JP2013172040A - 磁気センサとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、対向に配置される軟磁性体を用いることで高感度に磁界を検知する磁気センサを提供することである。
【解決手段】基板2の上に磁性層と非磁性層とが積層されてなる磁気抵抗効果を発揮する磁気素子Sと、上方からの第1垂直磁界成分を第1水平磁界成分に変換し、第1水平磁界成分を磁気素子Sに作用させる第1軟磁性体4と、下方からの第2垂直磁界成分を第2水平磁界成分に変換し、第2水平磁界成分を磁気素子Sに作用させる第2軟磁性体5とを有し、磁気素子Sが第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に配置される磁気センサ。
【選択図】図3
【解決手段】基板2の上に磁性層と非磁性層とが積層されてなる磁気抵抗効果を発揮する磁気素子Sと、上方からの第1垂直磁界成分を第1水平磁界成分に変換し、第1水平磁界成分を磁気素子Sに作用させる第1軟磁性体4と、下方からの第2垂直磁界成分を第2水平磁界成分に変換し、第2水平磁界成分を磁気素子Sに作用させる第2軟磁性体5とを有し、磁気素子Sが第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に配置される磁気センサ。
【選択図】図3
Description
本発明は、軟磁性体を用いて磁束を磁気素子が検知できる方向に変換する磁気センサに係わり、特に前記磁気素子が磁気抵抗効果素子である磁気センサに関する。
磁気素子を用いた磁気センサは、例えば、携帯電話等の携帯機器に組み込まれる地磁気を検知する地磁気センサとして使用される。
地磁気センサは、水平面内に直交するX軸方向及びY軸方向と、前記水平面に直交する垂直方向(Z軸方向)との磁界成分を各々検知することができるように構成されている。
ところが、基板表面に磁性層と非磁性層とが積層されてなる磁気抵抗効果を発揮する磁気素子を用いた磁気センサでは、前記基板表面に平行な水平磁界成分は検知できるが前記基板表面に対して垂直方向の磁界成分は検知できない。
このため、特許文献1では、前記磁気素子の近傍に軟磁性体を設けて、この軟磁性体によって外部からの垂直磁界成分を水平方向への磁界成分に変換し、前記水平方向へ変換された磁界成分を前記磁気素子に作用させることで、垂直方向の磁界成分を検知している。
特許文献1に開示される磁気センサでは、上方からの垂直磁界成分を有する磁束が軟磁性体の上端部で収束され、該軟磁性体の内部を通って、該軟磁性体の下端部から外方に導かれて水平磁界成分を有する磁束に変換される。ところが、前記磁束が垂直方向の磁界成分が大きいままに前記軟磁性体を通過するため、垂直磁界成分から水平磁界成分への変換効率が小さかった。
また、下方からの垂直磁界成分を有する磁束に対しては、前記磁束が軟磁性体の下端部で収束される際に生じる水平磁界成分が利用される。ところが、前記磁束が垂直方向の磁界成分が大きいままに前記軟磁性体を通過するため、垂直磁界成分から水平磁界成分への変換効率が小さかった。
よって、特許文献1に開示される磁気センサの構成では、垂直磁界成分に対する感度が小さく、S/N比が小さいと言う課題があった。
本発明の目的は、このような課題を顧みてなされたものであり、対向に配置される軟磁性体を用いることで高感度に磁界を検知する磁気センサを提供することである。
本発明の磁気センサは、磁束を検知する磁気素子と、第1軟磁性体と第2軟磁性体と、を有し、第1の方向に関し、前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体との間に前記磁気素子が配置されてなり、前記第1軟磁性体が、前記第1の方向に略垂直な第2の方向に関して前記磁気素子を基準にして前記第2軟磁性体とは反対側に配置されてなることを特徴とする。
このような態様であれば、前記磁気素子を挟んで前記第1軟磁性体の前記磁気素子側端部と前記第2軟磁性体の前記磁気素子側端部とが互いに対向して配置される。
よって、前記第1軟磁性体の前記磁気素子と反対側に位置する端部で外方から収束された磁束が、前記第1軟磁性体の前記磁気素子側端部から外方に導かられ、前記磁気素子を通って、前記第2軟磁性体の前記磁気素子側端部に収束される。この際、外方から収束されることで磁束が大きくなると共に、前記第1軟磁性体の前記磁気素子側端部と前記第2軟磁性体の前記磁気素子側端部とが互いに対向することで大きな磁束のままに前記磁気素子に検知される。
また、前記第2軟磁性体の前記磁気素子と反対側に位置する端部で外方から収束された磁束が、前記第2軟磁性体の前記磁気素子側端部から外方に導かられ、前記磁気素子を通って、前記第1軟磁性体の前記磁気素子側端部に収束される。この際、外方から収束されることで磁束が大きくなると共に、前記第1軟磁性体の前記磁気素子側端部と前記第2軟磁性体の前記磁気素子側端部とが互いに対向することで大きな磁束のままに前記磁気素子に検知される。
よって、本発明によれば、対向に配置される軟磁性体を用いることで高感度に磁界を検知する磁気センサを提供することができる。
基板の表面側に磁気抵抗効果を発揮する磁気素子と、前記磁気素子から離間し、前記表面側に配置される第1軟磁性体と、前記磁気素子から離間し、前記基板の裏面側に配置される第2軟磁性体と、を有し、前記基板面内にある第1の方向に関し、前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体との間に前記磁気素子が配置されてなり、前記第1軟磁性体が、前記基板面に略垂直な第2の方向に関して前記磁気素子を基準にして前記第2軟磁性体とは反対側に配置されてなることが好ましい。
このような態様であれば、前記磁気素子を挟んで前記第1軟磁性体の前記表面側端部と前記第2軟磁性体の前記表面側端部とが互いに対向して配置される。
よって、前記第1軟磁性体の前記表面と反対側に位置する端部で外方から収束された磁束が、前記第1軟磁性体の前記表面側端部から外方に導かられ、前記磁気素子を通って、前記第2軟磁性体の前記表面側端部に収束される。この際、第1垂直磁界成分が前記磁気素子の位置で水平成分の大きい第1水平磁界成分に変換される。
また、前記第2軟磁性体の前記表面と反対側に位置する端部で外方から収束された磁束が、前記第2軟磁性体の前記表面側端部から外方に導かられ、前記磁気素子を通って、前記第1軟磁性体の前記表面側端部に収束される。この際、第2垂直磁界成分が前記磁気素子の位置で水平成分の大きい第2水平磁界成分に変換される。
このようにして、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分から水平磁界成分へ変換される効率が大きい磁気センサが得られる。
よって、磁気素子を用いて垂直磁界成分である磁界を高感度に検知できる磁気センサを可能とする。また、磁界が高感度に検知されることでS/N比が改善される。
前記第1軟磁性体の前記裏面側の端部、前記第2軟磁性体の前記表面側の端部ならびに前記磁気素子が、前記第2の方向に関し、互いに重なり合うような位置に配置されていることが好ましい。
前記第1軟磁性体の前記裏面側の端部、前記第2軟磁性体の前記表面側の端部が互いに前記基板に直交する方向に重なりあって配置されることで、前記各軟磁性体は前記各軟磁性体から流出される磁束を効率的に収束できる。よって、前記第1水平磁界成分及び前記第2水平磁界成分ともに水平磁界成分が大きくなり、垂直磁界成分から水平磁界成分への変換効率が向上し、大きな水平磁界成分を前記磁気素子に作用させることができる。
