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JP2010240894A - フィルター装置、流路ユニット、流体供給装置及び流体噴射装置 - Google Patents

フィルター装置、流路ユニット、流体供給装置及び流体噴射装置 Download PDF

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JP2010240894A JP2009089615A JP2009089615A JP2010240894A JP 2010240894 A JP2010240894 A JP 2010240894A JP 2009089615 A JP2009089615 A JP 2009089615A JP 2009089615 A JP2009089615 A JP 2009089615A JP 2010240894 A JP2010240894 A JP 2010240894A
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JP2009089615A
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Hiroki Miyajima
弘樹 宮嶋
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】簡易な構成でフィルター部材の有効面積を変化させることのできるフィルター装置、流路ユニット、流体供給装置及び流体噴射装置を提供する。
【解決手段】フィルター装置は、上流側から下流側へ向かうインク流路47,48の途中に設けられたフィルター室44と、フィルター室44内を上流側と下流側とに区分するように張設されたフィルター部材52と、フィルター室44の一壁面を構成し、フィルター室44内の圧力変動に基づいて撓み変位する受圧部54とを備え、受圧部54が圧力変動に基づいてフィルター室44の内方へ変位してフィルター部材52に当接することで、フィルター部材52の有効面積を減少させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、フィルター部材を備えるフィルター装置、流路ユニット、流体供給装置及び流体噴射装置に関する。
流体噴射ヘッドから流体(インク)をターゲットに対して噴射する流体噴射装置として、例えば、インクジェット式プリンターが知られている。こうしたプリンターにあっては、従来、インク流路の途中に流体噴射ヘッド側に異物等が流下することを抑制するためのフィルター部材を備えたプリンターが提案されている(例えば、特許文献1)。
こうしたフィルター部材は、単位時間当たりのインク流量を確保するために、ある程度の有効面積を確保する必要があるが、フィルター部材の有効面積を広くすると、上流側に気泡が滞留してしまうという問題があった。すなわち、特許文献1のプリンターでは、インク流路中の気泡等を排出するために、流体噴射ヘッドを介してインク流路内を吸引する吸引クリーニングを実施するようにしているが、フィルター部材の有効面積が広いために吸引の効果が低下し、上流側の気泡を排出することができなかった。
そのため、特許文献1のプリンターにおいては、フィルター部材の上流側にラミネートフィルムを張設し、さらにその上流側にラミネートフィルムをフィルター部材に対して押し当てる作動体を配置していた。そして、作動体によってラミネートフィルムを強制的にフィルター部材に押し当てることにより、吸引クリーニング時にはフィルター部材の有効面積を減少させるようにしていた。
特開2001−18414号公報
しかし、特許文献1のプリンターにおいては、作動体を作動させるための機構を別途備える必要があった。さらに、作動体を制御するための制御手段も必要となるため、プリンターの構成や制御が複雑になってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成でフィルター部材の有効面積を変化させることのできるフィルター装置、流路ユニット、流体供給装置及び流体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のフィルター装置は、上流側から下流側へ向かう流体流路の途中に設けられたフィルター室と、該フィルター室内を上流側と下流側とに区分するように張設されたフィルター部材と、前記フィルター室の一壁面を構成し、該フィルター室内の圧力変動に基づいて撓み変位する受圧部とを備え、前記受圧部が前記圧力変動に基づいて前記フィルター室の内方へ変位して前記フィルター部材に当接することで、前記フィルター部材の有効面積を減少させる。
