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JP2013517972A - 低ゴースト発生の乾式消去物品及びその使用 - Google Patents

低ゴースト発生の乾式消去物品及びその使用 Download PDF

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JP2013517972A JP2012551272A JP2012551272A JP2013517972A JP 2013517972 A JP2013517972 A JP 2013517972A JP 2012551272 A JP2012551272 A JP 2012551272A JP 2012551272 A JP2012551272 A JP 2012551272A JP 2013517972 A JP2013517972 A JP 2013517972A
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Abstract

良好な書き込み受容性と良好なゴースト発生抵抗性を示す書き込み面を有する乾式消去物品、及びかかる物品の使用方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、乾式消去インクに対する良好な書き込み受容性と、書き込みと消去との間が長くてもなお乾式消去インクの容易な除去性を有する乾式消去物品、及びかかる物品の使用に関する。
乾式消去ボードは、それらの便利性及び多用途性のため、長年に渡って書き込み面として使用されてきた。それらのボードは、黒板の汚れ及び面倒を排除する表現手段を提供する。
乾式消去ボード上に書き込む乾式消去マーカーは、水滴を生じることなく、濃く確実な線を形成しなくてはならない。乾式消去インクが書き込み面上に水滴を生じる場合、結果的に書かれた像中に、破線又は欠落点を残す。乾式消去インクが水滴を生じない、乾式消去ボードが望まれる。
市場には多くの乾式消去物品がある。かかる物品の書き込み面の事例として、ホーロー、メラミン、塗装金属、ガラス、及びUV硬化されたアクリレートコーティングが挙げられる。これらの表面は、多くの市販の乾式消去マーカーの効果的な湿潤、並びに、上面に書かれてから短い時間、例えば数時間以内に消去される場合に十分な消去可能性をもたらすことができる。しかしながら、ボード上に数日、又は数週間残された場合、字消しを用いて書き込みを容易に消去できなくなる。その結果、「ゴースト発生」と称されることがある書き込みの跡が残り、特殊な液体洗浄剤による除去が必要である。
良好な書き込み受容性と、良好な低ゴースト発生特性の両方をもたらす乾式消去書き込み面に対するニーズが存在する。
本発明は、上面に書き込まれたときの良好な書き込み受容性、すなわち良好な乾式消去マーカーインクの湿潤と、書き込みと消去との間が長くてもなお乾式字消しによる乾式消去マーキングの容易な除去性、すなわち低ゴースト発生を備える乾式消去物品を提供する。また、これまで達成されていない乾式消去性能と使いやすさとの組み合わせ、幾つかの実施形態では、新規高性能乾式消去マーカーを達成する使用方法を提供する。
要約すると、本発明の乾式消去物品は、良好な書き込み受容性と良好なゴースト発生抵抗性の両方を示す書き込み面を有することを含む。本発明の乾式消去物品は、濡れ張力が、約38mJ/m未満、典型的には約32mJ/m未満、幾つかの実施形態においては約20〜約30mJ/mである書き込み面を有する。このような濡れ張力特性は、少なくとも約38mJ/m以上の濡れ張力を有すると考えられる周知の市販乾式消去物品の書き込み面より低い。
所望の表面特性は、書き込み部材の表面にコーティングを施して所望の特性を有する書き込み面をもたらす、又は選択された構成成分を書き込み部材に組み込んでその前面が所望の特性を示すようにすることにより、達成される。
要約すると、本発明の方法は、
a)本明細書に記載の乾式消去物品を提供する工程と、
b)書き込み面の表面エネルギーより小さい表面張力を有するインクを含む乾式消去マーカーを用いて、書き込み面に第1の書き込み内容を書き込む工程と、
c)少なくとも一部の第1の書き込み内容を、乾式字消しを用いて典型的には2回以下、好ましくは1回だけ手を使ってしっかりと拭き、書き込み内容の一部を乾式消去物品上から見えなくなるように消去する工程と、を含む。
本発明に従うと、この方法を用いて、何時間も、何日も、又はそれ以上経った書き込みにおいても低ゴースト発生能を達成できる。
本発明はまた、要約すると、従来の乾式消去マーカーで使用される流体よりも有意に表面張力が低い流体を利用する乾式消去マーカーも提供する。
本明細書に記載の書き込み面が驚くべき性能をもたらすことが見出されている。本発明の乾式消去物品のいくつかの利点として、良好なゴースト発生抵抗性を伴う良好な書き心地が挙げられる。また、本発明の乾式消去物品は、乾式消去マーカーではない不適切な書き込み用具、例えばいわゆる油性マーカーで書き込んだ際に、より耐染み性が高い。本発明の乾式消去物品から油性マーカーを除去するにはイソプロパノールなどの溶媒を必要とする場合があるが、従来の乾式消去マーカーによる書き込みは、従来の乾式字消しを用いて1回だけ、又は2回こすって拭き消すことにより除去できる。更に、本発明の乾式消去物品は、典型的には優れた機械的耐久性及び経時的黄変耐性を示す。
本発明について、図面を参照して更に説明することにする。
本発明の実施形態を説明するための概略断面図。 この図は実物大ではなく、単に説明目的のものであって限定するものではない。
次に定義する用語については、別の定義が「特許請求の範囲」中、あるいは本明細書中のいずれかの場所で与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
別段の指示がない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」において使用される分子量、反応条件等の成分の量、特性を表す全ての数値は、いかなる場合においても「約」という語で修飾されているものと解されるべきである。したがって、特に異議を唱えない限り、先の明細書及び添付した「特許請求の範囲」に記述されている数値パラメータは、本発明の教示を利用して当業者が得ようとする所望の性質に応じて変化しうる概算値である。最低限でも、また、特許請求の範囲への同等物の原則の適用を限定する試行としてではなく、少なくとも各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、そして通常の概算方法を適用することによって解釈されなければならない。本発明の広い範囲を示している数値範囲及びパラメータは全て概算値であるにも関わらず、具体例において示される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、それらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じるある程度の誤差を本質的に含む。
重量パーセント(weight percent)、重量パーセント(percent by weight)、重量%(% by weight)、及び同種のものは、材料の重量を組成物の重量で除して100を乗じたものとして、材料の濃度を指す同義語である。
終点による数字範囲の引用には、その範囲内に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれる)。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば「化合物(a compound)」を含有する組成物への言及は、2種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般に「及び/又は」を含む意味で用いられる。