前記第1軟磁性体における前記磁気素子から遠い側の端部が、前記第2軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部より、前記基板から離れて位置することが好ましい。
前記第1垂直磁界成分を有する磁束は、前記第1軟磁性体の前記磁気素子から遠い側の端部及び前記第2磁性体の前記磁気素子に近い側の端部に収束される。よって、前記第1軟磁性体の前記磁気素子から遠い側の端部が前記第2軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部より前記基板から離れて位置することで、前記第1軟磁性体は前記第2軟磁性体よりも前記第1垂直磁界成分を有する磁束を優先的に収束する。その結果、前記第1軟磁性体に収束される前記第1垂直磁界成分を有する磁束が多くなり、前記第1垂直磁界成分から変換される前記第1水平磁界成分も多くなり大きな水平磁界成分を得ることができる。
前記第2軟磁性体における前記磁気素子から遠い側の端部が、前記第1軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部より、前記基板から離れて位置することが好ましい。
前記第2垂直磁界成分を有する磁束は、前記第1軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部及び前記第2磁性体の前記磁気素子から遠い側の端部に収束される。よって、前記第2軟磁性体の前記磁気素子から遠い側の端部が前記第1軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部より前記基板から離れて位置することで、前記第2軟磁性体は前記第1軟磁性体よりも前記第2垂直磁界成分を有する磁束を優先的に収束する。その結果、前記第2軟磁性体に収束される前記第2垂直磁界成分を有する磁束が多くなり、前記第2垂直磁界成分から変換される前記第2水平磁界成分も多くなり大きな水平磁界成分を得ることができる。
前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体が、NiFe、CoFe、CoFeSiB、CoZrTi、CoZrNbの少なくとも1つが含まれる軟磁性材料から形成されていることが好ましい。
このような態様であれば、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分を有する磁束を効率的に収束すると共に、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分の変化に追随して前記第1水平磁界成分及び前記第2水平磁界成分を変化させる前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体を形成することができる。よって、前記磁気素子に、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分の変化に応じる大きな水平磁界成分を作用させることが可能となる。
前記第2軟磁性体における前記磁気素子から遠い側の端部が、Au、Ti、Cr、Taの少なくとも1つが含まれる非磁性膜に接することが好ましい。
このような態様であれば、前記非磁性膜が前記第2垂直磁界成分を有する磁束に干渉しないので、前記第2水平磁界成分を低下させない構成の磁気センサを得ることができる。
前記第2軟磁性体の前記非磁性膜に接する面を除いた外周が絶縁膜で覆われていることが好ましい。
このような態様であれば、前記第2軟磁性体を、前記磁気素子及び前記第1軟磁性体と絶縁することができる。よって、後述するブリッジ回路を形成することが可能になる。
複数の前記磁気素子が第1組磁気素子群と第2組磁気素子群とからなり、前記第1組磁気素子群と前記第2組磁気素子群とは電気的に直列接続され、前記第1組磁気素子群と前記第2組磁気素子群との間に出力取出し用の中点電極を有するブリッジ回路が構成されてなるとともに、前記基板の面上における略直交する2方向のうちの一方を前後方向、他方を左右方向としたときに、前記第1組の前記磁気素子の左側に前記第1軟磁性体がかつ前記第1組の前記磁気素子の右側に前記第2軟磁性体が配置され、前記第2組の前記磁気素子の左側に前記第2軟磁性体がかつ前記第2組の前記磁気素子の右側に前記第1軟磁性体が配置されてなることが好ましい。
このような態様であれば、第1垂直磁界成分及び第2垂直磁界成分から、前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体により変換された第1水平磁界成分及び第2水平磁界成分が、第1組磁気素子群と第2組磁気素子群とに逆方向から流入する。そのため、前記両素子群の固定磁性層の磁化方向を同じに形成する、すなわち同一基板上に複数の前記磁気素子を簡単かつ適切に形成するという方法で、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分に対して、前記両素子群の電気抵抗を逆に変化させることができる。よって、前記出力取出し用の中点電極からなる第1出力端子と第2出力端子との間に異なる出力を得ることができ、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分を有する磁束を適切に検知する前記ブリッジ回路を構成することができる。
第1組磁気素子群と第2組磁気素子群とを含む複数の前記磁気素子が、磁化方向が固定された固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性層を介して積層され外部磁界によって磁化方向が変化する自由磁性層とを有し、複数の前記磁気素子の前記固定磁性層の磁化方向は前記第1組磁気素子群の前記磁気素子どうし並びに前記第2組磁気素子群の前記磁気素子どうしが同じ方向であり、前記磁気素子、前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体は前記前後方向に延出形成されてなるとともに、前記自由磁性層の感度軸方向は、前記左右方向であることが好ましい。
このような態様であれば、全ての前記磁気素子の前記固定磁性層の磁化方向が同じであるので、外部からの水平磁界成分に対して全ての前記磁気素子の抵抗値が同様に変化するため、前記外部からの水平磁界成分がブリッジ回路の出力に影響しないようにできる。
また、前記磁気素子、前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体は前記前後方向に延出形成されてなることで、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分を有する磁束を広い領域から収束できるので、前記磁気素子の感度が向上する。
前記磁気素子が、その左右の両側に配置される前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体とよりも前後方向に短いことが好ましい。
このような態様であれば、前後方向からの水平磁界成分を有する磁束が遮蔽されるので、前記前後方向からの水平磁界成分を有する磁束に起因するブリッジ回路の出力への影響を小さくできる。
前記第1組磁気素子群と前記第2組磁気素子群とは、それぞれ少なくとも1つ以上の磁気素子からなることが好ましい。このような態様であれば、前記第1組磁気素子群及び前記第2組磁気素子群は第1垂直磁界成分及び第2垂直磁界成分を有する磁束を検知することができる。