この構成によれば、受圧部がフィルター部材に当接することで、フィルター部材の有効面積を減少させることができる。そして、受圧部はフィルター室内の圧力変動に基づいて変位するので、受圧部を変位させるための駆動機構等を備える必要がない。したがって、簡易な構成でフィルター部材の有効面積を変化させることができる。
本発明のフィルター装置において、前記受圧部は、可撓性を有するフィルム部材と、該フィルム部材に固定され、前記フィルター部材に対向するように配置された受圧板とを有する。
この構成によれば、可撓性を有するフィルム部材がフィルター室の圧力変動に伴って変位し、フィルム部材の変位に伴ってフィルター部材に対向するように配置された受圧板がフィルター部材に当接することで、確実にフィルター部材の有効面積を変化させることができる。
本発明のフィルター装置において、前記受圧板は、前記フィルター部材に当接可能な当接面を有し、該当接面の面積は、前記フィルター部材の最大有効面積よりも小さい。
この構成によれば、受圧板の当接面の面積は、フィルター部材の最大有効面積よりも小さいので、フィルター部材の当接面が当接しない部分においては、流体の通過を許容することができる。
本発明のフィルター装置は、前記受圧部を前記フィルター部材から離間する方向に付勢する付勢部材をさらに備える。
この構成によれば、付勢部材の付勢力を調整することによって、受圧部がフィルター部材に当接する圧力条件を調整することができる。
本発明のフィルター装置において、前記フィルター室は、定形性を有する流路形成部材の一側面に上下方向と交差する方向が深さ方向となるように凹み形成された凹部の開口を、フィルム部材によって被覆することで囲み形成され、前記フィルター室の前記流体流路に連通する上流側開口は、前記フィルター部材よりも前記凹部の開口側に位置する上壁側に設けられる一方、前記フィルター室の前記流体流路に連通する下流側開口は、前記フィルター部材よりも前記凹部の底面側に位置する下壁側に設けられる。
この構成によれば、フィルター室は、定形性を有する流路形成部材の一側面に形成された凹部の開口をフィルム部材によって被覆することで囲み形成されるので、簡易な構成でフィルター室を形成することができる。そして、フィルター室の流体流路に連通する上流側開口はフィルター部材よりも凹部の開口側に位置する上壁側に設けられるので、開口を覆うフィルム部材をフィルター部材の上流側の面に対向するように配置することができる。また、フィルター室の流体流路に連通する下流側開口はフィルター部材よりも凹部の底面側に位置する下壁側に設けられるので、気泡をフィルター室の上方側に滞留させることで、下流側開口を通じて気泡がフィルター室の下流側に流化することを効果的に抑制することができる。
上記目的を達成するために、本発明の流路ユニットは、上流側から下流側へ向かう流体流路と、上記フィルター装置とを備えた。
この構成によれば、上記フィルター装置と同様の作用効果を得ることができる。
上記目的を達成するために、本発明の流体供給装置は、上流側から下流側へ向けて流体を供給するための流体流路と、上記フィルター装置とを備えた。
この構成によれば、上記フィルター装置と同様の作用効果を得ることができる。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置は、流体を収容した流体収容体と、前記流体を噴射可能な流体噴射ヘッドと、前記流体収容体から前記流体噴射ヘッドへ向けて前記流体を供給するための流体流路と、上記フィルター装置とを備えた。
この構成によれば、上記フィルター装置と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の流体噴射装置において、前記流体流路の前記流体収容体と前記フィルター装置との間となる位置に設けられた流動圧調整バルブと、前記流体噴射ヘッドを介して前記流体流路内を下流側から吸引することにより、前記流体流路内に負圧を生じさせる負圧発生装置とを備え、前記流動圧調整バルブは、常時は閉弁状態とされて前記流体の供給を遮断するとともに、前記流体噴射ヘッドからの前記流体の噴射に伴って、該流動圧調整バルブよりも下流側の前記流体流路内に負圧が生じた場合には開弁状態とされて前記流体の供給を許容し、前記受圧部は、前記流体の噴射に伴って前記フィルター室内に負圧が生じた場合には前記フィルター部材に当接しないが、前記負圧発生装置が前記流体流路内を吸引することによって前記フィルター室内に負圧が生じた場合には前記フィルター部材に当接する。
この構成によれば、受圧部は、流体の噴射に伴ってフィルター室内に負圧が生じた場合にはフィルター部材に当接しないので、流体噴射ヘッドから流体を噴射する際には、有効面積が広い状態で十分な流体を供給することができる。一方、負圧発生装置が流体流路内を吸引することによってフィルター室内に負圧が生じた場合には、受圧部がフィルター部材に当接するので、負圧発生装置による吸引クリーニング時には、気泡が残留しないようにフィルター部材の有効面積を小さく変化させることができる。
