JP2005053338A - 剛性を向上させたホイールとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸方向剛性を向上させたフルデザインホイールとその製造方法の提供。
【解決手段】(1)フルデザインホイールであって、リムビードシートをディスク背面に接合する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けた、剛性を向上させたホイール10。(2)リム内周側の溶接部を低温変態ワイヤーで溶接する。(3)リムビードシートをディスク背面に当接しリム外周側で溶接接合するとともにリム内周側でも溶接した剛性を向上させたフルデザインホイールの製造方法であって、リム内周側の溶接を低温変態ワイヤーで行うホイールの製造方法。(4)リムの外周側の溶接11を先に行い、つぎにリムの内周側の溶接12を行うホイールの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】(1)フルデザインホイールであって、リムビードシートをディスク背面に接合する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けた、剛性を向上させたホイール10。(2)リム内周側の溶接部を低温変態ワイヤーで溶接する。(3)リムビードシートをディスク背面に当接しリム外周側で溶接接合するとともにリム内周側でも溶接した剛性を向上させたフルデザインホイールの製造方法であって、リム内周側の溶接を低温変態ワイヤーで行うホイールの製造方法。(4)リムの外周側の溶接11を先に行い、つぎにリムの内周側の溶接12を行うホイールの製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フルデザインホイールで、軸方向剛性を向上させたホイールとその製造方法に関する。
高意匠スチールホイールとして近年大幅にその地位を向上させてきているホイールとして、フルデザインホイールがある(特開平10−236102号公報)。同じく高意匠を実現するためのホイールとしてセミフルデザインホイールがある。
ここで、「フルデザインホイール」とは、図3に示すように、外周にリムフランジ1が形成されているディスク2の背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリム3のビードシート4を当接して溶接接合したホイールのことで、軸方向外側から見たときにリムとディスクとの接合線が見えない高意匠ホイールをいう。
また、「セミフルデザインホイール」とは、図4、図5に示すように、ディスクの外周部を軸方向内側に折り曲げてディスクフランジ5を形成し、リム3の内周に嵌合させる際に、ディスクフランジ5の先端部分のみの外周部分を切削加工し(6は切削部)、その部分6を、リムの内周に嵌合させるようにして、軸方向外側から見たときに、切削していない部分が邪魔をして、リムとディスクとの接合線が見えにくいようにした高意匠ホイールをいう。
フルデザインホイールは全周溶接されており、一般的に飾り穴7縁まで水が溜り抜けないが、デザインを優先する場合そのリスクはあっても採用されている。
セミフルデザインホイールでは、水抜きのためディスクフランジ4の一部を数箇所半径方向内側に折り曲げて加工し(8は折り曲げ部)組み付けている。折り曲げ部8により水抜きができるため、泥だまり、水溜りのリスクは少ないが、デザイン面が狭く意匠性では不利である。また、リム、ディスクが、折り曲げ部8によって、接触が不連続となり、連続溶接ができない。
ここで、「フルデザインホイール」とは、図3に示すように、外周にリムフランジ1が形成されているディスク2の背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリム3のビードシート4を当接して溶接接合したホイールのことで、軸方向外側から見たときにリムとディスクとの接合線が見えない高意匠ホイールをいう。
また、「セミフルデザインホイール」とは、図4、図5に示すように、ディスクの外周部を軸方向内側に折り曲げてディスクフランジ5を形成し、リム3の内周に嵌合させる際に、ディスクフランジ5の先端部分のみの外周部分を切削加工し(6は切削部)、その部分6を、リムの内周に嵌合させるようにして、軸方向外側から見たときに、切削していない部分が邪魔をして、リムとディスクとの接合線が見えにくいようにした高意匠ホイールをいう。
