JP2010247646A

JP2010247646A - 浮体式洋上風力発電における浮体式構造物とその係留方法

Info

Publication number: JP2010247646A
Application number: JP2009098852A
Authority: JP
Inventors: Hideaki Okada; 英明岡田
Original assignee: Penta Ocean Construction Co Ltd
Current assignee: Penta Ocean Construction Co Ltd
Priority date: 2009-04-15
Filing date: 2009-04-15
Publication date: 2010-11-04

Abstract

【課題】浮体式洋上風力発電における浮体式構造物に関し、従来の浮体式構造物では潮流の抵抗が大きく、係留するための設備コストが嵩むこととなっている。
【解決手段】浮体式洋上風力発電における浮体式構造物１，１ａ，１ｂであって、前記浮体式構造物の外形形状を、流線型にし、若しくは、先端と後端の少なくとも一方を尖らせたり、それらに類似した形状にしたりして潮流抵抗を小さくする船型にした浮体式構造物１，１ａ，１ｂとし、一点係留とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、浮体式洋上風力発電における浮体式構造物とその係留方法において潮流抵抗を少なくし１点係留を可能にする浮体式構造物とその係留方法に関するものである。

従来、浮体式洋上風力発電における浮体式構造物は、図５乃至図６に示すように、円柱型構造物２１や立方体構造物２２があり、その構造物に風力発電設備２３が設けられている。そして、前記構造物２１，２２を係留するために、複数個の係留チェーン２４及び鋼製及びコンクリートアンカー２５が設けられている。また、風力発電施設などを立設支持する複数個の浮体同士を途中に中間シンカーを設けた係留チェーンで連結したものが知られている（特許文献１参照）。

特開２００４−１７６６２６号公報

しかし、従来の浮体式構造物とその係留方法においては、浮体式構造物が受ける潮流抵抗が大きいので、前記係留チェーンやアンカーの数が多くなってしまい、これらのアンカーなどの重量が重くなると共に係留装置の重大化によって制作費や施設のコストが大きく嵩むものとなっている。本発明に係る浮体式構造物とその係留方法は、このような課題を解決するために提案されたものである。

本発明に係る浮体式洋上風力発電における浮体式構造物の上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、浮体式構造物の形状を流線型にしたこと、若しくは、先端と後端の少なくとも一方を尖らせたり、それらに類似した形状にしたりして潮流抵抗を小さくする船型を採用することである。そして、前記浮体式構造物が、連結部材を介して複数個の浮体式構造物を平行に併設して構成されていることを含むものである。
また、本発明に係る浮体式洋上風力発電における浮体式構造物の係留方法の要旨は、浮体式洋上風力発電における浮体式構造物の形状を、流線型や先端と後端の少なくとも一方を尖らせたりそれらに類似した形状にしたりして潮流抵抗を小さくする船型を採用することにより、その浮体式構造物を一点係留とするものである。

本発明の浮体式構造物とその係留方法によれば、流線型や船型にして浮体式構造物を形成することで、潮流抵抗が大きく減少する。また、それにより、浮体式構造物の係留方法においても、一点係留にすることができるので、浮体式構造物の製造コスト及び設置コストを大幅に低減させることができる。
また、図５に示す従来形状は、水深方向に浮体構造物を伸ばすことによって浮力を得ているが、本発明は平面方向に体積を増やすことによって浮力を得ているので、喫水が少なくなり、造船所のドライドックにおいて、浮体式構造物の建造も可能となる。また、動揺に対する対策としては、図５に示す従来形状は、浮体下部にバラスト（錘）を設置し、そのバラストに働く重力によって復原性を得ているのに対し、本発明は船舶と同様に浮体構造物に働く浮力によって復原力を得ているので、動揺抑制に対して有利である。さらに、図１（B）に示すように浮体を複数個連結することによって、動揺をさらに抑えることが可能となる。更に、一点係留が可能となるので、常に潮流に対して抵抗が最小になる方向に自然と浮体式構造物が移動する。
一点係留のアンカーを中心にして浮体式構造物が移動する占有水域は、その範囲の大きさ自体は従来と変わらないが、大量にこの浮体式構造物を配置した場合には、常に同じ方向に向いて浮体式構造物が移動するので、隣接する風力発電等の干渉がないものとなる。

本発明に係る浮体式構造物１の斜視図（Ａ）と、浮体式構造物を３個連結した状態の他の実施例の斜視図（Ｂ）とである。同本発明の浮体式構造物１と従来の円柱型構造物２１との寸法を示す説明図（Ａ），（Ｂ）である。同浮体式構造物１，１ａ，１ｂを１点係留方式で係留した状態の説明図である。本発明の浮体式構造物１と従来例の浮体式構造物２１の占有水域を、潮流の影響で異なることを示す説明図（Ａ），（Ｂ）である。従来例に係る洋上風力発電設備２３を有した浮体式構造物（円柱型構造物２１）の係留方法を示す説明用断面図（Ａ）と、平面図（Ｂ）とである。同従来例に係る矩形状の立方体構造物２２の係留方法を示す概念図である。

