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JP2006297818A - 樹脂封止金型装置 - Google Patents

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JP2006297818A
JP2006297818A JP2005124993A JP2005124993A JP2006297818A JP 2006297818 A JP2006297818 A JP 2006297818A JP 2005124993 A JP2005124993 A JP 2005124993A JP 2005124993 A JP2005124993 A JP 2005124993A JP 2006297818 A JP2006297818 A JP 2006297818A
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Toshinobu Banjo
敏信 番條
Shigeru Hirata
滋 平田
Masanori Shirasawa
賢典 白澤
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Towa Corp
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Abstract

【課題】金型の型締時に、金型の型面間に間隙を生じることなく被成形品を樹脂封止する樹脂封止金型装置を提供する。
【解決手段】金型装置100は、上型取付部材4と可動盤5とトグル機構7と可動盤5の中央部位に連結した下型取付部材8と、さらに、自在継手9を含む構成となっている。この自在継手9によって、トグル機構7を介して上下両型2・3の型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材4および可動盤5を同一方向に湾曲させる。また、別の金型装置200は、上型22の中央部位に連結した上型取付部材24と可動盤25とトグル機構27と可動盤25の中央部位に連結した下型取付部材28とを含む構成となっており、さらに、トグル機構27を介して上下両型22・23を型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材24および下型取付部材28を湾曲させることにより、上下両型22・23の湾曲変形を防止させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、トグル機構を介して金型を型締めし、樹脂封止金型にて被成形品を樹脂封止する樹脂封止金型装置の改良に関するものである。
従来から、樹脂封止金型装置にて被成形品(例えば、電子部品の装着された基板)を樹脂封止することが行われている。
この金型装置には、上型と下型とを搭載した樹脂封止金型と、上型を取付ける固定プラテンと、下型を取付ける可動プラテンと、固定プラテンと可動プラテンとを支持するタイバーと、タイバーに沿って可動プラテンを上下方向に摺動させるトグル機構とを含む構成とされている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に開示されるトグル機構には、二組のリンク部分を上下両型の中心部に臨む樹脂注入装置を介して連結したものを示し、可動プラテンの中央部位に接続させた構成となっている。つまり、可動プラテンの中央部位からの型締め力は、型締め反力による上下両型の変形や型離れを抑制する力として作用する。この作用によって、上下両型の変形や型離れを惹起することなく成形できるもので、成形品の樹脂ばりを防止できる構成となっている。
特開平8−207051号公報(第3頁、図4)
ところで、従来の金型装置は、トグル機構を介して上下両型を型締めした際に、可動プラテンの中央部位から上方向への型締め力が作用し、固定プラテンおよび上型は凸状に湾曲変形する。この固定プラテンの凸状に湾曲する現象は、特許文献1に開示される金型装置、ならびに、その他の従前の金型装置においても同様である。
つまり、従来の金型装置において、固定プラテンが凸状に湾曲しているので、可動プラテンも同様に、同一方向の凸状に湾曲していなければ、上下両型に十分な型締圧力を加えることは困難となり、上下両型の型面には依然として間隙が発生する。