実施形態におけるインクジェット式プリンターの平面図。 バルブユニットの構成を説明するための模式図。 バルブユニットの側面図。 図3におけるA−A線矢視断面図で、(a)は、フィルター室内に負圧が生じていない場合、(b)はインク噴射によりフィルター室内に負圧が生じている場合、(c)は吸引クリーニングによりフィルター室内に負圧が生じている場合を示す。
以下、本発明の流体噴射装置をインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という)に具体化した実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、各図中に矢印で示した方向を基準として示すものとする。
図1に示すように、プリンター11は、略矩形箱状をなす本体ケース12を備えるとともに、この本体ケース12内の前方下部には、プラテン13が主走査方向となる本体ケース12の長手方向(図1において左右方向)に沿って配設されている。プラテン13は、記録用紙などの記録媒体Pを支持する支持台であって、このプラテン13上には、図示しない紙送り機構により記録媒体Pが主走査方向と直交する副走査方向(前方向)に給送されるようになっている。
本体ケース12内においてプラテン13の後部上方には、主走査方向に延びる棒状のガイド軸14が架設され、このガイド軸14にはキャリッジ15が主走査方向へ移動可能な状態で支持されている。また、本体ケース12内の後方側面においてガイド軸14の両端部と対応する位置には、駆動プーリ16及び従動プーリ17が回転自在に支持されている。駆動プーリ16にはキャリッジモータ18が連結されているとともに、対をなすプーリ16,17間には無端状のタイミングベルト19が掛装されている。そして、キャリッジ15の後端側はタイミングベルト19に接続されているので、キャリッジモータ18の駆動により、キャリッジ15はガイド軸14に沿って主走査方向に往復移動するようになっている。
本体ケース12内の一端側(図1では右端側)には箱形のカートリッジホルダ20が設けられている。カートリッジホルダ20には、流体としてのインクを収容した流体収容体としてのインクカートリッジ21が、インクの色毎に複数個(本実施形態においては4個)、着脱可能に装着されている。
各インクカートリッジ21はカートリッジホルダ20に装着されることで、インク供給チューブ22の上流端に接続されるようになっている。また、各インク供給チューブ22の下流端は、キャリッジ15上に搭載されたバルブユニット23の上流側と接続されるとともに、バルブユニット23の下流側はキャリッジ15の下面側に設けられた流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド24に接続されている。そして、記録ヘッド24の下面にて構成されるノズル形成面(図示略)には、複数のノズル開口(図示略)が形成されている。
バルブユニット23は、記録ヘッド24に各色のインクを安定して供給するための流動圧調整機構を備えたもので、ノズル開口からインクが噴射されて、バルブユニット23の下流側に負圧が生じた場合には、その負圧を解消する分量のインクを記録ヘッド24側に供給することで、インクの流動圧を調整するようになっている。また、本実施形態において、バルブユニット23は流路ユニット及び流体供給装置を構成している。
カートリッジホルダ20とプラテン13との間、すなわち、記録媒体Pが至らない非印刷領域には、プリンター11の電源オフ時や記録ヘッド24をメンテナンスする場合にキャリッジ15の待機場所となるホームポジションHPが設けられている。また、キャリッジ15がホームポジションHPに配置されたときの下方となる位置には、記録ヘッド24のメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット25が備えられている。
メンテナンスユニット25はキャップ26及び吸引ポンプ27等を構成要素として備え、キャリッジ15がホームポジションHPに配置された場合には、キャップ26が記録ヘッド24に対してノズル開口を囲むように当接して、ノズル開口を保護するようになっている。また、キャップ26が記録ヘッド24に当接した状態で吸引ポンプ27を駆動することで、記録ヘッド24内にある増粘したインクや気泡などを排出させる吸引クリーニングが行われるようになっている。なお、本実施形態において、キャップ26及び吸引ポンプ27によって負圧発生装置が構成されている。
