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JP2009039989A - 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材 - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材 Download PDF

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JP2009039989A JP2007209128A JP2007209128A JP2009039989A JP 2009039989 A JP2009039989 A JP 2009039989A JP 2007209128 A JP2007209128 A JP 2007209128A JP 2007209128 A JP2007209128 A JP 2007209128A JP 2009039989 A JP2009039989 A JP 2009039989A
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Mikiyoshi Nakamichi
幹芳 中道
Ryohei Koyama
良平 小山
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Kaneka Corp
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Abstract

【課題】 本発明は、自動車内装材に必要な剛性、軽量性、成形性を維持しつつ、車室内の静粛性を向上し、且つ環境性能に優れた高温下での使用による変形、自重による垂れ下がりを改善してなる自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材を提供する。
【解決手段】 変性PPE系樹脂を押出発泡成形して連続気泡から構成された変性PPE系樹脂発泡シートを得、その発泡シートの片面に、非発泡層として車内側非発泡層に耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を、その反対の面に、車外側非発泡層に変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を非発泡層として一体化し、車内側非発泡層の表面から変性PPE系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成することにより、剛性、軽量性、成形性を維持しつつ、車室内の静粛性を向上し、且つ環境性能に優れた耐熱性を有した自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材に関する。
従来、自動車天井材のような自動車内装材として、ウレタンフォームにガラス繊維を積層したシートあるいはポリプロピレン系樹脂にガラス繊維を混合または積層した積層シートが広く用いられている。それらの自動車内装材は、成形加工性、寸法安定性、耐熱性、吸音性に優れているという特徴がある(特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような自動車内装材は、ガラス繊維を構成材料とするため環境適合性(すなわち、リサイクル性、特にサーマルリサイクル性)に問題がある。
更に、ガラス繊維を含有する複合材料では、ガラス繊維が用いられているため、軽量化に限界があり、自動車の燃費が上がることによるCO量の増加および、これら材料の廃棄処理における環境負荷という面においても環境適合性に劣るものであった。
このような問題を解決するため、軽量で耐熱性のある独立気泡構造からなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、「PPE系樹脂」と記す場合がある)発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートを用いた自動車内装用発泡積層シートが提案されている(特許文献2参照)。変性PPE系樹脂を用いた自動車内装材用発泡積層シートは、耐熱性に優れ、軽量であるだけでなく、ガラスフリーの素材で構成されているため、リサイクル性を含み環境適合性に優れた素材である。
一方、近年、自動車室内は、第2の生活空間として快適性が求められるようになっており、特に、車室内での静粛性が大きくクローズアップされている。この自動車室内の静粛性の要求に対し、これまでは重量物である遮音材を自動車内装材として使用することにより車室外から進入するノイズ等の各種音を遮音し対応してきた。これに対し、近年自動車内装材として吸音性能を有する材料を用いることにより自動車部材の軽量化と静粛性の両立を図ることが進められている。
前記独立気泡構造からなる変性PPE系樹脂発泡積層シートは、軽量性に大きな効果を発揮するが、発泡シートの気泡構造から吸音性を付与することができないという欠点を有している。
これら課題を鑑み、自動車内装材の意匠面である表皮材を改良し、自動車内装材に吸音性を付与する検討が行われている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法は表皮材としての意匠性を損なうことができないため、種々の加工上の制約を受け、コストが大幅に上がる問題点を有している。
一方で、変性PPE系樹脂発泡積層シートの変性PPE系樹脂発泡層として、連続気泡構造からなる発泡シートの両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートの車内側非発泡層から発泡シートの内部に達する孔部を設け、吸音性を付与した自動車内装材用発泡積層シートが提案されている(特許文献4参照)。これらの方法によると、発泡積層シートとしての吸音性を付与することができるが、高温雰囲気中に曝露された場合、変形として発現する変性PPE系樹脂非発泡層の成形時残留歪みを低減しつつ、吸音性を発現させる変性PPE系樹脂発泡層の連続気泡構造を維持できる成形加工温度領域が狭いという問題点を有している。
そのため、前記問題点を解消し、安価で剛性、耐熱性を有し、かつ吸音性の優れた材料の出現が待望されている。
特開平9−277415 特開平6−344483 特開昭55−11947 特開2005−88873
本発明は、自動車内装材に必要な剛性、軽量性、成形性を維持しつつ、車室内の静粛性を向上し、且つ、環境性能に優れた高温下での使用による変形、自重による垂れ下がりを改善してなる自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材を提供することである。
本発明者は、熱可塑性樹脂として、耐熱性樹脂、特に、ポリフェニレンエーテル系樹脂およびポリスチレン系樹脂(以下、「PS系樹脂」と記す)との混合樹脂である変性PPE系樹脂を押出発泡成形して連続気泡から構成された変性PPE系樹脂発泡シートを得、その発泡シートの片面に非発泡層として、車内側非発泡層に耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を、その反対面の非発泡層として、車外側非発泡層に変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を樹脂シートとして一体化し、車内側非発泡層の表面から変性PPE系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成することにより、剛性、軽量性、成形性を維持しつつ、車室内の静粛性を向上し、且つ環境性能に優れた耐熱性を有した自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートの片面に、耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車内側非発泡層として積層されてなり、その反対面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車外側非発泡層として積層されてなる自動車内装材用発泡積層シートであって、車内側非発泡層の表面から変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成されている自動車内装材用発泡積層シート、
(2)車内側非発泡層の基材樹脂が、ASTM D648規格に準じて測定する45.1N/cm荷重下における熱変形温度が100℃以上130℃未満のポリスチレン系樹脂である(1)に記載の自動車内装材用発泡積層シート、
(3)車内側非発泡層の基材樹脂が、スチレン−無水マレイン酸系共重合体である(1)または(2)に記載の自動車内装材用発泡積層シート、
(4)車内側非発泡層の基材樹脂が、スチレン−アクリル酸系共重合体である(1)または(2)に記載の自動車内装材用発泡積層シート、
(5)車外側非発泡層の基材樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル系樹脂5〜45重量%およびスチレン系樹脂95〜55重量%である混合樹脂である(1)〜(4)のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
(6)押出発泡シートの基材樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル系樹脂25〜70重量%およびスチレン系樹脂75〜30重量%である混合樹脂である(1)〜(5)のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
(7)車内側非発泡層の基材樹脂が、樹脂中に耐衝撃性改良剤を含有したものである(1)〜(6)のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