仮に、固定プラテンおよび可動プラテンが同一方向に湾曲していれば、上下両型も同様に同一方向に湾曲し、上下両型の型面には間隙が生じず、被成形品を樹脂封止することが可能となる。このことは、従来の金型装置による可動プラテンの中央部位にトグル機構を接続することによって、可動プラテンの湾曲変形を凹状から凸状にし、固定プラテンおよび可動プラテンの湾曲を同一方向とすることができる構成となっている。
従って、従来の金型装置における可動プラテンに加えて、固定プラテンの湾曲の変形度合いも十分に考慮する必要が生じてくる。
しかしながら、従来の金型装置によれば、可動プラテンとトグル機構との接続部分は固着状態となっているので、型開・型締動作を連続して行っていると、可動プラテンが凸状に湾曲したり、略水平状態になったりする。このことから、この接続部分にひび割れや亀裂が生じることがある。
すなわち、トグル機構から、可動プラテンひいては下型に十分な型締圧力を加えることができず、上下両型の同一方向の湾曲にも影響が生じ、最終的に、上下両型の型面に間隙が生じてくる。
さらには、可動プラテンとトグル機構との接続部分に介在した樹脂注入装置の破損をも引き起こすことになり、樹脂封止することができずに金型装置全体の稼動を停止する場合が生じてくる。
以上の問題点を鑑みて、金型の型締時に、金型の型面間に間隙を生じることなく被成形品を効率良く樹脂封止する樹脂封止金型装置を提供することを目的とするものである。
そこで、前記した技術的課題を解決するための本発明の請求項1に係わる樹脂封止金型装置は、上型を取付ける上型取付部材と、下型を取付ける可動盤と、可動盤を上下方向に摺動させるトグル機構と、可動盤の中央部位に連結した下型取付部材とを含む樹脂封止金型装置であって、
トグル機構を介して上下両型を型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材および可動盤を同一方向に湾曲させることにより、上下両型の型面に間隙を生じさせないように構成すると共に、可動盤と下型取付部材との間に自在継手を介在させて構成したことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明の請求項2に係わる樹脂封止金型装置とは、上型の中央部位に連結した上型取付部材と、下型を取付ける可動盤と、可動盤を上下方向に摺動させるトグル機構と、可動盤の中央部位に連結した下型取付部材とを含み、さらに、トグル機構を介して上下両型を型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材および下型取付部材を湾曲させることにより、上下両型の湾曲変形を防止して、上下両型の型面に間隙を生じさせないように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、金型の型締時に、金型の型面間に間隙を生じさせずに被成形品を樹脂封止することにより、安定し且つ連続して稼動させ、より一層、成形品(製品)の生産性を向上させることができる樹脂封止金型装置を提供すると云う優れた効果を奏する。
本発明の樹脂封止金型装置は、上型を取付ける上型取付部材と、下型を取付ける可動盤と、可動盤を上下方向に摺動させるトグル機構と、可動盤の中央部位に連結した下型取付部材と、さらに、可動盤と下型取付部材との間に介在させる自在継手とを含む構成となっている。この自在継手によって、トグル機構を介して上下両型の型締めした際に、型締圧力によって可動盤が湾曲しても可動盤と下型取付部材とのひび割れや亀裂が生じることを防止することができると共に、上型取付部材および可動盤、ならびに、上下両型を同一方向に湾曲させて、上下両型の型面に間隙を生じさせないようにすることができる。
また、本発明の別の樹脂封止金型装置は、上型の中央部位に連結した上型取付部材と、下型を取付ける可動盤と、可動盤を上下方向に摺動させるトグル機構と、可動盤の中央部位に連結した下型取付部材とを含む構成となっている。さらに、トグル機構を介して上下両型を型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材および下型取付部材を湾曲させる構成によって、上下両型の湾曲変形を防止して、上下両型の型面に間隙を生じさせないようにすることができる。
以下、図1および図2に基づいて、実施例1を説明する。
図1は、実施例1の樹脂封止金型装置100(以下、「金型装置100」と記す。)の型開状態を示す。図2は、図1に対応する金型装置100の型締状態を示す。
すなわち、図1に示す金型装置100は、上型2と、上型2に対向配置する下型3とを備えた二型構造の樹脂封止金型1(以下、「金型1」と記す。)を含み、被成形品(例えば、電子部品を装着された基板)を金型1にて樹脂封止することができるように構成されている。図示していないが、金型1を所定の温度にまで加熱する加熱手段が金型1に適宜に設けられている。金型1は、上下両型2・3(二型構造)ではなく、例えば、上下両型2・3間にさらに中間型を設ける三型構造、或は、三型以上の金型構造にも実施することができるように構成されている。
