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JP2010055719A - 抵抗変化メモリ装置 - Google Patents

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JP2010055719A JP2008221620A JP2008221620A JP2010055719A JP 2010055719 A JP2010055719 A JP 2010055719A JP 2008221620 A JP2008221620 A JP 2008221620A JP 2008221620 A JP2008221620 A JP 2008221620A JP 2010055719 A JP2010055719 A JP 2010055719A
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Abstract

【課題】大容量ファイルメモリの実現に好ましい抵抗変化メモリ装置を提供する。
【解決手段】抵抗変化メモリ装置は、互いに交差するワード線とビット線、及びそれらの交差部に配置された抵抗変化型メモリセルを有するマットが複数層積層され、各マット内に所定の抵抗値状態に設定された参照セルと前記参照セルにつながる参照ビット線とを有するセルアレイと、前記セルアレイの各マット内のワード線を選択し、その選択ワード線と交差する一つのビット線と前記参照ビット線とを同時に選択する選択回路と、前記選択されたビット線上の選択メモリセルと前記参照ビット線上の前記参照セルとのセル電流比較によりデータセンスを行うセンスアンプと、を有する。
【選択図】図21

Description

この発明は、抵抗変化メモリ装置に係り、特にメモリセルを三次元配列してなるセルアレイブロックを有するメモリ装置に関する。
最近、電圧、電流や熱などで物質の抵抗状態を変えて、その抵抗状態をデータとして利用する抵抗変化メモリ(Resistance RAM;ReRAM)がNAND型フラッシュメモリの後続候補として注目されている(例えば、非特許文献1参照)。抵抗変化メモリは微細化に向いていると同時に、クロスポイントセルを構成できる上に積層化が容易であり、大容量ファイルメモリとして利用価値が高いと考えられる。
しかし、メモリセルの記憶層として利用する可変抵抗素子(抵抗変化物質)は、一度強い電圧を印加しないと安定した抵抗変化を示さない、という性質を有する場合がある。また、三次元的にセルアレイを構成して大容量ファイルメモリを実現する場合を考えると、メモリセルのアクセス素子として用いられるダイオードの逆バイアス時のリーク電流が、待機セル数の増加と共に無視できない大きさとなる。従って、リーク電流の影響を考慮したアクセス方式の工夫が必要であり、NAND型フラッシュメモリよりも高速かつ大容量のファイルメモリを実現するには、データ転送方式にも工夫が必要である。
Y. Hosoi et al, "High Speed Unipolar Switching Resistance RAM(RRAM) Technology" IEEE International Electron Devices Meeting 2006 Technical Digest p.793-796.
この発明は、大容量ファイルメモリの実現に好ましい抵抗変化メモリ装置を提供することを目的とする。
この発明の一態様による抵抗変化メモリ装置は、
互いに交差するワード線とビット線、及びそれらの交差部に配置された抵抗変化型メモリセルを有するマットが複数層積層され、各マット内に所定の抵抗値状態に設定された参照セルと前記参照セルにつながる参照ビット線とを有するセルアレイと、
前記セルアレイの各マット内のワード線を選択し、その選択ワード線と交差する一つのビット線と前記参照ビット線とを同時に選択する選択回路と、
前記選択されたビット線上の選択メモリセルと前記参照ビット線上の前記参照セルとのセル電流比較によりデータセンスを行うセンスアンプと、
を有することを特徴とする。
この発明の他の態様による抵抗変化メモリ装置は、
互いに交差するワード線とビット線、及びそれらの交差部に配置された抵抗変化型メモリセルを有するマットが複数層積層されたセルアレイと、
前記セルアレイと外部とのデータ転送経路に設けられた3系統のバッファレジスタとを備え、
前記セルアレイと前記各バッファレジスタとの間では一括データ転送が行われ、前記各バッファレジスタと外部との間では、クロック同期によるバーストデータ転送が行われる
ことを特徴とする。
この発明によると、大容量ファイルメモリの実現に好ましい抵抗変化メモリ装置を提供することが出来る。
以下は、この発明の実施の形態の概要である。
・大容量ファイルメモリを実現するためには、抵抗変化型メモリセルを三次元的に配列したセルアレイを用いる。セルアレイは好ましくは、三次元セルアレイブロックをユニットとして、これを更に二次元的に配列して構成される。
・抵抗変化型メモリセルの状態を安定化させる初期設定動作として、所定の電圧印加によりメモリセルを所定の抵抗状態、例えば低抵抗状態(セット状態)に設定するフォーミングを行う。
・リーク電流の影響を抑えたデータセンスを行うために、セルアレイブロックのマット内でワード線とビット線が選択されたとき、同じワード線により駆動される、同じ面内で参照セにつながる参照ビット線が同時に選択されるようにし、この選択ビット線と参照ビット線との間で電流比較型センスアンプによるセル電流比較によってデータセンスを行う。
・高速のデータ転送が可能なメモリシステムを構成するために、少なくとも3系統のバッファレジスタを用意して、セルアレイとバッファレジスタの間は一括データ転送とし、バッファレジスタと外部との間は、クロック同期によるバーストデータ転送とする。そのデータ転送のタイミングとシークエンスを規定することで、高速データ転送を実現する。
次に、以下の実施の形態に用いる主な技術用語を定義する。
・ワード線;クロスポイントセルのダイオードのカソード側につながる選択信号線。
・ビット線;クロスポイントセルのダイオードのアノード側につながる、センスアンプ側の選択信号線。
・マット;3Dセルアレイブロックを構成する単位層のセルアレイマトリクス。
・セルアレイブロック;積層された複数マットからなり、共通の制御回路を共用するメモリセルのまとまり。
・フォーミング;セルの初期設定動作として、電圧印加により低抵抗状態に設定する動作モード。
・一括セット;複数セルをまとめてセット状態に設定する書き込み。
以下、具体的な実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、メモリセルが三次元的に配列された3Dセルアレイブロック1と、その下地半導体基板に形成される制御回路2の構成を示している。3Dセルアレイブロック1の選択信号線であるワード線WLとビット線BLは、セルアレイブロックの4辺に設けられた垂直配線領域で、下地制御回路2に接続されている。
セルアレイブロック1の単位層(即ちマット)を等価回路で示すと、図2のようになり、ワード線WLとビット線BLの各クロスポイントにメモリセルMCを配置して構成される。メモリセルMCは、ダイオードDiと可変抵抗素子VRの直列接続により構成され、ここではダイオードDiのアノード側信号線をビット線BL、カソード側信号線をワード線WLと定義している。
制御回路2は、ビット線両端に対応してビット線デコーダ/マルチプレクサ回路21a,21bを有する。即ちセルアレイブロック1の両端で基板に下ろされたビット線は、これらのビット線デコーダ/マルチプレクサ21a,21bで外部からのアドレス信号とコマンドに従って選択されて電位設定され、バス22a,22bを経てセンスアンプ回路23に入力される。
読み出し時は、後に説明するように、電流センス方式のセンスアンプ回路23がセル電流と参照電流の比較によりデータをセンスする。書き込み時はセンスアンプ回路23及びデコーダ/マルチプレクサ回路21a,21bが選択セルに適切な書き込み電圧や電流を供給する。
制御回路2のワード線方向両端部には、ワード線デコーダ/ドライバ24a,24bがある。即ちセルアレイブロック1の両端で基板に下ろされたワード線は、これらのワード線デコーダ/ドライバ24a,24bに入り、外部アドレスやコマンドに従ってワード線レベルが選択的に設定される。
外部とのデータやり取りを行うバス領域22a,22bは、この例ではビット線デコーダ/マルチプレクサ回路21a,21bとセルアレイブロック1との間に設けた隙間に設定している。従ってビット線は、ビット線デコーダ/マルチプレクサ回路21a,21bからセルアレイブロック1に到達すまでの間にバス領域22a,22bの上空を通過していくことになる。
ビット線信号はこのバス領域22a,22bを経てセルアレイ直下の基板上に設けられたセンスアンプ回路23に送られ、ここでセンス増幅または書込みではデータに従った書き込み電圧や電流に変換される。センスアンプ回路23は、バス領域22a,22bを経てセルアレイブロック外部とのデータのやり取りを行なう。
図3は、制御回路2におけるセンスアンプとデータバスの関係を示している。セルアレイブロック1を構成する単位層即ちマットの大きさは、2k本のワード線WLと1k本のビット線BLによって構成される2Mbのセルマトリクスであり、これが最小のセルのまとまりの単位となる。またセンスアンプ回路23の領域には、2つのセンスアンプSA1,SA2が設けられ、それぞれにマットのビット線両端部からビット線デコーダ/マルチプレクサ回路21a,21bをとおしてビット線が接続される。
すなわち1本のワード線WLがワード線ドライバ24a又は24bにより選択されると、2本のビット線BLが両辺から1本ずつ選択され、2つのセルがアクセスされることになる。バス22a,22bにワード線WLやビット線BLを選択するアドレス信号線とビット線BLから選択接続されたデータ線などが走るが、ビット線デコーダ/マルチプレクサ回路21a,21bとワード線ドライバ24a,24bの交差部領域には、ワード線ドライバを選択駆動するプリデコーダ25a−25dが配置される。
メモリセルアレイ全体は、図1に示したセルアレイブロック1を更に複数個二次元に配列して構成される。このメモリ全体を表示する便宜上、以下にはセルアレイブロックを8つまとめた表示を用いるが、このときのデータバスとの関係を、図4に示した。
各セルアレイブロック0−7は、それぞれ2Mbである。8つのセルアレイブロック0−7は、上側の4つ,0−3,または下側の4つ,4−7,が同じバス領域に対して選択され、同時選択されたブロックからはそれぞれ1Byteのデータが出てくる。セルアレイブロックのビット線デコーダ/マルチプレクサ回路を貫通して走るバスは、それぞれ2Byteであるが、これら8つのセルアレイブロック全体を一つにまとめた16MbのブロックBの表示では、その上下に4Byteバスbus1,bus2として示される。
更に、図5に示すように、16Mbのブロックが4つ(B0−B3)並べられ、即ち32セルアレイブロックを単位として、それらの4Byteバスbus1,bus2は、縦方向に走る16Byteバスbus3(又は8Byteバスbus4)に接続される。
図6は、一つのマット内でのワード線WLとビット線BLの関係を示している。ワード線WLは、図の左右の辺から交互に配線され、ビット線BLは上下の辺から交互に配線され、その交点にメモリセルがクロスポイントセルとして配置される。セルの選択はセンスアンプの異なるビット線BLに対して行なわれるので、図の太線で示す選択ワード線WLsに対して2本の太線で示すビット線BLs1,BLs2が、それぞれ異なるセンスアンプにつながるものとして同時に選択される。
連続したアクセスではセル選択の度にセンスアンプはサイクルを繰り返すので、ワード線WLを頻繁に変えるより一定のワード線WLの選択状態を維持してビット線選択を変更してアクセスを繰り返した方が、ワード線WLレベルの変更に伴う信号変動と回路動作の電力消費が抑制され、低消費電力動作を実現する上で好ましい。また、ビット線選択が切り替わる際に、同じワード線選択状態でワード線ドライバの負荷状態(CR時定数)が大きく変化しないようなビット線スキャンを行うことが好ましく、例えば、2本のビット線選択は、マットの中央(ワード線長手方向の中央)に対して左右対称的に行われるようにする。
図7は、セルアレイブロックとデータバスとの関係を実際のメモリチップ構成例について示す。先に図4及び図5で説明したように、8個のセルアレイブロック(2Mb)をまとめて4角の1ブロック(16Mb)として表示する方法で、8Gb×mのメモリチップ例を表している。
具体的には、16Mbのブロックが、x方向に32個、y方向に16個並べたマトリクスとなっている。即ち一層で8Gbのセルを持ち、マット数(積層数)をmとすれば、8Gb×mの容量のメモリである。
この例は全体のメモリマットのうち1層が選択され、その中で4分の1の分割動作を行っている。図の斜線を施した部分があるアクセスのときに同時活性化されるアレイ部分を示している。即ちチップの中でなるべく均等に活性化が行われる例である。
x方向の4ブロックごとに設けられるy方向のバス領域は、1本16Byteのバスが4本であり、同時活性化されたマット合わせて32Byte×8のビットデータが同時に転送される。
外部とのデータIOは8ビット構成であり、各IOビットは図では示さないが転送の中間をなす32Bの規模の3つのバッファレジスタを介して外部とデータ転送を行う。これによって7.5nsのクロックサイクルで133MbpsのIOごとのデータ転送効率が実現でき、チップとしては133MB/sのデータ転送を達成できる。このデータ転送方法の詳細は後に説明する。
