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JP2010208265A - 液体収容容器 - Google Patents

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JP2010208265A
JP2010208265A JP2009059323A JP2009059323A JP2010208265A JP 2010208265 A JP2010208265 A JP 2010208265A JP 2009059323 A JP2009059323 A JP 2009059323A JP 2009059323 A JP2009059323 A JP 2009059323A JP 2010208265 A JP2010208265 A JP 2010208265A
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Izumi Nozawa
泉 野澤
Tadashi Watanabe
匡史 渡邉
Yutaka Kobayashi
豊 小林
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】液体収容容器に収容されている液体の攪拌効率の向上。
【解決手段】 インク収容室110の一対のリブ116、117は、インクカートリッジ1をインクジェットプリンターに装着した状態で鉛直方向の高さの異なる略平行な板状部材である。上面110a、底面110b、右側面110c、左側面110d、リブ116、117の奥行は同一である。一対のリブ116、117は、インク収容室110の底面の長手方向のほぼ中央部であって、底面近傍に位置するインク導出口114を間に挟むように設けられている。一対のリブ116、117は、上流路200の流路抵抗、中流路220の流路抵抗が下流路210の流路抵抗よりも小さくなるように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体噴射装置へ供給する液体を収容する液体収容体に関する。
インクジェットプリンターなどの液体噴射装置に装着される液体収容体として、例えば、インクジェットプリンターに搭載されるインクカートリッジが利用されている。インクカートリッジとして、例えば、インクを収容するインク収容室が上下に分かれており、各インク収容室が連通部により連通したものがある。このようなインクカートリッジでは、放置された状態が続くと、インク成分が沈降し、下方のインクは濃度の高い濃いインクとなり、上方のインクは濃度の低い薄いインクとなる。このような場合、濃いインクと薄いインクとが攪拌・混合されず、インクジェットプリンターに供給されるインクの濃さにばらつきが生じる。この問題を解決するために、インクカートリッジは、例えば、連通部やインク収容室に、鉛直方向上下に延伸して設けられている一対の壁部を有し、その壁部の下方に切り欠きを形成することにより、壁部の下方を液体が流れる下流路と壁部の上方を下流路の流路抵抗よりも小さい流路抵抗で液体が流れる上流路とを形成するものがある。こうすることにより、液体は上下方向に流動し、沈降した濃いインクと浮上している薄いインクとが攪拌・混合されるので、液体噴射装置に供給されるインクの濃さのばらつきが抑制される(例えば、特許文献1)。
特開2008−221853号公報
しかしながら、従来技術では、液体導入口と液体導出口との間に一対の壁部が設けられているので、液体導出口が設けられている位置によっては、液体収容部内のインクが適度に混合されず、液体噴射装置に供給されるインクの濃さにばらつきが発生するという問題が生じる。例えば、液体導出口がインク収容部の隅部ではなく中央近傍に位置しているような場合、液体導出口に対して壁部とは異なる側に存在するインクは攪拌・混合されないため、液体収容部の下部に沈降している濃いインクから先に液体噴射装置へ供給されてしまう。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、液体収容容器に収容されている液体の混合効率の向上を目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
液体供給装置に装着される液体収容容器であって、液体を収容する液体収容部であって、前記液体収容容器が前記液体供給装置に装着された状態における鉛直方向に対向する上面と底面と、前記底面の近傍に設けられ前記液体収容部から外部へ前記液体を導出する液体導出口と、を備える液体収容部と、前記液体導出口を挟むように設けられ、前記鉛直方向に延伸する一対のリブと、を有し、前記一対のリブは、前記上面と前記底面との間に設けられ、前記一対のリブの前記鉛直方向の上端は、前記上面と接さないように構成され、前記一対のリブは、前記下端の少なくとも一部が前記底面と接さないように構成されることで形成された開口部、または下端の近傍に前記リブの一部を切り欠いて形成された開口部を有するように構成されており、前記一対のリブの間に形成される空間の、前記液体収容容器が前記液体供給装置に装着された状態における水平方向の断面積が、前記開口部の面積よりも大きくなるように構成されている、液体収容容器。
適用例1の液体収容容器によれば、液体導出口を挟むように一対のリブが設けられ、かつ、一対のリブの間に形成される空間の水平方向の断面積が、液体収容部の下方に形成されている開口部の面積よりも大きくなるように構成されている。従って、下方に存在する濃度の濃い液体はリブの下方から液体導出口へ向かって流れ、上方に存在する濃度の薄い液体は一対のリブの間に形成される空間を介して液体導出口へ向かって流れる。よって、液体導出口が形成されている位置に関わらず、液体収容部内において液体を流動させることができる。よって、液体収容部内の液体を全体的に攪拌させ混合させることができ、液体収容容器から外部へ供給される液体の濃さのばらつきを抑制できる。
[適用例2]
