以下、本発明の実施形態について、まず第1の実施形態を、図1〜11を参照して説明する。図1は、電子内視鏡装置の全体構成図を示す。本実施形態に係る内視鏡装置は、カラースコープ10と、カラープロセッサ20と、カラーモニタ40とを備える。カラースコープ10は、カラープロセッサ20により制御され、被写体を撮像する。撮像により得られた画像信号はカラープロセッサ20によってカラーモニタ40で出力が可能な映像信号に変換される。変換された映像信号はアナログ信号でカラーモニタ40に伝達される。伝達された映像信号は、カラーモニタ40によって出力(画面表示)される。使用者は、カラーモニタ40による出力結果により、カラースコープで撮像された被写体映像を観察することができる。
カラースコープ10は、撮像部11と、照明部12と、操作部13と、コネクタ部14を有し、照明部12が被写体に適度な照明光量を与えながら撮像部11が被写体を撮像する。
撮像部11は、CCDなどの撮像素子11a、撮像素子11aを駆動するドライバ11c、及びカラースコープ10の特性に関するデータがあらかじめ記憶されているROM11dを有する。ドライバ11cの制御は、ROM11d、及び後述するタイミング部25が出力するクロックパルスに従って、システムコントロール部24が行う。被写体の撮像によって撮像素子11aに蓄積された電荷は、電気信号としてRとGとBの画像信号に色分離されて、初段画像信号処理部21に転送される。
照明部12は、被写体に後述する光源装置26からの光を照明光として供給する。操作部13は、撮像モードを切り替えるスイッチ13a、フリーズ画像を取り込む指令を行うスイッチ13bを有する。カラースコープ10と、カラープロセッサ20は、コネクタ部14で光学的・電気的に接続される。
カラープロセッサ20は、初段画像信号処理部21、画像メモリ部22、後段画像信号処理部23、システムコントロール部24、タイミング部25、光源装置26、操作スイッチ部27、及び調光ユニット部30を有しており、カラースコープ10で撮像し蓄積電荷に基づいて生成された画像信号を、カラーモニタ40で出力できる映像信号に変換する。
カラーモニタ40は、画像信号を取り込んで表示することが可能な市販のカラーモニタであり、カラースコープ10で撮像され、カラープロセッサ20で変換された映像信号を、出力(画面表示)する。
図2を参照してカラープロセッサ20の構成を詳細に説明する。初段画像信号処理部21は、転送された画像信号をRGB増幅度設定部21aで増幅し、画像メモリ部22に順次記憶する。また、初段画像信号処理部21は、転送された画像信号から輝度信号を生成し、輝度を検出する。輝度信号の生成は、RGB/Yブロック21bで行われる。輝度検出は、第1明るさ検出部21c、及び第2明るさ検出部21dで行われる。第1明るさ検出部21cは、後述する調光ブレード31を使用している場合の輝度検出を、第2明るさ検出部21dは、後述するロータリシャッタ32を使用している場合の輝度検出を行う。第1、第2明るさ検出部21c、21dで検出された輝度の値は、システムコントロール部24に転送され、電子シャッタの調光期間、RGB増幅度設定部21aの増幅度合い、及びランプ部26bの光量制御に用いられる。
画像メモリ部22は、RGB増幅度設定部21aで増幅された画像信号をRGBごとに、フィールドごとに記憶する。画像メモリ部22に記憶された画像信号は、後段画像信号処理部23に転送される。図1、図2は、増幅された画像信号のうち第1フィールドで蓄積されたRの画像信号はR1に、Gの画像信号はG1に、Bの画像信号はB1に、第2フィールドで蓄積されたRの画像信号はR2に、Gの画像信号はG2に、Bの画像信号はB2に記憶される図を示す。
後段画像信号処理部23は、転送された画像信号を、コンポジット信号、Y/C分離信号などの映像信号に変換してカラーモニタ40などに出力する。
システムコントロール部24は、図示しないCPUとRAMとを有し、内視鏡装置各部の制御や信号の一時記憶をそれぞれ行う。
タイミング部25は、システムコントロール部24の制御により、各部にクロックパルスや同期信号などを出力し、処理タイミングを調整する。
光源装置26は、ランプ電源部26a、ランプ部26b、及び集光レンズ26cを有し、調光ユニット部30、照明部12を介して被写体に光量を与える。ランプ電源26aから供給された電力によってランプ部26bは光を出射し、その光束は集光レンズ26cで集光され、集光された光は、光ファイバーなどの光誘導部材(図示せず)によって照明部12まで伝送される。
操作スイッチ部27は、調光ユニット部30、照明部12を介して与える光量を使用者の任意の基準値に設定するスイッチを有する。
調光ユニット部30は、通常の動画像を撮像する場合に光量を調整する調光ブレード31と、動画像の撮像と並行してフリーズ画像を取り込む場合に光量及び露光期間を調整するロータリシャッタ32と、を有する。調光ユニット部30は、調光ブレード31を駆動する第1モータ33、ロータリシャッタ32を駆動する第2モータ34、及び調光ブレード31とロータリシャッタ32とを切り替えるためにこれらを共に移動させる第3モータ35とを有する。調光ブレード31とロータリシャッタ32との切り替えは、カラースコープ10の操作部13の撮像モードを切り替えるスイッチ13aの押下によって行われる。図2は、第3モータ35を駆動して、ロータリシャッタ32が光束上にある場合を、図3は、第3モータ35を駆動して、調光ブレード31が光束上にある場合を示す。また、本実施形態では、図2に示すように、ランプ部26bからの光束が平行光である時点で、ロータリシャッタ32により光束が適時遮断されるが、光束が集光レンズ26cなどにより集光された後の位置にロータリシャッタ32が配置されてもよい。