金型1(上下両型2・3)とは、トランスファー成形用金型1、或は、トランスファーレス成形(圧縮成形)用金型1が採用することができ、この両者の金型1には、さらに、離型フィルムを金型1の型面間に供給する離型フィルム成形、および/または、金型1の型面間にシール部材を介在させて外気遮断状態として真空引き(減圧)成形を併用して実施することができるように構成されている。
被成形品(例えば、電子部品を装着された基板)とは、ワイヤボンディング基板、フリップチップ基板、或は、ウェーハ基板等のウェーハレベルパッケージ、等が採用することができる。そして、基板の形状については、円形状或は多角形状等の任意の形状のもの、基板の材質については、任意の金属製リードフレームやPCボートと呼ばれる任意のプラスチック・セラミック・ガラス・その他の材質等のプリント回路板、等を採用することができる。一方、基板を封止成形するために用いる樹脂材料は、任意のタブレット状樹脂・液状樹脂・顆粒状樹脂・粉末状樹脂、等を採用することができる。
図1に示す金型装置100には、上型2を取付ける上型取付部材4(この場合、固定盤とも云える。)と、下型3を取付ける可動盤5と、上型取付部材4と可動盤5とを支持する所要複数本(この場合、四本)のポスト6と、ポスト6に沿って可動盤5を上下方向に摺動させるトグル機構7と、可動盤5の中央部位に連結した下型取付部材8と、さらに、可動盤5と下型取付部材8との間に介在させる自在継手9とを含む構成となっている。
また、トグル機構7は、上型2を取付けた上型取付部材4を略水平に且つ固定支持した状態で、下型3を取付けた可動盤5をポスト6に沿って上下に摺動することができるように構成されている。そして、トグル機構7は、図1に示すように、可動盤5の下面における左側および右側に配置された所要複数組(この場合、二組)のリンク部材10(10a・10b)と、各リンク部材10を屈曲・伸張させて上下方向に駆動させる、例えば、シリンダー・モータ等の駆動源とする駆動手段11と、各リンク部材10を取付け、且つ、各ポスト6を嵌装固定する基台12とを含む構成となっている。
例えば、自在継手9は、可動盤5の湾曲状態に適宜に対応することができるように、幅を狭くした平面やピン・球等を用いて、可動盤5および下型取付部材8の接触範囲が少なくなるように構成されている。
ここで、金型装置100の機構・部材等の動作を説明する。
まず、図1に示す上下両型2・3の型開時には、駆動手段11が下方向に駆動するのと同時に、駆動手段11と連結した各リンク部材10(10a・10b)が夫々中央側に屈曲状態となる。このとき、上型取付部材4および可動盤5は略水平状態を保持し、上下両型2・3の型面は離間した状態となる。
次に、図2に示す上下両型2・3の型締時には、駆動手段11が上方向に駆動するのと同時に、各リンク部材10が夫々略垂直方向に伸張状態となると共に、可動盤5がポスト6に沿って上方向に摺動し、且つ、下型取付部材8および可動盤5に取付けられた下型3も上動する。最終的に、上型2の型面に下型3の型面が当接して嵌合する。さらに、この状態で、トグル機構7を介して上下両型2・3を型締めした際に、上型取付部材4が型締圧力によって凸状に湾曲すると同時に、可動盤5も型締圧力によって凸状に湾曲する。すなわち、上型取付部材4および可動盤5が同一方向に湾曲することができるように構成されている。
なお、上型取付部材4の湾曲に対して可動盤5の湾曲の変形度合いを合わせることが好ましく、その手段として、上型取付部材4に対して可動盤5の略垂直方向の厚みを略同等にする。さらには、可動盤5の中央部位に連結させる自在継手9の接触範囲を適宜に変更して、可動盤5の湾曲を上型取付部材4の湾曲度合いに合わせることができるように構成されている。
従って、従来の金型装置のような可動盤と下型取付部材とを直接接続する構成とは異なり、本金型装置100における可動盤5の中央部位に連結した自在継手9によって、トグル機構7を介して上下両型2・3を型締めした際に、型締圧力によって可動盤5が湾曲変形しても、可動盤5と下型取付部材8との接続部分に、ひび割れや亀裂が生じることを防止することができると共に、型締圧力によって上型取付部材4および可動盤5、ならびに、上下両型2・3を同一方向に湾曲させて、上下両型2・3の型面に間隙を生じさせないようにすることができる構成となっている。
