JP2007193907A - 音楽再生制御装置及び音楽再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】図1(a)において、音楽テンポ指示部4は、歩行テンポ検出部3により検出された歩行テンポの値が、音楽データ再生部6により再生されている音楽データの有する音楽テンポの値から所定範囲を外れたとき、歩行テンポの値に一致する値の音楽テンポを指示する。再生制御部5は、音楽テンポ指示部4により指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶部2に音楽テンポのデータとともに保存された複数の音楽データの中から選択し、音楽データ再生部6に、選択した音楽データの再生を開始させる。
【選択図】図1
Description
また、採用されている音楽の速さ(音楽テンポ)とステップの平均速度(歩行テンポ)が一定以上離れているときに限り、その差を何割か縮めるように音楽の速さを変更するものも知られている(特許文献2参照)
しかも、単に音楽テンポを変更しただけでは気分が変わらないので、音楽に飽きて運動を継続する意欲をなくしてしまう。
また、波形データ形式で記録されたものであれば、音楽テンポを変更したときに特殊な信号処理をしない限り音程が変化してしまうので違和感が生じる。MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データのような演奏データの形式で記録されたものであれば、音程は変化しないが、波形データ形式のものに比べて音楽的な豊かさに欠ける。
ユーザが、許容される脈拍数の上限値と下限値、及び、所望するペース(走行ピッチ)を設定し、脈拍数が上限値を越えると可変周波数発振回路の出力する電子音の出力ペースが減少し、脈拍数が下限値を下回ると電子音の出力ペースが増加する。
さらに、電子音に代えて音楽データを用い、運動テンポ(走行テンポ)を検出するセンサを用いて、テンポ(音楽テンポ)を変更することも知られている(特許文献3参照)。
ユーザ設定に応じて目標脈拍時間関数が発生し、ユーザの脈拍数と目標脈拍数のとの差ΔH(t)にテンポ及び係数Aを乗算した補正量を、運動テンポに係数Dを乗算した値に加算したものを変更後のテンポとする。その結果、ユーザの脈拍数を制御する運動支援装置となる。なお、係数A=0とすれば、走行テンポに合わせて音楽のテンポを変更するものになる。
しかし、これらの技術も、あらかじめ決められた音楽データをその音楽テンポを変更して再生するものである。
その結果、運動負荷率が高まるにつれて再生テンポ(音楽テンポ)の下がる曲が選択されるので、ユーザは、それに合わせてジョギングのペースを下げるようにする。
加えて、テンポ係数Pが変更される毎に、再生中の音楽を停止させてから新たに選曲した音楽を曲頭から再生するようにするほか、再生中の音楽と新たに選曲した音楽とをクロスフェードさせて曲切替したり、より自然な形で、再生中の音楽を最後まで自動演奏させ、終了後に新たに選曲される音楽を再生開始させたりすることが記載されている。
しかし、ユーザは、音楽テンポによって、これに対応する現在の運動負荷率を知るだけで、最適な運動負荷率になるように歩行ピッチが誘導されるものではない。
すなわち、再生テンポは、使用者の歩行テンポとは必ずしも一致しないので、運動しながらこのような演奏を聴き続けると、ユーザは違和感を持ってしまう。また、ユーザの運動負荷率が変化しなければ、テンポ係数Pが変更されないので、再生中の音楽が曲の最後まで再生されると自動演奏が終了してしまう。
心拍数履歴テーブルTBL1から運動強度mに対応した負荷心拍数Fを読み出し、負荷心拍数Fとユーザの心拍数Sとの差Δdに応じたテンポ増減係数Cを、歩行テンポTに乗算して負荷テンポTMPを算出し、この負荷テンポTMPに略合致するテンポの曲データをデータベースから検索して配信する。
しかし、配信サイトにアクセスして曲データをダウンロードするため、曲データの切替に要する処理遅延が長くなる。
また、ユーザの心拍数の計測間隔と、曲データ切替の単位間隔とが、ともに、ユーザが一定距離を歩行する時間である。そのため、心拍数の変化に即応させようとすると、上述した一定距離を短くしなければならない。そうすると、心拍数の変化がない期間では、短時間で同じ曲が繰り返し曲頭から再生開始されることになる。
また、歩行テンポに依存して切替の単位間隔が変化してしまう。さらにまた、歩行テンポTを計測するセンサを必要とする。一方、配信サイトでは、曲データをどのように保存しておき、どのようにして負荷テンポTMPに略合致するテンポの曲データを検索するのかについてまでは検討されていない。
しかし、音楽のリズム(ビート)は、単に、瞬時心拍数が目標運動範囲の下限心拍数より低いことをユーザに知らせているにすぎない。すなわち、歩行テンポ等との関連で音楽のビート(音楽テンポ)を変更するものではない。音楽のビートは、使用者の歩行テンポと一致しない。
従って、反復テンポの変化に応じた音楽テンポを有する音楽データを再生させることができる。その結果、再生される音楽データの音楽テンポが反復運動の反復テンポに追従するので、反復運動に悪影響を受けることなく音楽を聴くことができる。
上述したデータ記憶手段に保存されている複数の音楽データが波形データ形式で記録されたものであれば、音楽的に豊かな音楽を再生できるようになる。
この場合、上述したデータ記憶手段に、指定される可能性のある全音楽テンポについて、それらの音楽テンポを有した音楽データが保存されていなくても、代わりとなる音楽データを選択できる。その結果、データ記憶手段に保存しておく音楽データの自由度が大きいから、ユーザが好みの音楽データを取得してデータ記憶手段に保存するのに適している。
あるいは、上述した音楽テンポ指示手段により指示された音楽テンポの値から所定範囲内にある音楽テンポを有した複数の音楽データが前記データ記憶手段に保存されていたときは、当該複数の音楽データの中から、指示された音楽テンポの値に最も近い値(指示された音楽テンポの値と一致する場合を含む)の音楽テンポを有する音楽データを優先して選択するようにしてもよい。
これらの場合、上述したデータ記憶手段に、同じ音楽テンポを有する複数の音楽データが保存されていても、音楽データを選択できる。その結果、データ記憶手段に保存しておく音楽データの自由度が大きいから、ユーザが好みの音楽データを取得してデータ記憶手段に保存するのに適している。
この場合、上述したデータ記憶手段に、指示された音楽テンポの値から所定範囲内にある音楽テンポを有する波形データ形式の音楽データが保存されていなくても、演奏データ形式の音楽データを代わりに用いることができる。その結果、データ記憶手段に保存しておく音楽データの自由度が大きいから、ユーザが好みの音楽データを取得してデータ記憶手段に保存するのに適している。
この場合、反復テンポの値がわずかに変化しただけで頻繁に音楽データが切り換わることのないようにして、頻繁に音楽データが切り換わって、かえって耳障りになったり、落ち着かなくなったりすることを防止している。
この場合、反復テンポのわずかな変化によって音楽データが切り換わらないようにすることができる。歩行ステップの変化が安定するまで、新たな音楽データに切り換わらないようにしている。その結果、頻繁に音楽データが切り換わって、かえって耳障りになったり、落ち着かなくなったりすることを防止することができる。
音楽データの前奏部では、曲調がそれ以後とは異なり、曲の開始を感じさせたり、無音区間が含まれていたりする場合が多い。従って、前奏部を再生しない方が、反復運動の意欲を失うおそれが少ない。
この場合、例えば、選択した音楽データに設定された所定の再生時間が終了したことにより、又は、選択した音楽データの再生が最後まで再生されたこと等により、選択した音楽データの再生区間が終了する場合に、新たに選択した音楽データの再生が開始する。
その結果、運動をしている途中で、選択した音楽データの再生区間が終了しても、音楽再生を自動継続することができる。
音楽データの後奏部になると、曲調が大きく変化して曲の終了を感じさせる場合が多い。従って、後奏部を再生しない方が、音楽の終わりを感じさせないので反復運動を乱さない。