図4は、ロータリシャッタ32をランプ部26b側から見た斜視図を示す。図5は、ロータリシャッタ32をランプ部26bと反対側から見た斜視図を示す。図6は、ロータリシャッタ32をランプ部26b側からみた平面図を示す。図4〜6に示されるように、ロータリシャッタ32は、第1、第2光透過部32a、32b、及び光遮断部32cで構成され、回動軸32dを中心とした回動によって第1、第2光透過部32a、32bが光源装置26から出射される光束上を順次通過する。回動方向は、ランプ部26b側から見て時計回りである。第1、第2光透過部32a、32bは、ランプ部26bからの光を遮断することなく透過させる透明な部材または穴である。光遮断部32cは、ランプ部26bからの光を遮断する不透明な部材である。
第1、第2光透過部32a、32bが光束上を通過する期間及びタイミングは、図7〜10で詳しく説明する。まず、図7〜9で、通常の動画像撮像の際の電荷蓄積などのタイミングを説明する。その後、図10で、第1、第2光透過部32a、32bが光束上を通過する期間及びタイミングについて説明する。
図7は、通常フィールド蓄積型の撮像素子で動画像を撮像する場合のタイミングチャートを示す。図8は、フィールド蓄積型の撮像素子において第1フィールドで蓄積された電荷の転送の略図を示す。図9は、フィールド蓄積型の撮像素子において第2フィールドで蓄積された電荷の転送の略図を示す。
図7は、横軸に時間軸tをとり、第1、第2フィールドにおいて電荷蓄積されるタイミング、及び画像信号出力すなわち蓄積された電荷を電気信号として出力するタイミングを示す。第1、第2フィールドの時間的長さはそれぞれ1/60秒で、これらを合わせた1フレームの長さは1/30秒である。従って、T10〜T20、T20〜T30、・・・、T70〜T80の長さは同じで、それぞれ1/60秒である。
T10の時点から、1/60秒経過したT20の時点で、第1フィールドが終了すると、図8に示す水平転送レジスタ11hrに近い画素から奇数番目の画素(P11、P13、P21、P23、P31、P33)の電荷と、次の偶数番目の画素(P12、P14、P22、P24、P32、P34)の電荷が同時に加算して読み出される。読み出された電荷は、垂直転送レジスタ11vr、水平転送レジスタ11hrを経て、カラープロセッサ20に画像信号としてRGBに色分離されて出力される。
その間、撮像素子には次の電荷の蓄積が行われており、第1フィールドが終了した時点T20から1/60秒経過した時点T30で、第2フィールドが終了する。終了すると、図9に示すように、加算の組み合わせを変え、水平転送レジスタ11hrに近い画素から偶数番目の画素(P12、P14、P22、P24、P32、P34)の電荷と、次の奇数番目の画素(P13、P15、P23、P25、P33、P35)の電荷が同時に加算して読み出される。読み出された電荷は、垂直転送レジスタ11vr、水平転送レジスタ11hrを経て、カラープロセッサ20に画像信号としてRGBに色分離されて出力される。
フリーズ画像は、これら第1、第2フィールドの画像信号を重ね合わせて構成されるので、電荷蓄積の開始時点が第1フィールドはT10の時点、第2フィールドはT20の時点と同時でないこと、電荷蓄積期間が1/60秒あることから、動きのある被写体像を撮像するとブレが生じる。しかし、動画像は、これらフィールドごとに電荷蓄積及び電荷読み出しを連続して行っており、人の目には、フリーズ画像に比べるとブレを感じず滑らかに画像が動いているように見える。
図10は、第1の実施形態におけるフリーズ画像を取り込む場合のタイミングチャートを示す。図10は、横軸に時間軸tをとり、第1、第2フィールドにおいての電荷蓄積タイミング、画像信号出力するタイミング、電子シャッタの解除、調光期間のタイミング、及びランプ部26bの光量を増加させる期間のタイミングを示す。
フィールドごとに蓄積された電荷が読み出され、垂直転送レジスタ11vr、水平転送レジスタ11hrを経て、カラープロセッサ20に画像信号として出力される流れは、図7〜9で示したものと同様である。第1光透過部32aが光束上を通過する期間はA期間、すなわちT11の時点からT21の時点までの間である。第1フィールドが始まった(T10)後のT11の時点から、第1光透過部32aが光束上を通過し始め、第1フィールドが終了し同じフレームの第2フィールドが始まる時点(T20)で、第1光透過部32aが光束上を半分通過し、T21の時点で、第1光透過部32aの光束上の通過が終了する。T11は、T10の時点からT20の時点までの間の時点であり、T11からT20までが短いほど、露光期間は短くなる。本実施形態では、T11をT10とT20の間でかつT20に近い側の時点として、T11〜T21の長さを1フィールド(1/60秒)よりも短くした。例えば、Aの期間は1/500秒である。T20の時点からT21の時点までは、T11の時点からT20の時点までの長さと同じである。すなわち、第1光透過部32aが光束上を通過する半分の時点で、第1フィールドと、第2フィールドが切り替わるタイミングで、第1光透過部32aは光束上を通過する。図6は、第1光透過部32aが光束上を通過する半分の時点(T20)でのロータリシャッタ32と光束の位置状態を示している。T10〜T11、T21〜T30の間は、光遮断部32cが光束上を通過する。
T10〜T20、T20〜T30の間、電子シャッタは、解除される。電荷蓄積は、通常と同じ1/60秒ずつ行われるが、ロータリシャッタ32の光遮断部32cが光束上を通過する間は、光源装置26からの光が被写体に届かず、露光されない。第1光透過部32aが光束上を通過する間だけ、光源装置26からの光が被写体に届けられ露光される。露光期間(T11〜T21)は、1フィールド(1/60秒)に比べて短いため、光量が十分でない可能性がある。そのため、この期間に限り、ランプ部26bの光量を増加させる、または、増幅度合いをRGB増幅度設定部21aで調整する。光量、増幅の調整については、後述する。