適用例1の液体収容容器であって、前記液体収容部は、前記上面及び底面と交わる第1側面及び第2側面と、前記底面の近傍に設けられた液体導入口と、有し、前記一対のリブは、前記液体導出口よりも前記第1側面側に設けられた第1のリブと、前記液体導出口よりも前記第2側面側に設けられた第2のリブとから構成され、前記液体導入口は、前記一対のリブのうち、前記第1のリブよりも、さらに前記第1側面に近い位置に設けられ、前記第1側面と、前記第1のリブとの間に、鉛直方向に延伸した少なくとも一つの第3のリブを備え、前記第3のリブの前記鉛直方向の上端は、前記上面と接さないように構成され、前記第3のリブは、前記下端の少なくとも一部が前記底面と接さないように構成されることで形成された開口部、または下端の近傍に前記リブの一部を切り欠いて形成された開口部を有するように構成されており、前記第1のリブと前記少なくとも一つの第3のリブは、前記鉛直方向の高さが互いに異なるように、かつ、前記液体導出口から前記液体導入口に向けて、高さの高い順に設けられている。適用例2の液体収容容器によれば、液体導出口と液体導入口との間に、液体導出口から液体導入口に向けて、高さの高い順に複数のリブが設けられることになる。従って、液体の液面が下がった場合にも、薄い液体と濃い液体と混合されて液体導出口から導出される。よって、液体がほぼ無くなるまで持続して液体を混合させて導出させることができるので、液体噴射装置に供給される液体濃度のばらつきを抑制できる。
[適用例3]
適用例2の液体収容容器であって、前記第2側面と、前記第2のリブとの間に、鉛直方向に延伸した少なくとも一つの第4のリブを備え、前記第4のリブの前記鉛直方向の上端は、前記上面と接さないように構成され、前記第4のリブは、前記下端の少なくとも一部が前記底面と接さないように構成されることで形成された開口部、または下端の近傍に前記リブの一部を切り欠いて形成された開口部を有するように構成されており、前記第2のリブと前記少なくとも一つの第4のリブは、前記鉛直方向の高さが互いに異なるように、かつ、前記液体導出口から前記第2側面に向けて、高さの高い順に設けられている。適用例3によれば、第2側面と第2のリブとの間に、第2のリブとは鉛直方向に高さの異なる第4のリブが、液体導出口から第1側面に向けて、高さの高い順に設けられている。従って、液体導出口の第1側面側、第2側面側の両側で、薄い液体と濃い液体と混合させて液体導出口から導出できる。よって、液体の混合効率を更に向上させることができる。
[適用例4]
適用例2または適用例3の液体収容容器であって、前記第2のリブの前記鉛直方向の高さは、前記第1のリブの前記鉛直方向の高さよりも低くなるように構成されている、適用例4の液体収容容器によれば、第1のリブと液体収容部の上面との間における液体の流路抵抗が、液体導入口の近くに設けられている第2のリブと液体収容部の上面との間における液体の流路抵抗よりも小さくなる。従って、液体の動きが少ない部位においても、積極的に液体を動かすことができるので、液体の攪拌効率を向上できる。
[適用例5]
適用例1の液体収容容器であって、前記液体収容部は、前記上面及び底面と交わる第1側面及び第2側面と、前記底面の近傍に設けられた液体導入口と、有し、前記一対のリブのうち、前記液体導出口よりも前記第2側面側に設けられた第2のリブの前記鉛直方向の高さは、前記液体導出口よりも前記第1側面側に設けられた第1のリブの前記鉛直方向の高さよりも低くなるように構成されており、前記液体導入口は、前記一対のリブのうち、前記第1のリブよりも、さらに前記第1側面に近い位置に設けられている。適用例5の液体収容容器によれば、液体導入口から遠くに設けられている第1のリブは、第2のリブより低く構成されている。従って、第1のリブと液体収容部の上面との間における液体の流路抵抗が、液体導入口の近くに設けられている第2のリブと液体収容部の上面との間における液体の流路抵抗よりも小さくなる。従って、液体の動きが少ない部位においても、積極的に液体を動かすことができるので、液体の攪拌効率を向上できる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5いずれかの液体収容容器であって、前記液体導出口は、前記底面の長手方向の略中央に形成されている。適用例6の液体収容容器によれば、液体導出口が、底面の長手方向の略中央であって、底面近傍に形成されており、液体導出口を挟むように第1のリブと第2のリブ(一対のリブ)が設けられている。従って、液体導出口が、液体収容部の下方の中央付近に形成されている場合であっても、液体収容部内において液体を流動させることができる。よって、液体収容部内の液体を全体的に攪拌させることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6いずれかの液体収容容器であって、前記開口部は、前記リブに形成された切り欠きにより構成されている。適用例7の液体収容容器によれば、開口部は、リブに形成された切り欠きにより構成されている。従って、簡易に開口部を構成できる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7いずれか記載の液体収容容器であって、前記液体は顔料インクである。顔料インクは比重の高いインク成分が沈降しやすく、この結果、液体収容部の下方のインクが濃度の高い濃いインクとなり、上方のインクが濃度の低い薄いインクとなる。従って、適用例6によれば、インク成分の沈降により鉛直方向に層状に濃度が異なってしまうインクを、混合した後に液体噴射装置に供給できる。よって、液体噴射装置から噴射される顔料インクの色変化を抑制できる。
第1実施例に係る液体収容体としてのインクカートリッジの外観斜視図。 図1に示す第1実施例に係るインクカートリッジを裏面から見た外観斜視図。 図1に対応する第1実施例に係るインクカートリッジの分解斜視図。 第1実施例に係るインクカートリッジをカートリッジ装着部に取り付けた状態を示す図。 第1実施例におけるカートリッジ本体10の平面図。 第1実施例におけるカートリッジ本体10の平面図。 第1実施例におけるカートリッジ本体10の部分拡大図。 第1実施例における液体供給部50へのインク供給に伴うインク収容部でのインクの混合について説明する説明図である。 第2実施例におけるカートリッジ本体10aの構成について説明する平面図。 第2実施例における液体供給部50へのインク供給に伴うインク収容部でのインクの混合について説明する説明図。 変形例(1)におけるカートリッジ本体10bの構成を説明する平面図。
A.第1実施例:
A1.インクカートリッジの構成:
図1は第1実施例に係る液体収容体としてのインクカートリッジの外観斜視図である。図2は図1に示す第1実施例に係るインクカートリッジを裏面から見た外観斜視図である。図3は図1に対応する第1実施例に係るインクカートリッジの分解斜視図である。図4は、第1実施例に係るインクカートリッジをカートリッジ装着部に取り付けた状態を示す図である。なお、図1〜図4には、インクカートリッジの姿勢(方向)を特定するために、互いに直交するXYZ軸が図示されている。インクカートリッジ1は、内部に液体のインクを収容する。
