方に燃料タンク内への異物の侵入を阻止するためのフィルター部が設けられている。
この種の燃料供給装置は、燃料ポンプを支持するフランジユニットが、燃料タンクの上壁や底壁に取り付けられる。一般に、このフランジユニットには、燃料ポンプに電力を供給するための電源コネクタが燃料タンクの外側に露出するように配置されている。この電源コネクタは複数の端子部を有しており、これら端子部がフランジユニットを貫通して、燃料タンクの内側に臨んでいる。一方で、燃料ポンプを収容してフランジユニットと共に燃料ポンプを支持するアッパーカップには、モータ部のブラシと導通された複数の端子部が貫通して配設されている。これらアッパーカップに配設された端子部と、フランジユニットに配設された端子部とは、それぞれハーネスを介して電気的に接続されている。これにより電源コネクタに供給される電力が、ハーネスを介してモータ部に供給されることとなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−163238号公報
ところで、エタノールを含有する燃料を使用可能なフレックスフューエル車などにおいては、水を吸収した含水エタノールが導電体となることから、燃料ポンプのアッパーカップやフランジに配設された給電端子など、端子部の付近が含水エタノールで満たされると、端子部の正極および負極間に電流漏れ経路が形成されて電食が生じる虞がある。漏れ電流を抑制するためには、例えば、端子部付近を充填剤で封止することが考えられるが、この場合、ハーネスとハーネスに取り付けられる圧着端子との間や、圧着端子と給電端子との間に充填剤が浸入して接触不良等が生じるのを防止するために、はんだ付けを行うはんだ工程が必要となる。つまり、端子部の電食を防止するためには、上記はんだ工程、充填剤を充填する充填工程、および、充填剤を硬化させる硬化工程などの複数の工程が追加で必要となり、作業者の負担が増加してしまうという課題がある。
また、上記充填剤を用いる場合、充填剤のカスが発生し易いため、異物混入のリスクが増大して、異物管理に係る負担が増大する虞がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、端子部の電食防止のための工程を簡略化して作業者の負担を軽減できるとともに、異物混入に対する管理負担を軽減することができる燃料供給装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために本発明は以下の構成を採用する。
この発明に係る燃料供給装置は、ハーネスが接続される端子部を燃料タンクの内部に備える燃料供給装置において、前記端子部の周囲を覆うカバー部と、前記ハーネスを挿通しつつ前記カバー部を閉塞する閉塞部材と、を備え、前記カバー部と前記閉塞部材との少なくとも一方に、前記カバー部の内外差圧を抑制する差圧抑制機構を備えることを特徴としている。
このように構成することで、カバー部の内外が閉塞部材によって閉塞されることで、電流漏れ経路が形成されるのを防止できる。また、充填剤を用いない場合、燃料ポンプ内の圧力上昇の影響によりカバー部内の圧力が上昇すると、カバー部外部との差圧によって、例えばハーネスの被覆内側を通って燃料が押し出される場合があるが、差圧抑制機構によってカバー部の内外における差圧を抑制することでハーネスの被覆内側に燃料が入り込むのを防止することができるため、充填剤を充填する工程を省略できる。また、充填剤を用いないことで、端子部とハーネスの芯線との間に充填剤が入り込むことがないため、充填剤による接触不良を解消するためのはんだ工程を省略できるとともに、充填剤に起因する異物混入の虞がなくなる。
さらに、この発明に係る燃料供給装置は、上記燃料供給装置において、前記カバー部を覆い、前記閉塞部材の抜けを防止する抜け止め部材を備え、該抜け止め部材と前記カバー部との間にラビリンス構造を備えていてもよい。
このように構成することで、抜け止め部材をカバー部に取り付けることによってラビリンス構造が形成されて電流漏れ経路を長くすることができるため、閉塞部材の抜け止めを行いつつ漏れ電流を十分に低減することができる。
さらに、この発明に係る燃料供給装置は、上記燃料供給装置において、前記差圧抑制機構が、前記カバー部に形成されるスリットであって、前記抜け止め部材は、前記スリット全体を覆うように設けられていてもよい。
このように構成することで、スリットを介してカバー部の内圧を逃がしつつ、抜け止め部材によってスリット全体が覆われていることで、スリットを介して電流漏れ経路が形成されるのを防止することができる。
