JP2004296374A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の性能が劣化したり、運転温度や負荷電力が変動し燃料電池の電流電圧特性が変化した場合でも、適切な酸素量を燃料電池に供給する。
【解決手段】目標発電量算出手段11は、燃料電池本体1の目標発電量を算出する。電流電圧特性記憶手段13は、燃料電池本体1の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する。目標酸化剤流量算出手段14は、電流電圧特性記憶手段13に記憶した電流電圧特性曲線を参照して、ブロア3から燃料電池本体1へ供給すべき目標酸化剤流量を算出する。電流電圧特性更新手段12は、燃料電池の運転中に出力電圧と出力電流と運転温度との所定数の検出値を用いて、電流電圧特性記憶手段13が記憶する電流電圧特性曲線を更新する。
【選択図】 図1
【解決手段】目標発電量算出手段11は、燃料電池本体1の目標発電量を算出する。電流電圧特性記憶手段13は、燃料電池本体1の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する。目標酸化剤流量算出手段14は、電流電圧特性記憶手段13に記憶した電流電圧特性曲線を参照して、ブロア3から燃料電池本体1へ供給すべき目標酸化剤流量を算出する。電流電圧特性更新手段12は、燃料電池の運転中に出力電圧と出力電流と運転温度との所定数の検出値を用いて、電流電圧特性記憶手段13が記憶する電流電圧特性曲線を更新する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池の過渡時にも適切な反応ガス量を供給することができる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池本体は、燃料極(水素極、アノード)に水素ガスを、酸化剤極(空気極、カソード)に空気を供給して、酸化剤極に供給する空気中の酸素と燃料極の水素とを電気化学的に反応させて発電する。車両用燃料電池本体として固体高分子タイプのものが知られている。燃料極と酸化剤極の間に膜状の固体高分子があり、これは水素イオン伝導体として機能する。この種の燃料電池は、燃料極で水素ガスを水素イオンと電子にする反応が起き、酸化剤極で酸素ガスと水素イオンと電子から水を生成する反応が行われる。このとき水素イオンは固体高分子膜を酸化剤極に向かって移動する。
【0003】
固体高分子上を水素イオンが移動するためには、固体高分子膜が水分を含んでいる必要がある。このため固体高分子を加湿して湿らせておく必要があり、燃料電池へ供給する水素ガスを加湿装置で加湿して燃料極に供給するようにする方法が知られている。また加湿に有効な方法として、燃料電池本体で未使用の水素ガスを燃料電池本体へ再循環して再利用する水素循環形式が用いられる。燃料電池本体外部に接続した負荷で消費する電力に要する水素量より幾分多めの水素を燃料極へ供給し、未使用の水素を燃料極出口から排出し、この排水素(循環水素と記す)を再度、燃料極入り口へ戻して再利用する。循環水素は水蒸気を多く含んでいるため、水蒸気を多く含んだ循環水素と水素タンクからの乾燥している水素を混合して燃料極へ供給するようにして、燃料極へ供給する水素を加湿するようにしている。
【0004】
燃料電池の燃料極入口を通過する水素流量は、発電に必要な水素量に加えて、循環する水素量が余分に通過する。このように発電に必要な水素量よりも余分な水素量を燃料極に供給することにより、燃料電池の全てのセルでの発電を高率的に行わせるようにする効果がある。発電に使用する水素量のみだけを供給すると、燃料極出口付近のセルに効率的に水素が到達しなくなり発電効率が落ちる。同様のことが燃料電池の酸化剤極についても言えるので、発電に必要な酸素量のみを供給するのではなく、少し余分に酸素を供給するようにしている。これを原料ストイキ比と通常呼んでいる、発電にしようする水素または酸素のみを供給するとストイキ比は1であるが、通常は上記理由により1以上である。
【0005】
負荷が変動して上昇した場合には、比較的応答速度の速い負荷装置は、数ミリ秒程度の時間内で制御の切換を完了する。しかし、比較的応答速度の遅い燃料電池は、制御信号の切換に対する応答が、負荷装置に比べてかなり遅れ、両者の応答時間に時間差を生じてしまう。なぜなら、燃料電池は、空気および水素ガスならびに反応空気の配管中においてガス移動(物質移動)を含み、さらに、出力電圧Vの特性を決定する燃料電池の温度Tも負荷上昇にともなって瞬時に上昇できずに、時間遅れをもって上昇するからである。
【0006】
したがって、燃料電池の出力電力の制御の応答遅れにより、燃料電池の出力特性は低下してしまう。すなわち、燃料電池の温度の上昇が遅れてしまい、負荷増加の発生直後において出力電圧Vが十分に得られないことから、負荷装置で要求される出力電力を供給するためには、出力電流のみが増大されることになる。このように、必要な出力電力を満たすように出力電力を上昇させるためには、燃料電池の出力電流を増加させる必要があるので、燃料電池に供給する燃料ガスおよび反応空気の流量を、増大後の目標流量(例えば、あらかじめマップデータ等により設定された固定値)以上に設定しなければならない。
【0007】
このような出力電力増加時の過渡的な反応ガス供給に関しては、例えば、特許文献1に記載された燃料電池発電装置が知られている。この装置によれば、外部負荷の増加に応じて増加開始から所定時間にわたって、燃料ガスの供給流量を規定流量よりも所定量だけ多く補正する補正流量を算出し、出力電力の増大に応じて減少するように補正流量と所定量を設定している。また出力電圧の低下を補償するように電圧偏差および出力電流に基づいて流量を設定している。
【0008】
運転時間の経過に応じて燃料電池の予測出力電圧を演算し予測出力電圧に基づいて規定電圧を自動的に補正する。以上の手段により負荷が増加した際にガス流量を増加させるとともに、あらかじめ定められた所定の経年劣化が及ぼす出力電圧低下に応じて流量制御することにより負荷変動時や定常運転時の燃料ガスおよび反応空気を十分に供給することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−147893号公報(第5頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら燃料電池は、水素と酸素とが供給されて発電をするものであるため、負荷が増加し出力電流が増加してから酸素の供給量を増加すると、負荷が増加した直後は、負荷に対して必要な酸素量が供給されずに出力電圧が低下してしまう。
【0011】
