JP2008124664A - 画像形成装置及び画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易的な構成を用いて、蛍光物質を有する領域を良好に再現する。
【解決手段】画像形成装置は、分光エネルギー分布が異なる2つの光源を用いてスキャン動作を行い、各々について画像データを生成する(ステップS1〜S4)。そして、画像形成装置は、被撮像物の領域に相当する各々の画像データの画素の分光反射率を比較して(ステップS5)、それらの差分が蛍光波長域において所定の閾値よりも大きな値であれば(ステップS6;YES)、当該領域が蛍光領域に属すると判断する(ステップS7)。画像形成装置は、画像データの全ての画素について判断すれば(ステップS8;YES)、必要なトナーの色と量を決定し(ステップS9)、画像を形成する(ステップS10)。このようにすれば、簡易的な構成で蛍光色を読み取って良好に再現することができる。
【選択図】図7
【解決手段】画像形成装置は、分光エネルギー分布が異なる2つの光源を用いてスキャン動作を行い、各々について画像データを生成する(ステップS1〜S4)。そして、画像形成装置は、被撮像物の領域に相当する各々の画像データの画素の分光反射率を比較して(ステップS5)、それらの差分が蛍光波長域において所定の閾値よりも大きな値であれば(ステップS6;YES)、当該領域が蛍光領域に属すると判断する(ステップS7)。画像形成装置は、画像データの全ての画素について判断すれば(ステップS8;YES)、必要なトナーの色と量を決定し(ステップS9)、画像を形成する(ステップS10)。このようにすれば、簡易的な構成で蛍光色を読み取って良好に再現することができる。
【選択図】図7
Description
本発明は、被撮像物から蛍光物質を有する蛍光領域を読み取り、それを再現するための技術に関する。
蛍光色は鮮やかで目立ちやすいため、その蛍光色を表現する蛍光物質が交通標識や広告に用いられたり、原稿の中の重要な箇所が蛍光ペンでマーキングされたりする。これは、蛍光物質は光(励起光)が照射されると励起状態となり、再び定常状態へと遷移するときに、励起光よりも長い波長の光(蛍光)を放射するという性質を有しており(ストークスの法則)、人間はこのような蛍光色に自ずと注意が向けられるからである。
このような蛍光物質を有する領域(以下、蛍光領域という)をスキャナ等の画像読取装置によって読み取るための技術が例えば特許文献1によって提案されている。即ち、励起波長域の光を照射して蛍光物質を励起し、その蛍光成分を読み取るというものである。
特開平10−300672号公報
本発明は、被撮像物の蛍光領域に加えて、その蛍光領域以外の画像領域を読み取り、これらを画像として再現することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第1の閾値以上であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値以下である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段と、蛍光色の色材を含む複数の色材を用いて前記被撮像物画像を記録材に形成する画像形成手段であって、前記指定情報によって指定される画像領域に含まれる画像を蛍光色の色材によって前記記録材に形成し、前記指定情報によって指定される画像領域以外の領域に含まれる画像を蛍光色の色材外の色材を少なくとも用いて前記記録材に形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、請求項2に係る発明は、或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値以下であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値以上である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段と、蛍光色の色材を含む複数の色材を用いて前記被撮像物画像を記録材に形成する画像形成手段であって、前記指定情報によって指定される画像領域に含まれる画像を蛍光色の色材によって前記記録材に形成し、前記指定情報によって指定される画像領域以外の領域に含まれる画像を蛍光色の色材外の色材を少なくとも用いて前記記録材に形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、請求項3に係る発明は、或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第1の閾値以上であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値以下である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段とを備えることを特徴とする画像読取装置を提供する。
また、請求項4に係る発明は、或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値以下であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値以上である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段とを備えることを特徴とする画像読取装置としても特定されるものである。
請求項5に記載の画像読取装置において、前記第1の照射手段は蛍光ランプであり、前記第2の照射手段はタングステンランプである。
また、請求項6に記載の画像読取装置において、前記第1の照射手段は蛍光ランプであり、前記第2の照射手段は、蛍光ランプと、その蛍光ランプによって照射された光のうち、紫外波長域の光の強度を減じて前記被撮像物へと透過させるフィルタとを備える。
請求項1、2に記載の発明によれば、被撮像物の蛍光領域に加えて、その蛍光領域以外の画像領域を読み取り、これらを画像として再現することができる。
また、請求項3、4に記載の発明によれば、被撮像物の蛍光領域と、蛍光領域以外の画像領域とを読み取り、読み取った蛍光領域の被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を出力することができる。この指定情報を用いれば、被撮像物の蛍光領域と、蛍光領域以外の画像領域とを画像として再現することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、第1の照射手段及び第2の照射手段を、既存の照射手段である蛍光ランプとタングステンランプで構成することができる。また、請求項6に記載の発明によれば、既存の照射手段である蛍光ランプとフィルタによって実現することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下に説明する被撮像物Oは、紙やOHPシートのようなシート状の形状に限らず、その形状はどのようなものであってもよい。
