JP2004290462A - アプリケータの最適位置提示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】患部を治療するに際し、生体内に挿入されるアプリケータ4の最適位置を判断し提示することができるアプリケータ4の最適位置提示システム1を提供する。
【解決手段】アプリケータ4の最適位置提示システム1は、患部の診断に使用するグローブ2と、グローブ2に設けられる目印物体3と、生体内に挿入されるアプリケータ4と、アプリケータ4に設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部5と、アプリケータ4に設けられ、目印物体3との距離を検出可能なセンサ6と、グローブ2を用いた診断により目印物体3が患部付近に配置された状態で、センサ6と目印物体3との距離に基づいて、アプリケータ4の最適位置を判断する制御装置7と、制御装置7による判断結果を表示する表示装置8とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】アプリケータ4の最適位置提示システム1は、患部の診断に使用するグローブ2と、グローブ2に設けられる目印物体3と、生体内に挿入されるアプリケータ4と、アプリケータ4に設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部5と、アプリケータ4に設けられ、目印物体3との距離を検出可能なセンサ6と、グローブ2を用いた診断により目印物体3が患部付近に配置された状態で、センサ6と目印物体3との距離に基づいて、アプリケータ4の最適位置を判断する制御装置7と、制御装置7による判断結果を表示する表示装置8とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患部を治療するに際し、生体内に挿入されるアプリケータの最適位置を判断し提示することができるアプリケータの最適位置提示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内の腫瘍や肥大症等の疾患の治療方法として、患部にエネルギーを加えて細胞を凝固壊死等させる方法が知られている。エネルギーを加える手段としては、たとえば、レーザ加熱により、患部を加熱するアプリケータがある。
【0003】
ここで、患部以外をレーザ加熱してしまうと、健全な部位まで損傷されてしまう。また、患部に適当にレーザ加熱されない場合には、充分な治療効果を得られないことがある。したがって、治療において、アプリケータの位置決めは、きわめて重要であり、慎重に行われなくてはならない。
【0004】
アプリケータの位置決めのために、従来から種々の技術が提案されている。
【0005】
従来技術(1)
アプリケータと共に超音波送受信部を設けたプローブを、体腔に挿入する技術がある。このプローブでは、体腔内で超音波を送受信することにより、体内の断面像を形成できる。したがって、医師等の使用者は、体内の断面像を観察しながら、アプリケータを位置決めできる(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
従来技術(2)
位置決めのために、アプリケータと共に内視鏡を内蔵したプローブを、体腔に挿入する技術がある。使用者は、プローブに設けられた開口から内視鏡により生体内表面を観察しながら、アプリケータを位置決めできる(たとえば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−271235号公報(請求項1、「発明の詳細な説明」の段落「0022」、段落「0024」〜「0026」等)
【特許文献2】
特開平11−318928号公報(発明の詳細な説明)の段落「0007」、段落「0011」、段落「0013」、第4図等)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術(1)〜(3)では、次のような問題点がある。
【0009】
従来技術(1)の問題点
上記プローブでは、超音波送受信部で送受信した超音波を解析して、エコー像などの画像を作成できる画像作成装置が必要となる。画像作成装置の導入は、治療システムを高コストなものとしてしまう。
【0010】
従来技術(2)の問題点
アプリケータの他に、内視鏡が内蔵されているため、ケース内に内視鏡用の通路を設ける必要等があり、構造が複雑化し、プローブ外径が大きくなる。プローブ外径の増大は、該プローブが体内に挿入される患者の負担の増大にもつながり、好ましくない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像作成装置を必要とせずに治療システムを簡易化でき、患者の負担を低減し、アプリケータの最適位置への容易な位置決めを可能とするアプリケータの最適位置提示システムの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0013】