フルデザインホイールは全周溶接されており、一般的に飾り穴7縁まで水が溜り抜けないが、デザインを優先する場合そのリスクはあっても採用されている。
セミフルデザインホイールでは、水抜きのためディスクフランジ4の一部を数箇所半径方向内側に折り曲げて加工し(8は折り曲げ部)組み付けている。折り曲げ部8により水抜きができるため、泥だまり、水溜りのリスクは少ないが、デザイン面が狭く意匠性では不利である。また、リム、ディスクが、折り曲げ部8によって、接触が不連続となり、連続溶接ができない。
セミフルデザインホイールは、ディスクフランジがリムビードシートとほぼ平行に延び先端でリムビードシートと溶接されているため、フルデザインホイールと比較してディスク軸方向剛性は高く、ディスク軸方向剛性が問題になることはない。
それに対して、フルデザインホイールは、ディスクフランジがないため、軸方向剛性が低くなり、操舵フィーリングが柔らかすぎるという問題が発生する。とくにディスクのハブ取付け面のリムセンター(リム幅センター)との距離(オフセット)が大きいホイールについては、平らなディスク形状となりやすいため、ディスクの剛性が低下し問題が顕在化しやすい。
特開平10−236102号公報
それに対して、フルデザインホイールは、ディスクフランジがないため、軸方向剛性が低くなり、操舵フィーリングが柔らかすぎるという問題が発生する。とくにディスクのハブ取付け面のリムセンター(リム幅センター)との距離(オフセット)が大きいホイールについては、平らなディスク形状となりやすいため、ディスクの剛性が低下し問題が顕在化しやすい。
本発明が解決しようとする問題は、従来のフルデザインホイールでは、ディスク軸方向剛性が比較的低いという問題である。
本発明の目的は、軸方向剛性を向上させたフルデザインホイールとその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 外周にリムフランジが形成されているディスクの背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリムのビードシートを当接し溶接接合したフルデザインホイールであって、リムビードシートをディスク背面に接合する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けた、剛性を向上させたホイール。
(2) 前記リムの内周側の溶接部を低温変態溶接ワイヤーを用いて行った、(1)記載の剛性を向上させたホイール。
(3) 外周にリムフランジが形成されているディスクの背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリムのビードシートを当接しリムの外周側で溶接接合するとともにリムの内周側でも溶接接合した剛性を向上させたホイールの製造方法であって、前記リムの内周側の溶接を低温変態溶接ワイヤーを用いて行うようにした、剛性を向上させたホイールの製造方法。
(4) 前記リムの外周側の溶接を先に行い、つぎに前記リムの内周側の溶接を行うようにした(3)記載の剛性を向上させたホイールの製造方法。
(1) 外周にリムフランジが形成されているディスクの背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリムのビードシートを当接し溶接接合したフルデザインホイールであって、リムビードシートをディスク背面に接合する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けた、剛性を向上させたホイール。
(2) 前記リムの内周側の溶接部を低温変態溶接ワイヤーを用いて行った、(1)記載の剛性を向上させたホイール。
(3) 外周にリムフランジが形成されているディスクの背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリムのビードシートを当接しリムの外周側で溶接接合するとともにリムの内周側でも溶接接合した剛性を向上させたホイールの製造方法であって、前記リムの内周側の溶接を低温変態溶接ワイヤーを用いて行うようにした、剛性を向上させたホイールの製造方法。
(4) 前記リムの外周側の溶接を先に行い、つぎに前記リムの内周側の溶接を行うようにした(3)記載の剛性を向上させたホイールの製造方法。