(1)構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能的な構成を示したブロック図である。画像形成装置1は、印刷物などから画像を読み取る画像読取部10と、画像データに基づいて記録シート(媒体)に画像を形成する画像形成部20と、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備えた演算装置である制御部30と、各種データや制御部30が行う動作手順が記述されたプログラムを記憶するHD(Hard Disk)のような記憶部40と、画像データに対して画像処理を施す画像処理部50と、各種のボタンやタッチパネル式の液晶ディスプレイのような操作部60と、ネットワークを介して通信を行うためのインターフェース装置であるデータ入出力部70とを備えている。画像処理部50は複数のASIC(Application Specific Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)等の画像処理回路や、画像データを一時的に記憶するイメージメモリ等を備えており、それぞれの画像処理回路によって各種の画像処理が実行される。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能的な構成を示したブロック図である。画像形成装置1は、印刷物などから画像を読み取る画像読取部10と、画像データに基づいて記録シート(媒体)に画像を形成する画像形成部20と、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備えた演算装置である制御部30と、各種データや制御部30が行う動作手順が記述されたプログラムを記憶するHD(Hard Disk)のような記憶部40と、画像データに対して画像処理を施す画像処理部50と、各種のボタンやタッチパネル式の液晶ディスプレイのような操作部60と、ネットワークを介して通信を行うためのインターフェース装置であるデータ入出力部70とを備えている。画像処理部50は複数のASIC(Application Specific Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)等の画像処理回路や、画像データを一時的に記憶するイメージメモリ等を備えており、それぞれの画像処理回路によって各種の画像処理が実行される。
次に、図2は、画像形成装置1の装置構成を示した図である。
画像読取部10は、原稿を走査するフルレートキャリッジ110と、フルレートキャリッジの移動と同時に動き、フルレートキャリッジの半分の距離を動くハーフレートキャリッジ120と、結像レンズ130と、ラインセンサ140と、プラテンガラス150と、プラテンカバー160とを備えた装置である。フルレートキャリッジ110は、光源とミラーとを備えており、図示せぬ駆動部によって駆動され、図2中の矢印C方向に移動されながら被撮像物Oの読み取りを行うことになるが、詳しくは後述する。ハーフレートキャリッジ120は、ミラー121および122を備え、フルレートキャリッジ110からの光を結像レンズ130へと導く。また、ハーフレートキャリッジ120は図示せぬ駆動部によって駆動され、フルレートキャリッジ110の半分程度の速度でフルレートキャリッジ110と同じ方向へと移動される。
画像読取部10は、原稿を走査するフルレートキャリッジ110と、フルレートキャリッジの移動と同時に動き、フルレートキャリッジの半分の距離を動くハーフレートキャリッジ120と、結像レンズ130と、ラインセンサ140と、プラテンガラス150と、プラテンカバー160とを備えた装置である。フルレートキャリッジ110は、光源とミラーとを備えており、図示せぬ駆動部によって駆動され、図2中の矢印C方向に移動されながら被撮像物Oの読み取りを行うことになるが、詳しくは後述する。ハーフレートキャリッジ120は、ミラー121および122を備え、フルレートキャリッジ110からの光を結像レンズ130へと導く。また、ハーフレートキャリッジ120は図示せぬ駆動部によって駆動され、フルレートキャリッジ110の半分程度の速度でフルレートキャリッジ110と同じ方向へと移動される。
結像レンズ130は、例えばfθレンズ等を備えた結像手段である。結像レンズ130はミラー122とラインセンサ140とを結ぶ光路上に設けられており、被撮像物Oからの光をラインセンサ140の位置で結像させる。結像レンズ130は単一のレンズにより構成されるものに限定されず、種々の部材を含み得る。ラインセンサ140は、結像レンズ130によって結像された光の強度を検知し、その強度に応じた画像信号を生成して出力する検知手段であり、例えばオンチップカラーフィルタを備えた複数ラインのCCDイメージセンサ(撮像素子列)である。本実施形態においては、B(ブルー),G(グリーン),R(レッド)にて撮像可能なイメージセンサが用いられる。ラインセンサ140は、これら3色の画像信号を各色8ビットで出力する。プラテンガラス150は、透明で平坦なガラス板であり、読み取るべき被撮像物Oが置かれる。プラテンガラス150の両面には、例えば多層誘電体膜等の反射抑制層が形成されており、プラテンガラス150表面での反射が低減されるようになっている。プラテンカバー160は、プラテンガラス150を覆うようにして設けられており、外光を遮断してプラテンガラス150上に置かれた被撮像物Oの読み取りを容易にする。
以上の構成のもと、画像読取部10においては、プラテンガラス150上に置かれた被撮像物Oにフルレートキャリッジ110が光を照射し、この被撮像物Oから反射又は放射された光がミラー121,122経由でラインセンサ140によって受光される。このとき、被撮像物O上に蛍光領域が存在すれば、ラインセンサ140によって受光された光には、被撮像物Oからの反射光成分と、被撮像物O上の蛍光領域から放射された蛍光成分とが含まれる。一方、被撮像物Oに蛍光領域が存在しなければ、ラインセンサ140によって受光された光には、反射光成分のみが含まれ、蛍光成分は含まれない(或いは蛍光成分が含まれても、その量は少ない)。以下の説明においては、このようにラインセンサ140によって受光される光を、「被撮像物Oから反射又は放射された光」と呼ぶか、又は単に「被撮像物Oからの光」と呼ぶ。
ラインセンサ140は、受光した光の強度に基づき、B(ブルー)、G(グリーン)、R(レッド)の3色の画像信号を生成し、後述する画像処理部50に供給する。画像処理部50はこれらの画像信号に基づいて画像データを生成し、画像形成部20に供給して記録シートに画像を形成させる。
次に、上述したフルレートキャリッジ110の構成についてより詳細に説明する。
図3は、フルレートキャリッジ110の構成を詳細に示した図である。図3に示すように、フルレートキャリッジ110は、第1光源111と、第2光源112と、ミラー113とを備える。
図3は、フルレートキャリッジ110の構成を詳細に示した図である。図3に示すように、フルレートキャリッジ110は、第1光源111と、第2光源112と、ミラー113とを備える。