(1)患部の診断に使用する診断用具と、前記診断用具に設けられる目印物体と、生体内に挿入されるアプリケータと、前記アプリケータに設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部と、前記アプリケータに設けられ、前記目印物体との距離を検出可能なセンサと、前記診断用具を用いた診断により前記目印物体が前記患部付近に配置された状態で、前記センサと前記目印物体との距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を提示する提示手段と、を有するアプリケータの最適位置提示システム。
【0014】
(2)前記センサは、超音波センサまたは磁気センサであり、単一個または複数個設けられている。
【0015】
(3)前記超音波センサは、超音波発振子の役割も果たし、前記目印物体は、生体と異なる音響インピーダンスを有する超音波反射体である。
【0016】
(4)前記アプリケータは、円筒状に形成され、前記超音波センサは、円筒の外周に沿って設けられ、前記アプリケータが軸を中心に回転しても、複数方向から超音波を受信可能である。
【0017】
(5)前記センサが単一個設けられており、前記判断手段は、前記目印物体に前記センサが最も接近した位置を、前記アプリケータの最適位置と判断する。
【0018】
(6)前記センサが、前記アプリケータの挿入方向に一直線に並ぶように2つ設けられ、前記判断手段は、前記各センサと目印物体との距離が等しくなった位置を、前記アプリケータの最適位置と判断する。
【0019】
(7)前記提示手段は、画像および音声の少なくとも一方により、前記判断手段による判断結果を提示する。
【0020】
(8)前記判断手段は、前記アプリケータの最適位置と判断したときの前記センサと前記目印物体との距離を記憶し、治療中に前記センサにより検出される前記目印物体との距離の誤差が所定値以上となった場合に、位置ズレと判断し、前記提示手段は、前記判断手段が位置ズレと判断したら、位置ズレの警告を画像または音声の少なくとも一方により提示する。
【0021】
(9)前記エネルギー供給部は、電磁波、音波、電流のいずれかのエネルギーを生体に供給する。
【0022】
(10)前記目印物体は、滅菌可能であり、前記診断用具に搭載して生体内に導入可能である。
【0023】
(11)前記アプリケータは、前立腺疾患治療のために尿道に挿入される挿入部を有し、前記エネルギー供給部は該挿入部に設けられ、前記診断用具は、直腸から患部を触診するために用いられる手袋であり、前記目印物体は、触診により前記患部付近に配置されるものである。
【0024】
(12)前記目印物体は、前記手袋を用いた触診に影響を与えない形状および大きさに形成されている。
【0025】
(13)生体内に挿入されるアプリケータと、前記アプリケータに設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部と、前記アプリケータに設けられる目印物体と、患部の診断に使用する診断用具と、前記診断用具に設けられ、前記目印物体との距離を検出可能なセンサと、前記診断用具を用いた診断により前記目印物体が前記患部付近に配置された状態で、前記目印物体と前記センサとの距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を提示する提示手段と、を有するアプリケータの最適位置提示システム。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、アプリケータの最適位置提示システムの概略構成図である。なお、図1に示す各構成は、説明の容易のために、形状を簡略化し、大きさ等も見やすいように変更して表現されている。
【0028】
図1に示すように、アプリケータの最適位置提示システム1(以下、単にシステム1と称する)は、患者の患部の診断に使用するグローブ2(診断用具)と、グローブ2に設けられる目印物体3と、治療のために生体内に挿入されるアプリケータ4と、アプリケータ4に設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部5と、エネルギー供給部5に略隣接してアプリケータ4に設けられ、目印物体3との距離を検出可能なセンサ6と、グローブ2を用いた診断により目印物体3が患部付近に配置された状態で、センサ6と目印物体3との距離に基づいて、アプリケータ4の最適位置を判断する制御装置7(判断手段)と、制御装置7による判断結果を表示する表示装置8(提示手段)と、を有する。
【0029】
グローブ2は、手先の微妙な感覚を損なわないように薄く、かつ治療中に破損しないように丈夫に形成されている。材料としては、たとえば、天然ゴムラテックスが用いられる。グローブ2は、感染症の防止のために、滅菌処理されている。
【0030】
目印物体3も、同様に滅菌処理されている。目印物体3は、センサ6により検出可能なものであればよい。たとえば、センサ6が、超音波センサ6である場合には、目印物体3は、金属片のような超音波反射体により形成される。超音波反射体とは、生体とは異なる音響インピーダンスを有する物体であり、金属片の他にも、空気等でもよい。目印物体3に空気を用いる場合には、空気を小さな風船に詰めて、グローブ2に取り付ける。
【0031】
目印物体3の取り付け位置は、グローブ2の指先が好ましい。目印物体3を指先に設けることにより、使用者が触診により患部を確認した姿勢のままで、その略中心に目印物体3を配置することができる。目印物体3は、触診の際に使用者の指先の感覚を損なわせないように、小型に薄く形成されている。角がない略丸型に形成されることが好ましい。