図1および図2に示すようにインクカートリッジ1は、略直方体形状を有し、上面1a、底面1b、右側面(第1側面)1c、左側面(第2側面)1d、正面(第3側面)1e、背面(第4側面)1fから構成されている。上面1aはZ軸正方向側の面、底面1bはZ軸負方向側の面、右側面1cはX軸正方向側の面、左側面1dはX軸負方向側の面、正面1eはY軸正方向側の面、背面1fはY軸負方向側の面に当たる。上面1aと底面1b、第1側面1cと第2側面1d、第3側面1eと第4側面1fが、それぞれ対向している。上面1aと底面1bは、第1〜第4側面1c〜1fと交わる面である。第1側面1cと第2側面1dは、上面1a、底面1b、第3側面1e、第4側面1fと交わる面である。なお、各面1a〜1fのある側を、それぞれ上面側、底面側、右側面側、左側面側、正面側、背面側とも呼ぶ。
図3に示すように、インクカートリッジ1は、カートリッジ本体10と、カートリッジ本体10の正面側を覆う蓋部材20とを有している。カートリッジ本体10の正面側には、インクを収容する3つのインク収容室100、110、120と、大気とインク収容室とを連通する大気連通部として機能する大気導入部140と、複数のリブ116、117、126、127が形成されている。カートリッジ本体10と蓋部材20との間には、カートリッジ本体10の正面側を覆うフィルム80が設けられている。
底面1bには、インクジェットプリンターにインクを供給するための供給孔を有する液体供給部50が設けられている。底面1bには、さらに、インクカートリッジ1の内部に大気を導入するための大気開放口142が開口している(図3)。液体供給部50、大気開放口142は、インクカートリッジ1が未使用のときには、それぞれ封止フィルム54、90によって封止されている。
図4に示すように、インクカートリッジ1は、例えば、インクジェットプリンターのカートリッジ装着部400に装着され、インクジェットプリンターにインクを供給する。なお、カートリッジ装着部400は、プリンターのキャリッジに設けられている場合(いわゆる、オンキャリッジ)と、キャリッジとは別の場所に設けられている場合(いわゆる、オフキャリッジ)とがある。
封止フィルム90は、インクカートリッジ1がインクジェットプリンターのカートリッジ装着部400に装着される前にユーザによって剥離される。これにより、大気開放口142を介してインクカートリッジ1の内部に設けられたインク収容室がインクカートリッジ1の外部と連通し、インクカートリッジ1の内部に大気が導入される。また、封止フィルム54は、インクカートリッジ1がインクジェットプリンターのカートリッジ装着部400に装着された際に、カートリッジ装着部に備えられたインク供給針によって破られるように構成されている。
インク収容室100、110、120の構成およびインクの流れについて、図5〜図7を参照して説明する。図5及び図6は、第1実施例におけるカートリッジ本体10の平面図である。図5は、カートリッジ本体10を正面側から見た図であり、図6は、カートリッジ本体10を背面側から見た図である。図7は、第1実施例におけるカートリッジ本体10の部分拡大図である。
図5に示すように、第1インク収容室100は、大気導入口102、インク導出口104を備えている。第2インク収容室110は、インク導入口112、インク導出口114および複数のリブ116、117を備えている。第3インク収容室120は、インク導入口122、インク導出口124および複数のリブ126、127を備えている。また、大気導入部140は、大気開放口142と、収容室連通孔144を備える。フィルム80(図3)がカートリッジ本体10のリブ116、117、126、127の正面側の端面に隙間が生じないように緻密に貼り付けられると、リブ116、117、126、127とフィルム80により、インクや大気が流動するための連通部(流路)が、インクカートリッジ1の内部に形成される。また、外表面フィルム60は、カートリッジ本体10の背面側の略全体を覆うように貼り付けられる。
第2インク収容室110は、上面110a、底面110b、右側面110c、左側面110d、正面110e、および、背面110fとから構成されている。正面(第3側面)110eはフィルム80によって、背面(第4側面)110fはフィルム60によって形成されている。上面110aはZ軸正方向側の面、底面110bはZ軸負方向側の面、右側面110cはX軸正方向側の面、左側面110dはX軸負方向側の面、正面110eはY軸正方向側の面、背面110fはY軸負方向側の面に当たる。上面110aと底面110b、第1側面110cと第2側面110d、第3側面110eと第4側面110fが、それぞれ対向している。上面110aと底面110bは、鉛直方向(図面Z方向)に対向している。上面110aと底面110bは、第1〜第4側面110c〜110fと交わる面である。第1側面110cと第2側面110dは、上面110a、底面110b、第3側面110e、第4側面110fと交わる面である。
複数のリブ116、117は、インクカートリッジ1をインクジェットプリンターに装着した状態で鉛直方向(図面Z方向)の高さがほぼ同じ略平行な板状部材である。鉛直方向とはインクカートリッジ1をインクジェットプリンターに装着した状態における上下方向(±Z方向)を表し、水平方向とは、インクカートリッジ1をインクジェットプリンターに装着した状態における左右方向(±X方向)を表す。上面110a、底面110b、右側面110c、左側面110d、リブ116、117の奥行(図面Y方向の長さ)は同一である。一対のリブ116、117は、いずれも上面110aと底面110bとの間に設けられている。第1のリブ116はインク導出口114とインク導入口112との間に設けられている。第2のリブ117は、インク導出口114に対してインク導入口112とは反対側に設けられている。
インク導出口114は、底面110bの長手方向(±X方向)の略中央であって、底面110b近傍に形成されている。この様子を、インク収容室110の面110a〜dを基準として説明すると、次の通りである。インク導出口114は、底面110b近傍、かつ第1側面110cと第2側面110dの間に形成されている。インク導入口112は底面110b近傍、かつ第1側面110cと第1のリブ116との間に設けられている。第1のリブ116と第2のリブ117は、インク導出口114の第1側面110c側と第2側面110d側に、それぞれ設けられている。つまり、これら第1のリブ116と第2のリブ117は、インク導出口114を挟むように設けられている。第1実施例において、リブ116が特許請求の範囲の「第1のリブ」にあたり、リブ117が特許請求の範囲の「第2のリブ」に当たる。第1実施例において、リブ116、117は、底面110bから鉛直上方に延伸するように、かつ、上面110aから離れて(換言すれば、上面110aと接さないように)設けられている。また、図7に示すように、各リブ116、117には、鉛直下方を切り欠いた切り欠き116a、117aが形成されている。第1実施例において、切り欠き116a、117aは、特許請求の範囲の「開口部」に当たる。
