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JP2011191387A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2011191387A
JP2011191387A JP2010055802A JP2010055802A JP2011191387A JP 2011191387 A JP2011191387 A JP 2011191387A JP 2010055802 A JP2010055802 A JP 2010055802A JP 2010055802 A JP2010055802 A JP 2010055802A JP 2011191387 A JP2011191387 A JP 2011191387A
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JP2010055802A
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Norihiro Uemura
典弘 植村
Tatsuya Sugita
辰哉 杉田
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Panasonic Liquid Crystal Display Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Panasonic Liquid Crystal Display Co Ltd
Hitachi Displays Ltd
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Abstract

【課題】バックライトを有するカラー液晶表示装置において、消費電力の増大を抑えつつ表示をより一層明るくする。
【解決手段】透過する可視波長域が異なるサブ画素の組でなる画素を複数有する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面側に配置された導光板および前記液晶表示パネルと前記導光板との間に配置されたプリズムシートを有するバックライトと、を備える液晶表示装置であって、前記バックライトから前記サブ画素に向かう光の光路上には、当該サブ画素において透過させる可視波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は反射する補色反射フィルタが配置されており、前記プリズムシートは、光透過性を有する基材61と、当該基材の上に設けられた複数のプリズム62からなり、前記プリズム62は、前記基材と接する面に接している第1の斜面および第2の斜面の傾斜角度が概ね等しい液晶表示装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に、エッジライト方式(導光板方式)のバックライトを有する液晶表示装置に適用して有効な技術に関するものである。
カラー液晶表示装置は、たとえば、携帯電話端末等の携帯型電子機器に搭載される液晶ディスプレイ、パーソナルコンピューター等に接続して用いる液晶ディスプレイ、薄型テレビ等に広く用いられており、近年、その需要が高まっている。これらのカラー液晶表示装置の多くは、液晶表示パネルの背面側にバックライト(照明装置)が配置されている。
バックライトを有するカラー液晶表示装置(以下、単に「液晶表示装置」と呼ぶ。)は、液晶表示パネルの各画素におけるバックライトからの光の透過光量を画素毎に独立して調節することで映像や画像を表示する。このとき、液晶表示パネルの一画素は、透過する可視波長域が異なるサブ画素を組み合わせてなり、各サブ画素における透過光量の組み合わせを調節することで、一画素の色を表現する。RGB方式のカラー表示に対応した液晶表示パネルの場合、一画素は、たとえば、赤色系の光の透過光量を調節するサブ画素(以下、R画素と呼ぶ。)、緑色系の光の透過光量を調節するサブ画素(以下、G画素と呼ぶ。)、および青系の光の透過光量を調節するサブ画素(以下、B画素と呼ぶ。)の3つのサブ画素からなる。
またこのとき、液晶表示パネルとしては、液晶層を挟んで配置される一対の偏光板を有し、液晶層により光の偏光状態を制御することで表示を行うものが、比較的低い駆動電圧でコントラスト比の高い映像が得られることから望ましい。このような液晶表示パネルの表示方式としては、たとえば、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、ECB(Electrical Controlled Birefringence)方式、IPS(In-Plane Switching)方式、VA(Vertical Aligned)方式等が知られている。いずれの表示方式であっても、液晶表示パネルは、通常、一対の基板と、これらの基板の間に挟持される液晶層と、一対の基板および液晶層を挟んで配置された一対の偏光板とを有し、液晶層により光の偏光状態を変化させることで各画素における光の透過光量を制御して映像や画像を表示する。なお、近年の液晶表示パネルには、たとえば、偏光板を用いる代わりに、基板に偏光層を設けたものもある。
一方、液晶表示装置のバックライトには、エッジライト方式(導光板方式と呼ぶこともある。)、直下方式(反射板方式と呼ぶこともある。)、面状光源方式等があり、液晶表示装置の用途等に応じて使い分けられている。このうちのエッジライト方式のバックライトは、他の方式に比べて薄型化、軽量化、低消費電力化が容易であり、たとえば、携帯型電子機器に搭載する液晶表示装置等に多く用いられている。
エッジライト方式のバックライトは、線状または点状の光源、光源からの光を面状に広げて液晶表示パネル側に出射させる導光板、プリズムシートや拡散シート等の光学シート、反射シート等を有する。
プリズムシートは、導光板と液晶表示パネルとの間に配置され、導光板から出射した光の進行方向を調整する役割を果たす。このプリズムシートは光透過性の光学部材であり、所定の方向に延在しその延在方向に直交する断面が三角形状であるもの、または半円もしくは半楕円形状であるプリズム(光学構造体)を複数連続的にシート状の基材の上に配置した構造のものが一般的である。また、近年では、たとえば、液晶表示装置における輝度を向上させるためにP偏光成分を優先的に出射させるような構造にしたプリズムシート(たとえば、特許文献1を参照。)、2種類のプリズムを有するプリズムシート(たとえば、特許文献2を参照。)、プリズムの一面に段差をつけた構造にしたプリズムシート(たとえば、特許文献3を参照。)等が提案されている。
ところで、液晶表示装置においてカラー表示を実現する方式としては、前述のように、R画素、G画素、およびB画素の透過光量(明るさ)を任意に調整し、加法混色により色を表現する方式が一般的である。従来の液晶表示パネルでは、R画素、G画素、およびB画素のそれぞれに、バックライトからの光(以下、バックライト光と呼ぶ。)のうちの所望の可視波長域の光のみが透過するカラーフィルタ(波長フィルタ)が設けられているのが一般的である。