【0032】
アプリケータ4は先端側に、細く長尺状に形成されて、基端側が保持しやすい形状の挿入部43を有する。挿入部43は、エネルギー供給部5が内蔵され、エネルギーを生体に向けて放射するための窓部41が設けられている。エネルギー供給部5は、挿入部43内部に沿って延びるエネルギー経路42を介して、エネルギー発生装置9に接続されている。エネルギー発生装置9は、使用者による治療開始の指示に従って、エネルギーを発生する。ここで、エネルギー発生装置9により発生されるエネルギーは、レーザ光やマイクロ波、高周波等の電磁波であり、エネルギー供給部5から患部に供給されて、加熱治療される。
【0033】
エネルギー供給部5近傍には、2つのセンサ6が設けられている。センサ6は、挿入部43の長さ方向に並んで、エネルギー供給部5の中心から等間隔の位置に配置されている。センサ6は、グローブ2に設けられた目印物体3の検出のために、挿入部43外面に設けられることが望ましい。センサ6は、挿入部43内部に延びる図示しない信号線を介して、制御装置7に接続されている。制御装置7にはさらに表示装置8が接続されている。制御装置7には、所定の情報を記憶する記憶部70が設けられている。
【0034】
次に、図2〜図4を参照して、上記システム1が使用者によりどのように治療に使用されるかについて説明する。以下では、前立腺肥大症の治療を行う場合について説明する。
【0035】
図2は使用者が患部を特定する動作の流れを示すフローチャート、図3は使用者がアプリケータ4の最適位置を確認する動作の流れを示すフローチャート、図4は使用者が患部を治療する様子を示す図である。
【0036】
まず、使用者は、治療に備えて、上記目印物体3が設けられたグローブ2を着用する(ステップS11)。そして、目印物体3が設けられた指(たとえば、中指)を、生理食塩水や水で充填した直腸に挿入し、患部の触診を開始する(ステップS12)。ここで、前立腺肥大の場合、球状の前立腺の最も膨らんでいる部分が患部の中心である。
【0037】
使用者は、触診によって前立腺の最も膨らんでいる部分を患部として特定し(ステップS13)、特定した患部の位置に、目印物体3を配置する(ステップS14)。ここで、使用者は、目印物体3を患部側の直腸壁に密着させる。超音波の伝搬を容易ならしめるためである。使用者の触診によるので、前立腺の最も膨らんでいる部分は、容易に特定できる。
【0038】
使用者は、直腸に中指を挿入し、患部に目印物体3を配置したままの状態で、生体内にアプリケータ4の挿入部43を挿入する(ステップS21)。ここでは、前立腺肥大症の治療であるので、尿道にアプリケータ4を挿入する。
【0039】
使用者は、表示装置8の表示に従って、アプリケータ4を操作し、位置合わせする(ステップS22)。使用者は、最適位置と表示されたかどうかを判断する(ステップS23)。最適位置と判断しない場合(ステップS23:NO)には、位置合わせを続行する。最適位置と表示されたら(ステップS23:YES)、その位置でアプリケータ4を固定し、患部の治療を開始する(ステップS24)。ここで、治療の開始とは、具体的には、エネルギー発生装置9のスイッチをONにし、システム1にエネルギー供給を指示することである。図4に示すように、前立腺は、尿道を囲んでいる。前立腺肥大部分を治療するためには、アプリケータ4を任意の角度ずつ回転させて、エネルギーを前立腺肥大部分に供給する。
【0040】
次に、図5〜図9を参照して、上記システム1の作用について説明する。
【0041】
図5はシステム1がアプリケータの最適位置を判断する流れを示すフローチャート、図6はシステム1が位置ズレを検出する流れを示すフローチャート、図7は2つのセンサ6により目印物体3を検出する様子を示す図、図8はアプリケータが最適位置かどうかを判断する様子を示す図、図9は表示装置8に表示される画面を示す図である。図5に示す手順は、図2および図3に示す、ステップS11〜ステップS21までの動作が完了した後のものである。また、以下では、センサ6は、超音波センサ6であり、目印物体3は、金属片である場合について説明する。
【0042】
システム1は、図7に示すように、センサ6により指向性を持った超音波の発振を開始する(ステップS31)。超音波があたる位置に目印物体3があれば、超音波が反射されるので、センサ6は反射された超音波を受信する(ステップS32)。制御装置7は、センサ6が超音波を発振してから受信するまでの時間を計測し、計測時間に基づいて目印物体3との距離を算出する(ステップS33)。
【0043】
制御装置7は、2つのセンサ6について算出した目印物体3との距離が等しいかどうかを判断する(ステップS34)。等しくない場合(ステップS34:NO)は、ステップS31からの処理を繰り返す。図8に示すように、距離(Da、Db)が等しい場合(ステップS34:YES)は、制御装置7は、アプリケータ4の最適位置であると判断して、最適位置である旨を表示装置8に表示させる(ステップS35)。制御装置7は、アプリケータ4の最適位置、すなわち、最適位置と判断したときのセンサ6と目印物体3との距離を、内蔵の記憶部70に記憶する(ステップS36)。そして、図6に示す工程に進む。
【0044】