(8)変性ポリフェニレンエーテル系発泡積層シートの車内側非発泡層の表面から変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの内部に達する孔部の開口率が、1〜30%である(1)〜(7)のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、および
(9)変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートの片面に、耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車内側非発泡層として積層されてなり、その反対面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車外側非発泡層として積層された自動車内装材用発泡積層シートであって、車内側非発泡層の表面から変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成されている自動車内装材用発泡積層シートの車内側非発泡層側に接着層を介して表皮材層を積層し、表皮材層を意匠層として車内側に配置するように成形してなる自動車内装材
に関する。
本発明の自動車内装材用発泡積層シートは、連続気泡率が50〜95%である変性PPE系樹脂発泡シートの片面に車内側非発泡層として、耐熱性が改善されたPS系樹脂を基材樹脂シートとして一体化積層され、その反対面に車外側非発泡層として、変性PPE系樹脂を基材樹脂シートとして一体化積層され、車内側非発泡層の表面から変性PPE系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成されていることにより、変性PPE系樹脂発泡シートは高い連続気泡率を有し、かつ発泡シートに達する孔部が形成していることから、高い吸音性を得ることができ、耐熱性が改善され、高温下での使用における変形、自重による垂れ下がりが改善できる。
しかも、本発明の自動車内装材用発泡積層シートは、成形性、耐衝撃性、コスト等の特性が良好で、容易に製造可能である。
本発明は、変性PPE系樹脂を押出発泡成形して得られる連続気泡率が50〜95%である発泡層の、片面に車内側非発泡層として、基材樹脂が耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂からなり、且つ、その反対面に車外側非発泡層として、基材樹脂が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなり、車内側非発泡層の表面から発泡層の内部に達する孔部が形成された、剛性、軽量性、成形性を維持しつつ、車室内の静粛性を向上し、且つ環境性能に優れ、高温下での使用における変形、自重による垂れ下がりが改善された自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材に関する。
本発明の自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材を、図面に基づいて説明するが、これに限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係わる自動車内装材用発泡積層シートの断面構成を、図1および図2に、自動車内装材の断面構成を図3に示している。
図1では、自動車内装材用発泡積層シート50として、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートである発泡層1の片面に、車内側非発泡層13を、その反対面に車外側非発泡層14が積層され、車内側発泡層13の表面から、発泡層1に達する孔部3が形成されており、さらに、車外側非発泡層14の表面には、異音防止層2が積層されている。
図2は、自動車内装材用発泡積層シート50として、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートである発泡層1の片面に、車内側非発泡層13を、その反対面に車外側非発泡層14が積層され、車内側発泡層13の表面から、発泡層1に達する孔部3が形成されており、さらに、車外側非発泡層14の表面には、接着剤層16を介して異音防止層2が積層されている。
図3は、自動車内装材60として、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートである発泡層1の片面に、車内側非発泡層13を、その反対面に車外側非発泡層14が積層され、車内側発泡層13の表面から、発泡層1に達する孔部3が形成されており、さらに、車外側非発泡層14の表面には、接着剤層16を介して異音防止層2が積層され、車内側非発泡層13の表面には、接着剤層18を介して、表皮材4が積層されている。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1(1次発泡層)の基材樹脂として使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱性ポリスチレン系樹脂;PPE系樹脂とPS系樹脂との樹脂混合物、PPEへのスチレングラフト重合体等のスチレン・フェニレンエーテル共重合体等の変性PPE系樹脂;、ポリカーボネート樹脂;ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性および製造が容易である点で、変性PPE系樹脂が好ましい。
本発明における変性PPE系樹脂は、PPE系樹脂とPS系樹脂とを混合することによって変性を行ったものであり、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂をいう。PPE系樹脂とPS系樹脂との混合による変性は、製造が容易であるなどの点から好ましい。
変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)などがあげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
変性PPE系樹脂中のPS系樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレンで代表されるスチレン−ブタジエン共重合体などがあげられる。これらのうちでは、ポリスチレンがその汎用性、コストの点から好ましい。
本発明において、連続気泡発泡シートである発泡層1に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、通常、PPE系樹脂25〜70重量%およびPS系樹脂75〜30重量%であることが好ましく、PPE系樹脂35〜60重量%およびPS系樹脂65〜40重量%であることがより好ましく、PPE系樹脂38〜58重量%およびPS系樹脂62〜42重量%であることがさらに好ましい。変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂が25重量%より少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂が70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる傾向がある。
本発明において、効率的に押出発泡シート層を得るには、加工性の観点から、サーキュラーダイスを用いた押出発泡によって発泡シートを得る方法が好ましい。
サーキュラーダイスを用いた押出発泡とは、例えば、基材樹脂および、必要により使用される別種類の樹脂、添加剤をブレンダーで混合した後、押出機に供給し該樹脂組成物を溶融混練した後、発泡剤を高温・高圧下で圧入して混合し、適性発泡温度まで冷却し、大気圧下に環状のスリットを有する金型であるサーキュラーダイスより押出発泡させ、円筒状発泡体を得、円筒状発泡体の内面側から冷却するように円筒状発泡体の内側に位置して設置された環状冷却マンドレルにて延伸・冷却した後、切り開き、シート状に引き取る方法があげられる。押出発泡に用いる押出機としては、押出機1機の1段式、押出機2機を直列に連結した2段式(タンデム式)、等を挙げることができる。これらの中では、樹脂の可塑化、樹脂と添加剤との混合、及び樹脂の冷却段階と続いて押出を効率よく実施するには、2段式が特に好ましい。
ここで、上記押出工程において、連続気泡発泡シートの連続気泡率を高めるためには、例えば、(i)押出機での温度条件、(ii)発泡剤量を調整すればよい。さらに、具体的には、(i)に関しては、2段目押出機での前記冷却温度を高温側に設定することにより、シートの厚み方向に対して全体的に連続気泡層を設けることができる。(ii)に関しては、発泡剤圧入量を基材樹脂100重量部に対して通常使用量の1.5〜2.0倍程度に設定すればよい。ただし、発泡剤圧入量を大きくしすぎると、可塑化が進み、ポリマー同士のせん断発熱が起こりにくくなるために、逆に連続気泡率が低下する場合がある。これら(i)〜(ii)を組み合わせてもよい。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1の押出発泡成形において用いられる発泡剤としては、炭化水素系発泡剤を用いることが好ましい。
連続気泡発泡シートである発泡層1を得る際に使用される炭化水素系発泡剤としては、揮発性発泡剤が好ましく、具体的には、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどがあげられる。なかでも、発泡剤の溶解度を示すカウリブタノール値(KB値)が20〜50である炭化水素系発泡剤が好ましい。また、この範囲よりもKB値の高いものと低いものとを2種以上適宜混合して前記範囲としたものも使用することができる。