さらに、この発明に係る燃料供給装置は、上記燃料供給装置において、前記モータが、互いに近接して配列された一対の前記端子部を備え、該一対の端子部には個別に前記カバー部が設けられ、該カバー部には、前記端子部の配列方向の両外側に前記スリットが形成されてもよい。
このように構成することで、一対のカバー部に設けられたスリット同士をできる限り離間させて、その分だけ更に電流漏れ経路の距離を長くできるので、一対の端子部間に流れる漏れ電流の更なる低減を図ることができる。
この発明に係る燃料供給装置によれば、端子部の電食防止のための工程を簡略化して作業者の負担を軽減できるとともに、異物混入に対する管理負担を軽減することができる。
この発明の第一実施形態における燃料供給装置の斜視図である。 上記燃料供給装置の燃料ポンプを示す斜視図である。 上記燃料ポンプの給電部付近の縦断面図である。 図2のグロメットストッパーを外した状態を示す斜視図である。 上記給電部の部分断面を示す斜視図である。 上記グロメットストッパーの斜視図である。 上記グロメットストッパーの平面図である。 上記グロメットストッパーの底面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。 図7のB−B線に沿う断面図である。 この発明の第二実施形態における燃料供給装置の斜視図である。 第二実施形態における燃料供給装置の平面図である。 第二実施形態におけるグロメットストッパーの部分断面を示す拡大図である。 第二実施形態におけるグロメットストッパーを取り外した状態を示す図11に相当する斜視図である。 第二実施形態におけるカバー部のスリットが延びる方向に沿う縦断面図である。
次に、この発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この第一実施形態における燃料供給装置1を示している。燃料供給装置1は、例えば、自動車や自動二輪車などの燃料タンク2の底部に固定され、燃料に浸漬された状態で燃料タンク2内の燃料を汲み上げて不図示の内燃機関に圧送する。
図1に示すように、燃料供給装置1は、燃料ポンプ3と、燃料ポンプ3の下端に配設され燃料タンク2に取り付けられるフランジユニット4と、燃料ポンプ3を内包するように形成されフランジユニット4と共に燃料ポンプ3を支持するアッパーカップ5とを備えている。なお、以下の説明においては、図1に示す燃料供給装置1の如く燃料ポンプ3およびアッパーカップ5がフランジユニット4の上側に配置されているものとし、軸方向の相対位置を単に上側、下側とそれぞれ表現する場合がある。
フランジユニット4は、その上縁から外側に延出する環状の外フランジ部13を備えている。この外フランジ部13には、その上面に、上記燃料タンク2の開口部よりも僅かに小径な環状部14が形成されている。この環状部14が上記燃料タンク2の開口部に嵌合することによって、フランジユニット4と燃料タンク2とのシール性が確保されるようになっている。このフランジユニット4は、上記燃料タンク2の開口部に、環状部14を外側から挿入するようにして取り付けられ、上記燃料タンク2の開口部を閉塞する。
フランジユニット4は、外フランジ部13よりも下側の部分が燃料タンク2の外部に露出された状態になる一方で、フランジユニット4に支持され外フランジ部13よりも上側に配置される燃料ポンプ3などの機構が燃料タンク2の内部の燃料に浸漬された状態となる。
フランジユニット4は、外フランジ部13よりも下側に、外フランジ部13の径方向外側に向かって開口するコネクタ16を備えている。コネクタ16には、外部電源に接続された電源用ハーネスや後述のセンダゲージ32の検出信号を外部制御機器に出力する信号用ハーネスのコネクタ(何れも図示せず)が接続可能とされている。
フランジユニット4は、外フランジ部13の上側に、一端が上方向かって延びる一対の電源端子17と、一対の検出信号端子18とを備えている。これら電源端子17と検出信号端子18とは、燃料ポンプ3の周方向に所定間隔で並んで近接配置されている。電源端子17と検出信号端子18との各他端は、コネクタ16のハウジング16a内に並んで露出されている。そして、コネクタ16に上記電源用ハーネスおよび信号用ハーネスのコネクタが接続されることで、電源端子17は電源用ハーネスと導通され、検出信号端子18は上記信号用ハーネスと導通される。