ここで、二型構造のトランスファー成形用金型1(上下両型2・3)を搭載した金型装置100にて被成形品(例えば、電子部品の装着された基板)を樹脂封止する実施方法の一例を、金型装置100の機構・部材等の動作を踏まえて説明する。
なお、上下両型2・3の型面の嵌合部位を、上型2の型面を上型面13、下型3の型面を下型面14と称する。
まず、図1に示す上下両型2・3の型開き状態で、被成形品を下型面14に供給セットするのと同時に、下型面14に形成されたポット内に樹脂材料を供給セットする。
次に、トグル機構7の駆動手段11が上方向に駆動することにより、可動盤5が上方向にポスト6に沿って摺動して下型取付部材8および下型3も上動する。
次に、上型取付部材4に取付られた上型2の型面(上型面13)と下型3の型面(下型面14)とが当接して嵌合する。すなわち、図2に示す上下両型2・3の型締状態となる。つまり、金型装置100は、トグル機構7を介して上下両型2・3の型締時に、型締圧力によって上型取付部材4は凸状に湾曲する。そして、可動盤5の中央部位に連結された自在継手9によって、可動盤5も同一方向の凸状に湾曲する。
従って、上下両型2・3も同一方向の凸状に湾曲して、上下両型2・3の型面(13・14)の間隙を防止する。
次に、図2に示す上下両型2・3の型締状態で、予め加熱溶融化された樹脂材料を溶融樹脂としてポット内のプランジャで押圧して、上下両型2・3の型面(13・14)に形成された樹脂通路部分を介して、被成形品のパッケージ部分に溶融樹脂を注入充填して樹脂封止する。図示していないが、樹脂注入機構については、従来の可動盤の中央部位ではなく、図例の前後方向に配置構成されるが、該注入機構を介して下型取付部材8を連結する構成でなければ、適宜に配置変更は可能である。
次に、溶融樹脂が硬化してパッケージを形成して成形品が完成する。そうすると、図2に示す型締状態から図1に示す型開状態となって、成形品を上下両型2・3の型面(13・14)から離型する。つまり、金型装置100は、トグル機構7の駆動手段11が下方向に駆動することにより、可動盤5が下方向に各ポスト6に沿って摺動して下型取付部材8および下型3も下動する。その際、上下両型2・3の型開時には、上型取付部材4および可動盤5、ならびに、上下両型2・3の湾曲状態から略水平状態に保持される。
本実施例1の金型装置100によれば、前述した一連の樹脂封止工程を安定し且つ連続して稼動することができ、より一層、成形品(製品)の生産性を向上させるために、さらに、所要複数個の金型装置100を、図例における前後或は左右方向に、着脱自在にドッキングしてモジュール化構造にすることも可能である。
以下、図3から図5に基づいて、実施例2を説明する。
図3は、実施例2における樹脂封止金型装置200(以下、「金型装置200」と記す。)の型開状態を示す。図4は、図3に対応する金型装置200の型締状態を示す。図5は、図4に対応する金型装置200の要部拡大図で、湾曲状態を示す。図5においては、説明を明解にするために、当該湾曲状態を破線で誇張して示している。
すなわち、図3に示す金型装置200は、上型22と、上型22に対向配置する下型23とを備えた二型構造の金型21(以下、「金型21」と記す。)を含み、被成形品(例えば、電子部品を装着された基板)を金型21にて樹脂封止することができるように構成されている。図示していないが、金型21を所定の温度にまで加熱する加熱手段が金型21に適宜に設けられている。金型21は、上下両型22・23(二型構造)ではなく、例えば、上下両型22・23間にさらに中間型を設ける三型構造、或は、三型以上の金型構造にも実施することができるように構成されている。
金型21(上下両型22・23)とは、トランスファー成形用金型21、或は、トランスファーレス成形(圧縮成形)用金型21が採用することができ、この両者の金型21に、さらに、離型フィルムを金型21の型面間に供給する離型フィルム成形、および/または、金型21の型面間にシール部材を介在させて外気遮断状態として真空引き(減圧)成形を併用して実施することができるように構成されている。
被成形品(例えば、電子部品を装着された基板)とは、ワイヤボンディング基板、フリップチップ基板、或は、ウェーハ基板等のウェーハレベルパッケージ、等が採用することができる。そして、基板の形状については、円形状或は多角形状等の任意の形状のもの、基板の材質については、任意の金属製リードフレームやPCボートと呼ばれる任意のプラスチック・セラミック・ガラス・その他の材質等のプリント回路板、等を採用することができる。そして、基板を封止成形するために用いる樹脂材料は、任意のタブレット状樹脂・液状樹脂・顆粒状樹脂・粉末状樹脂、等を採用することができる。