上記(1)の剛性を向上させたホイールによれば、リムビードシートをディスク背面に溶接する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けたので、従来に比べて、リム内周側の溶接分だけ断面積が増えるとともに、リムとディスクの結合が強くなってリムのディスク剛性アップへの寄与が強まり、ホイールの軸方向剛性を向上することができる。
上記(2)の剛性を向上させたホイールによれば、リムの内周側の溶接部を低温変態溶接ワイヤー(ここで、「低温変態溶接ワイヤー」とは、溶着金属の凝固過程でマルテンサイト変態が低温で起こるように成分を調整したワイヤーで、まわりが十分に冷えた状態でマルテンサイト変態点に至り膨張するため、溶接ビードに圧縮残留応力が生じる)を用いて行ったので、リム内周側の溶接ビードに圧縮残留応力が生成し、リム内周側の溶接部の疲労強度、耐久性を向上することができる。
上記(3)の剛性を向上させたホイールの製造方法によれば、リムビードシートをディスク背面に溶接する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けたので、従来に比べて、リム内周側の溶接分だけ断面積が増えるとともに、リムとディスクの結合が強くなってリムのディスク剛性アップへの寄与が強まり、ホイールの軸方向剛性を向上することができる。また、リムの内周側の溶接を低温変態溶接ワイヤーを用いて行うので、リム内周側の溶接ビードに圧縮残留応力が生成し、リム内周側の溶接部の疲労強度、耐久性を向上することができる。
上記(4)の剛性を向上させたホイールの製造方法によれば、リムの外周側の溶接を先に行い、つぎにリムの内周側の溶接を行うようにしたので、リムの外周側の溶接でリムビードシートとディスク背面との接合部を半径方向に拘束した状態でリムの内周側の溶接を行うことができ、リムの内周側の溶接部に効果的に圧縮残留応力を発生させることができる。
上記(2)の剛性を向上させたホイールによれば、リムの内周側の溶接部を低温変態溶接ワイヤー(ここで、「低温変態溶接ワイヤー」とは、溶着金属の凝固過程でマルテンサイト変態が低温で起こるように成分を調整したワイヤーで、まわりが十分に冷えた状態でマルテンサイト変態点に至り膨張するため、溶接ビードに圧縮残留応力が生じる)を用いて行ったので、リム内周側の溶接ビードに圧縮残留応力が生成し、リム内周側の溶接部の疲労強度、耐久性を向上することができる。
上記(3)の剛性を向上させたホイールの製造方法によれば、リムビードシートをディスク背面に溶接する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けたので、従来に比べて、リム内周側の溶接分だけ断面積が増えるとともに、リムとディスクの結合が強くなってリムのディスク剛性アップへの寄与が強まり、ホイールの軸方向剛性を向上することができる。また、リムの内周側の溶接を低温変態溶接ワイヤーを用いて行うので、リム内周側の溶接ビードに圧縮残留応力が生成し、リム内周側の溶接部の疲労強度、耐久性を向上することができる。
上記(4)の剛性を向上させたホイールの製造方法によれば、リムの外周側の溶接を先に行い、つぎにリムの内周側の溶接を行うようにしたので、リムの外周側の溶接でリムビードシートとディスク背面との接合部を半径方向に拘束した状態でリムの内周側の溶接を行うことができ、リムの内周側の溶接部に効果的に圧縮残留応力を発生させることができる。
本発明の剛性を向上させたホイールおよびその製造方法を、図1、図2を参照して説明する。
本発明の剛性を向上させたホイール10は、図1、図2に示すように、外周にリムフランジ1が形成されているディスク2の背面に、軸方向一端のリムフランジをもたないリム3のビードシート4を当接し溶接接合したホイール(いわゆる「フルデザインホイール」)10であって、リムビードシート4をディスク2背面に接合する溶接部を、リムの外周側(タイヤ側)に設けるとともにリムの内周側にも設けたホイールからなる。リムの外周側の溶接部の符号を11とし、リムの内周側の溶接部の符号を12とする。
本発明の剛性を向上させたホイール10は、従来のフルデザインホイールに対してリム内周側の溶接部12を追加したものである。ディスク2は、リムビードシート4と並行して延びるディスクフランジ(セミフルデザインのディスクフランジ)をもたない。7は飾り穴(ベンチレーションともいう)である。