このような方式の液晶表示パネルを用いた場合、色鮮やかなカラー表示が可能となるが、カラーフィルタを透過する波長域以外の光はカラーフィルタにより吸収されてしまう。すなわち、従来の液晶表示装置では、バックライト光の約2/3はカラーフィルタに吸収され損失となっている。したがって、カラーフィルタで吸収されるバックライト光の割合を減らし、液晶表示装置全体で見たバックライト光の利用効率を向上させることが、より明るい表示または低消費電力の液晶表示装置を実現する上で重要である。
バックライト光の利用効率を向上させる方法の一つとして、近年、たとえば、R画素、G画素、およびB画素に対応して、透過させるそれぞれの所定の色の波長成分以外の可視波長域の光を反射する性質を有するカラーフィルタ(ダイクロイックフィルタ、ダイクロイックミラー、ブロンズ現象を引き起こす顔料フィルタ等)を備えた表示装置が提案されている(たとえば、特許文献4を参照。)。特許文献4の表示装置では、たとえば、R色の光のみを透過させるカラーフィルタに入射したバックライト光に含まれるG色およびB色の光は当該カラーフィルタで反射させて導光板に戻し、導光板で再度反射させてG色の光のみを透過させるカラーフィルタまたはB色の光のみを透過させるカラーフィルタに導く。そのため、透過する波長域以外の可視波長域の光が吸収されるカラーフィルタを用いた表示装置に比べて、表示装置全体で見たバックライト光の利用効率が向上する。
特許第3299087号公報 特開2009−003412号公報 特許第4250192号公報 特開2004−294699号公報
より明るい表示の液晶表示装置を実現しようとする場合、特に、表示面を正面から見たときの明るさを明るくすることが重要である。そのため、特許文献4に記載された技術のように所定の色の波長成分以外の可視波長域の光を反射させてバックライトに戻した後、その光を再利用する場合も、バックライト方向に進む光を、表示正面方向に真っ直ぐ戻してやることが重要である。
しかしながら、上記したように、プリズムシートは導光板から出射する光の進行方向を調整する役割、すなわち導光板からの光を表示正面方向に立ち上げる役割を果たすので、逆に液晶表示パネル側から入射する表示正面方向と反対側に進む光は、進行方向が大きく変えられてしまう。このような光がプリズムシートを透過した後、反射シート等で反射して再利用されたとしても、プリズムの断面形状が左右対称形状から大きく外れていると、その多くが表示正面方向とは異なる方向に進む光になってしまう。そのため、従来の液晶表示装置では、液晶表示パネル側からバックライトに戻る光を再利用できたとしても、表示面を正面から見たときの明るさはあまり向上しないという問題がある。
また、より明るい表示の液晶表示装置を実現する方法としては、光源が発する光の光量を多くする方法があるが、この方法には、たとえば、消費電力が増大する、発光効率の高い光源の開発が待たれるといった問題がある。
すなわち、従来の液晶表示装置には、消費電力の増大を抑えつつ表示をより一層明るくすることが難しいという問題があった。また、別の観点でいうと、従来の液晶表示装置には、輝度(表示の明るさ)の低下を抑えつつ消費電力をより一層低くすることが難しいという問題があった。
本発明の目的は、エッジライト方式のバックライトを有するカラー液晶表示装置において、消費電力の増大を抑えつつ表示をより一層明るくすることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、エッジライト方式のバックライトを有するカラー液晶表示装置において、輝度(明るさ)の低下を抑えつつ消費電力をより一層低くすることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概略を説明すれば、以下の通りである。
一対の基板の間に液晶層が挟持された液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面側に配置されたバックライトとを有し、前記液晶表示パネルの表示領域は、透過する可視波長域が異なるサブ画素の組でなる画素を複数有し、前記バックライトは、前記液晶表示パネルの背面側に配置された導光板と、前記導光板の端辺の1つに沿って配置された1個または2個以上の光源と、前記液晶表示パネルと前記導光板との間に配置されたプリズムシートとを有する液晶表示装置であって、前記バックライトから前記サブ画素に向かう光の光路上には、当該サブ画素において透過させる可視波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は反射する補色反射フィルタが配置されており、前記プリズムシートは、光透過性を有する基材と、当該基材の上に設けられた複数のプリズムからなり、前記プリズムは、稜線が一方向に延びており、かつ、前記基材と接する第1の面における前記稜線と平行な二辺のうちの一方の辺と接している第1の斜面の傾斜角度と、前記平行な二辺のうちの他方の辺と接している第2の斜面の傾斜角度とが概ね等しい液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置によれば、消費電力の増大を抑えつつ表示をより一層明るくすることができる。
また、本発明の液晶表示装置は、別の観点で言うと、輝度(明るさ)の低下を抑えつつ消費電力をより一層低くすることができる。
実施例1の液晶表示装置における主要部の概略構成の一例を示す模式分解斜視図である。 液晶表示パネルにおける画素の平面構成の一例を示す模式平面図である。 図2のA−A’線の位置における液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。 図2のA−A’線と直交する方向での液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。 バックライトの断面構成の一例を示す模式断面図である。 プリズムの断面構成の一例を示す模式断面図である。 従来のプリズムシートにおけるプリズムの断面形状の一例を示す模式断面図である。 実施例1の液晶表示装置におけるプリズムの断面形状の変形例の一例を示す模式断面図である。 図8に示した断面形状と関連する従来のプリズムの断面形状の一例を示す模式断面図である。 図6に示したプリズムの断面形状に対する第1の応用例を示す模式断面図である。 図6に示したプリズムの断面形状に対する第2の応用例を示す模式断面図である。 図8に示したプリズムの断面形状に対する第1の応用例を示す模式断面図である。 図8に示したプリズムの断面形状に対する第2の応用例を示す模式断面図である。 プリズムに入射する光源光の入射角度と輝度との関係を示すグラフ図である。 プリズムの第1の斜面の傾斜角度とピーク輝度との関係を示すグラフ図である。 液晶表示パネルからの光の出射角度の定義を示す模式断面図である。 プリズムの第2の斜面の傾斜角度と正面輝度との関係を示すグラフ図である。 本発明に関わる液晶表示装置における液晶表示パネルからの光の出射角度と輝度との関係の一例を示すグラフ図である。 プリズムの第2の斜面の傾斜角度と液晶表示パネルからの出射角度の半値幅との関係の一例を示すグラフ図である。
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1乃至図6は、本発明による実施例1の液晶表示装置の概略構成を説明するための模式図である。