乾式消去物品構成体
本発明の乾式消去物品の事例を図1に示しており、ここでは書き込み部材12、及び任意の支持部材14を含む乾式消去物品10が示される。本発明に従って、書き込み部材12の前面16、すなわち書き込み面は、良好な書き込み受容性と良好なゴースト発生抵抗性の両方を示す。幾つかの実施形態において、支持部材14は、構造部材18及び任意のプライマー層20を備え、書き込み部材12への所望のプライ間接着を達成する。幾つかの実施形態において、物品10は更に、裏側、例えば図で示される支持部材14の裏側に任意の接着剤22を備えてよく、接着剤22は物品10を所望の被接着物に接着する手段をもたらす。幾つかの実施形態において、物品10は更に、物品10を構成する部材を互いに固定する、物品10の取り扱いを容易にする、物品10を支持面に取り付ける手段を提供するなどのため、1箇所以上の縁部にフレーム部材24を備えてよい。
本発明の物品は様々な所望の実施形態に作製することができ、実例には、単一の又はパッド付きシート、例えば、紙の類似物、フィルム、フォルダーに組み込まれる接着性裏側ラベル、ノートのカバー、乾式消去物品などが含まれる。
インクの水滴がない状態で書かれたしるしとしての書き込み面16上のインクの許容性は、乾式消去書き込み面の「湿潤性」として定義され得る。湿潤性とは、溶媒が乾燥するにつれ、形及び連続性を保つことができる書き込み線を指す。書き込み面からの溶媒のディウェッティングは、線の移動又はある点での破断の原因となり、書き込み内容中の空隙となる。許容湿潤性(又はディウェッティング無しの書き込み)は、典型的には、書き込み面の表面エネルギーがマーカーインク中の溶媒成分の表面張力よりも大きい場合に達成される。濡れ張力試験方法ASTM D 2578−08(Standard Testing Method for Wetting Tension of Polyethylene and Polypropylene Films)は、表面の湿潤性に対する直接的な測定法である。この試験方法では、表面張力が既知である液体が表面に適用される。2秒後にこの液体が水滴を生じない、つまりディウェッティングしない場合、この液体が表面を濡らすと言う。2秒後に水滴を生じない液体の最も高い表面張力値が、表面の濡れ張力であると考えられる。
乾式消去マーカーの溶媒組成物は、典型的にマーカー上に列挙される、又はマーカーのMSDS(製品安全データシート)上に報告される。乾式消去マーカーの一般的な溶媒は、例えば、エタノール、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、及びn−ブチルアセテートを含む。高表面張力を伴う一溶媒はn−ブチルアセテートであり、約25mJ/mの表面張力を有する。したがって、幾つかの実施形態において、乾燥消去面を、約25mJ/m又は以下の表面張力を伴う溶媒によって湿潤可能にすることができる。一実施形態において、書き込み面の表面エネルギーは、約26mJ/m〜約38mJ/m未満の範囲内である。別の実施形態において、書き込み面の表面エネルギーは、約30mJ/m〜約38mJ/m未満の範囲内である。
加えて、本発明の物品の書き込み面は、ユーザーが、乾式消去マーカーで1度書かれ、もはや所望されないしるしを拭き消す(例えば、乾燥した布又は乾式字消しを用いて)ことを可能とする「消去可能性」レベルを提供する。許容可能な消去可能性は、書き込み面の表面エネルギーが、結合剤及び書き込み面に対するマーカーインク中のその他の固体の執拗な接着を防ぐために十分に低い場合に達成される。本明細書で用いるとき、良好な消去可能性とは、乾式字消しを用いて2回以下、好ましくは1回だけ手を使って拭くことにより、書き込み内容を実質的に完全に消すこととみなされる。字消しで1回拭くとは、書き込み面を字消しが通過する単回方向と定義される。手を使ってとは、約0.4N/cmの力を意味する。これより小さい力が用いられた場合、拭く操作を更に要する場合がある。本発明の書き込み面によりもたらされる驚くべき消去可能性能は、一般的に必要な消去中の激しくこする操作を不要にすることで、より多くの人が容易に使用できるようにし、かつ字消し並びに書き込み面の摩耗を低減する。更に、容易な消去可能性が達成されるため、ユーザーは、不快臭を有するより強力な洗浄剤、及び書き込み面を損傷する傾向があり、それによりその表面の耐用期間を短縮する恐れのある用具を用いて書き込み面をきれいにする必要がないであろう。
様々なタイプの乾式字消しが本発明で使用され得る。字消し材料の実例として、合成及び/又は天然(例えば、羊毛)材料の圧縮フェルト及び織りフェルト、セルロース、発泡ゴム、ネオプレン、布、パイル生地、メラミン繊維、及び類似の使用されてきた材料が挙げられる。好ましくは、選択される字消し材料は、書き込み面の耐久性を上げるため本来は研磨性がない。
また、本発明の書き込み面は、表面におけるマーカー書き込み抵抗性をもたらす。乾式消去書き込みのゴースト発生は、マーカーインクが表面に浸透すると起こることがあり、乾式字消しによる単なる拭き消しでは除去が難しい、又は困難になる。この浸透は、書き込み面が多孔質又は柔らかい場合に起こる傾向がある。本発明は、多孔質ではなく、高度に架橋された書き込み面を提供し、書き込み面への溶媒の浸透によるゴースト発生を防ぐ。その結果、本発明の物品の書き込み面は、優れたゴースト発生抵抗性を示す。
任意の支持部材14は、例えば、書き込み面への背景色、改善された投射能を有する乾式消去物品の場合では反射特性など、所望の性能を付与するように選択される。
幾つかの実施形態において、乾式消去物品は、支持部材14の一方の面に書き込み部材12を備え、支持部材14の第2の面の任意の接着剤(図示せず)、及び接着剤の背面に任意の剥離ライナー(図示せず)を伴う。
幾つかの実施形態において、乾式消去物品は、基材の一方の面の一部に硬化コーティング、及び他方の面の一部に接着剤を伴う基材であり、この物品は、後に組み立てられて乾式消去ボードとなる第2の基材に積層される。
書き込み部材
本発明の有利な利点は、本明細書に記載の書き込み面を有する書き込み部材により達成される。書き込み面は、硬化性コーティング組成物から、例えば、この組成物を基材に適用して硬化させることにより、又はこの組成物から自己支持硬化フィルムを形成することにより、形成してよい。
典型的な実施形態では、書き込み部材は、放射線硬化性コーティングにより形成されるコーティング又はフィルムを備える。放射線硬化性コーティングには、アクリレートモノマー及びその他重合性モノマー又はポリマー、並びに少なくとも1つの重合性低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーが組み込まれる。この低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、フッ化炭素、シリコーン、又は炭化水素であってよい。この低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーを、放射線硬化コーティングの表面エネルギーを低減するが、依然として表面上の乾式消去マーカーの完全なる湿潤を提供するために、処方に追加する。硬化後、表面コーティングは、ASTM D 2578−08により測定されるとき、約30〜約38mJ/m未満の濡れ張力を有する。