第2光透過部32bが光束上を通過する期間は、B期間、すなわちT30の時点からT50の時点までの間である。第1フィールドが始まる時点(T30)で、第2光透過部32bが光束上を通過開始され、同じフレームの第2フィールドが終了した時点(T50)で、第2光透過部32bの光束上の通過が終了する。
A期間の光量がB期間の光量に比べて少なくなるため、B期間の中で、フィールドごとに調光される期間を1フィールド(1/60秒)に比べて短くして露光量を抑え、A期間に撮像された被写体の明るさと、B期間に撮像された被写体の明るさを同程度に調整する。この調整は、電子シャッタによる調光期間の調整だけでなく、RGB増幅度設定部21aの増幅度合い、及びランプ部26bの光量の調整も組み合わせて行われる。図10は、調光期間の長さの調整によって、T31〜T40、T41〜T50の調光期間の長さと、次の第2光透過部通過期間における調光期間(T71〜T80、T81〜T90)の長さは異なる状態を示す。
以上のような、第1、第2光透過部32a、32bの光束上を通過する期間、タイミングの条件を満たすようにロータリシャッタ32の形状及び回動周期が設定される。従って、第1の実施形態では、図6のように、第1光透過部32aを半円よりも小さい扇形で、第2光透過部32bを半円でそれぞれ構成している。また、回動周期は、第1、第2フィールドが2回ずつ含まれる1/15秒である。
次に、第1の実施形態における被写体の動画像の撮像及び、フリーズ画像の取り込みについて説明する。
フリーズ画像を必要とせず、通常の動画像を撮像する場合は、カラースコープ10の操作部13の撮像モードを切り替えるスイッチ13aを押下して、通常撮像モードを選択する。通常撮像モードが選択されると、カラープロセッサ20の調光ユニット部30の第3モータ35が駆動されて、調光ブレード31が、ランプ部26bから出射される光の光束上の位置に配置される。
ランプ部26bから出射される光は、調光ブレード31の図示しない光絞り具合によって光量が制御される。制御された光は、集光レンズ26cによって集光され、光誘導部材によってその光は照明部12まで伝送される。伝送された光は、照明部12によって被写体を照らす。撮像部11は、光が照らされた被写体を撮像する。撮像により、撮像素子11aに電荷が蓄積され、蓄積された電荷は、画像信号としてフィールドごとにRGBに分けられカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送、すなわち画像信号出力される。初段画像信号処理部21は、RGB増幅度設定部21aでRGBそれぞれの画像信号を増幅し、これを画像メモリ部22に、RGBごとに、フィールドごとに記憶する。記憶された画像信号は後段画像信号処理部23に転送され、後段画像信号処理部23で映像信号に変換されてカラーモニタ40などに出力される。この流れがフィールドごとに繰り返し行われることにより、動画像が出力される。
また、初段画像信号処理部21は、RGB/Yブロック21bで、RGBごとの画像信号から輝度信号を生成し、第1明るさ検出部21cで、生成された輝度信号の輝度を検出する。検出された値は、システムコントロール部24に転送される。システムコントロール部24は、あらかじめ術者が操作スイッチ部27で設定した明るさの基準値と一致しているか否かを判断する。一致しておらず、明るさが足りないと判断した場合は、調光ブレード31の光絞り具合を開放方向、すなわち光源装置26からの光を遮断しない方向に調整する。逆に明る過ぎると判断した場合は、調光ブレード31の光絞り具合をさらに絞る方向、すなわち光源装置26からの光を遮断する方向に調整する。一致していると判断した場合は、調光ブレード31の絞り具合は変更しない。これにより、あらかじめ術者が操作スイッチ部27で設定した明るさの基準値を維持しながら、被写体の動画像を撮像し、カラーモニタ40で観察することが可能になる。
調光ブレード31は、ロータリシャッタ32に比べて、光を遮断する割合を少なくすることができる。従って、被写体までの距離が長く、後述するロータリシャッタ32でフリーズ画像を満足な明るさで撮像できないような場合に、動画像を適度な明るさで撮像するのに有効である。
フリーズ画像を必要とする場合は、カラースコープ10の操作部13の撮像モードを切り替えるスイッチ13aを押下して、フリーズ画像取り込みモードを選択する。フリーズ画像取り込みモードが選択されると、カラープロセッサ20の調光ユニット部30の第3モータ35が駆動されて、ロータリシャッタ32が、ランプ部26bから出射される光の光束上の位置に配置される。
ランプ部26bから出射される光は、ロータリシャッタ32の第1、第2光透過部32a、32b、及び光遮断部32cが光束上を通過することによって光量が制御される。制御された光は、集光レンズ26cによって集光され、光誘導部材によってその光は照明部12まで伝送される。伝送された光は、照明部12によって被写体を照らす。撮像部11は、光が照らされた被写体を撮像する。撮像により、撮像素子11aに電荷が蓄積され、蓄積された電荷は、画像信号としてフィールドごとにRGBに分かれてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。初段画像信号処理部21は、RGB増幅度設定部21aでRGBそれぞれの画像信号を増幅し、これを画像メモリ部22に、RGBの信号ごとに、フィールドごとに記憶する。記憶された信号は後段画像信号処理部23に転送され、後段画像信号処理部23で映像信号に変換されてカラーモニタ40などに出力される。この流れがフィールドごとに繰り返し行われるのは調光ブレード31の使用時と同様である。