カートリッジホルダ20の上側には、加圧ポンプ28が配置されている。加圧ポンプ28には空気供給路29の上流端が接続されているとともに、空気供給路29の途中位置には圧力検出器30及び大気開放弁31が接続されている。また、空気供給路29は大気開放弁31の下流側に配設された分配器32を境にインクカートリッジ21の個数と同数に分岐されている。
分岐された各空気供給路29は、それぞれの下流端が各々対応するインクカートリッジ21に接続されている。加圧ポンプ28の駆動によって生成された加圧空気は空気供給路29を介してインクカートリッジ21内に圧送されるとともに、加圧空気の加圧力によって、インクカートリッジ21に収容されたインクが記録ヘッド24側に加圧供給されるようになっている。
そして、副走査方向に記録媒体Pを所定距離搬送する搬送処理と、キャリッジ15とともに主走査方向に沿って移動する記録ヘッド24のノズル開口からインクを噴射する印刷処理とを交互に行うことにより、記録媒体Pに対する記録処理が実行されるようになっている。
次に、バルブユニット23の構成について説明する。
図2に示すように、バルブユニット23は樹脂材料からなる定形性の流路形成部材35を備えている。
流路形成部材35の上面には、インク供給チューブ22の下流端が接続される接続部36が設けられている。そして、流路形成部材35の右面には、接続部36の下方となる位置に凹部37が形成されている。また、流路形成部材35の左面には、凹部37の左方となる位置に、凹部37よりも開口面積の大きい凹部38が形成されているとともに、凹部37の下方となる位置には、凹部38よりもさらに開口面積の大きい凹部39が形成されている。なお、凹部37,38,39は何れも上下方向と交差する左右方向が深さ方向となるように凹み形成されている。 そして、凹部37の開口が封止部材40で封止されることでインク供給室41が囲み形成されるとともに、凹部38,39の開口が可撓性を有するフィルム部材42によって被覆されることで流体流路を構成する圧力室43及びフィルター室44がそれぞれ囲み形成されるようになっている。なお、フィルム部材42は、圧力室43内及びフィルター室44内の圧力変動に応じて撓み変位が可能なように、余裕を持たせた状態で流路形成部材35に対して溶着されている。
接続部36とインク供給室41との間は、流体流路としてのインク流路45によって接続されている。また、インク供給室41は連通孔46を通じて圧力室43と連通しているとともに、圧力室43とフィルター室44とは流体流路としてのインク流路47によって接続されている。さらに、フィルター室44は、下流側が記録ヘッド24に接続された流体流路としてのインク流路48の上流側に接続されている。
すなわち、インク供給チューブ22を通じて加圧供給されたインクは、流路形成部材35において上流側となるインク流路45から、インク供給室41、連通孔46、圧力室43、インク流路47、フィルター室44、インク流路48を順次流れて、下流側となる記録ヘッド24側に供給されるようになっている。
インク供給室41と圧力室43の間には、閉弁状態となることにより連通孔46を閉鎖する流動圧調整バルブとしての弁体49が配置されている。また、インク供給室41内には、弁体49を常には閉弁状態となる方向に付勢するコイルばね50が配設されている。そして、弁体49は、常時はコイルばね50の付勢力によって閉弁状態とされて圧力室43へのインクの供給を遮断している。
また、圧力室43の一壁面を構成するフィルム部材42の中心付近には、弁体49と対向するように受圧板51が溶着されているとともに、受圧板51は常時はコイルばね50aの付勢力によって、弁体49から離間する位置に保持されている。受圧板51は、記録ヘッド24からのインクの噴射に伴って圧力室43内に一定以上の負圧が生じた場合には、フィルム部材42が圧力室43の内方へ変位するのに伴って、コイルばね50,50aの付勢力に抗して弁体49を押圧するようになっている。そして、受圧板51の押圧によって弁体49が開弁状態とされると、インク供給室41から連通孔46を通じて圧力室43側にインクが供給されることで、圧力室43内の負圧が解消されるようになっている。
次に、バルブユニット23に備えられたフィルター装置について説明する。
図2に示すように、フィルター室44内には、フィルター室44内を上流側と下流側とに区分するようにフィルター部材52が張設されている。そして、フィルター室44のインク流路47に連通する上流側開口47aは、フィルター部材52よりも凹部39の開口側に位置する上壁39a側に設けられている。また、フィルター室44のインク流路48に連通する下流側開口48aは、フィルター部材52よりも凹部39の底面(フィルター室44の側壁39b)側に位置する下壁39c側に設けられている。すなわち、フィルター部材52は、フィルター室44を左右方向に区画するように張設されるとともに、フィルム部材42はフィルター部材52の上流側の面52aに対向するように配置されている。