別の実施形態において、本発明は、濡れ張力が約20〜約30mJ/mであるフィルム又は紙基材上の放射線硬化性コーティングを備え、本明細書では「超低濡れ張力」乾式消去物品と称する。このような「超低濡れ張力」乾式消去物品の利点は、油性マーカーがディウェッティングする、つまり水滴を生じることであり、誤ったマーカーが使用されたという合図をユーザーに送る。しかしながら、市販の乾式消去マーカーはこのような書き込み面に効率よく湿潤せず、その代わりに水滴を生じて書き込み中に空隙を形成する。したがって、本発明の一態様は、濡れ張力が約20〜約30mJ/mである「超低濡れ張力」表面上に湿潤する乾式消去マーカーを提供することである。そのような書き込み面の湿潤は、マーカーインクを再処方し、例えば、その中に界面活性剤を組み込んでインクの表面張力を低下させることにより達成できる。そのようなインクは、かかる書き込み面を効率よく湿潤するが、表面において滞留時間が長くても容易に消去されるだろう。
従来の乾式消去マーカーを用いるとき、典型的には、約26mJ/m以上の表面エネルギーを有する書き込み面16に対して望ましい。書き込み面のこの表面エネルギーは、典型的な乾式消去マーカー及び油性マーカーが書き込み面で水滴を生じることを防ぐ。書かれたしるしが連続層として受容されると、書かれたしるしを形成する線に水滴、又は「ずれ」が生じることを防ぐ。典型的な乾式消去マーカーの溶媒として、エタノール、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、及びn−ブチルアセテートが挙げられる。水滴を生じることなく乾式消去面上で効率よくマーカーが浸潤するために、乾式消去面の表面エネルギーは、マーカーインク中の溶媒の表面張力よりも大きくなくてはならない。最も高い表面張力を伴う上記のリストの溶媒は、n−ブチルアセテートであり、約25mJ/mの表面張力を伴う。したがって、一実施形態において、乾式消去物品書き込み面は、約26mJ/m以上の表面エネルギーを有する。代替的実施形態において、乾式消去物品の書き込み面は、ASTM D 2578−08により測定されるとき、約30mJ/m以上の表面エネルギーを有する。加えて、書かれたしるしは、好ましくは最小の拭き消し、及び最小の乾式消去物品によるインクの吸収で、乾式消去物品から迅速に除去することができる。インクの許容可能な除去可能性は、書き込み面の表面エネルギーが、結合剤及びマーカーインク中のその他の固体が書き込み面に執拗に接着することを防ぐのに十分に低い場合に達成できる。したがって、一実施形態において、乾式消去物品の書き込み面は、約38mJ/m以下の表面エネルギーを有する。代替的実施形態において、乾式消去物品の書き込み面は、ASTM D 2578−08により測定されるとき、約35mJ/m以下の表面エネルギーを有する。
幾つかの実施形態において、書き込み部材は、非粘着性架橋高分子層を備える。この高分子層は、重合性フッ化炭素、シリコーン、又は炭化水素モノマーの群から選択される少なくとも1つの低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーを含有する放射線硬化性コーティング配合物から作られる。放射線硬化されると、非粘着性架橋高分子層はインクの受容面を提供し、同時に改善された消去可能性及びゴースト発生抵抗性をもたらす。
非粘着性架橋高分子層を前駆体組成物の重合により形成してよいが、その他の方法(例えば、化学的手段又は電離放射線を用いるポリマー又はそのブレンドの架橋)を用いてもよい。有用な前駆体組成物は、典型的には、1つ以上の重合性材料(例えば、1官能性及び/又は多官能性であってよいモノマー及び/又はオリゴマー)、硬化剤、及び任意に無機粒子を含む。重合性材料は、例えば、フリーラジカル重合性、カチオン重合性、及び/又は縮合重合性であってよい。有用な重合性材料として、例えば、アクリレート及びメタクリレート、エポキシ、ポリイソシアネート、並びにトリアルコキシシラン末端のオリゴマー及びポリマーが挙げられる。好ましくは、重合性材料はフリーラジカル重合性材料を含む。
有用なフリーラジカル重合性材料として、例えば、そのいずれか又は両方が1官能性又は多官能性であってよいフリーラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマーが挙げられる。代表的なフリーラジカル重合性モノマーとして、スチレン及び置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン)、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート)、ビニルエーテル(例えば、ブチルビニルエーテル)、N−ビニル化合物(例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム)、アクリルアミド及び置換アクリルアミド(例えば、N,N−ジアルキルアクリルアミド)、並びに、アクリレート及び/又はメタクリレート(すなわち、本明細書では総じて(メタ)アクリレートと称する)(例えば、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレート(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ官能性ポリカプロラクトンエステル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート)が挙げられる。
代表的なフリーラジカル重合性オリゴマーとして、UCB Chemicals(Smyrna,Georgia)から市販されるもの(例えば、商品名「EBECRYL」で)、及びSartomer Company(Exton,Pennsylvania)から市販されるもの(例えば、商品名「KAYARAD」又は「CN」で)が挙げられる。
重合性材料の選択に応じて、前駆体組成物は、任意に、重合性材料の重合を補佐する1つ以上の硬化剤を含有してよい。特定の重合性材料に対する硬化剤の選択は、共重合性材料の化学的性質に依存する。例えばエポキシ樹脂の場合、典型的にはエポキシ樹脂と共に用いられることが周知である硬化剤(例えば、ジシアンジアミド、オニウム塩、又はポリメルカプタン)を選択するだろう。フリーラジカル重合性樹脂の場合、フリーラジカル熱反応開始剤及び/又は光開始剤が有用な硬化剤である。
典型的には、モノマーの重合を促進するのに有効な量で任意の硬化剤を用い、その量は、例えば硬化剤の種類、硬化剤の分子量、及び重合プロセスに応じて可変であるだろう。任意の硬化剤は、典型的には、前駆体組成物の総重量に基づき約0.01重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲の量で前駆体組成物に含まれるが、より多くの量又はより少ない量を用いてもよい。例えば、熱源(例えば、熱、赤外線)、電磁放射線(例えば、紫外線及び/又は可視線)、及び/又は微粒子放射線(例えば、電子ビーム又は(of)ガンマ線)に曝露されることにより、前駆体組成物を硬化させてよい。
書き込み面を形成するコーティング組成物は、乾式字消しと直接的に接触することにより容易に除去できる表面上にマーカーを保持するために、完全に硬化させる必要がある。特に、少なくとも書き込み面を形成する組成物の部分は完全に硬化させる必要がある。様々な硬化戦略が当業者に周知であり、硬化性コーティング組成物、物品のその他構成要素、及び製造施設の特性により、好適なものを容易に選択し、一部決定できる。UV硬化されたコーティング組成物の硬化を最大化する手技例として、窒素下における硬化、新しいUVバルブの使用、使用前のUVバルブの掃除、UVバルブの出力スペクトルを反応開始剤の吸光と整合、並びに低速及び/又は長時間の処理が挙げられる。幾つかの実施形態において、乾式消去物品を室温で経過させると、時間と共に一定量の曝露後硬化が起こり得る。
