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JP2008218392A - 燃料電池 - Google Patents

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JP2008218392A JP2007288631A JP2007288631A JP2008218392A JP 2008218392 A JP2008218392 A JP 2008218392A JP 2007288631 A JP2007288631 A JP 2007288631A JP 2007288631 A JP2007288631 A JP 2007288631A JP 2008218392 A JP2008218392 A JP 2008218392A
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Abstract

【課題】簡単な構成で、バッファ部から反応ガスがショートカットすることを確実に阻止することができ、所望の発電性能を確保することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10を構成する各発電セル12は、電解質膜・電極構造体16を挟持する第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20を備える。第1金属セパレータ18には、燃料ガス流路34に連通し燃料ガスを積層方向に流す燃料ガス供給連通孔24aと、前記燃料ガス流路34と前記燃料ガス供給連通孔24aとを連通する入口バッファ部36aとが設けられる。第1金属セパレータ18に一体成形される第1シール部材56は、シール部56aを有するとともに、前記シール部56aには、第1金属セパレータ18の平坦面60に対応し且つ入口バッファ部36aの外周部位に対応し、燃料ガスが流通することを阻止する閉塞シール62が一体に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜の両側に一対の電極を設けた電解質膜・電極構造体と、シール部材が一体成形された金属セパレータとを積層するとともに、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、セパレータの面内に、アノード側電極に燃料ガスを流すための燃料ガス流路(以下、反応ガス流路ともいう)と、カソード側電極に酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(以下、反応ガス流路ともいう)とが設けられている。さらに、各発電セル毎又は複数の発電セル毎に、冷却媒体を流すための冷却媒体流路がセパレータの面方向に沿って設けられている。
上記の発電セルでは、燃料ガス及び酸化剤ガス(以下、反応ガスともいう)を気密に保持するために、種々のシール構造が採用されている。例えば、特許文献1には、電解質膜・電極構造体とセパレータとのシール性を向上させるとともに、特に反応ガスがシール間の隙間から漏れる、所謂、ショートカットの発生を阻止するための燃料電池が開示されている。
この特許文献1では、電解質膜の両側に第1の電極と第2の電極とを配設した電解質膜・電極構造体を備え、前記電解質膜・電極構造体を第1及び第2のセパレータ間に配設するとともに、前記第1及び第2のセパレータには、それぞれ所定の反応ガスを前記第1及び第2の電極に沿って供給する反応ガス流路が形成される燃料電池であって、少なくとも前記第1のセパレータには、該第1のセパレータの外周縁部を覆ってシール部材が設けられるとともに、前記シール部材は、前記第1の電極に対向する額縁状シール面を有し、前記額縁状シール面の内周端部と、前記内周端部に隣接する前記反応ガス流路の凸部との間隙には、該間隙に沿って反応ガスが流通することを阻止する複数の閉塞シールが設けられることを特徴としている。
特開2005−100950号公報(図2)
通常、燃料電池には、各発電セルの反応ガス流路に反応ガスを供給するための反応ガス供給連通孔と、前記反応ガス流路から使用済みの反応ガスを排出するための反応ガス排出連通孔とが、各発電セルの積層方向に沿って形成されている内部マニホールド型燃料電池が採用されている。
その際、各発電セルの反応ガス流路に反応ガスを確実且つ良好に分配供給する必要がある。このため、反応ガス流路と、反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔との間に、例えば、複数のエンボスを有するバッファ部を設ける構造が採用されている。
この場合、セパレータとして、金属プレートの両面にシール部材を一体成形した金属セパレータでは、このシール部材を成形する際に、型部材が接する型押さえ面(平坦面)が必要となっている。従って、特にバッファ部の外周部位には、型押さえ面に対応してシールが設けられていない平坦面が形成されてしまう。この平坦面には、反応ガスがショートカットするバイパス流路が構成され易く、前記反応ガスを電極反応面に確実且つ良好に供給することができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、バッファ部から反応ガスがショートカットすることを確実に阻止することができ、所望の発電性能を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に一対の電極を設けた電解質膜・電極構造体と、シール部材が一体成形された金属セパレータとを積層するとともに、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池に関するものである。