外フランジ部13の上側において、電源端子17と検出信号端子18との各周囲には、樹脂製のハウジング19が形成されている。電源端子17の一端には、電源端子17に供給された電力を燃料ポンプ3のモータ部M(後述する)に供給するためのモータ給電用ハーネス20の一端が接続され、検出信号端子18の一端には、センダゲージ32の検出信号を検出信号端子18に伝達するためのセンダゲージ用ハーネス21の一端が接続されている。2本のモータ給電用ハーネス20と2本のセンダゲージ用ハーネス21とは、アッパーカップ5の外周面に形成されたクリップ部22で一つに束ねられて、それぞれモータ部Mとセンダゲージ32とに向かって配索されている。
アッパーカップ5の上側面5aには、モータ部Mの給電部30が上下方向に貫通する貫通孔5bが形成されている。また、アッパーカップ5には、径方向外側に向かってゲージ取付板31が突出形成されており、このゲージ取付板31にセンダゲージ32が取り付けられている。センダゲージ32は、燃料タンク2内の燃料の残量、すなわち液面位置を検出する液面計であって、ゲージ取付板31に取り付けられるボックス状のゲージ本体33を備えている。ゲージ本体33には、揺動アーム34が揺動自在に取り付けられ、この揺動アーム34の先端に、燃料の液面で浮遊するフロート35が取り付けられている。
ゲージ本体33には、液面位置を検出する検出基板(図示せず)が収容されており、揺動アーム34の基端部に設けられた摺接片(図示せず)が上記検出基板に摺動可能に当接している。上記検出基板は、例えば、揺動アーム34が揺動することで変位する摺接片の接触位置などに応じて液面位置を検出する。上記検出基板には、上述したセンダゲージ用ハーネス21の他端が接続されており、上記検出基板によって検出された液面位置の情報がセンダゲージ用ハーネス21およびコネクタ16を介して外部制御機器に出力される。
アッパーカップ5には、上側面5aに沿って延びると共に外周面に沿って下側に延びる燃料流路ユニット37が一体成形されている。また、フランジユニット4には、外フランジ部13よりも下側に、径方向外側に向かって延びる燃料取り出し管38が形成されている。燃料流路ユニット37は、燃料ポンプ3の吐出口41(図2参照)から吐出された燃料をフランジユニット4の燃料取り出し管38に送出するための流路を形成する。
図2は、燃料ポンプ3を示す斜視図である。燃料ポンプ3は、ポンプ部Pとポンプ部Pの上側に配置されたモータ部Mとを備えている。ポンプ部Pには、例えば、インペラを有する非容積型の再生式ポンプが用いられ、モータ部Mによって回転駆動される。モータ部Mには、例えば、ブラシ付きの直流モータが用いられる。
燃料ポンプ3のケーシング43の上面43aには、燃料ポンプ3からポンプ部Pにより圧縮された燃料を吐出する吐出口41が軸方向上側に向かって突設されており、この吐出口41には、燃料ポンプ3内に燃料が逆流するのを防止するチェックバルブ42が取り付けられている。このチェックバルブ42が取り付けられた吐出口41には、上述した燃料流路ユニット37が接続される。また、ケーシング43の上面43aには、燃料ポンプ3の軸線Oを挟んで吐出口41の反対側に、モータ部Mに電力を供給するための給電部30が軸方向上側に向かって突設されている。
図3を併せて参照し、給電部30は、端子部として正極用および負極用の一対の給電端子45を備えている。この給電端子45は、燃料ポンプ3のケーシング43を貫通して設けられ、モータ部Mの上部に配置された一対のブラシ(図示せず)に電気的に接続されている。さらに給電部30は、各給電端子45の周囲を覆う略有底円筒状のカバー部46を、給電端子45毎に個別に備えている。カバー部46は、軸方向上側に向かって立設されており、これらカバー部46の外周面46aは、上側に向かって僅かに先細りとなるように傾斜している。このようにカバー部46の外周面46aが先細りとなっていることで、後述するグロメットストッパー60に対してカバー部46の上部を円滑に嵌合することが可能となっている。
カバー部46の底壁46bは、ケーシング43の一部を形成する。この底壁46bは、ケーシング43の上面43aよりも軸方向下側に配置されており、この底壁46bを給電端子45が貫通して給電端子45の端部が上方に向かうように立設されている。これら給電端子45は、いわゆる平型端子のプラグを構成するものであり、これら給電端子45にモータ給電用ハーネス20の他端に取り付けられた端子47が係合されて、モータ給電用ハーネス20と給電端子45とが電気的に接続されるようになっている。