コーティングされた乾式消去物品の硬化度は、消去前の書き込みの滞留時間を1日としたサンプルについて、試験方法の項に記載の乾式消去試験を実施することにより試験できる。後硬化してから乾式消去物品がより良好に消去される場合、初期硬化は十分でなくてよい。したがって、上記第1の硬化に加えて、第2の硬化処理を必要としてよい。第2の硬化は、第1の硬化と同じ放射線源を用いてよく、又は異なる放射線源を用いてよい。好ましい第2の硬化法として、熱、電子ビーム、及びガンマ線処理が挙げられる。
任意の硬化剤がフリーラジカル反応開始剤の場合、硬化剤の量は、好ましくは前駆体組成物の総重量に基づき約1重量パーセント〜約5重量パーセントの範囲内であるが、より多くの量又はより少ない量を用いてもよい。有用なフリーラジカル光開始剤として、例えば、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、置換ベンゾインエーテル(例えば、アニソインメチルエーテル)、置換アセトフェノン(例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、置換α−ケトール(例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン)、ベンゾフェノン誘導体(例えば、ベンゾフェノン)、及びアシルホスフィンオキシドが挙げられる。代表的な市販の光開始剤として、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,New York)の商品名「IRGACURE」(例えば、IRGACURE(商標)651、IRGACURE(商標)184、及びIRGACURE(商標)819)、又は「DAROCUR」(例えば、DAROCUR(商標)1173、DAROCUR(商標)4265)、及び、BASF(Parsippany,New Jerseyの商品名「LUCIRIN」(例えば、「LUCIRIN TPO」)である光開始剤が挙げられる。
代表的なフリーラジカル熱反応開始剤として、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウリル、過酸化シクロヘキサン、過酸化メチルエチルケトン、ヒドロペルオキシド、例えば、第3−ブチルヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルベンゾエート、並びにアゾ化合物、例えば、2,2,−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)が挙げられる。
低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、フッ化炭素、シリコーン、又は炭化水素モノマーの群から選択してよい。本発明に好適なフッ化炭素モノマーとして、ペルフルオロアクリレート又はメタクリレート、例えば、C系スルホンアミドアクリレート及びC系スルホンアミドアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で有用なフッ化炭素モノマーの実例として、CSON(CH)CO−CONHC
CHNHCO−OCOCOCH=CH(MeFBSE−MDI−HEAとしても知られる)、CSON(CH)CO−CONH(CHNHCO−OCOCOCMe=CH、CSON(CH)CO−CONH(CHNHCO−OC1224OCOCH=CH、及びCFCHO−CONH CCHC6HNHCO−OCOCOCH=CHが挙げられる。本発明に好適なペルフルオロアクリレートとして、C〜Cペルフルオロアルキルアクリレート、つまりRSONMeCOC(O)CH=CH(式中、RはCF2n+1であり、nは1〜6の整数である)のタイプが挙げられる。
別の一群の好適なフッ素性化学物質モノマーは、米国特許第7,279,210号(Hulteenら)及び同第7,199,197号(Caldwellら)に記載されている。これらのフルオロアクリレートモノマーは以下の式で表される。
Figure 2013517972

式中、nは1〜6(1と6を含む)の範囲の整数であり、pは2〜30(2と30を含む)の範囲の整数であり、R’はH、CH、又はFであり、Aはヒドロカルビレン基であり、
Figure 2013517972

式中、RはH又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、mは2〜8(2と8を含む)の範囲の整数であり、RはCF2n+1であり、yは0〜6(0と6を含む)の範囲の整数であり、qは1〜8(1と8を含む)の範囲の整数である。
幾つかの実施形態において、Aは、−C12−、
Figure 2013517972

からなる群から選択される。
本発明に好適なその他のフッ素性化学物質添加剤として、米国特許第7,173,778号(Jingら)に記載されるペルフルオロポリエーテルウレタンアクリレートが挙げられる。
本発明の乾式消去物品で使用するのに好適なフッ素性化学物質オリゴマーとして、市販の化学物質である3M Company(St.Paul,MN)のFLUORAD(商標)FC−4430及びFC−4432が挙げられる。
本発明の乾式消去物品で使用するのに好適なフッ素性化学物質ポリマーとして、例えば、国際公開第2009/076389号(Yangら)に記載されるようなポリ(アルキレンオキシド)繰り返し単位を有するペルフルオロポリエーテルポリマーが挙げられる。
本発明に好適なシリコーンモノマーとして、シリコーンアクリレートモノマーが挙げられるが、これに限定されない。本明細書で使用するのに好適な代表的なシリコーンアクリレートモノマーとして、BYK−Chemie GmBH(Wesel,Germany)のBYK−371 Reactive Silicone Surface Additive、BYK−373 Reactive Silicone Surface Additive、BYK−377 Reactive Silicone Surface Additive、BYK−UV 3500 Surface Additives for Radiation Curable Systems、BYK−UV 3530 Surface Additives for Radiation Curable Systems、BYK−UV 3570 Surface Additives for Radiation Curable Systems、及びBYK SILCLEAN(商標)3710 Surface Additives to Improve Surface Cleanabilityが挙げられる。その他の好適なシリコーンモノマーとして、Evonik Goldschmidt Corporation(Hopewell,VA)のTEGORAD(商標)2100、TEGORAD(商標)2200N、TEGORAD(商標)2250、及びTEGORAD(商標)2300シリコーンアクリレートモノマーが挙げられる。
炭化水素モノマーを用いて、コーティングの表面エネルギーを低減することができる。これらの炭化水素モノマーは、表面上に結晶構造を形成できる長い側鎖を特徴とする。好適な炭化水素モノマーとして、オクタデシルアクリレートが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の一実施形態において、低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、濡れ張力が約26〜約36mJ/mである硬化コーティングを生じるのに十分な濃度で、コーティング配合物に添加される。好ましくは、硬化コーティングの濡れ張力は約30〜約36mJ/mである。
