JP2007260297A - 吸収体の積繊装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積繊ドラム4を備える吸収体の積繊装置において、積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板5,5を、その下流側後縁5B、5Bが中高部形成用凹部4bのドラム幅方向側縁部4eの回転軌跡に臨むようにして設けるとともに、それら集積板5,5の下流側後縁間の間隔L2を上流側前縁間の間隔L1よりも幅狭とすることにより解決される。
【選択図】図2
Description
この中高部を有する吸収体の製造は、例えば、図7および8に示すようにドラム周面104Aの吸収体形成凹部104a内にさらにより深い中高部形成用凹部104bを設けた積繊ドラムを備える積繊装置により製造されている(積繊装置の従来例としては例えば下記特許文献3、4などがある)。
このように、この種の積繊ドラムは、得られる積繊体に低密度部分140Fが形成されることが避けられないため、所望の厚さの中高部を備える吸収体を得るために、積繊工程よりも後段工程における当該低密度部分140Fや窪み部141Fの潰れによる圧縮を考慮して、予め中高部形成用凹部104bの深さ104Lが実際の製品における中高部の高さよりも深く形成されている。
そして、この中高部形成用凹部104bの深さ104Lをどの程度にするかについては、上述の低密度部分140Fの形成具合を考慮する必要があるが、低密度部分140Fの形成具合は積繊工程における多数の複雑な要素に関連するため規則性を見出すことが困難であり、従って、現状では主にカットアンドトライによる現物あわせや、熟練者による経験則に基づいてなされている。
このため、中高部形成用凹部を備える積繊ドラムは汎用性に劣るとともに、製品の多様性に応じて粉砕パルプの細かさや、ポリマー粒子の種類、大きさなどを設計変更するたびに煩雑な深さ変更作業が強いられ、効率的ではなく製品コストの増加の一因にもなっている。
そこで、本発明の主たる課題は、積繊ドラム周面の特定部分へのパルプ目付け量を調整可能として、低密度部なく中高部を成形でき、もって精度よく同形状の中高部を備える吸収体を量産可能とするとともに、設計変更に柔軟に対応できる吸収体の積繊装置を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
内面側に吸引する吸引手段を具備した積繊ドラムと、この積繊ドラムの周面に形成された吸収体形成用凹部と、吸収体形成用凹部内に形成された中高部形成用凹部とを有し、前記吸引手段の吸引作用により前記各凹部に粉砕パルプを積繊して、吸収体を成形する吸収体の積繊装置であって、
積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板を有し、
かつ集積板の下流側後縁間の間隔が、上流側前縁間の間隔よりも幅狭とされ、
前記集積板間に集められた粉砕パルプが積繊ドラム周面の中高部形成用凹部形成領域に向かうように構成されている、ことを特徴とする吸収体の積繊装置。
本発明の積繊装置では、積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対する集積板を有し、これら集積板の下流側後縁間の間隔が、上流側前縁間の間隔よりも幅狭とされ、この前記集積板間に集められた粉砕パルプが積繊ドラム周面の中高部形成用凹部形成領域に向かうように構成されている。従って、上流側から流れてくる粉砕パルプは集積板によって中高部形成用凹部およびその上層の部位に集められて積繊され、それとともに中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部よりも外側領域となる吸収体形成用凹部の部分へのパルプ量が相対的に減少され、さらに当該部分が集積板のかげになってパルプ流れが規制され、もって積繊ドラム周面の特に中高部形成用凹部形成領域に単位時間あたり他の領域より多くのパルプが積繊されるようになる。もって、低密度部分が形成されることをなくすことができるとともに、中高部形成用凹部の深さを製品時における中高部の高さとほぼ同一にすることができる。
集積板が、その下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨むように、位置されている請求項1記載の吸収体の積繊装置。
中高部形成用凹部形成領域に確実にパルプを誘導でき、効率よく中高部形成用凹部形成領域に粉砕パルプを集積できるようになる。