図8は、マット積層数をmとして8Gb×mの容量のメモリチップの第2の例である。この例では全体のメモリからマットは1層が選択され、その中で2分の1の分割動作を行っている。即ち図の斜線を施した部分があるアクセスのときに同時活性化されるアレイ部分である。この場合もチップの中でなるべく均等になる活性化が行われる。
x方向の4ブロックごとに設けられるy方向のバス領域は1本8Byteのバスが4本であり、同時活性化されたマットから16Byte×8のビットデータが同時に転送される。
外部とのデータIOは8ビット構成であり、各IOビットは図では示さないが転送の中間をなす16Bの規模の3つのバッファレジスタを介して外部とデータ転送を行う。これによって15nsのクロックサイクルで66MbpsのIOごとのデータ転送効率が実現でき、チップとしては66MB/sのデータ転送を達成できる。この方法の詳細も後に説明する。
図9は、各セルアレイブロック間に配置されてワード線選択を行う部分ロウデコーダ部の構成例である。これはセルアレイブロック間の回路であるので出来るだけ簡単な構成で、必要最小限の機能を満たすように構成することが重要となる。ここでは、ワード線WLの層ごとに個別にワード線選択する場合を想定して構成している。
x方向に走るメインワード線信号MWLiは、全てのセルアレイブロックで使用される共通の信号であり、これらは図に示していないメインワード線デコーダにより選択される。図9に示されているのは、これらのメインワード線MWLi信号をデコードして選択セルアレイで固有の信号とする部分ロウデコーダである。即ち各点線で囲まれた部分がワード線ドライバ91であり、デコード回路92で選択されたワード線ドライブ信号WDRVjがこのワード線ドライバ91を介して、ワード線に供給される。
図9では、3DセルアレイブロックのWL層ごとの垂直配線が基板の回路部に落ちてきて接続するワード線コンタクトWCを示しており、これにワード線ドライバ91の各ドライバトランジスタが接続される。
ここでは、マットが8層mat0−7のメモリセルアレイを想定している。セルアレイブロックごとにWL層WL0,WL12,WL34,WL56,WL7を選択する信号がmat_0,mat_12,mat_34,mat_56,mat_7の5系列あり、デコーダ回路92は、これらのマット選択信号とワード線ドライブ信号WDRV_0〜7の論理により、特定層のワード線を選択駆動する。デコーダ回路92はセルアレイブロックの両側に同じ型の回路で構成されるが、ここではその一方のみを示している。
デコーダ回路92の各ゲートは、NANDゲート様であり、図ではこれをシンボル化して示している。即ち信号cによって出力が電源Vdに繋がり、信号aとbのNAND論理で出力が電源Vsに繋がるゲートである。このゲート出力とx方向の複数のセルアレイブロックに共通のメインワード線選択信号MWLiによって選択されゲート出力が入力となるワード線ドライバ91により、各ワード線のフローティング状態、電源Vdへの接続、電源Vsへの接続がワード線毎に制御される。
なお電源Vdは、本来の電源電圧Vddからセルを構成するダイオードの順方向バイアスVf程度低い値を表す。電源電圧VssよりダイオードのVf程度高い値は、Vsで表す。これらは必要以上にダイオードに電圧を与えないようにするための電源である。
点線で囲ったワード線ドライバ91は、メインワード線信号の数だけ繰り返される。なお、ワード線WLはひとつのセルアレイブロックの両辺から交互に引き出されるので、図のデコーダ回路を挟む左右のセルアレイブロックはレイアウト的には一般的に左右反転した形になる。
図9のデコーダ回路92には、ワード線ドライブ信号WDRV_0〜3が入り、隣のデコード回路(図示せず)には、ワード線ドライブ信号WDRV_4〜7が入る。これにより、メインワード線あたりひとつのセルアレイブロックで8本のワード線WLを選択駆動することになる。
次に、メモリセルの初期設定動作であるフォーミング(forming)について説明する。模式的に図10に示すように、メモリセルの可変抵抗素子VRは可変抵抗の性質を示す電流パスが電極の間に出来ていないと、電圧と電流の設定によって抵抗状態が変わる性質を示さない。そこで製造された直後のメモリの初期化や、或いは一定時間使用後のセル状態の修復のためには、抵抗変化物質の微結晶やアモルファス物質の連なりからなる低抵抗フィラメントを形成するフォーミングが必要となる。このとき高抵抗状態のセルに電圧を印加して低抵抗フィラメントを強制的に発生させる。このとき印加する電圧をforming電圧という。
フォーミングは、全てのセルについて行うが、大容量メモリにおいてはフォーミング時間を短縮するために、複数セルをまとめて一括フォーミングを行うことが必要となる。一方フォーミングが終了したセルは低抵抗になり電流を流すので、一括フォーミングでは電流をセル個々で制御する必要がある。
一括フォーミングの方法としては、ビット線ごとにまとめて、ワード線ドライバの電流パスを自己整合的に制御する方法が考えられる。これは後に説明するが、ワード線を共有しないビット線毎に行う必要がある。そこでまずマットの積層方向でどのように同時選択で一括フォーミングを行なう層を選択するかを説明する。
図11は、マット積層数が16の場合を示している。15がマット番号である。図に示すようにワード線WLは上下マットで共有されるので、フォーミング動作のときに二つのマットでワード線が共通に使用されないように、ビット線BLを選択する。
そのためには、図11のようにビット線BLを下の層からb0,b1,…,b7と番号をつけたときに、偶数番のビット線選択状態と、奇数番のビット線の選択状態とに分けてフォーミングを行うようにする。即ち偶数番ビット線の選択状態では、ビット線b0,b2,b4,b6を高レベル“h”、ビット線b1,b3,b5,b7を低レベル“l”とし、ワード線を高インピーダンスの低レベル HzLとする。奇数番ビット線の選択状態では逆に、ビット線b0,b2,b4,b6を低レベル“l”、ビット線b1,b3,b5,b7を高レベル“h”とする。
一括フォーミングは、ビット線ごとに行なうので、全セルのフォーミングを行なうにはビット線のスキャンが必要がある。またビット線にぶら下がるセルを全て一回でフォーミングするわけでもないので、ビット線BL内のセル選択も考える必要がある。そこでフォーミング時のセルの選択方法とスキャンの方法について、以下に説明する。
先ず、1本のビット線BLが選択されたとき同時にフォーミングされるセルは、同時に選択するワード線WLにより決まる。即ち、ビット線BLにぶら下がるセルの一部を同時選択するには、マット内の一部の複数ワード線WLをまとめて選択する。その方法は大きく分けてふたつある。
即ち図12に示すように、1マット内でワード線を複数グループ(例えば4グループ)に分けて、各グループ内の複数ワード線をまとめて同時に選択する“一括選択(lump)”法(図12(a))と、マット内のワード線を分散的に例えば4本中の1本ずつを同時に選択する“分散選択(sparse)”法(図12(b))とがある。
積層されたマットの選択に関しても同様のことが言えて、先に図11で説明したように偶数番目と奇数番目は同時に選択することはないが、図13に示すように、1層のマットのみを選択する方法(図13(a))の他に、積層方向の一部の複数マットを同時選択する方法として、一括選択(lump)法(図13(b))と、分散選択(sparse)法(図13(c))とがある。
図13(b)の一括選択法は、積層マットを物理的に複数グループにまとめて各グループを固まりとして同時選択するものである。図13(c)の分散選択法は、複数のマットを分散的に、例えば4層中の1層ずつを同時に選択する。
フォーミングは、セルアレイブロックの全セルに対して行なうので、部分的な一括フォーミングの動作をセルアレイブロック内でスキャンする必要がある。このスキャンの方法もいくつかある。
ひとつのビット線BLに属する複数セルの部分を一括フォーミングする場合は、ワード線WLもビット線BLも選択を変更するが、ワード線WLを先にスキャンするワード線スキャンファースト(図14)と、ビット線を先にスキャンするビット線スキャンファースト(図15)とがある。
スキャン自体には、端から順次に選択するシリアル(serial)スキャンと、スキャンの順序に一定のパターンを設定するパターンド(patterned)スキャンとがある。このスキャン方式をワード線WLに適用するか、ビット線BLに適用するかにより、ワード線スキャンファーストには図14(a)〜(d)に示す4種の方法が、同様にビット線スキャンファーストにも図15(a)〜(d)に示す4種の方法がある。
積層方向のマットのスキャンに関しても、図16(a)(b)に示すようにシリアルスキャンとパターンドキャンがある。なおマットのスキャンは、マットごとに製造プロセス工程が異なり、マット間のセル特性の変動もある。そこで同一条件でフォーミングが行なえるマット内のフォーミングを優先させ、マットのスキャンは他の一連のフォーミングスキャンの後に行うことが好ましい。
次に、先に説明した8Gb×mのメモリであって、m=8とした64Gbメモリについて、フォーミングの具体例を、図17及び図18を用いて説明する。
マット内は、図17に示すように、1本のビット線BLに対してマットの半分のワード線WL(実線又は破線)を同時選択する1/2分割方式とする。この際のワード線選択は、ワード線が交互にマットの左右からワード線ドライバで駆動されることを利用して、分散選択(sparse)法によるワード線の同時選択となる。また、後に説明するようにワード線WLのフォーミング時の選択信号レベルはかなり小さく、ビット線BLの選択ではその選択信号の振幅は大きいので、信号振幅頻度とパワーの観点から、ワード線スキャンファースト方式とする。
ワード線のスキャンは、いまの場合ワード線グループが二つなので、シリアルスキャンである。ビット線スキャンは、シリアルスキャン、パターンドスキャンいずれも可能である。但し、ビット線は交互に2つセンスアンプ系に接続されるのでこのセンスアンプ系が交互に選択されて活性化のパワーを消費するよりは同じセンスアンプ系が連続して選択されるようなパターンでスキャンを行う方が良い。即ちビット線スキャンは、好ましくはパターンドスキャンとする。
また積層マットのスキャンは、図18に示すように、最下層のマットから順次上のマットを選択していくシリアルスキャンとする。これはプロセス条件が傾斜的に下層から上層に変化する場合に、順次にフォーミング条件を変えることができて、好都合である。
ちなみに、全セルのフォーミングに必要な時間と消費電流を見積もると以下のようになる。図4及び図7で説明したように、8セルアレイブロックを一まとめにした四角で示すブロックが32×16=2のマトリクスに配列されている。このうちの1層のみのマットから各1本のビット線が選択されるので、同時選択ビット線数は、212となる。
フォーミング前の高抵抗セルのフォーミング電圧での電流は最大でも10nAであるので、ビット線にぶら下がる2kセルの半分が同時に一括フォーミングを受けることから、ブロックのバッファの電流容量は1k×10[nA]=10[μA]が必要である。従って、フォーミング1サイクルの電流は212×10[μA]〜40[mA]となる。
フォーミングのトータル時間は、次のようになる。フォーミング1サイクルに必要な時間を80[ns]として、2サイクルで2×80[ns]であり、これにビット線総数215(mat)×1kを同時フォーミングビット線数で割った値をかけて、2×80[ns]×215k/212=10×217[ns]〜1.25[ms]となる。
フォーミングを行なうと、セル状態が低抵抗のセット状態になることと、全セルを必ずフォーミングすることとを利用すると、セルのデータ読み出しで電流比較型の電流センスアンプを用いる際の参照電流を発生するもととなる参照セルの設定が自動的に行なえる。
まず、図19を参照して微小電流の比較を高速に行なう電流ソース型センスアンプSAの説明を行なう。このセンスアンプSAは、選択時にワード線WLより高レベルに設定されるビット線BLに接続されて、ビット線に流れ込む電流を参照電流と比較する電流センスアンプであって、100nA以下の電流比較でも高速に確実にセンスを行うことが可能に構成されている。
具体的にセンスアンプSAは、VddとVssの間に、PMOSトランジスタM0,M8、NMOSトランジスタM10、PMOSトランジスタM2及びNMOSトランジスタM4が直列接続された第1の電流パス191と、PMOSトランジスタM1,M9、NMOSトランジスタM11、PMOSトランジスタM3及びNMOSトランジスタM5が直列接続された第2の電流パス192とが対称的に形成されている。
第1の電流パス191のPMOSトランジスタM2のソースがNMOSトランジスタN12を介して入力ノードINに接続される。第2の電流パス192のPMOSトランジスタM3のソースがNMOSトランジスタN13を介して入力ノード/INに接続される。
第1の電流パス191のPMOSトランジスタM2とNMOSトランジスタM4の接続ノードが一方の出力ノードOUTとなり、第2の電流パス192のPMOSトランジスタM3とNMOSトランジスタM5の接続ノードが他方の出力ノード/OUTとなる。
第1の電流パス191のPMOSトランジスタM0,M2及びNMOSトランジスタM4のゲートは一方の出力ノード/OUTに共通接続され、第2の電流パス192のPMOSトランジスタM1,M3及びNMOSトランジスタM5のゲートは他方の出力ノードOUTに共通接続されて、CMOSラッチを構成している。即ち第1の電流パス191を構成するCMOSインバータと、第2の電流パス192を構成するCMOSインバータとが、入出力が交差接続されてラッチを構成する。
PMOSトランジスタM8,M9は活性化トランジスタであり、活性化信号/ACTによりゲートが制御される。NMOSトランジスタM10,M11は、電流パス191,192の電流制御用素子であり、信号vLTCによりゲートが制御されて、センスアンプ電流が決まる。