幾つかの実施形態において、放射線硬化性材料は、特定量の任意の粒子又はナノ粒子を伴って1つ以上の溶媒中に上記オリゴマー、モノマー、及び/又はポリマーを含み、例えば、書き込み部材に更なる硬度及び耐久性を付与する。
ナノ粒子を表面改質できるが、これはナノ粒子が改質された表面を有し、ナノ粒子が安定な分散体を提供することを指す。「安定な分散体」は、例えば、室温(すなわち、約20〜22℃)及び大気圧、過剰な電磁力がないという周囲条件下で、一定の時間、例えば約24時間放置された後に、コロイド状ナノ粒子が粒塊しない分散体を指す。
表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、任意に、本明細書のコーティング可能な組成物として用いられるポリマーコーティング中に、最終要素、つまり光学要素の耐久性を高めるのに有効な量で存在するナノ粒子と共に存在してよい。本明細書に記載される表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、例えば、ナノ粒子がコーティング可能な組成物内で安定な分散体を形成するようにする、ナノ粒子のコーティング可能な組成物との相溶性、より耐久性のある複合物にする、ナノ粒子のコーティング可能な組成物との反応性、及び低影響性又は未硬化組成物の粘性など様々な好ましい特質を有することができる。表面改質の組み合わせを利用して、組成物の未硬化及び硬化特性を操作できる。表面改質されたナノ粒子は、コーティング可能な組成物の光学的及び物理的特性を改善でき、これは例えば、樹脂の機械的強度の改善、コーティング可能な組成物中に負荷される固体量増加の間の粘度変化の最小化、及び、コーティング可能な組成物中に負荷される固体量増加の間の光学的透明度の維持などである。
幾つかの実施形態において、ナノ粒子は表面改質されたナノ粒子である。好適な表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、オキシド粒子を含んでよい。ナノ粒子は、所与の材料について周知の粒径分布にわたる粒径範囲を含んでよい。幾つかの実施形態において、平均粒子サイズは約1nm〜約100nmの範囲内であってよい。粒径及び粒径分布は、例えば、透過電子顕微鏡(「TEM」)などによる周知の方法で測定できる。好適なナノ粒子は、任意の様々な物質、例えば、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される金属酸化物を含んでよい。表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、実質的に完全に凝縮され得る。
幾つかの実施形態において、シリカナノ粒子は、約5〜約100nmの範囲の粒径を有することができる。幾つかの実施形態において、シリカナノ粒子は、約10〜約30nmの範囲の粒径を有することができる。シリカナノ粒子は、約10〜約100phrの量でコーティング可能な組成物中に存在してよい。幾つかの実施形態において、シリカナノ粒子は、約30〜約90phrの量でコーティング可能な組成物中に存在してよい。本発明のコーティング可能な組成物で使用するのに好適なシリカナノ粒子は、Nalco Chemical Co.(Naperville,IL)から製品名NALCO(商標)COLLOIDAL SILICASで市販される。好適なシリカ製品として、NALCO製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329が挙げられる。好適なヒュームドシリカ製品として、例えば、DeGussa AG(Hanau,Germany)からAEROSIL(商標)シリーズOX−50、−130、−150、及び−200として、並びにCabot Corp.(Tuscola,IL)からCAB−O−SPERSE(商標)2095、CAB−O−SPERSE(商標)A105、及びCAB−O−SIL(商標)MSとして販売される製品が挙げられる。ナノ粒子の表面処理は、コーティング可能な組成物(例えば、ポリマー樹脂)中で安定な分散体を提供できる。好ましくは、粒子がコーティング可能な組成物中に良好に分散されて、実質的に均一な組成物を生じるように、ナノ粒子を表面処理により安定化させる。更に、ナノ粒子は、安定化させた粒子が硬化中にコーティング可能な組成物と共重合又は反応できるように、その表面の少なくとも一部を表面処理剤により改質し得る。
シリカナノ粒子は、表面処理剤で処理できる。コーティング可能な組成物中に含まれる粒子に好適な表面処理剤として、例えば、イソオクチルトリメトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TES)、SILQUEST(商標)A1230、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TES)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びこれらのうちの2つ以上の混合物といった化合物が挙げられる。
幾つかの実施形態において、平均粒子サイズ(例えば、粒径)は、約1nm〜約1000nmの範囲内であってよい。上記粒径に加え、より小さい及びより大きい平均粒子サイズの使用も想到される。本発明の実施形態において、少なくとも一部の上記粒子は上記方法で表面改質されてよい。その他の実施形態においては、全ての粒子が表面改質される。更に他の実施形態においては、粒子は表面改質されない。
当然のことながら、本発明の書き込み部材の製造に用いられるコーティング組成物は、例えば、JAYLINK(商標)Rheology Modifiersなどのレオロジー変性剤、着色剤(例えば、染料及び/又は顔料)、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、オゾン劣化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)など、任意の添加剤を含み、所望の特性を改善又は調整してよい。
支持部材
幾つかの実施形態において、例えば、書き込み部材の自己支持性が十分でない場合、又はその他の特性、例えば、磁性の付与、巻き耐性、引裂耐性、寸法安定性、色などが乾式消去物品に所望される場合、乾式消去物品は更に、書き込み部材の背面に支持部材を更に備え得る。実施形態に応じて、支持部材は単層であっても多層であってもよい。
支持部材として使用するのに好適な基材の実例として、ガラス、紙、コーティングされた紙、紙フィルムラミネート、ポリマーフィルム、ポリマーシート及び金属箔、金属シート、磁器シートなどが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーフィルム及びシートとして、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリアクリレート、及びポリ塩化ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーフィルム及びシートは、上記ポリマー又はその他ポリマーのコポリマー、ブレンド、又は共押出多層フィルムを含んでよい。必要に応じて、支持体はその背面に接着剤を含み、又は更には接着剤からなり、得られる乾式消去物品の、基材又は表面への結合を容易にしてよい。
良好な投射能が乾式消去物品に所望される実施形態では、書き込み部材は好ましくは実質的に透明であり、支持部材は反射特性を有する。例えば、米国特許出願第12/684,565号(2009年12月15日出願)に開示される投射部材を、本発明の乾式消去物品で使用し得る。