図1は、実施例1の液晶表示装置における主要部の概略構成の一例を示す模式分解斜視図である。図2は、液晶表示パネルにおける画素の平面構成の一例を示す模式平面図である。図3は、図2のA−A’線の位置における液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。図4は、図2のA−A’線と直交する方向での液晶表示パネルの断面構成の一例を示す模式断面図である。図5は、バックライトの断面構成の一例を示す模式断面図である。図6は、プリズムの断面構成の一例を示す模式断面図である。
実施例1の液晶表示装置は、たとえば、図1に示すように、液晶表示パネル1およびバックライト2を有する。また、バックライト2は、エッジライト方式であり、複数の光源3、導光板4、反射シート5、プリズムシート6、および光拡散シート7を有する。なお、本明細書では図示および詳細な説明を省略するが、実施例1の液晶表示装置は、そのほかに、たとえば、液晶表示パネル1を駆動させる駆動回路、バックライト2の明るさを制御する回路、液晶表示パネル1およびバックライト2ならびにこれらの回路を保持するフレーム部材等を有する。
液晶表示パネル1は、RGB方式のカラー表示に対応しており、たとえば、図2に示すように、1つの画素PXがR画素SP、G画素SP、およびB画素SPの3つのサブ画素からなる。なお、図2におけるx軸方向およびy軸方向は、それぞれ、図1に示したx軸方向およびy軸方向である。
また、液晶表示パネル1は、たとえば、図3および図4に示すように、第1の基板8、第2の基板9、液晶層10、第1の偏光板11、および第2の偏光板12を有する。なお、図3におけるx軸方向およびz軸方向、ならびに図4におけるy軸方向およびz軸方向は、それぞれ、図1に示したx軸方向、y軸方向、およびz軸方向である。
液晶層10とバックライト2との間にある第1の基板8は、TFT基板等と呼ばれている基板であり、第1の絶縁基板801および第1の薄膜積層体802を有する。第1の絶縁基板801は、ガラス基板等の透明な絶縁基板である。第1の薄膜積層体802は、第1の補色反射フィルタ13C、第2の補色反射フィルタ13M、および第3の補色反射フィルタ13Yの他に、図示していない走査信号線、映像信号線、TFT素子、画素電極、複数の絶縁層、配向膜等を有する。
第1の補色反射フィルタ13Cは、入射した可視波長域の光のうちの赤色の光のみが透過し、赤色の補色である青緑色(シアン)の光は反射する非吸収型のカラーフィルタ(波長フィルタ)であり、R画素SPに配置される。第2の補色反射フィルタ13Mは、入射した可視波長域の光のうちの緑色の光のみが透過し、緑色の補色である赤紫色(マゼンタ)の光は反射するカラーフィルタであり、G画素SPに配置される。第3の補色反射フィルタ13Yは、入射した可視波長域の光のうちの青色の光のみが透過し、青色の補色である黄色の光は反射するカラーフィルタであり、B画素SPに配置される。
液晶層10から見てバックライト2とは反対側にある第2の基板9は、対向基板またはCF基板等と呼ばれている基板であり、第2の絶縁基板901および第2の薄膜積層体902を有する。第2の絶縁基板901は、ガラス基板等の透明な絶縁基板である。第2の薄膜積層体902は、赤色フィルタ13R、緑色フィルタ13G、および青色フィルタ13Bの他に、図示していないブラックマトリクス、平坦化膜、配向膜等を有する。
赤色フィルタ13Rは、入射した可視波長域の光のうちの赤色系の波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は吸収するカラーフィルタ(波長フィルタ)であり、R画素SPに配置される。緑色フィルタ13Gは、入射した可視波長域の光のうちの緑色系の波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は吸収するカラーフィルタであり、G画素SPに配置される。青色フィルタ13Bは、入射した可視波長域の光のうちの青色系の波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は吸収するカラーフィルタであり、B画素SPに配置される。
すなわち、液晶表示パネル1のR画素SPは、バックライト2から出射した光源光14のうちの赤色の波長域の光14Rのみが通過し、それ以外の波長域の光15Cはバックライト2に戻る。また、液晶表示パネル1のG画素SPは、バックライト2から出射した光源光14のうちの緑色の波長域の光14Gのみが通過し、それ以外の波長域の光15Mはバックライト2に戻る。また、液晶表示パネル1のB画素SPは、バックライト2から出射した光源光14のうちの青色の波長域の光14Bのみが通過し、それ以外の波長域の光15Yはバックライト2に戻る。そして、バックライト2に戻った光15C,15M,15Y(以下、反射光と呼ぶ。)は、バックライト2で反射して再び液晶表示パネル1に入射する。このとき、R画素SPで反射した反射光15Cが隣接するG画素SPに入射すれば、反射光15Cに含まれる緑色の波長成分がG画素SPを通過する。そのため、従来の液晶表示装置では吸収されて損失になっていた光を再利用でき、バックライト2からの光の利用効率が向上する。
実施例1の液晶表示装置における液晶表示パネル1は、上記のように第1の補色反射フィルタ13C、第2の補色反射フィルタ13M、および第3の補色反射フィルタ13Yを有するが、その他の構成は、たとえば、補色反射フィルタを設けていない透過型の液晶表示パネルの構成のいずれかであればよい。そのため、実施例1では、液晶表示パネル1の構成に関する詳細な説明を省略する。
一方、バックライト2は、前述のように、複数の光源3、導光板4、反射シート5、プリズムシート6、および光拡散シート7を有する。
光源3は、小型、高発光効率、低発熱といった条件を満たすものが望ましく、このような光源としては、たとえば、冷陰極蛍光管や発光ダイオード(LED: Light Emitting Diodes)が挙げられる。このとき、光源3は、導光板4の端面に配置される。
光源3として発光ダイオードを用いる場合、発光ダイオードは点状の光源であるため、導光板4の端面に必要に応じた個数を並べて配置する。このとき、発光ダイオードと導光板4との間には、発光ダイオードが発した光(光源光14)を線状光源に変換する光学素子を配置するようにしても良い。
また、光源3として発光ダイオードを用いる場合は、たとえば、白色の光を発する発光ダイオード(白色発光ダイオード)を用いることができる。白色発光ダイオードの一例としては、青色の光を発する発光ダイオードと、この青色の光で励起され黄色の光を発する蛍光体とを組み合わせることで白色発光を実現するものがある。また、光源3として白色発光ダイオードを用いる場合は、青色の光または紫外線を発する発光ダイオードと、この光で励起され発光する蛍光体とを組み合わせることで、青色、緑色、および赤色の各波長域に発光ピーク波長を有する白色発光を実現するものを用いてもよい。