CMOSラッチを構成するNMOSトランジスタM4及びM5のゲートはそれぞれ、センス信号/SEにより駆動されるNMOSトランジスタM6及びM7のドレインに接続されている。これらのNMOSトランジスタM6,M7は、/SE=“H”の間オンして、CMOSラッチのNMOSトランジスタM4,M5をオフに保つ。
即ち活性化信号/ACT=“L”により電流パス191,192に流れる電流は、/SEが“L”になるまでは、それぞれNMOSトランジスタM7,M6を介してVssに流れる。そしてセル電流が導入された後、/SE=“L”のセンス時、NMOSトランジスタM6,M7がオフになってパス電流を遮断し、それらのドレイン電圧差がCMOSラッチにより正帰還増幅されることになる。
図20を用いてこの実施の形態のセンスアンプSAの動作を説明する。センス信号/SEが“H”の状態では、NMOSトランジスタM6,M7がオンであり、出力ノードOUT,/OUTは“L”レベルに保たれる。活性化信号/ACTが“L”になると、電流パス191,192に電流が流れる。そしてセル電流取り込み信号ACCが“H”になり、入力ノードIN,/INに接続されたビット線及び参照ビット線に電流を注入すると、セル電流の電流差に応じてNMOSトランジスタM6,M7のドレインに微小な電圧差が生じる。
セル電流差が反映される適当な時間ΔTの経過後、センス信号/SEが“L”になると、NMOSトランジスタM6,M7がオフになり、そのドレイン電圧差を増幅するラッチ回路の正帰還動作により、NMOSトランジスタM4,M5の一方がオン、他方がオフになる。即ち、NMOSトランジスタM6,M7がオンからオフに遷移する際に、セル電流差に基づくタイミングのずれがそれらのドレイン電圧に変換され、これが正帰還増幅される。
トランジスタペアM10,M11は、センス初期にはゲート信号vLTCを低いレベルVRRに設定してコンダクタンスを抑えて、電源Vddからのセンスアンプ電流を絞り、ペアM12,M13を介して供給されるセル電流差をセンスアンプの状態により強く反映するようにしている。センスアンプの初期センスによってセンスアンプのバランスがセルデータ電流差によって崩れて確定したら、そのゲート信号vLTCをVRRからVddより高いVPPにして、センスアンプに電源電圧を供給して出力をVddまでフルスイングさせる。このとき信号ACCは立ち下げてセル電流のセンスアンプへの供給を遮断する。
微細化されたペアトランジスタのバラツキは製造工程の揺らぎによって生じるので、図19に示すように電流パス191,192は、許される限り多くの素子の直列接続とした方がバラツキが相殺されるので好ましい。そこで、M0−M1ペア、M8−M9ペア、M10−M11によって入力ノードと電源Vddの間を構成している。
特に、NチャネルトランジスタペアM10−M11はセンスアンプSAの動作のフィードバックループをなすPチャネルトランジスタペアM0−M1とペアM8−M9のバラツキの影響を抑える。すなわちNチャネルトランジスタのコンダクタンスを抑えて、より電源Vddに近い側にあるPチャネルトランジスタのドレインやソースの電位を上げて、Pチャネルトランジスタのコンダクタンスを上げている。即ち、PチャネルとNチャネルのコンダクタンスがそれぞれのバラツキの影響を抑える方向に作用する。
信号ACCの立ち上げとセンス動作開始信号/SEの立ち下げの時間差ΔTは、ACC立ち上げ後のセル電流の注入が終わり、セル電流を十分反映するような入力電流になるまで待ってセンスが開始されるよう、調整を行うことになる。
図21は、マット中の1本のワード線WLが選択されて、情報セルMCと参照セルRMCがアクセスされたときの、これらのセルの電流がセンスアンプSAに導入される経路を示している。
参照セルRMCは、マット中の特定ビット線を参照ビット線RBLとして固定して、これに接続されたものを利用する。図では、情報セルMCのビット線BLを一つ示しているが、実際には複数のビット線に対して対を成して一つの参照ビット線BLが選択される。いずれも同一のマット内にありセンス系はマットで閉じている。その参照ビット線RBLのマット内での選択手法については、後に説明する。
参照ビット線RBLに接続されるセル即ち参照セルRMCは、全て低抵抗のセット状態に設定されているが、これはフォーミングされた後のセル状態であり、参照ビット線RBLとして選ばれた後、これにはセット状態以外の設定は行なわない。すなわち情報セルMCに書き込みが生じたときは情報ビット線BLと参照ビット線RBLに共通のワード線WLが選択されるので、参照ビット線RBLにはセット状態の書き込みを同時に行なう。この書き込みは参照ビット線RBLの参照セルRMCのリフレッシュという意味もある。
ビット線BLに流れる情報セルMCのセル電流は、センスアンプSAの一方の入力となり、参照ビット線RBLの参照セル電流は、一旦カレントミラー回路210を経てその電流量を10分の1程度の参照電流値に落とされてセンスアンプSAの他方の入力となる。
メモリセルの抵抗変化物質の抵抗値は、セット状態の低抵抗値のばらつきが小さく参照電流として適している。セット状態の参照セルRMCのセル電流(例えば、Ic(0))をN分の1(例えば、N=10)に設定して、リセット状態のセル電流(例えば、Ic(1))との関係で、Ic(1)<Ic(0)/N<Ic(0)を満たすように、適当にカレントミラー回路210で変換して利用するわけである。
図21の具体的な回路を説明する。ワード線WLは、選択されると、ロウデコードからのデコード信号で駆動されるワード線スイッチトランジスタMN1がオンして、Vssに接続される。ビット線BLと参照ビット線RBLは、選択されるとそれぞれカラムデコーダ、参照カラムデコーダの出力により制御されるビット線スイッチトランジスタMN2とMN3がオンしてそれぞれ、ローカルデータバスLBとRLBに接続される。
ローカルバスLBには、PMOSトランジスタMP1とNMOSトランジスタMN4の直列回路である書き込みバッファ211が接続されている。参照ローカルデータバスRLBには同様に、PMOSトランジスタMP2とNMOSトランジスタMN5の直列回路である書き込みバッファ212が接続されている。
読み出し時は、書き込みバッファ211のNMOSトランジスタMN4がオン駆動され、ローカルバスLBが読み出しスイッチNMOSトランジスタMN6を介してセンスアンプSAの一方の入力に接続される。このとき同時に、書き込みバッファ212のNMOSトランジスタMN5がオン駆動され、参照ローカルバスRLBの参照セル電流がカレントミラー回路210に入ってN分の1にされ、読み出しスイッチNMOSトランジスタMN7を介してセンスアンプSAの他方の入力に供給される。
カレントミラー回路210は、書き込み時にPMOSトランジスタMP6により電源Vddに接続されて活性化される、PMOSトランジスタMP3,MP4によるPMOSカレントミラーと、その出力電流をN分の1にする、NMOSトランジスタMN8,MN9によるNMOSカレントミラーとからなる。即ちNMOSトランジスタMN8とMN9の寸法比がN:1に設定されて、参照セル電流のN分の1(例えば、N=10)がセンスアンプSAに供給される。
図22は、書き込みバッファ211のPMOSトランジスタMP1及びNMOSトランジスタMN4のゲート信号Vm及びVg、読み出しスイッチNMOSトランジスタMN6のゲート信号readについて、各動作ノード即ち読み出し(Read),リセット書き込みReset(“0”書き込み)及びセット書き込みSet(“1”書き込み)でのレベルをまとめて示している。
即ち、読み出し時は、PMOSトランジスタMP1がオフ、NMOSトランジスタMN4及びMN6がオンである。セット時は、PMOSトランジスタMP1とNMOSトランジスタMN4をそれぞれ、適当なセット電圧を発生させるに必要なバイアス状態とし、リセット時は同様に、適当なリセット電圧を発生できる状態にバイアスする。
具体的に、Vddはセルのセット電圧Vsetを発生させるに十分な電位として、Vss<Vm_set〜Vg_read<Vg_reset<Vddのように設定される。
書き込み時(W時)と読み出し時(R時)、参照ビット線RBL側の書き込みバッファ212は、常にセット書き込み状態となるようにする。即ち、PMOSトランジスタMP2のゲートは、書き込み時にVm_setレベルを、読み出し時にはVddを印加し、NMOSトランジスタMN5のゲートは、書き込み時はVdd+Vtより高いレベルに、読み出し時にはVd_readレベルに設定する。Vtは、NMOSトランジスタのしきい値である。
このようにマット内の一つのワード線WL上で情報セルMCと参照セルRMCを選択するので、センスアンプSAからセルMC,RMCを経てワード線WLの端部のワード線ドライバまでのIRドロップによる影響は、センスアンプSAで相殺されるから、純粋に情報セルと参照セルのセル電流特性の比較をセンスアンプSAで行うことが出来る。また、ペアを構成するビット線BLと参照ビット線RBLの間の距離が、ワード線のIRドロップを許容できる範囲にあるように設定すれば、ワード線WLにバイアスリークなどが流れていてもセル電流の比較に対する影響を無視できる。
なお、ゲートがVgであるNMOSトランジスタの機能は個別のビット線スイッチそのものに持たせることが可能である。
図23は、図21で説明した書き込みバッファ211,212を変形した例である。即ちここでは、図21に示した書き込みバッファ211,212のNMOSトランジスタMN4,MN5を省き、ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2,MN3自体のゲートレベルを制御して、リセット状態書き込み時の電圧クランプを実現するようにしている。
トランジスタMP1,MN2の制御信号Vm,Vgを、書き込みデータ“data”に応じてレベルコントロールするために、書き込みコントロール回路213が設けられている。書き込みコントロール回路213は、図24に示すように、データにより状態遷移するPMOSフリップフロップFFを有し、これにより制御されて、Vg_reset及びVppを制御信号Vgとして出力するPMOSトランジスタMP11及びMP12を有する。
制御信号Vm側にはデータに応じてVm_setを出力するドライバDRV11が設けられている。シンボル化して示したドライバDRV11は、図24に示したようなCMOSドライバである。図23におけるビット線スイッチNMOSトランジスタMN2を駆動するドライバDRV12も同様のものである。ドライバDRV12にはカラムデコーダの出力“from cdec.”が入る。ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1のゲートには、ロウデコーダ出力“from rdec.”が入る。
図25は、リセット時(“0”書き込み時)とセット時(“1”書き込み時)の制御信号Vm,Vgを表にまとめて示した。Vddはセルのセット電圧Vsetを発生させるに十分な電位として、Vss<Vm_set〜Vg_read<Vg_reset<Vddである。
この図23の書き込み制御方式の利点は、容量の大きなローカルバスLBの蓄積電荷のセル書き込みへの影響を小さく出来ることにある。例えば、セット時に低抵抗に遷移したセルに、ローカルバスLBの蓄積電荷がそのまま流れ込むものとすると、再びセルをリセット状態に戻すモードになる可能性がある。これに対して、図23の方式では、スイッチNMOSトランジスタMN2が、ローカルバスLBとビット線BLの間に電圧クランプ素子として入ることになり、ローカルバスの蓄積電荷の影響をセルが受けることがなくなる。
より具体的に説明すれば、ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2をオンにして、ビット線BLにローカルバスLBの蓄積電荷の一部を移しながら、次にワード線スイッチトランジスタMN1を、系のCR時定数に近い時間でゆっくり立ち上げてオンさせるものとする。このとき、低抵抗になったセルはワード線の立ち上がりの初期はNMOSトランジスタMN1による電流制限で、そして後半はVgにより制御されるドライバDRV12により制御されるNMOSトランジスタMN2の電圧クランプ作用で、リセット状態に戻るモードに設定されることはない。
なおリセット書き込みではワード線WLをこのようにゆっくり立ち上げても、後半の電流クランプが働かないので書き込み電流を確保することができる。従ってセット書き込みでは立ち上げの初期で書き込みが完了し、その後も蓄積電荷の影響はないように出来、リセット書き込みではワード線立ち上げの後半で十分長い時間電流を流すことが出来るので、リセット状態を確保できる。
セルアクセスの際には非選択ワード線と非選択ビット線のスイッチをオフにして、これらの非選択ワード線や非選択ビット線をフローティングにしてもアクセスが可能なら、ワード線やビット線のスイッチ回路やレイアウトは簡単になる。そこで非選択ワード線及び非選択ビット線のフローティングの可能性を次に検討する。
具体的に、図26を参照して、3Dセルアレイブロック中でセット状態のセルのみからなるビット線を参照ビット線RBLとして用いる方法と、非選択ワード線及び非選択ビット線をフローティングにするアクセス方法でのリーク電流について検討する。
図26は、7層のマットmat0〜mat6の範囲内において、第1層ワード線WL0(WL00−WL02)、第2層ワード線WL12(WL120−WL122)、第3層ワード線WL34(WL340−WL342)、第4層ワード線WL56(WL560−WL562)と、第1層ビット線BL01(BL010−BL012)、第2層ビット線BL23(BL230−BL232)、第3層ビット線BL45(BL450−BL452)、第4層ビット線BL67(BL670−BL672)間の回りこみリーク電流を示している。