よって取出し負荷が変動する前に目標発電量に応じて供給する酸素量を決定する必要がある。酸素量と電流は比例するので、目標発電量を取り出すときに出力されると推定される推定電流値を予め算出し、その推定電流値から酸素量を算出して燃料電池に供給すれば、電力を取り出した際に適切な酸素量が供給されることになる。
【0012】
目標発電量から当該電力を取り出したときの出力電流を推定するためには、燃料電池の電流電圧特性曲線(I−Vカーブ)が必要となる。
【0013】
しかしながら、燃料電池の特性は日々、温度、湿度、圧力、膜の状態、運転時間などによって変化するとともに、経年変化があるので、所定のI−Vカーブを用いて目標発電量から算出した推定電流値は、実際の取出し電流値と異なる可能性がある。
【0014】
従って、推定電流値を用いて算出した酸素量をカソードに供給すると、推定電流値と取出し電流値の誤差から負荷電力に対して過剰の酸素を供給したり酸素が不足したりする可能性があるという問題点があった。
【0015】
また負荷変動時のI−Vカーブは、酸素供給遅れなどの要因により一時的に定常時のI−Vカーブから外れるため、負荷変動時に定常状態の所定のI−Vカーブを用いると供給する酸素量が適切でなくなってしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤の供給を受けて直流電力を発電する燃料電池本体と、前記燃料電池本体に目標酸化剤流量で前記酸化剤を供給するように制御する酸化剤流量制御手段と、前記燃料電池本体の出力電流を検出する出力電流検出手段と、前記燃料電池本体の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、前記酸化剤流量制御手段に前記目標酸化剤流量を出力する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記燃料電池本体の目標発電量を算出する目標発電量算出手段と、前記出力電流と前記出力電圧と前記目標発電量とに基づいて前記目標酸化剤流量を算出する目標酸化剤流量算出手段と、前記燃料電池本体の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する電流電圧特性記憶手段と、を備え、前記目標酸化剤流量算出手段は、燃料電池の状態に応じて前記電流電圧特性記憶手段に記憶された電流電圧特性曲線を選択し、選択した電流電圧特性曲線を用いて前記目標酸化剤流量を算出することを要旨とする。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の状態に応じた適切な電流電圧特性曲線を用いて目標酸化剤流量を算出するので、燃料電池の状態が変化しても適切な酸化剤流量で酸化剤を燃料電池に供給することによって安定した発電が可能となり、酸化剤不足や酸化剤過剰による酸化剤供給手段の消費電力の無駄を防ぐことができるという効果がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態の構成を説明する構成図である。同図において、燃料電池システムは、燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤の供給を受けて直流電力を発電する燃料電池本体(単に燃料電池とも記す)1と、燃料電池本体1に目標酸化剤流量で酸化剤を供給する酸化剤供給手段であるブロワ3と、燃料電池本体1の出力電圧を検出する電圧計5と、燃料電池本体1の出力電流を検出する電流計6と、燃料電池本体1の運転温度を検出する温度計7と、燃料電池本体1から電力が供給される負荷装置8と、ブロワ3が前記目標酸化剤流量を供給するするように制御する制御装置2と、を備えている。
【0019】
制御装置2は、燃料電池本体1の目標発電量を算出する目標発電量算出手段11と、燃料電池本体1の出力電流と出力電圧と目標発電量とに基づいて目標酸化剤流量を算出する目標酸化剤流量算出手段14と、燃料電池本体1の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する電流電圧特性記憶手段13と、燃料電池の運転中に出力電圧と出力電流と運転温度との所定数の検出値を用いて、電流電圧特性曲線を更新する電流電圧特性更新手段12と、を備えている。
【0020】
さらに、目標酸化剤流量算出手段14は、燃料電池の状態に応じて電流電圧特性記憶手段13に記憶された電流電圧特性曲線を選択し、選択した電流電圧特性曲線を用いて目標酸化剤流量を算出する。
【0021】
燃料電池システムには、上記構成要素以外に、燃料電池本体1へ燃料ガスである水素ガスを供給する燃料供給系と、燃料電池本体1の運転温度を適温に保持する冷却液循環系が設けられているが、これらは本発明の主題ではないので図示を省略している。
【0022】
燃料電池1には、発電した電力を消費する負荷装置8を接続しており、本実施形態では負荷として、インバータを接続し、ここでエネルギー変換して図示しない駆動モータへ電力を供給するようにしている。燃料電池システムを車両に適用した場合には、駆動モータは車両走行の動力として使う。
【0023】
ブロワ3は制御装置2から目標回転速度を受け取り、ブロワ回転速度が目標回転速度で動作するように制御する。
【0024】
電圧計5は燃料電池1の出力電圧を計測し、制御装置2に出力する。電流計6は燃料電池1から負荷装置8に向かって流れる出力電流を計測し、制御装置2に出力する。温度計7は燃料電池1の運転温度を計測し、制御装置2に出力する。
【0025】
目標発電量算出手段11は、システムが要求している目標発電量を算出し、算出した目標発電量を目標酸化剤流量算出手段14に出力する。
【0026】
制御装置2は、本発明の計算を行う部位であり、CPUとメモリと周辺インターフェースとを有するマイクロコンピュータによって構成される。
【0027】
次に、本実施形態における制御装置2の動作を図2、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
制御装置2は、図2,図3のフローチャートのSTART からEND までを所定の制御周期で繰り返し演算している。
【0029】
制御装置2は目標発電量、出力電圧、出力電流、運転温度を用いてブロワ3の目標回転速度を算出する装置である。制御装置2は図4、図5、図6に示すような初期状態の電流電圧特性曲線(以下、I−Vカーブと略す)をあらかじめ電流電圧特性記憶手段13に記憶している。このI−Vカーブは、各運転温度における燃料電池本体の出力電流に対する出力電圧特性を示す電流電圧特性曲線であり、本実施形態では、温度条件を30、40、50[℃]のときにそれぞれ定常時用I−Vカーブ、過渡減少時用I−Vカーブ、過渡増加時用のI−Vカーブの合計9つのI−Vカーブを記憶している。