内面側に吸引する吸引手段を具備した積繊ドラムと、この積繊ドラムの周面に形成された吸収体形成用凹部と、吸収体形成用凹部内に形成された中高部形成用凹部とを有し、前記吸引手段の吸引作用により前記各凹部に粉砕パルプを積繊して、吸収体を成形する吸収体の積繊装置であって、
積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板を有し、
集積板の下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨むように位置され、かつ、
この集積板が、相対する面が相手方集積板側に膨出する曲面とされ、相対しない面が平面とされた翼型形状である、ことを特徴とする吸収体の積繊装置。
本発明の積繊装置では、積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対する集積板を有し、この集積板の下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨んでいる。そして、この集積板は、相対する面が相手方集積板側に膨出する曲面であり、相対しない面は平面である翼型形状である。従って、上流側から下流に向かう気流は、集積板近傍で曲面側と平面側とで速度差が生じ、曲面側の速度が速くすることができる。これにともなって、平面側と比して集積板間の圧力が低圧となり上流側に位置するパルプの集積作用が発生し、より多くのパルプが中高部形成用凹部へと集められて積繊される。これにより、ドラム周面に中高部形成用凹部形成領域に単位時間あたり他の部位より多くのパルプを積繊させることができる。もって、低密度部分が形成されることをなくすことができるとともに、中高部形成用凹部の深さを製品時における中高部の高さとほぼ同一にすることができる。また、本発明では、上記形状としたことにより上流側前縁と下流側後縁とが同間隔であっても集積効果が得られる。そして、本発明では、集積板の相対しない面が平面であることから、同幅にしたときには中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部よりも外側部位となる吸収体形成用凹部の部分への上流側からの気流を集積板の存在によって妨げずにすむので、各凹部への集積効率に優れる。
内面側に吸引する吸引手段を具備した積繊ドラムと、この積繊ドラムの周面に形成された吸収体形成用凹部と、吸収体形成用凹部内に形成された中高部形成用凹部とを有し、前記吸引手段の吸引作用により前記各凹部に粉砕パルプを積繊して、吸収体を成形する吸収体の積繊装置であって、
積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板を有し、
この集積板の下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨むように位置され、かつ、
この集積板は、両面が上流側前縁から下流側後縁にかけて外方に向かって膨出する曲面を有するとともに、上流側前縁と下流側後縁とを結ぶ仮想面に対する各面側最膨出部からの垂線距離が、相手方集積板側に対面する面側のほうが、相対しない面側に比して長くなるように形成された翼型形状である、ことを特徴とする吸収体の積繊装置。
本発明の積繊装置では、積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対する集積板を有し、この集積板の下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨んでいる。そして、この集積板は、両面が上流側前縁から下流側後縁にかけて外方に向かって膨出する曲面を有するとともに、上流側前縁と下流側後縁とを結ぶ仮想面に対する各面側最膨出部からの垂線距離が、相手方集積板側に対面する面側のほうが、相対しない面側に比して長くなるように形成された翼型形状である。従って、上流側から下流に向かう気流は、集積板近傍で各面側で速度差が生じ、相対面する曲面側の速度が速くなる。これにともなって、対面しない側と比して集積板間の圧力が低圧となり上流側に位置するパルプの集積作用が発生し、より多くのパルプが中高部形成用凹部へと集められて積繊される。これにより、ドラム周面に中高部形成用凹部形成領域に単位時間あたり他の部位より多くのパルプを積繊させることができる。もって、低密度部分が形成されることをなくすことができるとともに、中高部形成用凹部の深さを製品時における中高部の高さとほぼ同一にすることができる。また、本発明では、上記形状としたことにより上流側前縁と下流側後縁とが同間隔であっても集積効果が得られる。