金属セパレータには、反応ガス流路に連通し、反応ガスを前記金属セパレータの積層方向に流す反応ガス連通孔と、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とを連通するバッファ部と、シール部材の成形時に型部材が接する型押さえ面に対応し且つ前記バッファ部の外周部位に対応し、前記反応ガスが流通することを阻止する閉塞シールとが設けられている。
また、閉塞シールは、反応ガス連通孔に近接して設けられることが好ましい。
さらに、閉塞シールは、複数に分割された直線状シールで構成されることが好ましい。
さらにまた、閉塞シールは、シール部材に一体的に形成され、金属セパレータから離間する方向に傾斜して突出することが好ましい。
また、閉塞シールは、シール部材の内周端部と金属セパレータの凸部との隙間に配設される複数の固形シールであることが好ましい。
さらに、閉塞シールは、シール部材の内周端部と金属セパレータの凸部との隙間に充填される複数の液状シールであることが好ましい。
さらにまた、反応ガス流路は、重力方向に向かって反応ガスを供給するとともに、前記反応ガス流路の上方に入口バッファ部が連通し、且つ前記反応ガス流路の下方に出口バッファ部が連通し、前記入口バッファ部の外周部位にのみ対応して閉塞シールが設けられることが好ましい。
本発明によれば、シール部材の成形時に型部材が接する型押さえ面に対応し且つバッファ部の外周部位に対応し、閉塞シールが設けられており、この閉塞シールの作用下に、前記バッファ部の外周部位に短絡ガス通路が形成されることを良好に防止している。
このため、反応ガス連通孔からバッファ部に供給された反応ガスが、前記バッファ部の外周部位を通過して、所謂、ショートカットを発生することを確実に阻止することができる。これにより、発電に利用されない反応ガスを良好に削減することが可能になるとともに、前記反応ガスを電極面に均一に供給することができ、簡単な構成で、効率的且つ経済的な発電が遂行される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10を構成する発電セル12の分解概略斜視図であり、図2は、複数の前記発電セル12を矢印A方向に積層してスタック化された前記燃料電池10の、図1中、II−II線断面説明図である。
燃料電池10は、図2に示すように、複数の発電セル12を矢印A方向に積層するとともに、積層方向両端にエンドプレート(図示せず)が配置される。エンドプレートは、図示しないタイロッドを介して固定され、又は、図示しないケーシング内に収容されることにより、積層されている複数の発電セル12には、矢印A方向に所定の締め付け荷重が付与される。
図1に示すように、発電セル12は、電解質膜・電極構造体16が、アノード側の第1金属セパレータ18とカソード側の第2金属セパレータ20とに挟持されている。第1及び第2金属セパレータ18、20は、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状を有している。なお、第1及び第2金属セパレータ18、20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成される。
発電セル12の長辺方向(図1中、矢印C方向)の上端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔(反応ガス連通孔)22a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔(反応ガス連通孔)24aが設けられる。
発電セル12の長辺方向の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔(反応ガス連通孔)24b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔(反応ガス連通孔)22bが設けられる。
発電セル12の短辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔26aが設けられるとともに、短辺方向の他端縁部には、前記冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔26bが設けられる。
電解質膜・電極構造体16は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜28と、前記固体高分子電解質膜28を挟持するアノード側電極30及びカソード側電極32とを備える。アノード側電極30は、カソード側電極32よりも小さな表面積を有している。
アノード側電極30及びカソード側電極32は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜28の両面に形成される。
第1金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体16に向かう面18aには、燃料ガス供給連通孔24aと燃料ガス排出連通孔24bとを連通する燃料ガス流路34が形成される。この燃料ガス流路34は、図3に示すように、重力方向(矢印C方向)に延在する複数の波状流路溝34aを有し、前記波状流路溝34aの矢印C方向上端及び下端に位置して入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bが設けられる。入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bは、複数のエンボス38a、38bを有する。