選択した音楽データに再生時間、あるいは、最小限度の再生時間,最大限度の再生時間を設定する場合は、曲頭からの再生時間を設定したり、曲末からさかのぼって再生時間を設定したりすればよい。いずれの場合も、前奏部、後奏部を除いた再生時間を設定することが望ましい。その際、前奏部、後奏部は、音楽データを解析して決定してもよいが、所定の時間を決めて、一律に決定してもよい。
この場合、反復運動の終了を検出したり、再生停止スイッチの操作を検出したりすることにより、音楽データの再生を終了させる指示を受けたときは、ユーザを運動の終了の気分にさせることができる。
運動時間、すなわち、再生時間が予め設定されている場合、上述した音楽データの再生を終了させる指示は、遅くとも、予め設定されている再生時間の終了時点から後奏部を再生する時間前の時点で行われるようにすればよい。このとき、以後の再生区間は、後奏部の終了位置から遡って定められる。
つなぎ用の音楽データを、演奏データ形式の音楽データとすれば、その音楽テンポを、現在再生されている音楽データの音楽テンポの値から、前記新たに選択した音楽データの音楽テンポの値まで、複数段階にわたって変化させることができる。その結果、ユーザが聴く音楽をなめらかに移行させることができる。その際、現在再生されている音楽データからつなぎ用の音楽データへの切替え、つなぎ用の音楽データから新たに選択した音楽データへの切替えをクロスフェードで行えば、さらになめらかな移行ができるようになる。
従って、最初、又は、その後に、音楽データが選択され、この音楽データの再生が開始されるとき、ユーザの反復タイミングと再生区間の最初の拍タイミングとが一致することになり、音楽データの切替に対してユーザに違和感を与えないので、音楽との一体感が得られる。
なお、音楽データの再生区間の最初の拍タイミングのデータ又はこの拍タイミングを推定するためのデータは、予め、音楽データとともに、上述したデータ記憶手段に記憶しておけばよい。
反復タイミング検出手段と反復テンポを検出する手段は、同じセンサの出力を用いて実現できる。
従って、ユーザが立ち止まった時などにおいて、音楽テンポの遅い音楽データが一時的に再生されて違和感を覚えないようにすることができる。
これに代えて、上述した再生制御手段は、上述した音楽テンポ指示手段により指示された音楽テンポの値が急速に低下したとき、前記指示された音楽テンポの値が復帰するまで、再生されている音楽データを継続して再生させるようにしてもよい。
この場合、無音になって運動意欲が低下することを避けることができる。
従って、運動終了段階においては、反復テンポに応じて音楽テンポを変更するのではなく、音楽テンポを強制的に設定されたものにするので、クールダウンを誘導することができる。しかも、運動終了段階に適した音楽のテンポを遅く感じさせる曲調の音楽データを再生するので、心理的にもクールダウンを誘導することができる。
この場合、反復テンポに応じて音楽テンポが変更されるだけでなく、音楽テンポの変更に伴って、変化方向に応じた曲調の変化を与えるので、ユーザは心理的にも音楽テンポの変化方向を感じる。その結果、ユーザは反復運動と音楽との一体感をより一層感じることができる。
従って、データ記憶装置、音楽データ再生装置を外付けせずに、単体で音楽データの保存及び再生ができる。
音楽データ自体が変更されるので、ユーザは、気分が変わり、音楽を聴くことに飽きがこない。また、音楽データはオリジナルテンポで再生されるため違和感がない。
ユーザは、再生している音楽データを切り替えたいとき、操作子を操作しなくても、反復テンポを意識的に変えるだけで行うことができる。
本発明は、ユーザが反復運動をしながら音楽を聴くときに使用される。以下では、反復運動の一具体例として、ユーザがジョギング,ランニング等をする場合を説明する。
本発明は、音楽選択機能として、フリー(自由使用)モード、アシスト(運動支援)モードという、大別して2つのモードを備え、ユーザの選択操作に従って、フリーモード又はアシストモードに設定する。
図1(a)は、フリーモードにおけるブロック図であり、図1(b)はアシストモード
におけるブロック図である。
フリーモードとは、ユーザが好みの歩行テンポ又は走行テンポ(以後、総称して、歩行テンポという)で自由に歩行又は走行をしながら、歩行テンポを乱されることなく音楽を聴くモードである。
その際、取得する音楽データに、そのオリジナルの音楽テンポのデータが含まれていればこれを同時に取り込み、含まれていなければ、その音楽データを分析し、そのオリジナルの音楽テンポを抽出し、音楽データとオリジナルの音楽テンポとをデータ記憶部2に書き込む。従って、データ記憶部2は、複数の音楽データを各音楽データのオリジナルの音楽テンポのデータとともに保存している。再生時には、オリジナルの音楽テンポで再生する。
しかし、MIDIデータのような音符の音高と音長を表す演奏データで記録された演奏データ形式のものでもよい。この場合、演奏時のオリジナル音楽テンポのデータを有したものとし、再生時には、オリジナルの音楽テンポで再生する。
後述するように、保存しておく音楽データは、原則として波形データ形式であるが、一部を演奏データ形式としてもよい。
5は再生制御部であって、音楽テンポ指示部4により指示された音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの中から選択し、選択した音楽データを音楽データ再生部6により再生させる。
6は音楽データ再生部であって、再生制御部5により選択された音楽データを再生する。
より具体的には、音楽テンポ指示部4は、歩行テンポ検出部3により検出された歩行テンポの値が、後述する音楽データ再生部6により再生されている音楽データの有する音楽テンポの値から所定範囲を外れたとき、歩行テンポの値に一致する値の音楽テンポを指示する。
反復テンポの値を音楽テンポの値と比較する際に、音楽テンポ指示部4により指示された音楽テンポの値から所定範囲を外れたとき、としてもよい。しかし、ユーザが聴いている音楽テンポは、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値であって、これは、必ずしも、現に指示されている音楽テンポの値と一致しない。従って、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値と比較した方が、理にかなった比較ができる。
音楽データ再生部6は、再生制御部5により選択された音楽データを再生する。
しかし、データ記憶部2に、指示された音楽テンポの値と同じ値の音楽テンポを有した音楽データが保存されているとは限らないし、逆に、同じ値の音楽テンポを有した音楽データが多数保存されている場合もある。
その際、上述した音楽テンポ指示部4により指示された音楽テンポの値から所定範囲内にある音楽テンポを有した複数の音楽データがデータ記憶部2に保存されていたときは、これら複数の音楽データの中からランダムに音楽データを選択すればよい。
なお、上述した所定範囲内に音楽テンポを有するものが1つしかない場合、これを選択することになるが、この場合もランダムに音楽データを選択するということができる。
ただし、音楽テンポの値が同じである複数の音楽データがあるときは、その複数の音楽データの中から、上述したランダム選択と同様の方法により、その中から1つを選択すればよい。
上述した各種の選択方法により、同じ又は近接した音楽テンポが、連続して、あるいは、しばらくしてから再び指示されることになったときでも、異なる音楽データが選択されるので、飽きずに音楽を聴き続けることができる。
演奏データ形式の音楽データとしては、オリジナル音楽テンポが不明な音楽データが保存されていてよい。演奏データ形式の音楽データとして、オリジナル音楽テンポの異なる複数の音楽データが保存されている場合は、指示された音楽テンポに最も近いものを選択し、指示された音楽テンポで再生すればよい。
なお、音楽データ取得部1がデータベース等から音楽データを取得する際に、ユーザが操作をすることにより、曲の中間区間や後述する前奏部や後奏部を除いた区間など、任意の区間のみを保存してもよい。
音楽データとして、波形データ形式と演奏データ形式とがあるが、いずれも、例えば、楽曲毎にファイル化されている。
波形データ形式の音楽データファイルとしては、WAV形式(非圧縮の波形データ形式)、あるいは、音楽データ再生部6で再生可能であれば、例えば、MP3(MPEG-1 Audio Layer-III)等の、種々の圧縮方式で圧縮された波形データファイルでもよい。