本発明における磁気センサの製造方法は、基板の表面側に磁気抵抗効果を発揮する磁気素子と、前記磁気素子から離間し、前記表面側に配置される第1軟磁性体と、前記磁気素子から離間し、前記基板の裏面側に配置される第2軟磁性体と、を有し、前記基板面内にある第1の方向に関し、前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体との間に前記磁気素子が配置されてなり、前記第1軟磁性体が、前記基板面に略垂直な第2の方向に関して前記磁気素子を基準にして前記第2軟磁性体とは反対側に配置されてなる磁気センサの製造方法であって、
(a)前記基板の表面側に前記磁気素子を形成する工程と、
(b)前記基板の表面側に形成したレジスト孔内に軟磁性材料を充填して前記第1軟磁性体を形成する工程と、
(c)前記基板の表面側から前記基板内に向けて深溝を形成し、前記深溝を軟磁性材料で充填する前記第2軟磁性体を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
(a)前記基板の表面側に前記磁気素子を形成する工程と、
(b)前記基板の表面側に形成したレジスト孔内に軟磁性材料を充填して前記第1軟磁性体を形成する工程と、
(c)前記基板の表面側から前記基板内に向けて深溝を形成し、前記深溝を軟磁性材料で充填する前記第2軟磁性体を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
このような態様であれば、前記磁気素子を挟んで前記第1軟磁性体の前記裏面側端部と前記第2軟磁性体の前記表面側端部とが互いに対向して配置される磁気センサを製造することができる。
よって、前記第1軟磁性体の前記表面側端部で外方から収束された磁束が、前記第1軟磁性体の前記裏面側端部から外方に導かられ、前記磁気素子を通って、前記第2軟磁性体の前記表面側端部に収束される磁気センサを製造することができる。その結果、第1垂直磁界成分が前記磁気素子の位置で水平成分の大きい第1水平磁界成分に変換される磁気センサを製造することができる。
また、前記第2軟磁性体の前記裏面側端部で外方から収束された磁束が、前記第2軟磁性体の前記表面側端部から外方に導かられ、前記磁気素子を通って、前記第1軟磁性体の前記裏面側端部に収束される磁気センサを製造することができる。その結果、第2垂直磁界成分が前記磁気素子の位置で水平成分の大きい第2水平磁界成分に変換される磁気センサを製造することができる。
このようにして、前記第1垂直磁界成分及び前記第2垂直磁界成分から水平磁界成分へ変換される効率が大きい磁気センサの製造方法が可能となる。
よって、本発明によれば、対向に配置される軟磁性体を用いることで高感度に磁界を検知する磁気センサの製造方法を提供することができる。
本発明によれば、対向に配置される軟磁性体を用いて高感度に磁界を検知する磁気センサを提供することができる。
<第1の実施形態>
図1は本実施形態におけるZ軸磁気センサの平面略図、図2は、図1に示すZ軸磁気センサから第1軟磁性体及び第2軟磁性体を除去した平面略図である。図3は、図1に示すA−A線に沿って切断し矢印方向から見たZ軸磁気センサの部分拡大断面略図である。図4は、本実施形態におけるZ軸磁気センサの回路略図である。図5は本実施形態における磁気素子の部分断面略図、図6はZ軸磁気センサ、X軸磁気センサ、Y軸磁気センサを備える磁気センサの平面概念図、図7は本実施形態の第1の軟磁性体、磁気素子及び第2軟磁性体の周辺の磁界分布を示す断面概念図、図8は第1軟磁性体と第2軟磁性体との間に生じる磁界強度の模式図がある。図9は本実施形態におけるZ軸磁気センサの製造方法の説明図である。なお、各図面は、見やすくするために寸法を適宜実際の寸法とは異ならせて示している。
図1は本実施形態におけるZ軸磁気センサの平面略図、図2は、図1に示すZ軸磁気センサから第1軟磁性体及び第2軟磁性体を除去した平面略図である。図3は、図1に示すA−A線に沿って切断し矢印方向から見たZ軸磁気センサの部分拡大断面略図である。図4は、本実施形態におけるZ軸磁気センサの回路略図である。図5は本実施形態における磁気素子の部分断面略図、図6はZ軸磁気センサ、X軸磁気センサ、Y軸磁気センサを備える磁気センサの平面概念図、図7は本実施形態の第1の軟磁性体、磁気素子及び第2軟磁性体の周辺の磁界分布を示す断面概念図、図8は第1軟磁性体と第2軟磁性体との間に生じる磁界強度の模式図がある。図9は本実施形態におけるZ軸磁気センサの製造方法の説明図である。なお、各図面は、見やすくするために寸法を適宜実際の寸法とは異ならせて示している。
各図に示すX軸方向、及びY軸方向は基板2の裏表面上で直交する2方向を示し、Z軸方向は前記基板2の裏表面に直交する方向を示している。Y1−Y2方向を「前後方向」とし、Y1方向を前方、Y2方向を後方とする。またX1−X2方向を「左右方向」とし、X1方向を右方向、X2方向を左方向とする。Z1−Z2方向を「上下方向」とし、Z1方向を上方向、Z2方向を下方向とする。
本実施形態における磁気素子Sを備えるZ軸磁気センサ1は、例えば携帯電話等の携帯機器に搭載される地磁気センサを構成する。
地磁気センサは、図6に示すように、互いに感度軸方向が直交する3つのX軸磁気センサ50、Y軸磁気センサ70、Z軸磁気センサ1を備え、3つの磁気センサが磁界の互いに直交するX軸方向の磁界成分、Y軸方向の磁界成分、Z軸方向の磁界成分を検知するものである。ただし、後述するように、Z軸方向の磁界成分は、第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5によって水平方向に変換されている。
Z軸磁気センサ1は、図1、図3に示すように、基板2上に形成された磁気素子Sと、第1軟磁性体4と、及び第2軟磁性体5を有して構成されている。そして、第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に磁気素子Sが配置され、磁気素子S、第1軟磁性体4、及び第2軟磁性体5は、左右方向に互いに間隔を設けて配列されている。また、磁気素子S、第1軟磁性体4の下端部4b1、及び第2軟磁性体5の上端部5a1が上下方向で重なり合って配置されている。
図3に示すようにシリコン等からなる基板2の上に第1絶縁膜12、非磁性膜13、第2絶縁膜14、及び第3絶縁膜15を介して複数の磁気素子Sが形成されている。
図5に示すように、磁気素子Sは、例えば下から反強磁性層33、固定磁性層34、非磁性層35、及び自由磁性層36の順に積層されて成膜され、自由磁性層36の表面が保護層37で覆われている。磁気素子Sは、例えばスパッタリング法(Sputtering Method)にて成膜される。
反強磁性層33は、IrMn合金(イリジウム−マンガン合金)などの反強磁性材料で形成されている。固定磁性層34はCoFe合金(コバルト−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。非磁性層35はCu(銅)などである。自由磁性層36は、NiFe合金(ニッケル−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。保護層37はTa(タンタル)などである。図5に示す磁気素子Sの積層構成は一例であって他の積層構成も可能である。