蛍光物質は、励起状態から定常状態に遷移するときに放射するエネルギーの一部として、蛍光を放射することになるが、励起波長域はそれぞれの蛍光物質によって異なる。さらに、励起光のエネルギー準位は蛍光のエネルギー準位に対して低いから、励起波長域は蛍光波長域よりも短い波長域に存在する。例えば、フルオレセインの励起波長域は約450nm〜500nmであり、蛍光波長域は約510nm〜560nmである。また、カスケードブルーの励起波長域は約350nm〜410nmであり、蛍光波長域は約420nm〜460nmである。蛍光ペン等に広く用いられている蛍光物質は、蛍光イエロー、蛍光ピンク等を表現するものであるから、蛍光波長域は、励起波長域を除いた可視光域に分布する。このような蛍光波長域に対する励起波長域は青紫や紫色、さらに短波長の紫外波長域である場合が多い。
第1光源111は、或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を照射する光源であり、第2光源112は、第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有する第2の照射光を照射する光源である。より具体的には、第1の照射光における蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第1の閾値以上であるとともに、第1の照射光における蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値以下である。ここで、図4は、これらの第1の照射光と第2の照射光の分光エネルギー特性を簡易的に表した図である。同図に示すように、第1の照射光L1における蛍光物質の励起波長域(ここでは、約450nm〜500nmを想定)に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光L2における当該分光エネルギーの強度との差が第1の閾値S1以上である。また、第1の照射光L1における蛍光物質の蛍光波長域(ここでは、約510nm〜560nmを想定)に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光L2における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値S2以下である。
第1の照射光L1と第2の照射光L2とがこのような関係にある理由は、詳しくは後記の「(3)蛍光領域の特定」の項で述べるが、要するに、第1の照射光L1が照射された被撮像物Oからの光の蛍光波長域における分光反射率と、第2の照射光L2が照射された被撮像物Oからの光の蛍光波長域における分光反射率とを比較することで、蛍光領域が存在するか否かを正確に判定するためである。上述した第1の閾値及び第2の閾値は、このような判定を可能にするような値に設定される必要がある。そこで、画像形成装置1の設計者らは、読取対象として想定している蛍光物質の励起波長域及び蛍光波長域に基づいて、実験或いは計算により適切な値を第1の閾値及び第2の閾値として求め、そのような第1の閾値及び第2の閾値の条件を満たすような光源を第1光源111及び第2光源112として採用すればよい。
本実施形態では、第1光源111として蛍光ランプを用い、第2光源112としてタングステンランプを用いている。図3に示すように、第1光源111は被撮像物Oに対して約45°の入射角で光を照射する位置に設けられている。そして、第2光源112が被撮像物Oに光を照射する場合には、図示せぬ駆動機構によって第2光源112が、矢印D方向に沿って、被撮像物Oに対して約45°の入射角で光を照射する位置に移動させられる。ミラー113は、第1光源111及び第2光源112によって光が照射された被撮像物Oから反射又は放射された光をハーフレートキャリッジ120へと導く。
続いて画像形成部20の構成を説明する。画像形成部20は、図2に示すように、現像機構210a,210b,210c,210dと、中間転写ベルト220と、一次転写ロール230a,230b,230cと、二次転写ロール240と、バックアップロール250と、給紙機構260と、定着機構270とを備えている。
図5は、現像機構210aの構成をより詳細に示した図である。現像機構210aはいわゆるロータリー方式の現像装置であり、感光体ドラム211aと、帯電器212aと、露光器213aと、現像ユニット214a,215a,216a,217aとを備える。感光体ドラム211aは、例えば表面に電荷受容体としてOPC(Organic Photo Conductor:有機光導電体)からなる光導電層が形成された像保持体であり、図の矢印A方向に回転される。帯電器212aは例えば電源や帯電ローラを備えており、感光体ドラム211a表面を一様に帯電させる。露光器213aは例えばレーザダイオードにより感光体ドラム211aに光を照射し、所定の電位の静電潜像を作像する。現像ユニット214a,215a,216aおよび217aはそれぞれ異なる色のトナーを収容し、感光体ドラム211a表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を作像する。現像ユニット214a,215a,216aおよび217aに収容されているトナーは、シアン、マゼンタ、イエローの4色(以上の4色を「カラートナー」という)と、蛍光シアン、蛍光マゼンタ、蛍光イエローの3色(以上の3色を「蛍光トナー」という)の計7色のトナーのうち、いずれか4色のトナーが任意の場所に収容される。
これに対して、現像機構210b,210c,210dは単色の現像器214b,214c,214dを備えている。感光体ドラム211b,211c,211dと、帯電器212b,212c,212dと、露光器213b,213c,213dについては、上述した現像機構210aとほぼ同様の構成を有しているので、その説明を割愛する。現像機構210b,210c,210dは、現像ユニット214a,215a,216aおよび217aに収容されている4色のトナーを除いたトナーが、任意の場所に任意の順序で収容される。
ここで再び図2を参照し、画像形成部20のその他の構成について説明する。中間転写ベルト220は、図示せぬ駆動手段によって図中の矢印B方向に移動される無端のベルト部材である。中間転写ベルト220は、感光体ドラム211a,211b,211c,211dと対向する位置においてトナー像が転写(一次転写)され、これを移動させて記録用紙Pに再び転写(二次転写)させる。一次転写ロール230a,230b,230c,230dは、中間転写ベルト220が感光体ドラム211a,211b,211c,211dと対向する位置において適当な圧力で付勢し、中間転写ベルト220にトナー像を転写させる。二次転写ロール240およびバックアップロール250は、中間転写ベルト220が記録用紙Pと対向する位置において適当な圧力で付勢し、記録用紙Pにトナー像を転写させる。給紙機構260は種々の記録用紙Pを収容した用紙トレイ261aおよび261bを備え、画像形成時にこの記録用紙Pを供給する。定着機構270は記録用紙Pを加熱および加圧するためのロール部材を備えており、記録用紙P表面に転写されたトナー像を熱と圧力とで定着させた後に排出させる。