演奏データ形式の音楽データファイルとしては、MIDIメッセージとイベントタイミングデータとがペアになって記録されたSMF(Standard MIDI File)のフォーマットがある。
演奏データ形式の音楽データは、波形データ形式の音楽データと同様にして使用できる。しかし、通常の実施の形態では、既に説明したように、指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する波形データ形式の音楽データが保存されていないときに用いる。
また、図6、図9を参照して後述するように、再生する音楽データを切替える時のつなぎ音楽データにも、演奏データ形式で短時間の音楽データを使用する場合がある。
図2(b)〜図2(e)は、データ記憶部2に保存されている音楽データの内容を、その音楽データ時間長別に例示した説明図である。音楽データファイルは、例えば、ヘッダ領域に続けて音楽データ領域を持っているが、ここでは、その音楽データ領域を模式的に図示している。
前奏(イントロダクション)部は、主題へ入る前に演奏される導入部分であるが、本明細書では、単に楽曲の初めの部分を意味する。前奏部では作曲手法上、曲調がそれ以後の部分とは異なり、曲の開始を感じさせる曲調である場合がある。また、無音期間から始まったり、伴奏のみの演奏であったりする。
後奏部(エンディング)は、主題が終了した後の部分であるが、本明細書では、単に楽曲の終わり部分を意味する。後奏部では、作曲手法上、曲調が大きく変化して曲の終了を感じさせる場合がある。伴奏のみの演奏であったり、無音期間で終わったりする。
前奏部及び後奏部は、音楽データの自動解析によって検出したり、音楽専門家が識別してもよいが、単に時間長で一律に区分してもよい。例えば、前奏部は、音楽データの開始位置から20秒まで、後奏部は音楽データの終了位置からさかのぼって60秒以後として決める。
図2(c)に示す音楽データは、音楽データの再生時間が、所定の例えば1分以上3分以下であり、再生対象とする。
図2(d)に示す音楽データは、音楽データの再生時間が、所定の例えば3分超のものであり、所定の3分を限度に再生対象とする。図示の例では、後奏部開始位置からさかのぼって再生区間を決めている。これに代えて、前奏部終了後の位置から再生区間を決めてもよい。
1つの曲が長く再生される場合には飽きられやすいので、このような、再生時間長に限度を設けている。
しかし、あるテンポ値及びその近傍で音楽データの曲数が少ない場合は、1つの音楽データをなるべく長く聴く方がよい。従って、いつでも、又は、このように音楽データの曲数が少ない場合は、再生時間長に上限を設けることなく、前奏部及び後奏部を除いた最大の区間を再生区間にしてもよい。
特定の機能を実現する場合にのみ必要となる管理データも含まれている。
図2(f)は、音楽管理データ部において、波形データ形式の1つの音楽データファイルに対する管理データの一例を示すものである。
音楽データ開始アドレス(音楽データファイルの開始アドレス)及び音楽データ長(音楽データファイルのデータ長)は、データ記憶部2において、各音楽データファイルが記憶されている領域を指定する。図2(e)の前半の管理データと後半の管理データとでは、同じ領域を指定することになる。
なお、音楽データファイルの記憶領域を、それに付された音楽データファイル番号で参照できる場合には、開始アドレス及びデータ長に代えて、その音楽データファイル番号を記述すればよい。
音楽テンポは、オリジナル音楽テンポである。図2(e)の前半の再生区間の管理データでは前半の音楽テンポであり、後半の再生区間の管理データでは後半の音楽テンポである。
曲調は、音楽データの音楽テンポの速い遅いを感じさせる程度を表すデータである。音楽テンポの数値とユーザが受ける音楽テンポの感覚とは相違する場合があるために使用するが、本発明に必須のものではない。
再生開始位置は、図2(c)〜図2(e)に示した再生開始位置を、曲データの先頭位置からの時間あるいはクロックを単位として表す。図2(e)の後半の再生区間の管理データの場合は、テンポ変更位置を表す。
再生終了位置は、図2(b)〜図2(e)に示した再生終了位置を、曲データの先頭位置からの時間あるいはクロックを単位として表す。
拍位置(1)は、音楽データの曲頭から最初の拍の位置を、時間あるいはクロックを単位として表す。以後の拍位置(2),(3),…についても同様に、曲の終わりまで、後続する拍の位置を、曲頭からの位置、又は、直前の拍の位置からの差分で表すものである。
しかし、曲中の全ての拍位置について記述すると、データ量が大きくなる。そこで、1小節に1回とか、数拍に1回とか、間引きをして拍位置を記述してもよい。間引きされた拍位置は、補間処理により推定される。なお、前奏部、後奏部を再生しない場合は、再生区間の拍位置だけを記述してもよい。しかし、前奏部、後奏部の長さが任意に設定変更されたり、前奏部、後奏部が再生されたりする場合は、曲全体について記述しておいた方がよい。
図2(e)の前半の再生区間の管理データの場合は音楽テンポの変更位置までの前半の拍位置を記述し、図2(e)の後半の再生区間の管理データの場合は音楽テンポの変更位置からの拍位置を記述する。
管理番号、音楽データ(ファイル)開始アドレス及び音楽データ(ファイル)長、音楽テンポ、曲調、再生開始位置、再生終了位置は、先に示した図2(f)の波形データの場合と同様である。種別データは、演奏データ形式であることを示す。演奏データ形式では、ノートデータのイベントタイミングから拍位置が確定したり、推定したりできるので、拍位置データは、特に記述しなくてもよい。
そのため、音楽データ取得部1は、音楽データを新たにデータ記憶部2に書き込む際に、外部装置から、種別データ、音楽テンポ等の管理データを取得して、音楽データとともに取り込むか、これらの管理データを取得できなければ、その音楽データを分析することにより、これらの管理データを自ら取得し、音楽管理データ領域に書き込む。
また、上述した音楽管理データを用いるに代えて、各音楽データファイルのヘッダ領域等に、種別データ、音楽テンポ、曲調等の管理データを記述してもよい。音楽データを読み出す際は、各音楽ファイルに直接的にアクセスして、条件を満たす音楽データを特定する。
歩行テンポが安定しているときは、音楽テンポ指示部4により指示される音楽テンポの値は変更されない。従って、再生制御部5は、選択した音楽データを、その音楽データの再生時間が終了するまで、すなわち、後奏部になるまで、音楽データ再生部6に再生させることになる。
再生制御部5は、選択した音楽データの再生区間が終了するとき、新たに選択した音楽データの再生を開始させることにより、音楽再生を自動継続させる。そのため、再生区間が終了するまでに、指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの中から選択しておく。
その際、音楽テンポ指示部4により指示された音楽テンポが変更されていなければ、同じ値の音楽テンポを有した次の音楽データを選択する。
例えば、図示しない、反復運動終了検出部を設けておき、歩行テンポ検出部3の検出出力(歩行テンポが0になる状態が所定時間以上続いた)に応じて、あるいは、ユーザが操作する停止スイッチの操作に応じて、反復運動の終了を検出する。
再生制御部5は、最初、又は、その後に、音楽データの再生を開始させるときに、歩行テンポ検出部3により検出されたステップ(開始)タイミングに音楽データの再生区間の最初の拍タイミングが同期するように、音楽データの再生を開始させる。
従って、音楽データが選択され、この音楽データの再生が開始されるとき、ユーザのステップ(開始)タイミングと、再生開始後の最初に到来する拍タイミングとが一致する。
図2(c)〜図2(e)のように、予め決められた再生開始時点は、必ずしも再生区間の最初の拍タイミングとはならない。従って、予め決められた再生開始時点は、最初の拍タイミング以前の時点になる。
なお、再生開始時点を、予め決められた再生開始時点に代えて、上述した再生区間の最初の拍タイミングの位置にしてもよい。
その際、いずれの同期再生開始方法においても、新たな音楽データの再生が開始するまで、その前の音楽データの再生を継続させれば、音楽再生に中断が生じないようにすることができる。
