JP2008189130A - 貨物列車用ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速輸送ニーズに応え、高性能、高応答な新規な貨物列車用のブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】車軸2に取り付けられ、走行中に発電を行う電源用発電機1と、電源用発電機1からの発電機出力により充電される二次電池4と、常用ブレーキ指令と、空気バネ圧力を基に、ブレーキ力を演算し、空気ブレーキ信号を発生するブレーキ制御器6と、ブレーキ指令に基づいて、二次電池4又は電源用発電機1からブレーキ制御器6への電源の供給をオン/オフするスイッチ7と、ブレーキ制御器6の出力に基づいて、ブレーキ力を発生する、電空変換弁14、応荷重弁17、非常電磁弁18、及び中継弁19からなる空気制御装置とから、列車用ブレーキ制御装置を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】車軸2に取り付けられ、走行中に発電を行う電源用発電機1と、電源用発電機1からの発電機出力により充電される二次電池4と、常用ブレーキ指令と、空気バネ圧力を基に、ブレーキ力を演算し、空気ブレーキ信号を発生するブレーキ制御器6と、ブレーキ指令に基づいて、二次電池4又は電源用発電機1からブレーキ制御器6への電源の供給をオン/オフするスイッチ7と、ブレーキ制御器6の出力に基づいて、ブレーキ力を発生する、電空変換弁14、応荷重弁17、非常電磁弁18、及び中継弁19からなる空気制御装置とから、列車用ブレーキ制御装置を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道車両等に設けられる列車用ブレーキ制御装置に関するもので、特に、貨物列車のブレーキ装置に関する。
従来、貨物列車のブレーキとしては、例えば特許文献1に示されているように、電磁自動空気ブレーキが使用されている。自動空気ブレーキは、ブレーキ時に、運転台のブレーキ弁を扱ってブレーキ管の減圧制御を行い、各車に装備した制御弁を作用させ、この弁を介してあらかじめ圧力空気を貯えておいた空気ダメの空気をシリンダに送り、ブレーキ管の減圧量に応じた圧力を発生させて、ブレーキをかけるものである。自動空気ブレーキは、減圧制御によりブレーキがかかるため、フェールセーフのブレーキである。
電磁自動空気ブレーキは、電磁弁を併用した自動空気ブレーキで、ブレーキ電磁弁やユルメ電磁弁の一斉制御により、ブレーキ管の減圧、増圧を同期的に行って、列車全体としてのブレーキのかけ、ユルメを早め、自動空気ブレーキの性能向上を図るようにしたものである。
図2は、このような電磁自動空気ブレーキの一例である。図2において、定圧空気だめ101には、常時490kpa(5kg/cm2)の圧力空気を貯えられている。供給空気だめ102は、元空気だめ管110から供給された空気を通常使用する空気ブレーキ装置へ供給するために貯えている。
3圧式制御弁103は、定圧空気だめ101の一定空気ため圧と、ブレーキ管111との減圧量の差圧で決まる供給空気だめ102からの圧力空気が供給される。ブレーキ管111は、ブレーキ時には、減圧され、ユルメ時には、増圧される。応荷重弁104は、荷重に応じて、ブレーキ力を増減する。
ブレーキシリンダ105は、圧縮空気に作用して、空気圧力を機械的な力に変えてブレーキをかける装置である。ブレーキシリンダ105は、一台の車両に、例えば、4個配設されている。
121はユルメ電磁弁、122はブレーキ電磁弁、123は非常吐出弁である。125は滑走防止弁であり、滑走防止弁125は、圧力を制御するユルメ電磁弁と締め切り電磁弁で、ABS(Antiskid Brake System)機構126により、ブレーキシリンダ105の圧力を制御している。
かかる電磁自動空気ブレーキでは、ブレーキ電磁弁122、ユルメ電磁弁121の一斉制御により、ブレーキ管111の減圧、増圧に同期的に行って、列車全体としてのブレーキのかけ、ユルメを早め、自動空気ブレーキの性能の向上を図っている。
特開平5−155327号公報
上述の電磁自動空気ブレーキは、自動空気ブレーキの性能を大きく向上させたが、機関車から遠い車両になるほど、ブレーキ作用が遅れ、衝動が発生する。このため、高速輸送ニーズに応えるためには、更なるブレーキの向上が必要である。
本発明は、上述の課題を鑑み、高性能、高応答な貨物列車用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明は、車軸に取り付けられ、走行中に発電を行う電源用発電機の出力により、充電装置を介して二次電池を充電するとともに、機関車からの常用ブレーキ指令と空気バネ圧力とを基にブレーキ力を演算して空気ブレーキ信号を発生するブレーキ制御器に電源を供給して、空気制御装置がブレーキ力を発生することを特徴とする。