また、実施例1の液晶表示装置のように、加法混色によりカラー表示を実現する場合には、光源3として、赤色、緑色、および青色の三原色を発光する発光ダイオードを用いると良い。この場合、特に、液晶表示パネル1に設ける補色反射フィルタ13C,13M,13Yおよびカラーフィルタ13R、13G、13Bの透過スペクトルに対応した発光ピーク波長を有する発光ダイオードを用いることで、色再現範囲の広い液晶表示装置を実現できる。
導光板4は、たとえば、図5に示すように、光源3から出射した光源光14を取り込んで導波させつつ、その一部を液晶表示パネル1と対向させた第1の主面4aから出射させることで、光源光14を面状光線に変換する機能を有するものである。そのため、導光板4は可視光に対して透明な略矩形の板状部材でなり、かつ、端面から入射して伝播する光源光14を第1の主面4aの領域AR2(図1を参照。)から出射させるための光取り出し構造を有する。光取り出し構造は、導光板4を伝播する光源光14の進行角度を変える構造であればよく、図5には、光取り出し構造の一例として、第1の主面4aとは反対側の面にV溝4vを設けた場合を示している。なお、光取り出し構造には種々の構造があり、たとえば、第1の主面4aとは反対側の面にV溝4vとは異なる凹凸形状やレンズ形状等を形成したり、白色顔料によるドット印刷を施したりすることで設けられる。
また、導光板4の材料としては、たとえば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂を用いることができる。また、導光板4の製造コストや導光板4から出射する光の効率を考慮すると、光取り出し構造は、図5に示したV溝4vのように、導光板4の表面に微細な段差、凹凸形状、レンズ形状等を形成して設けることが望ましい。
導光板4から見て液晶表示パネル1とは反対側に配置される反射シート5は、たとえば、導光板4を伝播する光源光14のうちの第1の主面4aとは反対側の主面で屈折して液晶表示パネル1とは反対の方向に出射した光を導光板4に戻すためのものである。また、反射シート5には、たとえば、反射光15等の液晶表示パネル1からバックライト2に向かう光を液晶表示パネル1に戻す役割もある。反射シート5としては、たとえば、樹脂板または高分子フィルム等の支持基材上に、高い反射率を有する反射層を形成したものを用いることができる。反射層は、たとえば、支持基材上にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により成膜したり、支持基材上に増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、あるいは支持基材上に白色顔料をコートしたりする等の方法で形成することができる。また、反射層は、屈折率の異なる透明媒体を複数層積層することで反射手段として機能するようにしたものであってもよい。またさらに、反射シート5の反射面を鏡面とすることで、以下に示す実施例1のプリズムシート6がより効果的に機能する。
導光板4と液晶表示パネル1との間に配置されるプリズムシート6は、導光板4から出射する光源光14の進行方向を変化させる光路変換手段として機能する。具体的には、導光板4の領域AR2から出射した光源光14の進行方向が、液晶表示パネル1における表示面正面方向(図1および図5におけるz軸方向)になり、表示領域AR1に入射するように変化させる。
プリズムシート6は、図5に示したように、透明なフィルムを基材61とし、その表面に複数のプリズム62を列状に形成したものを用いることが生産性等産業上の有用性を考慮すると現実的である。このとき、基材61は、たとえば、トリアセチルセルロースフィルムや無延伸のポリカーボネートフィルム等、あるいはポリカーボネート系樹脂やオレフィン系樹脂等からなるフィルムを一方向に延伸することによって製造することができる。また、基材61としては、比較的安価で取り扱いやすいPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることが産業上は極めて有用である。
また、プリズムシート6は、プリズム62の稜線の方向が、導光板4の端面のうちの光源3が配置された端面の方向(x軸方向)と平行になるように配置する。またこのとき、プリズムシート6は、基材61におけるプリズム列の形成面が液晶表示パネル1側を向くように配置する。
プリズムシート6と液晶表示パネル1との間に配置される光拡散シート7は、たとえば、プリズムシート6により進行方向が変わった光源光14を拡散させて、たとえば、光の拡がり角を調整したり面輝度を均一化させたりするためのものである。
さて、実施例1の液晶表示装置におけるプリズム62は、たとえば、図6に示すように、略三角形状の断面を有する形状にしている。このとき、光源3は、プリズムシート6の左手にある。以下の説明では、プリズム62における略三角形状の断面を構成する3つの面について、基材61と接している面を第1の面、第1の面における稜線方向と平行な二辺のうちの光源3から遠いほうの辺と接している面を第1の斜面S1、第1の面における稜線方向と平行な二辺のうちの光源3から近いほうの辺と接している面を第2の斜面S2と呼ぶ。
また、プリズム62の底角、すなわち第1の面に対する第2の斜面S2の傾斜角度β1および第1の斜面S1の傾斜角度β2は、概ね同じ角度になるようにする。
導光板4から出射した光源光14は、プリズムシート6に対して入射角度θ1で入射した後、第1の斜面S1で屈折して液晶表示パネル1に向かう。このとき、第1の斜面S1の傾斜角度β2は、導光板4から出射した光源光14のうちの、特に輝度または光度が最大となる入射角度θ1の光がプリズム62に入射したときに、この光を表示面正面方向(z軸方向)に屈折するような角度にする。こうすると、液晶表示パネル1に入射する光源光14において輝度または光度が最大となる光のうちの、補色反射フィルタ13C,13M,13Yで反射した反射光15(15C,15M,15Y)は、表示面正面方向からプリズム62に戻ってくる。このとき、第2の斜面S2の傾斜角度β1を第1の斜面S1の傾斜角度β2とほぼ同じ角度にしておくと、図6に示したように、表示面正面方向から戻ってきて第2の斜面S2に入射した反射光15がプリズムシート6から出射するときの出射角度θ2は、導光板4から出射した光源光14のうちの輝度または光度が最大となる光の入射角度θ1と概ね等しくなる。
したがって、表示面正面方向から戻ってきてプリズムシート6を通過した反射光15が導光板4または反射シート5で反射して再びプリズムシート6に入射するときの入射角度は、導光板4から出射した光源光14のうちの輝度または光度が最大となる光の入射角度θ1と概ね等しくなる。すなわち、実施例1の液晶表示装置では、補色反射フィルタ13C,13M,13Yで反射して表示面正面方向(z軸方向)からバックライト2にほぼ真っ直ぐに戻ってきた反射光15を反射させて液晶表示パネル1側に出射させるときに、表示面正面方向にほぼ真っ直ぐに出射させることが可能となる。
ところで、補色反射フィルタ13C,13M,13Yで反射して表示正面方向(z軸方向)からバックライト2にほぼ真っ直ぐに戻ってきた反射光15が反射シート5等で反射して再び液晶表示パネル1側に出射する場合、図5および図6に示したようなyz平面と平行な断面(以下、主断面と呼ぶ)で見ると、再び液晶表示パネル1側に出射するときの位置は、バックライト2に戻ってくるときの位置よりも光源3から遠くなっている。しかしながら、図2および図4に示したように、y軸方向に並んでいるサブ画素が、透過する波長域の同じサブ画素であると、反射光15が液晶表示パネル1に再入射しても補色反射フィルタ13C,13M,13Yで反射してしまう。