また、初段画像信号処理部21では、RGB/Yブロック21bで、RGBごとの画像信号から輝度信号が生成され、第2明るさ検出部21dで、生成された輝度信号の輝度を検出する。
検出された輝度の値は、システムコントロール部24に転送される。システムコントロール部24は、あらかじめ術者が操作スイッチ部27で設定した明るさの基準値と一致しているか否かを判断する。一致しておらず、明るさが足りないと判断した場合は、A期間のRGB増幅度設定部21aによる増幅度調整、及びランプ部26bの光量調整と、B期間の電子シャッタによる調光期間の調整、RGB増幅度設定部21aによる増幅度調整、及びランプ部26bの光量調整を行う。RGB増幅設定部21aによる増幅度合いをアップさせること、ランプ26bの光量を増加させること、及び電子シャッタによる調光期間を長くすることは、いずれも撮像された被写体画像の明るさを増加させる効果があるが、いずれかだけを偏って調整するとS/N比を著しく悪くするなど、画質劣化が生じるおそれがあるので、これら3つをバランスよく調整する。
また、システムコントロール部24は、A期間に撮像された被写体画像の明るさと、B期間に撮像された被写体画像の明るさを同レベルに維持するための調整を行う。すなわち、A期間はB期間に比べて短いため、A期間の露光量が、B期間の露光量に比べて少なくなるのを解消するために、A期間におけるRGB増幅度設定部21aによる増幅度合い、及びランプ部26bの光量を増加させ、B期間における電子シャッタの調光期間の短縮、RGB増幅度設定部21aによる増幅度合い、及びランプ部26bの光量を減少させる。この調整により、調光ブレード31を使用している場合に比べると、動画像の明るさは落ちるが、A期間に撮像された被写体と、B期間に撮像された被写体の明るさは同レベルに維持できる。A期間、B期間において交互に撮像及び出力が繰り返されるが、快適に動画像を観察することが可能になる。
ロータリシャッタ32を使用しているフリーズ画像取り込みモードにおいては、動画像を並行して撮像しながら、任意のタイミングで、フリーズ画像を取り込むことができる。カラースコープ10の操作部13のフリーズ画像を取り込む指令を行うスイッチ13bを押下すると、押下した直後に第1光透過部32aが光束上を通過するA期間において第1、第2フィールドで蓄積された電荷をフリーズ画像として取り込み及び出力する。具体的に図10で時系列に説明する。A期間を含む第1フィールドのT10〜T11時点の間は、光は光遮断部32cによって遮断されているので、電荷蓄積は可能な状態ではあるが電荷は蓄積されていない。第1光透過部32aが光束上を通過開始したT11時点から露光が開始され、T20時点で第1フィールドは終了する。蓄積された電荷は画像信号としてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送され、さらに画像メモリ部22のR1、G1、B1に格納される。次に、A期間を含む第2フィールドは、第1光透過部32aが光束上を通過する中間時点のT20時点から電荷蓄積が開始される。T20〜T21の時点の間は、第1光透過部32aが光束上を通過しているので、露光もされている。T21の時点で露光は終了する。T21〜T30の間は、第1光透過部32aの光束上の通過が終了し光遮断部32cが光束上を通過するので、光は遮断され、電荷蓄積は可能な状態ではあるが、電荷は蓄積されていない。T30の時点で第2フィールドは終了する。蓄積された電荷は画像信号としてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送され、さらに画像メモリ部22のR2、G2、B2に格納される。これらの画像信号が重ね合わされてフリーズ画像としてカラーモニタ40に出力される。
第1、第2フィールドの時間的なズレは、1/60秒であるが、ロータリシャッタ32の第1光透過部32aの光束上の通過によって、露光開始される時間的なズレは、T11〜T20の間である。従って、時間的なズレが小さくなることにより、第1、第2フィールドに対する画像信号の重ね合わせのブレの量は少なくなる。また、露光期間も、1/60秒よりも短いため、動きの早い被写体像を撮像した場合の露光期間の長さによるブレの量も少なくなる。さらに、露光期間の間、RGB増幅度設定部21aの増幅度合い、及びランプ部26bの光量が調整されるので、露光量の少なさが補われる。
ランプ部26bが劣化するなど、A期間に撮像された被写体画像の明るさと、B期間に撮像された被写体画像の明るさを同レベルに維持するための調整が十分に出来ない場合は、システムコントロール部24は、A期間を含む第1、第2フィールドの間に蓄積された電荷を不要電荷として掃き出し、画像信号として画像メモリ部22に格納しない。また、この場合に、フリーズ画像を取り込む指令を行うスイッチ13bが押下された時は、押下された直後の第2光透過部32bを通過するB期間を含む第1フィールドの間に蓄積された電荷又は第2フィールドの間に蓄積された電荷の一方のみに基づく画像信号をフリーズ画像として取り込み及び出力する。