【0030】
本実施形態では、燃料電池の運転温度毎のI−Vカーブを電流電圧特性記憶手段13に記憶しているので、運転温度に応じてI−Vカーブを選択しているので、燃料電池起動直後の運転温度が低い状態や、暖機が十分完了して運転温度が上昇した状態であっても最適な目標酸化剤流量を算出することができるという効果がある。
【0031】
また、目標発電量変化率毎のI−Vカーブを電流電圧特性記憶手段13に記憶しているので、目標発電量変化率に応じてI−Vカーブを選択しているので、目標発電量が増加あるいは減少している過渡時や、目標発電量が安定している定常時のそれぞれの場合で最適な目標酸化剤流量を算出することができるという効果がある。
【0032】
温度条件や過渡変動の分類をさらに細かくすると、制御がより細かくなるが本質的な機能は変わらないので適度な量を用いればよい。このI−Vカーブは後述する更新方法によって更新され、電流電圧特性記憶手段13に記憶される。
【0033】
また制御装置2が起動した直後の最初の一回目の制御周期のみはS10とS60のみを実行してENDに進む。
【0034】
S10では、目標発電量算出手段11が算出した目標発電量(以下W)を取得する。燃料電池システムを車両に適用した場合には、目標発電量算出手段11はドライバのアクセル開度、車両速度、車両重量などから目標発電量を計算する。また電圧計5から燃料電池の出力電圧(以下V)を、電流計6から燃料電池の出力電流(以下I)を、温度計7から燃料電池の運転温度(以下T)をそれぞれ検出して読み込み、S20に進む。
【0035】
S20では、Wを目標発電量の前回値(以下W‘)と比較することにより、目標発電量変化率(以下ΔW)を算出して、S30に進む。ここで、目標発電量変化率を算出する方法は、前回値のみでなく前々回値などの過去複数に渡る値を用いて求めるなどでもよい。
【0036】
S30では、ΔWが所定の発電量変化率W1よりも大きいか比較し、大きければS31に進み、そうでなければS40に進む。
S31では、Tが50[℃]よりも大きいか比較し、大きければS33に進み、そうでなければS32に進む。
S32では、Tが40[℃]よりも大きいか比較し、大きければS34に進み、そうでなければS35に進む。
【0037】
S33では、VとIを過渡増加、T=50[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S34では、VとIを過渡増加、T=40[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S35では、VとIを過渡増加、T=30[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
【0038】
S40では、ΔWが−W1よりも小さいか比較し、小さければS41に進み、そうでなければS51に進む。
S41では、Tが50[℃]よりも大きいか比較し、大きければS43に進み、そうでなければS42に進む。
S42では、Tが40[℃]よりも大きいか比較し、大きければS44に進み、そうでなければS45に進む。
【0039】
S43では、VとIを過渡減少、T=50[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S44では、VとIを過渡減少、T=40[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S45では、VとIを過渡減少、T=30[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
【0040】
S51では、Tが50[℃]よりも大きいか比較し、大きければS53に進み、そうでなければS52に進む。
S52では、Tが40[℃]よりも大きいか比較し、大きければS54に進み、そうでなければS55に進む。
【0041】
S53では、VとIを定常、T=50[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S54では、VとIを定常、T=40[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S55では、VとIを定常、T=30[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
【0042】
S33、S34、S35、S43、S44、S45、S53、S54、S55のそれぞれのステップで配列変数に保存されたVとIのデータは、そのデータを用いてI−Vカーブを更新するまで保存される。
【0043】
S30、S40で比較された所定値W1は、図11(a)に示すように、すべてのΔWを過渡減少、過渡増加、定常の3種類に分類しているが、定常とも過渡とも判断しにくい中間部分はI−Vカーブを正確に更新できない可能性がある。このため、図11(b)のように、定常とも過渡とも判断しにくい中間部分の値をI−Vカーブの更新に使用しない領域を設けてもよい。
【0044】
S60では、WをW‘に代入して目標発電量の前回値として保存する。図3のS100に進む。
【0045】
S100では、I−Vカーブを更新するかしないかを判断する。例えば過去制御周期100回分のI、Vのデータが取得できたら更新を実行するとしてもよい。あるいは、9種類の保存データのうち、それぞれが独立に所定数のデータが集まったらそのI−Vカーブのみを更新するとしてもよい。更新する場合はS110に進み、更新しない場合はS130に進む。
【0046】
S110では、更新前のI−Vカーブに温度と目標発電量変化率が該当する図2で保存したI、Vのデータをプロットする。たとえば過渡減少、T=50[℃]の時に保存したI−Vのデータを更新前のI−Vカーブにプロットすると図7のようになる。S120に進む。
【0047】
S120では、S110でプロットした保存データよりI−Vカーブを更新する。更新前のI−Vカーブは図8のように複数の電流と電圧の点データで構成されている。よってI−Vカーブの更新方法は例えば図9のように、ある電流のときの保存データと更新前の電圧データに所定の重みをつけて更新後のデータを算出してもよい。
【0048】
ある電流値のときの更新前のI−Vカーブの電圧をVold 、保存データの電圧をVsave、更新後のI−Vカーブの電圧をVnew 、Vold に対する重みをα、Vsaveに対する重みをβ、重みに対する条件をα+β=1とすると、更新後のI−Vカーブの電圧は次の式(1)で求められる。
【0049】
【数1】