本発明の剛性を向上させたホイール10は、図1、図2に示すように、外周にリムフランジ1が形成されているディスク2の背面に、軸方向一端のリムフランジをもたないリム3のビードシート4を当接し溶接接合したホイール(いわゆる「フルデザインホイール」)10であって、リムビードシート4をディスク2背面に接合する溶接部を、リムの外周側(タイヤ側)に設けるとともにリムの内周側にも設けたホイールからなる。リムの外周側の溶接部の符号を11とし、リムの内周側の溶接部の符号を12とする。
本発明の剛性を向上させたホイール10は、従来のフルデザインホイールに対してリム内周側の溶接部12を追加したものである。ディスク2は、リムビードシート4と並行して延びるディスクフランジ(セミフルデザインのディスクフランジ)をもたない。7は飾り穴(ベンチレーションともいう)である。
リム3の外周側に設けた、リムビードシート4をディスク背面に接合する溶接部11は、タイヤ内空間をシールするために、ホイール周方向に全周にわたって連続する全周溶接である。
リム3の内周側に設けた、リムビードシート4をディスク背面に接合する溶接部12は、ホイール周方向に連続する全周溶接であってもよいし、図2に示すように、ホイール周方向に断続する断続溶接であってもよい。
リム3の内周側に設けた、リムビードシート4をディスク背面に接合する溶接部12は、ホイール周方向に連続する全周溶接であってもよいし、図2に示すように、ホイール周方向に断続する断続溶接であってもよい。
リム内周側の溶接部12は、低温変態溶接ワイヤーで溶接された溶接部である。通常の低炭素鋼ワイヤーはマルテンサイト変態点が約500℃以上であるのに対し、低温変態溶接ワイヤーはマルテンサイト変態点が200℃から300℃程度に成分調整されているため、溶接の溶着金属の凝固過程において、まわりが十分に低温になっている状態で溶接ビードがマルテンサイト変態点にいたり、膨張するので、溶接ビードおよびビードと母材との境界部近傍に圧縮残留応力が生じ、溶接部の疲労強度、耐久性が、通常の低炭素鋼ワイヤーを用いて行った溶接部(引張残留応力が生じている溶接部)に比べて、著しく向上する。低温変態溶接ワイヤーで溶接した溶接部か、通常の低炭素鋼ワイヤーを用いて行った溶接部かは、溶接部12から試験片を切り出して成分分析すれば容易にわかる。
本発明の剛性を向上させたホイール10の製造方法は、図1、図2に示すように、外周にリムフランジ1が形成されているディスク2の背面に、軸方向一端のリムフランジをもたないリム3のビードシート4を当接しリム3の外周側で溶接接合する(リムの外周側の溶接部の符号を11とする)とともにリム3の内周側でも溶接接合した(リムの内周側の溶接部の符号を12とする)剛性を向上させたホイール10の製造方法であって、リムの内周側の溶接を低温変態溶接ワイヤーを用いて行うようにしたホイール10の製造方法である。
本発明の剛性を向上させたホイール10の製造方法において、リム3の外周側の溶接部11は、エアシールの関係から、全周溶接である。また、リム3の内周側の溶接部12は、ホイール周方向に連続する全周溶接であってもよいし、ホイール周方向に断続する断続溶接であってもよい。
従来は、リム外周側溶接部11だけがあり、それを低炭素鋼ワイヤーを用いて溶接していた。低炭素鋼ワイヤーを本発明のリム内周側の溶接に適用すると、低炭素鋼ワイヤーの場合、溶着後の冷却過程においてそのボリュームを減じていくことで固着後は溶接ビードとその周辺部には引張残留応力が発生するので、リム内周側の溶接部の強度(疲労強度、耐久性)が低下する。
これに対し、本発明では、リム内周側の溶接を低温変態ワイヤーを用いて溶接することで、溶着金属の凝固過程でリム内周側の溶接ビード12に引張応力が生じることが抑制されるのみならず、圧縮残留応力が生成し、溶接ビードと、ビードと母材との境界部の応力集中も緩和され、十分な疲労強度、耐久性が得られることが判明した。
これに対し、本発明では、リム内周側の溶接を低温変態ワイヤーを用いて溶接することで、溶着金属の凝固過程でリム内周側の溶接ビード12に引張応力が生じることが抑制されるのみならず、圧縮残留応力が生成し、溶接ビードと、ビードと母材との境界部の応力集中も緩和され、十分な疲労強度、耐久性が得られることが判明した。
本発明の剛性を向上させたホイール10の製造方法では、リム3の外周側の溶接11を先に行い、つぎにリム3の内周側の溶接12を行うようにする。