なお、図2(f)に示した拍位置のデータは、後述するアシストモードのビート音再生で使用することを前提としたものである。フリーモードにおいては、再生開始位置の後の最初にある拍位置がわかるデータさえ記憶されていればよい。
歩行テンポの値が急速に低下した状態は、歩行テンポの値を直接的に判定するほか、音楽テンポ指示手段により指示された音楽テンポの値によっても間接的に判定できる。
再生制御部5は、歩行テンポの値が急速に低下したとき、歩行テンポの値が復帰するまで、音楽データ再生部6による音楽データの再生を一時的に停止させる。あるいは、歩行テンポの値が復帰するまで、現在、再生中の音楽データを継続して再生するようにしてもよい。
上述した説明では、再生制御部5は、歩行テンポに応じて音楽テンポを指定したが、歩行テンポに応じて音楽データの他の楽音特性を制御してもよい。例えば、歩行テンポが速くなるほど、再生音量を大きくする。歩行テンポに応じて、音楽テンポとともに、他の楽音特性を制御してもよい。
音楽テンポの値が同じ音楽であっても、人が聴いた場合、音楽テンポに差があるように聴こえることが知られており、「リズミカルな曲」、「明るい曲」、「ノリが良い曲」は「アップテンポな曲」に属する。
これに対し、「ゆったりした曲」であるとか、「リラックスできる曲」は、相対的に、「ダウンテンポな曲」に属する。
そこで、例えば、音楽テンポを最も速く感じさせるものを「5」とし、最も遅く感じさせるものを「1」とする曲調データを音楽データに付加しておく。
より具体的には、図1(a)には示していない設定部により、運動終了段階における音楽テンポが強制的に設定される。音楽テンポ指示部4は、設定された運動終了段階における音楽テンポの値を指示する。
例えば、再生制御部5は、運動終了段階前において、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの曲調データを検索し、音楽のテンポを遅く感じさせない曲調を有する1又は複数の音楽データの中から、音楽テンポ指示部4により指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを選択する。
すなわち、再生制御部5は、音楽テンポ指示部4により、現在、音楽データ再生部6により再生されている音楽データの有する音楽テンポの値から速くする音楽テンポが指示されたとき(ペースアップ)、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの曲調データを検索し、再生されている音楽データよりも速く感じさせる、よりアップテンポの曲調を有する1又は複数の音楽データの中から、指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを選択する。
ここで、音楽テンポを優先させて、指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データが複数ある場合に、曲調の条件を満足する音楽データを選択するようにしてもよい。
図1(b)において、図1(a)と同じ部分には同じ符号を付している。
7は設定部であり、図8を参照して後述する、ユーザに固有の各種データや所望する運動モードを入力することにより、ユーザに適した音楽テンポ及び目標心拍数などを設定する。
目標値は、心拍数(単位は、例えば、[回/分])を用いて目標心拍数を設定してもよいが、心拍数を運動強度に換算した目標運動強度(単位は、例えば、[%HR Reserve]、予測最大心拍予備能に対するパーセント)に換算した値でもよい。後者の場合、心拍数検出部8で検出された心拍数は目標運動強度に換算して比較される。
上述した目標心拍数については、歩行又は走行の全期間、又は、所定の運動段階の全期間にわたって、同じ値を設定したり、時間経過に従って変化する値を設定したりする。上述した音楽テンポの設定値については、歩行又は走行開始時の設定値としたり、所定の運動段階開始時の設定値としたりする。
9は音楽テンポ指示部であり、設定部7により設定された音楽テンポを初期値とし、心拍数検出部8により検出された心拍数と設定部7により設定された目標心拍数との差が小さくなるように、例えば、現在、再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして、音楽テンポの値を指示する。再生される音楽データの音楽テンポの値は、ユーザが歩行テンポを合わせる対象となる。
10は再生制御部であり、音楽テンポ指示部9により指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶部2に各音楽データの音楽テンポのデータとともに保存された複数の音楽データの中から選択し、選択した音楽データの再生を開始させる。
ここで、所定範囲の設定方法としては、目標心拍数から±所定差の範囲とするが、目標心拍数からこの目標心拍数の±所定比の範囲としてもよい。一方、指示する音楽テンポの値は、再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして、この音楽テンポの値の±所定比の値とするが、±所定差の値としてもよい。
しかし、ユーザが聴いている音楽テンポは、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値であり、これは、必ずしも、現に指示されている音楽テンポの値と一致しない。従って、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして変更した方が、理にかなった変更ができる。
しかし、この実施の形態では、音楽テンポにユーザの歩行テンポを合わせることを前提としているので、音楽テンポを頻繁に変更することはユーザに負担を与えるために望ましくない。その反面、心拍数が急変した場合、特に、心拍数が高くなった場合には、過度な運動強度を与えないように、再生途中であっても歩行テンポを下げさせる必要がある。この相反する仕様を満足させるために、次のような構成になっている。
一方、音楽テンポ指示部9は、再生されている音楽データの再生区間が終了するときに、上述した心拍数が、上述した目標心拍数から第1の所定範囲内である第2の所定範囲を超えたときは、指示する音楽テンポの値を、上述した心拍数と目標心拍数との差が小さくなるように、再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして変更し、かつ、再生制御部10に対し、再生されている音楽データの再生区間が終了した後に、指示した音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを選択させ、音楽データ再生部6に再生させる。
一方、指示する音楽テンポの値は、再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして、この音楽テンポの値の±所定比の値とするが、この音楽テンポの値を基準として±所定差の値としてもよい。
その際、目標心拍数から第1の所定範囲を超えたときは、第1の所定範囲内である第2の所定範囲を超えたときよりも、上述した所定比の絶対値、所定差の絶対値を大きくしてもよい。
このような場合に対処するため、ユーザが歩行又は走行中において、音楽テンポ変更指示操作子、例えば、運動がつらいときに押す「ペースダウンボタン」、運動に余裕がある時に押す「ペースアップボタン」を音楽再生制御装置に設けておく。
図示しない音楽テンポ変更指示部を設け、上述したボタンが押されたこと検出して、音楽テンポの値を変更指示する。
一方、「ペースアップボタン」が押されたときには、音楽テンポを早いものとし、それに応じた音楽データを選択させて、再生される音楽データを切り替えるとともに、目標心拍数を高くするので、以後、検出された心拍数が高くても、音楽テンポは以前ほどは遅くならない。
上述したボタンが押されたことによる再生される音楽データの切替えは、クロスフェード、つなぎ用音楽データの再生を省略することにより、音楽テンポを速やかに変更するようにしてもよい。