本発明においては、前記発泡剤の具体例のなかでも、発泡剤の適度な溶解性および発泡剤の逸散性が小さく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が小さい点で、イソブタン、または、イソブタンおよびノルマルブタンの混合体であって、イソブタンの比率が高いものが好ましい。発泡剤がイソブタンおよびノルマルブタンの混合体である場合は、混合体中のイソブタン含有量は、50重量%以上が好ましい。イソブタン含有量が50重量%より少ないと発泡剤の逸散性が大きく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が大きくなる傾向がある。
本発明における押出発泡成形時の炭化水素系発泡剤の添加量は、基材樹脂100重量部に対し、3.0〜6.0重量部であることが好ましく、3.0〜4.5重量部であることがより好ましい。炭化水素系発泡剤の添加量が3.0重量部より少ないと、押出し発泡成形加工時の一次発泡力が低く、発泡層中央部の良好な連続気泡発泡セル又は発泡層表面部の良好な独立気泡セルを構築できない傾向にあり、6.0重量部を超えると、押出発泡が不安定になったり、基材樹脂に溶解せず、発泡シートの表面荒れが発生する傾向がある。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1の平均気泡径としては、0.2〜1.0mmが好ましく、0.3〜0.9mmがより好ましい。平均気泡径が0.2mmより小さいと、発泡層が柔らかくなり剛性が低下する傾向にあり、1.0mmより大きいと、発泡層の表面性が低下したり、発泡層が脆くなる傾向にある。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1の発泡倍率としては、5〜25倍が好ましく、15〜20倍がより好ましい。発泡層1の発泡倍率が5倍より低いと、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また、軽量化の効果が少なくなる傾向がある。一方で、発泡倍率が25倍を超えると、強度が低下による剛性不足によるハンドリング性が低下する傾向がある。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1の厚さとしては、2.0〜10mmが好ましく、3.5〜6.0mmがより好ましい。発泡シートである発泡層1の厚さが2.0mmより小さいと、吸音性能において、連続気泡層としての機能が発現しない傾向にあり、10mmより大きい場合、発泡シートの巻取り時にシートに座屈による折れが発生したり、非発泡層の積層加工時に折れが発生する場合がある。さらに、厚みが大きくなることにより、輸送等の搬送生産性が低下する傾向にある。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1の目付は、100〜300g/mが好ましく、200〜280g/mがより好ましい。目付が100g/mより低いと、内装用基材としての剛性が不足する傾向があり、目付が300g/mを超えると、重量増により軽量性の効果が低下する傾向がある。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1の連続気泡率は、50〜95%が好ましく、70〜85%がより好ましい。発泡層1の連続気泡率が50%未満の場合、連続気泡層にて、入射する音波を効率的に材料振動による減衰ができず吸音効果が減少し、車室内の静粛性を向上することができない傾向にある。一方、発泡層1の連続気泡率が95%を超える場合、吸音性は向上する反面、連続気泡発泡シートの剛性が低下する傾向にあり、さらに、押出発泡成形加工時に表層部の発泡セル形状を固定化保持できず、発泡層の表面平滑性を保つことができない傾向にある。
なお、本発明における「連続気泡率」とは、発泡セルが他の発泡セルとセル膜で完全に隔離されて独立しているセル(独立気泡)の全発泡セルに対する比率(独立気泡率)を、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTMD−2859に準じて測定した後、連続気泡率(%)=100−独立気泡率(%)として算出した値である。
本発明における発泡層であると連続気泡発泡シートとしては、発泡気泡(セル)の気泡壁(発泡セル膜)が部分的あるいは全体的に開口しており(貫通孔が形成されており)、大部分の発泡セルが隣接する発泡セルと連通していれば良く、表層部分に密度の高い層、いわゆるスキン層や部分的な独立気泡層を有していても構わない。なお、発泡時に連続気泡化しているのとは別に、後加工として、孔開け加工、圧縮加工等、機械的に連続気泡化を促進しても構わない。
連続気泡発泡シートの構造に関して、もう少し詳しく説明する。なお、以下の説明において、連続気泡構造とは、発泡気泡(セル)の気泡壁に貫通孔が形成されており、この貫通孔を通じて他の気泡と通じている状態にある気泡構造のことを指す。一方で、独立気泡構造とは、発泡気泡が気泡壁により全て囲まれており他の気泡と通じていない独立した気泡を形成していることを指す。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1は、主に連続気泡構造を有していることが好ましく、このような構造としては、主に連続気泡から構成された層が発泡層の厚み方向中央部に、主に独立気泡から構成された層が連続気泡層の厚み方向両面に形成され、且つ、発泡層全体の連続気泡率が50〜95%になるものがあげられる。
本発明における連続気泡発泡シートである発泡層1は、発泡層1の厚み方向中央部に主として連続気泡からなる中央発泡層11を形成していると共に、この中央発泡層の厚み方向両面に主として独立気泡から構成される表面発泡層12が連続的且つ一体的に形成され、且つ発泡層全体の連続気泡率が50〜95%になっている。連続気泡からなる中央発泡層11と独立気泡からなる表面発泡層12とは、その界面には明確な境界が存在するのではなく、両層が混在した状態になっている。
また、連続気泡発泡シートである発泡層1(1次発泡層)の中央発泡層11は、主に連続気泡から構成されていればよく、気泡全てが連続気泡の構造となっている必要はない。この中央部発泡層11に含まれる気泡の内、80%以上が連続気泡となっていることが好ましい。
連続気泡発泡シートである発泡層1(1次発泡層)の中央発泡層11の厚みは、連続気泡発泡シート全体の厚みに対し60%〜95%の比率であることが好ましく、さらには、65〜85%がより好ましい。発泡層1の全体に対する中央発泡層11の厚み比率が60%未満の場合、入射する音波が効率的に連続気泡層を利用した材料の振動を発現できないため、吸音効果が減少する傾向がある。また、厚み比率が95%以上の場合、連続気泡発泡シートの曲げ剛性が極端に低下するだけでなく、発泡層の表面状態が悪化し、非発泡層13、14を積層加工する場合の加工性が低下する傾向がある。
一方で、連続気泡発泡シートである発泡層1(1次発泡層)の表面発泡層12は、主に独立気泡から構成されていればよく、気泡全てが独立気泡の構造となっている必要はない。この表面発泡層12に含まれる気泡の内、60%以上が独立気泡となっていることが好ましい。
本発明において使用される連続気泡発泡シートである発泡層1の基材樹脂には、必要に応じて、気泡調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤、タルクなどを添加してもよい。
本発明の自動車内装材用発泡積層シートは、連続気泡系発泡シートである発泡層1の片面に、車内側非発泡層13が、その反対面に車外側非発泡層14が積層されてなる積層発泡シートである。
非発泡層のうち、車内側非発泡層13は、その一方の表面に積層される表皮材4の加熱収縮を抑制する働きと、他方にある発泡層1の表面発泡層12を構成する独立気泡構造からなる発泡セルが加熱下でそのセル径が拡大することによる加熱膨張を抑制する働きを有する。また、車外側非発泡層14は発泡層1の表面発泡層12を構成する独立気泡構造からなる発泡セルの加熱膨張を抑制する働きを有する。
自動車内装材60の構造をバイメタル的に考えると、高温下において車内側の収縮が大きいほど、また、車外側の収縮が小さいほど、表皮意匠面側への変形が大きくなる。一方で、車内側の収縮が小さいほど、また、車外側の収縮が大きいほど、反意匠面側への変形が大きくなる挙動にある。
本発明において、車内側非発泡層13の基材樹脂として耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を、車外側非発泡層14の基材樹脂として変性PPE系樹脂を配することが好ましい。
これは、前述の表皮材4の加熱収縮や発泡層1の表面発泡層12の加熱膨張等による変形量を制御するために好ましく、さらに、自動車内装材を所定形状に成形し、トリミングカットする場合のようなプレスカット時の衝撃等に対する材料の割れ、つまり、耐衝撃性の観点からも好ましい。
車内側非発泡層13は、意匠層である表皮材4の下に配されるため、成形加熱時、表皮材が断熱材となり、車内側非発泡層13の表面温度が所望の温度に上がらず、車外側非発泡層14に対し、比較的低温で成形されることになり、車内側非発泡層13に成形歪み(残留応力)が発生することがある。この成形歪みは、高温雰囲気中に曝露された場合、加熱収縮率として発現し、その結果、成形品の変形として現れる。そのため、非発泡層13の基材樹脂の加熱収縮率に対する成形加熱温度依存性が小さい耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を配することが好ましい。