以上の構成のもと、画像形成部20においては、画像処理部50から入力された画像データの分光反射率を再現した画像を、上述した7色のトナーを用いて記録用紙Pに形成する。このとき画像形成部20は、後述する制御部30の指示に従って画像形成処理を異ならせる。具体的には、入力された画像データが蛍光領域を含む画像データであれば、画像形成部20はその領域に蛍光トナーによるトナー像を形成し、画像データの蛍光領域でない領域にはカラートナーによるトナー像を形成する。
(2)画像データの生成
次に、画像データの生成について説明する。
上述したように、フルレートキャリッジ110は、第1光源111又は第2光源112光をそれぞれ照射して被撮像物Oを読み取るが、以下では、この動作のことを「スキャン動作」と呼ぶ。特に第1光源111で被撮像物Oに光を照射して行うスキャン動作を「第1のスキャン動作」と呼び、第2光源112で被撮像物Oに光を照射して行うスキャン動作を「第2のスキャン動作」と呼ぶ。画像読取部10は、第1のスキャン動作と、第2のスキャン動作という2回のスキャン動作を実行し、それぞれのスキャン動作で得られた画像信号から被撮像物Oの画像データを生成する。
次に、画像データの生成について説明する。
上述したように、フルレートキャリッジ110は、第1光源111又は第2光源112光をそれぞれ照射して被撮像物Oを読み取るが、以下では、この動作のことを「スキャン動作」と呼ぶ。特に第1光源111で被撮像物Oに光を照射して行うスキャン動作を「第1のスキャン動作」と呼び、第2光源112で被撮像物Oに光を照射して行うスキャン動作を「第2のスキャン動作」と呼ぶ。画像読取部10は、第1のスキャン動作と、第2のスキャン動作という2回のスキャン動作を実行し、それぞれのスキャン動作で得られた画像信号から被撮像物Oの画像データを生成する。
具体的な画像データの生成方法は以下のとおりである。なお、以下の説明において、被撮像物O上には蛍光領域があるものと仮定する。
まず、画像読取部10は、第1のスキャン動作を実行する。より具体的には、第1光源111が被撮像物Oに第1の照射光を照射する。このとき第2光源112は消灯している。この状態でフルレートキャリッジ110が図2の矢印C方向に移動すると、被撮像物Oの全面に渡って第1光源111からの第1の照射光が照射され、被撮像物Oからの光(反射光及び蛍光を含む)がラインセンサ140によって受光される。画像処理部50は、ラインセンサ140によって検知された光の強度に基づく画像信号を得る。そして、画像処理部50は、この画像信号に対して所定の画像処理を施して第1の画像データを生成する。この第1の画像データは画像処理部50のイメージメモリに格納される。
まず、画像読取部10は、第1のスキャン動作を実行する。より具体的には、第1光源111が被撮像物Oに第1の照射光を照射する。このとき第2光源112は消灯している。この状態でフルレートキャリッジ110が図2の矢印C方向に移動すると、被撮像物Oの全面に渡って第1光源111からの第1の照射光が照射され、被撮像物Oからの光(反射光及び蛍光を含む)がラインセンサ140によって受光される。画像処理部50は、ラインセンサ140によって検知された光の強度に基づく画像信号を得る。そして、画像処理部50は、この画像信号に対して所定の画像処理を施して第1の画像データを生成する。この第1の画像データは画像処理部50のイメージメモリに格納される。
次に、画像読取部10は、第2のスキャン動作を実行する。より具体的には、第2光源112が被撮像物Oに光を照射する。このとき第1光源111は消灯している。この状態でフルレートキャリッジ110が図2の矢印C方向に移動すると、被撮像物Oの全面に渡って第2光源112からの光が照射される。被撮像物Oから反射又は放射された光がラインセンサ140によって受光される。画像処理部50は、ラインセンサ140によって検知された光の強度に基づく画像信号を得る。そして、画像処理部50は、この画像信号に対して所定の画像処理を施して第2の画像データを生成する。この第2の画像データは画像処理部50のイメージメモリに格納される。
(3)蛍光領域の特定
次に、蛍光領域の特定処理について説明する。
まず、制御部30は、画像処理部50のイメージメモリに格納されている第1及び第2の画像データから各々の分光反射率を推定(算出)する。分光反射率の推定方法は、例えば、主成分分析に基づく低次元線形近似法やWiener推定法のほか、ニューラルネットワークや重回帰分析による推定法等の周知の方法を用いてよいが、要するに、第1光源111が第1の照射光を被撮像物Oに照射したときにラインセンサ140によって検知された光の強度と、第1光源111による第1の照射光の照射強度に基づいて第1の分光反射率を算出し、第2光源112が第2の照射光を被撮像物Oに照射したときにラインセンサ140によって検知された光の強度と、第2光源112による第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出するものである。
次に、蛍光領域の特定処理について説明する。
まず、制御部30は、画像処理部50のイメージメモリに格納されている第1及び第2の画像データから各々の分光反射率を推定(算出)する。分光反射率の推定方法は、例えば、主成分分析に基づく低次元線形近似法やWiener推定法のほか、ニューラルネットワークや重回帰分析による推定法等の周知の方法を用いてよいが、要するに、第1光源111が第1の照射光を被撮像物Oに照射したときにラインセンサ140によって検知された光の強度と、第1光源111による第1の照射光の照射強度に基づいて第1の分光反射率を算出し、第2光源112が第2の照射光を被撮像物Oに照射したときにラインセンサ140によって検知された光の強度と、第2光源112による第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出するものである。
ここで、図6は、被撮像物Oの或る領域Tに相当する第1及び第2の画像データの画像領域(画素)から推定された分光反射率の波長分布を示している。この場合、第1及び第2の画像データの画像領域の位置(例えば、各々の画像データの横方向をX軸、縦方向をY軸としたときの(x,y)座標)は一致している。図において実線で示したものを第1の画像データから推定された第1の分光反射率とし、破線で示したものを第2の画像データから推定された第2の分光反射率とする。
まず、図6の実線で示された第1の画像データから推定された第1の分光反射率に着目する。波長域が約400nm〜500nmにおいて分光反射率は比較的大きな値を示しており、ピークとなる波長λ1(約450nm)において約120%を示している。また波長λ1付近でも分光反射率が100%を超える値を示している。一方、約500nmよりも長い波長域においては、分光反射率は約60%以下であり、比較的小さな値を示している。次に、図6の破線で示された第2の画像データから推定された第2の分光反射率に着目する。同図では、第1の分光反射率と同様に、波長域が約400nm〜500nmにおいて分光反射率が比較的大きな値を示しており、特に波長λ1にほぼ一致する約450nmにおいて最大の約90%を示している。一方、約500nmよりも長い波長域においては、分光反射率は約60%以下であり、比較的小さな値を示している。