再生制御部10は、選択した音楽データの再生区間が終了するとき、既に説明したように、音楽テンポ指示部9により指示された音楽テンポが変更されている場合がある。変更されている場合に、再生制御部10は、変更された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの中から選択する。
なお、ステップタイミングが現在再生されている音楽データの拍タイミングと一致するようにユーザが歩行又は走行していれば、現在再生されている音楽データの拍タイミングに、新たに再生開始される音楽データの拍タイミングが同期するようにしておくだけでよく、上述したステップタイミングに拍タイミングを同期させる手段を特に付加しなくてよい。
ビート音とは、拍の発生タイミングで短時間だけ音を発生させるものであって、例えば、音源部に打楽器音やベース音、メトロノーム音などのリズム音を発音させる演奏データを可変の音楽テンポで再生することによっても実現できる。
既に説明した音楽データを再生する場合は、その曲目によっては、音楽テンポを把握しにくい場合がある。しかし、把握できなければ、ユーザは音楽テンポに合わせた歩行テンポに変更できなくなる。
ビート音は、音楽データよりも音楽テンポを把握しやすいので、ユーザは音楽テンポに合わせた歩行テンポに変更することが容易になる。その際、音楽データ再生部6は、音楽データも同時に再生させるものとするが、音楽データの再生出力を出さない(ミュート)ようにしてもよい。
再生される音楽データの音楽テンポは厳密に一定値をとるわけではない。そのため、再生が進行するにつれて、音楽データの拍位置とビート音の拍位置との間に、大きな位相ずれが生じるおそれがあるから、再生開始後の再生途中においても、再生されている音楽データの拍位置とビート音の拍位置とを位相同期させることが望ましい。
従って、再生されている音楽データの拍位置を最初だけでなく継続して検出する必要がある。
あるいは、音楽データとともに、拍位置のデータをデータ記憶部2に記憶しておけばよい。すなわち、図2(f)に示したように、波形データ形式の音楽データファイルに対する音楽管理データにおいて、曲中、少なくとも所定の再生区間中の拍位置のデータを拍位置(1),(2),(3),…として記述しておけばよい。
なお、再生されている音楽データが演奏データ形式であれば、音楽データを解析し、ノートデータのイベントタイミングに基づいて、簡単に、拍位置そのものを検出したり、拍位置を推定したりすることができる。そのため、図2(g)に示したように、音楽管理データとして必ずしも拍位置データを記憶しておく必要はない。
歩行テンポ検出部3により検出された歩行テンポが、音楽テンポ指示部9により指示された音楽テンポから所定の範囲を外れたとき、再生されている音楽データの有する音楽テンポの値でビート音を発生させるようにする。
この場合も、同様に、再生されている音楽データの拍位置とビート音の少なくとも最初の拍位置とを位相同期させることが望ましい。
音楽データ再生部6は、音楽データも同時に再生させるものとするが、音楽データの再生出力を出さない(ミュート)ようにしてもよい。
なお、上述したビート音発生部は、図1(a)に示したフリーモードにおいても、上述したビート音を単独で、又は、音楽データとともに発生させるようにしてもよい。
また、図2を参照して説明した「曲調」データは、アシストモードにおいてもフリーモードと同様に利用することができる。
一具体例として、加速度センサを内蔵した携帯型音楽プレーヤとして実現する場合を示す。ユーザが、本装置を自分の腰付近又は腕に装着して屋外でジョギングやランニングをするのに適している。この携帯型音楽プレーヤの機能を、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistant)に組み込むこともできる。
)、23はRAM(Random Access Memory)である。
CPU21はフラッシュROM22に記憶された制御プログラムを用いて、本発明の機能を実現する。RAM23は、CPU21が処理を遂行する上で必要となる一時的なデータの記憶領域として用いられる他、音楽データのキャッシュメモリとして用いられる。
また、フラッシュROM22は、図1に示したデータ記憶部2として用いられ、波形データ形式又は演奏データ形式の複数の音楽データが保存されている。フラッシュROM22に代えて、小型で大容量のハード磁気ディスクを用いてもよい。
24は操作部であって、電源オンオフ、各種の選択や各種の設定をするための押しボタンスイッチ等である。25は表示部であって、設定入力内容の表示、音楽再生状態の表示、運動後の結果表示をする液晶ディスプレイ、各種指示用発光ダイオード等である。
歩行テンポ検出器26が、加速度センサそのものである場合は、CPU21側で、歩行ステップのタイミングを抽出するアルゴリズムを実行し、1ステップの時間長を計測し、歩行テンポを計算する。しかし、歩行テンポ検出部22の側で、これらの処理を実行して、CPU21に歩行テンポ、必要に応じて歩行ステップの開始タイミングを含めて出力してもよい。
27は心拍検出器であって、脈拍センサを用いた場合は、ユーザの指に取り付けるが、心拍計を用いる場合は、心拍計と一体型のヘッドフォン又はイヤフォンが知られている。
音楽データ再生回路30は、CPU21において選択され、かつ、切り替えられる音楽データを入力してアナログ信号に変換し、増幅してヘッドフォン,イヤフォン,スピーカ等に出力する。
具体的には、波形データを入力してアナログ波形データを再生する機能、その際、MP3のような圧縮波形データであれば伸長処理をする機能、及び、演奏データを入力してアナログ波形データを再生するMIDIシンセサイザ機能を備える。いずれの場合も、エフェクタ機能によって、残響やエコーなどの効果を付加する機能を備える。
パーソナルコンピュータ(PC)32は、ネットワークを介してサーバ装置33にアクセスし、ユーザはデータベースの中から所望の音楽データを選択し、ダウンロードする。
次に、パーソナルコンピュータ32は、ダウンロードした音楽データに音楽テンポのデータが含まれていないとき、音楽テンポの抽出プログラムを実行し、抽出した音楽テンポをダウンロードした音楽データとともに、パーソナルコンピュータ(PC)32のメモリに記憶する。
その際、図2(e)に示したように、音楽テンポが途中で変わるものについては、テンポ変更位置もメモリに記憶する。曲調、拍位置(1),(2),…についても、それぞれの分析プログラムを実行し、メモリに記憶する。
なお、波形データ形式の音楽データを分析して、音楽テンポを自動抽出する技術は、特開昭64−21498号公報、特開平8−201542号公報等で周知である。その際、拍位置は、音量レベルが高くなったタイミングとして検出される。
曲調データを音楽データの選択に用いる場合は、パーソナルコンピュータ32で、ユーザが音楽データを分析して判定するか、あらかじめ、データベースにおいて登録されるに際にデータベース作成者が曲調を判定して曲調データを保存しておく。曲調分析は、音楽データ再生の自動選曲技術分野において知られている。
なお、上述した音楽テンポ、拍位置データ、曲調データ等の管理データの抽出及び付加は、CPU21側のプログラム処理で実現してもよい。また、マイクロフォンで収録した音楽をフラッシュROM22に直接録音(ダイレクトレコーディング)しながら実行してもよい。
また、サーバ装置33に更新ファームウエアが用意されている場合は、パーソナルコンピュータを介して、フラッシュROM22に記憶されたファームウエアの更新ができる。
フラッシュROM22に保存されている、音楽テンポ等の管理データを伴う複数の音楽データは、本装置の工場出荷時にプリセットデータとして保存しておくこともできる。
ユーザは、心拍数検出器(脈拍センサ又は心拍計一体型ヘッドフォン,イヤフォン)27を装着し、それぞれから出力されるデータをケーブル又は無線を介して本体装置に転送する。再生された音楽データは本体装置のスピーカから出力してもよいが、ケーブル又は無線を介してユーザが装着するヘッドフォンあるいはイヤフォンに出力してもよい。
本装置は、通常の音楽再生装置として用いることもできる。その場合、前奏部や後奏部を考慮することなく、曲データとして再生する。
具体的には、音楽再生機能、音楽データ記憶機能、音楽データ取得機能は、マルチメディアプレーヤ等の、既存の再生装置で実現するようにし、この既存の再生装置に、音楽再生制御用インタフェースを備えつける。