磁気素子Sでは、反強磁性層33と固定磁性層34との交換結合により、固定磁性層34の磁化方向(P方向)が固定されている。本実施形態は後述するように磁気素子Sが前後方向(Y1−Y2)に延出した形状であり、図5に示すように、固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)が、例えば右方向(X1)に向いている。一方、自由磁性層36の磁化方向は、外部磁界により変動する。また、自由磁性層36は図示していない永久磁石による前後方向(Y1−Y2)のバイアス磁界成分によって、無磁場成分状態(外部磁界の作用がない状態)では、前後方向(Y1−Y2)に向けられている。
固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)と同一方向に外部磁界が作用し自由磁性層36の磁化方向が前記外部磁界方向に変動すると、固定磁性層34の固定磁化方向と自由磁性層36の磁化方向とが平行に近づき電気抵抗値は低下する。
一方、固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)と反対方向に外部磁界が作用し自由磁性層36の磁化方向が前記外部磁界方向に変動すると、固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)と自由磁性層36の磁化方向とが反平行に近づき電気抵抗値は増大する。
本実施形態では、上記のように磁気素子Sを巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto resistive effect)素子としたが、トンネル効果(TMR:Tunnel Magneto resistive effect)素子や、ホール(Hall)素子も可能である。
図1、図2に示すように基板2の上には複数の磁気素子S1〜S18が形成されている。これら各磁気素子S1〜S18は左右方向(X1−X2)の幅寸法よりも前後方向(Y1−Y2)に沿って長く延出する形状となっている。各磁気素子S1〜S18で前後方向(Y1−Y2)への長さ寸法が異なるが、これは、図2に示す入力端子(Vdd)と第2出力端子(V2)間に直列に接続される複数の磁気素子S1、S2、S3を合わせた素子長さの全長と、入力端子(Vdd)と第1出力端子(V1)間に直列に接続される複数の磁気素子S9、S10、S11、S12、S13を合わせた素子長さの全長と、グランド端子(GND)と第2出力端子(V2)間に直列に接続される複数の磁気素子S4、S5、S6、S7、S8を合わせた素子長さの全長と、グランド端子(GND)と第1出力端子(V1)間に直列に接続される複数の磁気素子S14、S15、S16、S17、S18を合わせた素子長さの全長と、を同じとするためである。
図2に示すように各磁気素子S間は非磁性導電材料の接続部6にて電気的に接続されている。また、磁気素子S1、S9の前方端部から非磁性導電材料で形成された配線層7が引き出されて、配線層7の右側端部に配線層7とは一体あるいは別体の入力端子(Vdd)を構成する電極パッド8が形成されている。また、磁気素子S13、S14の端部から非磁性導電材料で形成された配線層7が引き出されて、配線層7の右側端部に配線層7とは一体あるいは別体の第1の出力端子(V1)を構成する電極パッド9が形成されている。また、磁気素子S8、S18の端部から非磁性導電材料で形成された配線層7が引き出されて、配線層7の右側端部に配線層7とは一体あるいは別体のグランド端子(GND)を構成する電極パッド10が形成されている。また、磁気素子S3、S4の後方端部から非磁性導電材料で形成された配線層7が引き出されて、配線層7の右側端部に配線層7とは一体あるいは別体の第2出力端子(V2)を構成する電極パッド11が形成されている。
上記した接続部6、配線層7、電極パッド8〜11は、Al、Au、Cr等の非磁性導電材料で形成される。
図2に示すように、各磁気素子Sは接続部6を介して蛇行するように配置することで、入力端子(Vdd)と第2の出力端子(V2)間、入力端子(Vdd)と第1の出力端子(V1)間、グランド端子(GND)と第2の出力端子(V2)間、及びグランド端子(GND)と第1の出力端子(V1)間に夫々、直列に接続された磁気素子Sの素子長さの全長を長くでき電気抵抗を高めることができる。これにより、入力端子(Vdd)から供給される電流値が小さく抑えられ、本実施形態の磁気センサは低電力で駆動される。
図1に示すように、複数の第1軟磁性体4と複数の第2軟磁性体5とが、左右方向(X1−X2)の幅寸法よりも前後方向(Y1−Y2)に沿って長く延出した形状で形成される。各第1軟磁性体4と各第2軟磁性体5とは、所定の間隔を空けて交互に左右方向(X1−X2)に配列され、第1軟磁性体4の左右の側に各磁気素子Sが配置されている。例えば、第1軟磁性体4の左右に磁気素子S1と磁気素子S9が配置されている。また、全ての磁気素子S1〜S18は、第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に配置されている。
図3に示すように、第1軟磁性体4は基板2の上に形成される第3絶縁膜15の膜中まで削られて底面15bから上方向に延出して形成されている。また、第2軟磁性体5は、第4絶縁膜16の上面16aより上方の位置から下方向に延出し、その一部が基板2の上に形成された第2絶縁膜14に埋め込まれて非磁性膜13と接して形成されている。このように、第1軟磁性体4は、高さ方向(Z1−Z2)に関して磁気素子Sを基準にして第2軟磁性体5とは反対側に配置されている。
また、図9(h)に示すように、第2軟磁性体5は、第2絶縁膜14、第3絶縁膜15、第4絶縁膜16及びファイナルパッシベーション膜19に埋め込まれて、その下面を除いた外周全面が絶縁膜で覆われている。
本実施形態では、第1軟磁性体4の下面4bを第3絶縁膜15の膜中に設けたが、これに限定されるものではない。第2絶縁膜14の膜中まで削ることで下面4bを第2絶縁膜14の膜中に設けることが可能である。ただし、第1軟磁性体4の下面4bは、第2軟磁性体5の下面5bより上方に設ける必要がある。
第2軟磁性体5の上面5aも、第1軟磁性体4の上面4aより下方であれば自由に設けることが可能である。
図3に示すように、第1軟磁性体4の上面4aと第2軟磁性体5の上面5aとの間には高さ方向(Z1−Z2)に間隔T9が設けられる。また、第1軟磁性体4の下面4bと第2軟磁性体5の下面5bとの間には高さ方向(Z1−Z2)に間隔T10が設けられる。そして、T9とT10とは3〜14μm程度であることが好ましい。
第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5は、NiFe、CoFe、CoFeSiB、CoZrTi、CoZrNbから選ばれた少なくとも1つが含まれる軟磁性材料から形成される。また、非磁性膜13は、Au、Ti、Cr、Taの少なくとも1つが含まれる非磁性材料から形成される。
図3に示すように、各第1軟磁性体4は、基板2の表裏面に平行な上面4aと下面4b、及び上面4a及び下面4b間を繋ぐ垂直面である側面4c、4cを有して構成される。また、各第2軟磁性体5は、基板2の表裏面に平行な上面5aと下面5b、及び上面5a及び下面5b間を繋ぐ垂直面である側面5c、5cを有して構成される。尚、側面4c、4c及び側面5c、5cは、垂直面ではなく上下方向に向けて徐々に各々の幅寸法T1、T2が拡がる傾斜面とすることができる。また、上面4a、下面4b、上面5a、及び下面5b共に、基板2の表裏面に平行でないことも可能である。
図3に示すように、各磁気素子Sと第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5とは、左右方向(X1−X2)に各々T5、T6の間隔が設けられている。尚、T5とT6とは0.1〜2μm程度であることが好ましい。