制御装置7は、エネルギー供給指示が使用者により入力されたか否かを判断する(ステップS41)。エネルギー供給指示がされるまで(ステップS41:NO)、待機する。指示がされると(ステップS41:YES)、制御装置7は、エネルギーの供給時間のカウントを開始し(ステップS42)、同時に、エネルギー供給部5は、患部へのエネルギー供給を開始する(ステップS43)。
【0045】
また、システム1は、2つのセンサ6により定期的に超音波を発振し(ステップS44)、目印物体3により反射して返って来た超音波をそれぞれ受信する(ステップS45)。制御装置7は、超音波の発振から受信までの時間を計測し、目印物体3との距離を算出する(ステップS46)。さらに、制御装置7は、算出した距離に基づいて、記憶部70に記憶しているアプリケータ4の最適位置からの位置ズレを算出する(ステップS47)。
【0046】
制御装置7は、位置ズレが許容範囲以上か否かを判断する(ステップS48)。許容範囲以内の場合(ステップS48:YES)、制御装置7は、ステップS42から開始したエネルギーの供給時間のカウントを参照して、治療のために必要な時間として設定された供給時間が経過したか否かを判断する(ステップS49)。設定時間が経過していない場合(ステップS49:NO)、エネルギーの供給を続行したままで、ステップS44の処理に戻る。供給時間のカウントで設定時間が経過した場合(ステップS49:YES)、エネルギー供給を停止すると共に(ステップS50)、表示装置8が治療終了の旨を表示し(ステップS51)、患部の治療工程を終了する。
【0047】
一方、アプリケータ4の最適位置からの位置ズレが許容範囲以上である場合(ステップS48:NO)、表示装置8は、警告音を発し、図9に示すように、画面に警告表示を表示する(ステップS52)。警告を受けて、使用者は位置ズレを修正することができる。制御装置7は、位置ズレが生じてから3秒以上経過したか否かを判断し(ステップS53)、3秒間の間にステップS44〜S48の位置ズレの検出を繰り返す(ステップS53:NO)。この間に位置ズレが修正されれば、ステップS48よりステップS49へ進むこととなる。
【0048】
また、位置ズレが生じてから3秒以上経過した場合には(ステップS53:YES)、エネルギー供給部5はエネルギーの供給を中断し(ステップS54)、治療を中断する(ステップS55)。ここで、位置ズレが生じてからの時間は、制御装置7によりステップS48で許容範囲以上の位置ズレと判断されてから計測されているものとする。そして、表示装置8は、治療を中断した旨を表示し(ステップS56)、使用者に知らせ、アプリケータ4が適切な位置に戻され、治療が再開されるまで待機する。
【0049】
次に、上記ステップS34で、2つのセンサ6により検出した目印物体3との距離が等しいときに、アプリケータ4が最適位置であると判断する根拠を、図8を参照して説明する。
【0050】
図8では、目印物体3が配置されている位置に仮想鎖線Vを示している。上述のように、2つのセンサ6は、エネルギー供給部5の中央から等距離に配置されている。すなわち、2つのセンサ6の中央に、エネルギー供給部5の中央が位置する。
【0051】
図中左側のセンサ6をセンサ6a、右側のセンサ6をセンサ6bとする。これらのセンサ6a、bによる超音波の送受信に基づいて算出した目印物体3までの距離を、それぞれ距離Da、距離Dbとする。また、センサ6a、bを結ぶ直線と、仮想鎖線Vとが交わる点を交点Iとする。
【0052】
距離Daと距離Dbが等しくない場合、センサ6a、センサ6b、目印物体3の三点を含む三角形は、二等辺三角形とはならない。したがって、センサ6aから交点Iまでの距離と、センサ6bから交点Iまでの距離とは等しくないので、エネルギー供給部5の中央と、目印物体3とは位置がずれている。
【0053】
一方、距離Daと距離Dbが等しい場合、センサ6a、センサ6b、目印物体3の三点を含む三角形は、二等辺三角形である。したがって、センサ6aから交点Iまでの距離と、センサ6bから交点Iまでの距離とは等しいので、エネルギー供給部5の中央と、目印物体3との位置が一致している。すなわち、エネルギー供給部5の中央と、患部の中心との位置が一致している。この場合、エネルギー供給部5により、患部の中心からその周囲にエネルギーを照射することができ、患部に充分エネルギーを供給できる。
【0054】
以上より、距離Daと距離Dbが等しい場合が、アプリケータ4の最適位置といえる。
【0055】
なお、上記ステップS48において、位置ズレと判断する許容範囲は、位置ズレに伴うエネルギー供給が正常な生体に深刻な悪影響を与えないかどうかという観点から、予め定められている。
【0056】
以上説明してきたように、本実施形態のシステム1によれば、グローブ2に目印物体3が設けられているので、使用者がグローブ2を用いて触診しながら患部の位置を示す目印として目印物体3を配置することができる。この目印物体3との距離をセンサ6により検出できるので、検出した距離に基づいて、アプリケータ4の最適位置を判断できる。判断結果は表示装置8により表示されるので、該表示に従って、使用者は、容易にアプリケータ4を患部に位置合わせできる。
【0057】
また、超音波センサ6は、超音波を発振し、受信も行うので、アプリケータ4の構成が簡易になり径を小型化できる。これにより、患者の負担を軽減できる。また、目印物体3は、生体とは異なる音響インピーダンスを有するので、超音波センサ6により確実に検出される。