フィルム部材42のフィルター部材52に対向する右面側には、フィルター部材52の上流側の面52aに対向するように受圧板53が溶着により固定されている。そして、フィルター室44の一壁面を構成するフィルム部材42と受圧板53とによって、本実施形態の受圧部54が構成されている。
フィルター室44の受圧部54と対向する側壁39bからは、受圧部54側に向けて円柱形状の基台部56が突設されている。そして、基台部56と受圧板53との間には、受圧部54をフィルター部材52から離間する方向に付勢する付勢部材57が配設されている。なお、本実施形態において、フィルター室44、フィルター部材52、受圧部54及び付勢部材57によってフィルター装置が構成されている。
受圧板53には基台部56と対向する部分に凹部58が設けられている。そして、付勢部材57の左端側はこの凹部58内に収容される態様となっている。また、受圧板53はフィルター部材52の上流側の面52aに当接可能な当接面59を有している。
図3に示すように、凹部39は上方側が先細りとなるように形成されている。これにより、フィルター室44内に気泡が流入した場合にも、下流側開口48aを通じて気泡が流下することがないように、フィルター室44の先細りとなった上側部分に気泡が滞留するようになっている。そして、受圧板53も凹部39の形状に併せて上側が先細りとなる略台形状に形成されているとともに、受圧板53の当接面59の面積は、フィルター部材52の最大有効面積よりも小さくなっている。なお、図3においては、凹部39の形状等を明示するために、フィルム部材42の図示を省略している。
次に、以上のように構成されたバルブユニット23の作用について説明する。
プリンター11においては、印刷処理の準備動作として、バルブユニット23内にインクが充填される。この段階では、弁体49がコイルばね50の付勢力によって閉弁状態とされることでインク供給室41から圧力室43側へのインクの供給が遮断された状態になっている。
そして、印刷処理が開始され、一定量のインクが消費されると、圧力室43より下流側の領域で負圧が生じる。すると、圧力室43内の圧力変動に伴って変位した受圧板51が弁体49を開弁状態となる方向に押圧する。そして受圧板51の押圧によって弁体49が開弁状態とされると、インク供給室41から圧力室43側へインクが供給される。これにより圧力室43内の負圧が解消されるため、受圧板51は圧力室43の外方へ向かって変位し、弁体49は元の閉弁状態に戻る。
印刷処理時には、このように弁体49が開弁動作及び閉弁動作を繰り返すことにより、ノズル開口から噴射される各色のインクの消費量に応じて、適切な量のインクが安定して記録ヘッド24に供給されるようになっている。
次に、本実施形態のフィルター装置の作用について説明する。
印刷処理に伴って圧力室43から記録ヘッド24側へインクが供給される際、インクはフィルター室44内に張設されたフィルター部材52を通過することにより、異物や気泡等が除かれてノズル開口の目詰まりや気泡によるドット抜けなどが抑制されるようになっている。
また、印刷処理の終了時などには、吸引ポンプ27の駆動によって印刷処理時よりも速い速度で急激にインクを流動させることにより、記録ヘッド24内やフィルター室44内に滞留している気泡等を強制排出させる吸引クリーニングが行われる。このとき、フィルター室44においては、フィルター部材52による圧力損失を考慮して流路の断面積(すなわちフィルター部材52の有効面積)がインク流路47,48よりも大きくなっているため、吸引クリーニング時のインクの流速を低下させてしまうという問題が生じる。
本実施形態のフィルター装置は、こうした問題を解決するため、印刷処理時にはフィルター部材52の有効面積を大きく確保する一方で、吸引クリーニング時にはフィルター部材52の有効面積が小さくなるように、フィルター室44内の圧力変動に応じてフィルター部材52の有効面積が変化するようになっている。
具体的には、印刷処理が実行される前の段階においては、フィルター室44内に負圧は生じていないので、フィルター室44の受圧部54は、図4(a)に示すように付勢部材57の付勢力によってフィルター部材52から離間した状態となっている。
そして、印刷処理が開始されると、図4(b)に示すように、同図中に矢印で示す方向に流れるインクがフィルター部材52を通過して下流側に供給されるとともに、インクの噴射に伴ってフィルター室44内に生じた負圧によって、受圧部54がフィルター室44の内方へ変位する。ただし、この時の負圧によっては、受圧板53がフィルター部材52に当接しないように、付勢部材57の付勢力が調整されている。したがって、印刷処理時には、フィルター部材52が最大有効面積にて濾過機能を発揮しつつ、記録ヘッド24側にインクを供給することができる。