なお、フラッシュROM22に音楽データをプリセットしておき、データベースから音楽データをダウンロードしない場合は、音楽データ取得機能を要しない。
図4は、本発明の実施の形態の一動作例を示すフローチャートである。図3に示したCPU21がファームウエアを実行することにより、各ステップの処理を実行する。
図4(a)のフローチャートに示される処理は、電源スイッチをオンにすることにより起動される。
S41において装置を初期化する。S42において入力操作がなく、S43において後述する再生フラグがONのときは、S45において、歩行テンポや心拍数をモニタしながら、設定されたモードに応じて、図4(c)に詳細を示す再生処理を実行し、S42に処理を戻す。
入力操作があるときは、S44において、図4(b)に詳細を示す機器設定をし、S42に処理を戻す。
S51において、入力操作が音楽データの取り込みであれば、S52において、パーソナルコンピュータ32に記憶された音楽データのフラッシュROM22への書き込みを開始する。S54において、音楽管理データをフラッシュROM22に書き込む。その際、本装置により音楽テンポ等を抽出するのであれば、音楽データの解析をする。
S55において、音楽データをフラッシュROM22に書き込む。
S57において、入力操作がスタートボタンの操作であれば、S58において、再生フラグをオンにする。オン中は再生処理が実行される。
S57において、入力操作がその他の操作であれば、S59において、後述する図8に例示したユーザに応じた基礎設定、運動開始前の設定、音楽再生中の入力操作を検出し、対応する処理の実行等をする。
S61においてフリーモードであれば、S62に処理を進め、歩行テンポ検出器26の検出出力に基づいて、ユーザの歩行テンポを取得し、S64において、歩行テンポの変更を検出したときに新たに音楽テンポを指示(詳細は、図5を参照して後述する)する。
S65において、指示した音楽テンポの変更があったとき、又は、再生中の音楽データの、所定の再生時間が終了するときには、S66に処理(詳細は、図7を参照して後述する)を進め、フラッシュROM22を検索し、指示した音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを選択し、フラッシュROM22からキャッシュメモリ(RAM23)に転送しておく。S67において、選択した音楽データをキャッシュメモリから楽音データ再生回路30に転送し、再生を開始させる。
その他のモードであれば、S61,S63からS70に処理を進め、その他の処理をする。通常の音楽プレーヤとして再生するモードであれば、歩行テンポや心拍数に関係なく、音楽データの再生をする。
S81において、歩行の1ステップに要した時間(ステップ時間)を計測し、複数ステップ分をRAM23等に一時記憶する。
S82において、過去6ステップのうち、最大値,最小値各1ステップを除き、残りの
4ステップのステップ時間の移動平均を計算することにより、ノイズを除去する。次に、S83において、計算した移動平均から、1分間当たりのステップ数を計算し、これを歩行テンポの値とする。
S84において、再生中の音楽データの有する音楽テンポの値を取得する。
S85において、検出された歩行テンポの値が、再生中の音楽テンポの値から、±3 BPM(Beat Per Minutes:拍/分)以上となる状態が6ステップ(6歩)続いたか否か、すなわち、「第1の所定範囲」を外れる状態が続いたか否かを判定する。これは、歩行テンポが120BPMの場合3秒続いたことに相当し、180BPMの場合は2秒続いたことに相当する。
yesであれば、S87において、「現在の歩行テンポ」を新しい歩行テンポとして指定する。ここで、「現在の歩行テンポ」とは、6ステップ目の歩行テンポの値そのものであってもよいし、歩行テンポの6ステップの移動平均値としてもよい。
S88において、指示した音楽テンポの値を、新しい歩行テンポの値にする。
S85,S86においていずれかの判定条件を満たさないときは、指示する音楽テンポの値を変更しない。
その結果、頻繁に音楽データが切り換わって、かえって耳障りになったり、落ち着かなくなったりすることを防止している。
上述した第2の所定範囲とは、歩行テンポが、歩行テンポの移動平均からの±第2の所定差の範囲とするが、歩行テンポの移動平均から、この歩行テンポの移動平均の±第2の所定比の範囲としてもよい。
音楽データには番号(a)〜(e)を付している。歩行開始時に、音楽データ(a)が選択されて、前奏部終了後の位置から、望ましくは音楽データ(a)の再生区間の最初の拍タイミングがステップタイミングと一致するようにして、再生される。経過時間(1)において、歩行テンポが所定範囲を超えて変化した結果、指示する音楽テンポを変更し、新たな音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データ(c)が選択される。
しかし、数秒(例えば、5秒)程度の時間は、切替前の元の音楽データ(b)の再生も行い、両者をクロスフェードで再生した方が、音楽のつながり感が良くなる。
この実施の形態では、さらに加えて、つなぎ音楽データ(b)を再生した後、経過時間(2)において、次の音楽データ(c)の再生を開始させることにより、音楽のつながり感を良くしている。
図示の例では、クロスフェードを、前奏部,後奏部が除かれた再生時間内で行う。
つなぎ音楽データは、波形形式の音楽データでもよいが、演奏データ形式の音楽データ、例えば、先に説明したビート音の発生に用いた演奏データを用いればよい。演奏データは、その音楽テンポを簡単に変更できる。
次に、再生制御部5は、つなぎ音楽データ(b)の音楽テンポから、経過時間(2)において、後の音楽データ(c)の音楽テンポになるように、音楽テンポを複数段階にわたって変化させることができる。
再生制御部5は、後の音楽データ(c)の再生区間の最初の拍タイミングがステップタイミングと一致するように、再生開始のタイミング(経過時間(2))を決めて、再生を開始させることが望ましい。再生制御部5は、さらに、つなぎ音楽データ(b)の拍位置が上述した再生区間の最初の拍タイミングと一致するように制御することが望ましい。
上述したつなぎ音楽データ(b)の再生時間は、5秒〜10程度の固定時間としてもよいが、後の音楽データ(c)とクロスフェードさせるために任意の時間としてもよい。
この経過時間(3)においても、音楽データ(c)とつなぎ音楽データ(b)とをクロスフェードさせ、経過時間(4)において、つなぎ音楽データ(b)とクロスフェードさせながら音楽データ(d)の再生を、望ましくは音楽データ(d)の再生区間の最初の拍タイミングがステップタイミングと一致するようにして、開始させる。
このようなとき、現在の音楽データ(d)の再生を直ちに停止させてもよいが、再生中の音楽データ(d)を、その後奏部を含めて再生してもよい。例えば、停止ボタンを1回操作したときには、後奏部を含めて再生するようにし、更に1回操作したときには、直ちに再生を停止させる。
すなわち、クールダウン再生用に所定の音楽テンポを設定しておき、音楽テンポ指示部4は、この設定された音楽テンポを指示し、再生制御部5は、指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データ(e)を選択し、経過時間(6)において、音楽データ再生部6に再生を、望ましくは音楽データ(e)の再生区間の最初の拍タイミングがステップタイミングと一致するようにして、開始させる。
経過時間(5)から経過時間(6)の後のクロスフェード終了位置までは、つなぎ音楽データ(b)を再生させる。
クールダウンの時間が設定されている場合は、音楽データ(e)の後奏部まで再生することとを条件として、音楽データ(e)の再生開始位置を決定し、経過時間(6)において、上述と同様に、音楽データ(e)の再生を開始させる。
上述したクールダウンの段階において、曲調を加味して音楽データを選択すれば、心理的にもクールダウンの効果が得られる。
S91において、指示された音楽テンポの値と同じ値をとる音楽テンポを有した音楽データ(波形データ形式)がフラッシュROM22にあるか否かを検索し、あればS92に処理を進め、条件を満たす複数の音楽データがあれば、S93において、複数の音楽データの中からランダムに音楽データを選択する。選択履歴は、履歴テーブルに一時記憶しておき、指示された音楽テンポが変更されずに継続している間は、既に選択されたものを除いたものの中から、ランダムに音楽データを選択するようにする。条件を満たす音楽データすべてが選択されれば最初の選択に戻る。