具体的に図11で時系列に説明する。B期間を含む第1フィールドのT30〜T31時点の間は、電荷蓄積は行われているがT31の時点でそれまでに蓄積された電荷が不要電荷として掃き出される。掃き出された不要電荷は、画像信号として読み出されず画像メモリ部22に格納されない。T31の時点から電子シャッタによる調光が開始され、新たに電荷蓄積及び露光が開始される。T40時点で第1フィールドは終了する。蓄積された電荷は画像信号としてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。第2フィールドのT40〜T41の間は、電荷蓄積は行われているがT41の時点でそれまでに蓄積された電荷が不要電荷として掃き出される。掃き出された不要電荷は画像信号として読み出されず画像メモリ22に格納されない。T41の時点から、電子シャッタにより調光が開始され、新たに電荷蓄積及び露光が開始される。T50の時点で第2フィールドは終了する。T41〜T50の間に蓄積された電荷は画像信号としてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。B期間を含む第1フィールドで蓄積された電荷に基づく画像信号又は同期間第2フィールドで蓄積された電荷に基づく画像信号の一方が、画像メモリ部22のR1、G1、B1に格納される。さらに画像メモリ部22のR2、G2、B2には、画像メモリ部22のR1、G1、B1に格納された画像データを補間等の処理を施すことにより生成された画像データが格納される。これらの画像信号が重ね合わされ、フリーズ画像としてカラーモニタ40に出力される。
上述の通り、第1の実施形態のロータリシャッタ32の使用によって、快適に観察可能な動画像の撮像を行いながら、並行してフリーズ画像を、短い露光期間で取り込むことが可能になる。また、ロータリシャッタ32の使用では、光量が十分に確保できない被写体の場合は、第3モータ35により光学ユニット30を移動し、調光ブレード31によって、快適に観察可能な動画像の撮像が可能になる。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、ロータリシャッタ32の形状は第1の実施形態と異なる。また、ロータリシャッタ32の形状の変更に伴い、電子シャッタの解除期間が異なる。これら異なる点を中心に説明する。
電子内視鏡装置のロータリシャッタ32及び電子シャッタ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。ロータリシャッタ32の形状は、第1の実施形態と異なり、図12に示す。第1、第2光透過部32a、32bは連続した透過部材であり、第1、第2光透過部32a、32bの境界線32eを点線で記す。第1の実施形態では、第2光透過部32bから第1光透過部32aに切り替わる間は光遮断部32cが光を遮断するが、第2の実施形態では、その間、第2光透過部32bが光束上を通過しているため、露光される。但し、次に第1光透過部32aの通過に切り替わる時点でそれまでに蓄積された電荷は不要電荷として電子シャッタによって掃き出される。これを、図13のタイミングチャートで説明する。図13は、横軸に時間軸tをとり、第1、第2フィールドにおいての電荷蓄積タイミング、蓄積された電荷を電気信号として出力するタイミング、電子シャッタの調光期間のタイミング、及びランプ部26bの光量を増加させる期間のタイミングを示す。
第1光透過部32aが光束上を通過する期間は、第1の実施形態と同じである。すなわちA期間である、T11の時点からT21の時点までの間である。図12は、第1光透過部32aが光束上を通過する半分の時点(T20)での、ロータリシャッタ32と光束の位置状態を示す。
電子シャッタの解除期間は、第1の実施形態と異なり、T11〜T20、T20〜T30の間である。従って、T10の時点からT11の時点までは、電荷蓄積及び露光はされるが、T11の時点で蓄積電荷は不要電荷として掃き出される。掃き出された不要電荷は画像信号として画像メモリ部22に格納されない。T21〜T30の間は、光は光遮断部32cによって遮断されているので、電荷蓄積は可能な状態であるが電荷は蓄積されない。ランプ部26bの光量が増加される期間は、第1の実施形態と同様である。また、ランプ部26bの光量の増加の他に、RGB増幅度設定部21aで行われる増幅度調整も同様である。これにより、第1フィールドでは、T11〜T20の間に蓄積された電荷だけが、画像信号として画像メモリ部22に格納される。第2フィールドについては、第1の実施形態と同様である。
第2光透過部32bが光束上を通過する期間は、B期間より長く、T30の時点からT51の時点の間である。すなわち、第1の実施形態と異なり、第2光透過部32bは、第1光透過部32aの境界線32eまで広げられているため、第2光透過部32bの光束上の通過終了時点が異なる。
B期間の、電子シャッタによる調光期間は第1の実施形態と同様である。ランプ部26bの光量調整、及びRGB増幅設定部21aにおける増幅度調整についても同様である。
以上のような、第1、第2光透過部32a、32bの光束上を通過する期間、タイミングの条件を満たすようにロータリシャッタ32の形状及び回動周期、回動方向が設定される。従って、第2の実施形態では、図12のように、第1光透過部32aを半円よりも小さい扇形で、第2光透過部32bを第1光透過部32aの扇形に連続する半円よりも大きい扇形でそれぞれ構成している。また、回動周期、及び回動方向は、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態における被写体の動画像の撮像及び、フリーズ画像の取り込みについては、第1の実施形態における被写体の動画像の撮像及び、フリーズ画像の取り込みと同様である。従って、その効果も同様である。