ところで、車内側非発泡層13の残留応力を小さくするために、当該面の加熱温度を上げる方策が考えられるが、加熱温度の大幅な上昇は、当該面に積層されている表皮材4の過熱につながり、結果、表皮の風合い、外観の低下を引き起こすため、好ましくない。そのため、表皮材4の風合い、外観を損なうことのない加熱温度で成形加工を行い、その成形加工において車内側非発泡層13に成形加熱時の歪みを発生させない基材樹脂として、耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を配することが好ましい。
なお、車内側非発泡層13は、意匠層である表皮材4の下に配されるため、トリミングカット時の衝撃に対し、表皮材4を構成する繊維が衝撃吸収の材料(緩衝材)として作用するため、適度な衝撃性を有する材料構成を採ればよく、基材樹脂として耐熱性の改善されたPS系樹脂で十分である。
一方、車外側非発泡層14には、異音防止層2が積層されるが、該非発泡層14は、自動車内装材60の外側に位置し、トリミングカット時の衝撃や、取り扱い時の衝撃に対し、異音防止層2は比較的薄い層であるため、異音防止層2では衝撃を吸収するには不十分であり、当該非発泡層14での衝撃吸収が必要となる場合がある。そのため、当該非発泡層14には、適度な剛性を維持しつつ、柔軟性を有する変性PPE系樹脂からなる構成層を配することが好ましい。さらに、この変性PPE系樹脂非発泡層14の構成層を配することにより、発泡層1の表面発泡層12の加熱膨脹を適度に抑制し、耐熱変形を抑制できる。
このように、車内側非発泡層13に耐熱性を改善されたPS系樹脂を、車外側非発泡層14に変性PPE系樹脂からなる基材樹脂を配することにより、車内側非発泡層13および車外側非発泡層14の両層に耐熱性を改善されたPS系樹脂からなる基材樹脂を配する場合よりトリミングなどの加工特性に優れ、一方で、車内側非発泡層13および車外側非発泡層14の両層に変性PPE系樹脂からなる基材樹脂を配する場合より、前述の通り成形加工歪みを低減できることからより好ましい。
車内側非発泡層13として、表皮材4の加熱収縮を抑制し、発泡層1の加熱膨脹を適度に抑制しうる100℃以上の熱変形温度(荷重45.1N/cm、ASTM D−648規格)を有する耐熱性の改善されたPS系樹脂を用いることによって、加熱試験時の変形を抑制できる。
本発明における車内側非発泡層13を形成する基材樹脂である耐熱性の改善されたPS系樹脂は、スチレンまたはその誘導体と、耐熱性の改善効果を有する他の単量体との共重合体(以下「St系共重合体」と記す。)であり、ASTM D648法に準拠して測定する45.1N/cmの荷重下における熱変形温度としては、100℃以上130℃未満であることが好ましく、105℃以上125℃未満であることがより好ましい。車内側非発泡層13を形成する基材樹脂の熱変形温度が100℃未満の場合、発泡層1の表面発泡層12の加熱膨張の抑制効果が不充分で、実装耐熱試験温度(100℃)における加熱試験前後での成形体の寸法変化の制御が困難となり、成形体の実装耐熱試験において成形体端末部が変形する傾向にある。一方、車内側非発泡層13を形成する基材樹脂の熱変形温度が130℃以上の場合、成形加工時の基材樹脂の可塑化が不十分となり、成形加工歪みが発生する場合があり、結果、成形延伸性が不十分で、割れ、裂けなどの外観不良が発生したり、成形体の実装耐熱試験において、加工歪みを緩和するように成形体が変形する傾向にある。
耐熱性の改善効果を有する他の単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。耐熱性の改善効果を有する他の単量体は、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で用いられる。
また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものとマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体がその耐熱性改善効果、汎用性、コストの面から好ましい。
耐熱性の改善されたPS系樹脂は単独で用いても良く、あるいは2種類以上組み合わせても良い。
本発明においては、耐熱性の改善されたPS系樹脂は、他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。このうちでは、汎用性、均一分散が可能であること、車内側非発泡層13の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
車外側非発泡層14に使用される変性PPE系樹脂は、前述の発泡層1の場合と同様に、PPE系樹脂とPS系樹脂とを混合することによって変性を行ったものであり、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂をいう。PPE系樹脂とPS系樹脂との混合による変性は、製造が容易であるなどの点から好ましい。これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層1において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、HIPSで代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、非発泡層14の耐衝撃性改善効果が大きいという点からより好ましい。
本発明において、車外側非発泡層14に使用される変性PPE系樹脂は、変性PPE系樹脂である混合樹脂におけるPPE系樹脂とPS系樹脂の割合としては、PPE樹脂5〜70重量%およびPS系樹脂30〜95重量%であることが好ましく、PPE系樹脂7〜50重量%およびPS系樹脂50〜93重量%であることがより好ましい。PPE樹脂の混合割合が5重量%未満では、耐熱性が劣る傾向にあり、70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇し、発泡成形が困難になる場合がある。
本発明における車内側非発泡層13および車外側非発泡層14のガラス転移温度Tgは、連続気泡発泡シートからなる発泡層1のガラス転移温度Tgよりも低いことが好ましい。すなわち、連続気泡発泡シートからなる発泡層1の発泡気泡壁は、非発泡層13または14に比べて厚みが薄く、非発泡層13および14に対してより少量の熱量においても軟化溶融し、気泡が変形し、二次成形加工等のプレス成形時に発泡層1の気泡がプレス圧により破壊される。そこで、非発泡層13および14のガラス転移温度Tgを、変性PPE系樹脂発泡シートの発泡層1のガラス転移温度Tgより低くすることにより、相対的に発泡層1を構成する基材樹脂を非発泡層13および14を構成する基材樹脂より耐熱性の優れたものとし、二次成形加工時の加熱、成形プレス圧力による気泡破壊を防止し、所望の厚み、形状を有する成形品を得ることができる。
本発明における車内側非発泡層13および車外側非発泡層14の目付は、50〜300g/mが好ましく、75〜200g/mがより好ましい。非発泡層の目付が50g/mより低い場合には、強度、剛性、耐熱性などが低下する傾向があり、300g/mより高い場合には、発泡積層シートの成形性が劣る傾向にある。
本発明において、非発泡層13および14を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、着色剤、安定剤、臭気低減剤等を単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。
耐衝撃性改良剤は、非発泡層13および14を発泡層1に積層し、加熱成形時に2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のトリミング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層13および14の割れなどを防止するのに有効である。本発明における耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば、特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えば、HIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層13または14に耐衝撃性を付与することができる。
着色剤は、自動車内装材の透け、例えば、表皮材4の色目と自動車内装材用発泡積層シート50との色目の違いによる表皮材4の色斑等の外観性や、自動車天井材を車両に配置した場合、車内灯の反射光による自動車天井材からの行燈状光漏れの不具合等を防止するために用いることができる。このような着色剤としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミ等の無機充填剤、シアニンブルー、シリアニングリーン、ミロリブルー、スレンブルー、弁柄、群青、フタロシアニンブルー等の顔料が挙げられ、黒色や灰色等の暗色を呈する着色剤が好ましく、カーボンブラックがより好ましい。
本発明の自動車内装材用積層発泡シートにおいては、室内側非発泡層13面側から、連続気泡押出発泡シートからなる発泡層1の内部に到達する孔を設けることにより、吸音性を付与することができる。すなわち、厚み方向での孔部3の形成により、入射音波の進行方向に対する空間が増加するため、音波が発泡層の気泡壁を振動させて効果的に発泡層内を伝達することで、音の振動エネルギーが熱エネルギーに変換し吸収され、音が減衰しやすくなる。そのため、吸音効果が発現しやすい傾向にある。
その際、連続気泡押出発泡シートの内部に到達する孔を設ける方法としては、針が多数設けられたロールや平板間に通す方法、熱針と接触させる方法、レーザーを照射して開口させる方法、等の孔開け方法が挙げられる。ただし、自動車内装材の実用特性として、内装材全体としては非通気性である必要がある。内装材が全体として通気性を有する場合、車内の空気流が内装材を透過する際に塵や埃をろ過するような形で意匠面を汚染する可能性があるため、本発明においては、貫通しないように孔空け加工を施す必要がある。