しかしながら、バックライト2から出射する光源光14は、指向性が高いものの、ある程度の拡がりを持っている。特に、図3に示したようなxz平面で見たときの光源光14の拡がり角は、図2および図4に示したようなyz平面で見たときの光源光14の拡がり角よりも大きい。すなわち、図6に示した光源光14および反射光15には、それぞれ、x軸方向の変位成分を有する光が含まれている。このようなx軸方向の変位成分を有する光が再び液晶表示パネル1側に出射するときのx軸方向の位置は、バックライト2に戻ってくるときの位置からずれる。そのため、あるサブ画素の補色反射フィルタで反射してバックライト2に戻った反射光15は、補色反射フィルタおよび反射シート5での反射を繰り返しているうちに、異なる可視波長域の光を透過するサブ画素に入射することになり、当該サブ画素で利用される。
図7は、従来のプリズムシートにおけるプリズムの断面形状の一例を示す模式断面図である。
ここで、実施例1のプリズムシート6におけるプリズム62の作用効果を示すために、従来のプリズムと比較する。従来のプリズムシート6におけるプリズム62は、たとえば、図7に示すように、断面形状が略三角形状であるものの、第2の斜面S2の傾斜角度β1が第1の斜面S1の傾斜角度β2に比べて小さい。このとき、第2の斜面S2の傾斜角度β1は、導光板4から出射した光源光14が第2の斜面S2にほとんど入射しないような角度、すなわちプリズム62を通る光源光14と概ね平行になるよう角度に設定されている。このように、導光板4から出射した光源光14を効率良く利用しようとした場合には、第1の斜面S1と第2の斜面S2とで役割が異なるため、プリズム62の断面は、図7に示したような非対称な三角形状となっているのが一般的である。
しかしながら、プリズム62の断面が図7に示すような非対称な三角形状であると、補色反射フィルタで反射して表示面正面方向(z軸方向)からほぼ真っ直ぐに戻ってきて第2の斜面S2に入射した反射光15がプリズムシート6から出射するときの出射角度θ2は、光源光14が第1の面に入射するときの入射角度θ1よりも小さくなる。そのため、反射光15が導光板4または反射シート5で反射してプリズムシート6に再入射するときの入射角度θ2は、光源光14の入射角度θ1よりも小さくなる。したがって、プリズム62を通過した反射光15を、再び表示面正面方向(z軸方向)にほぼ真っ直ぐに出射させることができず、補色反射フィルタを用いた効果が低減してしまう。
以上のことから、補色反射フィルタを用いて、その効果を十分に発揮させるためには、プリズム62の断面形状を、図6に示したような概略対称な三角形状にするのが良い。ここで示される効果は、補色反射フィルタを設けた液晶表示パネル1のように入射する光源光14の概略半分程度を反射させるような場合に有効であり、反射してバックライト2に戻ってくる反射光15が僅かな場合には、光源光14の第2の斜面S2による散乱によって正面輝度は増大しない。
話を戻して、実施例1の液晶表示装置で用いるプリズムシート6におけるプリズム列のピッチとしては、数十μm程度が実用的である。このとき、プリズム62の具体的な寸法および傾斜角度β1,β2は、基材61やプリズム62を構成する透明体の屈折率に応じて、光学シミュレーション等を駆使して選択すれば良い。たとえば、プリズム62の屈折率を1.6、ピッチを35μmとした場合、導光板4から出射した光源光14のうちの輝度や光度が最大となる角度の光がプリズムシート6に入射したときに、この光を表示面正面方向に屈折させる第1の斜面S1の傾斜角度β2は69度である。したがって、実施例1の液晶表示装置におけるプリズムシート6では、第2の斜面S2の傾斜角度β1も69度とするのが良い。
プリズム62を構成する透明体としては紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂等、いずれの透明体を用いても良い。また、所望の屈折率を実現するために、必要に応じて、酸化チタン等の透明で屈折率が高い微粒子を含有させても良い。この場合は、少なくとも可視波長域の光に対する散乱が小さくなるように、微粒子の直径は数nmから数十nm程度とすることが望ましい。
次に、光拡散シート7について説明する。実施例1の液晶表示装置では、図1および図5に示したように、プリズムシート6と液晶表示パネル1との間には、必要に応じて光拡散シート7を配置しても良い。光拡散シート7は、プリズムシート6を通過て液晶表示パネル1に向かう光を拡散させることで出射角度の分布を広げる、または輝度の面内均一性を高める機能を有する。光拡散シート7としては、たとえば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の透明な高分子フィルムの表面に凹凸を形成したもの、透明媒体中に当該透明媒体とは屈折率の異なる透光性の微粒子を混合した拡散層を高分子フィルムの表面に形成したもの、板もしくはフィルム内部に気泡を混入して拡散性を持たせたもの、アクリル樹脂等の透明部材中に白色顔料を分散させた乳白色部材等が使用できる。また、プリズムシート6のプリズム形成面は傷が付きやすいため、光拡散シート7をプリズムシート6の保護層として機能させても良い。
以上のような構成である実施例1の液晶表示装置における正面輝度とTotal-flux(全光束)を測定したところ、図7に示したような断面形状である従来のプリズムシート6を用いた比較例1の液晶表示装置と比較してTotal-flux(全光束)が35%、正面の輝度が39%増大した。なお、正面輝度とは表示面正面(z軸)からの角度が2.5度以内の立体角内の輝度を示す。また、実施例1の液晶表示装置では、プリズム62の屈折率を1.6、傾斜角度β1,β2をともに69度としている。また、比較例1の液晶表示装置は、プリズム62の屈折率を1.6、第2の斜面S2の傾斜角度β1を54度、第1の斜面S1の傾斜角度β2を69度としており、かつ、補色反射フィルタを設けていない液晶表示パネル1を用いている。またさらに、従来のプリズムシート6を有するバックライト2と補色反射フィルタを有する液晶表示パネル1とを組み合わせた比較例2の液晶表示装置は、比較例1の液晶表示装置と比較すると、Total-flux(全光束)は35%で変わらないのに対して、正面輝度が32%しか増大しなかった。すなわち、実施例1の液晶表示装置のように、断面形状が概略対称な三角形状のプリズム62を有するプリズムシート6と補色反射フィルタを有する液晶表示パネル1とを組み合わせることで、正面輝度の向上率が増大する。
以上説明したように、実施例1の液晶表示装置によれば、補色反射フィルタで反射した反射光15の利用効率、すなわちバックライト2からの光源光14の利用効率を向上させることができ、消費電力の増大を抑えつつ表示をより一層明るくすることができる。
また、実施例1の液晶表示装置は、別の観点で言うと、輝度(明るさ)の低下を抑えつつ消費電力をより一層低くすることができる。