Vnew =α×Vold +(1−α)×Vsave …(1)
以上の更新方法で電流電圧特性記憶手段13に記憶したI−Vカーブを更新すると、図10のように実験により得られた電圧電流データから現在の燃料電池に対応するI−Vカーブが得られる。更新前のI−Vカーブと保存データを用いて更新後のI−Vカーブを算出する方法は前述の方法以外の方法で算出してもよい。I−Vカーブの更新後、S130に進む。
【0050】
このように燃料電池の運転中に、時々刻々と出力電圧と出力電流と温度の検出値を所定数記録し、その複数の検出値を用いて、電流電圧特性記憶手段13に記憶した、運転温度や目標発電量変化率に応じた複数のI−Vカーブを更新するため、常に最新のI−Vカーブを取得でき、燃料電池の性能が劣化した場合や、運転条件が変わった場合でも、適切な目標酸化剤流量を算出することができるという効果がある。
【0051】
S130では、S10で検出したW、Tと、S120で更新したI−Vカーブを用いてWを取り出したときの推定出力電流を推定する。例えばT=50[℃]、W=40[kW]とすると推定出力電流は図12のように算出される。I−VカーブにWの等電力曲線(V×Iが一定の曲線)をプロットし、等電力曲線と過渡減少時用I−Vカーブ、定常時用I−Vカーブ、過渡増加時用I−Vカーブと交差する点の電流値がそれぞれ過渡減少時用推定出力電流、定常時用推定出力電流、過渡増加時用推定出力電流となる。S140に進む。
【0052】
本実施形態によれば、燃料電池の状態に応じた適切なI−Vカーブ(電流電圧特性曲線)を用いて目標酸化剤流量を算出するので、燃料電池の状態が変化しても適切な酸化剤流量で酸化剤を燃料電池に供給することによって安定した発電が可能となり、酸化剤不足や酸化剤過剰による酸化剤供給手段の消費電力の無駄を防ぐことができるという効果がある。
【0053】
S140では、S130で推定した推定出力電流から必要酸素量を算出する。
【0054】
燃料電池本体1では以下の電気化学反応が起こり電流が発生する。
【0055】
【化1】
[燃料極] H2 → 2H+ +2e−
[空気極] 2H+ +2e− +1/2O2 → H2O
酸素量1[mol/s]から取り出せる電流値は、4×96500[A]なので、推定出力電流をI[A]とすると必要酸素量O2in[mol/s]は、式(2)となる。
【0056】
【数2】
O2in=I/(4×96500) [mol/s] …(2)
ただし、この必要酸素量は1セル当たりの量なので、燃料電池のセル枚数によって変化し、例えば200セルの場合は必要酸素量は上記の200倍となる。S150に進む。
【0057】
S150では、S140で算出した必要酸素量[mol/s]とあらかじめ定められたストイキ比と空気中の酸素濃度[%](本実施形態では固定値、例えば20%)から目標空気流量[l/s]を算出する。
【0058】
必要酸素流量[l/s]は、必要酸素量[mol/s]と、図示しない大気圧力センサ、温度センサの検出値である圧力[atm]と温度[K]を用いて次の式(3)によって算出される。ここで、R[atm・l/mol・K]は気体定数とする。
【0059】
【数3】
必要酸素流量[l/s]
=必要酸素量[mol/s]×R[atm・l/mol・K]×温度[K]/圧力[atm] …(3)
次いで、空気中の酸素濃度[%]より必要酸素流量[l/s]から必要空気流量[l/s]を式(4)で算出し、ストイキ比を乗じることにより目標空気流量[l/s]を次の式(5)によって算出し、S160に進む。
【0060】
【数4】
必要空気流量[l/s]=必要酸素流量[l/s]×100/酸素濃度[%] …(4)
目標空気流量[l/s]=必要空気流量[l/s]×ストイキ比 …(5)
S160では、S150で算出した目標空気流量[l/s]を実現するブロワの目標回転速度[Hz]を図13のブロワ3の特性より算出する。
【0061】
目標回転速度[Hz]が算出されたら制御装置2はブロワ3に目標回転速度[Hz]を出力し、ブロワ3は目標回転速度と一致するようにブロワの回転速度を制御する。
【0062】
以上の処理の繰り返しにより、制御装置2は負荷と温度に応じた最新の燃料電池の状態より更新するI−Vカーブを用いて推定電流を推定し、その推定電流を用いて電力を取り出す前にブロワ3の目標回転速度を算出するため、燃料電池本体1の性能が劣化したり、運転温度や負荷電力が変動したときでも、発電に必要な適切な酸素量を燃料電池本体1に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの一実施形態の構成を説明する構成図である。
【図2】実施形態における制御装置の動作を説明するフローチャート(前半)である。
【図3】実施形態における制御装置の動作を説明するフローチャート(後半)である。
【図4】初期状態のI−Vカーブ(T=30[℃])を示す図である。
【図5】初期状態のI−Vカーブ(T=40[℃])を示す図である。
【図6】初期状態のI−Vカーブ(T=50[℃])を示す図である。
【図7】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順1を説明する図である。
【図8】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順2を説明する図である。
【図9】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順3を説明する図である。
【図10】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順4を説明する図である。
【図11】燃料電池の発電量変化率が定常か、過渡減少か、過渡増加かを判定するための目標発電量変化率判断閾値を説明する図である。
【図12】I−Vカーブより出力電流を推定する方法を説明する図である。
【図13】目標空気流量と目標回転速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料電池本体
2…制御装置
3…ブロワ
5…電圧計
6…電流計
7…温度計
8…負荷装置
11…目標発電量算出手段
12…電流電圧特性更新手段
13…電圧電流特性記憶手段