リブの上端と上面110aとの間の空間を含むインク収容室110の上方の空間200、切り欠き116a、117aと底面110bとの間の空間を含むインク収容室110の底面近傍の下方の空間210、リブ116とリブ117との間に形成される空間220は、それぞれ、インク導入口112からインク導出口114に向けてインクを流通させるためのインクの流路として機能する。第1実施例では、上方の空間200、下方の空間210、リブ116、117間の空間220を、それぞれ、上流路200、下流路210、中流路220と呼ぶ。インク導出口114から離れた位置であるインク収容室110の上方に存在するインクを積極的にインク導出口114まで導くために、上流路200の流路抵抗、中流路220の流路抵抗が下流路210の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。第1実施例では、一対のリブ116、117と上面110aとの間の鉛直方向の断面積S1と、中流路220の水平方向の断面積S3が、下流路210の最小断面積、すなわち、切り欠き116aの面積S2よりも大きくなるように構成することにより、上流路200、中流路220の流路抵抗を下流路210の流路抵抗よりも小さくなるように構成している。さらに、第1実施例では、断面積S1が断面積S3よりも大きくなるように、言い換えれば、上流路200の流路抵抗が中流路220の流路抵抗よりも小さくなるように構成している。
第3インク収容室120も、第2インク収容室110と同様に、インクカートリッジ1をインクジェットプリンターに装着した状態で鉛直方向に延伸したほぼ同じ高さの略平行な一対のリブ126、127を備える。一対のリブ126、127は、第2インク収容室110の一対のリブ116、117と対応している。インク導入口122、インク導出口124は、第2インク収容室110のインク導入口112、インク導出口114と対応している。そして、第3インク収容室120において、インク収容室110と同様に、インクの流路として機能する上流路250、下流路260、中流路270が形成される。第3インク収容室120の構成は、第2インク収容室110の構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、図6に示すように、カートリッジ本体10の背面側には、複数の溝160、162、164および166が形成されている。これらの溝160、162、164、166は、外表面フィルム60が貼り付けられたときに、カートリッジ本体10と外表面フィルム60との間に、各種の流路、例えば、インクや大気が流動するための流路を形成する。溝160は、収容室連通孔144と大気導入口102とを連通しており、溝162は、インク導出口104とインク導入口112とを連通しており、溝164は、インク導出口114とインク導入口122とを連通しており、溝166は、インク導出口124と供給入口171とを連通する流路として機能している。
流路170は、カートリッジ本体10の内部に設けられており、供給入口171と液体供給部50とを連通している。流路170は、インク導出口124、溝166によって形成される流路、供給入口171を介して、第3インク収容室120から液体供給部50へインクを供給する流路として機能している。
大気開放口142が大気と連通している状態で、インクジェットプリンターが印刷を開始すると、液体供給部50からインク供給針を介してインクジェットプリンターの記録ヘッドへインクが供給される。液体供給部50からインクが供給されると、第3インク収容室120からインク導出口124を介して液体供給部50へインクが流れ込み、液体供給部50に挿入されたインク供給針にインクが供給される。
このインクの流れに応じて、第2インク収容室110のインクが、インク導出口114、溝164およびインク導入口122を介して第3インク収容室120に供給され、第1インク収容室100のインクが、インク導出口104、溝162およびインク導入口112を介して第2インク収容室110に供給される。第1インク収容室100のインクの消費に伴い大気導入部140内の空気が収容室連通孔144、溝160および大気導入口102を介して、第1インク収容室100へ流入する。液体供給部50からインクジェットプリンターの記録ヘッドへインクが供給されるに従って第1インク収容室100の液面が下がるが、インク導出口104は第1インク収容室100の下方に設けられているので、第1インク収容室100内の全インクが第2インク収容室110へ移動する(第1インク収容室100のインクが全て消費される)まで第2インク収容室110には空気が流入しない。
第1インク収容室100のインクが全て消費され、第2インク収容室110のインクが消費され始めると、インク導出口104、溝162およびインク導入口112を介して第1インク収容室100内の空気が第2インク収容室110に流入する。同様に、第2インク収容室110内のインクが全て消費され、第3インク収容室120のインクが消費され始めると、インク導出口114、溝164およびインク導入口122を介して第2インク収容室110内の空気が第3インク収容室120内に流入する。つまり、第1インク収容室100、第2インク収容室110、第3インク収容室120の順番に、カートリッジ本体10内のインクが消費されていく。
A2.インクの混合について:
以上説明したカートリッジ本体10の第2インク収容室110において、どのようにインクが攪拌され供給されるかについて、図8を参照して説明する。図8は、第1実施例における液体供給部50へのインク供給に伴う第2インク収容部でのインクの混合について説明する説明図である。図8(a)は、第2インク収容室110にインクが充填されている状態を示している。インクカートリッジ1内には顔料インクが収容されている。顔料インクに含まれる顔料は沈降し易いので、各インク収容室100、110、120内の下方のインクは濃度が高い濃いインクとなり、上方のインクは、濃度の低い薄いインクとなる。以降、インクカートリッジ1内の下方に存在する濃度の高いインクを単に「濃いインク」と呼び、上方に存在する濃度の低いインクを単に「薄いインク」と呼ぶ。