図1に示すように、入力端子(Vdd)と第2出力端子(V2)間に直列接続される磁気素子S1、S2、S3、及び第1出力端子(V1)とグランド端子(GND)間に直列接続される磁気素子S14、S15、S16、S17、S18は、全て各第2軟磁性体5に対して上端部5a1の右側近傍に配置される。また、第2出力端子(V2)とグランド端子(GND)間に直列接続される磁気素子S4、S5、S6、S7、S8、及び入力端子(Vdd)と第1の出力端子(V1)間に直列接続される磁気素子S9、S10、S11は、全て各第2軟磁性体5に対して上端部5a1の左側近傍に配置される。
ただし、図7に示すように、上端部5a1あるいは下端部5b1は、各々に第2軟磁性体5の上面5a近傍あるいは下面5b近傍に含まれる第2軟磁性体5の両端部の領域である。また、上端部4a1あるいは下端部4b1は、各々に第1軟磁性体4の上面4a近傍あるいは下面4b近傍に含まれる第1軟磁性体4の両端部の領域である。
図7(a)に示すように、上方からの垂直磁界成分H01が、第1軟磁性体4に収束され、上面4aから第1軟磁性体4の内部に進入する。垂直磁界成分H01は、第1軟磁性体4内を通過し、下端部4b1(下面4bの近傍)から外方に流出し、水平磁界成分H02に変換され、各磁気素子Sに作用する。この水平磁界成分H02は、各磁気素子Sを挟んで対向する第2軟磁性体5に収束され、上端部5a1(上面5aの近傍)から第2軟磁性体5の内部に進入する。そして、第2軟磁性体5の下面5bから外方に発せられる。
水平磁界成分H02は、第1軟磁性体4の左右に配置される各磁気素子Sにおいて、各固定磁性層34の磁化方向に対し平行または反平行に作用する。図5で説明したように各磁気素子Sの固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)は右方向(X1)である。したがって、第1軟磁性体4から右方向の水平磁界成分H02が作用する磁気素子S(図1に示す、S4〜S8、S9〜S13)は、自由磁性層36の磁化方向が右方向(X1)を向くため、固定磁性層34と自由磁性層36の磁化方向が同じとなり電気抵抗値が小さくなる。一方、第1軟磁性体4から左方向の水平磁界成分H02が作用する磁気素子S(図1に示す、S1〜S3、S14〜S18)は、自由磁性層36の磁化方向が左方向(X2)を向くため、固定磁性層34と自由磁性層36の磁化方向が反平行となり電気抵抗値が大きくなる。よって、図4に示すブリッジ回路では、磁気素子S1〜S3、S14〜S18の電気抵抗値は大きくなり、磁気素子S4〜S8、S9〜S13の電気抵抗値は小さくなる。このため、第1出力端子(V1)の電位は大きくなり、第2出力端子(V2)の電位は小さくなり、差動出力を得ることで、上方からの垂直磁界成分H01の検知が可能になる。
図7(b)に示すように、下方からの垂直磁界成分H03が、第2軟磁性体5に収束され、下面5bから第2軟磁性体5の内部に進入する。垂直磁界成分H03は、第2軟磁性体5内を通過し、上端部5a1(上面5aの近傍)から外方に流出し、水平磁界成分H04に変換され、各各磁気素子Sに作用する。
この水平磁界成分H04は、各磁気素子Sを挟んで対向する第1軟磁性体4に収束され、下端部4b1(下面4bの近傍)から第1軟磁性体4の内部に進入する。そして、第1軟磁性体4の上面4aから外方に発せられる。
この水平磁界成分H04は、各磁気素子Sを挟んで対向する第1軟磁性体4に収束され、下端部4b1(下面4bの近傍)から第1軟磁性体4の内部に進入する。そして、第1軟磁性体4の上面4aから外方に発せられる。
水平磁界成分H04は、第1軟磁性体4の左右に配置される各磁気素子Sにおいて、各固定磁性層34の磁化方向に対し平行または反平行に作用する。図5で説明したように各磁気素子Sの固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)は右方向(X1)である。したがって、第2軟磁性体5から右方向の水平磁界成分H04が作用する磁気素子S(図1に示す、S1〜S3、S14〜S18)は、自由磁性層36の磁化方向が右方向(X1)を向くため、固定磁性層34と自由磁性層36の磁化方向が同じとなり電気抵抗値が小さくなる。一方、第1軟磁性体4から左方向の水平磁界成分H04が作用する磁気素子S(図1に示す、S4〜S8、S9〜S13)は、自由磁性層36の磁化方向が左方向(X2)を向くため、固定磁性層34と自由磁性層36の磁化方向が反平行となり電気抵抗値が大きくなる。よって、図4に示すブリッジ回路では、磁気素子S1〜S3、S14〜S18の電気抵抗値は小さくなり、磁気素子S4〜S8、S9〜S13の電気抵抗値は大きくなる。このため、第1出力端子(V1)の電位は小さくなり、第2出力端子(V2)の電位は大きくなり、差動出力を得ることで、下方からの垂直磁界成分H03の検知が可能になる。
尚、図7においては、図7での説明に必要な磁界のみを記載しており、それ以外の磁界に関しては省略した。実際には、垂直磁界成分H01の磁界成分が、各第1軟磁性体4の上面4aや上面4a近傍の上端部4a1の側面4c、4cに収束され、また、垂直磁界成分H03の磁界成分が、各第2軟磁性体5の下面5bや下面5b近傍の下端部5b1の側面5c、5cに収束される。また、上方からの垂直磁界成分H01と下方からの垂直磁界成分H03とは、中点電位の増減を逆に変化させるので、それらの違いは区分されて検知される。
図8に第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に生じる磁界強度の模式図を示す。図8に示すように、各下端部4b1と各上端部5a1とが水平(基板2の表裏面に平行)に対向して配置されている。よって、上方から垂直磁界成分H01を有する磁束が、水平磁界成分H02を有する磁束に変換されて各下端部4b1から外方に流出される際に、水平磁界成分H02を有する磁束は各上端部5a1に水平に進入しようとする。その結果、垂直磁界成分H01は大きな水平磁界成分H02に変換される。
また、下方から垂直磁界成分H03を有する磁束が、水平磁界成分H04を有する磁束に変換されて各上端部5a1から外方に流出される際に、水平磁界成分H04を有する磁束が各下端部4b1に水平に進入しようとする。その結果、垂直磁界成分H03は大きな水平磁界成分H04に変換される。
磁束の方向と各軟磁性体4、5との対称性から、磁束の方向が逆になっても、基本的には磁束の流れは同じである。よって、上方及び下方からの垂直磁界成分は、同様に大きな水平磁界成分に変換される。
よって、垂直磁界成分H01及び垂直磁界成分H03が、水平磁界成分が大きい水平磁界成分H02及び水平磁界成分H04に変換され、Z軸磁気センサ1を構成する各磁気素子Sの固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)が水平方向であるので、Z軸磁気センサ1は垂直磁界成分H01及び垂直磁界成分H03を高感度に検知することができる。
図8に示すように、第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に強い磁界が略一様に分布している。よって、第1軟磁性体4と第2軟磁性体5との間に各磁気素子Sを設置する際の設置精度は厳しく要求されない。ただし、設置精度を考慮すると、各磁気素子Sを下端部4b1と上端部5a1との中心付近に設置することが好ましい。