ここでは、マットmat3が選択され、第2層ビット線BL23の一つである太線で示すビット線BL230を参照ビット線RBLとし、同じく太線で示す他の一つBL231を選択ビット線としてこれらに駆動電圧Vaccessが与えられ、太線で示すワード線WL341を選択ワード線としてこれがVssに設定された場合について示している。
非選択ワード線はVddよりダイオードの順方向電圧程度低いフローティングのVd(Vd〜で示している)、非選択ビット線はVssよりダイオードの順方向電圧程度高いフローティングのVs(Vs〜で示している)である。
リーク電流の電流源となるのは、選択ビット線の駆動電圧Vaccessと選択ワード線WL341のVssである。不良セルが選択マットとその上下のマットになければ不良セルを経由しての電流パスは生じない。
選択ビット線BL231と参照ビット線RBL(=BL230)及び選択ワード線WL341のクロスポイントのセルSMC,SRCがそれぞれ選択セル,選択参照セルであり、これらに動作モードに応じて実線で示すセル電流が流れる。
一方、Vaccessが与えられる参照ビット線RBL及び選択ビット線BL231からは、順方向のダイオードを経てこれらとクロスポイントを作るフローティングVdに設定された全ての非選択ワード線に、破線で示す電流が供給される。また各ワード線は逆バイアスされたダイオードを経てフローティングVsである非選択ビット線につながり、これらのビット線から順方向ダイオードを経て選択ワード線WL341へとつながる。
順方向ダイオードに注目すると、選択ビット線BL231からは順方向ダイオードを介してワード線WLに電流が供給され、このワード線WLから選択ワードWL341を挟むビット線層の全てのビット線に対して、逆バイアスリークのダイオードのパスを経てリーク電流が供給される。
アクセス条件が選択セルと同じセット状態にある参照セルのセル電流は、前述のようにカレントミラー回路で10分の1程度に小さくされて、参照電流として用いられる。従って参照電流は、セット状態のセル単体のセル電流より小さく、リセット状態のセル電流より大きい。逆バイアスのダイオードからの回り込み電流は、選択セルと参照セルとで同じなので、これらがセンスアンプで重畳されても電流の大小関係は保持される。回り込み電流も二つの順方向ダイオードで挟まれたフローティングノード間で生じるので、小さいものとなる。
次に、図27を参照して、選択ビット線と選択ワード線間のリーク電流のパスを詳細に検討する。図27は、太線で示す選択ビット線を挟む上下のワード線層と、太線で示す選択ワード線を挟む上下のビット線の範囲で、3×3セルのマット3層を示したものである。
選択セルSMCには、Vaccessが与えられた選択ビット線からVssが与えられた選択ワード線にセル電流Icが流れてアクセスが行なわれる。このアクセス電流のほかに、選択ビット線から順方向ダイオードを介して非選択ワード線(Vd〜)に太い破線で示すリーク電流Ib1,Ib2が流れ、選択ワード線へは上下の非選択ビット線(Vs〜)から順方向ダイオード介して、太い破線で示すリーク電流Iw1,Iw2が流れる。また非選択ビット線へは、上下の非選択ワード線から逆バイアスダイオードを介して細い破線で示すリーク電流Irが流れる。
選択ビット線から上下の非選択ワード線に流れる電流Ib1,Ib2と、選択ワード線に上下の非選択ビット線から流れる電流Iw1,Iw2に注目して電流の経路を示したのが、図28である。
まず、電流Ib2に注目すると、これは中間レベルbVd〜の非選択ワード線に流れ込む。このワード線からは逆バイアスダイオードのリーク電流Irが、bVs〜の非選択ビット線に流れ、これが電流Iw2に寄与するパスとなる。電流Iw1に寄与するリーク電流Irのパスは逆バイアスダイオードを経てaVs〜レベルの非選択ビット線に入る。なお、bVd〜レベルの非選択ワード線はビット線数分のIw2及びIw1相当のセルにリーク電流を供給している。
次に電流Ib1に注目すると、これは中間レベルaVd〜の非選択ワード線に流れ込む。このワード線から電流Iw1に寄与するパスは逆バイアスダイオードを経てaVs〜の非選択ビット線に流れるリークIrである。なおaVs〜レベルのワード線はビット線数分のIw1相当のセルにリーク電流を供給している。
電流が流れ込む側に注目してみると、Iw2は中間レベルbVs〜のビット線からの経路で電流を受けるが、このビット線へは逆バイアスのダイオードを経てbVd〜レベルのワード線経由のIb2パスと同等のワード線本数分のダイオードを介してVaccessレベルの選択ビット線から電流が流れ込む。
Iw1は中間レベルaVs〜のビット線からの経路で電流を受けるが、このビット線へは逆バイアスのダイオードを経てaVd*〜とbVd*〜レベルのワード線経由のIb1とIb2パスと同等のワード線本数分のダイオードを介してVaccessレベルの選択ビット線から電流が流れ込む。
以上のリーク電流は、流す側と流れ込む側で等しいので、逆バイアスダイオードのリーク電流をIrとして、Ib2=2Ir×Nb、Ib1=Ir×Nb、Iw2=Ir×Nw、Iw1=2Ir×Nwなる関係がある。ここに、Nbはビット線本数、Nwはワード線本数である。したがって、Ib2/Ib1=2、Iw2/Iw1=1/2となる。
以上のリーク電流パスの検討から分かるように、リーク電流を供給する側のひとつのダイオードと、リーク電流を受ける側のひとつのダイオードでは考慮すべき電流パスの条件が異なる。
そこで、電流Ib1,Ib2を供給するビット線側(図29)と、電流Iw1,Iw2を受けるワード線側(図30)に分けて、電流の平衡する状態をダイオードのバイアス電圧と電流の関係からまとめた。ここではメモリセルを構成する抵抗変化物質の抵抗値は無視してダイオード電流が最も大きくなる状態を想定する。
図29及び図30の縦軸は電流のlog値であり電流値のオーダーの変化を示す。横軸はVssとVaccessを両端の電位として中間のフローティングノードの電位Vs〜やVd〜とその点を基準にしてダイオード特性を示す。ここでは、括弧つきの中間レベルは、関係する全てのビット線或いはワード線に共通としている。
ビット線BL側では、図29に示すように、横軸の右端のVaccessから見て、まずVd〜のワード線(非選択)があり、このVd〜レベルを基準にVaccess側にひとつのダイオードの順方向電流特性(A)が現れる。またこのワード線から左側のVs〜方向にはビット線の本数に対応した数のダイオードの逆バイアスの電流特性(B)が現れる。
つぎに左端のVssレベルのワード線(選択)からVs〜レベルに向かってビット線群の本数分のダイオードの順バイアス電流特性(C)が現れる。なお選択セルのひとつのダイオードの特性は、Vssを基準にした単一の順方向ダイオード電流特性(D)であって、log電流の変化は(C)と比べてビット線数分小さくなっている。
電流が平衡している状態では、VaccessレベルからVd〜レベルへの順方向電流が、Vd〜レベルからVs〜レベルへの逆バイアスのリーク電流とVs〜レベルからVssレベルへの順方向電流と等しくなる様に、中間レベルVd〜とVs〜が自己調整される。このときビット線の数を考慮しないときに比べてダイオード電流が増えるので、ワード線レベルVd〜はより電位が低い方に移動する。また、電流値自体は選択ダイオードの電流より数オーダー低い。
図30のワード線側では、横軸の左端のVssから見ると、まずVs〜レベルのビット線(非選択)があり、Vssレベルを基準にVs〜側にひとつのダイオードの順方向電流特性(E)が現れる。またこのビット線へは右側のVd〜方向からワード線の本数に対応した数のダイオードの逆バイアスの電流特性(F)が現れる。つぎに右端のVaccessレベルのビット線(選択)からVd〜レベルに向かってワード線群の本数分のダイオードの順バイアスの電流特性(G)が現れる。選択セルのひとつのダイオードの特性はVssを基準にした単一の順方向ダイオード電流特性(E)であり、log電流の変化は(G)と比べてビット線の本数分小さくなっている。
電流が平衡している状態では、VssレベルへのVs〜レベルからの順方向電流が、Vd〜レベルからVs〜レベルへの逆バイアスのリーク電流とVaccesssレベルからVd〜レベルへの順方向電流と等しくなる様に、中間レベルVd〜とVs〜が自己調整される。このときワード線の数を考慮しないときに比べてダイオード電流が増えるので、ビット線レベルVs〜はより電位が高い方に移動する。また、電流値自体は選択ダイオードの電流より数オーダー低い。
以上の検討から分かるように、選択されたビット線とワード線に関係した中間のビット線群及びワード線群にかかる逆バイアス電圧は、Vs〜とVd〜であり、関係するダイオードが多数の並列ではないときに比べて電位差が小さい方向にずれることがわかる。また、選択されたダイオードの電流値と比べてオーダーがかなり低い電流なので選択セルへのアクセス状態のディスターブにはならない。
次に、3Dセルアレイブロック中でセット状態のセルのみからなるビット線を参照ビット線RBLとして用いる方法とクロスフェールのリーク電流などの関係を検討する。
図31は、図26と同様の7層のマットmat0〜6の範囲で、図26と同様にビット線BL230−232の一つBL230を参照ビット線RBLとし、ビット線BL231を選択ビット線とし、ワード線WL341を選択ワード線とした場合について、不良セルのクロスフェールの影響を示したものである。
リーク電流源となるのは選択ビット線のVaccessと選択ワード線のVssである。図示のように、不良セルが選択マット及び選択マットとビット線及びワード線を共有する上下のマットにあると、これらの不良セルを介しての電流が選択ビット線から選択ワード線へと流れる。
図31は、不良セルによって流れるリーク電流をセルのアクセス電流とともに示してその影響を検討したものである。不良セルDC1−DC3が選択ワード線の上のマット及び選択ビット線の下のマットのある状態を示している。これらの不良セルは、逆バイアス状態でのリーク電流が異常に増大してダイオードがその機能を果たさないものとする。これらの不良セルはその部分でビット線とワード線がショートしているとして扱って良く、いわゆるワード線とビット線のクロスフェールとなる。
この様な不良セル位置でのショートを仮定すると、図に破線矢印で示すようなリーク電流が3Dセルアレイの中を流れる。セル電流Iscは、選択セルSMCのアクセス電流であり、セル電流Ircは、参照セルRMCのアクセス電流である。リーク電流は、選択された参照ビット線BL230(=RBL)と選択ビット線BL231のVaccessレベルから、不良セルDC1,DC2のぶら下がっているワード線WL122,WL342を介して、不良セルDC1,DC2を経てビット線BL232,BL452に入り、これらのビット線から選択ワード線WL341へと、順方向バイアスのダイオードを含むセルMC1,MC2を経て流れる。
従って不良セルの属するビット線と選択ワード線の交点のセルMC1,MC2には大きな順方向電圧がかかり、書き込み時にディスターブを受けることになる。
同様に、不良セルの属するワード線WL122,WL342と選択ビット線BL231の交点のセルMC3,MC4も大きな順方向電圧がかかり書き込み時にディスターブを受けることになる。
この様に不良セルが属するビット線およびワード線のセルは書き込みアクセスサイクルのたびに大きなディスターブを受けるので、これはデータの安定保持を困難にする。従って、不良セルを含むビット線は不良として使用しないようにするか、或いは頻繁にリフレッシュしてデータ状態を維持することが必要となる。
なお、参照ビット線と選択ビット線からは同じ不良セルに対して同じ様な電流が流れるので、これらのビット線間の選択ワード線に対する配線抵抗におおきな差がなければ選択セルと参照セルの電流の大小関係は維持される。従って選択セルデータの読み出しは問題なく行なうことが出来る。安定したセルデータの読み出しには参照ビット線をセルアレイブロック内に適当に分散して、選択ビット線とのワード線への配線抵抗差が許容範囲に収まるようにすることが重要となる。
以上のように、非選択のビット線とワード線をフローティングにするアクセス方式が有効であることが分かったので、以下にこのフローティングアクセス方式の一連の動作をまとめる。
図32は、フローティングアクセス方式の状態遷移を、3×3セルの3層マットについて平面に展開して示している。Vs〜,Vd〜はそれぞれ初期値Vs,Vdのフローティングレベルである。メモリチップに電源が入りセルがデータを不揮発に保持した状態であるスタンバイ(stand-by)状態またはホールド(hold)状態では、全てのビット線とワード線はVsレベルの電源に接続された状態に保持される。
次に、セルをアクセスするための準備段階としてのアクティブ・スタンバイ(active stand-by)状態では、ビット線は電源レベルから切り離されてフローティングVs〜となり、ワード線はもう一方の電源レベルであるVdに接続される。
いま、真ん中のマットの中央のセルSCをアクセスするものとして、選択セルのアクセス(access)状態では、選択セルSCをクロスポイントとして持つ選択ワード線はVs、選択ビット線はアクセスのモードに対応した電源レベルであるVaccessに設定される。
ここでアクセスのモードとは、セルの書き込みであるセット状態への遷移、リセット状態への遷移、或いは読み出しのことである。このアクセス状態では残りの全てのビット線とワード線はフローティングに設定される。
先に7つのマットでの不良セルからのリークの影響をみたが、次に8層マットに対して各マットに不良セルを一つ置いてその影響を見る。
図33は、8層のマットについて、平面に展開してアクセス状態を示している。マット内で選択ワード線と選択ビット線により選択されたのが、選択セルSCである。選択ビット線から選択ワード線に向かってリーク電流を流すパスは選択ビット線と選択ワード線を共有しているマット内の不良セル(例えばDC1〜DC3)のみであることがこの図からも明白である。他のマットの不良は最終的にフローティングのビット線やワード線で終端してリーク電流を生じない。