プリンターにインクカートリッジ1が装着された状態でインクの供給が行われない期間が長期間に亘ると、インク成分が沈降し、図8(a)に示すように、下方のインクは濃度の高い濃いインクとなり、上方のインクは濃度の低い薄いインクとなる。第1インク収容室100のインクが残っている状態で、液体供給部50へインクの供給が開始されると、第2インク収容室110内のインクが第3インク収容室120へ供給され、第2インク収容室110内のインクが第2インク収容室110へ供給される。このとき、第2インク収容室110内のインクは、中流路220と下流路210とからインク導出口114へ流れる。この際、薄いインクが矢印R1、R2、R3に示すように上流路200から中流路220へ流れ、濃いインクが矢印R4、R5に示すように下流路210を流れる。
第1インク収容室100のインクが全て消費された後、第2インク収容室110に収容されているインクが消費され始め、図8(b)に示すように、インクの液面Sが位置P1まで下がった場合においても、図8(a)と同様に、インクの流れが生じる。
このように、インク導出口114を挟むように一対のリブ116、リブ117が設けられていることにより、インク導出口114が矢印R1、R2、R3、R4、R5に示すように、上流路200、下流路210、中流路220において、インク導出口114の両側(図面では左右方向)から、インク導出口114に向かうインクの流れを発生させることができる。この結果、インク収容室110内のインクを全体的に攪拌・混合させることができる。
更に、インクが消費されると、インクの液面は、図8(c)に示すように、リブ116、117の高さよりも低い位置P2となる。この図8(c)に示す状態になると、上流路200から中流路220へインクが流れ込まなくなる。この状態で液体供給部50へインクの供給が行われると、中流路220内に残留する濃いインク・薄いインクは矢印R6に示すようにインク導出口114に向かって流れ、中流路220以外に存在する濃いインク・薄いインクは矢印R7に示すように下流路210からインク導出口114に向けて流れる。図8(c)の状態となるまでの間に薄いインクと濃いインクとがある程度攪拌されて導出されているので、図8(c)の状態では残存するインクはほぼ中程度の濃度のインクとなっている。このように、インク収容室110内にインクがなくなるまで、適した濃度のインクが導出される。
以上説明した第1実施例の効果について、リブ116、117のうち、どちらか一方しか設けられていない場合と比較しつつ、より詳細に説明する。リブ116、117のうち、どちらか一方しか設けられていない場合、リブが設けられていない側では、インクの流れが発生しにくい。この結果、濃いインクと薄いインクとが攪拌・混合されないので、下方の濃いインクから先に供給されることになる。よって、インクジェットプリンターに供給されるインクの濃度にばらつきが生じてしまう。
これに対して、第1実施例のインクカートリッジ1によれば、インク導出口114を挟むように、かつ、上流路200、中流路220の流路抵抗が、下流路210の流路抵抗よりも小さくなるように一対のリブ116、117が設けられている。従って、下方に存在する濃度の高い濃いインクは、インク導出口114の両側から下流路210を介してインク導出口114へ向かって流れ、上方に存在する濃度の低い薄いインクは上流路200、中流路220を介して鉛直上方からインク導出口114へ向かって流れる。この結果、インク収容室110内に全体的にインクの流れが生じる。よって、インク収容室110内のインクを全体的に攪拌させて混合させることができ、カートリッジ本体10からインクジェットプリンターへ供給されるインクの濃さのばらつき、言い換えれば、色濃度の変化を抑制できる。
また、第1実施例では、断面積S1が断面積S3よりも大きくなるように、言い換えれば、上流路200の流路抵抗が中流路220の流路抵抗よりも小さくなるように構成している。一方、第1実施例では、インク収容室110の奥行き(図面Y方向の長さ)がインク収容室全体に渡って同一である。よって、S1>S3となるように構成すれば、リブ116の上端と上面110aとの間の距離(または、リブ117の上端と上面110aとの間の距離)d0を、リブ116とリブ117との間の距離d3よりも大きくすることができる。リブ116とリブ117の間に挟まれるインクは撹拌されにくく、そのままインク導出口114へ流れ出す。よって、リブ116とリブ117によって挟まれるインクの体積はなるべく小さくすることが好ましい。S3>S2とするため、リブ116とリブ117との間の距離d3をある程度大きくするとしても、これを大きくしすぎるとリブ116とリブ117によって挟まれるインクの体積が大きくなってしまう。つまり、距離d3は大きすぎてはいけない。また、リブ116とリブ117の鉛直方向の高さ(図面Z方向の長さ)が大きくなりすぎると、図8(a)の状態から図8(c)の状態に達するまでの時間が短くなってしまうし、リブ116とリブ117によって挟まれるインクの体積も大きくなってしまう。よって、リブ116とリブ117にそれらの間に挟まれた空間が中流路220として機能する程度の高さが必要である一方、リブ116の上端と上面110aとの間の距離(または、リブ117の上端と上面110aとの間の距離)d0はなるべく大きくすることが好ましい。このとき、第1実施例のように、インク収容室110の奥行き(図面Y方向の長さ)がインク収容室全体に渡って同一である場合に、S1>S3となるように構成すれば、d0>d3とすることができ、距離d3を大きくしすぎない、距離d0をなるべく大きくする、という条件を容易に満足させることが可能となる。
更に、第1実施例では、一対のリブ116、117の間に形成される中流路220の水平方向の断面積S3が、インク収容室110の下端部と各リブ116、117との間の切り欠き116a、117aの面積S2よりも大きくなるように構成することにより、中流路220の流路抵抗を、下流路210の流路抵抗よりも小さくなるように構成している。従って、簡易な構成で、流路抵抗を設定できる。
また、第1実施例のインクカートリッジ1によれば、リブ116、117は、上面110aと接さないように、かつ、底面110bと接すると共に開口部(切り欠き116a、117a)により構成されている。従って、簡易に上流路・下流路を構成できるとともに、流路抵抗(リブと上面との間を流れるインクの流量と、切り欠きを流れるインクの流量)を簡易に設定できる。