第1の分光反射率と第2の分光反射率とを比較すれば、約500nmよりも長い波長域では、各々の分光反射率が約60%以下という比較的小さな値でほぼ一致している。一方、共に分光反射率が最大となった波長λ1(約450nm)付近ではそれらが大きく異なっている。分光反射率にこのような差分が生じるのは、原稿から反射又は放射された光に含まれる、反射光成分及び蛍光成分の構成比率が異なることに起因している。より具体的に説明すると、第1のスキャン動作で用いた第1光源111は、分光エネルギーの強度が励起波長域で大きいため、蛍光波長域では、反射光成分のほかに、相当量の蛍光成分がラインセンサ140によって読み取られていることになる。つまり、第1の分光反射率における波長λ1に着目すれば、波長λ1の反射光成分とともに、領域Tが有する蛍光物質から放射された波長λ1の蛍光成分も含まれている。そのため、波長λ1付近では分光反射率が大きくなるのである。
一方、第2のスキャン動作で用いた第2光源112は、励起波長域における分光エネルギー分布が、第1光源111のそれよりも小さい。したがって、第2の分光反射率における波長λ1に着目すれば、波長λ1の蛍光成分は含まれていないか或いは第1の分光反射率におけるそれよりも圧倒的に少ない。そのため、第2の分光反射率は最大でも約90%であり、第1の分光反射率と比べて小さいのである。
前述した第1の閾値は、このように第1光源111によって第1の照射光が照射された被撮像物Oからの蛍光成分を十分大きな値として読み取るべく、第1光源111の励起波長域の分光エネルギーとして十分大きな強度を確保するための閾値である。つまり、第1の照射光における励起波長域の分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が少なくとも第1の閾値以上であれば、波長λ1を中心とする蛍光波長域において、第1の分光反射率と第2の分光反射率との間に、図6に示すような差が明瞭に現れてくる、というわけである。
ただし、このような差が存在することを正確に特定するためには、第1の閾値の条件を満たす必要があるとともに、第1の照射光における蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値以下であることも必要である。なぜなら、これら両者の強度の差があまりにも大きいと、蛍光波長域における蛍光成分の差が、第1の分光反射率と第2の分光反射率との差となって現れてこないからである。例えば、第1の照射光における励起波長域の分光エネルギーの強度よりも、第1の照射光における蛍光波長域の分光エネルギーの強度が極端に大きいが故に、第1の照射光における蛍光波長域の分光エネルギーの強度と第2の照射光における当該強度との差が第2の閾値を超えるような場合を想定する。分光反射率を算出する際には、第1の照射光における蛍光波長域の分光エネルギーの強度が分母に相当し、その第1の照射光が照射された被撮像物Oからの反射光成分(蛍光波長域の反射光成分)及び蛍光成分が分子に相当するため、分母が非常に大きな値を取るということが、分光反射率そのものを小さくする方向に働き、第1の分光反射率と第2の分光反射率との差を不明瞭にしてしまう恐れがある。このために、第1光源111及び第2光源112は第2の閾値の条件を満たす必要がある。なお、最も望ましいのは、第1の照射光L1における蛍光波長域の分光エネルギーの強度と、第2の照射光L2における蛍光波長域の分光エネルギーの強度とはほぼ同じ、つまり、第2の閾値がほぼゼロとなることである。
画像読取部10は、上記のように第1光源111及び第2光源112のそれぞれを用いてスキャン動作を行って、画像データを生成する。そして、制御部30は各々の画像データから分光反射率を推定し、被撮像物Oを表す画像において分光反射率の差分が、所定の閾値よりも大きな値となる波長域が蛍光波長域に存在すれば、当該領域が蛍光領域であると特定する。それとともに、制御部30は分光反射率の差分が所定の閾値以上となった波長域から蛍光物質の色も特定することができる。図6の場合、波長λ1(約450nm)付近でそれぞれの分光反射率の差分が閾値よりも大きな値であるので、制御部30は被撮像物Oの領域Tが蛍光領域であることと共に、青系の蛍光色であることを特定する。制御部30は、このようにして特定した蛍光領域の被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成し、この指定情報を、被撮像物Oを表す画像データと共に(或いはその画像データに含めて)、画像形成部20に出力する。
ここで、前述の通り、第1光源111と第2光源112は、被撮像物Oに対して同じ入射角(45°)で光を照射するように設定されている。これは、第1及び第2の画像データから推定された分光反射率によって、蛍光領域であるか否かを判断するという理由に基づいている。各々の照射光の入射角が被撮像物Oに対して一致しなければ、蛍光波長域外においても分光反射率に差分が現れる。そして、差分が所定の閾値を超えた場合に、制御部30は蛍光領域を誤判断することになるから、入射角を約45°で一致させている。ただし、各々の入射角がほぼ一致してさえいれば、入射角を45°とは異なる角度にしてもよい。
ところで、被撮像物Oに蛍光領域が含まれていない場合や、ユーザがモノクロプリントを希望する場合のように、画像形成装置1が蛍光領域を読み取る必要がない場合もしばしばある。このような場合、画像読取部10は2回のスキャン動作(第1及び第2のスキャン動作)を行う必要はない。画像処理部50は、画像読取部10による第1及び第2のスキャン動作から生成された画像信号のいずれか一方を用いれば、画像データを生成することができるからである。このような不要なスキャン動作を省略するためには、例えば、ユーザが被撮像物Oに蛍光領域が含まれていることを確認して、それを再現することを希望すれば、操作部60の図示せぬボタンbを押下させるような画像形成装置1の構成にしておく。制御部30は、ボタンbが押下されたことを認識すると、画像読取部10に対して、第1及び第2のスキャン動作を実行させる。一方、ユーザが被撮像物Oの蛍光領域を読み取らせる必要がないと判断した場合にはボタンbは押下されないから、制御部30は、画像読取部10に対して第1または第2のスキャン動作のいずれか一方のみを実行させる。このようにすれば、画像読取部10は最低限必要な回数だけスキャン動作を行うことになる。
(4)動作
以上の構成である画像形成装置1が、被撮像物Oのスキャン動作を行い、記録用紙Pに画像を形成するまでの動作について説明する。図7は、画像形成装置1が行う動作の手順を示したフローチャートである。