マットの不良セルDC3の影響によりディスターブを受けるのは同じマット内のセルMC4であり、マットの不良セルDC2の影響によりディスターブを受けるのは同じマット内のセルMC2,MC3であり、マットの不良セルDC1の影響によりディスターブを受けるのは同じマット内のセルMC1である。
即ちディスターブを大きく受けるセルは不良セルのあるビット線及びワード線上にあることが分かるが、これらのセルのディスターブが大きい場合は不良ビット線や不良ワード線として、クロスフェールセルをアクセスしないようにすればよく、リダンダンシなどで置き換える。
ここまでの検討は、積層されたマット間でワード線の選択は全て独立に制御できるとしていた。しかし、セルアレイブロックの端でワード線を下地基板の制御回路に接続する部分のレイアウトは層別の接続が必要なので大きな面積となる。この面積を抑制するには層をいくつかのグループに分けて、各グループのマットに共通のワード線選択を行うようにして、ワード線ドライバの数を減らすことが好ましい。
そこでまず不良セルのリークの影響がワード線グループ化との関係でどの様に変化するかを検討する。
図34は、ワード線を偶数番目か奇数番目かによって2グループに分ける、バイナリワード線グループ化の場合である。図の各層マットに1つずつクロス不良のセルがあるとして不良セルのリーク電流の流れる経路を示している。なお順方向ダイオードを3つ以上経る経路はダイオードの順方向電圧降下Vfによってリークはほとんど無視できるものと考えて考慮しない。
前述の全てのワード線が独立にドライブされる場合と比較して、リークの影響を受けるマットが2マット分増える。マット5,6間で一つのワード線が選択されるとき、同時にマット1,2間でワード線が選択されるからである。この2マット分の不良セルリークがワード線ドライバにさらに加わることとなる。
不良セルがDC1〜DC4として、そのリークの影響で書き込みディスターブを受けるセルは、MC1〜MC6である。ディスターブを受けるセルの状況は、クロスフェールのあるワード線とビット線に属するセルであるということに変わりはない。
この2マット分のリークの影響増加を許容できるならば、このバイナリグループ化を使うことによってワード線ドライバ部のレイアウト面積を小さく出来る。
図35は、ワード線を3つのグループに分けるターナリワード線グループ化の場合について、同様に各層マットに1つずつクロス不良のセルがあるとして不良セルのリーク電流の流れる経路を示している。順方向ダイオードを3つ以上経る経路は上の例と同様、考慮しない。
先の全てのワード線が独立にドライブされる図33の場合と比較してリークの影響を受けるマットに変化がないことが分かる。
従ってクロスフェールのリーク電流の影響に関する限りは、ワード線を各層別にドライブする必要はなく、3グループに分けてドライブすればよいことが分かる。これにより、多層構成の3Dセルアレイブロックを用いるときには大幅なレイアウト面積の削減効果を期待できる。
以上、クロスフェールのリーク電流の影響についてはターナリワード線グループ化を用いれば十分であることが分かったが、次に逆バイアスダイオードのリーク電流の影響がどうなるかを検討する。
図36は、図33に対応して、各層のワード線を全て独立にドライブする場合について、選択ビット線のVaccess電源から選択ワード線のVsに向かって逆バイアスダイオードのリーク電流が寄与するセルを示したものである。
マット内の選択ビット線と選択ワード線のクロスポイントの選択セルSCに対して、同じ選択ビット線上のセル列C,D及び同じ選択ワード線上のセル列A,Bは、順方向バイアスのダイオードを介してセル電流が流れる。マット内のそれ以外のセルには、逆バイアスダイオードを介して破線で示すリーク電流が流れる。
選択セルSCのあるマットとその上下のマットの合わせて3マットのセルのほぼ全てのセルが、逆バイアスリークに寄与して、選択ビット線から選択ワード線へのリーク電流となることは、図26で説明したのと同様である。
図37は、図34に対応するバイナリワード線グループ化の場合について、同様に逆バイアスダイオードのリークが流れるセルを示したものである。
図36と同様に、マット内の選択セルSCに対して、同じ選択ビット線上のセル列C,D及び同じ選択ワード線上のセル列A,Bで順方向ダイオードを介してセル電流が流れる他、マット内のセル列Eでも順方向バイアスのダイオードを介してセル電流が流れる。これは、選択ビット線からセル電流が流れ込む先である選択ワード線が増えた結果である。マット内のそれ以外のセルと、マット内の全セルには、逆バイアスダイオードを介して破線で示すリーク電流が流れる。
この増えたリーク電流が許容できる範囲であれば、このワード線グループ化方式を利用してワード線ドライバのレイアウト面積を最も小さく出来る。
図38は、図35に対応するターナリワード線グループ化の場合について、同様に逆バイアスダイオードのリークが流れるセルを示したものである。
このリーク電流の経路は、ワード線を層別に独立して駆動する図36の場合と同じであり、逆バイアスリークの観点からも、ターナリワード線グループ化が良いことがわかる。
図39は、ターナリワード線グループ化方式を採用した場合のワード線ドライブ部のデコード回路構成を、図9と対応させて示している。マット選択信号mat_0〜7に代わって、ワード線グループの選択信号WGc_0、WGc_1、WGc_2を用いている。
図9と比較して明らかなように、各層別にワード線選択を行う場合に比べて、ワード線コンタクトWCの数が少なくなり、それだけワード線ドライバ91の占有面積も小さくなる。
次に、ワード線グループの選択信号の発生回路を説明する。選択したセルの属するマット番号から決まる選択ワード線と同時に選択される相補的な選択ワード線とを含むワード線グループの番号をWGcとする。ワード線グループの総数を“i”として、WGc=i−k(k=i,i−1,i−2,…,2,1)とする。また、選択セルが属するマットの番号を“m”とする。
このとき、マット番号“m”が与えられた時に選ばれるワード線グループ番号WGcは、図40に示すように、2WGc≡−2k≡m−1,m,m+1,m+2(mod 2i)として、“k”を計算することによって得られる。
図41は、そのようなグループ番号計算を行ってワード線グループ選択信号を発生させる回路の概略構成を示している。mが決まると、これからまず、m−1,m+1,m+2を求める。これらの結果を、2iを法として既約剰余を求める剰余回路(residue (mod 2i))410 に入力して剰余を求める。
次に各剰余をワード線グループ番号WGcに対応するデコーダ回路411に入力して、2進数で表された剰余の各ビットのANDから2WGcの2進数表現に一致するものを検索しどれかが一致すれば信号としてのWGcを立てる。この一致検索のデコード回路411は、0〜i−1のi個必要である。
以下に、i=3のターナリワード線グループ化の場合について、具体的な回路を検討する。マットの総数を32とし、マット番号“m”が、図42に示すように、A10〜A14の5ビットで2進数表示されるものとする。選択信号WGcの0,1,2と、マット番号“m”とmod 6の関係は、図43に示すとおりである。
図44は、“m”を表すアドレスビットからm−1,m,m+1,m+2のmod 6を求めるマット番号計算回路440を示す。
即ち、5ビットの加算回路441aに“m”のアドレスビットと1の5ビットの補数11111を入力して、加算結果のm−1を求める。この結果をmod 6の剰余を求める5ビット剰余回路442aに入力して、剰余の2進数表現(m−1)br(r=0〜4)を得る。
また、5ビットの“m”のアドレスビットをmod 6の剰余を求める剰余回路442bに入力して剰余の2進数表現(m)br(r=0〜4)を得る。
更に、5ビットの加算回路441bに“m”のアドレスビットと1の5ビット表現00001を入力して加算結果のm+1を求める。この結果をmod 6の剰余を求める5ビット剰余回路442cに入力して、剰余の2進数表現(m+1)br(r=0〜4)を得る。
更に、5ビットの加算回路441cに“m”のアドレスビットと2の5ビット表現00010を入力して加算結果のm+2を求める。この結果をmod 6の剰余を求める5ビット剰余回路442dに入力して、剰余の2進数表現(m+2)br(r=0〜4)を得る。
図45は、以上の回路ブロックで用いられる5ビット加算回路441a〜441cの回路記号とその具体回路である。即ち、数AとBを2進数で表した各桁の和を、フルアダーとハーフアダーを用いて加算する。この回路は、クロックなどの同期が必要でなく、入力が確定すれば出力も確定するようにしているので、システムのタイミング制御の負担を減らす構成となっている。
図46は、5ビットのmod 6の剰余を求める剰余回路442a〜442dの回路記号とその具体回路である。回路は、数Aを2進数で表した数が6以上になったことを検出する検出部461と、その検出結果に、5ビットに対する6の補数26(=32−6)即ち2進数表示で(11010)を加える加算部462とから構成される。この回路も、クロックなどの同期が必要でないく、入力が確定すれば出力も確定するようにして、システムのタイミング制御の負担を減らす構成としている。
図47及び図48は、2進数の足し算を行なう基本的な単位であるフルアダーとハーフアダーである。フルアダーは、加えるビットAとBをXOR回路とXNOR回路でロジック演算を行い、桁上げ信号Cinとのロジックを更に取って、出力としてA,B,Cinの和Soutと桁上げ信号Coutを出力する。ハーフアダーは一般的なロジックゲートで構成できる。
このユニットを組み合わせて計算に必要なアダー回路を構成することができる。
図49は、グループ選択信号デコード回路490、即ち選択したマットの番号から最終的にワード線グループを選択する選択信号WGcを発生する回路を、i=3(ternary)の場合について示す。これは、mからmod 6の剰余として計算された(m−1)br(r=0〜4),(m)br(r=0〜4),(m+1)br(r=0〜4),(m+2)br(r=0〜4)が、2WGcがそれぞれ0,2,4に一致するものを検索する回路である。
即ち一致検索は、それぞれの剰余ビットの一致/不一致を検出するAND回路群G0〜G2で行い、4つの剰余のうちのいずれかが一致したら信号WGcを立ち上げるという論理による。2WGc=0の検索結果が信号WG_0であり、2WGc=2の検索結果が信号WGc_1であり、2WGc=4の検索結果が信号WGc_2となる。
参照ビット線RBLを設けて、この参照ビット線のセット状態のセル(参照セル)と選択セルの電流を比較するセンス方式を用いれば、非選択のワード線とビット線はフローティングにしてもよく、ワード線選択もグループ分けした方式でリーク電流に対応できることをこれまでに示したが、次に参照ビット線RBLの配置や設定法について詳しく検討する。
参照ビット線のセルと選択ビット線のセルは共通のワード線で選択されるので、ビット線上のセル位置は同じであるから、ビット線のIRドロップは相殺される。ワード線上の参照セルと選択セルの二つのセル位置は、参照ビット線と選択ビット線が離れていればそれだけ離れるが、マット上で全てのビット線からの平均距離が最も小さいマット中央に参照ビット線をまとめる方法がひとつの候補となる。即ち図50に示すように、マットのワード線方向の中央部を参照ビット線RBL領域とする。
無論、参照ビット線RBLをマット上にいくつか分散配置しておく方法も用いられる。但しこれはデコードが複雑になる。
図50に示すように、マット中央にまとめて参照ビット線をおく場合、参照ビット線にもクロスフェールなどの不良セルが在り得ることを考えて、スペアの参照ビット線も設けておくことが好ましい。スペアの参照ビット線を含めて、これら参照ビット線領域のセル(参照セル)はセット状態を維持していることが必要である。
参照セルにセット状態を設定するには、セルの使用には必ずフォーミングが必要であることを利用する。すなわち全セルは一旦セット状態に設定するので、参照ビット線RBL領域ではこのセット状態を保持する。例えば、セット状態の保持は、選択セルの書き込み動作で選択ワード線が立ち上がるたびに、参照ビット線の参照セルについてセット状態の再書き込みを行なう、というリフレッシュ動作を利用する。
前述のように、ビット線の一括フォーミングでは、ビット線のセルのセット状態への遷移に必要な電圧Vdを印加して各セルをセットする。その際、各セルのセット状態への遷移は時間的にばらつく。従って、先にセット状態の低抵抗になったセルによって、ビット線の電位が下がると、これが残りのセルのセット状態への遷移を阻害する。
この対策として、各セルの選択ワード線の選択ゲートのレベルを下げることによって、セット状態に設定されたセルがビット線の電位レベルに大きく影響しないようにする方法が有効である。これを次に説明する。
図51は、一括フォーミングにおいて、ビット線とこれにぶら下がるセルからなる系の構成を示している。即ち、ビット線側スイッチNMOSトランジスタMN2を介して電源Vddが与えられたビット線に、可変抵抗素子VRとダイオードDiが接続される。ダイオードDiのカソードにつながるワード線WLは、ワード線側スイッチNMOSトランジスタMN1を介して電源Vsに設定される。NMOSトランジスタMN1,MN2は、図21のそれと対応させて示している。
NMOSトランジスタMN1,MN2のゲートレベルをそれぞれVm,Vg、ビット線BLのレベルをVd(Vdst或いはVdr),ワード線WLのレベルをVc(Vcst或いはVcr)として、各構成要素を流れる電流と各ノードレベルの関係を示したのが、図52である。