一方、S92において複数の音楽データがなければ、S94において、その音楽データを選択する。
この場合も、選択履歴を履歴テーブルに一時記憶しておき、指示された音楽テンポが変更されずに継続している間は、既に選択されたものを除いたものの中から、最も近い値の音楽データを選択する。条件を満たす音楽データすべてが選択されれば最初の選択に戻る。
あるいは、一旦、異なる音楽テンポに変更された後に、再度、同じ音楽テンポが指示されたときも、既に選択されたものを除いたものの中から、最も近い値の音楽データを選択するようにしてもよい。さらに、選択履歴をフラッシュROM22に保存してもよい。
図7に示したフローチャートでは、波形データ形式の音楽データを演奏データ形式の音楽データに優先させて音楽データを選択したが、S91〜S95において両者を対等に扱うようにしてもよい。
図8は、設定項目、設定内容、運動終了後の表示項目を示す説明図である。設定項目は、主として、アシストモードのためのものである。
図8(a)は、基礎設定項目及び運動開始前の設定項目を示している。
安静時の心拍数の入力は、起床時の心拍数で最も低い値を、本装置に付属の心拍数検出器27であらかじめ測定しておくか、市販の心拍計で計測した値を入力する。
同様に、最大心拍数を入力するが、自分の最大心拍数がわからないときは、入力された年齢に基づいて、最大心拍数=220−年齢として計算する。
n%HR Reserveに相当する心拍数=
(最大心拍数−安静時心拍数)×n/100+安静時心拍数 ………(1)
ここで、予測最大心拍予備能(HR Reserve)は、(最大心拍数−安静時心拍数)である。
運動強度n[%]は、次式で逆算される。
運動強度n[%]=
(心拍数−安静時心拍数)/(最大心拍数−安静時心拍数)×100 ………(2)
通常の音楽再生をするモードを設けてもよい。運動中に設定操作子を操作することにより、フリーモード、アシストモードから通常の音楽再生をするモードに切り替えることができるようにしてもよい。
モード設定は、前回設定したモードがデフォルトで設定されるようにしてもよい。スケジュール管理機能を持たせて、運動プログラムモードが日々自動変更されるようにしてもよい。
アシストモードの種別及び各ユーザの基礎設定項目に応じて、ユーザに最適な運動プログラム(運動メニュー)が生成される。
運動の段階として、ウォーミングアップ1、ウォーミングアップ2、ジョギング(主運動段階)、クールダウン1、クールダウン2が設定され、各運動段階において、実行時間、ユーザに最適な音楽テンポ初期値[BPM]及び目標運動強度[%]が設定される。なお、目標運動強度n[%]に代えて、予測最大心拍予備能のn[%]となる目標心拍数[BPM]によって設定してもよい。
また、過去の運動結果に基づいて、ユーザの体力年齢等を根拠にして、デフォルト値を変更するようにしてもよい。
図8(c)は、運動後に表示される項目を示している。走行距離は、身長からストライドを割出し、歩数を乗算することにより算出される。消費カロリは、仕事量から算出される。脂肪燃焼量は、運動強度が70%であった時間などから算出される。
図9(b)は、同じジョギングモードにおける音楽テンポ設定値を示す説明図である。横軸は、運動の経過時間[分]、縦軸は音楽テンポ設定値[BPM]である。
いずれも、図8(b)に示された設定値により決定される。
「ウォーミングアップ1」及び「ウォーミングアップ2」(運動開始段階)においては、設定された音楽テンポの値が、そのまま指示される。目標運動強度(目標心拍数)は運動プログラムの単なる目安である。音楽テンポの設定値は1つでもよいが、図示の例では、運動開始段階における時間経過に応じて2段階に変化する値としている。
さらに加えて、警告範囲も設定している。図示の例では、これを目標運動強度n[%]を中心に正負対称の、n+15[%]を上に超える範囲、n−15[%]を下に超える範囲としている。なお、目標運動強度n[%]に対する比率で目標運動強度n[%]からの警告範囲を設定してもよい。
しかし、ユーザの運動強度が、目標運動強度からの適正範囲を超え、かつ、この適正範囲よりも広い所定範囲を超える警告範囲になったときは、ユーザの運動強度と目標運動強度との差が小さくなるように、曲再生の途中でも音楽テンポを変更し、変更された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する新たな音楽データを選択し、選択した音楽データの再生を開始させる。
すなわち、フリーモードにおいて使用していた歩行テンポ検出器を用いて、この歩行テンポ検出器より運動終了段階に入る前に検出された歩行テンポと、運動終了段階における設定された音楽テンポの値とを比較し、比較結果に応じて、運動終了段階における設定された音楽テンポの値を変更した値を指示する。
より具体的には、運動終了段階に入る前に検出された歩行テンポから所定値だけ小さい値と運動終了段階における設定された音楽テンポの値とを比較して、いずれか小さい方の値を指定する音楽テンポの値とする。
上述した所定値は、検出された歩行テンポの所定比とするが、単なる所定値であってもよい。
ウォーミングアップ段階においては、音楽のテンポを速く感じさせる曲調(アップテンポの曲調)を有する音楽データを選択する。クールダウン段階においては、音楽のテンポを遅く感じさせる曲調(ダウンテンポの曲調)を有する音楽データを選択する。
図10は、アシストモードの主運動期間における音楽テンポの指示動作(図4(c)S69)の詳細を示すフローチャートである。図9においては、ジョギング(主運動段階)における動作である。既に断っているように、数値は一例である。
S101において、心拍数検出器27により検出された実績心拍数(HR)から、式(2)に基づいて実績運動強度[%]を計算する。以下のステップでは、実績心拍数と目標心拍数とを運動強度に換算して比較している。
S104において、実績運動強度の移動平均(20秒間)が85(=70+15)%を超えれば、S105に処理を進め、音楽テンポを瞬時に現在より5%遅くする。
S106において、実績運動強度の移動平均(20秒)が、音楽データ再生時間終了の6秒前において55(=70-15)%以上65(=70−5)%未満であれば、S107に処理を進め、次に開始される音楽データの音楽テンポを現在より5%速くする。
S108において、実績運動強度の移動平均(20秒)が、音楽データ再生時間終了の6秒前において75(=70+5)%を超え85(=70+15)%以下であれば、次に開始される音楽データの音楽テンポを現在より5%遅くする。
上述した処理のS106,S108において、音楽データ再生時間終了の「6秒前」としたのは、音楽データ再生時間終了直前の5秒間は、つなぎ音楽データとクロスフェードさせるために判定位置を早めたからである。また、さらに1秒間は、このステップの判定後の処理による遅延を考慮して判定位置を早めたからである。
音楽データには符号(a)〜(f)を付しているが、図6において用いた符号とは関連していない。
主運動段階の開始時に、音楽データ(a)が選択されて、前奏部後の位置から再生が開始されるが、ウォーミングアップ段階の音楽データとをつなぐ、図示しないつなぎ音楽データ(b)とクロスフェードされる。
その際、音楽データ(c)の再生終了位置(図10の例では、経過時間(3)の5秒後)になる前(6秒前)において、実績運動強度(移動平均)が変化して警告範囲には入ってないが適正範囲を外れている場合は、指示する音楽テンポを変更する。次に開始される音楽データを検索する際は、指示する音楽データの変更後の値に応じた値の音楽テンポを有する音楽データを検索し、音楽データ(d)を選択する。
その結果、経過時間(3)からつなぎ音楽データ(b)の再生が開始され、音楽データ(c)の再生終了位置までクロスフェードされる。経過時間(4)からは、音楽データ(d)の再生が、前奏部後の位置から開始され、つなぎ音楽データ(b)とクロスフェードされる。