一方、吸引クリーニング時には、吸引ポンプ27の駆動に伴って、記録ヘッド24を介してインク流路48内が下流側から吸引されることにより、インク流路48内に負圧が生じる。このとき、フィルター室44内にも負圧が生じるため、図4(c)に示すように、同図中に矢印で示す方向にインクが流れるとともに、受圧部54がフィルター室44の内方へ変位してフィルター部材52に当接する。
ここで、吸引クリーニング時にフィルター室44内に生じる負圧は、印刷処理時に生じる負圧よりも大きいため、吸引クリーニング時には印刷処理時よりも受圧部54の変位量が大きくなる。そして、吸引クリーニング時に発生する負圧によって受圧板53が付勢部材57の付勢力に抗してフィルター部材52に当接する位置まで変位するように、付勢部材57の付勢力が調整されている。
したがって、吸引クリーニング時には、受圧部54を構成する受圧板53がフィルター部材52に当接することで、フィルター部材52の有効面積が減少する。そして、受圧板53の当接面59の面積はフィルター部材52の最大有効面積よりも小さいので、フィルター部材52の当接面59が当接しない部分においては、インクの通過が許容される。
その結果、フィルター部材52の通過を許容されたインクは流速を増すことになるので、フィルター室44内に滞留した気泡等を効果的に排出することができる。さらに、受圧板53はフィルター部材52の上流側の面52aに当接するので、フィルター部材52の上流側に滞留している気泡を下流側に押し出す効果がある。
上記説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)受圧部54がフィルター部材52に当接することで、フィルター部材52の有効面積を減少させることができる。そして、受圧部54はフィルター室44内の圧力変動に基づいて変位するので、受圧部54を変位させるための駆動機構等を備える必要がない。したがって、簡易な構成でフィルター部材52の有効面積を変化させることができる。
(2)可撓性を有するフィルム部材42がフィルター室44の圧力変動に伴って変位し、フィルム部材42の変位に伴ってフィルター部材52に対向するように配置された受圧板53がフィルター部材52に当接することで、確実にフィルター部材52の有効面積を変化させることができる。
(3)受圧板53の当接面59の面積は、フィルター部材52の最大有効面積よりも小さいので、フィルター部材52の当接面59が当接しない部分においては、インクの通過を許容することができる。
(4)付勢部材57の付勢力を調整することによって、受圧部54がフィルター部材52に当接する圧力条件を調整することができる。
(5)フィルター室44は、定形性を有する流路形成部材35の一側面に形成された凹部39の開口をフィルム部材42によって被覆することで囲み形成されるので、簡易な構成でフィルター室44を形成することができる。そして、フィルター室44のインク流路47に連通する上流側開口47aはフィルター部材52よりも凹部39の開口側に位置する上壁39a側に設けられるので、フィルム部材42をフィルター部材52の上流側の面52aに対向するように配置することができる。また、フィルター室44のインク流路48に連通する下流側開口48aはフィルター部材52よりも側壁39b側に位置する下壁39c側に設けられるので、気泡をフィルター室44の上方側に滞留させることで、下流側開口48aを通じて気泡がフィルター室44の下流側に流化することを効果的に抑制することができる。
(6)受圧部54は、インクの噴射に伴ってフィルター室44内に負圧が生じた場合にはフィルター部材52に当接しないので、記録ヘッド24からインクを噴射する際には、有効面積が広い状態で十分なインクを供給することができる。一方、インク流路48内を吸引することによってフィルター室44内に負圧が生じた場合には、受圧部54がフィルター部材52に当接するので、吸引クリーニング時には、気泡が残留しないようにフィルター部材52の有効面積を小さく変化させることができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・吸引クリーニングを実行するのは印刷処理の終了時に限らず、例えば印刷処理を一定時間又は一定量行う毎に実行するようにしてもよい。
・フィルター室44の上流側に電磁弁等を備えた、いわゆるチョーククリーニングを実行可能なプリンター11に上記フィルター装置を適用するようにしてもよい。この場合にも、圧力変動に応じてフィルター部材52の有効面積が変化されるので、効果的にクリーニングを行うことができる。
・フィルター部材52によってフィルター室44が上下方向に区画されるようにしてもよい。