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、撮像素子の電荷蓄積方式を、一定期間、フィールド蓄積型からフレーム蓄積型にする点で第1の実施形態と異なる。これに伴い、第1光透過部32aの位置、及び光束上の通過タイミングが異なる。これら第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図14、図15は、フレーム蓄積型の撮像素子の電荷蓄積方法を示す。フレーム蓄積型の撮像素子電荷蓄積方法では、被写体のフリーズ画像を撮像する場合、第1フィールドにおいては水平転送レジスタ11hrに近い画素から奇数番目の画素(P11、P13、P21、P23、P31、P33)の電荷が読み出される。読み出された電荷は垂直転送レジスタ11vr、水平転送レジスタ11hrを経て、カラープロセッサ20に画像信号としてRGBに色分離されて出力される(図14参照)。次に第2フィールドにおいては読み出す画素を変え、 水平転送レジスタ11hrに近い画素から偶数番目の画素(P12、P14、P22、P24、P32、P34)の電荷が読み出される。読み出された電荷は垂直転送レジスタ11vr、水平転送レジスタ11hrを経て、カラープロセッサ20に画像信号としてRGBに色分離されて出力される(図15参照)。第1、第2フィールドで読み出した画像信号を重ね合わせて1つのフリーズ画像とする。
電子内視鏡装置の構成は、第1の実施形態と同様である。但し、撮像素子11aの電荷蓄積方法は、フィールド蓄積型に加えてフレーム蓄積型にも切換可能である。ロータリシャッタ32の形状は、図16に示す。第1、第2光透過部32a、32bの位置関係が第1の実施形態と異なる。この位置関係について、図17のタイミングチャートで説明する。図17は、横軸に時間軸tをとり、第1、第2フィールドにおいての電荷蓄積タイミング、蓄積された電荷を画像信号として出力するタイミング、電子シャッタによる解除、及び調光期間のタイミング、及びランプ部26bの光量を増加させる期間のタイミングを示す。
第1光透過部32aが光束上を通過する期間は、第1の実施形態と異なるA’期間、すなわちT11'の時点からT20の時点までの間である。この間を含むフレームでは、撮像素子11aの電荷蓄積方法はフィールド蓄積型からフレーム蓄積型に切り換えられる。この間に撮像素子11aに蓄積された電荷のうち、第1フィールドにおいては、水平転送レジスタ11hrに近い画素から奇数番目の画素の電荷が読み出され、第2フィールドにおいては、水平転送レジスタ11hrに近い画素から偶数番目の画素の電荷が読み出される。これにより読み出し、すなわち蓄積された電荷が画像信号として出力が開始されるタイミングは、1/60秒ずれるが、露光されて電荷蓄積されているのは同じ期間である。従って、フィールド間で露光される時間的なズレのないフリーズ画像を取り込むことが可能になる。図16は、第1光透過部32aが光束上を通過終了する時点(T20)でのロータリシャッタ32と光束の位置状態を示す。
第1光透過部32aが光束上を通過する期間、及びタイミングがA’期間に変わることに伴い、ランプ部26bの光量増加期間も変わる。すなわち、第1の実施形態のA期間から、A’期間に合わされる。電子シャッタの解除期間は、第1の実施形態と同様である。
第2光透過部32bが光束上を通過する期間、及びタイミングは第1の実施形態と同様である。B期間の、電子シャッタによる不要電荷掃き出し及び調光期間は第1の実施形態と同様である。ランプ部26bの光量調整、及びRGB増幅設定部21aにおける増幅度調整についても同様である。
第3の実施形態では、以上のような、第1、第2光透過部32a、32bの光束上を通過する期間、タイミングの条件を満たすようにロータリシャッタ32の形状及び回動周期が設定される。図16のように、第1光透過部32aを半円よりも小さい扇形で、第2光透過部32bを第1光透過部32aの扇形に連続する半円よりも大きい扇形でそれぞれ構成している点で、形状は同じであるが、第1光透過部32aの光束上通過タイミングに合わせて、位置が異なる。また、回動周期、及び回動方向は、第1の実施形態と同様である。
これらの構成から、第3の実施形態における被写体の動画像の撮像及び、フリーズ画像の取り込みについて、説明する。フリーズ画像を必要とせず、通常の動画像を撮像する場合は、第1の実施形態と同様である。従って、スイッチ13aの押下で通常撮像モード選択、調光ブレード31の光絞り具合による光量制御、撮像素子11aで撮像されて、カラーモニタ40に動画像が出力されるまでの流れは、第1の実施形態と同様である。
フリーズ画像を必要とする場合は、カラースコープ10の操作部13の撮像モードを切り替えるスイッチ13aを押下して、フリーズ画像取り込みモードを選択する。フリーズ画像取り込みモードが選択されると、カラープロセッサ20の調光ユニット部30の第3モータ35が駆動されて、ロータリシャッタ32が、光源装置26から出射される光の光束上に配置される。この点は、第1の実施形態と変わらない。しかし、フリーズ画像取り込みモードが選択されると、撮像素子11aの電荷蓄積方法は、一定期間、フィールド蓄積型からフレーム蓄積型に切り替えられる。
ロータリシャッタ32の形状は、第1の実施形態と異なるが、ランプ部26bから出射される光が、ロータリシャッタ32の第1、第2光透過部32a、32b、及び光遮断部32cが光束上を通過することによって光量が制御される点は、第1の実施形態と同様である。制御された光が、照明部12に転送され、照明部12がこれを被写体に照射する流れは、第1の実施形態と同様である。撮像部11が被写体を撮像し、撮像により得られた画像信号をカラープロセッサ20で映像信号に変換し、カラーモニタ40で画像を出力する流れも、第1の実施形態と同様である。但し、撮像部11の撮像素子11aに蓄積された電荷が初段画像信号処理部21に転送される流れが第1の実施形態と異なる。これについては、電子シャッタ解除期間、ランプ部26bの光量増加、及びロータリシャッタ32の第1、第2光透過部32a、32bの光束上通過のタイミングと合わせて後述する。
初段画像信号処理部21のRGB/Yブロック21bで、画像信号から輝度信号に生成され、第2明るさ検出部21dで生成された輝度信号の輝度を検出される点は第1の実施形態と同様である。