本発明における孔3の断面形状(開口部形状)は、音の振動エネルギーを発泡層1の連続気泡に誘導することができればいかなるものでも構わないが、加工性の側面から、円形の形状が好ましい。さらに、厚み深さ方向の全長にわたって変化することなく、同一形状であってもよく、或いは、その深さ方向によって変化した形状であってもよい。
本発明における孔3の開口部直径(円相当径)は、0.3〜3mmφが好ましく、0.5〜1mmφがより好ましい。開口部直径が0.3mmφより小さいと、入射する音波が効率的に連続気泡層を利用した振動を発現できず、吸音性が低下する傾向にある。一方で、開口部直径が3mmφより大きいと、発泡積層シートの曲げ剛性が低下し、内装材としての実用特性を満たさなくなる傾向や、透けが起こり、意匠性が低下する傾向にある。
本発明における孔3の開口率(車室内側非発泡層の表面積に対する孔形成部の面積比率)は、0.5〜35%が好ましく、1.0〜8.0%がより好ましい。孔3の開口率が0.5%より小さいと、入射する音波が効率的に連続気泡層を利用した振動を発現できず、吸音性が低下する傾向にある。一方で、開口率が35%より大きいと、発泡積層シートの曲げ剛性が低下し、内装材としての実用特性を満たさなくなる傾向がある。

ところで、本発明における孔の開口部直径および開口率は、以下の方法を用いて測定した値である。開口率とは、発泡シートの面方向にどの程度の孔が存在するかの指標であり、孔の開口部直径(面積)および数を求めることにより測定できる。
なお、一般的には、以下のようにして、開口率を計算することができる。
(a)厚み方向に孔を形成させた発泡シートを、例えば、光学顕微鏡や通常のカメラを用いて、適当な倍率にて撮影する。
(b)撮影された写真の上にOHPシートを置き、孔に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。
(c)画像処理装置(例えば、(株)ピアス製、PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。
(d)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積率)」を用い、画像全体に占める貫通孔の面積比を次式により求める。
Figure 2009039989
また、開口直径に関しては以下のようにして計算することができる。
(a)前記開口率を計算する過程において撮影された写真に存在する貫通孔の数を数える。
(b)得られた開口率と孔数から次式により円相当径の開口部直径を計算する。
Figure 2009039989
ただし、本実施例においての貫通及び非貫通孔は全て円形に設けたため、発泡シートにある孔の開口部直径(実施例に用いたものは、全て円である)に関しては任意に選んだ孔10個の平均値とし、求めた開口部直径および貫通及び非貫通孔の数を測り、以下の式から開口率を求めた。
Figure 2009039989
本発明における孔3の深さは、発泡積層シートを構成する連続気泡発泡シートからなる発泡層1の厚み方向に対して10〜100%が好ましく、30〜100%がより好ましい。孔の深さが発泡層1の厚み方向に対して10%未満の場合、入射する音波が効率的に連続気泡層を利用した発泡壁の振動を発現できず、吸音性が低下する傾向にある。
本発明にかかる自動車内装材用発泡積層シート50には、車外側非発泡層14の表面に、接着剤層16を介さず(図1)、接着剤層16を介して(図2)、異音防止層2が設けられている。この異音防止層は、自動車内装材を自動車に装着した場合、車内をエアコンで急冷した際、あるいは、凸凹の路面での走行中や急カーブでの走行中に自動車内装材と自動車フレームとの取り付け部に発生する異音を防止するのに効果を発揮する。
本発明における異音防止層2としては、繊維素材で構成される不織布を用いることができる。
本発明における異音防止層2に使用される不織布としては、原料繊維を接着剤、溶融繊維、あるいは機械的方法により接合させた布状物であればいずれの種類でも用いることができる。原料繊維の種類としては、特に限定されず、合成繊維、半合成繊維、あるいは天然繊維のいずれをも用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル等の合成繊維や、羊毛、木綿、セルロース等の天然繊維を使用することができるが、中でもポリエステル系繊維が好ましく、特に耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。これら繊維を単独で使用することも、2種以上組み合わせて使用することもできる。
不織布の種類として、その製造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、ウォーターニードル布、あるいはステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も用いることができる。これら不織布のうち、長繊維フィラメントからなるスパンボンド布、ウォーターニードル布が好ましい。さらに、フィラメントにけん縮性があり、強度が高く、柔らかな風合いを有し、音を吸収するに都合が良い。
次に、異音防止層2は、成形加工性、品質及びコストを考慮すると、15〜100g/m目付けを有していることが好ましく、さらには20〜60g/mの目付けを有していることが好ましい。15g/m未満の目付けでは、有効な異音防止効果が認められず、成形加工での金型に接触冷却時に、材料の冷却が進行することによる伸び性の不良が発生する傾向がある。一方、100g/mを越える目付けでは、軽量性に劣り、コストが無駄に増加したり、異音防止層2を構成する繊維構成体の成形歪みにより自動車内装材に変形などが生じたりする傾向がある。
異音防止層2を非発泡層14に積層する方法としては、図1のように実質的に接着剤層16を介さずに非発泡層14を構成する熱可塑性樹脂の溶融状態における繊維とのアンカー効果によって、異音防止層2の繊維構成体を非発泡層14に接合する方法、図2のように接着剤層16を介して、異音防止層2の繊維構成体を非発泡層14に接合する方法がある。
ここで、アンカー効果とは、異音防止層2の繊維構成体の空隙に存在する孔隙の中に溶融状態の非発泡層14の基材樹脂が浸透し、孔隙の中で硬化することにより異音防止層2の繊維構成体と非発泡層14の基材樹脂とが絡み合い接合することにより機械的な接着を発現させるものである。
アンカー効果を発現させる異音防止層2の繊維構成体と非発泡層14との積層方法としては、熱ラミネーション法の一例である熱ロールを用いて非発泡層14の構成樹脂表面を溶融させ、溶融した非発泡層樹脂表面に異音防止層2の繊維構成体を圧着することにより接合し積層する方法、バインダーラミネーション法の一例である、溶融した非発泡層樹脂を発泡層1と異音防止層2の繊維構成体とで挟み込み圧着して接合する方法が挙げられる。その内、バインダーラミネーション法を用いて積層する方法が発泡層1への熱打撃を与えることなく、非発泡層14の溶融状態を維持することが可能であり、その結果、安定的な接着性を得ることができるため好ましい。
一方で、図2のように接着剤16を介して異音防止層2の繊維構成体と非発泡層14とを接合する方法として、ホットメルト等のような膜状または粉末状の固形接着剤を介して積層する方法、ラテックス接着剤のような液状接着剤を介して積層する方法などが挙げられる。
ホットメルト接着剤の具体例としては、ポリオレフィン系、変成ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系等の樹脂を成分とするものが挙げられる。
ホットメルトのような膜状または粉末状の固形接着剤層を介して異音防止層2の繊維構成体を積層する方法としては、ホットメルト接着剤層をあらかじめ非発泡層13の上に積層し、熱ラミネーション法により接着剤層を熱軟化させ、異音防止層2の繊維構成体に圧着することにより接合する方法、発泡層1と非発泡層14とのバインダーラミネーション加工時に、ホットメルト接着剤層を非発泡層14と異音防止層2の繊維構成体とで挟み込み圧着して接合する方法が挙げられる。
ラテックス接着剤の具体例としては、PS系樹脂ラテックス、SB系樹脂ラテックス、カルボキシル化変性SB系樹脂ラテックス、カルボキシル化変性AS系樹脂ラテックスが挙げられ、これらを単独で用いることも可能であるが、自動車内装材としての種々の要求特性を満たすためには、数種のラテックスを混合して使用することが好ましい。その中で、低温成膜性の良好なバインダーラテックスおよび耐熱性が高いレジンラテックスとの混合物を使用することにより、製造工程内の乾燥処理条件に依存しない安定で強固な初期接着強度とラテックス接着剤層の耐熱性を両立することができ、また、機械安定性の向上により製造工程での取扱い性を改善することができることからより好ましい。
本発明におけるバインダーラテックスとしては、カルボキシル化変性SB系樹脂を構成樹脂とするラテックスが、機械安定性が良好な点および、非発泡層14と相溶性を有する点から好ましい。
本発明におけるラテックス混合物からなる接着剤層16による非発泡層14と異音防止層2の繊維構成体との接着方法としては、イ)ラテックス混合物を非発泡層14表面に塗布し、未乾燥状態の塗布面に異音防止層2を積層した状態で乾燥し、仮接着させた後、加熱プレスすることで接着させる方法、ロ)異音防止層2の繊維構成体に予めラテックス混合物を塗布し、未乾燥状態の塗布面に非発泡層14が接する様に発泡積層シートを積層した状態で乾燥し、仮接着させた後、加熱プレスする方法がある。ラテックス混合物を塗布し、未乾燥状態で非発泡層14および異音防止層2の繊維構成体を積層させることにより、変性PPE系樹脂発泡シート等を使用した場合、発泡シートの熱打撃が起こらない加熱温度での加熱プレスによっても、要求される接着性が安定的に発現される。