端子47は、いわゆる平型端子のソケットを構成するものであり、この端子47の一端(図3における紙面下側の端部)には、給電端子45を軸方向に挿入可能であると共に給電端子45の幅方向両側部を弾性的に挟みこむことで係合する係合部48が形成されている。さらに、係合部48の他端側には、モータ給電用ハーネス20の芯線20aに圧着される圧着部49が形成されている。また、端子47の他端(図3における紙面上側の端部)には、モータ給電用ハーネス20の被覆20bを周方向に覆うように取り付けられたグロメット50を外側からかしめることで、モータ給電用ハーネス20とグロメット50とを固定する固定部51が形成されている。なお、プラグとソケットが対を成していれば良く、プラグとソケットの形状を入れ替えても良い。
グロメット50は、電気的な絶縁性および弾性に優れたゴム材料などによって形成され、略円柱状に形成された本体部52と、この本体部52の軸方向下側に縮径して形成された被固定部53とを備えている。グロメット50の本体部52の外径は、カバー部46の開口部46c側の内径よりも僅かに大きく形成されており、これにより、グロメット50を開口部46cからカバー部46の内部に軸方向に押し込むことで、グロメット50の本体部52によってカバー部46の開口部46cを閉塞することができるようになっている。
本体部52の外周面には、軸方向にそれぞれ離間して凸部52aが形成されている。これら凸部52aは、本体部52の外周面の全周に亘って稜線が形成されるように径方向外側に突出して形成されている。このように凸部52aに稜線が形成されることでカバー部46の内周面にグロメットの全周を安定的に密着させることが可能となる。
グロメット50の軸中心には、モータ給電用ハーネス20を挿通するための貫通孔54が形成されている。このグロメット50の貫通孔54の内径は、モータ給電用ハーネス20の外径よりも僅かに小さく形成されている。つまり、貫通孔54にモータ給電用ハーネス20を挿入することで、貫通孔54が弾性変形してモータ給電用ハーネス20に対して固定部51がかしめられるまでの間の仮固定が可能となる。
被固定部53は、その外周側から上述した固定部51によって、その軸方向下端よりもやや上側の部位でかしめられることでモータ給電用ハーネス20の被覆20bの端部に固定される。被固定部53の固定部51によってかしめられる部位は圧縮変形されて、その軸方向下側の部位の方が大径となるため、被固定部53の軸方向への変位が規制される。なお、図2に示すように、モータ給電用ハーネス20の端子47とは反対側の端部には、端子47と同様の端子147と、グロメット50と同様のグロメット150が取り付けられており、端子147は上述した電源端子17に接続されるようになっている。
図3〜図5に示すように、カバー部46には、グロメット50よりもカバー部46の内側の内部空間の圧力とグロメット50よりもカバー部46の外側の外部空間との圧力の差圧を抑制する差圧抑制機構として、スリット55が形成されている。スリット55は、互いの間の距離が長くなるように、給電端子45の配列方向の両外側に配置されている。スリット55は、モータ給電用ハーネス20の外径よりもやや狭い所定幅で形成され、カバー部46の開口部46cから軸方向下側に向かって延びている。このスリット55は、開口部46cからグロメット50の本体部52よりも下側で、且つ、係合部48よりも上側の位置、より具体的には、被固定部53の近傍の位置に至っている。つまり、カバー部46のグロメット50よりも軸方向下側の空間と、カバー部46の外側の空間とは、スリット55のグロメット50よりも軸方向下側に形成される部分を介して連通されている。
図3を参照し、2つのカバー部46の間には、これらカバー部46同士を繋ぐ平板状のリブ57が形成されている。このリブ57の上部には、図3における紙面表裏方向に向かってリブ57を貫通する係止孔58が形成されている。なお、リブ57は、軸方向でケーシング43の上面43aの位置からカバー部46の上端よりも若干下側の位置まで形成されている。
カバー部46には、その上部を覆うようにして、グロメットストッパー60が取り付けられている。このグロメットストッパー60は、グロメット50が軸方向上側に抜けるのを防止するためのものであり、カバー部46に対して軸方向上側から係合可能となっている。以下、グロメットストッパー60の説明においては、図3における左右方向を幅方向と称し、図3における上下方向を軸方向上側および軸方向下側と称す。