以上の構成である画像形成装置1が、被撮像物Oのスキャン動作を行い、記録用紙Pに画像を形成するまでの動作について説明する。図7は、画像形成装置1が行う動作の手順を示したフローチャートである。
プラテンガラス150に被撮像物Oが置かれ、操作者が画像形成の開始を指示すると、
制御部30は画像読取部10に、第1光源111を被撮像物Oに照射して第1のスキャン動作を実行させる(ステップS1)。そして、制御部30は、生成された画像信号を画像処理部50に供給して、第1の画像データを生成させる(ステップS2)。続いて、制御部30は画像読取部10に、第2光源112を被撮像物Oに照射して第2のスキャン動作を実行させる(ステップS3)。そして、制御部30は、生成された画像信号を画像処理部50に供給して、第2の画像データを生成させる(ステップS4)。
制御部30は画像読取部10に、第1光源111を被撮像物Oに照射して第1のスキャン動作を実行させる(ステップS1)。そして、制御部30は、生成された画像信号を画像処理部50に供給して、第1の画像データを生成させる(ステップS2)。続いて、制御部30は画像読取部10に、第2光源112を被撮像物Oに照射して第2のスキャン動作を実行させる(ステップS3)。そして、制御部30は、生成された画像信号を画像処理部50に供給して、第2の画像データを生成させる(ステップS4)。
次に、制御部30は被撮像物Oの蛍光領域を判断すべく、所定の領域に相当する第1及び第2の画像データの画素の分光反射率を比較する(ステップS5)。制御部30は、比較した分光反射率の差分が閾値を超える波長域が蛍光波長域に存在するか否かを、被撮像物Oの画像を構成する所定の画像領域単位(例えば画素単位)で判断する(ステップS6)。ステップS6の判断結果が“YES”である場合には、制御部30は、その画素が蛍光領域であると判断する(ステップS7)。一方、ステップS6の判断結果が“NO”である場合には、制御部30は、その画素は蛍光領域ではないと判断する。
次に、制御部30は第1及び第2の画像データを構成する全ての画素について、処理ステップS5〜S7が終了したか否かを判断する(ステップS8)。ステップS8の判断結果が“NO“である場合には、制御部30は、他の画素についても相当する被撮像物Oの領域が蛍光領域に属するか否かを判断する必要があるため、ステップS5に戻って上記処理ステップを繰り返すことになる。一方、ステップS8の判断結果が“YES”である場合には、制御部30は、全ての画素について蛍光領域に属するか否かを判断したことになる。続いて、制御部30は画像処理部50に、画像データの色空間処理、UCR処理およびスクリーン処理を実行させ、画像データの各画素に相当する領域に対して付与するトナーの色とその量とを決定する(ステップS9)。
トナー量の決定に際しては、制御部30は、画像データの蛍光領域でないと判断した領域については、蛍光トナーのトナー量を全てゼロとし、その他のカラートナーのみによって画像データを構成する。また、制御部30は、蛍光領域と判断した領域については、蛍光トナーとカラートナーとによって画像データを構成する。もちろん、画像が蛍光トナーのみによって再現可能な画素については、制御部30は蛍光トナーのみによって画像を形成することもある。
制御部30は、画像を形成させる各トナーの量を決定すれば、画像形成部20にこの画像データを供給し、画像を記録用紙Pに形成させる(ステップS10)。このときの画像データには、蛍光トナーで画像を形成すべき領域を表すデータが含まれているが、このデータが、上述した蛍光領域の被撮像物画像上の位置を指定する指定情報に相当する。画像形成部20は、各色の画像データに応じた一次転写ユニット230を選択し、ここに画像データに応じた静電潜像を形成する。その後画像形成部20は、この画像データが示すトナー色の現像ユニット(214a〜217aのいずれか)を選択し、静電潜像にトナーを付与し、トナー像を形成する。このようにして各色のトナー像を形成し、それぞれを中間転写ベルト220に一次転写したら、画像形成部20はトナー像をシートに二次転写し、これを一次定着機構により定着して排出する。これにより被撮像物Oを表す画像である複写物が形成され、ここで画像形成処理が終了する。
以上述べた実施形態によれば、画像形成装置1は、励起波長域の分光エネルギーの強度に閾値以上の差分がある2つの光源を用いて、それぞれスキャン動作を実行して画像データを生成する。そして、画像形成装置1は、各々の画像データから推定した分光反射率を比較する。そして、画像形成装置1は、分光反射率の差分が閾値を超える波長域が蛍光波長域に存在するか否かによって、被撮像物の蛍光領域を判断する。そして、画像形成装置1は、蛍光トナーを含む各色のトナーの種類と量を決定してシートに画像を形成する。
(5)変形例
なお、上述した実施形態を次のように限定してもよい。以下に述べる変形例は、各々を適宜に組み合わせることも可能である。
なお、上述した実施形態を次のように限定してもよい。以下に述べる変形例は、各々を適宜に組み合わせることも可能である。
上述した実施形態においては、第1光源111と第2光源112とは、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度の差が第1の閾値以上であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度の差が第2の閾値以下であることを条件としていた。しかし、要は、第1光源111と第2光源112との間で、被撮像物Oから反射又は放射された光に含まれる蛍光成分の強度の差を認識することができればよいわけだから、上記のような条件を満たす光源に限定されない。
例えば、第1の照射光における蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値以下であるとともに、第1の照射光における蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値以上であってもよい。図8は、これらの第1の照射光と第2の照射光の分光エネルギー特性を簡易的に表した図である。同図に示すように、第1の照射光L3における蛍光物質の励起波長域(約450nm〜500nmを想定)に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光L4における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値S3以下である。また、第1の照射光L3における蛍光物質の蛍光波長域(約510nm〜560nmを想定)に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光L4における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値S4以上である。この場合、被撮像物Oからの光に着目すれば、蛍光波長域の蛍光成分の強度はほぼ等しくなるが、反射光成分の強度が大きく異なるため、第1の光源111から第1の照射光が照射されたときの第1の分光反射率よりも、第2の光源111から第2の照射光が照射されたときの第2の分光反射率は大きくなる。よって、これら分光反射率の差が閾値以上となる領域を、蛍光領域として特定することができる。なお、第3の閾値と第4の閾値とを設けた理由は、前述した第1の閾値及び第2の閾値を設けた理由と同様に、第1の分光反射率と第2の分光反射率との差をより明瞭にするためである。なお、第3の閾値について最も望ましいのは、第1の照射光L1における蛍光波長域の分光エネルギーの強度と、第2の照射光L2における蛍光波長域の分光エネルギーの強度とはほぼ同じとなるような値、つまり、第3の閾値がほぼゼロとなることである。