必要に応じて、支持部材は不透明であり、かつ/又は着色され、得られる乾式消去物品に所望の外観を与える。また、装飾的又は組織的図、見出しなどを物品に提供し、書き込み部材内、書き込み部材の背面、支持体の前面などに埋め込まれた、所望の装飾的マーク、情報の見出し(例えば「NAME」、「IN」、「OUT」など)の凡例などを、観察者に見せてよい。
乾式消去マーカー
幾つかの実施形態において、本発明の乾式消去物品は、様々な従来の乾式消去マーカーと共に用いてよい。
市販の乾式消去マーカーインクは、典型的には、約30mJ/m未満の表面張力を有する。乾式消去マーカーには一般に2種類、すなわち、アルコール溶媒系及びケトン溶媒系マーカーがある。アルコールマーカーの溶媒は、典型的にはエタノール及びイソプロパノールである。ケトン系マーカーの溶媒は、典型的にはメチルイソブチルケトン及びn−ブチルアセテートである。これらの溶媒の表面張力値を以下の表に記載する。
Figure 2013517972
乾式消去マーカーが完全に湿潤するには、乾式消去ボードの濡れ張力がマーカーインクの表面張力より大きい必要がある。したがって、ASTM D2578で測定するとき、表面の濡れ張力は、市販のマーカーが表面上で湿潤するために、典型的には25mJ/m以上でなくてはならない。
書き込み面が、超低表面濡れ張力、すなわち約30mJ/m未満を有する本発明の幾つかの実施形態において、インク配合物の表面張力を低減するために、有効量の1つ以上の界面活性剤を乾式消去マーカー中のインクに加えることができる。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性であってよい。このような超低濡れ張力で効率よい書き込みに使用できるマーカーの選択は限られるため、かかる乾式消去物品は、上面に落書きを企てる、又は乾式消去マーカーではなく不適切なマーカー、例えば油性マーカーを不注意に使用するのを防止する。
好適な界面活性剤の実例として、3M Company(St.Paul,MN)のFLUORAD(商標)FC−170C、FC−430、及びFC−171、Evonik Industries(Parsippany,NJ)のSIVENTO DYNASYLAN(商標)F8810、Ausimont Inc.(Thorofare,NJ)のFOMBLIN(商標)C、Gelest Inc.(Kent,ME)のSilane B−1092、Solvay Solexis(West Deptford,NJ)FLUOROLINK(商標)3、並びにHuls America(Cincinnati,OH)のDYNASYLAN(商標)FC−8261が挙げられるが、これらに限定されない。上記FLUORAD(商標)FC−4430及びFC−4432は、本発明に従う一部のインク配合物で界面活性剤として使用できる。
本発明は、以下の具体的な非限定実施例により更に説明される。
試験方法
次の試験方法を使用した。
マーカーディウェッティング:7つのブランドの乾式消去マーカーを含む14種の異なるマーカーを用いて乾式消去面に印を付けた。乾式消去マーカーは、AVERY(商標)MARKS−A−LOT(商標)(Avery−Dennison、Pasadena,Cal.)、BEIFA(商標)自社ブランドマーカー(Beifa、Tokyo,Japan)、BIC(商標)Dry Erase markers(BIC Corporation、Milford,Conn.)、DIXON(商標)Dry Erase Markers(Dixon Ticonderoga Co.、Heathrow,Fla.)、EXPO(商標)Bold(Sanford Corp.、Bellwood,IL)、EXPO(商標)Low Odor(Sanford Corp.)、及びQUARTET(商標)Markers(Acco,Inc、Lincolnshire,IL)とした。マーカーは全てチゼル型のペン先であった。各ブランドから2色のマーカー、1つは黒色、もう1つは赤色、緑色、又は青色を選択した。典型的な乾式消去試料は、紙1枚ほどの大きさとした。各ブランドのマーカーについて、試料上の上下幅約2.5cmの水平の余白を、そのブランドのマーカー用として確保した。第1のマーカーを用いて、上下幅2.5cmの余白の左側にマーカーのブランド名を書き込み、第2のマーカーを用いて、上下幅2.5cmの余白の右側に同じマーカーのブランド名を書き込んだ。このようにして、各ブランドのマーカーによる全ての書き込みを、1回で消せる水平状に並べた。
本発明の乾式消去面を作製してから、各インクの線のディウェッティングについて検査した。乾式消去インクのディウェッティング、つまり水滴は、インク線中のずれ、又はインク線の縮みの出現により実証された。ディウェッティングを起こしたマーカーの総数を算出した。14種の異なるマーカーを書き込み試験で用いたため、ディウェッティングスコアの範囲は0〜14となり得る。例えば、マーカーのディウェッティングがなかった場合、ディウェッティングスコアをゼロとした。10箇所のマーカーディウェッティングがあった場合、スコアを10とした。
乾式消去書き込みの除去:対象とする書き込み面上に書き込み、指示通りにその書き込みを室温で経過させた後、乾式消去書き込みの除去性を次のように試験した。試料を硬質の平面上に置いた。EXPO(商標)Dry Eraser(Sanford Corp.)を用いて書き込みを消去した。書き込み面と接触する字消しの面積は約12.5cm×5cmとした。2.5kgの重量の12.5cm×5cmの真鍮のおもりを字消しの上部に置き、0.4N/cmの圧をかけた。このおもりを付けた字消しを、手で更に押さえずに、第1のマーカーによる書き込み行上で通過させた。第1の書き込み行は、第1のブランドの2種類のマーカーによる書き込みが含まれていた。若干の細かい部分は除き、マーカーによる書き込みを全て除去するのに要した字消しの通過回数を数えた。字消しを10回通過させても書き込みが依然として読めた場合、消去操作を中止した。続いて、濡らしたペーパータオルを用いて10回まで消去操作を継続した。マーカーのブランドにつき、通過回数の総数を記録し、7種のブランドを合計した。ある場合は、字消しを1回通過させると、両方のマーカーの書き込みが全て除去された。その他の場合には、書き込みの除去に2回以上かかった。合計7行の乾式消去マーカーによる書き込みがあるため、最小乾式消去除去スコアは7である。
濡れ張力:本発明の乾式消去面の濡れ張力を、ASTM D 2578−08(2009年9月1日)に従って測定した。まず全ての表面をイソプロパノール及びペーパータオルを用いて清浄にした。表面を10分間乾燥させた。2mJ/mずつ30〜48mJ/mの範囲に及ぶ、濡れ張力用のペンをUV Process Control(Chicago,IL)から入手した。表2に記載した純粋な溶媒を用いて、30mN/m以下の表面の濡れ張力を測定した。
Figure 2013517972
この液体を、ペン又は綿棒により乾燥面に適用した。2秒間にわたり、液体が完全に水滴を生じなかった場合、又は液体がずれずに連続フィルムを維持した場合、この液体は表面を湿潤する。このフィルムの濡れ張力が、フィルムを2秒間湿潤する最も高い表面張力のペン又は液体である。