14…目標酸化剤流量算出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池の過渡時にも適切な反応ガス量を供給することができる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池本体は、燃料極(水素極、アノード)に水素ガスを、酸化剤極(空気極、カソード)に空気を供給して、酸化剤極に供給する空気中の酸素と燃料極の水素とを電気化学的に反応させて発電する。車両用燃料電池本体として固体高分子タイプのものが知られている。燃料極と酸化剤極の間に膜状の固体高分子があり、これは水素イオン伝導体として機能する。この種の燃料電池は、燃料極で水素ガスを水素イオンと電子にする反応が起き、酸化剤極で酸素ガスと水素イオンと電子から水を生成する反応が行われる。このとき水素イオンは固体高分子膜を酸化剤極に向かって移動する。
【0003】
固体高分子上を水素イオンが移動するためには、固体高分子膜が水分を含んでいる必要がある。このため固体高分子を加湿して湿らせておく必要があり、燃料電池へ供給する水素ガスを加湿装置で加湿して燃料極に供給するようにする方法が知られている。また加湿に有効な方法として、燃料電池本体で未使用の水素ガスを燃料電池本体へ再循環して再利用する水素循環形式が用いられる。燃料電池本体外部に接続した負荷で消費する電力に要する水素量より幾分多めの水素を燃料極へ供給し、未使用の水素を燃料極出口から排出し、この排水素(循環水素と記す)を再度、燃料極入り口へ戻して再利用する。循環水素は水蒸気を多く含んでいるため、水蒸気を多く含んだ循環水素と水素タンクからの乾燥している水素を混合して燃料極へ供給するようにして、燃料極へ供給する水素を加湿するようにしている。
【0004】
燃料電池の燃料極入口を通過する水素流量は、発電に必要な水素量に加えて、循環する水素量が余分に通過する。このように発電に必要な水素量よりも余分な水素量を燃料極に供給することにより、燃料電池の全てのセルでの発電を高率的に行わせるようにする効果がある。発電に使用する水素量のみだけを供給すると、燃料極出口付近のセルに効率的に水素が到達しなくなり発電効率が落ちる。同様のことが燃料電池の酸化剤極についても言えるので、発電に必要な酸素量のみを供給するのではなく、少し余分に酸素を供給するようにしている。これを原料ストイキ比と通常呼んでいる、発電にしようする水素または酸素のみを供給するとストイキ比は1であるが、通常は上記理由により1以上である。
【0005】
負荷が変動して上昇した場合には、比較的応答速度の速い負荷装置は、数ミリ秒程度の時間内で制御の切換を完了する。しかし、比較的応答速度の遅い燃料電池は、制御信号の切換に対する応答が、負荷装置に比べてかなり遅れ、両者の応答時間に時間差を生じてしまう。なぜなら、燃料電池は、空気および水素ガスならびに反応空気の配管中においてガス移動(物質移動)を含み、さらに、出力電圧Vの特性を決定する燃料電池の温度Tも負荷上昇にともなって瞬時に上昇できずに、時間遅れをもって上昇するからである。
【0006】
したがって、燃料電池の出力電力の制御の応答遅れにより、燃料電池の出力特性は低下してしまう。すなわち、燃料電池の温度の上昇が遅れてしまい、負荷増加の発生直後において出力電圧Vが十分に得られないことから、負荷装置で要求される出力電力を供給するためには、出力電流のみが増大されることになる。このように、必要な出力電力を満たすように出力電力を上昇させるためには、燃料電池の出力電流を増加させる必要があるので、燃料電池に供給する燃料ガスおよび反応空気の流量を、増大後の目標流量(例えば、あらかじめマップデータ等により設定された固定値)以上に設定しなければならない。
【0007】
このような出力電力増加時の過渡的な反応ガス供給に関しては、例えば、特許文献1に記載された燃料電池発電装置が知られている。この装置によれば、外部負荷の増加に応じて増加開始から所定時間にわたって、燃料ガスの供給流量を規定流量よりも所定量だけ多く補正する補正流量を算出し、出力電力の増大に応じて減少するように補正流量と所定量を設定している。また出力電圧の低下を補償するように電圧偏差および出力電流に基づいて流量を設定している。
【0008】
運転時間の経過に応じて燃料電池の予測出力電圧を演算し予測出力電圧に基づいて規定電圧を自動的に補正する。以上の手段により負荷が増加した際にガス流量を増加させるとともに、あらかじめ定められた所定の経年劣化が及ぼす出力電圧低下に応じて流量制御することにより負荷変動時や定常運転時の燃料ガスおよび反応空気を十分に供給することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−147893号公報(第5頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら燃料電池は、水素と酸素とが供給されて発電をするものであるため、負荷が増加し出力電流が増加してから酸素の供給量を増加すると、負荷が増加した直後は、負荷に対して必要な酸素量が供給されずに出力電圧が低下してしまう。
【0011】
よって取出し負荷が変動する前に目標発電量に応じて供給する酸素量を決定する必要がある。酸素量と電流は比例するので、目標発電量を取り出すときに出力されると推定される推定電流値を予め算出し、その推定電流値から酸素量を算出して燃料電池に供給すれば、電力を取り出した際に適切な酸素量が供給されることになる。
【0012】
目標発電量から当該電力を取り出したときの出力電流を推定するためには、燃料電池の電流電圧特性曲線(I−Vカーブ)が必要となる。
【0013】
しかしながら、燃料電池の特性は日々、温度、湿度、圧力、膜の状態、運転時間などによって変化するとともに、経年変化があるので、所定のI−Vカーブを用いて目標発電量から算出した推定電流値は、実際の取出し電流値と異なる可能性がある。
【0014】
従って、推定電流値を用いて算出した酸素量をカソードに供給すると、推定電流値と取出し電流値の誤差から負荷電力に対して過剰の酸素を供給したり酸素が不足したりする可能性があるという問題点があった。
【0015】