図2、図6〜図10に示すように、グロメットストッパー60は、並んで配列された2つのカバー部46の各上端部を、同時に覆うように形成されており、略長円形状の上壁61と、この上壁61の周縁部から軸方向に延びる側壁62とを備えている。側壁62は、幅方向の長さが上記カバー部46の中心軸間距離と同等に形成された平板状の平面壁部62aを備えている。また側壁62は、平面壁部62aの両側縁に連なる略断面円弧状の2つの円弧状壁部62bを備えている。円弧状壁部62bは、その内周側半径が、カバー部46の軸方向における中間部の半径、より具体的にはスリット55よりも僅かに軸方向下側における半径と同等に形成されている。
上壁61には、モータ給電用ハーネス20を挿通させるための2本の挿通用スリット63が形成されている。これら挿通用スリット63は、モータ給電用ハーネス20の外径よりもやや大径な幅寸法で形成され、それぞれ吐出口41(図2参照)側の端縁から円弧中心に向かって平行に延びて形成されている。図3,図5、図8を参照し、上壁61の下面には、挿通用スリット63の端部周縁に、略C字状の突出部64形成されている。これら突出部64は、カバー部46の開口部46cに対して軸方向上側から嵌合可能となっており、これら突出部64が各開口部46cに嵌合されることで開口部46cに対する挿通用スリット63の位置決めがなされる。
さらに、上壁61には、各挿通用スリット63の間に、挿通用スリット63の延在方向のやや内側に向かって凹部66が形成されている。凹部66は、上壁61を形成する曲線部61aと同一円上に形成される2つの曲線部66aと、これら曲線部66a同士を繋ぐ直線部66bとを備えている。また、凹部66の直線部66bの軸方向下側には係止爪67が形成されている。この係止爪67は、軸方向下側に向かって平面壁部62aの下端の位置まで延びる延出部67aと、この延出部67aの下端部から平面壁部62a側に向かって突出する爪部67bとを備えている。この係止爪67の爪部67bは、上述したカバー部46間に形成された係止孔58に没入可能となっており、爪部67bが係止孔58に没入されることで、カバー部46に対してグロメットストッパー60の軸方向上側への変位が規制される。この際、カバー部46の軸方向上側に上壁61が配置されるので、グロメット50が開口部46cから軸方向上側に抜けて脱落するのを防止できる。
平面壁部62aの外側面には、モータ給電用ハーネス20を押さえるハーネスサポート部材69が形成されている。このハーネスサポート部材69は、軸方向から見て略L字状を呈しており、平面壁部62aとの間にモータ給電用ハーネス20を挟みこんで保持することができるようになっている。図7、図8に示すように、ハーネスサポート部材69には、平面壁部62a側に突出する各突起71が形成され、これら突起71によって挟み込まれたモータ給電用ハーネス20がハーネスサポート部材69から脱落するのが防止されている。また、ハーネスサポート部材69の先端部は先細りとされ、モータ給電用ハーネス20をスムーズにハーネスサポート部材69によって挟み込むことが可能となっている。
次に、上述したモータ給電用ハーネス20を給電部30に接続する手順について説明する。
まず、モータ給電用ハーネス20の端部をグロメット50の貫通孔54に挿通する。そして、モータ給電用ハーネス20の被覆20bを、必要な長さ分だけ切除して芯線20aを露出させる。
次いで、圧着用の専用工具を用いて端子47の圧着部49を芯線20aに圧着し、その後、端子47の固定部51の内側にグロメット50の被固定部53を配置してかしめる。これによりモータ給電用ハーネス20に対してグロメット50と端子47とが固定される。
次に、カバー部46に対して軸方向上側から端子47、グロメット50の順で挿入して、グロメット50を開口部46cに押し込む。この際、グロメット50から端子47に押し込み方向の力が伝達されて、端子47の係合部48に給電端子45が挿入されて係合される。これにより、端子47と給電端子45とが電気的に接続される。なお、この作業は、2本のモータ給電用ハーネス20に対してそれぞれ行われる。
その後、グロメットストッパー60の挿通用スリット63に、各配索位置に応じたモータ給電用ハーネス20を挿入して、挿通用スリット63の内部でモータ給電用ハーネス20を滑らせるようにして、軸方向上側からグロメットストッパー60をカバー部46に装着する。そして、係止爪67の爪部67bを係止孔58に没入させて、電源端子17と給電端子45との間を配索される給電用ハーネス20をハーネスサポート部材69により保持させる。