本発明におけるラテックスとしては、カーペットバッキング用、塗工紙用、不織布繊維処理用として当業者に知られるいずれのラテックスを使用することができる。
ラテックス原液中の固形分濃度としては、通常40重量%以上であるが、塗布量および塗布方法にあわせ、任意に水で希釈した後使用することが可能である。但し、ラテックス水希釈溶液の固形分濃度が低すぎると、工程内での乾燥が不十分となり、接着不良を引き起こす可能性があるため20重量%以上が好ましい。
本発明において使用するバインダーラテックスおよびレジンラテックスは、製造工程でポンプ輸送、配合の際の攪拌、コーティングの際のロールコーターによる剪断等間断なく機械的操作を受けるため機械安定性が良好なラテックスが好ましい。
機械安定性を改善する方策としては、乳化剤の添加量を増加させる、pHをアルカリ側に調整する、ラテックスをカルボキシル化変性する等があげられるが、カルボキシル化変性が最も有効であるため、カルボキシル化変性のラテックスの使用が好ましい。
本発明におけるラテックスの塗布方法としては、各種ロールコーター法、スプレー法、泡噴霧法等の方法が挙げられ、塗布量、塗布面の形状により選択される。
本発明におけるラテックスは、配合添加剤として、必要に応じて、安定剤、老化防止剤、加硫促進剤、分散剤、充填剤、増粘剤、着色剤、消泡剤、ゲル化剤、凍結防止剤、軟化剤、増粘樹脂等を含有してもよい。
本発明における接着剤層16としてのラテックスの構成樹脂塗布量は、使用する熱可塑性樹脂の種類、必要とされる異音防止層2との接着強度により任意に選択されるが、一般的に、混合ラテックス中の固形分として、1mあたり5〜50gが好ましく、10〜30gがより好ましい。構成樹脂塗布量が5g未満の場合は、接着性の改善効果が発現されない可能性が有り、50gを超える場合は、成形時に異音防止層2よりラテックスが染み出し金型を汚染する可能性がある。
本発明における自動車用内装材は、図3に示すように、一方の車内側非発泡層13の表面に接着剤層18を介して表皮材4が積層されている。
本発明における表皮材4とは、自動車用内装材の室内側最外層に積層される部材であり、自動車室内から見え、触れられる部分に配置されるため、特に意匠性、耐傷つき性、触感、色目等が要求される。
本発明における表皮材4の構成としては、不織布、織布、編布などが挙げられ、通気性を有していることが好ましい。
表皮材を主たる構成要素として機能する不織布層は、原料繊維を接着剤、溶融繊維、あるいは機械的方法により接合させた布状物、シート状の物であればいずれの種類でも使用することができる。原料繊維の種類として、合成繊維、半合成繊維、再生繊維等を使用することができる。具体的には、合成繊維としてポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリアミド(ナイロン)系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系等の繊維を使用することができる。中でも強度、耐熱性、耐光性の観点からポリエステル系繊維が好ましく、特に耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。半合成繊維としては、セルロース系、たんぱく質系などが挙げられ、これら繊維の1種または2種以上混合したものを用いることができる。再生繊維としては、レーヨン系、特殊レーヨン系、キュプラ等からなる1種または2種以上の繊維を混合したものも用いることができる。この中で、強度、耐熱性、燃焼性の観点から、ポリエチレンテレフタレート繊維とレーヨン繊維を混紡したものが経済性の面で最も好ましい。
不織布の種類としては、その製造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、ウォーターニードル布あるいはステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も使用することができる。このうち、フィラメントがけん縮性があり、強度が高く、柔らかな風合いを有する点で、ニードルパンチ布、ウォーターニードル布が好ましい。
表皮材4として用いる不織布の原料繊維を接合させ、表皮材4の耐摩耗性を確保するために、表皮構成繊維を接合するための接着剤層として、バインダー樹脂を表皮材4の表面又は裏面より塗布、塗工などによる含浸する方法がある。
バインダー樹脂としては、水溶性、溶剤可溶性、ビスコース液、エマルジョン、合成樹脂粉末等のタイプが挙げられる。これらの中で、耐水性、柔軟性、作業性の観点から、エマルジョンのものが好適に使用される。エマルジョンタイプとして、アクリロ・ニトリル・ブタジエンラテックス、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリレートラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等が用いられ、これらは単独または2種以上の混合物としても用いることができる。
表皮材4として用いる不織布は、品質およびコストを考慮すると、100〜350g/mの目付けを有していることが好ましく、120〜300g/mの目付けを有していることがより好ましい。不織布の目付が100g/m未満では、内装材としての充分な感触を得ることができない傾向がある。一方、不織布の目付が350g/mを超えると、表皮材4の成形歪みが熱変形に影響を与える傾向がある。
一方で、表皮材4を構成する要素として用いられる編布としては、トリコット、ダブルラッセル、ビロード等、自動車内装材に使用されるものであれば用いることができる。
編布は、一本の糸を使用し、ループを連続的に平面的につづって編み上げたものであり、ループが集合した構造を有しているため、伸縮性に富み、柔軟性があり、しわや折り目がつき難く、多孔性のため保温性が優れており、比重が少なく、ボリューム感のわりに軽量な仕上がりを呈することができる。編布は編み方により様々な風合いをもったものに仕上がり、特にトリコットはループを布の厚さ方向に連続してつづったものであるため、前述した特長のほかに、編み目がより緻密に仕上がり、フィット感に優れるため、自動車内装材用として好適に使用される。
本発明において、接着剤層18を介して表皮材4を車内側非発泡層13に積層する方法としては、前述した接着剤層16を介して異音防止層2を車外側非発泡層14に積層する方法と同様な方法が用いることができる。
さらに、接着剤層18としては、前述の接着剤層16を介して異音防止層2を車外側非発泡層14に積層する方法に用いたものと同様に、ホットメルト等のような粉末状の固形接着剤や、ラテックス接着剤のような液状の接着剤を用いることができる。但し、本発明が意図する吸音性を付与するためには、車内側非発泡層13に積層する接着剤層18として膜状の構成物を形成すると、その皮膜により入射音波が反射され、本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートを用いた有効な吸音性を発現することができなくなる。よって、接着剤層18として、入射音波を連続気泡発泡シートに誘導させるため通気性を有する必要があり、且つ発泡積層シートに施した孔を閉塞しないように積層することが好ましい。そのため、接着剤層18として、粉末状、蜘蛛の巣状、接着剤が点在化した形態、あるいは、フィルム等の膜状接着剤層が車内側非発泡層13から発泡層1に設けたような孔形状をとることが好ましい。そのため、粉末状のパウダーホットメルトや、蜘蛛の巣状のホットメルトが好ましい。
次に、本発明の自動車内装材用発泡積層シートの製造法について説明する。
発泡層1に対し、非発泡層13および14、異音防止層2を積層する方法としては、特に限定されるものではないが、予め発泡成形して巻き取られた発泡層1を繰り出しながら、押出機から供給される溶融状態の非発泡層13および14の基材樹脂を、発泡層1と接着剤層16を介して異音防止層2で挟み込む形で層状に積層した後、冷却ローラーなどによって圧着する方法により製造することができる。なかでも、発泡層1の押出発泡シート成形と非発泡層13および14の押出とをインラインで行って積層する方法が、製造工程の簡略化という点で好ましい。
表皮材4と発泡積層シートとの接着方法としては、液状の接着剤層18を発泡積層シートに孔部を閉塞しないように塗布積層した後、表皮材4を当該面に積層し、ロール等を用いて圧着後、表皮を積層した発泡積層シートを乾燥する方法、粉末状の固形接着剤層18孔部を閉塞しないように発泡積層シートに散布積層した後、加熱ロールを用い、接着剤層18を軟化させ、表皮材4を当該面に積層し、ロール等を用いて圧着する方法、液状の接着剤層18を表皮材4に塗布積層した後、発泡積層シートと、ロール等を用いて圧着後、乾燥する方法、粉末状の固形接着剤層18を表皮材4に散布積層した後、加熱ロールを用い、接着剤層18を軟化させ、発泡積層シートを当該面に積層し、ロール等を用いて圧着する方法、が挙げられる。
本発明における自動車内装材用積層発泡シートから賦型により自動車内装材を得る成形方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に1次発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度(例えば、発泡積層シートの表面温度を135〜155℃)になるように加熱させた後、温度調節した金型にてプレス冷却し、賦形する方法が挙げられる。
成形方法の例としては、具体的には、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法があげられる。
本発明により得られる自動車内装材の全体の目付けは、300〜990g/mが好ましく、350〜850g/mがより好ましい。自動車内装材の全体の目付けが300g/m未満では、強度が劣り、曲げ等による破損が生じ易い傾向がある。990g/mを超えると、重量増に伴う取り扱い性(作業者のハンドリング性)が低下し、本発明の課題である軽量性に反する傾向がある。