図8および図9は、実施例1の液晶表示装置におけるプリズム62の断面形状の変形例を説明するための模式図である。
図8は、実施例1の液晶表示装置におけるプリズムの断面形状の変形例の一例を示す模式断面図である。図9は、図8に示した断面形状と関連する従来のプリズムの断面形状の一例を示す模式断面図である。
実施例1の液晶表示装置におけるプリズム62の断面形状の一例として、図6に示した断面形状は、概略三角形状である。しかしながら、プリズム62の断面形状は、これに限らず、たとえば、図8に示すように、第1の斜面S1側に段差を有する構造であってもよいことはもちろんである。
図8に示した断面形状は、たとえば、特許文献3に開示されている構造であり、第1の斜面S1と第2の斜面S2との間に、第3の斜面S3および第4の斜面S4を有する。このとき、第4の斜面S4は第1の斜面S1と平行であり、第3の斜面S3は第1の斜面S1および第4の斜面S4と角度β3で接している。
このような断面形状を有するプリズム62においても、第1の斜面S1の傾斜角度β2と第2の斜面S2の傾斜角度β1とを同じ角度にすれば、補色反射フィルタで反射して表示面正面方向(z軸方向)から戻ってくる反射光15が第2の斜面S2から入射したときの出射角度θ2は、光源光14の入射角度θ1と概ね等しくなる。したがって、図6に示した断面形状のプリズム62を用いた場合と同様の効果が得られる。
これに対し、図8に示した断面形状と関連する従来のプリズムの断面形状、すなわち特許文献3に開示されているプリズム62の断面形状の一例を図9に示す。このとき、第1の斜面S1の傾斜角度β2は、表示面正面方向の輝度が最大となるように設定されている。一方、第2の斜面S2の傾斜角度β1は、導光板4から出射した光源光14がプリズムシート6に入射したときに第2の斜面S2に入射しないように設定されている。またさらに、第3の斜面S3は、たとえば、第3の斜面S3に入射した光が、第1の斜面S1または第4の斜面S4から出射する光源光14のプリズム効果による色の変化を抑制するために設けられている。
図9に示したような断面構成のプリズム62の場合、補色反射フィルタで反射して表示面正面方向(z軸方向)から戻ってくる反射光15が第2の斜面S2から入射したときの出射角度θ2は、光源光14の入射角度θ1よりも小さくなる。したがって、プリズム62を通過した反射光15を、再び表示面正面方向(z軸方向)にほぼ真っ直ぐに出射させることができず、補色反射フィルタを用いた効果が低減してしまう。
図10(a)乃至図10(d)は、実施例1の液晶表示装置におけるプリズム62の断面形状の応用例を説明するための模式図である。
図10(a)は、図6に示したプリズムの断面形状に対する第1の応用例を示す模式断面図である。図10(b)は、図6に示したプリズムの断面形状に対する第2の応用例を示す模式断面図である。図10(c)は、図8に示したプリズムの断面形状に対する第1の応用例を示す模式断面図である。図10(d)は、図8に示したプリズムの断面形状に対する第2の応用例を示す模式断面図である。
図6に示したような略対称な三角形状のプリズム62における傾斜角度β1,β2を69度とした場合、プリズム62の頂角は42度と鋭角となる。そのため、プリズム62は、たとえば、図10(a)または図10(b)に示すように、頂角部分(先端)を平坦にカットしたような形状、またはプリズム先端を滑らかに丸めた形状にしてもよい。こうすることで、たとえば、製造時や使用時において先端が破損し難いという利点がある。このように、プリズムの先端を平坦または丸めた形状にしても、上記した補色反射フィルタを用いた場合のプリズムによる正面輝度向上効果は変わらないことは明白である。
また、このような構成は、たとえば、図8に示したような段差を有するプリズム62においても言える。この場合も、たとえば、図10(c)または図10(d)に示すように、プリズム先端を平坦にカットした形状、または滑らかに丸めた形状とすることで、製造時や使用時において先端が破損し難くなる。
図11乃至図14は、実施例1の液晶表示装置におけるプリズム62の傾斜角度β1,β2の望ましい値を説明するための模式図である。
図11は、プリズムに入射する光源光の入射角度と輝度との関係を示すグラフ図である。図12は、プリズムの第1の斜面の傾斜角度とピーク輝度との関係を示すグラフ図である。図13は、液晶表示パネルからの光の出射角度の定義を示す模式断面図である。図14は、プリズムの第2の斜面の傾斜角度と正面輝度との関係を示すグラフ図である。
実施例2では、実施例1で説明した構成をもとにし、プリズム62の底角(傾斜角度β1,β2)を系統的に変化させて求めた当該傾斜角度β1,β2の最適な範囲について説明する。
まずは、第1の斜面S1の傾斜角度β2について説明する。導光板4から出射した光源光14がプリズムシート6に入射するときの入射角度θ1と輝度との関係は、たとえば、図11に示したような関係になる。図11に示したグラフは、横軸が入射角度θ1(度)であり、縦軸が輝度BR(任意単位)である。また、導光板4は、アクリル系樹脂で構成されている。また、液晶表示パネル1はP偏光成分を透過するように設定しているため、図11には、P偏光成分のみを考慮した輝度を示している。
図11からわかるように、光源光14の輝度は、入射角度θ1が80度付近の方向にピークを持つ。このような角度分布の光源光14に対して、プリズム62の第1の斜面S1の傾斜角度β2の角度を変化させて、液晶表示パネル1を透過した光の出射角度θ3とピーク輝度を測定したところ、図12に示すような結果が得られた。図12に示したグラフは、横軸が液晶表示パネル1からの出射角度θ3(度)であり、縦軸がピーク輝度PBR(任意単位)である。また、出射角度θ3は、図13に示すように、光源光14が主として伝播する方向と概ね平行な主断面(yz平面)で見た出射角度であり、かつ、光源3から遠ざかる方向への傾きを正にしている。また、第1の斜面S1の傾斜角度β2は58度から75度まで変化させた。
図12からわかるように、第1の斜面S1の傾斜角度β2を58度から66度にした場合、ピーク輝度PBRが大きくなるものの、液晶表示パネル1からの出射角度θ3も10度以上になる。すなわち、このようなプリズムを使用した場合には、正面輝度よりも、斜め方向から見たときの輝度のほうが明るくなってしまう。正面輝度を向上させるには、ピーク輝度を示す出射角度θ3が−5度から5度の範囲になるようにすることが望ましい。また、傾斜角度β2を大きくしていくと、出射角度θ3が4度の付近から急激にピーク輝度が低下する。したがって、プリズム62における第1の斜面S1の傾斜角度β2として望ましい条件は69度であることがわかる。
次に、傾斜角度β2を69度とし、実施例1で示した補色反射フィルタ13C,13M,13Yを有する液晶表示装置を用いて、第2の斜面S2の傾斜角度β1の検討を行った結果を、図14に示す。図14のグラフは、横軸が傾斜角度β1(度)であり、縦軸が正面輝度FBRの相対値である。なお、縦軸の正面輝度FBRは、補色反射フィルタを設けておらず、かつ、プリズム62は屈折率1.6のアクリレートの紫外線硬化樹脂で傾斜角度β2が69度、傾斜角度β1が58度の液晶表示装置における正面輝度を基準値(FBR=1)としている。