また、本発明は、上述の貨物列車用ブレーキ制御装置において、前記ブレーキ制御器への電源供給は、前記電源用発電機の出力が前記二次電池の電圧以下となった時および停止時は、前記二次電池から前記ブレーキ制御器に電源を供給することを特徴とする。
また、本発明は、上述の貨物列車用ブレーキ制御装置において、前記ブレーキ制御器への電源供給は、前記常用ブレーキ指令が入力されたときにのみオンとなるようにすることもできることを特徴とする。
また、本発明は、上述の貨物列車用ブレーキ制御装置において、前記ブレーキ制御器は、各車輪の速度を検出し、制動時、車輪に発生した滑走及び固着を検知し、再粘着させる滑走再粘着制御機能を有するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、上述の貨物列車用ブレーキ制御装置において、前記ブレーキ制御器は、各車輪の速度を検出し、制動時、車輪に発生した滑走及び固着を検知し、再粘着させる滑走再粘着制御機能を有するようにしたことを特徴とする。
本発明は、更に、常用ブレーキ指令を、無線で伝送することもできることを特徴とする。
本発明によれば、高性能、高応答な電気指令式ブレーキ制御装置を実現でき、高速輸送ニーズに対応できる。また、ブレーキ制御器への電源の供給を、各車両毎の二次電池とすることで、走行中充電できる。ブレーキ中のみ使用することで、小型化できる。
また、本発明では、ブレーキ制御器への電源供給は、電源用発電機の出力が二次電池の電圧以下となった時あるいは停止時に、二次電池から前記ブレーキ制御器に電源を供給するようにしたので、電源用発電機の出力が十分でない場合においても、ブレーキ制御器に電源を供給し、ブレーキ力を発生させることができる。
また、本発明では、ブレーキ制御器への電源供給は、常用ブレーキ指令が入力されたときにのみオンとなってブレーキ制御器に電源を供給し、常用ブレーキ指令が止められたときには、ブレーキ制御装置への電源を遮断することにより、二次電池の放電を防止することができる。
また、本発明では、ブレーキ制御器への電源供給は、常用ブレーキ指令が入力されたときにのみオンとなってブレーキ制御器に電源を供給し、常用ブレーキ指令が止められたときには、ブレーキ制御装置への電源を遮断することにより、二次電池の放電を防止することができる。
また、本発明では、ブレーキ制御器は、各車輪の速度を検出し、制動時、車輪に発生した滑走及び固着を検知して再粘着させることにより、車輪に発生するフラットおよびブレーキ距離の延伸を防止することができる。
また、本発明では、常用ブレーキ指令は、有線に限定されるものではなく、無線、光等であってもよい。ブレーキ指令を無線とすることにより、引き通し電線をなくすことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1において、電源用発電機1は、車軸2に取り付けられており、走行中に交流電圧を発生する。電源用発電機1で発生された電源は、充電装置3に送られる。
充電装置3は、電源用発電機1の発電機出力を基に、走行中に大容量キャパシタ又はバッテリ等の二次電池4を充電する。二次電池4からの電源又は充電装置3からの電源は、ブレーキ制御器6への電源として、スイッチ7を介して、ブレーキ制御器6に供給される。
スイッチ7は、ブレーキ制御器6への電源の供給を制御している。スイッチ7には、OR回路8からスイッチ制御信号が供給される。OR回路8には、常用ブレーキ指令線11からの信号が供給される。常用ブレーキ指令線11に信号が供給されると、OR回路8からスイッチ制御信号が出力され、スイッチ7がオンする。常用ブレーキは、通常の減速時に用いられるブレーキである。
ブレーキ制御器6は、ブレーキ演算部9を有しており、ブレーキ力を演算し、空気ブレーキ信号を発生する。ブレーキ制御器6には、常用ブレーキ指令線11からの信号が供給される。また、圧力センサ13からの空気バネ圧の検出信号が供給される。ブレーキ制御器6は、常用ブレーキ指令線11からの常用ブレーキ指令と、圧力センサ13からの空気バネ圧力を基に、最適なブレーキ力を演算する。この空気ばねは、車両の枕バネとして適用されているものである。
電空変換弁14は、電気信号を空気圧に変換する弁である。電空変換弁14には、ブレーキ制御器6からの制御信号が供給される。
元空気だめ管15は、圧縮空気を供給するための管である。供給空気だめ16には、元空気だめ管15から供給された圧縮空気が貯えられる。応荷重弁17は、応荷重に応じて、空気ブレーキ力を制御するための弁である。非常電磁弁18は、電磁コイルを励磁、消磁することで、内部の空気通路を切り替える弁である。中継弁19は、指令空気圧力を受けて、中継的に空気流量増幅を行う弁である。逆止弁20は、空気の逆流を防止するものである。電空変換弁14、応荷重弁17、非常電磁弁18、及び中継弁19は、空気ブレーキ力を発生する空気制御装置として機能する。