以上、本発明に係わる自動車内装材用発泡積層シート50および自動車内装材60の実施態様を種々説明したが、本発明は前記の態様に限定されるものではない。例えば、自動車内装材用発泡積層シートは用途として電車、航空機、建築物の室内などの内装材用発泡積層シートにも使用することができ、広義に解釈されるべきものである。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。実施例または比較例に用いた樹脂を表1に、接着剤として用いた材料、表皮材、異音防止層として用いた繊維構成材料を表2に示す。
Figure 2009039989
Figure 2009039989
なお、表1、表2に示した各符号に関する記載は次の通りである。
PPE :ポリフェニレンエーテル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
SMA共重合体 :スチレン−無水マレイン酸共重合体
SMAA共重合体:スチレン−メタアクリル酸共重合体
実施例または比較例にて実施した評価方法を、以下に示す。
(発泡層および成形体の厚さ)
得られた積層発泡シートおよび成形体に対し、幅方向に20ヵ所の厚さを目盛り付ルーペ(PEAK(株)製、ズームスケールルーペ、倍率15倍)を用いて測定し、その測定値の平均値を算出した。
(発泡倍率)
得られた発泡シートの密度dfをJIS K7222に準じて測定し、別途、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
(発泡シートの連続気泡率)
得られた発泡シートについて、孔開け加工前のものを、マルチピクノメーター((株)ベックマン社製)を用いて、ASTM D−2859規格に準じて測定し、1次発泡シートの独立気泡率を求めた。
得られた独立気泡率から、以下の式により連続気泡率を算出した。
連続気泡率(%)= 100−独立気泡率(%)
(目付)
得られた材料の長さ方向任意の5ヵ所より、430mm角の大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定した後、平均値を算出し、m当たりに換算した。
(発泡層中の中央発泡層と表面発泡層の比率)
得られた発泡シートの孔開け加工前のものから、幅5mm、長さ100mmの試験片を切り出す。一方で、エタノール95gに青色水性インキ5mlを添加・攪拌し、青色エタノール溶液を作成し、この青色溶液中に先に切り出した発泡シート試験片を浸漬する。浸漬方法として、メッシュ状の金網を錘として、試験片を浸漬・沈降させた状態とする。浸漬開始1時間を経過した後、青色溶液から試験片を取り出し、吸水紙を用い、試験片表面に付着した青色溶液を除去する。その後、80℃の乾燥機に10分間入れ、エタノール溶液を蒸発させる。そして、その試験片の横断面をマイクロスコープ(朝日光学機製作所社製ハンディスコープMS−100、倍率50倍)を用い、断面の着色状態を観察する。なお、着色状態として、着色部分を主に連続気泡構造からなる中央発泡層11とする一方、着色していない部分を主として独立気泡構造からなる表面発泡層12と定義し、発泡層1全体の厚みに対する中央発泡層11、表面発泡層12のそれぞれの厚み比率を算出する。ここで、中央発泡層11の厚みは、着色した中央発泡層の相加平均した値をその厚みとし、発泡層1全体の厚みから中央発泡層11の厚みを差し引いた値を表面発泡層12の厚みとする。
(非発泡層基材樹脂の熱変形温度)
非発泡層を構成する基材樹脂の各構成組成比率からなるサンプル試験片(幅12.8mm、厚み6.5mm、長さ110mm)を、射出成形機(成形温度:210〜260℃)を用い作製した。この試験片を、ASTM−D648規格(荷重45.1N/cm)に準じて測定し、各々の非発泡層基材樹脂構成比率からなる試験片の熱変形温度を算出した。
(吸音性)
JIS A1409「残響室法吸音率の測定方法」に準じ、残響室(日東紡音響エンジニアリング(株)社製、9m残響室)に、自動車内装材用発泡積層シートより切り出した0.7m角サイズの試験片を、室内側非発泡層を上向きに配置し、背後空気層0mmで床面に設置し、測定マイク位置5箇所、且つ角測定箇所につき繰り返し3回の残響時間を測定した。得られた残響時間の平均値から下記の式を用いて、吸音率を求め、残響室法吸音率とした。
Figure 2009039989
V :残響室体積 (9m
S :測定サンプル表面積(0.49m
:測定サンプル評価時の残響時間 (秒)
:測定サンプルがない時の残響時間 (秒)

吸音性は、算出された残響室法吸音率から、以下の基準で評価した。
○:1/3オクターブバンドにおける周波数1000〜6300Hzの残響室法吸音率の平均値が0.2より大きい。
×:1/3オクターブバンドにおける周波数1000〜6300Hzの残響室法吸音率の平均値が0.2以下。
(耐衝撃性)
得られた自動車内装材から、350mm×450mmサイズの試験片を切り出し、表皮材を上側に配置し、高さ30mmを有するクランプ枠に装着し、23±2℃の試験条件下で、500g鉄球を高さ180cmのところから落下させ、試験片に衝撃を与えた。落球衝撃後の試験片表裏面の外観について以下の基準で目視評価を行った。
◎: 外観に著しい異常が認められない
○: 外観に座屈の筋が一部認められる
×: 外観に割れが認められる。
(実装耐熱性試験)
図4に示すような自動車天井材22(幅930mm×長さ1424mm)を自動車天井部(カットボディ)に装着し、サンバイザー、ルームミラー、ルームランプ、ガニッシュ、ピラーを介して実車と同等となるように固定した。なお、図中24はアシストグリップ取付穴、26はサンバイザー取付穴、28はサンバイザー留め取付孔、30はルームミラー取付穴、32は室内灯取付穴である。また、フロント部分に測定点を6点、成形体の中心線と対称に120mm間隔で刻印した(図4中a〜f)。フロント部の測定点付近に標線を設け垂直方向の距離を測定した。次に、90±1℃に設定した恒温室に、天井材を取り付けた自動車天井部を24時間投入した後、成形体フロント部に刻印された測定点の垂直方向の寸法変化量の絶対値を測定し、a〜fの最大値を記録した。
寸法変化量の絶対値より、耐熱変形性を以下のように判断した。
○: 変化量 ±1.5mm以内
△: 変化量 ±2.5mm以内
×: 変化量 ±2.5mmより大
なお、最大変位量は、垂直反り上がり方向をプラス(+)、垂直垂れ下がり方向をマイナス(−)として測定した値である。
(実施例1)
[発泡層の作製]
発泡シートの基材樹脂として、PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%になるよう、変性PPE樹脂57.1重量部およびPS樹脂42.9重量部を混合した変性PPE系樹脂を用いた。
変性PPE系樹脂100重量部に、タルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK)0.34重量部、ステアリン酸マグネシウム(堺化学工業(株)製、SM−1000)0.08重量部およびブレンドオイル(新日本石油(株)製、日石ポリブテンLV−50)0.05重量部をリボンブレンダーで攪拌混合した。得られた混合物を、スクリュー径115mmの押出機(第1段目押出機)とスクリュー径152mmの押出機(第2段目押出機)が直列に連結されたタンデム押出機に供給し、樹脂温度が280℃になるよう、第1段目押出機中で溶融混練させた後、発泡剤として炭化水素系発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)を変性PPE系樹脂100重量部に対し、3.9重量部圧入混合した。その後、第2段目押出機のシリンダー温度を200℃に冷却した後、円筒ダイより大気圧下に吐出量150Kg/hrで押出した。押出された円筒状発泡体を、マンドレル(外径445mm、循環冷却水により60℃に温度制御)を用い成形しながら、速度7.8m/minで引き取り、これをマンドレル下部に設置したカッターで切り開くことにより、シート状の発泡体とした。
得られた発泡シート(A−1)は、発泡倍率18倍、連続気泡率85%、目付230g/m、シート幅1400mm、シート厚み4.5mm、発泡シート厚み方向の中央発泡層(連続気泡構造)と表面発泡層(独立気泡構造)の厚み比率は70対30の比率であった。
[非発泡層、異音防止層の積層]
発泡シート(A−1)の片面に非発泡層および異音防止層を積層するために、PPE樹脂成分が10.0重量%、PS樹脂成分が79.3重量%およびゴム成分が10.7重量%となるように、変性PPE樹脂14.3重量部、HIPS樹脂85.7重量部をスクリュー径115mmの押出機に供給して、T−ダイより樹脂温度250℃のフィルム状に押出し、さらに、発泡シートの反対側から、異音防止層として、異音防止用不織布を供給し、発泡層−非発泡層−異音防止層の3層を熱圧着することで、目付120g/mの車外側非発泡層を形成した。
次に、発泡シートの前記積層面と反対面に、SMMA共重合体樹脂50重量部およびHIPS樹脂50重量部(全ゴム成分6.3重量%)を押出機に供給して、T−ダイより樹脂温度250℃のフィルム状に押出し、さらに、発泡シートの反対側から、表皮接着剤層としてホットメルトを供給し、発泡層−非発泡層−表皮接着剤層の3層を熱圧着することで、目付150g/mの車内側非発泡層を形成して、表皮接着剤層、車内外非発泡層、異音防止層が積層された発泡積層シート(B−1)を得た。
[孔の形成]
得られた発泡積層シート(B−1)を、針径1.5mm、針間10mmピッチで格子状に植設した平板に押圧し、車内側非発泡層から孔の開いた開口率1.8%、発泡シート(A−1)の厚み方向に対する孔深さ比率70%の孔開き発泡積層シート(C−1)を得た。
[表皮層の積層]