相対面する集積板の下流側後縁間の間隔が調整可能とされている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収体の積繊装置。
本発明では、相対面する集積板の下流側後縁間の幅によって、積繊ドラム周面の中高部形成用凹部へのパルプ集積効率が変化する。従って、下流側後縁間の間隔を調整可能とすれば、粉砕パルプの細かさや、ポリマー粒子の種類、大きさなどの要素を変更しても、適宜間隔調整をするだけで低密度部分なく中高部を形成でき、もって中高部形成用凹部の深さ変更など煩雑な操作が必要なくなり、吸収体の設計変更に柔軟に対応できるようになる。
図1は本発明に係る積繊ドラムを含む吸収体の積繊装置の概略図であり、図3は積繊ドラム近傍の側面視の模式図である。図4は、そのIII−III断面を模式的に表した図である。図6は、集積板の形状を説明するための断面図である。
本形態の積繊装置X1は、図1に示されるとおり、主に供給されるパルプ材料P1を細かく粉砕するための解繊装置2と、ケーシング3により囲まれてなるチャンバ室3Cと、このチャンバ室3Cの下流側端に配設される積繊ドラム4と、積繊ドラム4の外周面に吸引作用を与える吸引設備(図示されない)と、積繊された吸収体Qを後段のバキューム装置付きコンベア15に転写する送気設備(図示されない)と、積繊ドラム4の上流側に設置されて積繊ドラム4の一部分への粉砕パルプの積繊効率を向上させる集積板5と、チャンバ室3C内に吸収性ポリマーP2を供給するため供給口6と、で構成されている。
次いで、第2の形態を示す。第2の形態は側面視においては第1の形態と同様で図3に示されるとおりである。積繊ドラム周面4Aと下流側後縁5Bとの距離関係、∠θと∠θ´との関係も上述の第1の形態と同様である。また、上流側前縁間間隔L1とドラム外周面幅LDと関係も第1の形態と同様である。
Claims (5)
- 内面側に吸引する吸引手段を具備した積繊ドラムと、この積繊ドラムの周面に形成された吸収体形成用凹部と、吸収体形成用凹部内に形成された中高部形成用凹部とを有し、前記吸引手段の吸引作用により前記各凹部に粉砕パルプを積繊して、吸収体を成形する吸収体の積繊装置であって、
積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板を有し、
かつ集積板の下流側後縁間の間隔が、上流側前縁間の間隔よりも幅狭とされ、
前記集積板間に集められた粉砕パルプが積繊ドラム周面の中高部形成用凹部形成領域に向かうように構成されている、ことを特徴とする吸収体の積繊装置。 - 集積板が、その下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨むように、位置されている請求項1記載の吸収体の積繊装置。
- 内面側に吸引する吸引手段を具備した積繊ドラムと、この積繊ドラムの周面に形成された吸収体形成用凹部と、吸収体形成用凹部内に形成された中高部形成用凹部とを有し、前記吸引手段の吸引作用により前記各凹部に粉砕パルプを積繊して、吸収体を成形する吸収体の積繊装置であって、
積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板を有し、
集積板の下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨むように位置され、かつ、
この集積板が、相対する面が相手方集積板側に膨出する曲面とされ、相対しない面が平面とされた翼型形状である、ことを特徴とする吸収体の積繊装置。 - 内面側に吸引する吸引手段を具備した積繊ドラムと、この積繊ドラムの周面に形成された吸収体形成用凹部と、吸収体形成用凹部内に形成された中高部形成用凹部とを有し、前記吸引手段の吸引作用により前記各凹部に粉砕パルプを積繊して、吸収体を成形する吸収体の積繊装置であって、
積繊ドラム幅方向に離間する一対の相対面する集積板を有し、
この集積板の下流側後縁が中高部形成用凹部のドラム幅方向側縁部の回転軌跡に臨むように位置され、かつ、
この集積板は、両面が上流側前縁から下流側後縁にかけて外方に向かって膨出する曲面を有するとともに、上流側前縁と下流側後縁とを結ぶ仮想面に対する各面側最膨出部からの垂線距離が、相手方集積板側に対面する面側のほうが、相対しない面側に比して長くなるように形成された翼型形状である、ことを特徴とする吸収体の積繊装置。 - 相対面する集積板の下流側後縁間の間隔が調整可能とされている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収体の積繊装置。
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