乾式消去面への接着:書き込み面に対する標準的テープの相対剥離接着度は、その表面の相対表面エネルギーの指標である。書き込み面に対する3M(商標)SCOTCH(商標)810 Magic Tapeの剥離接着度を測定した。まず、イソプロパノールを用いて表面を清浄にし、23℃(73°F)及び50%RHで一晩乾燥させた。引張試験機(MTS、Eden Prairie,MN)の下方つかみ具にボールスライドを挿入した。再付着性接着剤面を上にして、3M(商標)High/Low Tack 9415 Double Coated Tapeをボールスライドに貼付した。続いて、乾式消去面を9415テープに付着させた。2.54cm幅の810テープ長を、表面の前側縁部からテープが少なくとも20cm突き出た状態で、乾式消去面に付着させた。標準的な2kgのゴム被覆ローラーを、約64cm/分の速度で4回別々に転がして、テープをフィルム上に延ばした。テープの自由端を引張試験機の上方つかみ具に取り付けた。90°で30cm/分の速度で、ボールスライドを同じ速度である30cm/分で移動させることにより剥離角度90°を維持しながら、テープをフィルムから剥離した。平均剥離接着値を記録した。
材料
実施例及び比較例に用いた材料は表3に示す。
Figure 2013517972
マーカー:乾式消去マーカーが完全に湿潤するには、乾式消去面の濡れ張力がマーカーの流体の表面張力より大きい必要がある。典型的には、表面の濡れ張力は、乾式消去面に書き込むために、全てのマーカーについて約28mJ/m以上である必要がある。
イソプロパノール中、10重量%のFC−4432界面活性剤を含有する溶液を調製した。黒色及び緑色のEXPO(商標)Low Odor乾式消去マーカーのチップに、注射器を用いて0.5mLの界面活性剤溶液を注入し、一晩浸透かつ混合させた。
官能化ナノシリカの調製:12リットル容のフラスコに、3000gの水性コロイド状シリカ溶液(例えば、Nalco CompanyのNALCO(商標)2327)を投入し、攪拌を開始した。次いで、3591gの1−メトキシ−2−プロパノール(Dow Chemical(Midland,MI)のDOWANOL(商標)PMなど)を加えた。別の容器で、189.1gの3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Momentive Performance Materials(Wilton,CT)のSILQUEST(商標)A−174など)を、455gの1−メトキシ−2−プロパノールと混合した。このプレミックス溶液をフラスコに加え、すすぎは455gの1−メトキシ−2−プロパノールで行った。この混合物は80℃まで約16時間加熱された。混合物は35℃まで冷却された。真空蒸留(30〜35トル(4000〜4700Pa)、35〜40℃)のために、この混合物を回収フラスコと共に配置した。追加的な1813.5gの1−メトキシ−2−プロパノールを、蒸留の途中で反応フラスコに加えた。合計6784gの留出物が回収された。風袋を計量したアルミニウム皿内の少量の試料を105℃の炉内で60分間乾燥させることによって、混合物の%固体を試験した。混合物は、52.8%固体であることが見出された。更に250gの1−メトキシ−2−プロパノールを加え、混合物を攪拌した。%固体が試験され、48.2%であることが見出された。粒子屑を取り除くため、チーズクロスを通じて濾過することにより混合物が回収された。
実施例1−0.075%のHFPO−UAを含む906ハードコート:HFPO−UAの合成は、米国特許第7,173,778号に記載されている。HFPO−UAを25%固体となるようMEK中に希釈した。906ハードコートの溶液に、HFPO−UAのMEK溶液を加え、906ハードコート固体に対して最終濃度0.075%固体のHFPO−UAを得た。続いてこの溶液を、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。この配合物を、コーティング、乾燥、UV硬化、及びコーティングフィルムの巻きあげステーションを備える、9インチ(23cm)幅の連続コーターでコーティングした。コーティング配合物を、コーティングダイにより、3ミル(76マイクロメートル)厚の白色ポリエステルフィルム上に塗布した。コーティング後、長さ30フィート(9.1m)の強制空気オーブンにフィルムを通し、130°F(54℃)で乾燥した。続いて、窒素パージ下の、H+バルブを含むUV硬化チャンバ内にフィルムを進めた。硬化チャンバ内の酸素濃度は100ppm未満とした。コーターのライン速度は50フィート/分(15.2m/分)とし、フィルム上のコーティングの乾燥厚さは2μmであった。
実施例2−10%のMeFBSEA(CSONMeCOC(O)CH=CH)を含む906ハードコート:
MeFBSEAを、国際公開第200130873号(Savuら)に記載される手順で合成した。MeFBSEAを、固体に対して10%の値で906ハードコートに加えた。混合後、この溶液をMEKで30%固体まで希釈した。この溶液を、#6 Mayerロッドを用いて2ミル(50マイクロメートル)の透明ポリエステルフィルム上にコーティングした。コーティングされたフィルムを100℃で1分間乾燥させた。乾燥コーティング付きのフィルムを、窒素パージ下の、Hバルブを含むUV硬化チャンバ内に通した。
実施例3−15%のMeFBSEA(CSONMeCOC(O)CH=CH)を含む906ハードコート:MeFBSEAを、国際公開第200130873号に記載される手順で合成した。MeFBSEAを、固体に対して15%の値で906ハードコートに加えた。混合後、この溶液をMEKで30%固体まで希釈した。この溶液を、#6 Meierロッドを用いて2ミル(50μm)の透明ポリエステルフィルム上にコーティングした。コーティングされたフィルムを100℃で1分間乾燥させた。乾燥コーティング付きのフィルムを、窒素パージ下の、Hバルブを含むUV硬化チャンバ内に通した。
実施例4−0.075%のHFPO−UAを含むハードコート2:表4の処方に従って、ハードコート2を30%固体で調製した。官能化ナノシリカの調製は実施例の項に記載している。MEK中25%固体のHFPO−UAの一部を溶液に加え、固体に対して0.075%のHFPO−UAとした。続いてこの配合物を、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。
Figure 2013517972
実施例5−0.075%のHFPO−PEGを含むハードコート2:HFPO−PEGモノマーの調製は、国際公開第2009/076389号に記載されている。表4の処方に従って、ハードコート2を30%固体で調製した。MEK中25%固体のHFPO−PEGの一部をハードコート2溶液に加え、固体に対して0.075%のHFPO−PEGとした。続いてこの配合物を、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。実施例1に記載の方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。
実施例6−1.4%のHFPO−UAを含むハードコート2:表4の処方に従って、ハードコート2を30%固体で調製した。MEK中25%固体のHFPO−UAの一部を溶液に加え、固体に対して1.4%のHFPO−UAとした。続いてこの配合物を、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。
実施例7:固体に対して0.15%のHFPO−UAを含有する906ハードコートを用いてフィルムを作製した。HFPO−UAのMEK溶液を3Mの906ハードコートに加え、906ハードコート固体に対して濃度0.075%固体のHFPO−UAを得た。ハードコートを、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。実施例1に記載されるように、この配合物を、3ミル(76μm)厚の白色PETフィルム上にパイロットコーターでコーティングした。
実施例8:実施例4の方法に従って、ハードコート2を30%固体で調製した。MEK中25%固体のFC−4430の一部を溶液に加え、処方中の固体比で1.5%のFC−4430とした。続いてこの配合物を、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。乾燥コーティング厚は2.0μmであった。