本実施形態において垂直磁界成分H01及び垂直磁界成分H03を検知できるのは、各第1軟磁性体4及び各第2軟磁性体5によって水平磁界成分H02及び水平磁界成分H04に変換されるからである。この変換効率を高めるには、図3及び図7を参照して説明するが、各第1軟磁性体4と各第2軟磁性体5との左右方向(X1−X2)における各々の幅寸法T1、T2に対して、高さ方向(Z1−Z2)における各々の高さ寸法T3、T4のアスペクト比(T3/T1、T4/T2)を1.5倍〜5倍程度に大きくすることが望ましい。
これにより、第1軟磁性体4の上面4aや上面4a近傍の上端部4a1の側面4c、4cが、上方から下方(Z1方向からZ2方向)に向かう垂直磁界成分H01の主たる収束面として適切に機能し、一方、下面4bや下面4b近傍の下端部4b1の側面4c、4cが、第1軟磁性体4内を通過した磁界を流出する主たる流出面として機能し、水平方向への磁界成分を磁気素子Sの近傍にて生じることが可能になる。
また、第2軟磁性体5の下面5bや下面5b近傍の下端部5b1の側面5c、5cが、下方から上方(Z2方向からZ1方向)に向かう垂直磁界成分H03の主たる収束面として適切に機能し、一方、上面5aや上面5a近傍の上端部5a1の側面5c、5cが、第2軟磁性体5内を通過した磁界を流出する主たる流出面として機能し、水平方向への磁界成分を磁気素子Sの近傍にて生じることが可能になる。
尚、アスペクト比の上限を5としたのは、5程度とすれば変換効率を非常に良好にでき、また5よりも大きくするとZ軸磁気センサ1の低背化を阻害するためである。尚、T1とT2とは3〜10μm程度、T3とT4とは5〜15μm程度である。
本実施形態では図1、図7に示すように、複数の磁気素子Sが、第1軟磁性体4の下端部4b1と第2軟磁性体5の上端部5a1との間に配置されている。また、各磁気素子Sの固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)は全て同じ方向に揃えられている。これにより、各磁気素子Sが、外部からの左右方向(X1−X2)の水平磁界成分H05(図7参照)あるいは外部からの前後方向(Y1−Y2)の水平磁界成分H06(図示してない)を検知しても、各磁気素子Sは全て同じ抵抗値を示すため、図4に示すブリッジ回路での出力端子V1、V2は中点電位をそのままに変動しない。一方、外部からの垂直磁界成分H01、H03に対しては、第1軟磁性体4の左右に配置される各磁性素子Sには逆方向の水平磁界成分が作用するので、第1軟磁性体4の右側に配置される各磁性素子Sと第1軟磁性体4の左側に配置される各磁性素子Sとで異なる抵抗値を示し、各磁性素子S1〜S18を用いて図4に示すブリッジ回路を組むことで、外部からの水平磁界成分H05及び外部からの水平磁界成分H06の検知を抑制できると共に、垂直磁界成分H01、H03を適切に検出することが可能なZ軸磁気センサ1を構成することができる。
また、上記のように本実施形態では、全ての磁気素子Sの固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)を同じにできるから、全ての磁気素子Sを同じ基板2の上に同時に形成することができ、Z軸磁気センサ1の製造を容易化できる。
また、図1、図2に示すように、磁気素子S1〜S18、第1軟磁性体4、及び第2軟磁性体5は、前後方向(Y1−Y2)に平行に長く延びる形態であるが、磁気素子S1〜S18は第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5より短く形成される。このため、第1軟磁性体4の左右に磁気素子Sを配置する際に、磁気素子S1と磁気素子S9のように左右方向(X1−X2)に相対向するように配置することもできるし、磁気素子S10、S2、S5のように、前後方向(Y1−Y2)にずらして配置することもでき、磁気素子Sに対する配置の自由度が高い。
図1、図3に示すように、第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5の左右方向(X1−X2)の幅寸法T1及びT2を短く形成でき、また第1軟磁性体4の下端部4b1近傍及び第2軟磁性体5の上端部5a1近傍に、磁気素子Sを配置できる。したがって、磁気素子S、第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5をコンパクトに配置できるのでZ軸磁気センサ1の小型化を促進できる。また、Z軸磁気センサ1を、X軸磁気センサ及びY軸磁気センサと平面視で同程度の大きさに形成することができる。
図10に、図1の変形例であるZ軸磁気センサの平面略図を示す。この変形例においては、各磁気素子Sが第2軟磁性体5の左右の両側に配置されている。これ以外においては、第1実施形態と同じである。
よって、垂直磁界成分H01、H03に対して、各磁気素子Sには水平磁界成分H02、H04が、第1実施形態とは逆方向に作用する。そのため、各磁気素子Sは、その抵抗値を第1実施形態とは増減を逆に変化させて、図4に示すブリッジ回路の差動出力を得ることで、垂直磁界成分H01、H03を検知することができる。
本実施形態の製造方法について図9を用いて説明する。まず、図9(a)に示すように、基板2の表面に第1絶縁膜12、非磁性膜13、第2絶縁膜14、及び第3絶縁膜15を積層して形成する。
基板2は例えばシリコン基板であり、第1絶縁膜12は例えば前記シリコン基板を熱酸化して形成した熱酸化膜である。第1絶縁膜12の膜厚は0.05〜0.3μm程度である。非磁性膜13は、例えばAu、Ti、Cr、Taの少なくとも1つを含む非磁性材料からなり、基板2の全面に形成され第2軟磁性体5のメッキシード層として機能し、その膜厚は0.05〜0.3μm程度である。第2絶縁膜14は、例えばシリコンナイトライト膜やシリコン酸化膜であり、その膜厚は4〜14μm程度である。第3絶縁膜15は例えばアルミナ膜であり、その膜厚は0.05〜0.5μm程度である。また、非磁性膜13、第2絶縁膜14、及び第3絶縁膜15は、スパッタリング法やCVD法(Chemical Vapor Deposition Method)等の薄膜形成技術を用い成膜することができる。
図9(b)に示すように、第3絶縁膜15の上に、例えば図5に示すように下から反強磁性層33、固定磁性層34、非磁性層35、自由磁性層36、及び保護層37の順に積層して成膜することで、磁気素子Sを構成する積層多層膜を形成する。次に、レジストパターン形成技術やエッチング技術等からなるホトリソ加工技術を用いて磁気素子Sのパターニング形成(例えば図2に示すパターン)を行う。次に、例えば図2に示す接続部6、及び配線層7を、薄膜形成技術とホトリソ加工技術を繰り返すことで形成する。接続部6と配線層7とは、Al、Au、Cr等の導電材料からなる。
図9(c)に示すように、第4絶縁膜16を成膜し、図2に示す電極パッド8〜11部に金メッキ用のコンタクト穴(図示してない)をホトリソ加工技術で形成し、金シード層(図示してない)を成膜する。第4絶縁膜16は、例えばアルミナ膜であり、その膜厚は0.1〜0.5μm程度である。また、金シード層の膜厚は0.01〜0.1μm程度である。第4絶縁膜16及び金シード層はスパッタリング法等で成膜できる。
この際に、磁気センサを構成するX軸磁気センサ50、Y軸磁気センサ70、Z軸磁気センサ1が、基板2の上に同時に形成されている。また、図9には、説明に必要な一つの磁気素子Sとその周辺しか図示していないが、実際には複数の磁気素子S、複数の配線層7、や複数の電極パッド8〜11等があるが、これらは省略して図示していない。
次に、図9(d)〜 図9(g)によって、Z軸磁気センサ1が有する第1軟磁性体4と第2軟磁性体5とを形成する製造工程について説明する。