また負荷変動時のI−Vカーブは、酸素供給遅れなどの要因により一時的に定常時のI−Vカーブから外れるため、負荷変動時に定常状態の所定のI−Vカーブを用いると供給する酸素量が適切でなくなってしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤の供給を受けて直流電力を発電する燃料電池本体と、前記燃料電池本体に目標酸化剤流量で前記酸化剤を供給するように制御する酸化剤流量制御手段と、前記燃料電池本体の出力電流を検出する出力電流検出手段と、前記燃料電池本体の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、前記酸化剤流量制御手段に前記目標酸化剤流量を出力する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記燃料電池本体の目標発電量を算出する目標発電量算出手段と、前記出力電流と前記出力電圧と前記目標発電量とに基づいて前記目標酸化剤流量を算出する目標酸化剤流量算出手段と、前記燃料電池本体の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する電流電圧特性記憶手段と、を備え、前記目標酸化剤流量算出手段は、燃料電池の状態に応じて前記電流電圧特性記憶手段に記憶された電流電圧特性曲線を選択し、選択した電流電圧特性曲線を用いて前記目標酸化剤流量を算出することを要旨とする。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の状態に応じた適切な電流電圧特性曲線を用いて目標酸化剤流量を算出するので、燃料電池の状態が変化しても適切な酸化剤流量で酸化剤を燃料電池に供給することによって安定した発電が可能となり、酸化剤不足や酸化剤過剰による酸化剤供給手段の消費電力の無駄を防ぐことができるという効果がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態の構成を説明する構成図である。同図において、燃料電池システムは、燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤の供給を受けて直流電力を発電する燃料電池本体(単に燃料電池とも記す)1と、燃料電池本体1に目標酸化剤流量で酸化剤を供給する酸化剤供給手段であるブロワ3と、燃料電池本体1の出力電圧を検出する電圧計5と、燃料電池本体1の出力電流を検出する電流計6と、燃料電池本体1の運転温度を検出する温度計7と、燃料電池本体1から電力が供給される負荷装置8と、ブロワ3が前記目標酸化剤流量を供給するするように制御する制御装置2と、を備えている。
【0019】
制御装置2は、燃料電池本体1の目標発電量を算出する目標発電量算出手段11と、燃料電池本体1の出力電流と出力電圧と目標発電量とに基づいて目標酸化剤流量を算出する目標酸化剤流量算出手段14と、燃料電池本体1の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する電流電圧特性記憶手段13と、燃料電池の運転中に出力電圧と出力電流と運転温度との所定数の検出値を用いて、電流電圧特性曲線を更新する電流電圧特性更新手段12と、を備えている。
【0020】
さらに、目標酸化剤流量算出手段14は、燃料電池の状態に応じて電流電圧特性記憶手段13に記憶された電流電圧特性曲線を選択し、選択した電流電圧特性曲線を用いて目標酸化剤流量を算出する。
【0021】
燃料電池システムには、上記構成要素以外に、燃料電池本体1へ燃料ガスである水素ガスを供給する燃料供給系と、燃料電池本体1の運転温度を適温に保持する冷却液循環系が設けられているが、これらは本発明の主題ではないので図示を省略している。
【0022】
燃料電池1には、発電した電力を消費する負荷装置8を接続しており、本実施形態では負荷として、インバータを接続し、ここでエネルギー変換して図示しない駆動モータへ電力を供給するようにしている。燃料電池システムを車両に適用した場合には、駆動モータは車両走行の動力として使う。
【0023】
ブロワ3は制御装置2から目標回転速度を受け取り、ブロワ回転速度が目標回転速度で動作するように制御する。
【0024】
電圧計5は燃料電池1の出力電圧を計測し、制御装置2に出力する。電流計6は燃料電池1から負荷装置8に向かって流れる出力電流を計測し、制御装置2に出力する。温度計7は燃料電池1の運転温度を計測し、制御装置2に出力する。
【0025】
目標発電量算出手段11は、システムが要求している目標発電量を算出し、算出した目標発電量を目標酸化剤流量算出手段14に出力する。
【0026】
制御装置2は、本発明の計算を行う部位であり、CPUとメモリと周辺インターフェースとを有するマイクロコンピュータによって構成される。
【0027】
次に、本実施形態における制御装置2の動作を図2、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
制御装置2は、図2,図3のフローチャートのSTART からEND までを所定の制御周期で繰り返し演算している。
【0029】
制御装置2は目標発電量、出力電圧、出力電流、運転温度を用いてブロワ3の目標回転速度を算出する装置である。制御装置2は図4、図5、図6に示すような初期状態の電流電圧特性曲線(以下、I−Vカーブと略す)をあらかじめ電流電圧特性記憶手段13に記憶している。このI−Vカーブは、各運転温度における燃料電池本体の出力電流に対する出力電圧特性を示す電流電圧特性曲線であり、本実施形態では、温度条件を30、40、50[℃]のときにそれぞれ定常時用I−Vカーブ、過渡減少時用I−Vカーブ、過渡増加時用のI−Vカーブの合計9つのI−Vカーブを記憶している。
【0030】
本実施形態では、燃料電池の運転温度毎のI−Vカーブを電流電圧特性記憶手段13に記憶しているので、運転温度に応じてI−Vカーブを選択しているので、燃料電池起動直後の運転温度が低い状態や、暖機が十分完了して運転温度が上昇した状態であっても最適な目標酸化剤流量を算出することができるという効果がある。
【0031】
また、目標発電量変化率毎のI−Vカーブを電流電圧特性記憶手段13に記憶しているので、目標発電量変化率に応じてI−Vカーブを選択しているので、目標発電量が増加あるいは減少している過渡時や、目標発電量が安定している定常時のそれぞれの場合で最適な目標酸化剤流量を算出することができるという効果がある。
【0032】
温度条件や過渡変動の分類をさらに細かくすると、制御がより細かくなるが本質的な機能は変わらないので適度な量を用いればよい。このI−Vカーブは後述する更新方法によって更新され、電流電圧特性記憶手段13に記憶される。
【0033】
また制御装置2が起動した直後の最初の一回目の制御周期のみはS10とS60のみを実行してENDに進む。
【0034】
S10では、目標発電量算出手段11が算出した目標発電量(以下W)を取得する。燃料電池システムを車両に適用した場合には、目標発電量算出手段11はドライバのアクセル開度、車両速度、車両重量などから目標発電量を計算する。また電圧計5から燃料電池の出力電圧(以下V)を、電流計6から燃料電池の出力電流(以下I)を、温度計7から燃料電池の運転温度(以下T)をそれぞれ検出して読み込み、S20に進む。
【0035】
S20では、Wを目標発電量の前回値(以下W‘)と比較することにより、目標発電量変化率(以下ΔW)を算出して、S30に進む。ここで、目標発電量変化率を算出する方法は、前回値のみでなく前々回値などの過去複数に渡る値を用いて求めるなどでもよい。
【0036】