【0058】
超音波センサ6を2つ設けているので、各センサ6の目印物体3までの距離を算出することにより、距離が一致したときを一義的にアプリケータ4の最適位置と判断することができる。
【0059】
表示装置8は、アプリケータ4が最適位置に到達した旨を音声および画像により表示するので、視覚および聴覚によりアプリケータ4の最適位置を確認することができる。なお、使用者への提示は、画像または音声のいずれか一方でもよい。
【0060】
表示装置8は、アプリケータ4の位置が、最適位置から位置ズレしたときにも画像および音声により警告を表示するので、該警告を視覚および聴覚により確認できる。従来から、アプリケータ4の位置固定のために、体外からの操作により拡張可能な拡張部を設け、拡張部を体内に引掛ける技術があるが、この欠点を克服することができる。すなわち、患者に個人差があるので、従来技術の拡張部では固定できるとは限らず、位置ズレを起こしても察知できず、正常な生体を損傷する虞がある。しかし、本実施形態では、特殊機構による固定はしないものの、位置ズレを察知できるので、正常な生体を損傷することなく、充分な治療効果を得ることができる。なお、警告の提示は、画像または音声のいずれか一方でもよい。
【0061】
また、上記目印物体3は、滅菌可能なので、感染症を起こすことがなく、安全に生体内に導入できる。目印物体3は、触診に影響を与えないように、薄く小さく、角がない略丸型に形成されているので、使用者が指先の微妙な感覚を損なわずに触診できる。
【0062】
さらに、上記実施形態では、アプリケータ4を尿道に挿入し、センサ6を直腸に配置するので、前立腺肥大症の治療に適している。
【0063】
(変形例等)
次に、上記実施形態で説明した各構成の具体的な動作または異なる動作や、変形例について説明する。
【0064】
(警告表示)
上記ステップS52において、システム1は、図9に示すような警告表示を行っている。この警告表示では、ステップS36において記憶したアプリケータ4の最適位置との誤差も表示できる。たとえば、図9に示すように、アプリケータ4の挿入方向に+3mmの誤差がある場合には、位置ズレの表示と共に、+3mmずれている旨を表示できる。ここで、誤差は、2つのセンサ6と目印物体3との間の超音波の往復時間から求めた目印物体3までの距離に基づいて算出する。
【0065】
詳細には、図8を参照して説明する。アプリケータ4の位置が最適位置からずれると、センサ6aから目印物体3までの距離Daおよびセンサ6bから目印物体3までの距離Dbは、等しくなくなる。このときDa、Dbの値に基づいて、センサ6aおよびセンサ6bから交点Iまでの距離をそれぞれ算出できる。これらを、アプリケータ4が最適位置のときの、センサ6aから交点Iまでの距離と比較することによって、誤差を算出できる。
【0066】
(センサの変形例)
<センサの個数>
上記実施形態では、センサ6を2個設けている。しかし、センサ6の数は、2個より多くてもよく、また、1個であってもよい。センサ6が多くなる程、精度を高めることができる。センサ6が2個より多い場合でも、2個の場合と同様に目印物体3との距離を算出することにより、アプリケータ4の最適位置を求めることができるので、この場合の説明は省略する。
【0067】
センサ6が1個の場合について、アプリケータ4の最適位置の判断手法について説明する。センサ6は、エネルギー供給部5の中央に対応する位置で、アプリケータ4に取り付けられる。すなわち、センサ6と、エネルギー供給部5の中央とは、アプリケータ4の半径方向に一直線に並べられる。ここで、上記ステップS14までの工程に従って、使用者により目印物体3が患部に中央に配置されているものとする。
【0068】
上述の通り、センサ6は、目印物体3に超音波を発振し、反射した超音波を受信するまでの時間を計測することにより、目印物体3までの距離を算出可能にする。これは、センサ6が1個の場合でも可能である。ただし、センサ6が2個の場合のように、目印物体3までの距離が等しくなったら、最適位置だと判断することはできない。
【0069】
ここで、制御装置7は、1個のセンサ6を用いて検出した目印物体3までの距離を逐次記憶部70に記憶し、これを比較できることとする。アプリケータ4の挿入に従い、最初は、検出した目印物体3までの距離は短くなっていき、目印物体3を通り過ぎると、距離は長くなっていく。したがって、距離が長くなり始めるときが、アプリケータ4の最適位置である。制御装置7は、これに基づいて、目印物体3とセンサ6との距離を逐次測定および比較し、目印物体3にセンサ6が最も接近したときを、アプリケータ4の最適位置と判断することができる。
【0070】
<センサによる電圧検出>
センサ6は、超音波の受信の際に、超音波の強度を電圧として検出することもできる。この場合、上述のようにセンサ6と目印物体3との間の超音波の往復時間を計測しなくても、アプリケータ4の最適位置を判断することができる。超音波の電圧を検出するセンサ6の能力について、次の具体的な条件の下で説明する。
【0071】
(1)超音波センサ6には、15MHzと高い利得を有するPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子を使用する。
【0072】
(2)目印物体3には、直径5mmのSUSチップを使用する。