第1金属セパレータ18の面18aには、燃料ガス供給連通孔24aと入口バッファ部36aとを連通する連通路形成用の複数の受け部40aと、燃料ガス排出連通孔24bと出口バッファ部36bとを連通する連通路形成用の複数の受け部40bとが形成される。受け部40a、40bの近傍には、それぞれ複数の供給孔部42a及び排出孔部42bが形成される。供給孔部42aは、面18b側で燃料ガス供給連通孔24aに連通する一方、排出孔部42bは、同様に前記面18b側で燃料ガス排出連通孔24bに連通する。
図4に示すように、第2金属セパレータ20の電解質膜・電極構造体16に向かう面20aには、酸化剤ガス供給連通孔22aと酸化剤ガス排出連通孔22bとを連通する酸化剤ガス流路44が形成される。この酸化剤ガス流路44は、重力方向(矢印C方向)に延在する複数の波状流路溝44aを有し、前記波状流路溝44aの矢印C方向上端及び下端に位置して入口バッファ部46a及び出口バッファ部46bが設けられる。入口バッファ部46a及び出口バッファ部46bは、複数のエンボス48a、48bを有する。
面20aには、酸化剤ガス供給連通孔22aと入口バッファ部46aとを連通する連通路形成用の複数の受け部50aと、酸化剤ガス排出連通孔22bと出口バッファ部46bとを連通する連通路形成用の複数の受け部50bとが設けられる。
図1に示すように、第2金属セパレータ20の面20bと、第1金属セパレータ18の面18bとの間には、冷却媒体供給連通孔26aと冷却媒体排出連通孔26bとに連通する冷却媒体流路54が形成される。この冷却媒体流路54は、燃料ガス流路34の裏面形状と酸化剤ガス流路44の裏面形状とが重なり合うことによって、矢印B方向に延在して形成される。
第1金属セパレータ18の面18a、18bには、この第1金属セパレータ18の外周端縁部を周回して第1シール部材56が一体成形される。第2金属セパレータ20の面20a、20bには、この第2金属セパレータ20の外周端縁部を周回して第2シール部材58が一体成形される。第1及び第2シール部材56、58としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
図1及び図3に示すように、第1シール部材56は、面18a側に燃料ガス流路34を囲繞して設けられるシール部56aと、このシール部56aの外方に設けられるシール部56bとを有する。シール部56aは、燃料ガス流路34、入口バッファ部36a、出口バッファ部36b、供給孔部42a及び排出孔部42bを周回する凸状シールを構成する。
第1金属セパレータ18は、燃料ガス流路34、入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bを形成する凸部59を設けるとともに、この凸部59とシール部56aとの間には、後述するように前記シール部56aを成形する際に型部材が接する型押さえ面に対応して平坦面60が形成される。
シール部56aには、入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bの外周部位に対応し且つ平坦面60に対応し、燃料ガスが流通(ショートカット)することを阻止する複数の閉塞シール62が一体成形される。閉塞シール62は、第1金属セパレータ18から離間する方向に傾斜して突出形成される。閉塞シール62は、燃料ガス供給連通孔24a及び燃料ガス排出連通孔24bに近接する部位の他、複数に分割された直線状シールで構成される。
図4に示すように、第2シール部材58は、第2金属セパレータ20の面20a側に酸化剤ガス流路44、入口バッファ部46a、出口バッファ部46b、酸化剤ガス供給連通孔22a及び酸化剤ガス排出連通孔22bを囲繞して形成されるシール部58aを有する。第2金属セパレータ20は、酸化剤ガス流路44、入口バッファ部46a及び出口バッファ部46bを形成する凸部64を設けるとともに、前記凸部64とシール部58aとの間には、型押さえ面に対応して平坦面66が形成される。
シール部58aには、平坦面66に対応し且つ入口バッファ部46a及び出口バッファ部46bの外周部位に対応し、酸化剤ガスが流通(ショートカット)することを阻止する複数の閉塞シール68が一体成形される。閉塞シール68は、特に、酸化剤ガス供給連通孔22a及び酸化剤ガス排出連通孔22bに近接して設けられ、複数に分解された直線状シールを構成するとともに、第2金属セパレータ20から離間する方向に傾斜して突出する。
次いで、第1及び第2金属セパレータ18、20を製造する作業について説明する。
第1金属セパレータ18の面18a、18bには、第1シール部材56が一体成形されるとともに、第2金属セパレータ20の面20a、20bには、第2シール部材58が一体成形される。その際、第1金属セパレータ18では、プレス加工によって両方の面18a、18bに燃料ガス流路34及び冷却媒体流路54が形成される一方、第2金属セパレータ20では、プレス加工によって両方の面20a、20bに酸化剤ガス流路44及び冷却媒体流路54が形成される。