また、図14のグラフにおいて、CSP1は図6に示した断面形状のプリズムシート6を用いたときの検討結果であり、CSP2は図8に示した断面形状のプリズムシート6を用いたときの検討結果である。
図14からわかるように、傾斜角度β1を58度から増大させていくと正面輝度FBRが増大し、傾斜角度β1が傾斜角度β2と同じ角度である69度±5度の付近で急激に正面輝度FBRが増大することがわかる。これは傾斜角度β1と傾斜角度β2が近接することにより、補色反射フィルタで反射して表示面正面方向(z軸方向)からほぼ真っ直ぐに戻ってきた反射光15を、再び表示面正面方向(z軸方向)にほぼ真っ直ぐに出射させ、正面輝度を増大させるからである。
次に、プリズム62における第2の斜面S2の傾斜角度β1を変化させた場合の補色反射フィルタの効果を定量的に評価した結果について述べる。傾斜角度β2を69度とし、傾斜角度β1が58度または69度の条件において、それぞれ、補色反射フィルタを設けていない液晶表示装置に対する、補色反射フィルタを設けた液晶表示装置の正面輝度の比を評価した。その結果、傾斜角度β1が58度の場合には1.09倍しか増大しないのに対して、傾斜角度β1が69度の場合には、1.13倍に増大した。すなわち、第1の斜面S1の傾斜角度β2と第2の斜面S2の傾斜角度β1とをほぼ同じ角度とすることにより、補色反射フィルタの効果がより引き出せることがわかった。
以上より、補色反射フィルタ13C,13M,13Yを用いて光源光14のうちのカラーフィルタ13R,13G,13Bで吸収される光を反射させ、有効利用しようとした場合、プリズムの第2の斜面S2の傾斜角度β1は第1の斜面S1の傾斜角度β2とほぼ同じ角度にするのが良く、その最適な範囲は、傾斜角度β1の角度が傾斜角度β2に対して±5度の範囲にするのが望ましい。このようにすることで、正面輝度を高くすることができ、表示をさらに明るくすることができる。
図15は、本発明に関わる液晶表示装置における液晶表示パネルからの光の出射角度と輝度との関係の一例を示すグラフ図である。
なお、図15のグラフは、横軸が出射角度θ3(度)であり、縦軸が輝度BRの相対値である。また、図15における出射角度θ3は、図13に示した主断面(yz平面)で見た出射角度である。
実施例3では、液晶表示パネルを通過した光の出射角度θ3の角度分布について述べる。
実施例1または実施例2の液晶表示装置における液晶表示パネル1からの出射角度θ3と輝度BRとの関係を調べたところ、たとえば、図15に示すような結果が得られた。なお図15における輝度BRは、プリズム62の傾斜角度β2を69度、傾斜角度β1を58度とし、かつ、補色反射フィルタを設けていない液晶表示装置における輝度の角度分布を測定したときの0度(θ3=0度)における輝度を基準値(BR=1)としている。また、プリズム62は屈折率1.6のアクリレートの紫外線硬化樹脂を用いている。また、導光板4はアクリル系樹脂で構成されたものを用い、図11に示したようなプリズムへの入射角依存性を持つものを使用した。
液晶表示装置における視角特性としては、図15に示すような半値幅σyz(ピーク高さの半分の位置における幅)が重要な特性の1つである。半値幅σyzが狭い場合には、液晶表示装置を正面から少し傾けると極端に輝度が低下してしまうため、表示性能としては劣ったものとなってしまう。半値幅σyzは少なくとも30度程度あったほうが良い。なお、半値幅については、x軸方向の半値幅(すなわちxz面で見た角度分布)とy軸方向の半値幅σyzの両方を考慮しなければならないが、x軸方向の半値幅については35度から40度程度はあり、十分に広いと言える。
ここで、補色反射フィルタを設けていない液晶表示装置について58度から75度まで傾斜角度β1を変化させて角度分布を測定した結果、および補色反射フィルタを設けた液晶表示装置について58度から75度まで傾斜角度β1を変化させて角度分布を測定した結果を図16に示す。
図16は、プリズムの第2の斜面の傾斜角度と液晶表示パネルからの出射角度の半値幅との関係の一例を示すグラフ図である。
なお、図16のグラフは、横軸が第2の斜面S2の傾斜角度β1(度)であり、縦軸が出射角度θ3の半値幅σyz(度)である。また、図16において、実線の曲線は補色反射フィルタを設けた液晶表示装置における角度分布を示しており、破線の曲線は補色反射フィルタを設けていない液晶表示装置における角度分布を示している。
図16からわかるように、傾斜角度β1を58度から大きくしていくと、多少のゆらぎはあるものの、傾斜角度β1が69度の完全に対称な構造(β1=β2)に近づくほど半値幅σyzは狭まっていく。このとき、補色反射フィルタを設けていない液晶表示装置の結果については、傾斜角度β1が69度の近傍で半値幅σyzが30度を大きく下回るので、このような構成は実用的でない。一方、補色反射フィルタを設けた液晶表示装置は補色反射フィルタを設けていない液晶表示装置に比べて全体的に半値幅σyzが増大している。すなわち、補色反射フィルタを設けると正面輝度を増大させるだけでなく、広い視角特性にすることが可能となる。補色反射フィルタを設けた液晶表示装置の傾斜角度β1を58度から大きくしていくと、半値幅σyzは狭くなるものの30度を大きく下回ることは無く、視角特性も保障される。
以上より、プリズム62における第1の斜面S1の傾斜角度β2と第2の斜面S2の傾斜角度β1とをほぼ同じ角度にして正面輝度を向上させる場合には、補色反射フィルタが必要であり、これにより表示性能の優れた液晶表示装置を実現できることがわかる。
実施例4では屈折率の異なるプリズムシート6を使用した場合の例について述べる。プリズムシート6は、導光板4から出射した光(光源光14および反射光15)の進行方向を調整する役割を果たし、その形状は、導光板4から出射した光源光14のうちの輝度または光度が最大値となる角度の光が入射した際に、その進行方向がほぼ表示面正面方向(z軸方向)に屈折するように形成される。したがって、導光板4とプリズムシート6とは、ほぼ正面の輝度が最大となるような光学部材を組み合わせて使用することになる。
実施例4においては、導光板4にポリカーボネート系樹脂を使用し、輝度が最大となるP偏光成分のプリズムシート6への入射角度θ1が60度のものを使用した。また、プリズムシート6については屈折率1.49のポリメチルメタクリレート樹脂を使用した。
この場合において、液晶表示パネル1への入射角度を5度以内とするためには、プリズム62における第1の斜面S1の傾斜角度β2は75度以上である必要がある。そこで、傾斜角度β2を75度として、補色反射フィルタを設けた液晶表示装置における第2の斜面S2の傾斜角度β1の検討を行った結果、傾斜角度β1が傾斜角度β2と同じ角度である75度±5度付近で急激に輝度が増大するという結果を得た。すなわち、屈折率の異なるプリズムを用いても、傾斜角度β1と傾斜角度β2とを近接させることにより、補色反射フィルタで反射して表示面正面方向(z軸方向)からほぼ真っ直ぐに戻って来た反射光15を、再び表示面正面方向(Z方向)にほぼ真っ直ぐに出射し、正面輝度を増大させることができる。