【0073】
(3)グローブ2に(2)の目印物体3を接着し、グローブ2内部に水を充填する。
【0074】
(4)水中において、目印物体3が超音波センサ6から22mm離れた位置にくるように、グローブ2を配置する。グローブ2の位置は固定する。なお、22mmは、前立腺肥大症患者の直腸から尿道までの平均的な距離である。
【0075】
上記条件の下、超音波センサ6を目印物体3に対して平行移動させた。平行移動は、ある一方向(X方向:例えば、挿入部43の長軸方向)と、これに直交する方向(Y方向)に行った。このとき、図10に示す結果が得られた。図10は、センサ6と目印物体3との相対的な距離と、センサ6により検出した電圧との関係を示す図である。横軸にセンサ6と目印物体3の相対的な距離、縦軸に電圧を示す。図10では、X方向に超音波センサ6を移動させた場合を実線で示し、Y方向に超音波センサ6を移動させた場合を点線で示している。
【0076】
図10に示すように、超音波センサ6と目印物体3との相対的な距離が近づくと、急激に検出される電圧が向上する。特に、Y方向に移動させた場合に電圧変化が顕著であり、およそ移動距離1mmオーダーで判別できる。一方、X方向の場合に顕著に電圧変化が得られないのは、超音波センサ6の姿勢や、送信される超音波の波面の不均一によるものである。
【0077】
このように、超音波を電圧として検出できるセンサ6を用いても、その出力電圧の変化に基づいて、電圧値が最も大きくなったときをアプリケータ4の最適位置とみなせる。したがって、該センサ6を、アプリケータ4の最適位置提示システム1に適用できる。
【0078】
<磁気センサ>
超音波センサ6の代わりに、磁気センサを用いることができる。磁気センサとしては、MIセンサや、MRセンサなどの高精度で磁場の測定が可能なものが望ましい。磁気センサを用いる場合、目印物体3には、磁石などの磁性体か、あるいは誘導コイルを用いる。磁気センサは、磁性体や、誘導コイルが発生する磁場に基づいて、目印物体3までの距離を測定することができる。
【0079】
<センサの形状>
図11は、センサ6の形状の変形例を示す図である。
【0080】
上記実施形態では、超音波センサ6は、アプリケータ4の周囲の一点に配置されている。しかし、超音波センサは、図11に示すように、円筒状のアプリケータ4の外周に沿って設けることもできる。PZT振動子が用いられる場合、超音波センサ60は、複数個がアプリケータ4上にアレー配置される。超音波センサ60は、構成材料にPVDF等の圧電ポリマーを用い、細長形状に形成されて、アプリケータ4の周囲に配置することもできる。
【0081】
このように、アプリケータ4の外周に沿って超音波センサが設けられることによって、アプリケータ4が患部の治療のために軸を中心に回転しても、超音波センサ60により目印物体3から反射した超音波を受信でき、アプリケータ4の最適位置を判断可能である。前立腺肥大症の治療のように、尿道からその周囲360°の前立腺を治療する際に、特に有効である。
【0082】
(治療中断までの判断時間)
上記実施形態のステップS53において、位置ズレが発生してから、治療中断を判断するまでの時間を3秒間に定めている。しかし、位置ズレしてエネルギーを供給しても、生体を損傷しない程度の時間であれば、いかなる時間でもよい。
【0083】
(エネルギー供給部)
エネルギー供給部5によって、電磁波以外にも、音波、電流のいずれかのエネルギーを患部に供給することができる。これにより、音波、電流のいずれかのエネルギーにより患部を治療できる。
【0084】
(他の適用)
上記実施形態では、前立腺肥大症の治療に、アプリケータ4の最適位置提示システム1を用いる場合について説明している。しかし、前立腺肥大症の治療のみならず、他の治療にも適用できる。たとえば、食道の治療の場合、のど、胸、腹等の外部から上記グローブ2を用いて患部を触診して、患部の位置に目印物体3を配置して、その後、口からアプリケータ4を挿入して、上述の要領でアプリケータ4の最適位置を使用者に提示できる。
【0085】
(目印物体およびセンサの交換)
上記実施形態では、グローブ2に目印物体3を、アプリケータ4にセンサ6をそれぞれ設けている。しかし、目印物体3とセンサ6を交換して、グローブ2にセンサ6を、アプリケータ4に目印物体3を設けてもよい。この場合、目印物体3とセンサ6との設けられる位置が交換されること以外では、制御装置7および表示装置8がグローブ2側に接続されることしか、上記実施形態と変わらないので、詳細な説明は省略する。
【0086】
使用者は、センサ6付きのグローブ2を用いて患者の患部を触診し、患部付近にセンサ6を配置する。すると、アプリケータ4の最適位置提示システムは、アプリケータ4に設けられた目印物体3を、センサ6により検出し、検出した距離に基づいてアプリケータ4の最適位置を判断して、表示装置8に表示する。
【0087】
したがって、このシステムによっても、使用者は、表示装置8の表示に従って、容易にアプリケータ4を患部に位置合わせすることができる。
【0088】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明においては、診断用具に目印物体が設けられているので、医師等が診断用具を用いて診断しながら患部の位置を示す目印として目印物体を配置することができる。この目印物体との距離をセンサにより検出できるので、検出した距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断できる。判断結果は提示手段により提示されるので、該提示に従って、使用者は、容易にアプリケータを患部に位置合わせできる。