S30では、ΔWが所定の発電量変化率W1よりも大きいか比較し、大きければS31に進み、そうでなければS40に進む。
S31では、Tが50[℃]よりも大きいか比較し、大きければS33に進み、そうでなければS32に進む。
S32では、Tが40[℃]よりも大きいか比較し、大きければS34に進み、そうでなければS35に進む。
【0037】
S33では、VとIを過渡増加、T=50[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S34では、VとIを過渡増加、T=40[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S35では、VとIを過渡増加、T=30[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
【0038】
S40では、ΔWが−W1よりも小さいか比較し、小さければS41に進み、そうでなければS51に進む。
S41では、Tが50[℃]よりも大きいか比較し、大きければS43に進み、そうでなければS42に進む。
S42では、Tが40[℃]よりも大きいか比較し、大きければS44に進み、そうでなければS45に進む。
【0039】
S43では、VとIを過渡減少、T=50[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S44では、VとIを過渡減少、T=40[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S45では、VとIを過渡減少、T=30[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
【0040】
S51では、Tが50[℃]よりも大きいか比較し、大きければS53に進み、そうでなければS52に進む。
S52では、Tが40[℃]よりも大きいか比較し、大きければS54に進み、そうでなければS55に進む。
【0041】
S53では、VとIを定常、T=50[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S54では、VとIを定常、T=40[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
S55では、VとIを定常、T=30[℃]のときのデータとして、配列変数に保存し、S60に進む。
【0042】
S33、S34、S35、S43、S44、S45、S53、S54、S55のそれぞれのステップで配列変数に保存されたVとIのデータは、そのデータを用いてI−Vカーブを更新するまで保存される。
【0043】
S30、S40で比較された所定値W1は、図11(a)に示すように、すべてのΔWを過渡減少、過渡増加、定常の3種類に分類しているが、定常とも過渡とも判断しにくい中間部分はI−Vカーブを正確に更新できない可能性がある。このため、図11(b)のように、定常とも過渡とも判断しにくい中間部分の値をI−Vカーブの更新に使用しない領域を設けてもよい。
【0044】
S60では、WをW‘に代入して目標発電量の前回値として保存する。図3のS100に進む。
【0045】
S100では、I−Vカーブを更新するかしないかを判断する。例えば過去制御周期100回分のI、Vのデータが取得できたら更新を実行するとしてもよい。あるいは、9種類の保存データのうち、それぞれが独立に所定数のデータが集まったらそのI−Vカーブのみを更新するとしてもよい。更新する場合はS110に進み、更新しない場合はS130に進む。
【0046】
S110では、更新前のI−Vカーブに温度と目標発電量変化率が該当する図2で保存したI、Vのデータをプロットする。たとえば過渡減少、T=50[℃]の時に保存したI−Vのデータを更新前のI−Vカーブにプロットすると図7のようになる。S120に進む。
【0047】
S120では、S110でプロットした保存データよりI−Vカーブを更新する。更新前のI−Vカーブは図8のように複数の電流と電圧の点データで構成されている。よってI−Vカーブの更新方法は例えば図9のように、ある電流のときの保存データと更新前の電圧データに所定の重みをつけて更新後のデータを算出してもよい。
【0048】
ある電流値のときの更新前のI−Vカーブの電圧をVold 、保存データの電圧をVsave、更新後のI−Vカーブの電圧をVnew 、Vold に対する重みをα、Vsaveに対する重みをβ、重みに対する条件をα+β=1とすると、更新後のI−Vカーブの電圧は次の式(1)で求められる。
【0049】
【数1】
Vnew =α×Vold +(1−α)×Vsave …(1)
以上の更新方法で電流電圧特性記憶手段13に記憶したI−Vカーブを更新すると、図10のように実験により得られた電圧電流データから現在の燃料電池に対応するI−Vカーブが得られる。更新前のI−Vカーブと保存データを用いて更新後のI−Vカーブを算出する方法は前述の方法以外の方法で算出してもよい。I−Vカーブの更新後、S130に進む。
【0050】
このように燃料電池の運転中に、時々刻々と出力電圧と出力電流と温度の検出値を所定数記録し、その複数の検出値を用いて、電流電圧特性記憶手段13に記憶した、運転温度や目標発電量変化率に応じた複数のI−Vカーブを更新するため、常に最新のI−Vカーブを取得でき、燃料電池の性能が劣化した場合や、運転条件が変わった場合でも、適切な目標酸化剤流量を算出することができるという効果がある。
【0051】
S130では、S10で検出したW、Tと、S120で更新したI−Vカーブを用いてWを取り出したときの推定出力電流を推定する。例えばT=50[℃]、W=40[kW]とすると推定出力電流は図12のように算出される。I−VカーブにWの等電力曲線(V×Iが一定の曲線)をプロットし、等電力曲線と過渡減少時用I−Vカーブ、定常時用I−Vカーブ、過渡増加時用I−Vカーブと交差する点の電流値がそれぞれ過渡減少時用推定出力電流、定常時用推定出力電流、過渡増加時用推定出力電流となる。S140に進む。
【0052】
本実施形態によれば、燃料電池の状態に応じた適切なI−Vカーブ(電流電圧特性曲線)を用いて目標酸化剤流量を算出するので、燃料電池の状態が変化しても適切な酸化剤流量で酸化剤を燃料電池に供給することによって安定した発電が可能となり、酸化剤不足や酸化剤過剰による酸化剤供給手段の消費電力の無駄を防ぐことができるという効果がある。
【0053】
S140では、S130で推定した推定出力電流から必要酸素量を算出する。
【0054】
燃料電池本体1では以下の電気化学反応が起こり電流が発生する。
【0055】
【化1】
[燃料極] H2 → 2H+ +2e−