一括フォーミングが成り立つ条件を出すために、ワード線スイッチ素子MN1からその特性を見て行く。選択ビット線に属する各セルはワード線WLに相当するノード(電位Vc、具体的にはVcst或いはVcr)を介して、NMOSトランジスタMN1によって電源Vsに接続される。
なお、NMOSトランジスタMN1,MN2の電流電圧特性は一般に、線形領域(3極管領域)でI=K{(Vgs−Vt)Vds−Vds/2}であり、電流飽和領域(5極管領域)でI=(K/2)(Vgs−Vt)である。可変抵抗素子VRの特性は、V=IRであり、ダイオードDiの特性は、I=I0{exp(V/Vf)−1}である。
図52のトランジスタMN1の特性から順に説明する。ゲートレベルをVm、しきい値をVtとして、線形領域の電流特性は、Vm−Vt≧Vcの条件下で、
I=K{(Vm−Vs−Vt)(Vc−Vs)−(Vc−Vs)/2}
と表される。ここでは、Vsを基準とするトランジスタ電流のVc依存性をゲートレベルVmをパラメータとしていくつか示している。
フォーミング終了時にセルが低抵抗になって大電流が流れるのを、このトランジスタMN1の特性を使って制限する。すなわちゲートレベルをVm=Vt+ε+Vsと設定する。そうすると、このトランジスタMN1は、Imax=(K/2)εなる電流が流せる最大電流となる。
低抵抗のセット状態のセルではこの電流が流れ、このときにワード線電位Vcstは、図の位置になる。一方高抵抗のフォーミング前またはリセット状態のセルは電流がセル抵抗で制限されて、Vcrで示すドレイン電圧となり、電流Irscを流す。この電流はビット線BLからワード線WLに向かって順番に直列接続される素子に共通の値である。
線形領域のトランジスタ特性から、Irsc=K{ε(Vcr−Vs)−(Vcr−Vs)/2}となるので、このときワード線電位は、
Vcr=ε+Vs−sqrt(ε−2Irsc/K)
となる。ここで、“sqrt”は、平方根を示す。
次にセルを構成するダイオードDiについて、その電圧電流特性をアノード側ノード電位Va(Vast或いはVar)を基準にVcに対してグラフにしている。この電流電圧特性は、I=I0[exp{(Va−Vc)/Vf}−1]であり、Va−Vc≧Vfである。それぞれの電流ImaxとIrscを流すVcレベルのVcstとVcrを表示してある。
ダイオード特性の右に示すのが、可変抵抗素子VRの電圧電流特性であり、Vdを基準に示している。その特性式は、I=(Vd−Va)/Rである。セット状態の抵抗値をRs、フォーミング前の抵抗値をR0とする。この図から電流Imaxを流すときのVaレベルVastと、Irscを流すときのVaレベルVarが決まり、それぞれ図示してある。
次に、ビット線の全てのセルに共通に書き込みバッファとして働くNMOSトランジスタMN2があるが、そのゲート電位は高くして十分抵抗が低い線形領域で働かせる。このときの電流特性は、Vg−Vt≧Vddの条件で、
I=K{(Vg−Vd−Vt)(Vdd−Vd)−(Vdd−Vd)/2}
である。
Vg−VtをVddより十分高いレベルとして、Vdを基準として見た場合のソースドレイン飽和電流は、
Isat=(K/2)(Vg−Vt−Vd)
となる。ビット線にぶら下がるセルの個数をNとすると、全てのセルがセット状態になった場合に流れるのはN×Imaxである。
この電流はVdレベルがVdstであるときこのレベルを基準としてみたトランジスタのソースドレイン電流特性がドレインレベルがVddのときに流す電流であり、このトランジスタの飽和電流は(K/2)(Vg−Vt−Vdst)であり、線形領域の電流特性は
N×Imax
=K{(Vg-Vdst-Vt)(Vdd-Vdst) - (Vdd-Vdst)/2
となるので、
Vdst=Vg−Vt−sqrt{(Vg−Vt−Vdd)+2N×Imax/K}
となる。
一方、ビット線にぶら下がるセルの個数をNとして、全てのセルがフォーミング前のリセット状態の場合に流れるのは、N×Irscである。この電流はVdのレベルがVdrであるときこのレベルを基準としてみたトランジスタのソースドレイン電流特性がドレインレベルがVddのときに流す電流である。
このトランジスタの飽和電流は(K/2)(Vg−Vt−Vdr)であり、線形領域の電流特性は、
N×Irsc
=K{(Vg-Vdr-Vt)(Vdd-Vdr) - (Vdd-Vdr)/2
となるので、
Vdr=Vg−Vt−sqrt{(Vg−Vt−Vdd)+2N×Irsc/K}
となる。
ひとつのビット線にぶら下がるセルを全て一括フォーミングし、またはセット状態に遷移させることが出来る条件は、セル電流の制限として、Irsc<Imax=(K/2)ε<Iresetを満たせばよい。ここで、Irscはリセット状態またはフォーミング前のセルの抵抗が最大フォーミング電圧で流す電流値であり、Iresetはセルをセット状態からリセット状態に遷移させるための最低電流である。
ワード線WLとビット線BLの電位レベルの制限は、 Vcr+Vform<Vdstである。ここでVformは、フォーミングに必要なセルに印加する最低電圧である。すなわち全てのセルがセット状態になってもセルには十分なフォーミング電圧がかかるようなビット線レベルVdが維持され、セット状態になったセルにはリセット状態に戻るような電流Iresetが流れないことが条件となる。
この条件は、ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2のゲートVgとワード線スイッチNMOSトランジスタMN1のゲートVmのレベルを、それぞれビット線への供給電源レベルVddより高く、トランジスタのしきい値Vtより僅かに、εだけ高く設定することによって実現できる。
図53は、基本的に図21と同じ、ビット線ごと一括フォーミングのための回路構成において、上述したワード線及びビット線スイッチトランジスタMN1及びMN2のゲートレベルを示している。
参照ビット線RBLも含めて全てのビット線は順次選択してフォーミングを行なうのであるが、各ビット線BLはそれぞれの対応するローカルバスLBへの選択的な接続を行なうためのビット線スイッチとしてNMOSトランジスタMN2を有する。ローカルバスLBはセンスアンプに繋がるが、センスアンプSAへのパスは読み出しスイッチMN6をオフにすることによって切っておく。また電源VddにローカルバスLBをつなぎ電源とする。
ビット線スイッチの選択ゲートには、先に図52を用いて説明したように、Vdd+Vtよりも十分に高い電位Vppを与える。また同時フォーミングを行なうセルの全てのワード線WLのワード線スイッチMN1のゲートには、Vt+εを与える。
一括のフォーミング又はセットを行ないたいマット内のビット線をこの様に選択して、一括のフォーミング又はセットが行われる。
なお、ワード線WLの共有は出来ないので、一括フォーミングを行なう際には、ワード線を共有しないマット間でビット線BLを同時に選択することのみが可能で、設定したいセルのワード線スイッチのゲートレベルをVt+εとすることにより、一括設定の範囲を広げる。
言うまでもないが、このワード線スイッチのレベルをVt+εに設定する方法は、個々のセルのセット状態の書き込みにも使える。そのときには選択セルの属するビット線スイッチとワード線スイッチをセルのアドレス情報に従ってデコードしてやればよい。
一括フォーミング又はセットでは、上述したεの値を適正に設定することが重要となる。次にこのεの発生方法を示す。
一括フォーミング時のワード線スイッチNMOSトランジスタのゲートレベルは、フォーミング前またはリセット状態のセルが流す微小な電流で十分にVssに導通していると見なせること、電流が増えた場合には非常に高抵抗と見なせること必要である。このためにはトランジスタの約1μA電流のゲートレベルを利用する。高抵抗状態のセルが流す最大電流は10nA程度であるので、ワード線スイッチの寸法に合わせてカレントミラーを構成することが必要となる。
即ち図54に示すように、ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1に対してチャネル幅Wが100倍程度のNMOSトランジスタMN10を用意し、そのゲートとドレインを共通接続して、定電流回路540から1μAの電流を供給して、そのゲートレベルをVt+εとする。このレベルを各ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1のゲートに供給すれば、ワード線スイッチの最大に流すことが出来る電流は約10nAとなる。これにより、セルの抵抗状態が低抵抗状態に遷移して大きな電流を流すようになると、ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1は高抵抗素子として働く。
以上、図51及び図52で説明したように、ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1とビット線スイッチNMOSトランジスタMN2のゲート制御によって、一括フォーミング時のセット状態への遷移が、セル間のバラツキにより逆モードに入らないようにすることが可能である。一方この図51の回路システムは、セルのリセット状態の書き込み時もそのまま利用することができる。
リセット状態の書き込みではセルに大きな電流Iresetを流すことが出来て、セルが高抵抗になっても高いセット電圧Vsetが印加されないことが重要である。この条件を、ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2のゲートレベルVgと、ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1のゲートレベルVmを設定して実現する。
図55は、そのような設定を行ったときの各素子の電圧電流特性を示した。セルの初期状態が低抵抗状態(セット状態)にあるものとする。ワード線スイッチであるNMOSトランジスタMN1の特性から順に説明すると、次のようになる。
ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1のゲートレベルは、一番高い電源レベルであるVddに設定される。即ち、Vm=Vddである。このときトランジスタは線形領域であり、その特性式は、Vdd−Vt≧Vcの条件下で、
I=K(Vdd−Vs−Vt)(Vc−Vs)−(Vc−Vs)/2}
である。
この関係に、ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2の流すことが出来る最大電流値Isatを入れ、このときのセット状態のセルのワード線レベルVcstを入れて、
Vcst=Vdd−Vs−Vt−sqrt{Vdd−Vs−Vt)−2Isat/K}
を得る。同様にしてセルがリセット状態になったときのワード線レベルは高抵抗セルが流す電流がIrscであるとして、Vcrとなる。
セルを構成するダイオードDiの電流特性は、Va−Vc≧Vfの条件で、
I=I0[exp{Va−Vc)/Vf]−1]
であり、図に示すように、ダイオードに生じる電位差Vcst,Vcrが求まる。
セルの可変抵抗素子VRの特性は、ビット線のレベルVdを基準にして、低抵抗Rsのセット状態と高抵抗R0のリセット状態の直線I=(Vd−Va)/Rで示される。これらの直線と電流Isatの交点としてVast、Irscとの交点としてVarのレベルがそれぞれ求まる。
ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2は、そのゲートレベルを、Vg−Vtがセルをセット状態に遷移することが出来る最低電位Vsetと等しいかそれより低くなる様に設定する。このときのトランジスタ特性は、ビット線レベルをVdとすると、Vg−Vt<Vddの条件下で、飽和電流領域特性
I=(K/2)(Vg−Vt−Vd)
となる。
図には、ビット線レベルVdstとVdrをそれぞれ基準としたトランジスタのソースドレイン特性を、飽和電流がそれぞれIsatとIrscとなる場合について点線で示した。VdrはVg−Vtを越すことはなく、従ってVsetを越すことがないことが分かる。
電流がIsatとなる飽和特性から、
Vdst=Vg−Vt−sqrt(2Isat/K)
であり、電流がIrscとなる飽和特性から、
Vdr=Vg−Vt−sqrt(2Irsc/K)
となる。
セルがリセット状態へ遷移できてその後再びセット状態に遷移しない条件は、Ireset<Isatで、Vdr<Vsetとなることである。リセット状態の高抵抗セルのビット線とワード線のレベル差はVdr−Vcrであるので、セルにVsetが印加されることはない。
図56は、一括フォーミングと同じ回路システムを使って通常の書き込みをもも行なうための書き込み回路の構成を示し、図57はその書き込みコントロール回路213の構成を示す。図58は、ワード線及びビット線スイッチトランジスタのゲートドライバDRV22,DRV23の高レベル側制御信号Vm,Vgを示している。
これら図56,57,58は、それぞれ先に説明した図23,24,25の変形例である。
ビット線BLとワード線WLの選択に際して、ビット線スイッチとワード線スイッチの選択ゲートレベルの設定を書き込むデータによって変える。データによって発生されデコーダ出力となるレベルとして、デコーダに供給される制御信号VmとVgのレベルをコントロールするのが書き込みコントロール回路213である。これは先の回路例と同じである。
先の回路例と異なる点を説明すれば、ワード線スイッチNMOSトランジスタMN1のゲートには、ドライバDRV22を介して、書き込むべきデータによって発生される制御信号Vmが与えられる。ビット線スイッチNMOSトランジスタMN2のゲートには同様に、書き込みデータによって発生される制御信号VgがドライバDRV23を介して与えられる。