先に、リム外周側の溶接11を低炭素鋼ワイヤーを用いて行って、低炭素鋼ワイヤーの特性である引張残留応力でリムとディスクの接合部を半径方向に固く引き付けて拘束し、しかる後に内周側の溶接を低温変態ワイヤーを用いて行うことにより、リム内周側の溶接部12に、効果的に大きな圧縮残留応力を発生させることができる。すなわち、外周側の溶接で内周側溶接を施す部位を拘束しておかないと、内周側の溶接を行うときに内周側の溶接ビードが半径方向外方に自由に熱膨張して逃げて内周側の溶接ビードに圧縮残留応力が生じにくくなるので、それを抑制するために、先にリム外周側の溶接11を行っておく。
最初に強度的に余裕のあるリム外周側を溶接し、つぎに内周側を低温変態ワイヤーを用いて溶接を行うという工程をとることにより、内周側の溶接部12に圧縮残留応力を発生させて、内周側の溶接部12の疲労強度をより一層向上させることができる。
先に、リム外周側の溶接11を低炭素鋼ワイヤーを用いて行って、低炭素鋼ワイヤーの特性である引張残留応力でリムとディスクの接合部を半径方向に固く引き付けて拘束し、しかる後に内周側の溶接を低温変態ワイヤーを用いて行うことにより、リム内周側の溶接部12に、効果的に大きな圧縮残留応力を発生させることができる。すなわち、外周側の溶接で内周側溶接を施す部位を拘束しておかないと、内周側の溶接を行うときに内周側の溶接ビードが半径方向外方に自由に熱膨張して逃げて内周側の溶接ビードに圧縮残留応力が生じにくくなるので、それを抑制するために、先にリム外周側の溶接11を行っておく。
最初に強度的に余裕のあるリム外周側を溶接し、つぎに内周側を低温変態ワイヤーを用いて溶接を行うという工程をとることにより、内周側の溶接部12に圧縮残留応力を発生させて、内周側の溶接部12の疲労強度をより一層向上させることができる。
リム外周側も低温変態ワイヤーを用いて溶接を行ってもよいが、溶接ビードが膨張することで寸法精度を確保することが困難になり、かつ、コスト的に低炭素鋼の方が安いことから、上記の組み合わせ(外周側溶接を低炭素鋼ワイヤー、内周側溶接を低温変態ワイヤー)が最もよい。この意味で、低温変態ワイヤーで溶接するのは、少なくともリム内周側溶接部12とする。
つぎに、本発明の剛性を向上させたホイール10とその製造方法の作用、効果を説明する。
従来、フルデザインホイールで軸方向剛性が足りないと判定された場合、ディスクの板厚を増大することで対応していた。それによって重量が増加し、材料費のアップを招いていた。
しかし、本発明では、リム内周側溶接部12を追加することにより、リム、ディスクの接合部の断面積増加と、外周、内周の両方の溶接部によるリム、ディスクの結合力強化とにより、ホイールの軸方向剛性が大幅に向上し、従来のようにディスクの板厚を増さない分、材料費節約と、ホイールの重量低減をはかることができる。また、リム内周側溶接部12を追加することによりディスクの軸方向剛性が高くなるため、操舵フィーリングも改善される。また、従来、剛性不足からフルデザインホイールの採用を控えていたディスクのハブ取付け面とリム幅中心とのオフセットの大きい乗用車系のホイールにも、本発明のリム内周側溶接部12を追加したフルデザインホイールの採用が期待される。
従来、フルデザインホイールで軸方向剛性が足りないと判定された場合、ディスクの板厚を増大することで対応していた。それによって重量が増加し、材料費のアップを招いていた。
しかし、本発明では、リム内周側溶接部12を追加することにより、リム、ディスクの接合部の断面積増加と、外周、内周の両方の溶接部によるリム、ディスクの結合力強化とにより、ホイールの軸方向剛性が大幅に向上し、従来のようにディスクの板厚を増さない分、材料費節約と、ホイールの重量低減をはかることができる。また、リム内周側溶接部12を追加することによりディスクの軸方向剛性が高くなるため、操舵フィーリングも改善される。また、従来、剛性不足からフルデザインホイールの採用を控えていたディスクのハブ取付け面とリム幅中心とのオフセットの大きい乗用車系のホイールにも、本発明のリム内周側溶接部12を追加したフルデザインホイールの採用が期待される。
また、本発明の剛性を向上させたホイール10と、その製造方法において、リム内周側の溶接12を低温変態ワイヤーで行うので、リム内周側の溶接部12に、低炭素鋼ワイヤーで溶接すると生じる引張応力が発生しなくなり、リム内周側の溶接部12には圧縮残留応力が生じるので、リム内周側の溶接部12の疲労強度、耐久性を向上することができる。