図3に示す金型装置200には、上型22の中央部位に連結した上型取付部材24(この場合、固定盤とも云える。)と、下型23を取付ける可動盤25と、上型取付部材24と可動盤25とを支持する所要複数本(この場合、四本)のポスト26と、ポスト26に沿って可動盤25を上下方向に摺動させるトグル機構27と、可動盤25の中央部位に連結した下型取付部材28とを含む構成となっている。ただし、上型取付部材24については、固定盤の要素も兼ね備えているが、上型取付部材24が上型22の中央部位に連結する構成であれば、固定盤および上型取付部材24を分離独立した配置構成にすることもできる。つまり、上型取付部材24が上型22の中央部位に連結し、且つ、下型取付部材28が下型23の中央部位に可動盤25を介して連結し、さらに、トグル機構27を介して上下両型22・23を型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材24および下型取付部材28を湾曲させる構成となっている(図5参照)。
なお、実施例1の金型装置100には、上型取付部材4および可動盤5、ならびに、上下両型2・3を同一方向に湾曲させる構成としているので自在継手9を採用していた。しかし、本実施例2の金型装置200では、上型取付部材22および下型取付部材28を上下両型22・23の中央部位に連結する構成によって、上下両型22・23の湾曲変形を防止しているので、上下両型22・23の型開・型締動作を繰り返し実施しても上下両型22・23および可動盤25は、常時、略水平状態を保持しながら型開・型締動作を実施することができるように構成されている。ただし、本実施例2の金型装置200においても、実施例1の自在継手9を採用することができるように構成されている。
また、トグル機構27は、上型22を取付けた上型取付部材24を略水平に且つ固定支持した状態で、下型23を取付けた可動盤25をポスト26に沿って上下に摺動することができるように構成されている。そして、トグル機構27は、図3に示すように、可動盤25の下面における左側および右側に配置された所要複数組(この場合、二組)のリンク部材29(29a・29b)と、各リンク部材29を屈曲・伸張させて上下方向に駆動させる、例えば、シリンダー・モータ等の駆動源とする駆動手段30と、各リンク部材29を取付け、且つ、各ポスト26を嵌装固定する基台31を含む構成となっている。
ここで、金型装置200の機構・部材等の動作を説明する。
まず、図3に示す上下両型22・23の型開時には、駆動手段30が下方向に駆動するのと同時に、駆動手段30と連結した各リンク部材29(29a・29b)が夫々中央側に屈曲状態となる。このとき、上型取付部材24および可動盤25は略水平状態を保持し、上下両型22・23の型面は離間した状態となる。
次に、図4に示す上下両型22・23の型締時には、駆動手段30が上方向に駆動するのと同時に、各リンク部材29(29a・29b)が夫々略垂直方向に伸張状態となると共に、可動盤25がポスト26に沿って上方向に摺動し、且つ、下型取付部材28および可動盤25に取付けられた下型23も上動する。最終的に、上型22の型面に下型23の型面が当接して嵌合する。さらに、この状態で、トグル機構27を介して上下両型22・23を型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材24は湾曲すると同時に、下型取付部材28も湾曲する(図5参照。)。
すなわち、可動盤25の中央部位からの型締め力は、上型取付部材24の中央部位の型締め反力による上下両型22・23の変形や型離れを抑制する力として作用することができるように構成されている。この上下両型22・23の湾曲変形を防止する構成は、従来の金型装置、実施例1の金型装置100とは異なり、各ポスト26に対する上型取付部材24および可動盤25の摺動部位を常時、略水平状態に保持しているので、各ポスト26に対する摺動抵抗を最大限に抑制することができるように構成されている。
従って、金型装置200は、上型22の中央部位に連結させる上型取付部材24および下型23の中央部位に連結させる下型取付部材28の構成によって、トグル機構27を介して上下両型22・23の型締めした際に、型締圧力によって上型取付部材24および下型取付部材28は湾曲するが、上型取付部材24と上型22との接続部分、ならびに、可動盤25と下型取付部材28との接続部分には湾曲変形は発生させずに、ひび割れや亀裂が生じることを防止することができる。この構成によって、上下両型22・23の湾曲変形を防止して、上下両型22・23の型面に間隙を生じさせないようにすることができる構成となっている。