[空気極] 2H+ +2e− +1/2O2 → H2O
酸素量1[mol/s]から取り出せる電流値は、4×96500[A]なので、推定出力電流をI[A]とすると必要酸素量O2in[mol/s]は、式(2)となる。
【0056】
【数2】
O2in=I/(4×96500) [mol/s] …(2)
ただし、この必要酸素量は1セル当たりの量なので、燃料電池のセル枚数によって変化し、例えば200セルの場合は必要酸素量は上記の200倍となる。S150に進む。
【0057】
S150では、S140で算出した必要酸素量[mol/s]とあらかじめ定められたストイキ比と空気中の酸素濃度[%](本実施形態では固定値、例えば20%)から目標空気流量[l/s]を算出する。
【0058】
必要酸素流量[l/s]は、必要酸素量[mol/s]と、図示しない大気圧力センサ、温度センサの検出値である圧力[atm]と温度[K]を用いて次の式(3)によって算出される。ここで、R[atm・l/mol・K]は気体定数とする。
【0059】
【数3】
必要酸素流量[l/s]
=必要酸素量[mol/s]×R[atm・l/mol・K]×温度[K]/圧力[atm] …(3)
次いで、空気中の酸素濃度[%]より必要酸素流量[l/s]から必要空気流量[l/s]を式(4)で算出し、ストイキ比を乗じることにより目標空気流量[l/s]を次の式(5)によって算出し、S160に進む。
【0060】
【数4】
必要空気流量[l/s]=必要酸素流量[l/s]×100/酸素濃度[%] …(4)
目標空気流量[l/s]=必要空気流量[l/s]×ストイキ比 …(5)
S160では、S150で算出した目標空気流量[l/s]を実現するブロワの目標回転速度[Hz]を図13のブロワ3の特性より算出する。
【0061】
目標回転速度[Hz]が算出されたら制御装置2はブロワ3に目標回転速度[Hz]を出力し、ブロワ3は目標回転速度と一致するようにブロワの回転速度を制御する。
【0062】
以上の処理の繰り返しにより、制御装置2は負荷と温度に応じた最新の燃料電池の状態より更新するI−Vカーブを用いて推定電流を推定し、その推定電流を用いて電力を取り出す前にブロワ3の目標回転速度を算出するため、燃料電池本体1の性能が劣化したり、運転温度や負荷電力が変動したときでも、発電に必要な適切な酸素量を燃料電池本体1に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの一実施形態の構成を説明する構成図である。
【図2】実施形態における制御装置の動作を説明するフローチャート(前半)である。
【図3】実施形態における制御装置の動作を説明するフローチャート(後半)である。
【図4】初期状態のI−Vカーブ(T=30[℃])を示す図である。
【図5】初期状態のI−Vカーブ(T=40[℃])を示す図である。
【図6】初期状態のI−Vカーブ(T=50[℃])を示す図である。
【図7】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順1を説明する図である。
【図8】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順2を説明する図である。
【図9】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順3を説明する図である。
【図10】I−Vカーブ更新(過渡減少、T=50[℃])手順4を説明する図である。
【図11】燃料電池の発電量変化率が定常か、過渡減少か、過渡増加かを判定するための目標発電量変化率判断閾値を説明する図である。
【図12】I−Vカーブより出力電流を推定する方法を説明する図である。
【図13】目標空気流量と目標回転速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料電池本体
2…制御装置
3…ブロワ
5…電圧計
6…電流計
7…温度計
8…負荷装置
11…目標発電量算出手段
12…電流電圧特性更新手段
13…電圧電流特性記憶手段
14…目標酸化剤流量算出手段
Claims (4)
- 燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤の供給を受けて直流電力を発電する燃料電池本体と、
前記燃料電池本体に目標酸化剤流量で前記酸化剤を供給するように制御する酸化剤流量制御手段と、
前記燃料電池本体の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記燃料電池本体の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
前記酸化剤流量制御手段に前記目標酸化剤流量を出力する制御装置と、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、
前記燃料電池本体の目標発電量を算出する目標発電量算出手段と、
前記出力電流と前記出力電圧と前記目標発電量とに基づいて前記目標酸化剤流量を算出する目標酸化剤流量算出手段と、
前記燃料電池本体の状態に応じて燃料電池の出力電流に対する出力電圧の特性を示す少なくとも1つ以上の電流電圧特性曲線を記憶する電流電圧特性記憶手段と、を備え、
前記目標酸化剤流量算出手段は、燃料電池の状態に応じて前記電流電圧特性記憶手段に記憶された電流電圧特性曲線を選択し、選択した電流電圧特性曲線を用いて前記目標酸化剤流量を算出することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池の状態は、前記目標発電量変化率であり、
前記電流電圧特性記憶手段は、前記目標発電量変化率毎の電流電圧特性曲線を記憶することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池の運転温度を検出する運転温度検出手段を有し、
前記燃料電池の状態は前記運転温度であり、
前記電流電圧特性記憶手段は、前記運転温度毎の電流電圧特性曲線を記憶することを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料電池システム。 - 前記制御装置は、
前記燃料電池運転中に、前記出力電圧と前記出力電流、あるいは前記出力電圧と前記出力電流と前記運転温度との所定数の検出値を用いて、前記電流電圧特性曲線を更新する電流電圧特性更新手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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