例えば、第1の照射光における蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値以下であるとともに、第1の照射光における蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値以上であってもよい。図8は、これらの第1の照射光と第2の照射光の分光エネルギー特性を簡易的に表した図である。同図に示すように、第1の照射光L3における蛍光物質の励起波長域(約450nm〜500nmを想定)に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光L4における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値S3以下である。また、第1の照射光L3における蛍光物質の蛍光波長域(約510nm〜560nmを想定)に相当する分光エネルギーの強度と、第2の照射光L4における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値S4以上である。この場合、被撮像物Oからの光に着目すれば、蛍光波長域の蛍光成分の強度はほぼ等しくなるが、反射光成分の強度が大きく異なるため、第1の光源111から第1の照射光が照射されたときの第1の分光反射率よりも、第2の光源111から第2の照射光が照射されたときの第2の分光反射率は大きくなる。よって、これら分光反射率の差が閾値以上となる領域を、蛍光領域として特定することができる。なお、第3の閾値と第4の閾値とを設けた理由は、前述した第1の閾値及び第2の閾値を設けた理由と同様に、第1の分光反射率と第2の分光反射率との差をより明瞭にするためである。なお、第3の閾値について最も望ましいのは、第1の照射光L1における蛍光波長域の分光エネルギーの強度と、第2の照射光L2における蛍光波長域の分光エネルギーの強度とはほぼ同じとなるような値、つまり、第3の閾値がほぼゼロとなることである。
また、上述した実施形態においては、特性の異なる2つの光源を用いていたが、要は励起波長域の分光エネルギーの強度が異なる光が被撮像物に照射されればよいから、光源を1つのみにする方法もある。以下では、蛍光物質の励起波長域が紫外波長域に含まれていることとする。例えば、紫外波長域の分光エネルギーの強度が比較的大きな第1光源として蛍光ランプのみを用いることとする。そして、第1のスキャン動作では、実施形態と同様に第1光源の光が、被撮像物に照射されるようにする。そして、第2のスキャン動作では、第1光源が照射して、紫外波長域の光の強度を減じるフィルタを透過した光が、被撮像物に照射されるようにする。このようにすれば、被撮像物に照射される各々の光は、紫外波長域の分光エネルギー分布が異なることになる。なお、第2のスキャン動作で用いるフィルタは、各々のスキャン動作に応じて、図示せぬ駆動機構によって位置が制御されるようにすればよい。
また、読み取るべき蛍光領域に含まれる蛍光物質に応じて、光源の数をさらに増やしても良い。蛍光物質に応じてその励起波長域と蛍光波長域とが異なるわけだから、光源が2つだけでは、分光エネルギーの分布状況によっては蛍光領域を正確に読み取れないケースも予想される。そこで、蛍光物質を読み取るのに必要な数の光源を用意しておいてもよい。ただしこの場合であっても、前述した実施形態と同様の手法、つまり、3以上の光源のうちのいずれか2つの光源によって光が照射された被撮像物Oからの光に基づいて蛍光領域を特定するという手法は変わらない。
また、読み取るべき蛍光領域に含まれる蛍光物質に応じて、光源の数をさらに増やしても良い。蛍光物質に応じてその励起波長域と蛍光波長域とが異なるわけだから、光源が2つだけでは、分光エネルギーの分布状況によっては蛍光領域を正確に読み取れないケースも予想される。そこで、蛍光物質を読み取るのに必要な数の光源を用意しておいてもよい。ただしこの場合であっても、前述した実施形態と同様の手法、つまり、3以上の光源のうちのいずれか2つの光源によって光が照射された被撮像物Oからの光に基づいて蛍光領域を特定するという手法は変わらない。
上述した実施形態においては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、蛍光シアン、蛍光マゼンタ、蛍光イエローの7色のトナーを用いてトナー像を形成するようにしていたが、本発明において用いる色はこのような例に限定されない。これらの7色のトナーから任意の数のトナーを画像形成装置に収容して、現像させてもよい。また、蛍光領域の画像を再現する際には、蛍光トナーのみを用いるのではなく、さらに蛍光トナー以外のトナーを併せて用いるようにしてもよい。
1…画像形成装置、10…画像読取部、110…フルレートキャリッジ、120…ハーフレートキャリッジ、130…結像レンズ、140…ラインセンサ、150…プラテンガラス、160…プラテンカバー、20…画像形成部、210,210a,210b,210c,210d…現像機構、220…中間転写ベルト、230…一次転写ロール、240…二次転写ロール、250…バックアップロール、260…給紙機構、270…定着機構、30…制御部、40…記憶部、50…画像処理部、60…操作部、70…データ入出力部。
Claims (6)
- 或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、
前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第1の閾値以上であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値以下である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、
前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、
前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、
前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段と、
蛍光色の色材を含む複数の色材を用いて前記被撮像物画像を記録材に形成する画像形成手段であって、前記指定情報によって指定される画像領域に含まれる画像を蛍光色の色材によって前記記録材に形成し、前記指定情報によって指定される画像領域以外の領域に含まれる画像を蛍光色の色材外の色材を少なくとも用いて前記記録材に形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、