検出された値は、システムコントロール部24に転送される。システムコントロール部24は、あらかじめ術者が操作スイッチ部27で設定した明るさの基準値と一致しているか否かを判断する。一致しておらず、明るさが足りないと判断した場合は、A’期間のRGB増幅度設定部21aによる増幅度調整、及びランプ部26bの光量の調整と、B期間の電子シャッタによる調光期間の調整、RGB増幅度設定部21aによる増幅度調整、及びランプ部26bの光量の調整を行う。RGB増幅設定部21aによる増幅度合いをアップさせること、ランプ26bの光量を増加させること、及び電子シャッタによる調光期間を長くすることは、いずれも撮像された被写体画像の明るさを増加させる効果があるが、いずれかだけを偏って調整するとS/N比を著しく悪くするなど、画質劣化が生じるおそれがあるので、これら3つをバランスよく調整する。
また、システムコントロール部24は、A’期間に撮像された被写体画像の明るさと、B期間に撮像された被写体画像の明るさを同レベルに維持するための調整を行う。すなわち、A’期間はB期間に比べて短いため、A’期間の露光量が、B期間の露光量に比べて少なくなるのを解消するために、A’期間におけるRGB増幅度設定部21aによる増幅度合い、及びランプ部26bの光量を増加させ、B期間における電子シャッタによる調光期間の短縮、RGB増幅度設定部21aによる増幅度合い、及びランプ部26bの光量を減少させる。この調整により、調光ブレード31を使用している場合に比べると、被写体の明るさは落ちるが、A’期間に撮像された被写体と、B期間に撮像された被写体の明るさは同レベルに維持できる。A’期間、B期間において交互に撮像及び出力が繰り返されるが、快適に動画像を観察することが可能になる。
ロータリシャッタ32を使用しているフリーズ画像取り込みモードにおいては、動画像を並行して撮像しながら、任意のタイミングで、フリーズ画像を取り込むことができる。カラースコープ10の操作部13のフリーズ画像を取り込む指令を行うスイッチ13bを押下すると、押下した直後に第1光透過部32aが光束上を通過するA’期間において第1、第2フィールドで蓄積された電荷をフリーズ画像として取り込み及び出力する。
具体的に図17で時系列に説明する。A’期間を含むフレーム期間は、フレーム蓄積型で撮像素子11aの電荷蓄積が行われる。A’期間を含むフレームのT10〜T11'及びT20〜T30時点の間は、光は光遮断部32cによって遮断されているので、電荷蓄積は可能な状態ではあるが電荷は蓄積されていない。第1光透過部32aが光束上を通過し始めたT11'時点から露光が開始され、T20時点で電荷蓄積すなわち第1、第2フィールドは終了する。第1フィールドでは、水平転送レジスタ11hrに近い画素から奇数番目の画素の電荷が、T20からT30の間に、読み出しされる。読み出しされた電荷は画像信号としてRGBごとにカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。このRGBごとの画像信号は、初段画像信号処理部21に転送後、画像メモリ部22のR1、G1、B1に格納される。第2フィールドでは、同じT11'〜T20の間に撮像素子11aに蓄積された電荷のうち、水平転送レジスタ11hrに近い画素から偶数番目の画素の電荷が、T30からT40の間に、読み出しされる。読み出しされた電荷は画像信号としてRGBごとにカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。このRGBごとの画像信号は、初段画像信号処理部21に転送後、画像メモリ部22のR2、G2、B2に格納される。これらの画像信号が重ね合わされてフリーズ画像としてカラーモニタ40に出力される。
第1、第2フィールドで電荷蓄積される期間は、いずれもT11'〜T20と同じであり、露光される時間的なズレは生じない。従って、露光される時間的なズレによる、第1、第2フィールドに対する画像信号の重ね合わせのブレは解消される。また、露光期間も、1/60秒よりも短くなるため、動きの早い被写体像を撮像した場合の露光期間の長さによるブレの量も少なくなる。
ランプ部26bが劣化するなど、A’期間に撮像された被写体画像の明るさと、B期間に撮像された被写体画像の明るさを同レベルに維持するための調整が十分に出来ない場合は、システムコントロール部24は、A’期間を含む第1、第2フィールドの蓄積された電荷を不要電荷として掃き出し、画像信号として画像メモリ部22に格納しない。また、この場合に、フリーズ画像を取り込む指令を行うスイッチ13bが押下された時は、押下された直後の第2光透過部32bを通過するB期間を含む第1フィールドの間に蓄積された電荷又は第2フィールドの間に蓄積された電荷の一方のみに基づく画像信号をフリーズ画像として取り込み及び出力する。このときの撮像素子11aの電荷蓄積方法は、従来通りのフィールド蓄積型である。
具体的に図18で時系列に説明する。B期間を含む第1フィールドのT30〜T31時点の間は、電荷蓄積は行われているがT31の時点でそれまでに蓄積された電荷が不要電荷として掃き出される。掃き出された不要電荷は画像信号として読み出されず画像メモリ部22に格納されない。T31の時点から電子シャッタによる調光が開始され、新たに電荷蓄積及び露光が開始される。T40時点で第1フィールドは終了する。T31〜T40で蓄積された電荷は画像信号としてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。第2フィールドのT40〜T41の間は、電荷蓄積は行われているがT41の時点でそれまでに蓄積された電荷が不要電荷として掃き出される。掃き出された不要電荷は画像信号として読み出されず画像メモリ部22に格納されない。T41の時点から電子シャッタによる調光が開始され、新たに電荷蓄積及び露光が開始される。T50の時点で第2フィールドは終了する。T41〜T50の間に蓄積された電荷は画像信号としてカラープロセッサ20の初段画像信号処理部21に転送される。B期間を含む第1フィールドで蓄積された電荷に基づく画像信号又は同期間第2フィールドで蓄積された電荷に基づく画像信号の一方が、画像メモリ部22のR1、G1、B1に格納される。さらに画像メモリ部22のR2、G2、B2には、画像メモリ部22のR1、G1、B1に格納された画像データを補間等の処理を施すことにより生成された画像データが格納される。これらの画像信号が重ね合わされ、フリーズ画像としてカラーモニタ40に出力される。