ブレーキシリンダ21は、圧縮空気に作用して、空気圧力を機械的な力に変えてブレーキをかける装置である。ブレーキシリンダ21は、一台の車両に、例えば、4個配設されている。
次に、本発明の実施形態の動作について説明する。先ず、常用ブレーキオフの時には、OR回路8からはスイッチ制御信号が出力されず、スイッチ7はオフされている。このため、ブレーキ制御器6への電源の供給は停止される。車両が走行しているときには、車軸2が回転され、車軸2に取り付けられた電源用発電機1により二次電池4が充電される。
走行中に、常用ブレーキが作用すると、常用ブレーキ指令線11からの常用ブレーキ指令により、OR回路8から、スイッチ制御信号が出力される。このため、スイッチ7がオンとなる。スイッチ7がオンになると、二次電池4からの電源(又は充電装置3からの電源)がブレーキ制御器6に供給される。
また、常用ブレーキが作用すると、常用ブレーキ指令線11からの常用ブレーキ指令がブレーキ制御器6に送られる。ブレーキ制御器6は、常用ブレーキ指令と、圧力センサ13からの応荷重信号により、必要なブレーキ力を演算し、このブレーキ力に応じた指令電流を電空変換弁14に出力する。
電空変換弁14は、ブレーキ制御器からの指令電流を空気圧に変換して、中継弁19に指令圧を出力する。中継弁19は、この指令圧により。供給空気だめ16の圧力空気をブレーキシリンダ21に供給して、空気ブレーキを作用させる。
常用ブレーキが解除されると、OR回路8からはスイッチ制御信号が出力されなくなり、ブレーキ制御器6への電源の供給は停止される。
非常ブレーキが作用されると、非常ブレーキ指令線が無加圧になり、非常電磁弁18が消磁する。このため、応荷重弁17からの圧力空気は、非常電磁弁18を通り、中継弁19の指令圧として供給される。この指令圧により、中継弁19は、供給空気だめ16からの圧力空気をブレーキシリンダ21に供給して、非常ブレーキを作用させる。
以上説明したように、本発明の実施形態では、高性能、高応答な電気指令式ブレーキ制御装置を実現でき、高速輸送ニーズに対応できる。また、ブレーキ制御器への電源の供給を、各車両毎の二次電池とすることで、走行中充電できる。ブレーキ中のみ使用することで、小型化できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、ブレーキ制御器は、各車輪の速度を検出し、制動時、車輪に発生した滑走及び固着を検知し、滑走再粘着制御機能を有することもできる。
また、常用ブレーキ指令は、有線に限定されるものではなく、無線、光等であってもよい。ブレーキ指令を無線とすることにより、引き通し電線をなくすことができる。
1:電源用発電機
3:充電装置
4:二次電池
6:ブレーキ制御器
7:スイッチ
9:ブレーキ演算部
11:常用ブレーキ指令線
12:非常ブレーキ指令線
13:圧力センサ
14:電空変換弁
15:元空気だめ管
16:供給空気だめ
17:応荷重弁
18:非常電磁弁
19:中継弁
21:ブレーキシリンダ
3:充電装置
4:二次電池
6:ブレーキ制御器
7:スイッチ
9:ブレーキ演算部
11:常用ブレーキ指令線
12:非常ブレーキ指令線
13:圧力センサ
14:電空変換弁
15:元空気だめ管
16:供給空気だめ
17:応荷重弁
18:非常電磁弁
19:中継弁
21:ブレーキシリンダ
Claims (5)
- 車軸に取り付けられ、走行中に発電を行う電源用発電機の出力により、充電装置を介して二次電池を充電するとともに、機関車からの常用ブレーキ指令と空気バネ圧力とを基にブレーキ力を演算して空気ブレーキ信号を発生するブレーキ制御器に電源を供給して、空気制御装置がブレーキ力を発生する
ことを特徴とする貨物列車用ブレーキ制御装置。 - 前記ブレーキ制御器への電源供給は、前記電源用発電機の出力が前記二次電池の電圧以下となった時および停止時は、前記二次電池から前記ブレーキ制御器に電源を供給することを特徴とする請求項1に記載の貨物列車用ブレーキ制御装置。
- 前記ブレーキ制御器への電源供給は、前記常用ブレーキ指令が入力されたときにのみオンとなるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の貨物列車用ブレーキ制御装置。
- 前記ブレーキ制御器は、各車輪の速度を検出し、制動時、車輪に発生した滑走及び固着を検知し、再粘着させる滑走再粘着制御機能を有するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の貨物列車用ブレーキ制御装置。
- 前記常用ブレーキ指令を、無線で伝送するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の貨物列車用ブレーキ制御装置。
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