これらのドライバDRV22,DRV23には、それぞれロウデコーダ,カラムデコーダからの信号“from rdec_b.”,“from cdec_b.”が入る。非選択状態のビット線やワード線はスイッチがオフしてフローティング状態となる。
書き込みコントロール回路213の制御信号Vmの出力ドライバDRV21は、図24の書き込みコントロール回路でのドライバDRV11と異なり、低レベルに出力Vt+εを出すように構成されている。
参照セルRMCの状態が低抵抗のセット状態であり、フォーミングにより一括設定するセル状態も低抵抗のセット状態であることを利用すると、メモリの動作モードの設定手順が図59のように決まる。
メモリチップを利用するにはまず、設定手順S1でフォーミングを行うか、又はセルをセット状態に設定する一括セット動作を行う。この動作領域は、差し当たり使用するメモリ領域Aまたは最初から全メモリ領域とするが、少なくとも参照セルを必ず含むようにする。これによって、参照セルを利用した読み出しが可能となる。
次に、手順S2として、メモリ領域Aに対して、データの読み書き動作(R/W動作)を行なう。このとき領域Aのセルは既にセット状態にあるので、リセット状態を設定する書き込みのみを行なうことも可能である。すなわちリセット状態書き込みのときのみ書き込み系の回路を駆動する。最初からメモリ全領域にフォーミングを行なっている場合は、以下他の領域にR/W動作を続ければよい。
フォーミングを行っていない新たなメモリ領域Bがある場合、或いはメモリ領域Bが再フォーミングや一括セットを行ってリセット状態の書き込みを行ないたい領域である場合(即ちNAND型フラッシュメモリでのデータ消去に相当する動作を行う領域の場合)、そのメモリ領域Bに対して、手順S1,S2と同様の手順S3,S4で動作を行う。以下同様の動作を行うことになる。
次に、以上に説明したセンス方式や書き込み方式を持つReRAMの性能を引き出すデータ転送の仕様に関して説明する。
比較するのは大容量ファイルメモリであるNANDフラッシュメモリである。NANDフラッシュメモリのデータ転送効率を阻害している最大のものは、消去動作を必要とすることである。一方、抵抗変化メモリ(ReRAM)においてはランダムアセスが可能ではあるが、セット状態の書き込みとリセット状態の書き込みに時間的に大きな差がある。即ちセット状態の書き込みに比べて、リセット状態の書き込みには100倍程度の書き込み時間を必要とし、この時間差がデータ転送効率の阻害要因となる。
より具体的に説明する。NANDフラッシュメモリでは、ブロック消去として、 例えば256kByteを2msで行なうという仕様が一般的である。その間このブロック領域は利用できず、消去後にデータを格納するとして、データ格納終了まではデータ転送のデッド時間となる。この時間は短くてもブロック消去時間の2倍であり、4msとなる。
これに対して、抵抗変化メモリは、消去動作が本質的に不要であり、NANDフラッシュメモリでの消去時間をデータ転送に使うことが可能となる。×8の並列でのデータ転送として256kサイクルを4msで完了させるとすると、4ms/256k〜15.26nsのサイクルでデータ転送できれば、NANDフラッシュメモリのデータ転送でのデッド時間をデータ転送に活用できる。すなわち15ns以下のサイクルでデータ転送できれば、NANDフラッシュメモリのデータ転送効率を凌駕できる。
以下では、7.5ns及び15nsのクロックサイクルを想定し、リセット状態の書き込みに1μs程度の書き込み時間が必要であることを考慮して、NANDフラッシュメモリよりも優れたデータ転送速度を実現する、ReRAMのデータ転送仕様を説明する。
クロックサイクル7.5nsなら1000/7.5=133ビット以上、クロックサイクル15nsなら1000/15=67ビット以上のバッファレジスタを各IOごとに用意する。このようなバッファレジスタを設ければ、このレジスタのバースト読み出しの間にセルアレイブロックとの間でデータ転送が完了できて、外部とのデータ転送にデッド時間のようなギャップを生じない。
以下では具体的に、256=32Bのレジスタを各IOに持つ場合と、128=16Bのレジスタを各IOに持つ場合について、データ転送方式を説明する。
図60は、読み出しと書き込みがバーストシーケンス内で混在しない場合(その1)であり、2系統の32ByteバッファレジスタA,Bを用いた例である。
ReRAMの書き込みは、セット状態の書き込みでは電圧印加によって100ns以下の時間で低抵抗状態に遷移するのに対し、リセット状態の書き込みは電流によるジュール熱による状態変化を起こすので、1μs程度の時間の加熱によって高抵抗状態に遷移する。そこでデータ書き込みには長い方のリセット書き込み時間でサイクルが決まるものとして高速データ転送のインターフェースを考える。
まず、データの読み出しと書き込みがタイミング上で完全に分離されているものとする。データバーストを一系統のバッファレジスタからの連続したデータ転送と定義し、このデータバーストの連続したシークエンス内ではデータの読み出しと書き込みが混在せず、データバーストのシークエンス全体で読み出しモードまたは書き込みモードとなる。
このようなデータ転送では、読み出し又は書き込みの連続したデータ転送に際し、図60に示すように、二つのバッファレジスタ系A,Bを設けて、これらを交互に利用してデータを転送する。つまり、データバーストサイクル自体が1μs以上の時間を要するので、一方のレジスタでのデータバースト中に、バースト転送をしていない他方のレジスタとセルアレイとの間で一括データ転送を行なえばよい。
すなわち、レジスタAからのバーストブロックb1,b3,b5,…で表されるバースト転送を行っている間に、レジスタBとセルアレイの間でデータ転送を行い、レジスタBからバーストブロックb2,b4,…で表されるバースト転送を行っている間に、レジスタAとセルアレイの間でデータ転送を行う。
これにより、クロックサイクル7.5nsすなわち133MHzでのデータ転送を、データの転送バースト間にギャップのないシームレスな転送として実施できる。
図61は、読み出しと書き込みがバーストシーケンス内で混在しない場合(その2)であり、クロックサイクル15ns即ち66MHzでのデータ転送を実現するために、2系統の16ByteバッファレジスタA,Bを用いた例である。図60の場合と同様に、レジスタAからバーストブロックb1,b3,b5,…のバースト転送を行っている間に、レジスタBとセルアレイの間でデータ転送を行い、レジスタBからバーストブロックb2,b4,…で表されるバースト転送を行っている間に、レジスタAとセルアレイの間でデータ転送を行う。
これにより同様に、クロックサイクル15nsのデータ転送を、データの転送バースト間にギャップのないシームレスな転送として実施できる。
図60及び図61では、バーストシークエンスの中にデータの読み出し(read)と書き込み(write)が混在しない場合を想定しているが、データバースト毎にデータ転送を、読み出し転送と書き込み転送との間で自由に切り替えられた方がデータ転送の自由度は各段に増す。そこで読み出しと書き込みのデータバーストが混在する場合を検討する。
図62は、図61と同様に、16Byteの2系統のバッファレジスタA,BでIOあたりのデータ転送系が構成され、クロックが66MHzである場合に、読み出しと書き込みのデータバーストを混在させた例(その1)である。
バッファレジスタAのデータバースト転送のブロックb1,b3,b5…と、バッファレジスタBのデータバースト転送のブロックb2,b4,b6,…は、先の例と同様に交互になる。ここで各バーストデータ転送の方向と時間の関係及び、各バーストブロックが読み出しであるか(R)、或いは書き込みであるか(W)を、各バーストブロックの下に示している。
バーストブロックb1,b2,b3,…の順がバースト転送の順番を示している。書き込みでは、レジスタにデータを先にバースト転送して入れた後で一括してセルアレイに転送するので、データパスのデータの移動方向と転送タイミングが、バーストブロックb3,b5,b8,b10に示すように、読み出しの場合とは逆転する。
データ転送のバッファレジスタA,Bは、実線と破線で示すように交互に利用しなければならない。この例では、レジスタAの読み出しデータバースト転送(b1)、レジスタBの読み出しデータバースト転送(b2)、レジスタAへの書き込みデータバースト転送(b3)、レジスタBの読み出しデータバースト転送(b4)、という順のバースト転送が行われるものとした。
しかし、書き込みデータバースト(b5)の後に1つのデータバーストを挟んで読み出しデータバースト(b7)が来るようなシークエンスでは、破線で囲んだデータパスについて、書き込みバーストブロックb5と読み出しバーストブロックb7が同じ系統のレジスタを同時に使用するタイミングが出てきてしまう。ここでは書き込みを優先してデータ転送を行なう必要があり、レジスタが空いたらそこに読み出しデータを転送しなければならないので、2系統のレジスタグループを用いる方法では、データのシリアル転送に破綻が生じ、データ転送にギャップが出来ることが避けられない。
図62で説明したデータシリアル転送の破綻を防止するには、バッファレジスタを3系統用意すればよい。
図63は、読み出しと書き込みのバーストが混在する場合(その2)であって、3系統のバッファレジスタA,B及びCを用意した例である。これらレジスタA,B及びCのデータ転送をそれぞれ、実線、破線及び一点鎖線の矢印で示している。
図62の例と同様に、バーストb7とb5でデータ転送タイミングが重なるようなバーストシークエンスについて示しているが、3系統のレジスタA,B及びCは、次のように順にデースト転送に使用する。
即ち、レジスタAのバースト転送がバーストブロックb1,b4,b7,b10,…であり、これらに続くバーストブロックb2,b5,b8,…がレジスタBのバースト転送であり、更にこれらに続くバーストブロックb3,b6,b9,…がレジスタCのバースト転送である。それらの各バーストブロックの下に、それが書き込みデータであるか(W)、読み出しデータであるか(R)を示している。
このように、3系統のレジスタを交互に使い分けることにより、先の図62の例と同様に、バーストブロックb5とb7のバースト転送タイミングが重なったとしても、それらのレジスタが別々になるので、破綻は生じない。即ちバーストシーケンス内に読み出しと書き込みが混在した状態で、バーストごとにランダムアクセスが可能になる。
この場合、レジスタグループが3つ必要であり、これらの規模は出来る限り小さくしたい。従って、IO当たりのレジスタは16Byteとしてクロックサイクルが66MHzとし、データバーストで1μs以上が掛かり、リセット状態のセルアレイへ一括書き込み時間を確保で出来るようにしている。メモリのデータ転送レートは、従って、66MByte/sとなる。
図64は、読み出しと書き込みのデータバーストが混在するデータ転送でのタイミング仕様の一例を示す。新たなデータバーストがタイミングt1で始まるものとして、その前にそのデータバーストが“読み出し”であるか、“書き込み”であるかを決める必要がある。それを決定するコマンド、“R command”,“/W command”のタイミングから説明する。
データバーストが終わり、次のデータバーストが始まるタイミングt1のクロック立ち上がりから、コマンドの設定タイミングを規定する。その方法はふたつある。第1の方法は、クロックの立ち上がりエッジ(タイミングt1)からR,/W commandのセットアップ時間tCSとコマンド信号の持続させる時間に相当するtCHを規定する方法である。
このとき、タイミングt1からの新たなデータバーストが読み出しデータであれば、予めそのレジスタにデータをアレイから転送しなければならず、そのための一括データ転送の時間は100ns程度かかるので、tCSは100ns以上の時間を設定する必要がある。しかしセットアップ時間が長すぎると設定が難しくなることとコマンドを受け取るタイミングの発生も正確に設定できないなど不都合も生じやすい。
そこで第2の方法として、クロック数をもとにクロックエッジからタイミングを規定する方法がある。データバーストの切り替わりタイミングt1のクロックからmサイクル(クロック周期をtCKとしてそのm倍が100ns以上。tCK=15nsなら、mは7以上)前のクロックを指定し、その立ち上がりタイミングt0からR,/W command信号の立ち上がりと立ち下がりのタイミングtCSとtCHを図のように規定する。このコマンドに従って、次のデータバーストサイクルの読み出し又は書き込みのモードを決める。
クロックとデータとのタイミングは、読み出しではデータ出力は各クロックエッジからのデータアクセス時間tACで決まる。クロックに対してクロックレイテンシを持たせることも可能である。書き込みではクロックの立ち上がりエッジからのセットアップとホールドの時間tDS,tDHの時間で決まる間入力データを保持すればよい。
さて、データバースト間のモードの関係は四つある。(1)読み出し(R)バーストが連続するR−Rモード、(2)書き込み(W)バーストが連続するW−Wモード、(3)読み出しバーストに書き込みバーストが続くR−Wモード、(4)書き込みバーストに読み出しバーストが続くW−Rモードである。各々について説明する。
R−Rモードは、読み出しの連続シークエンスであり、これらのデータ出力のクロックの跳びは生じない。W−Wモードは、書き込みの連続シークエンスであり、データ入力のクロックに跳びは生じない。
R−Wモードは、読み出しのデータバーストから書き込みのデータバーストに切り替わるシークエンスである。データのクロックエッジに対する規定が読み出しと書き込みとでは異なり、書き込みではデータがクロックエッジに対して先行するので、切り替わりに際してデータとクロックの関係をずらせてやる必要がある。すなわち、図64に示すように、読み出しデータ転送終了後、次の書き込みデータバーストのデータ入力をnサイクル(n≧1)後からはじめる。