また、本発明の剛性を向上させたホイール10の製造方法では、先にリム外周側の溶接11を行い、つぎにリム内周側の溶接12を行うので、リム内周側の溶接を施す部位を外側から拘束した状態でリム内周側の溶接を行うことができ、リム内周側の溶接部12に効果的に残留圧縮応力を生じさせることができる。その結果、リム内周側の溶接部12の疲労強度をより一層向上することができる。
本発明は、フルデザインホイールの剛性アップおよび操安性の向上と、溶接部の疲労強度向上に利用できる。
本発明は、フルデザインホイールの剛性アップおよび操安性の向上と、溶接部の疲労強度向上に利用できる。
1 リムフランジ
2 ディスク
3 リム
4 ビードシート
5 ディスクフランジ
6 切削部
7 飾り穴
8 折り曲げ部
10 剛性を向上させたホイール
11 リム外周側の溶接部
12 リム内周側の溶接部
2 ディスク
3 リム
4 ビードシート
5 ディスクフランジ
6 切削部
7 飾り穴
8 折り曲げ部
10 剛性を向上させたホイール
11 リム外周側の溶接部
12 リム内周側の溶接部
Claims (4)
- 外周にリムフランジが形成されているディスクの背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリムのビードシートを当接し溶接接合したフルデザインホイールであって、リムビードシートをディスク背面に接合する溶接部をリムの外周側に設けるとともにリムの内周側にも設けた、剛性を向上させたホイール。
- 前記リムの内周側の溶接部を低温変態溶接ワイヤーを用いて行った、請求項1記載の剛性を向上させたホイール。
- 外周にリムフランジが形成されているディスクの背面に軸方向一端のリムフランジをもたないリムのビードシートを当接しリムの外周側で溶接接合するとともにリムの内周側でも溶接接合した剛性を向上させたホイールの製造方法であって、前記リムの内周側の溶接を低温変態溶接ワイヤーを用いて行うようにした、剛性を向上させたホイールの製造方法。
- 前記リムの外周側の溶接を先に行い、つぎに前記リムの内周側の溶接を行うようにした請求項3記載の剛性を向上させたホイールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003286363A JP2005053338A (ja) | 2003-08-05 | 2003-08-05 | 剛性を向上させたホイールとその製造方法 |
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Publications (1)
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JP (1) | JP2005053338A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137209A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Topy Ind Ltd | 自動車用ホイール |
JP2009518235A (ja) * | 2005-12-08 | 2009-05-07 | ヘイズ、レマズ、インタナシャナル、インク | 組立式車両ホイールおよびその製造方法 |
JP2011131668A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Chuo Motor Wheel Co Ltd | 自動車用ホイール |
US20110316324A1 (en) * | 2009-03-17 | 2011-12-29 | Topy Kogyo Kabushiki Kaisha | Vehicle wheel |
CN112643286A (zh) * | 2020-08-17 | 2021-04-13 | 江苏新安驰铝业有限公司 | 一种铝合金后轮辋的制造方法及其专用工装 |
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2003
- 2003-08-05 JP JP2003286363A patent/JP2005053338A/ja active Pending
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JP4623734B2 (ja) * | 2005-11-17 | 2011-02-02 | トピー工業株式会社 | 自動車用ホイール |
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