第1実施例のインクカートリッジ1の構成は、顔料インクなど、比重の異なるインク成分が含まれる液体に特に適している。比重の高いインク成分は沈降しやすいので、インク収容室110の下方に存在するインクは、濃度の高い濃いインクとなり、インク収容室110の上方に存在するインクは濃度の低い薄いインクとなる。第1実施例のインクカートリッジ1によれば、インク収容室110内のインクを混合させてからインクジェットプリンターに供給できるので、インクジェットプリンターから噴射される顔料インクの色変化を抑制できる。
B.第2実施例:
第1実施例では、インク収容室110(またはインク収容室120)内に、一対のリブ116、117(または一対のリブ126、127)のみを設けているが、第2実施例では、一対のリブの他に、リブが設けられている。
図9は、第2実施例におけるカートリッジ本体10aの構成を説明する平面図である。図10は、第2実施例におけるインクの混合について説明する説明図である。図9に示すように、カートリッジ本体10aでは、第3インク収容室120に、一対のリブ126、127以外に、リブ128、129、130、131が設けられている。それ以外は、第1実施例のカートリッジ本体10と同じ構成を備えている。なお、第2インク収容室110のリブについては、図示を省略している。第2インク収容室110には、第1実施例の第2インク収容室110と同じように一対のリブだけを設けても良いし、第2実施例の第3インク収容室120と同じように一対のリブ以外にもリブを設けるようにしても良い。リブ127、126、128,129、130、131のうち、インク導出口124よりも右側面(第1側面)120c側すなわちインク導入口122側に設けられたリブ126、128、129は、インク導出口124からインク導入口122に向かうに従って、鉛直方向(Z方向)の高さが低くなるように設けられる。インク導出口124よりも左側面(第2側面)120d側に設けられたリブ127,130,131は、インク導出口124から左側面(第2側面)120dに向けて鉛直方向(Z方向)の高さが低くなるように設けられる。リブ128、129、130,131の構成は、鉛直方向の高さが異なる点を除き、リブ126と同じである。なお、第2実施例において、リブ128、129は、特許請求の範囲の「第3のリブ」に当たり、リブ130、131は、特許請求の範囲の「第4のリブ」に当たる。
プリンターにインクカートリッジ1が装着された状態でインクの供給が行われない期間が長期間に亘ると、インク成分が沈降し、図10(a)に示すように、下方のインクは濃く(濃いインクに)なり、上方のインクは薄く(薄いインクに)なる。液体供給部50へインクの供給が開始されると、第3インク収容室120内では、矢印R11,R12上方の薄いインクが、上流路250、中流路270を介してインク導出口124へ向かって流れ、下方の濃いインクが、矢印R13に示すように、下流路260を介してインク導出口124に向かって流れる。
上流路250、中流路270を介してインク導出口124近傍へ流れてきた薄いインクは、下流路260からインク導出口124近傍へ流れてきた濃いインクと混合され、適切な色濃度となって液体供給部50へ供給される。
第2インク収容室110内のインクが全て消費された状態で、第3インク収容室120内のインクの消費が引き続き行われると、これに伴い、インクの液面が下がり、図10(b)に示すように、高さの最も高いリブ126,127の高さよりも低い位置P1となる。この状態になると、中流路270内に存在するインクはR15に示すようにインク導出口124へ向かって流れるが、上流路250から中流路270へ薄いインクが流れ込まなくなり、上方に滞留する薄いインクは、矢印R14に示すように、リブ127とリブ130、リブ126とリブ128との間に形成された流路を通ってインク導出口124に向けて流れるようになる。濃いインクは矢印R16に示すように、リブ128,130の下方に形成された切り欠きから下流路260を通り、リブ127と130の間、リブ126とリブ128の間に流れる。この結果、リブ127とリブ130,リブ126とリブ128の間で濃いインクと薄いインクが混合され、混合されたインクがリブ126,127の切り欠きを通ってインク導出口124に流れ、液体供給部50へ供給される。
図10(b)の状態から、更に、第3インク収容室120内のインクが消費されると、インクの液面が下がり、図10(c)に示すように、中間の高さのリブ128,130の高さよりも低い位置P2となる。この図10(c)に示す状態になると、薄いインクは矢印R17に示すように、上方からリブ128とリブ129の間、リブ130とリブ131の間に流れ込み、濃いインクは矢印R18に示すように、リブ129、131の下方に形成された切り欠きを介して下流路260からリブ128とリブ129の間、リブ130とリブ131の間に流れ込む。この結果、リブ128とリブ129の間、リブ130とリブ131の間で濃いインクと薄いインクとが混合され、混合されたインクが下流路260を流れ、インク導出口124を介して液体供給部50へ供給される。
第2実施例では、第3のリブ(第1のリブ126と第1側面120cとの間に設けられたリブ128,129)と、第4のリブ(第2のリブ127と第2側面120dとの間に設けられたリブ130,131)の両方を設けているが、第3のリブのみ、または、第4のリブのみを設けるように構成してもよい。また、第3のリブの本数、第4のリブの本数はいずれも2本に限られず、1本または3本以上であってもよい。
第2実施例のカートリッジ本体10aによれば、インク導出口124からインク導入口122に向けて、高さの高い順に複数のリブ126、128、129が設けられ、更に、インク導出口124に対してインク導入口122とは反対側にも、高さの高い順にリブ127,130,131が設けられる。従って、リブの高さが低くなるに連れて上流路250が広くなるので、インクの液面が下がった場合にも、第3インク収容室120内の上方の薄いインクは、上流路250からインク導出口124に向かって流れ、インク収容室120内の下方の濃いインクは下流路260からインク導出口124に向かって流れる。この結果、薄いインクと濃いインクとが混合されてインク導出口124から導出される。よって、第3インク収容室120内からインクがほぼ無くなるまで持続してインクを混合させて導出させることができるので、インクジェットプリンターに供給されるインクの濃度のばらつき、換言すれば、色変化を抑制できる。
C.変形例:
(1)実施例では、一対のリブ116、117(または一対のリブ126、127)は、鉛直方向にほぼ同一の高さとしているが一対のリブは高さが互いに異なるように構成されていてもよい。図11は、変形例(1)におけるカートリッジ本体10bの構成について説明する平面図である。カートリッジ本体10bは、第3インク収容室120の一対のリブ416、417のうち、インク導出口124の左側面(第2側面)120d側に設けられている第2のリブ417のほうが、インク導出口124の、右側面(第1側面)120c側に設けられている第1のリブ416よりも鉛直方向の高さが低い。換言すれば、インク導入口122から物理的な距離の遠いリブ417のほうが、リブ416よりも鉛直方向の高さが低い。それ以外は、第1実施例のカートリッジ本体10と同じ構成を備えている。なお、第2インク収容室110の一対のリブについては、図示を省略している。第2インク収容室110の一対のリブは、第1実施例の第2インク収容室110の一対のリブ116、117と同じように同じ高さのリブであっても良いし、変形例(1)の第3インク収容室120の一対のリブ416、417のように高さの異なるリブであっても良い。
変形例(1)のカートリッジ本体10bは、インク導入口122に近い位置に設けられている第1のリブ416と、第1のリブ416よりもインク導入口122から遠い位置に設けられている第2のリブ417とを備える。第1のリブ416と第2のリブ417は、インク導出口124を挟むように設けられている。上流路250は、インクが流れる流路として構成されており、第1のリブ416近傍の第1上流路416aと、第2のリブ417近傍の第2上流路417aを有する。本変形例では、第1上流路416aと第2上流路417aとのY方向の高さ(奥行き)は同一である。そこで、第2のリブ417とインク収容室120の上面120aとの間の距離d2が、第1のリブ416とインク収容室120の上面120aとの間の距離d1よりも広くなるように構成することにより、第2上流路417aの鉛直方向の断面積を第1上流路416aの鉛直方向の流路断面の断面積より大きくし、第2上流路417aの流路抵抗が第1上流路416aの流路抵抗よりも小さくなるようにしている。
上記構成を備えるカートリッジ本体10bでは、インクジェットプリンターへのインクの供給が行われると、上流路250において、矢印R10に示す流れが生じる。変形例(1)では、鉛直方向に濃度によって層状に分布する濃いインク、薄いインクに動き(流れ)を生じさせることができる。よって、上流路250を流れる液体の攪拌効率を向上できる。また、一般的に、インク導入口122から離れた位置ではインクの動きが少ない。変形例(1)では、インク導入口122が上面120aよりも底面120bに近い位置に設けられているので、第3インク収容室120の上面120a側の方が底面120b側よりインクの動きが少ない。さらに、変形例(1)では、インク導入口122が左側面(第2側面)120dよりも右側面(第1側面)120cに近い位置に設けられているので、第3インク収容室120の左側面(第2側面)120d側の方が右側面(第1側面)120c側よりインクの動きが少ない。つまり、変形例(1)では、インクの動きが少ないインク収容室120の上方のうち、よりインクの動きが少ない左側面(第2側面)120d側の第2上流路417aの流路抵抗を、右側面(第1側面)120c側の第1上流路416aの流路抵抗よりも小さくしている。よって、変形例(1)の構成によれば、インクの動きがより少ない部位において、より積極的にインクを流動さえて攪拌することができる。
(2)実施例では、第2インク収容室110、第3インク収容室120の2つのインク収容室にリブが設けられているものとしたが、例えば、リブは、少なくとも一つのインク収容室に設けられていればよい。どのインク収容室にリブが位置していても、カートリッジ本体10全体としてインクの混合効率を向上できる。なお、インクの流れについて大気開放口142側を上流側、液体供給部50側を下流側とし、この流れに沿って複数のインク収容室を設けた場合、リブは、より下流側に位置するインク収容室に設けられていることが好ましい。より下流側に位置するインク収容室にリブを設ければ、インクジェットプリンターにより近い部位で、インクを攪拌させることができるので、インクジェットプリンターに供給されるインクの濃度のばらつきを効率よく抑制できる。なお、実施例では、3つのインク収容室100、110、120を設けていたが、その数は3つに限られず、1つ、2つ、あるいは4つ以上であっても良い。
(3)実施例では、下流路210を切り欠きにより形成しているが、切り欠きを形成せず、底面から離れてリブを設けてもよい。この場合、上流路200の流路抵抗を下流路210の流路抵抗よりも小さく構成するために、下流路210の鉛直方向の幅(高さ)が上流路200の鉛直方向の幅(高さ)よりも小さくなるように構成したり、流路上に抵抗となる部材(例えば複数の突状部材)を設けたりすることが好ましい。
(4)実施例では、リブ116、117等は上面110aとは接さないように設けられることにより、上流路200がリブ116、117等と上面110aの間に構成されているが、リブ116、117等を底面110bから上面110aまで延伸させるとともに、上方も切り欠いて切り欠きを形成することにより上流路200を構成してもよい。また、切り欠きではなく、リブを貫通するように刳りぬいた貫通口を開口部としてもよい。上流路についても、開口部により構成してもよい。
(5)上述の実施例、変形例の説明において、第2インク収容室110の構成は、全て、第3インク収容室120の構成に適用可能であり、第3インク収容室120の構成は第2インク収容室110に適用可能である。第2インク収容室110、第3インク収容室120の構成が、第1インク収容室100あるいは図示されていないインク収容室、インクカートリッジ1とはインク収容室の配置や形状のことなるインクカートリッジに適用可能であることはいうまでもない。
(6)実施例では、インクカートリッジ1は略直方体形状であったが、直方体の角を切り欠いたり、角を丸めたり、面1a〜1fを傾けたり(例えば面1aを側面1cや1dに対して90度以外の角度で交わらせたり)することで、その外観の形状を変更しても構わない。また、実施例では、インクカートリッジ1はカートリッジ本体10、カートリッジ本体10の正面側を覆う蓋部材20、フィルム60、80によって概略構成されていたが、インクカートリッジ1を構成する部品の材料、数、形状等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。