図9(d)に示すように、第1レジスト膜17を塗布し、露光と現像によって第1レジスト膜17をパターニングする。そして、この第1レジスト膜17をマスクにして深堀りRIE(Deep Reactive Ion Etching)等によって第4絶縁膜16、第3絶縁膜15、第2絶縁膜14をエッチングして、非磁性膜13に達する深溝を形成する。
図9(e)に示すように、非磁性膜13をメッキシード層として第2軟磁性体5を形成する膜をメッキ法等によって、その膜厚を5〜15μm程度に成膜する。次に、第1レジスト膜17を除去することで、メッキ法等で成膜した不必要な膜部分を除去することで、第2軟磁性体5を形成する。第2軟磁性体5は、NiFe、CoFe、CoFeSiB、CoZrTi、CoZrNbの少なくとも1つが含まれる軟磁性材料からなる。
図9(f)に示すように、第2レジスト膜18を塗布し、露光と現像によって第1軟磁性体4を形成する箇所の第2レジスト膜18に孔パターンを形成する。そして、この孔パターン内の第4絶縁膜16を除去し、第3絶縁膜15の膜中の途中まで除去する。この除去は、RIEやイオンミリング(Ion Milling)法等で行うことができる。図示していないが第1軟磁性体4と同じ材質の膜あるいはAu、Ti、Cr、Taの少なくとも1つを含む非磁性材料を、0.01〜0.1μm程度の膜厚にてシード層としてスパッタリング法等で成膜する。次に、第1軟磁性体4を形成する膜をメッキ法等によって、その膜厚を5〜15μm程度に成膜する。次に、第2レジスト膜18を除去することで、メッキ法等で成膜した不必要な膜部分を除去することで、第1軟磁性体4を形成する。第1軟磁性体4はNiFe、CoFe、CoFeSiB、CoZrTi、CoZrNbの少なくとも1つが含まれる軟磁性材料からなる。
その結果、図9(g)に示すように、磁気素子Sを挟んで第1軟磁性体4と第2軟磁性体5とが配置されるZ軸磁気センサ1が形成される。別途に、X軸磁気センサ50及びY軸磁気センサ70の漏洩磁場を遮蔽するシールド膜が形成されるが、図示していない。
次工程からは、X軸磁気センサ50、Y軸磁気センサ70、及びZ軸磁気センサ1に対して同時に製造工程が進行する。図示していないが、レジスト膜を塗布し、レジストパターン形成技術で図2に示す電極パッド8〜11部に金メッキ用のコンタクト孔を形成し、金メッキを行う。そして、前記レジスト膜を除去した後に、電極パッド8〜11部に形成された金メッキパターンをマスクにして、図9(c)で成膜した金シード層をエッチング除去する。
図9(h)に示すように、ファイナルパッシベーション膜19を成膜して、ホトリソ加工技術を用いて図2に示す電極パッド8〜11部に、ワイヤボンディング用のパッド穴を形成する。ファイナルパッシベーション膜19は、例えば、CVD法等で成膜されるシリコンナイトライト膜であり、その膜厚は0.3〜5μm程度である。
基板2上には、X軸磁気センサ50、Y軸磁気センサ70、及びZ軸磁気センサ1から構成される複数の磁気センサが形成される。よって、図示していないが、基板2を切断すれば、複数の磁気センサチップを製造することができる。
上述したように、本実施形態においては、薄膜の積層多層膜である各磁気素子Sを形成した後に、第2軟磁性体5、第1軟磁性体4を形成している。このように、製造工程の初期段階で各磁気素子Sを形成することは、製造工程を経る毎に基板表面に成長する微小な凹凸である面荒れを未然に防ぐことができるので、各磁気素子Sの膜厚精度を向上させることができる。その結果、特性ばらつきが小さいと共に高歩留で磁気センサを製造できる。また、磁気センサの特性ばらつきが小さくなることで検出精度が向上し、検出感度(S/N比)が向上する。
第1軟磁性体4や第2軟磁性体5を形成した後に磁気素子Sを形成する際には、第1軟磁性体4や第2軟磁性体5を形成することで基板表面の平坦性が損なわれるので、各磁気素子Sを膜厚精度よく形成するためには厚い絶縁膜で基板表面を覆いCMP(Chemical Mechanical Polishing)等で平坦化することが必要である。
このため、工程数が増えるとともに、高価なCMP装置等を導入することが必要となり、製造コストが高くなることが問題である。よって、本実施形態では、第1軟磁性体4や第2軟磁性体5を形成する前に、各磁気素子Sを形成することで、製造コストを低く抑えることができる。
図9(g)に示すように第1軟磁性体4の下面4bは第3絶縁膜15中に設けられているが、これに限定されない。第2絶縁膜14を絶縁膜で形成しているので、第2絶縁膜14の膜中まで深掘りし前記下面4bを第2絶縁膜14の膜中に設けることも可能である。このように、本実施形態によれば、第1軟磁性体4と各磁気素子Sとの重なり合いの自由度を大きく取れる。
また、第2軟磁性体5においても、その膜厚を変えることで第2軟磁性体5と各磁気素子Sとの重なり合いを自由に変えることが可能である。
よって、本実施形態によれば、第1軟磁性体4及び第2軟磁性体5と各磁気素子Sとの高さ方向(Z1−Z2)の重なり合いの設計自由度が大きいので、磁気素子Sに大きな水平磁界成分H02、H04を作用するように設計することが容易である。よって、本実施形態によれば、Z軸磁気センサ1の検出感度(S/N比)が向上させることが可能である。
本実施形態では、基板2をシリコン等としたが、これに限定されるものではない。基板2をガラス基板等の絶縁基板とすることもできる。この際には、図11に示す変形例のように、第1絶縁膜12、第2絶縁膜14、第3絶縁膜15が形成されない場合もある。
本実施形態では非磁性膜13が形成されているが、これに限定されるものではない。第2軟磁性体5と同一材料をシード層にして第2軟磁性体5をメッキ成膜できるので、図11に示す変形例のように、非磁性膜13が形成されない場合もある。
<第2の実施形態>
図12に第2の実施形態におけるZ軸磁気センサの平面略図を示す。また、図13に第2の実施形態におけるZ軸磁気センサの回路略図を示す。また、図14に、第2の実施形態におけるZ軸磁気センサの部分拡大平面略図を示す。
図12に第2の実施形態におけるZ軸磁気センサの平面略図を示す。また、図13に第2の実施形態におけるZ軸磁気センサの回路略図を示す。また、図14に、第2の実施形態におけるZ軸磁気センサの部分拡大平面略図を示す。
Z軸磁気センサは、図12、図13、図14に示すように、4つの抵抗部101〜104によってブリッジ回路を成して構成される。図14(a)に第1抵抗部101及び第4抵抗部104の部分拡大平面略図を、図14(b)に第2抵抗部102及び第3抵抗部103の部分拡大平面略図を示す。図14に示すように、4つの抵抗部101〜104は、磁気素子S、第1軟磁性体4、及び第2軟磁性体5を有して形成される。
第1抵抗部101及び第4抵抗部104は、図14(a)に示すように、第1軟磁性体4が各磁気素子Sの左側に、第2軟磁性体5が各磁気素子Sの右側に配置されている。よって、第1抵抗部101及び第4抵抗部104は、第1組の磁気素子から構成されている。
第2抵抗部102及び第3抵抗部103は、図14(b)に示すように、第1軟磁性体4が各磁気素子Sの右側に、第2軟磁性体5が各磁気素子Sの左側に配置されている。よって、第2抵抗部102及び第3抵抗部103は、第2組の磁気素子から構成されている。
第2の実施形態は、上記の配置と第1軟磁性体4、第2軟磁性体5、及び各磁気素子Sの本数と前後方向(Y1−Y2)の寸法以外は第1の実施形態と同じである。