実施例9:実施例4の方法に従って、ハードコート2を30%固体で調製した。MEK中25%固体のFC−4430の一部を溶液に加え、処方中の固体比で2.5%のFC−4430とした。続いてこの配合物を、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。乾燥コーティング厚は2.0μmであった。
実施例10−1%のMeFBSEAを含むハードコート3:表4の処方に従って、このハードコートを30%固体で調製した。官能化ナノシリカの調製は実施例の項に記載している。固体MeFBSEAをエチルアセテートに溶解し、25%固体の溶液とした。表5に記載の5つの材料を大型のステンレス鋼製ビーカーに入れ、混合した。この配合物を、同じビーカー内でエチルアセテートを用いて25%固体まで希釈した。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。コーティング後、50℃で2日間フィルムを加熱した。
Figure 2013517972
比較例C1−906ハードコート:906ハードコートを、エチルアセテートで25%固体まで希釈した。この配合物を、3ミル(76μm)厚の白色PETフィルム上にパイロットコーターでコーティングした。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。ハードコートの乾燥コーティング厚は2μmであった。
比較例C2−ハードコート2:実施例4のハードコート2処方を25%固体で調製した。実施例1と同じ方法で、この配合物をコーティングし、乾燥し、硬化させた。ハードコートの乾燥コーティング厚は2μmであった。
比較例C3−QUARTET(商標)Total Erase Board Acco Corp.のこのボードは、中質繊維板パネル上のコーティング紙上に、多官能性アクリレートコーティングされたものからなる。
比較例C4:JFE Metal products and Engineering Inc.(Tokyo,Japan)から入手可能なJFEホーローシート。
比較例C5:Polyvision Corp.(Suwanee,GA)のPOLYVISION(商標)ホーロー乾式消去シート。
結果
乾式消去書き込み面の濡れ張力、ディウェッティング、及びテープ接着性を表6に示す。
Figure 2013517972
界面活性剤と混合した乾式消去マーカーの書き心地結果を表7に示す。
Figure 2013517972
選択した実施例について、実施例の表面上での滞留時間1日間、2週間後の乾式消去書き込み除去性を試験した(表8)。乾式字消しを7回通過させて全ての乾式消去マーカーを除去することで、書き込みに対する容易な除去性が示される。除去スコア8以上とは、字消しを1回通過させた後に、マーカーによる書き込みの1箇所以上のゴースト像がボード上に残っていたことを示す。
Figure 2013517972
本発明を添付図面を参照しながら好ましい実施形態について詳細に説明したが、様々な変更及び修正が当業者に明らかであることに留意されたい。そのような変更及び修正は、添付された「特許請求の範囲」によって定められるような本発明の範囲から逸脱しない限り、これに含まれるものと理解すべきである。
本明細書に引用される全ての特許、特許書類、及び刊行物の完全な開示は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。上記の詳細な説明及び実施例はあくまで理解を助けるために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本発明は、示され記載された厳密な詳細事項に限定されるべきではないが、それは当業者に対して明らかな変形が「特許請求の範囲」において規定された本発明の範囲に包含されるからである。

Claims (21)

  1. 約38mJ/m未満の表面濡れ張力の書き込み面を有する乾式消去物品。
  2. 前記書き込み面が、約26〜約38mJ/m未満の表面濡れ張力を有する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記書き込み面が、約30〜約38mJ/m未満の表面濡れ張力を有する、請求項1に記載の物品。
  4. 前記書き込み面が、約20〜約30mJ/mの表面濡れ張力を有する、請求項1に記載の物品。
  5. 前記書き込み面が、少なくとも1つの低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーを含む放射線硬化性コーティング組成物の放射線硬化生成物を含む、請求項1に記載の物品。
  6. 前記放射線硬化性コーティング組成物が、少なくとも1つの多官能性アクリレートモノマーを含む、請求項5に記載の物品。
  7. 前記放射線硬化性コーティング組成物が、シリカナノ粒子又はアクリレート官能性シリカナノ粒子を任意に含む、請求項5に記載の物品。
  8. 前記書き込み面における少なくとも一部の前記放射線硬化性コーティングが、完全に硬化されている、請求項5に記載の物品。
  9. 前記放射線硬化生成物が、熱、赤外線、紫外線、電子ビーム、又はガンマ線放射による任意の第2の硬化を受ける、請求項5に記載の物品。
  10. 前記低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーが、式Cn−1(式中、nは1〜6の整数である)を有する、1つ以上の側鎖を有するフッ素性化学物質である、請求項5に記載の物品。
  11. 前記低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーが、シリコーンアクリレート材料である、請求項5に記載の物品。
  12. 前記低表面エネルギーモノマー、オリゴマー、又はポリマーが、少なくとも1つの重合性アクリレート基を含有する長鎖炭化水素である、請求項5に記載の物品。
  13. 前記長鎖炭化水素がオクタデシルアクリレートである、請求項12に記載の物品。
  14. a)請求項1に記載の乾式消去物品を提供する工程と、
    b)前記書き込み面の表面エネルギーより小さい表面張力を有するインクを含む乾式消去マーカーを用いて、前記書き込み面に第1の書き込み内容を書き込む工程と、
    c)少なくとも一部の前記第1の書き込み内容を、乾式字消しを用いて2回以下の通過で消去する工程と、を含む方法。
  15. 前記消去工程中に、前記乾式字消しに最大約0.4N/cmの圧がかけられる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記書き込み工程が手を使って行われる、請求項14に記載の方法。
  17. 前記乾式消去マーカーの流体が、約20mJ/m〜約30mJ/mの表面張力を有する、請求項14に記載の方法。
  18. 前記乾式消去マーカーインクが界面活性剤を含有し、前記インクの前記表面張力を前記書き込み面の表面エネルギー未満に低下させる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記消去工程が、前記書き込み工程の少なくとも約6時間後に行われる、請求項14に記載の方法。
  20. 前記消去工程が、前記書き込み工程の少なくとも約24時間後に行われる、請求項14に記載の方法。
  21. 前記消去工程が、前記書き込み工程の少なくとも約7日間後に行われる、請求項14に記載の方法。
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