【0089】
請求項2に記載の発明においては、超音波センサまたは磁気センサにより、目印物体を容易に検出することができる。
【0090】
請求項3に記載の発明においては、超音波センサが、超音波を発振し、受信も行うので、アプリケータの構成が簡易になり径を小型化できる。これにより、患者の負担を軽減できる。また、目印物体は、生体とは異なる音響インピーダンスを有するので、超音波センサにより確実に検出される。
【0091】
請求項4に記載の発明においては、アプリケータを患部の治療のために回転しても、超音波センサにより目印物体を検出でき、アプリケータの最適位置を判断することができる。
【0092】
請求項5に記載の発明においては、単一個のセンサで、目印物体とセンサとの距離を逐次測定および比較し、目印物体にセンサが最も接近したときを、容易にアプリケータの最適位置を判断することができる。
【0093】
請求項6に記載の発明においては、センサを2つ設けることにより、各センサと目印物体との距離に基づいて、該距離が一致したときを一義的にアプリケータの最適位置と判断することができる。
【0094】
請求項7に記載の発明においては、視覚および聴覚の少なくとも一方により、アプリケータの最適位置を確認できる。
【0095】
請求項8に記載の発明においては、アプリケータの位置が、最適位置から位置ズレしたときに警告を画像または音声により提示するので、該警告を視覚または聴覚の少なくとも一方により確認できる。
【0096】
請求項9に記載の発明においては、音波、電磁波、電流のいずれかのエネルギーを生体に供給して、患部を治療できる。
【0097】
請求項10に記載の発明においては、目印物体が殺菌可能なので、感染症の虞がなく、安全に生体内に導入できる。
【0098】
請求項11に記載の発明においては、前立腺肥大症を治療することができる。
【0099】
請求項12に記載の発明においては、触診に影響を与えない形状および大きさに形成されているので、使用者は手先の感覚を損なわず触診等できる。
【0100】
請求項13に記載の発明においては、診断用具にセンサが設けられているので、医師等が診断用具を用いて診断しながら患部の位置をセンサを配置することができる。このセンサは、アプリケータに設けられた目印物体との距離を検出できるので、検出した距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断できる。判断結果は提示手段により表示されるので、該提示に従って、使用者は、容易にアプリケータを患部に位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アプリケータの最適位置提示システムの概略構成図である。
【図2】使用者が患部を特定する動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】使用者がアプリケータの最適位置を確認する動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】使用者が患部を治療する様子を示す図である。
【図5】システムがアプリケータの最適位置を判断する流れを示すフローチャートである。
【図6】システムが位置ズレを検出する流れを示すフローチャートである。
【図7】2つのセンサにより目印物体を検出する様子を示す図である。
【図8】アプリケータが最適位置かどうかを判断する様子を示す図である。
【図9】表示装置に表示される画面を示す図である。
【図10】センサと目印物体との相対的な距離と、センサにより検出した電圧との関係を示す図である。
【図11】センサの形状の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1…最適位置提示システム、
2…グローブ、
3…目印物体、
4…アプリケータ、
5…エネルギー供給部、
6、6a、6b…センサ、
7…制御装置、
8…表示装置、
9…エネルギー発生装置、
70…記憶部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、患部を治療するに際し、生体内に挿入されるアプリケータの最適位置を判断し提示することができるアプリケータの最適位置提示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内の腫瘍や肥大症等の疾患の治療方法として、患部にエネルギーを加えて細胞を凝固壊死等させる方法が知られている。エネルギーを加える手段としては、たとえば、レーザ加熱により、患部を加熱するアプリケータがある。
【0003】
ここで、患部以外をレーザ加熱してしまうと、健全な部位まで損傷されてしまう。また、患部に適当にレーザ加熱されない場合には、充分な治療効果を得られないことがある。したがって、治療において、アプリケータの位置決めは、きわめて重要であり、慎重に行われなくてはならない。
【0004】
アプリケータの位置決めのために、従来から種々の技術が提案されている。
【0005】
従来技術(1)