・付勢部材57を備えない構成としてもよい。この場合には、基台部56を備える必要はない。
・凹部39の開口、側壁39b及び受圧板53の形状は略台形状に限らず、例えば円形など、任意の形状とすることができる。
・上記実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
11…流体噴射装置としてのプリンター、21…流体収容体としてのインクカートリッジ、24…流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、35…流路形成部材、39…凹部、39a…上壁、39b…凹部の底面としての側壁、39c…下壁、45,47,48…流体流路としてのインク流路、42…フィルム部材、44…流体流路を構成するフィルター室、47a…上流側開口、48a…下流側開口、49…流動圧調整バルブとしての弁体、52…フィルター部材、53…受圧板、54…受圧部、57…付勢部材、59…当接面。

Claims (9)

  1. 上流側から下流側へ向かう流体流路の途中に設けられたフィルター室と、
    該フィルター室内を上流側と下流側とに区分するように張設されたフィルター部材と、
    前記フィルター室の一壁面を構成し、該フィルター室内の圧力変動に基づいて撓み変位する受圧部とを備え、
    前記受圧部が前記圧力変動に基づいて前記フィルター室の内方へ変位して前記フィルター部材に当接することで、前記フィルター部材の有効面積を減少させることを特徴とするフィルター装置。
  2. 前記受圧部は、可撓性を有するフィルム部材と、該フィルム部材に固定され、前記フィルター部材に対向するように配置された受圧板とを有することを特徴とする請求項1に記載のフィルター装置。
  3. 前記受圧板は、前記フィルター部材に当接可能な当接面を有し、
    該当接面の面積は、前記フィルター部材の最大有効面積よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載のフィルター装置。
  4. 前記受圧部を前記フィルター部材から離間する方向に付勢する付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のフィルター装置。
  5. 前記フィルター室は、定形性を有する流路形成部材の一側面に上下方向と交差する方向が深さ方向となるように凹み形成された凹部の開口を、フィルム部材によって被覆することで囲み形成され、
    前記フィルター室の前記流体流路に連通する上流側開口は、前記フィルター部材よりも前記凹部の開口側に位置する上壁側に設けられる一方、前記フィルター室の前記流体流路に連通する下流側開口は、前記フィルター部材よりも前記凹部の底面側に位置する下壁側に設けられることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のフィルター装置。
  6. 上流側から下流側へ向かう流体流路と、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のフィルター装置とを備えたことを特徴とする流路ユニット。
  7. 上流側から下流側へ向けて流体を供給するための流体流路と、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のフィルター装置とを備えたことを特徴とする流体供給装置。
  8. 流体を収容した流体収容体と、前記流体を噴射可能な流体噴射ヘッドと、前記流体収容体から前記流体噴射ヘッドへ向けて前記流体を供給するための流体流路と、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のフィルター装置とを備えたことを特徴とする流体噴射装置。
  9. 前記流体流路の前記流体収容体と前記フィルター装置との間となる位置に設けられた流動圧調整バルブと、
    前記流体噴射ヘッドを介して前記流体流路内を下流側から吸引することにより、前記流体流路内に負圧を生じさせる負圧発生装置とを備え、
    前記流動圧調整バルブは、常時は閉弁状態とされて前記流体の供給を遮断するとともに、前記流体噴射ヘッドからの前記流体の噴射に伴って、該流動圧調整バルブよりも下流側の前記流体流路内に負圧が生じた場合には開弁状態とされて前記流体の供給を許容し、
    前記受圧部は、前記流体の噴射に伴って前記フィルター室内に負圧が生じた場合には前記フィルター部材に当接しないが、前記負圧発生装置が前記流体流路内を吸引することによって前記フィルター室内に負圧が生じた場合には前記フィルター部材に当接することを特徴とする請求項8に記載の流体噴射装置。
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