ここで、グロメットストッパー60をカバー部46に装着して係止爪67によって係止することで、カバー部46の上端がグロメットストッパー60の上壁61の下面に突き当たり密着した状態を保持するようになっている。また、カバー部46のスリット55よりも軸方向下側において、グロメットストッパー60の円弧状壁部62bの内周面がカバー部46の外周面46aに密着されるようになっている。これにより、スリット55全体がグロメットストッパー60の円弧状壁部62bによって覆われて、スリット55の近傍において、図5の矢印で示すように、給電端子45からの電流漏れ経路がラビリンス構造となる。また、所定の内圧を超えた場合には、円弧状壁部62bの内周面とカバー部材46の外周面46aとの間に隙間が形成されて、ラビリンス構造を介して内圧を逃がすことが可能となっている。
したがって、上述した第一実施形態の燃料供給装置1によれば、カバー部46の内外がグロメット50によって閉塞されることで、電流漏れ経路が形成されるのを防止できる。また、充填剤を用いない場合、燃料ポンプ3内の圧力上昇の影響によりカバー部46内の圧力が上昇すると、カバー部46外部との差圧によって、例えばモータ給電用ハーネス20の被覆20b内側を通って燃料が押し出される場合があるが、スリット55によってカバー部46の内外における差圧を抑制することでモータ給電用ハーネス20の被覆20b内側に燃料が入り込むのを防止することができるため、充填剤を充填する工程を省略できる。また、充填剤を用いないことで、端子47とモータ給電用ハーネス20の芯線20aとの間に充填剤が入り込むことがないため、充填剤による接触不良を解消するためのはんだ工程を省略できるとともに、充填剤に起因する異物混入の虞がなくなる。
その結果、給電電極の電食防止のための工程を簡略化して作業者の負担を軽減することができるとともに、異物混入に対する管理負担を軽減することができる。
また、グロメットストッパー60をカバー部46に取り付けることによってラビリンス構造が形成されて電流漏れ経路を長くなるため、グロメット50の抜け止めを行いつつ漏れ電流を十分に抑制することができる。
さらに、一対のカバー部46に設けられたスリット55同士をできる限り離間させて、その分だけ更に電流漏れ経路の距離を長くできるので、一対の給電端子45間に流れる漏れ電流の更なる低減を図ることができる。
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この第二実施形態は、この発明を電源端子17、検出信号端子18に適用したものであるため、同一部分に同一符号を付して説明し、重複説明を省略する。
図11、図12に示すように、燃料供給装置1のフランジユニット4は、外フランジ部13の上側に、一対の電源端子17と、一対の検出信号端子18とを備えている。これら電源端子17と検出信号端子18とは、一端が上方向かって延び、燃料ポンプ3の周方向に所定間隔で並んで近接配置されている。
電源端子17と検出信号端子18とは、各他端がコネクタ16のハウジング16a内に並んで露出されている。電源端子17および検出信号端子18との各他端は、いわゆる平型端子となっている。
電源端子17および検出信号端子18の各他端の周囲には、樹脂製のカバー部146が形成されている。電源端子17の一端には、電源端子17に外部から供給された電力を燃料ポンプ3のモータ部M(後述する)に供給するモータ給電用ハーネス20の一端が接続されている。さらに、検出信号端子18の一端には、センダゲージ32の検出信号を検出信号端子18に伝達するセンダゲージ用ハーネス21の一端が接続される。
図13〜図15に示すように、カバー部146は、電源端子17と検出信号端子18との周囲を覆う略有底円筒状に形成され、軸方向上側に向かって立設されている。また、各カバー部146は、外フランジ部13の周方向に列をなして並んで配されている。カバー部146は、その開口部から下方に向かって延びるスリット155を備えている。これらスリット155は、燃料供給装置1の径方向外側に配されている。なお、この実施形態におけるカバー部146は、上述した第一実施形態のカバー部46とスリット155の位置が異なるのみで、略同一形状とされている。