(7)上記各実施例ではインクカートリッジ1について説明してきたが、本発明は、液体噴射装置に装着される液体収容容器に適用可能であり、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に適用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、実施例で説明した顔料インクのように液体収容部内で濃度の差が生じる可能性があり、かつ液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置用の液体収容容器として採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置への液体収容容器に本発明を適用することができる。
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。
10、10a、10b…カートリッジ本体、20…蓋部材、50…液体供給部、54…封止フィルム、60…外表面フィルム、80…フィルム、90…封止フィルム、100…第1インク収容室、102…大気導入口、104…インク導出口、110…第2インク収容室、110a…上面、110b…底面、110c…右側面、110d…左側面、110e…正面、110f…背面、112…インク導入口、114…インク導出口、116、117…リブ、120…第3インク収容室、120a…上面、120b…底面、120c…右側面、120d…左側面、122…インク導入口、124…インク導出口、126、127、128、129、130、131…リブ、140…大気導入部、142…大気開放口、144…収容室連通孔、160、162、164、166…溝、170…流路、171…供給入口、200…上流路、210…下流路、220…中流路、250…上流路、260…下流路、270…中流路、400…カートリッジ装着部、416、417…リブ、416a…第1上流路、417a…第2上流路

Claims (8)

  1. 液体供給装置に装着される液体収容容器であって、
    液体を収容する液体収容部であって、前記液体収容容器が前記液体供給装置に装着された状態における鉛直方向に対向する上面と底面と、前記底面の近傍に設けられ前記液体収容部から外部へ前記液体を導出する液体導出口と、を備える液体収容部と、
    前記液体導出口を挟むように設けられ、前記鉛直方向に延伸する一対のリブと、を有し、
    前記一対のリブは、前記上面と前記底面との間に設けられ、
    前記一対のリブの前記鉛直方向の上端は、前記上面と接さないように構成され、
    前記一対のリブは、前記下端の少なくとも一部が前記底面と接さないように構成されることで形成された開口部、または下端の近傍に前記リブの一部を切り欠いて形成された開口部を有するように構成されており、
    前記一対のリブの間に形成される空間の、前記液体収容容器が前記液体供給装置に装着された状態における水平方向の断面積が、前記開口部の面積よりも大きくなるように構成されている、
    液体収容容器。
  2. 請求項1記載の液体収容容器であって、
    前記液体収容部は、
    前記上面及び底面と交わる第1側面及び第2側面と、
    前記底面の近傍に設けられた液体導入口と、
    を有し、
    前記一対のリブは、前記液体導出口よりも前記第1側面側に設けられた第1のリブと、前記液体導出口よりも前記第2側面側に設けられた第2のリブとから構成され、
    前記液体導入口は、前記一対のリブのうち、前記第1のリブよりも、さらに前記第1側面に近い位置に設けられ、
    前記第1側面と、前記第1のリブとの間に、鉛直方向に延伸した少なくとも一つの第3のリブを備え、
    前記第3のリブの前記鉛直方向の上端は、前記上面と接さないように構成され、
    前記第3のリブは、前記下端の少なくとも一部が前記底面と接さないように構成されることで形成された開口部、または下端の近傍に前記リブの一部を切り欠いて形成された開口部を有するように構成されており、
    前記第1のリブと前記少なくとも一つの第3のリブは、前記鉛直方向の高さが互いに異なるように、かつ、前記液体導出口から前記液体導入口に向けて、高さの高い順に設けられている、
    液体収容容器。
  3. 請求項2記載の液体収容容器であって、
    前記第2側面と、前記第2のリブとの間に、鉛直方向に延伸した少なくとも一つの第4のリブを備え、
    前記第4のリブの前記鉛直方向の上端は、前記上面と接さないように構成され、
    前記第4のリブは、前記下端の少なくとも一部が前記底面と接さないように構成されることで形成された開口部、または下端の近傍に前記リブの一部を切り欠いて形成された開口部を有するように構成されており、
    前記第2のリブと前記少なくとも一つの第4のリブは、前記鉛直方向の高さが互いに異なるように、かつ、前記液体導出口から前記第2側面に向けて、高さの高い順に設けられている、
    液体収容容器。
  4. 請求項2または請求項3記載の液体収容容器であって、
    前記第2のリブの前記鉛直方向の高さは、前記第1のリブの前記鉛直方向の高さよりも低くなるように構成されている、
    液体収容容器。
  5. 請求項1記載の液体収容容器であって、
    前記液体収容部は、
    前記上面及び底面と交わる第1側面及び第2側面と、
    前記底面の近傍に設けられた液体導入口と、
    を有し、
    前記一対のリブのうち、前記液体導出口よりも前記第2側面側に設けられた第2のリブの前記鉛直方向の高さは、前記液体導出口よりも前記第1側面側に設けられた第1のリブの前記鉛直方向の高さよりも低くなるように構成されており、
    前記液体導入口は、前記一対のリブのうち、前記第1のリブよりも、さらに前記第1側面に近い位置に設けられている、
    液体収容容器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか記載の液体収容容器であって、
    前記液体導出口は、前記底面の長手方向の略中央に形成されている、
    液体収容容器。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか記載の液体収容容器であって、
    前記開口部は、前記リブに形成された切り欠きにより構成されている、
    液体収容容器。
  8. 請求項1ないし請求項7いずれか記載の液体収容容器であって、
    前記液体は顔料インクである、
    液体収容容器。
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