このことは、プリズム62に1.7以上の高屈折率の材料を用いた場合にもいえる。このような高屈折率のプリズム62は、プリズム中に高屈折率材料をドープすることによって作成可能であるが、一般的にプリズムシート6の価格は高価なものとなる。屈折率が1.7のプリズム62を使用した場合について述べる。導光板4は実施例1で使用したものと同じものを使用しており、輝度が最大となるP偏光成分のプリズムシート6への入射角度θ1は80度程度である。この場合に液晶表示パネル1への入射角度を5度以内にするためには、プリズム62における第1の斜面S1の傾斜角度β2は63度以上である必要がある。そこで、傾斜角度β2を63度として、補色反射フィルタを設けた液晶表示装置における第2の斜面S2の傾斜角度β1の検討を行った結果、傾斜角度β1が傾斜角度β2と同じ角度である63度±5度付近で急激に輝度が増大するという結果を得た。高屈折率のプリズムを用いても、傾斜角度β1と傾斜角度β2とを近接させることにより、補色反射フィルタで反射して表示面正面方向(z軸方向)からほぼ真っ直ぐに戻って来た反射光15を、再び表示面正面方向(Z方向)にほぼ真っ直ぐに出射し、正面輝度を増大させることができる。
上記で評価したプリズム62の屈折率の範囲、すなわち1.49から1.7の屈折率を有するプリズムシート6は、明るく、綺麗で、低コストの液晶表示装置を実現する上で実用的な範囲である。
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
たとえば、前記実施例では、プリズムシート6が1枚であるバックライト2を挙げたが、これに限らず、プリズムシートが2枚のバックライトを用いてもその効果は変わらないことは明白である。
また、実施例1で挙げたように、液晶表示パネル1に補色反射フィルタ13C,13M,13Yを設ける場合、当該補色反射フィルタにより、各サブ画素において透過させる可視波長域以外の波長は除去(反射)される。そのため、液晶表示パネル1における各サブ画素には、カラーフィルタ13R,13G,13Bを設けなくてもよいことはもちろんである。
また、補色反射フィルタ13C,13M,13Yを設ける位置は、バックライト2から各サブ画素に向かう光の光路上であればよく、適宜変更可能であるが、液晶層10とバックライト2との間に設けることが望ましい。このとき、補色反射フィルタ13C,13M,13Yは、図3および図4に示したような第1の絶縁基板801と液晶層10との間に限らず、たとえば、第1の基板8と第1の偏光板11との間であってもよいし、第1の偏光板11におけるバックライト2と対向する面の上であってもよい。またさらに、補色反射フィルタ13C,13M,13Yは、液晶表示パネル1に設ける代わりに、透明な基材の上に設けてフレーム部材により液晶表示パネル1とバックライト2との間に配置してもよいことはもちろんである。
また、実施例1(図2)では、1つの画素における3つのサブ画素(R画素、G画素、およびB画素)が、光源3の並ぶ方向(x軸方向)に並んでいる。しかしながら、サブ画素の並びは、これに限らず、光源3が発した光が主として伝播する方向(y軸方向)に並んでいてもよいことはもちろんである。
1 液晶表示パネル
2 バックライト
3 光源
4 導光板
5 反射シート
6 プリズムシート
61 基材
62 プリズム
7 光拡散シート
8 第1の基板
801 第1の絶縁基板
802 第1の薄膜積層体
9 第2の基板
901 第2の絶縁基板
902 第2の薄膜積層体
10 液晶層
11 第1の偏光板
12 第2の偏光板
13R 赤色フィルタ
13G 緑色フィルタ
13B 青色フィルタ
13C 第1の補色反射フィルタ
13M 第2の補色反射フィルタ
13Y 第3の補色反射フィルタ
14 光源光
15 反射光

Claims (8)

  1. 一対の基板の間に液晶層が挟持された液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面側に配置されたバックライトとを有し、
    前記液晶表示パネルの表示領域は、透過する可視波長域が異なるサブ画素の組でなる画素を複数有し、
    前記バックライトは、前記液晶表示パネルの背面側に配置された導光板と、前記導光板の端辺の1つに沿って配置された1個または2個以上の光源と、前記液晶表示パネルと前記導光板との間に配置されたプリズムシートとを有する液晶表示装置であって、
    前記バックライトから前記サブ画素に向かう光の光路上には、当該サブ画素において透過させる可視波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は反射する補色反射フィルタが配置されており、
    前記プリズムシートは、光透過性を有する基材と、当該基材の上に設けられた複数のプリズムからなり、
    前記プリズムは、稜線が一方向に延びており、かつ、前記基材と接する第1の面における前記稜線と平行な二辺のうちの一方の辺と接している第1の斜面の傾斜角度と、前記平行な二辺のうちの他方の辺と接している第2の斜面の傾斜角度とが概ね等しいことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記プリズムにおける前記第1の斜面と前記第2の斜面との間には、前記第1の斜面と接する第3の斜面および前記第3の斜面と接する第4の斜面を有し、前記第4の斜面は、前記第1の斜面と概ね平行であり、
    前記プリズムシートは、前記稜線の方向が前記導光板における前記光源が配置された端辺の方向と概ね平行であり、かつ、それぞれの前記プリズムは前記第1の斜面のほうが前記第2の斜面よりも前記光源から遠くなる向きに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記プリズムにおける前記第1の斜面の傾斜角度は、前記導光板から出射した光源光のうちの輝度または光度が最大値となる光が前記第1の面および前記第1の斜面で屈折したときの出射方向が、前記液晶表示パネルの正面方向となるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記プリズムにおける前記第1の斜面の傾斜角度と前記第2の斜面の傾斜角度との差が、±5度以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記プリズムシートの屈折率が、1.49から1.7までのいずれかで有ることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 前記補色反射フィルタは、前記液晶層と前記プリズムシートとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  7. 前記液晶表示パネルと前記プリズムシートとの間に光拡散シートが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  8. 前記サブ画素は、当該サブ画素において透過させる可視波長域の光のみが透過し、他の可視波長域の光は吸収されるカラーフィルタを有し、
    前記補色反射フィルタは、前記バックライトと前記カラーフィルタとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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