本発明に係る浮体式構造物は、図１に示すように、浮体式構造物の外径形状を流線型にするものである。これにより、潮流抵抗を減らすことができるので、この浮体式構造物を図３に示すように、一点係留にするものである。

本発明を図面に沿って説明する。従来例に対応する部分には、従来例と同一の符号を付けて説明する。本発明に係る浮体式構造物１は、図１に示すように、その外径形状を流線型形状の船型構造物２にしたものである。これは、潮流抵抗における圧力抵抗，摩擦抵抗，造波抵抗のうち、主に圧力抵抗を減じようと言うものである。

前記圧力抵抗は、浮体表面の水の流れの剥離によって渦ができることによって発生する抵抗なので、この水の流れの剥離を防ぐように浮体の構造を流線型にするものである。

この圧力抵抗の大小を、図２（Ａ），（Ｂ）に示すように、円柱型構造物２１と、流線型の浮体式構造物１とで比較する。前記円柱型構造物２１の寸法は、ａ＝１５０００ｍｍ、ｂ＝７５０００ｍｍとし、潮流３Ｋｔ、海水比重１．０２５とすると、圧力抵抗は約１０４ｔｏｎとなる。一方、図２（Ｂ）に示す流線型の浮体式構造物１の寸法は、ｃ＝１００００ｍｍ、ｄ＝４５０００ｍｍ、ｅ＝１５０００ｍｍとして、潮流などの条件を上記と同じとすると、圧力抵抗は約１．０ｔｏｎとなる。更に浸水面における浮体と海水との摩擦抵抗は約０．５ｔｏｎとなる。

また、図１（Ｂ）に示すように、中央の浮体構造物１に連結部材３を介して、流線型にした浮体式構造物１，１ａ，１ｂを３個連結した構造にした場合に、圧力抵抗と摩擦抵抗との和が約４．５ｔｏｎとなる。これは、図２（Ａ）に示す円柱型構造物２１の浮力（約１３６００ｔｏｎ）に比べて、それ以上の浮力（約１３８００ｔｏｎ）が得られて、抵抗が１０４ｔｏｎから４．５ｔｏｎとなって、約９６％も削減される構造となる。また、このように、浮力が大きいので、喫水が少なくなって、ドライドックでの建造が可能となるものである。

また、造波抵抗については、図１（Ａ）に示すように、前記浮体式構造物１の船首を「球状船首」にすることで大幅に抵抗を減少させることができる。このように、流線型の船型を採用することで、浮体式構造物１に潮流による抵抗を大幅に減少させることができたので、図３に示すように、１本の係留チェーン２４と１個のアンカー２５とによる、一点係留アンカーにすることができる。本発明での一点係留方式とは、このことを言うものである。

前記浮体式構造物１を１点係留方式で係留することで、図４（Ａ）に示すように、前記浮体式構造物１，１ａ，１ｂは、常に潮流に対して平行に向くようになる。潮流によって常に抵抗の最小になる方向に自然と向くことができるからである。また、図４（Ｂ）の従来例と比較して、係留チェーン２４で規制されるので占有水域は同じであるが、ウインドファーム化においては、占有水域が重ならないように配置すれば、常に全風力発電装置が同じ方向に向くので、隣接する風力発電の干渉がない。

本発明の浮体式構造物１は、洋上風力発電設備において適用したが、これに限らず他の設備、例えば、電波中継装置や海底資源探査設備にも適用できるものである。

１，１ａ，１ｂ浮体式構造物、
２流線型の船型構造物、
３連結部材、
２１円柱型構造物、
２２立方体構造物、
２３風力発電設備、
２４係留チェーン、
２５アンカー。

Claims

浮体式洋上風力発電における浮体式構造物であって、
前記浮体式構造物の外形形状を、
流線型にしたこと、若しくは、
先端と後端の少なくとも一方を尖らせたり、それらに類似した形状にしたりして潮流抵抗を小さくする船型にしたこと、
を特徴とする浮体式構造物。
浮体式洋上風力発電における浮体式構造物が、連結部材を介して複数個の浮体式構造物を平行に併設して構成されていること、
を特徴とする請求項１に記載の浮体式構造物。
浮体式洋上風力発電における浮体式構造物の形状を、
流線型や先端と後端の少なくとも一方を尖らせたりそれらに類似した形状にしたりして潮流抵抗を小さくする船型を採用することにより、
その浮体式構造物を一点係留とすること、
を特徴とする浮体式構造物の係留方法。