モータ給電用ハーネス20の端子47とは反対側の端部には、端子147、および、グロメット150がそれぞれ取り付けられている。同様に、センダゲージ用ハーネス21の端部にも、上記端子147およびグロメット150が取り付けられている。モータ給電用ハーネス20およびセンダゲージ用ハーネス21は、端子147を介して、それぞれ対応する電源端子17、検出信号端子18に接続される。なお、端子147およびグロメット150は、装着箇所が異なるだけで上述した端子47およびグロメット50と同じものである。
端子147は、上述した端子47と同様に、その一端に電源端子17および検出信号端子18に係合するする係合部48を備えている。また、端子147は、係合部148よりも他端側に、モータ給電用ハーネス20およびセンダゲージ用ハーネス21の芯線20aに圧着される圧着部149を備えている。さらに、端子147の他端には、モータ給電用ハーネス20に対してグロメット150を固定する固定部151が形成されている。固定部151は、モータ給電用ハーネス20の被覆20bを周方向に覆うように取り付けられたグロメット150を外側からかしめることで、グロメット150をモータ給電用ハーネス20に対して固定する。
カバー部146の上部には、グロメットストッパー160が取り付けられている。このグロメットストッパー160は、基本的に上述した第一実施形態のグロメットストッパー60と同じ機能を有する。すなわち、グロメットストッパー160は、グロメット150が軸方向上側に抜けることを防止する部材であり、カバー部46に対して軸方向上側から係合可能となっている。
この第二実施形態のグロメットストッパー160は、並んで配列された4つのカバー部146の各上部を同時に覆うように形成されている。このグロメットストッパー160は、外フランジ部13と略平行な円弧上に形成される外縁を有した上壁161と、上壁161の外縁下面から軸方向下側に向かって延びる側壁162とを備えている。
上壁161には、モータ給電用ハーネス20およびセンダゲージ用ハーネス21を挿通可能な凹部163が径方向内側から外側に向かって凹設されている。これら凹部163を介して、モータ給電用ハーネス20およびセンダゲージ用ハーネス21がグロメットストッパー160の上方に引き出されている。
また、上壁161には、凹部163の周囲に略C字状の突出部164形成されている。これら突出部164は、カバー部146の開口部146cに対して軸方向上側から嵌合可能となっており、これら突出部164が各開口部146cに嵌合されることで開口部146cに対する凹部163の位置決めがなされる。
カバー部146には、グロメット150よりもカバー部146の内側の内部空間の圧力とグロメット150よりもカバー部146の外側の外部空間との圧力の差圧を抑制する差圧抑制機構として、スリット155が形成されている。
スリット155は、モータ給電用ハーネス20、および、センダゲージ用ハーネス21の外径よりもやや狭い所定幅で形成され、カバー部146の開口部146cから軸方向下側に向かって延びている。このスリット55は、開口部146cからグロメット150の本体部152よりも下側で、且つ、係合部148よりも上側の位置、より具体的には、被固定部153の近傍の位置に至っている。つまり、カバー部146のグロメット150よりも軸方向下側の空間と、カバー部146の外側の空間とは、スリット155のグロメット150よりも軸方向下側に形成される部分を介して連通されている。
そして、カバー部146は、スリット155よりも軸方向下側で、グロメットストッパー160の内周面がカバー部146の外周面に密着されるようになっている。これにより、スリット155全体がグロメットストッパー160の側壁160によって覆われて、スリット155の近傍において、電源端子17および検出信号端子18からの電流漏れ経路がラビリンス構造となる。また、所定の内圧を超えた場合には、側壁160の内周面とカバー部材146の外周面との間に隙間が形成されて、ラビリンス構造を介して内圧を逃がすことが可能となっている。
また、複数のカバー部146のうち一つのカバー部146には、スリット155の下側に、係止突起167が形成されている。また、グロメットストッパー160の側壁162の一部は、上記係止突起167が形成されているカバー部146に係合する係合孔158を有した係止片部162aとされている。つまり係止片部162aに形成された係合穴158に係止突起167が没入されることで、グロメットストッパー160の挿抜方向への変位が規制される。