ここで、二型構造のトランスファー成形用金型21(上下両型22・23)における金型装置200にて被成形品(例えば、電子部品の装着された基板)を樹脂封止する実施方法の一例を、金型装置200の機構・部材等の動作を踏まえて説明する。
なお、上下両型22・23の型面の嵌合部位を、上型22の型面を上型面32、下型23の型面を下型面33と称する。
まず、図3に示す上下両型22・23が型開き状態で、被成形品を下型面33に供給セットするのと同時に、下型面33に形成されたポット内に樹脂材料を供給セットする。
次に、トグル機構27の駆動手段30が上方向に駆動することにより、可動盤25が上方向にポスト26に沿って摺動して下型取付部材28および下型23も上動する。
次に、上型取付部材24に取付られた上型22の型面(上型面32)と下型23の型面(下型面33)とが当接して嵌合する、すなわち、図4に示す上下両型22・23の型締状態となる。つまり、金型装置200は、トグル機構27を介して上下両型22・23の型締時に、図5に示すように、型締圧力によって上型取付部材24および下型取付部材28を湾曲させる。そして、上下両型22・23の湾曲変形を防止して、上下両型22・23の型面(32・33)の間隙を防止する。
次に、図4に示す上下両型22・23の型締状態で、予め加熱溶融化された樹脂材料を溶融樹脂としてポット内のプランジャで押圧して、上下両型22・23の型面(32・33)に形成された樹脂通路部分を介して、被成形品のパッケージ部分に溶融樹脂を注入充填して樹脂封止する。なお、樹脂注入機構については、従来の可動盤の中央部位ではなく、図例の前後方向に配置構成されるが、該注入機構を介して下型取付部材28を連結する構成でなければ、適宜に配置変更は可能である。
次に、溶融樹脂が硬化してパッケージを形成した成形品が完成する。そうすると、図4に示す型締状態から図3に示す型開状態となって、成形品を上下両型22・23の型面(32・33)から離型する。つまり、金型装置200は、トグル機構27の駆動手段30が下方向に駆動することにより、可動盤25が下方向にポスト26に沿って摺動して下型取付部材28および下型23も下動する。なお、上下両型22・23の型開時には、上型取付部材24および下型取付部材28の湾曲状態から略水平状態に保持される。
本実施例2の金型装置200によれば、前述した一連の樹脂封止工程を安定し且つ連続して稼動することができ、より一層、成形品(製品)の生産性を向上させるために、さらに、所要複数個の金型装置200を、図例における前後あるいは左右方向に、着脱自在にドッキングしてモジュール化構造にすることも可能である。
図1は、実施例1における金型装置の型開状態を示す。 図2は、図1に対応する金型装置の型締状態を示す。 図3は、実施例2における金型装置の型開状態を示す。 図4は、図3に対応する金型装置の型締状態を示す。 図5は、図4に対応する金型装置の要部拡大図で、湾曲状態を示す。
符号の説明
1・21 樹脂封止金型
2・22 上型
3・23 下型
4・24 上型取付部材
5・25 可動盤
6・26 ポスト
7・27 トグル機構
8・28 下型取付部材
9 自在継手
10(10a・10b)・29(29a・29b) リンク部材
11・30 駆動手段
12・31 基台
13・32 上型面
14・33 下型面
100・200 樹脂封止金型装置

Claims (2)

  1. 上型を取付ける上型取付部材と、下型を取付ける可動盤と、前記可動盤を上下方向に摺動させるトグル機構と、前記可動盤の中央部位に連結した下型取付部材とを含む樹脂封止金型装置であって、
    前記トグル機構を介して前記上下両型を型締めした際に、前記型締圧力によって前記上型取付部材および可動盤を同一方向に湾曲させることにより、前記上下両型の型面に間隙を生じさせないように構成すると共に、前記可動盤と下型取付部材との間に自在継手を介在させて構成したことを特徴する樹脂封止金型装置。
  2. 上型の中央部位に連結した上型取付部材と、下型を取付ける可動盤と、前記可動盤を上下方向に摺動させるトグル機構と、前記可動盤の中央部位に連結した下型取付部材とを含み、さらに、前記トグル機構を介して上下両型を型締めした際に、前記型締圧力によって前記上型取付部材および下型取付部材を湾曲させることにより、前記上下両型の湾曲変形を防止して、前記上下両型の型面に間隙を生じさせないように構成したことを特徴する樹脂封止金型装置。
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