その結果、経過時間(5)からつなぎ音楽データ(b)の再生が開始され、音楽データ(d)の再生終了位置までクロスフェードされる。経過時間(6)からは、音楽データ(e)の再生が、前奏部後の位置から開始され、つなぎ音楽データ(b)とクロスフェードされる。
図1(b)において、クールダウン用にユーザに適した音楽テンポを設定しておき、音楽テンポ指示部9は、この設定された音楽テンポを指示する。再生制御部10は、指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データ(f)を選択し、経過時間(8)において、音楽データ再生部6に再生を開始させる。
経過時間(7)から経過時間(8)のクロスフェード終了位置までは、つなぎ音楽データ(b)を再生させる。
クールダウン段階の時間が設定されている場合は、音楽データ(f)の後奏部が再生されることを条件として、音楽データ(f)の再生開始位置を決定し、経過時間(8)において、音楽データ(f)の再生を開始させる。
図9〜図11において、適正範囲のみを設定し、警告範囲をなくしてもよい。
その際、指示する音楽テンポを変更する時点は、適正範囲を外れた時点にするか、再生されている音楽データの再生時間が終了する時点(ただし、この時点で適正範囲を外れている場合)にする。
図中、横軸は運動の経過時間[分]、縦軸(左目盛り)は実績運動強度[%]、目標運動強度[%]、縦軸(右目盛り)は音楽テンポ[BPM]である。
移動平均をとる時間長は、図10に示した20[秒]に代えて、4[秒]になっている。音楽データの再生時間の上限は2[分]5[秒](クロスフェード時間、例:5[秒]を加えている)としている。つなぎ音楽データ(b)は挿入しない。
1[分]後、「ウォーミングアップ2」段階に入り、設定値155[BPM]に最も近い156[BPM]の音楽テンポを有する音楽データが保存されていたので、この音楽データが選択されていて、5秒間クロスフェードされながら再生音楽が切り替わる。
3[分]後、音楽データの再生時間(2分5秒)の5秒前となり、前と同じ156[BPM]の音楽テンポを有するが、異なる音楽データが保存されていたので、これが選択されていて、5秒間クロスフェードされながら再生音楽が切り替わる。
4[分]後、「ジョギング」段階に入り、設定値160[BPM]に最も近い161[BPM]の音楽テンポを有する音楽データが保存されていたので、これが選択されていて、再生音楽が5秒間クロスフェードされながら切り替わる。
なお、この具体例では、実績運動強度[%]が警告範囲±15[%]外になることはなかったので、再生音楽の再生時間が終了する6秒前より前に音楽テンポを変更することがなかった。
指示された音楽テンポ137[BPM]の±3[%]の範囲内にあって、最も近い134[BPM]の音楽テンポを有する音楽データが保存されていたので、これが選択され、12[分]経過後、クロスフェードされながら再生音楽が切り替わる。
設定値110[BPM]の±3[%]の範囲内にあって、最も近い108[BPM]の音楽テンポを有する音楽データが保存されていたので、これが選択され、クロスフェードされながら再生音楽が切り替わる。
15[分]経過時、運動時間が終了し、音楽データの再生も終了する。
なお、ウォーミングアップ、クールダウンの段階においても、運動強度の各段階での目標運動強度(目標心拍数)からの範囲に応じて、指定する音楽データの音楽テンポの値を変更し、音楽データを切り替えることにより、ユーザの運動を支援するようにしてもよい。
また、目標運動強度(目標心拍数)は、主運動段階を含む各段階において、一定値出はなく、時間経過に応じて変化する時間関数であってもよい。
しかし、自転車型エルゴメータ(ergometer)、トレッドミル(tredmill)、ストレングスマシン(strength machine)等のトレーニング機械を使用した運動、体操、ダンスなどの、反復運動をしながら音楽を聴く場合に本発明を適用できる。反復運動の種類に応じて、加速度センサを人体の適切な部分に装着するとともに、反復の1ステップとする加速度特性を決め、この反復の1ステップを検出するアルゴリズムを設計すればよい。
この場合、フリーモードにおいては、歩行ピッチに替えて、それぞれの反復運動に応じて、その単位となる反復の1ステップ時間により決まる反復テンポ(単位時間当たりの繰り返し数)を検出する。アシストモードにおいては、歩行ピッチの初期値に代えて反復テンポの初期値を設定する。目標運動強度(目標心拍数)は、同様に設定する。
上述した説明では、複数の音楽データをその音楽テンポで再生することを前提に説明した。しかし、上述した説明において、歩行テンポ又は心拍数に応じて音楽テンポを指示する技術や、最初の拍タイミングにおける歩行ステップとの位相同期、運動停止時における再生制御、ウォーミングアップ段階や、クールダウン段階を設けることなどの技術は、電子音のテンポを変更したり、所定の音楽データをその音楽テンポを変更して再生したりするといった、従来の技術を前提にした場合にも適用できる。
Claims (6)
- ユーザが反復運動をしている時の反復テンポを検出する反復テンポ検出手段と、
前記反復テンポ検出手段により検出された反復テンポに対応した値の音楽テンポを指示する音楽テンポ指示手段と、
該音楽テンポ指示手段により指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶手段に各音楽データの音楽テンポのデータとともに保存された複数の音楽データの中から選択し、選択した音楽データの再生を開始させる再生制御手段、
を有することを特徴とする音楽再生制御装置。 - ユーザが反復運動をしている時に、反復運動の反復タイミングを検出する反復タイミング検出手段を有し、
前記再生制御手段は、音楽データの再生を開始させるときに、前記反復タイミング検出手段により検出された反復タイミングに前記音楽データの再生区間の最初の拍タイミングが同期するように、前記選択した音楽データの再生を開始させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の音楽再生制御装置。 - 前記再生制御手段は、前記反復テンポ検出手段により検出された反復テンポの値が急速に低下したとき、前記反復テンポの値が復帰するまで、前記音楽データの再生を一時的に停止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の音楽再生制御装置。 - 前記反復運動の運動終了段階における音楽テンポを設定する設定手段を有し、
前記データ記憶手段は、前記複数の音楽データとともに、各音楽データが音楽のテンポの速い遅いを感じさせる程度を表す曲調データを保存しているものであり、
前記音楽テンポ指示手段は、前記運動終了段階においては、前記設定手段により設定された前記運動終了段階における音楽テンポの値を指示し、
前記再生制御手段は、
前記運動終了段階においては、前記データ記憶手段に保存された複数の音楽データの曲調データを検索し、音楽のテンポを遅く感じさせる曲調を有する1又は複数の音楽データの中から、前記音楽テンポ指示手段により指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の音楽再生制御装置。 - 請求項1から4までのいずれか1項に記載の音楽再生制御装置に加えて、
前記データ記憶手段と、
ユーザの選択操作に応じて選択された音楽データを当該音楽データの音楽テンポのデータとともに前記データ記憶手段に保存する音楽データ取得手段、
前記音楽再生制御装置により選択された音楽データを再生する音楽データ再生手段、
を有することを特徴とする音楽再生装置。 - ユーザが反復運動をしている時の反復テンポを検出する反復テンポ検出ステップと、
前記反復テンポ検出ステップにより検出された反復テンポに対応した値の音楽テンポを指示する音楽テンポ指示ステップと、
該音楽テンポ指示ステップにより指示された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶装置に各音楽データの音楽テンポのデータとともに保存された複数の音楽データの中から選択し、選択した音楽データの再生を開始させる再生制御ステップ、
を、コンピュータに実行させる音楽再生制御プログラム。
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