したがって、上述した第二実施形態の燃料供給装置によれば、上述した第一実施形態と同様に、カバー部146の内外がグロメット150によって閉塞されることで、電流漏れ経路が形成されるのを防止できる。また、スリット155によってカバー部146の内外における差圧を抑制することができる。そして、差圧が抑制されることで充填剤を省略できるため、端子147とモータ給電用ハーネス20の芯線との間、および、端子147とセンダゲージ用ハーネス21の芯線との間に、それぞれ充填剤が入り込むことがない。そのため、充填剤による接触不良を解消するためのはんだ工程を省略するとともに充填剤に起因する異物混入の虞がなくなる。その結果、電源端子17および検出信号端子18の電食防止のための工程を簡略化して作業者の負担を軽減することができるとともに、異物混入に対する管理負担を軽減することができる。
また、グロメットストッパー160をカバー部146に取り付けることによってラビリンス構造が形成されて電流漏れ経路を長くなるため、グロメット150の抜け止めを行いつつ漏れ電流を十分に抑制することができる。
なお、この発明は上述した各実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
上述した各実施形態では、差圧抑制機構としてスリット55,155を設ける場合について説明したが、差圧を抑制可能な機構であればスリット55,155に限られるものではなく、例えば、グロメット50,150を軸方向に貫通する孔や、グロメット50,150の周面に軸方向に延びるように形成された溝であってもよい。また、同様の溝をカバー部46,146側に設けるようにしても良い。
さらに、上述した各実施形態においては、フランジユニット4が下側に設けられて燃料タンク2の底面に取り付けるタイプの燃料供給装置に適用する一例について説明したが、これに限られず、例えば、フランジユニット4が上側に設けられて燃料タンク2の上面に取り付けられるタイプの燃料供給装置に適用しても良い。とりわけ、上記実施形態における燃料ポンプ3のように、燃料の内圧が高くなる吐出側に給電端子45が配置されている場合には、給電端子45とケーシング43との隙間から燃料が浸入してカバー部46の内圧が高くなり易いので好適である。
また、上述した第一実施形態では、この発明の端子部として給電端子45に適用した場合について説明し、第二実施形態では、この発明の端子部として電源端子17および検出信号端子18に適用する場合について説明したが、これら給電端子45、電源端子17および検出信号端子18の全てに適用するようにしても良い。さらに第二実施形態においては、この発明を電源端子17および検出信号端子18に適用する一例を説明したが、電源端子17および検出信号端子18の何れか一方にのみ適用するようにしても良い。
2 燃料タンク
3 燃料ポンプ
17 電源端子(端子部)
18 検出信号端子(端子部)
20 モータ給電用ハーネス(ハーネス)
21 センダゲージ用ハーネス(ハーネス)
45 給電端子(端子部)
46,146 カバー部
50,150 グロメット(閉塞部材)
55,155 スリット(差圧抑制機構)
60,160 グロメットストッパー(抜け止め部材)
M モータ部(モータ)

Claims (4)

  1. ハーネスが接続される端子部を燃料タンクの内部に備える燃料供給装置において、
    前記端子部を覆うカバー部と、
    前記ハーネスを挿通しつつ前記カバー部を閉塞する閉塞部材と、を備え、
    前記カバー部と前記閉塞部材との少なくとも一方に、前記カバー部の内外差圧を抑制する差圧抑制機構を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記カバー部を覆い、前記閉塞部材の抜けを防止する抜け止め部材を備え、該抜け止め部材と前記カバー部との間にラビリンス構造を備える請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記差圧抑制機構は、前記カバー部に形成されるスリットであって、前記抜け止め部材は、前記スリット全体を覆うように設けられる請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 互いに近接して配列された一対の前記端子部を備え、該一対の端子部には個別に前記カバー部が設けられ、該カバー部には、前記端子部の配列方向の両外側に前記スリットが形成される請求項3に記載の燃料供給装置。
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