上述の通り、第3の実施形態のロータリシャッタ32の使用によって、快適に観察可能な動画像の撮像を行いながら、並行して、フリーズ画像を、短い露光期間で取り込むことが可能になる。また、ロータリシャッタ32の使用では、光量が十分に確保できない被写体の場合は、第3モータ35により光学ユニット30を移動し、調光ブレード31によって、快適に観察可能な動画像の撮像が可能になる。
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、ロータリシャッタ32の形状は第3の実施形態と異なる。また、ロータリシャッタ32の形状の変更に伴い、電子シャッタの解除期間が異なる。これら第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電子内視鏡装置の発明に関わる点以外の構成は、第3の実施形態と同様である。ロータリシャッタ32の形状は、図19に示す。第1、第2光透過部32a、32bは連続した透過部材であり、第1、第2光透過部32a、32bの境界線32eを、点線で記す。第3の実施形態では、第2光透過部32bから第1光透過部32aに切り替わる間はの光遮断部32cが光を遮断するが、第4の実施形態では、その間、第2光透過部32bが光束上を通過しているため露光される。但し、次に第1光透過部32aの通過に切り替わる時点でそれまでに蓄積された不要電荷は電子シャッタによって掃き出される。これを、図20のタイミングチャートで説明する。図20は、横軸に時間軸tをとり、第1、第2フィールドにおいての電荷蓄積タイミング、蓄積された電荷を画像信号として出力するタイミング、電子シャッタの解除及び調光期間のタイミング、及びランプ部26bの光量を増加させる期間のタイミングを示す。
第1光透過部32aが光束上を通過する期間は、第3の実施形態と同様である。すなわちT11'の時点からT20の時点までの間である。図19は、第1透過部32aが光束上を通過終了する時点(T20)でのロータリシャッタ32と光束の位置関係を示す。
電子シャッタの解除期間は、第3の実施形態と異なり、T11'〜T20、T20〜T30の間である。T10の時点からT11'の時点までは、電荷蓄積及び露光はされるが、T11'の時点でそれまでに蓄積された不要電荷は電子シャッタにより掃き出される。掃き出された不要電荷は画像信号として画像メモリ部22に格納されない。T20〜T30の間は、光は光遮断部32cによって遮断されているので、電荷蓄積は可能な状態ではあるが電荷は蓄積されない。ランプ部26bの光量が増加される期間は、第3の実施形態と同様である(T11'〜T20)。また、ランプ部26bの光量の増加の他に、RGB増幅度設定部21aで行われる増幅度調整も同様である。これにより、第1、第2フィールド共に、T11'〜T20の間に蓄積された電荷だけが画像信号としてカラープロセッサ20に転送される。
第2光透過部32bが光束上を通過する期間は、B期間より長く、T30の時点からT51'の時点の間である。すなわち、第3の実施形態と異なり、第2光透過部32bは、第1光透過部32aの境界線32eまで広げられているため、第2光透過部32bの光束上の通過終了時点が異なる。
B期間の、電子シャッタによる調光期間は第1の実施形態と同様である。ランプ部26bの光量調整、及びRGB増幅設定部21aにおける増幅度調整についても同様である。
以上のような、第1、第2光透過部32a、32bの光束上を通過する期間、タイミングの条件を満たすようにロータリシャッタ32の形状及び回動周期が設定される。第4の実施形態では、図19のように、第1光透過部32aを半円よりも小さい扇形で、第2光透過部32bを第1光透過部32aの扇形に連続する半円よりも大きい扇形でそれぞれ構成している。また、回動周期、及び回動方向は、第3の実施形態と同様である。
第4の実施形態における被写体の動画像の撮像及び、フリーズ画像の取り込みについては、第3の実施形態における被写体の動画像の撮像及び、フリーズ画像の取り込みと同様である。従って、その効果も同様である。
なお、いずれの実施形態においても、ロータリシャッタ32の第1、第2光透過部32a、32bの形状は扇形には限定されない。図10などのタイミングチャートの要件を満たすような形状であれば、同様の効果が得られるからである。ロータリシャッタ32の回動周期が1/15秒に限定されないのも同様の理由である。
また、第1、第3の実施形態において、第2光透過部32bの光束通過終了時点を、B期間の終了時点(T50)と同一として説明したが、それよりも後であってもよい。すなわち、B期間の終了時点(T50)から次のA期間(又はA’期間)の開始時点(T51(又はT51'))までの間でもよい。この場合、B期間の終了時点(T50)から、第2光透過部32bの光束通過終了時点までの間は、ロータリシャッタ32によって光を遮断されることはないが、電子シャッタによって不要電荷の掃き出しや解除のタイミングを変えることで同様の効果が得られるからである。