W−Rモードは、書き込みのデータバーストから読み出しのデータバーストに切り替わるシークエスである。この場合、切り替わりに際してデータとクロックのエッジのタイミングは遅れる方にずれるので特別の配慮をしなくてもデータとクロックの関係に矛盾は生じない。書き込みデータバーストと読み出しデータバーストの間は、格別にギャップを設ける必要はなく、R−RモードやW−Wモードの場合と同様に、ギャップn=0サイクルでよい。
図65は、3つのバッファレジスタA,B及びCにおける、それぞれのレジスタとアレイとの間の一括データ転送のタイミングを示している。読み出し転送より書き込み転送には10倍ほどの長い時間を要するので、矢印を長短によりそのデータ転送時間の関係を示している。
3系統のバッファレジスタA,B及びCへのデータ転送を利用してセルへのデータ書き込みの状態を検証する、書き込みベリファイの方法を、図66を用いて説明する。
ベリファイにバッファレジスタを利用するには、読み出し転送と書き込み転送の順番をバーストサイクルで入れ替え、転送したデータをすぐにレジスタに読み出し、レジスタ間のデータ比較をNOR回路Gでビットごとに(或いは高速に比較を行なうならレジスタの全ビットを多数のXOR回路で同時に)比較する。その比較結果をレジスタに保持し、全てのレジスタが“0”(書き込み完了)か否か(書き込み未完了)を確認し、書き込み完了なら新たなデータ書き込みサイクルの開始し、“1”データがあれば、レジスタに保持された書き込みデータの書き込み転送から繰り返して、データ比較結果が全て"“0”となるまで書き込みを繰り返す。
すなわち、レジスタAに書き込みバースト(a)でデータを書き込み保持した後、このデータを一括してアレイに書き込み転送し(b)、すぐにこのデータをセルから読み出してレジスタBに一括読み出し転送する(c)。この書き込みと読み出しの一括データ転送の間は、クロックに同期した個別データのレジスタラッチからのデータの読み出しはない。
レジスタBに一括読み出し転送が完了すると、レジスタAとBから対応ビットごとに(または複数ビットをまとめて)読み出し、それらのデータをXOR回路Gで比較した結果を、レジスタCの対応するレジスタラッチに格納する(d)。比較結果の転送後、レジスタCの内容を検索して、全てのレジスタビットが“0”であるかどうかのベリファイ判定(e)を行う。1ビットでも“1”があれば、レジスタAに保持された書き込みデータの一括書き込み転送を再び行い、そうでなければレジスタAに新たなデータを書き込みバーストで書き込み、新たなアドレスへと一括書き込み転送を行う。
以上により、書き込みベリファイを含むデータ書き込みが効率的に行われる。
以下に、実施の形態の概要をまとめる。
(1)複数の3Dセルアレイブロックが二次元マトリクス状に配列されて、メモリアレイが構成され、各セルアレイブロック内のマットではワード線及びビット線がマットの両端から1本乃至複数本おきに交互に選択駆動され、マット内の1本の選択ワード線に対して2本以上のビット線が選択される。
その際、2本以上のビット線は、マットの中央に対して対称になるように選択される。
(2)メモリセルのアクセスに際し、マット内のワード線は選択ワード線のみが電源に接続され、非選択ワード線はどの電源とも接続されないフローティング状態とする。
メモリセルのアクセスに際し、マット内のビット線は選択ビット線のみが電源に接続され、非選択ビット線はどの電源とも接続されないフローティング状態とする。
(3)ワード線とビット線とをマット間で共用する3Dセルアレイブロックにおいて、ひとつのワード線に対してこのワード線を共用するマットのうちの一方のみが一括フォーミングまたは一括セットに供される。
(4)一括フォーミングまたは一括セットに際して、マット内でひとつのビット線の選択に対して複数のワード線の同時選択を行なうように、ワード線選択回路が構成される。
(5)ビット線ごとの一括フォーミングまたは一括セットの際に、同時選択されるワード線のワード線選択スイッチトランジスタはNチャネルであり、そのゲートレベルがビット線の電位より低く設定される。
(6)セルアレイブロック内の領域を一括フォーミングまたは一括セットする際に、複数の同時選択ワード線は電位固定して、ビット線の選択を順次変えてスキャンする。
(7)セルアレイブロック内の領域を一括フォーミングまたは一括セットする際に、選択されたビット線は電位固定して、複数の同時選択ワード線の選択領域を順次変えてスキャンする。
(8)フォーミングされた一定のビット線のセルを参照セルとし、そのビット線を参照ビット線として、選択ワード線に対して選択ビット線に流れる電流と参照ビット線に流れる電流の十分の一以下の参照電流を作り、その選択ビット線電流を参照電流と比較してデータセンスする。
(9)参照ビット線は、セルアレイブロックの各マットの略中央部に配置される。
(10)一括フォーミングの手順で、データを書き込む領域と参照セルを含む領域に対して、それらのセルを低抵抗のセット状態に設定する。データ書き込み動作はセルを高抵抗状態にするリセット書き込みに対してのみ書き込みバッファが活性化される。
(11)選択ビット線のセルへのデータの書き込みの際に、参照ビット線で同時に選択される参照セルにはセルの低抵抗状態であるセット状態を書き込む書き込み動作が行われる。
(12)セルへの書き込みデータに従って、ビット線選択スイッチトランジスタとワード線選択スイッチトランジスタのゲートにそれぞれ最適レベルを与える。
(13)複数のセルアレイブロックとメモリ外部とのデータ転送経路に、3系統のバッファレジスタを備え、セルアレイブロックとバッファレジスタとの間でデータの一括転送を順次行い、レジスタとメモリ外部とは外部クロックに同期したバーストデータ転送を行なう。
(14)レジスタとのクロック同期のデータ転送であるデータバーストの間は、レジスタとの書き込み又は読み出しのモードを維持し、モード切替コマンドの入力タイミングは、新バースト開始の切り替わりタイミングのクロックに対して、時間またはクロック数で規定する。
読み出しバーストから書き込みバーストへの切り替わりの際に、書き込みデータのレジスタの書き込みが新バースト開始のクロックに対して1サイクル以上後のクロックから開始される。
実施の形態の3Dセレアレイブロックと下地制御回路を示す図である。 同セルアレイブロックのセルアレイ等価回路を示す図である。 同制御回路の構成を示す図である。 8セルアレイブロックをまとめた、4Byteデータバス二つを配置したブロック(B)表示を示す図である。 4ブロック毎に16Byteデータバス(又は8Byteデータバス)を配置したブロック配置表示を示す図である。 マット内のワード線とビット線の配置を示す図である。 8Gb×mのメモリ構成例1を示す図である。 同じく8Gb×mのメモリ構成例2を示す図である。 ワード線デコード部の構成例を示す図である。 セルのフォーミングによる電流パス形成を説明するための図である。 一括フォーミングの手法を説明するための図である。 一括フォーミングのワード線選択の手法を説明するための図である。 同じくマット選択の手法を説明するための図である。 同じくワード線スキャンファーストを説明するための図である。 同じくビット線スキャンファーストを説明するための図である。 同じくマットスキャンの手法を説明するための図である。 同じく64Gbメモリでのマット内スキャンを説明するための図である。 同じくマットスキャンを説明するための図である。 センスアンプの構成を示す図である。 同センスアンプの動作波形である。 センスアンプ周りの回路構成を示す図である。 動作モードと制御信号レベルを示す図である。 センスアンプ周りの他の回路構成を示す図である。 図23における書き込みコントロール回路の構成例を示す図である。 動作モードと制御信号レベルを示す図である。 選択ビット線と参照ビット線の関係を示す図である。 非選択ワード線及びビット線をフローティングにした場合の電流パスを説明するための図である。 同じく電流パスの経路を示す図である。 逆バイアスダイオードリーク電流の平衡点を説明するための図である。 同じく逆バイアスダイオードリーク電流の平衡点を説明するための図である。 クロスフェールの影響を説明するための図である。 フローティングアクセス方式(基本)を説明するための図である。 フローティングアクセス方式でのクロスフェールの影響を説明するための図である。 バイナリワード線グループ化を行った場合のフローティングアクセス方式でのクロスフェールの影響を説明するための図である。 ターナリワード線グループ化を行った場合のフローティングアクセス方式でのクロスフェールの影響を説明するための図である。 フローティングアクセス方式での逆バイアスリークの影響を説明するための図である。 バイナリワード線グループ化を行った場合のフローティングアクセス方式での逆バイアスリークの影響を説明するための図である。 ターナリワード線グループ化を行った場合のフローティングアクセス方式での逆バイアスリークの影響を説明するための図である。 ワード線デコード部の他の構成例を示す図である。 ワード線グループとマット番号の関係を示す図である。 ワード線グループ選択信号発生回路を示す図である。 マット番号とアドレスの対応関係を示す図である。 ワード線グループ選択信号とマット番号の関係をターナリワード線グループ化の場合について示す図である。 マット番号計算回路を示す図である。 5ビットアダー回路の回路記号と回路構成を示す図である。 5ビット剰余回路の回路記号と回路構成を示す図である。 フルアダーの回路記号と回路構成を示す図である。 ハーフアダーの回路記号と回路構成を示す図である。 グループ選択信号デコード回路を示す図である。 マット上の参照ビット線配置例を示す図である。 ビット線毎一括フォーミングの動作条件を説明するための図である。 同動作条件を説明するための各素子特性を示す図である。 ビット線毎一括フォーミングのワード線及びビット線選択スイッチのゲートレベルを示す図である。 同ワード線選択スイッチトランジスタのゲートレベル発生回路を示す図である。 リセット状態書き込みでの動作条件を説明するため各素子特性を示す図である。 好ましい書き込み動作条件での書き込みバッファ回路構成を示す図である。 同じく書き込みコントロール回路の構成を示す図である。 同じく各動作モードの書き込みバッファの制御信号レベルを示す図である。 実施の形態のメモリの動作手順を説明するための図である。 2系統レジスタを用いたデータ転送法を説明するための図である。 2系統レジスタの規模が異なる場合のデータ転送法を説明するための図である。 読み出しと書き込みがバーストシーケンスに混在する場合の破綻を生じるデータ転送法を説明するための図である。 読み出しと書き込みがバーストシーケンスに混在する場合の破綻を生じないデータ転送法を説明するための図である。 バッファレジスタへのデータ転送シーケンスを説明するための図である。 レジスタ−アレイ間の一括転送タイミングを説明するための図である。 書き込みベリファイ時のバッファレジスタへのデータ転送シーケンスを説明するための図である。
符号の説明
1…セルアレイブロック、2…制御回路、21a,21b…ビット線デコーダ/マルチプレクサ、22a,22b…データバス、23…センスアンプ回路、24a,24b…ワード線デコーダ/ドライバ、91…ワード線ドライバ、92…ワード線デコーダ、211,212…書き込みバッファ、210…カレントミラー回路、213…書き込みコントロール回路、440…マット番号計算回路、490…グループ選択信号デコード回路。

Claims (5)

  1. 互いに交差するワード線とビット線、及びそれらの交差部に配置された抵抗変化型メモリセルを有するマットが複数層積層され、各マット内に所定の抵抗値状態に設定された参照セルと前記参照セルにつながる参照ビット線とを有するセルアレイと、
    前記セルアレイの各マット内のワード線を選択し、その選択ワード線と交差する一つのビット線と前記参照ビット線とを同時に選択する選択回路と、
    前記選択されたビット線上の選択メモリセルと前記参照ビット線上の前記参照セルとのセル電流比較によりデータセンスを行うセンスアンプと、
    を有することを特徴とする抵抗変化メモリ装置。
  2. 前記参照ビット線上のメモリセルは、固定的に低抵抗状態を書き込んで前記参照セルとされ、前記参照ビット線は前記セルアレイの各マット内でその中央部に設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の抵抗変化メモリ装置。
  3. 前記参照セルのセル電流を前記メモリセルの低抵抗状態と高抵抗状態のセル電流値の間の参照電流値まで引き下げて前記センスアンプの参照入力とするためのカレントミラー回路を更に備えた
    ことを特徴とする請求項2記載の抵抗変化メモリ装置。
  4. 前記セルアレイの各マット内のメモリセルは、前記ワード線及びビット線の一方の選択状態を固定して他方をスキャンするフォーミングにより、所定の抵抗状態に初期設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の抵抗変化メモリ装置。
  5. 互いに交差するワード線とビット線、及びそれらの交差部に配置された抵抗変化型メモリセルを有するマットが複数層積層されたセルアレイと、
    前記セルアレイと外部とのデータ転送経路に設けられた3系統のバッファレジスタとを備え、
    前記セルアレイと前記各バッファレジスタとの間では一括データ転送が行われ、前記各バッファレジスタと外部との間では、クロック同期によるバーストデータ転送が行われる
    ことを特徴とする抵抗変化メモリ装置。
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