各磁気素子Sの固定磁性層34の固定磁化方向(P方向)は、第1の実施形態と同じく右方向(X1)である。また、第1抵抗部101及び第4抵抗部104と、第2抵抗部102及び第3抵抗部103とでは、垂直磁界成分に対して、逆方向の水平磁界成が作用する。そのため、第1抵抗部101及び第4抵抗部104と、第2抵抗部102及び第3抵抗部103とでは、垂直磁界成分に対して、その抵抗値の増減を逆に変化させる。よって、図12に示すブリッジ回路の差動出力を得ることで、垂直磁界成分H01、H03を検知することができる。
第2の実施形態では、全ての各磁気素子Sの前後方向(Y1−Y2)の長さを同じにしたが、第1の実施形態と同じように各磁気素子Sの長さは異ならせて、その全長を同じにすることも可能である。
このようにして、第1組の磁気素子と第2組の磁気素子とから構成されるブリッジ回路は、図12、図13、図14に示す構成で形成することができる。
1 Z軸磁気センサ
2 基板
4 第1軟磁性体
5 第2軟磁性体
6 接続部
7 配線層
8〜11 電極パッド
12 第1絶縁膜
13 非磁性膜
14 第2絶縁膜
15 第3絶縁膜
16 第4絶縁膜
17 第1レジスト膜
18 第2レジスト膜
19 ファイナルパッシベーション膜
33 反強磁性層
34 固定磁性層
35 非磁性層
36 自由磁性層
37 保護層
50 X軸磁気センサ
70 Y軸磁気センサ
2 基板
4 第1軟磁性体
5 第2軟磁性体
6 接続部
7 配線層
8〜11 電極パッド
12 第1絶縁膜
13 非磁性膜
14 第2絶縁膜
15 第3絶縁膜
16 第4絶縁膜
17 第1レジスト膜
18 第2レジスト膜
19 ファイナルパッシベーション膜
33 反強磁性層
34 固定磁性層
35 非磁性層
36 自由磁性層
37 保護層
50 X軸磁気センサ
70 Y軸磁気センサ
Claims (13)
- 磁束を検知する磁気素子と、第1軟磁性体と第2軟磁性体と、を有し、
第1の方向に関し、前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体との間に前記磁気素子が配置されてなり、
前記第1軟磁性体が、前記第1の方向に略垂直な第2の方向に関して前記磁気素子を基準にして前記第2軟磁性体とは反対側に配置されてなることを特徴とする磁気センサ。 - 基板の表面側に磁気抵抗効果を発揮する磁気素子と、前記磁気素子から離間し、前記表面側に配置される第1軟磁性体と、前記磁気素子から離間し、前記基板の裏面側に配置される第2軟磁性体と、を有し、
前記基板面内にある第1の方向に関し、前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体との間に前記磁気素子が配置されてなり、
前記第1軟磁性体が、前記基板面に略垂直な第2の方向に関して前記磁気素子を基準にして前記第2軟磁性体とは反対側に配置されてなることを特徴とする磁気センサ。 - 前記第1軟磁性体の前記裏面側の端部、前記第2軟磁性体の前記表面側の端部ならびに前記磁気素子が、前記第2の方向に関し、互いに重なり合うような位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ。
- 前記第1軟磁性体における前記磁気素子から遠い側の端部が、前記第2軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部より、前記基板から離れて位置することを特徴とする請求2または請求項3に記載の磁気センサ。
- 前記第2軟磁性体における前記磁気素子から遠い側の端部が、前記第1軟磁性体の前記磁気素子に近い側の端部より、前記基板から離れて位置することを特徴とする請求2から請求項4のいずれか1項に記載の磁気センサ。
- 前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体が、NiFe、CoFe、CoFeSiB、CoZrTi、CoZrNbの少なくとも1つが含まれる軟磁性材料から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁気センサ。
- 前記第2軟磁性体における前記磁気素子から遠い側の端部が、Au、Ti、Cr、Taの少なくとも1つが含まれる非磁性膜に接することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の磁気センサ。
- 前記第2軟磁性体の前記非磁性膜に接する面を除いた外周が絶縁膜で覆われていることを特徴とする請求項7に記載の磁気センサ。
- 複数の前記磁気素子が第1組磁気素子群と第2組磁気素子群とからなり、前記第1組磁気素子群と前記第2組磁気素子群とは電気的に直列接続され、前記第1組磁気素子群と前記第2組磁気素子群との間に出力取出し用の中点電極を有するブリッジ回路が構成されてなるとともに、
前記基板の面上における略直交する2方向のうちの一方を前後方向、他方を左右方向としたときに、
前記第1組の前記磁気素子の左側に前記第1軟磁性体がかつ前記第1組の前記磁気素子の右側に前記第2軟磁性体が配置され、
前記第2組の前記磁気素子の左側に前記第2軟磁性体がかつ前記第2組の前記磁気素子の右側に前記第1軟磁性体が配置されてなることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の磁気センサ。 - 第1組磁気素子群と第2組磁気素子群とを含む複数の前記磁気素子が、磁化方向が固定された固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性層を介して積層され外部磁界によって磁化方向が変化する自由磁性層とを有し、複数の前記磁気素子の前記固定磁性層の磁化方向は前記第1組磁気素子群の前記磁気素子どうし並びに前記第2組磁気素子群の前記磁気素子どうしが同じ方向であり、前記磁気素子、前記第1軟磁性体及び前記第2軟磁性体は前記前後方向に延出形成されてなるとともに、前記自由磁性層の感度軸方向は、前記左右方向であることを特徴とする請求項9に記載の磁気センサ。
- 前記磁気素子が、その左右の両側に配置される前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体とよりも前後方向に短いことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の磁気センサ。
- 前記第1組磁気素子群と前記第2組磁気素子群とは、それぞれ少なくとも1つ以上の磁気素子からなることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の磁気センサ。
- 基板の表面側に磁気抵抗効果を発揮する磁気素子と、前記磁気素子から離間し、前記表面側に配置される第1軟磁性体と、前記磁気素子から離間し、前記基板の裏面側に配置される第2軟磁性体と、を有し、前記基板面内にある第1の方向に関し、前記第1軟磁性体と前記第2軟磁性体との間に前記磁気素子が配置されてなり、前記第1軟磁性体が、前記基板面に略垂直な第2の方向に関して前記磁気素子を基準にして前記第2軟磁性体とは反対側に配置されてなる磁気センサの製造方法であって、
(a)前記基板の表面側に前記磁気素子を形成する工程と、
(b)前記基板の表面側に形成したレジスト孔内に軟磁性材料を充填して前記第1軟磁性体を形成する工程と、
(c)前記基板の表面側から前記基板内に向けて深溝を形成し、前記深溝を軟磁性材料で充填する前記第2軟磁性体を形成する工程と、
を有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
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