前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値以下であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値以上である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、
前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、
前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、
前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段と、
蛍光色の色材を含む複数の色材を用いて前記被撮像物画像を記録材に形成する画像形成手段であって、前記指定情報によって指定される画像領域に含まれる画像を蛍光色の色材によって前記記録材に形成し、前記指定情報によって指定される画像領域以外の領域に含まれる画像を蛍光色の色材外の色材を少なくとも用いて前記記録材に形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、
前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第1の閾値以上であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第2の閾値以下である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、
前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、
前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、
前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 或る分光エネルギー分布を有する第1の照射光を被撮像物に照射する第1の照射手段と、
前記第1の照射光とは異なる分光エネルギー分布を有し、蛍光物質の励起波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第3の閾値以下であるとともに、蛍光物質の蛍光波長域に相当する分光エネルギーの強度と前記第1の照射光における当該分光エネルギーの強度との差が第4の閾値以上である第2の照射光を、前記被撮像物に照射する第2の照射手段と、
前記第1の照射手段によって第1の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度と、前記第2の照射手段によって第2の照射光が照射された被撮像物から反射又は放射される光の強度とをそれぞれ検知する検知手段と、
前記第1の照射手段が第1の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第1の照射手段による前記第1の照射光の照射強度とに基づいて第1の分光反射率を算出する一方、前記第2の照射手段が第2の照射光を被撮像物に照射したときに前記検知手段によって検知された光の強度と、前記第2の照射手段による前記第2の照射光の照射強度とに基づいて第2の分光反射率を算出する算出手段と、
前記被撮像物を表す被撮像物画像において、蛍光物質の蛍光波長域で前記第1の分光反射率と前記第2の分光反射率との差分が所定の閾値を超える画像領域を、蛍光物質が含まれる蛍光領域として特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された蛍光領域の前記被撮像物画像上の位置を指定する指定情報を生成して出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 前記第1の照射手段は蛍光ランプであり、
前記第2の照射手段はタングステンランプである
ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。 - 前記第1の照射手段は蛍光ランプであり、
前記第2の照射手段は、蛍光ランプと、その蛍光ランプによって照射された光のうち、紫外波長域の光の強度を減じて前記被撮像物へと透過させるフィルタとを備える
ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006304488A JP2008124664A (ja) | 2006-11-09 | 2006-11-09 | 画像形成装置及び画像読取装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006304488A JP2008124664A (ja) | 2006-11-09 | 2006-11-09 | 画像形成装置及び画像読取装置 |
Publications (1)
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ID=39508987
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010009042A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Xerox Corp | ハイブリッド式シングルパス、マルチパスフルカラー印刷システム |
JP2011064740A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Ricoh Co Ltd | 転写定着装置、並びに、該転写定着装置を用いた画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2017227842A (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 株式会社沖データ | 画像形成装置 |
CN108632482A (zh) * | 2017-03-22 | 2018-10-09 | 精工爱普生株式会社 | 图像读取装置和半导体装置 |
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2006
- 2006-11-09 JP JP2006304488A patent/JP2008124664A/ja active Pending
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JP2018160765A (ja) * | 2017-03-22 | 2018-10-11 | セイコーエプソン株式会社 | 画像読取装置及び半導体装置 |
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