先ず、図5に示すように、第1金属セパレータ18は、シール成形用金型80内に配置される。金型80は、第1型82と第2型84とを備え、前記第1及び第2型82、84間には、キャビティ86と逃げ88とが形成される。この逃げ88は、凸部59と入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bを構成するエンボス38a、38bとを収容する。逃げ88とキャビティ86との間には、第1金属セパレータ18に接触する型押さえ部82a、84aが距離H1にわたって設けられる。
キャビティ86は、第1シール部材56の形状に対応しており、このキャビティ86の内側(凸部59側)端部には、閉塞シール62の形状に対応する突起状キャビティ86aが連通する。キャビティ86aは、第2型84に設けられており、第1金属セパレータ18の面18aから離間する方向に角度θ°(30°<θ°<60°)だけ傾斜する。このキャビティ86aの長さH2は、閉塞シール62が凸部59の近傍まで覆って所望の閉塞機能を有する寸法に設定される。
そこで、第1及び第2型82、84が第1金属セパレータ18を挟持して型締めされた状態で、キャビティ86、86aに溶融ゴムが充填される。このため、所定の時間だけ経過すると、第1金属セパレータ18の面18a、18bには、第1シール部材56が一体化されるとともに、前記第1シール部材56を構成するシール部56aの内周端部には、第1金属セパレータ18から離間する方向に傾斜して閉塞シール62が一体的に突出形成される。
さらに、第1及び第2型82、84が型開きされ、第1金属セパレータ18が金型80から離型される。
一方、第2金属セパレータ20では、図示しないシール成形用金型を介してこの第2金属セパレータ20の両方の面20a、20bに第2シール部材58が一体化される。この第2シール部材58を構成するシール部58aの内周端部には、第2金属セパレータ20から離間する方向に傾斜して閉塞シール68が一体的に突出形成される。
次いで、電解質膜・電極構造体16を挟んで第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20が配置され、積層方向(矢印A方向)にプレスされる。従って、第1金属セパレータ18では、図2に示すように、閉塞シール62は、前記第1金属セパレータ18の面18a側に揺動し、シール部56aの内周端部と凸部59との間に形成された平坦面60に密着する。
同様に、第2金属セパレータ20では、閉塞シール68は、前記第2金属セパレータ20の面20a側に揺動し、シール部58aの内周端部と凸部64との間に形成された平坦面66に密着する。
これにより、発電セル12が構成され、前記発電セル12が所定数だけ積層されるとともに、積層方向に締め付け保持されることによって、燃料電池10が組み付けられる。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、燃料電池10では、酸化剤ガス供給連通孔22aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔26aに純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。このため、積層体14では、矢印A方向に重ね合わされた複数の発電セル12に対し、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体が、それぞれ矢印A方向に供給される。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔22aから第2金属セパレータ20の酸化剤ガス流路44に導入され、電解質膜・電極構造体16のカソード側電極32に沿って移動する。
その際、図4に示すように、第2金属セパレータ20の面20aでは、酸化剤ガス供給連通孔22aを流れる酸化剤ガスは、複数の受け部50a間を通って入口バッファ部46aに供給される。この入口バッファ部46aに供給された酸化剤ガスは、矢印B方向に分散されるとともに、酸化剤ガス流路44を構成する複数の波状流路溝44aに沿って鉛直下方向に流動し、電解質膜・電極構造体16のカソード側電極32に供給される。
一方、燃料ガスは、図1及び図3に示すように、第1金属セパレータ18の面18bにおいて、燃料ガス供給連通孔24aから複数の供給孔部42aを通って面18a側に供給される。この燃料ガスは、受け部40a間を通って入口バッファ部36aに導入される。入口バッファ部36aで矢印B方向に分散された燃料ガスは、燃料ガス流路34を構成する複数の波状流路溝34aに沿って鉛直下方向に移動し、電解質膜・電極構造体16のアノード側電極30に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体16では、カソード側電極32に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極30に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる(図2参照)。
次いで、カソード側電極32に供給されて消費された酸化剤ガスは、図4に示すように、酸化剤ガス流路44の下部に連通する出口バッファ部46bに送られる。さらに、酸化剤ガスは、出口バッファ部46bから複数の受け部50b間に沿って酸化剤ガス排出連通孔22bに排出される。
同様に、アノード側電極30に供給されて消費された燃料ガスは、図1及び図3に示すように、燃料ガス流路34の下部に連通する出口バッファ部36bに送られた後、複数の受け部40b間を流れる。燃料ガスは、複数の排出孔部42bを通って面18b側に移動し、燃料ガス排出連通孔24bに排出される。