得られた孔開き発泡積層シート(C−1)を遠赤外ヒーターにて、発泡積層シートの表皮接着剤層の表面温度が95℃になるよう加熱した。その後、車内側非発泡層の車内側非発泡層の面に、不織布表皮を積載し、ロールにて押圧圧着の上、不織布表皮積層した自動車内装材用発泡積層シートを得た(孔開き発泡積層シート目付:542g/m、自動車内装材用発泡積層シート目付:682g/m)。
[自動車内装材の成形]
得られた自動車内装材用発泡積層シートの幅方向2方をクランプして加熱炉に入れ、自動車内装材用発泡積層シートの表面温度が、表皮材の表面で170℃、発泡積層シートの裏面で130℃となるように50秒加熱した。その後、図4に示す自動車内装材用の金型を用い、金型クリアランス4.9mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、自動車内装部品としての自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(実施例2)
発泡層の作製において、第2段目押出機のシリンダー温度を205℃としたこと以外は、実施例1と同様な方法で発泡シート(A−2)を得た。
得られた発泡シート(A−2)は、発泡倍率17倍、連続気泡率88%、目付230g/m、シート幅1400mm、シート厚み4.5mm、発泡シート厚み方向の中央発泡層(連続気泡構造)と表面発泡層(独立気泡構造)の厚み比率は80対20の比率であった。
得られた発泡シートを用い、実施例1と同様な方法で、自動車内装部品としての自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(実施例3)
非発泡層、異音防止層の積層において、車内側非発泡層として、SMA共重合体樹脂50重量部、HIPS樹脂50重量部(全ゴム成分6.3重量%)の樹脂組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(実施例4)
非発泡層、異音防止層の積層において、車内側非発泡層として、SMMA共重合体樹脂46.5重量部、HIPS樹脂46.5重量部および耐衝撃性改良剤7.0重量部(全ゴム成分10重量%)の樹脂組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(実施例5)
非発泡層、異音防止層の積層において、車外側非発泡層として、PPE樹脂成分が30.0重量%、PS樹脂成分が66.2重量%およびゴム成分が3.8重量%となるように、変性PPE樹脂42.9重量部、PS樹脂27.1重量部およびHIPS樹脂30.0重量部の樹脂組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(実施例6)
孔の形成において、針径1.5mm、針間8mmピッチで格子状に植設した平板に押圧し、車内側非発泡層から孔の開いた開口率2.3%としたこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(比較例1)
発泡層の作製において、第2段目押出機のシリンダー温度を170℃としたこと以外は、実施例1と同様な方法で発泡シート(A−3)を得た。
得られた発泡シート(A−3)は、発泡倍率19倍、連続気泡率42%、目付230g/m、シート幅1400mm、シート厚み4.7mm、発泡シート厚み方向の中央発泡層(連続気泡構造)と表面発泡層(独立気泡構造)の厚み比率は50対50の比率であった。
得られた発泡シートを用い、実施例1と同様な方法で、自動車内装部品としての自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(比較例2)
孔を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(比較例3)
非発泡層、異音防止層の積層において、PPE樹脂成分が10.0重量%、PS樹脂成分が79.3重量%およびゴム成分が10.7重量%となるように、変性PPE樹脂14.3重量部およびHIPS樹脂85.7重量部の樹脂組成である目付120g/mの車内側非発泡層を形成したこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、割れ等外観異常は観察されなかった。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
(比較例4)
非発泡層、異音防止層の積層において、車外側非発泡層として、SMMA共重合体樹脂50重量部およびHIPS樹脂50重量部(全ゴム成分6.3重量%)の樹脂組成である目付150g/mの非発泡層を形成し、車内側非発泡層として、PPE樹脂成分が10.0重量%、PS樹脂成分が79.3重量%およびゴム成分が10.7重量%となるように、変性PPE樹脂14.3重量部、HIPS樹脂85.7重量部の樹脂組成で、目付120g/mの非発泡層を形成したこと以外は、実施例1と同様な方法で、自動車天井材を得た。取得した自動車天井材の外観を観察したところ、天井材の深絞り部位車外側非発泡層に一部割れが観察された。
得られた自動車内装材の各構成および評価結果を、表3に示す。
Figure 2009039989
本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートの要部拡大断面説明図である。 本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートの要部拡大断面説明図である。 本発明に係る自動車内装材の要部拡大断面説明図である。 本発明に係るトリミング加工を施した自動車天井材の一例を示す片面説明図である。
符号の説明
1 発泡層
11 中央発泡層
12 表面発泡層
13 車内側非発泡層
14 車外側非発泡層
16 異音防止積層用接着剤層
18 表皮接着剤層
2 異音防止層
3 孔
4 表皮材
50 自動車内装材用発泡積層シート
60 自動車内装材
70 自動車天井材
72 アシストグリップ取付け穴
74 室内用取付穴
76 ルームミラー取付穴
78 サンバイザー取付穴
80 サンバイザー留め取付穴

Claims (9)

  1. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートの片面に、耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車内側非発泡層として積層されてなり、その反対面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車外側非発泡層として積層されてなる自動車内装材用発泡積層シートであって、車内側非発泡層の表面から変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成されていることを特徴とする、自動車内装材用発泡積層シート。
  2. 車内側非発泡層の基材樹脂が、ASTM D648規格に準じて測定する45.1N/cm荷重下における熱変形温度が100℃以上130℃未満のポリスチレン系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  3. 車内側非発泡層の基材樹脂が、スチレン−無水マレイン酸系共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 車内側非発泡層の基材樹脂が、スチレン−アクリル酸系共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  5. 車外側非発泡層の基材樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル系樹脂5〜45重量%およびスチレン系樹脂95〜55重量%である混合樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  6. 押出発泡シートの基材樹脂である変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル系樹脂25〜70重量%およびスチレン系樹脂75〜30重量%である混合樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  7. 車内側非発泡層の基材樹脂が、樹脂中に耐衝撃性改良剤を含有したものであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  8. 変性ポリフェニレンエーテル系発泡積層シートの車内側非発泡層の表面から変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの内部に達する孔部の開口率が、1〜30%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  9. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる連続気泡率が50〜95%である押出発泡シートの片面に、耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車内側非発泡層として積層されてなり、その反対面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする非発泡層が車外側非発泡層として積層されてなる自動車内装材用発泡積層シートであって、車内側非発泡層の表面から変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートの内部に達する孔部が形成されている自動車内装材用発泡積層シートの車内側非発泡層側に接着層を介して表皮材層を積層し、表皮材層を意匠層として車内側に配置するように成形してなる自動車内装材。
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