また、冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔26aから第1及び第2金属セパレータ18、20間の冷却媒体流路54に導入された後、矢印B方向(水平方向)に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体16を冷却した後、冷却媒体排出連通孔26bから排出される。
この場合、第1の実施形態では、図1及び図3に示すように、第1金属セパレータ18に設けられている第1シール部材56のシール部56aには、入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bの外周部位に対応し且つ凸部59と前記シール部56aとの間に形成される平坦面60に対応して、閉塞シール62が設けられている。
このため、閉塞シール62は、平坦面60に密着し、この平坦面60に供給孔部42a及び排出孔部42bを短絡させる短絡通路が形成されることを阻止することが可能になる。従って、燃料ガス供給連通孔24aから供給孔部42aを通って入口バッファ部36aに供給された燃料ガスが、前記入口バッファ部36aの外周を通過して、所謂、ショートカットを発生することを確実に阻止することができる。
これにより、発電に利用されない燃料ガスを良好に削減することが可能になるとともに、前記燃料ガスをアノード側電極30の電極面に均一に供給することができ、簡単な構成で、効率的且つ経済的な発電が遂行されるという効果が得られる。
さらに、閉塞シール62は、シール部56aの内周端部に一体成形されている。従って、第1シール部材56の成形時にシール部56a及び閉塞シール62が同時に成形され、前記第1シール部材56全体の製造作業が有効に簡素化される。
なお、第2金属セパレータ20では、第2シール部材58がシール部58aの内周端部に一体成形される複数の閉塞シール68を有している。このため、上記の第1金属セパレータ18に設けられる第1シール部材56と同様の効果が得られる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属セパレータ90の正面説明図である。なお、第1の実施形態に採用されている第1金属セパレータ18と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1金属セパレータ90では、第1シール部材56のシール部56aに、特に燃料ガス供給連通孔24a及び燃料ガス排出連通孔24bに近接する位置に対応して閉塞シール62が設けられている。従って、第1金属セパレータ90は、閉塞シール62の数を削減するとともに、上記の第1金属セパレータ18と同様の効果を得ることができる。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池100の一部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第4の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池100を構成する各発電セル102は、電解質膜・電極構造体16を挟持する第1金属セパレータ104及び第2金属セパレータ106を備える。第1金属セパレータ104は、第1シール部材56を一体成形するとともに、この第1シール部材56とは別体に構成される閉塞シール108を備える。閉塞シール108は、閉塞シール62と同様に、平坦面60に対応し且つ入口バッファ部36a及び出口バッファ部36bの外周部位に対応して設けられている。
一方、第2金属セパレータ106では、上記の第1金属セパレータ104と同様に、個別に構成される閉塞シール(図示せず)が用いられる。この閉塞シールは、閉塞シール68と同様の位置に設定される。
このように構成される第3の実施形態では、燃料ガスが入口バッファ部36aの外周を通過して、所謂、ショートカットを発生することを確実に阻止することができ、簡単な構成で、効率的且つ経済的な発電が遂行される等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池110の一部断面説明図である。
燃料電池110を構成する各発電セル112は、電解質膜・電極構造体16を挟持する第1金属セパレータ114及び第2金属セパレータ116を備える。第1金属セパレータ114では、上記の閉塞シール62、108と同一の位置に液状シールからなる閉塞シール118が設けられる。同様に、第2金属セパレータ116では、上記の閉塞シール68等と同一位置に、液状シールからなる閉塞シール(図示せず)が設けられる。
これにより、第4の実施形態では、簡単な構成で、効率的な発電が遂行される等、第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
図9は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属セパレータ120の正面説明図である。なお、第1の実施形態に採用されている第1金属セパレータ18と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1金属セパレータ120では、第1シール部材56のシール部56aには、入口バッファ部36aの外周部位にのみ対応し且つ平坦面60に対応し、燃料ガスが流通(ショートカット)することを阻止する複数の閉塞シール62が一体成形される。
従って、出口バッファ部36b側には、閉塞シール62が設けられないため、特に排水駆動力が小さい低負荷発電時にも、水滴が上から下に流れて重力方向に向かう排水性を有することができる。このため、燃料ガスの円滑な流れを確保することが可能になり、発電安定性が良好に向上するという効果が得られる。
図10は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属セパレータ130の正面説明図である。なお、第2の実施形態に採用されている第1金属セパレータ90と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1金属セパレータ130では、第1シール部材56のシール部56aに、燃料ガス供給連通孔24aに近接する位置に対応して閉塞シール62が設けられる一方、燃料ガス排出連通孔24bに近接する位置に対応して閉塞シール62が設けられてない。従って、第1金属セパレータ130は、特に低負荷発電時にも、排水性を有して燃料ガスの円滑な流れを確保し、発電安定性の向上を図ることができる等、上記の第1金属セパレータ90と同様の効果を得ることが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの分解概略斜視図である。 前記燃料電池の、図1中、II−II線断面説明図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面図である。 前記発電セルを構成する第2金属セパレータの正面図である。 前記第1金属セパレータに第1シール部材を一体化する金型の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の一部断面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の一部断面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属セパレータの正面説明図である。
符号の説明
10、100、110…燃料電池 12、102、112…発電セル
16…電解質膜・電極構造体
18、20、90、104、106、114、116、120、130…金属セパレータ
22a…酸化剤ガス供給連通孔 22b…酸化剤ガス排出連通孔
24a…燃料ガス供給連通孔 24b…燃料ガス排出連通孔
26a…冷却媒体供給連通孔 26b…冷却媒体排出連通孔
28…固体高分子電解質膜 30…アノード側電極
32…カソード側電極 34…燃料ガス流路
36a、46a…入口バッファ部 36b、46b…出口バッファ部
42a…供給孔部 42b…排出孔部
44…酸化剤ガス流路 54…冷却媒体流路
56、58…シール部材 56a、56b、58a…シール部
59…凸部 60、66…平坦面
62、68、108、118…閉塞シール
80…金型

Claims (7)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極を設けた電解質膜・電極構造体と、シール部材が一体成形された金属セパレータとを積層するとともに、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池であって、
    前記金属セパレータには、前記反応ガス流路に連通し、前記反応ガスを前記金属セパレータの積層方向に流す反応ガス連通孔と、
    前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とを連通するバッファ部と、
    前記シール部材の成形時に型部材が接する型押さえ面に対応し且つ前記バッファ部の外周部位に対応し、前記反応ガスが流通することを阻止する閉塞シールと、
    が設けられることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記閉塞シールは、前記反応ガス連通孔に近接して設けられることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1記載の燃料電池において、前記閉塞シールは、複数に分割された直線状シールで構成されることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記閉塞シールは、前記シール部材に一体的に形成され、前記金属セパレータから離間する方向に傾斜して突出することを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記閉塞シールは、前記シール部材の内周端部と前記金属セパレータの凸部との隙間に配設される複数の固形シールであることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記閉塞シールは、前記シール部材の内周端部と前記金属セパレータの凸部との隙間に充填される複数の液状シールであることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記反応ガス流路は、重力方向に向かって前記反応ガスを供給するとともに、
    前記反応ガス流路の上方に入口バッファ部が連通し、且つ前記反応ガス流路の下方に出口バッファ部が連通し、
    前記入口バッファ部の外周部位にのみ対応して前記閉塞シールが設けられることを特徴とする燃料電池。
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