アプリケータと共に超音波送受信部を設けたプローブを、体腔に挿入する技術がある。このプローブでは、体腔内で超音波を送受信することにより、体内の断面像を形成できる。したがって、医師等の使用者は、体内の断面像を観察しながら、アプリケータを位置決めできる(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
従来技術(2)
位置決めのために、アプリケータと共に内視鏡を内蔵したプローブを、体腔に挿入する技術がある。使用者は、プローブに設けられた開口から内視鏡により生体内表面を観察しながら、アプリケータを位置決めできる(たとえば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−271235号公報(請求項1、「発明の詳細な説明」の段落「0022」、段落「0024」〜「0026」等)
【特許文献2】
特開平11−318928号公報(発明の詳細な説明)の段落「0007」、段落「0011」、段落「0013」、第4図等)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術(1)〜(3)では、次のような問題点がある。
【0009】
従来技術(1)の問題点
上記プローブでは、超音波送受信部で送受信した超音波を解析して、エコー像などの画像を作成できる画像作成装置が必要となる。画像作成装置の導入は、治療システムを高コストなものとしてしまう。
【0010】
従来技術(2)の問題点
アプリケータの他に、内視鏡が内蔵されているため、ケース内に内視鏡用の通路を設ける必要等があり、構造が複雑化し、プローブ外径が大きくなる。プローブ外径の増大は、該プローブが体内に挿入される患者の負担の増大にもつながり、好ましくない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像作成装置を必要とせずに治療システムを簡易化でき、患者の負担を低減し、アプリケータの最適位置への容易な位置決めを可能とするアプリケータの最適位置提示システムの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0013】
(1)患部の診断に使用する診断用具と、前記診断用具に設けられる目印物体と、生体内に挿入されるアプリケータと、前記アプリケータに設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部と、前記アプリケータに設けられ、前記目印物体との距離を検出可能なセンサと、前記診断用具を用いた診断により前記目印物体が前記患部付近に配置された状態で、前記センサと前記目印物体との距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を提示する提示手段と、を有するアプリケータの最適位置提示システム。
【0014】
(2)前記センサは、超音波センサまたは磁気センサであり、単一個または複数個設けられている。
【0015】
(3)前記超音波センサは、超音波発振子の役割も果たし、前記目印物体は、生体と異なる音響インピーダンスを有する超音波反射体である。
【0016】
(4)前記アプリケータは、円筒状に形成され、前記超音波センサは、円筒の外周に沿って設けられ、前記アプリケータが軸を中心に回転しても、複数方向から超音波を受信可能である。
【0017】
(5)前記センサが単一個設けられており、前記判断手段は、前記目印物体に前記センサが最も接近した位置を、前記アプリケータの最適位置と判断する。
【0018】
(6)前記センサが、前記アプリケータの挿入方向に一直線に並ぶように2つ設けられ、前記判断手段は、前記各センサと目印物体との距離が等しくなった位置を、前記アプリケータの最適位置と判断する。
【0019】
(7)前記提示手段は、画像および音声の少なくとも一方により、前記判断手段による判断結果を提示する。
【0020】
(8)前記判断手段は、前記アプリケータの最適位置と判断したときの前記センサと前記目印物体との距離を記憶し、治療中に前記センサにより検出される前記目印物体との距離の誤差が所定値以上となった場合に、位置ズレと判断し、前記提示手段は、前記判断手段が位置ズレと判断したら、位置ズレの警告を画像または音声の少なくとも一方により提示する。
【0021】
(9)前記エネルギー供給部は、電磁波、音波、電流のいずれかのエネルギーを生体に供給する。
【0022】
(10)前記目印物体は、滅菌可能であり、前記診断用具に搭載して生体内に導入可能である。
【0023】
(11)前記アプリケータは、前立腺疾患治療のために尿道に挿入される挿入部を有し、前記エネルギー供給部は該挿入部に設けられ、前記診断用具は、直腸から患部を触診するために用いられる手袋であり、前記目印物体は、触診により前記患部付近に配置されるものである。
【0024】
(12)前記目印物体は、前記手袋を用いた触診に影響を与えない形状および大きさに形成されている。
【0025】
(13)生体内に挿入されるアプリケータと、前記アプリケータに設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部と、前記アプリケータに設けられる目印物体と、患部の診断に使用する診断用具と、前記診断用具に設けられ、前記目印物体との距離を検出可能なセンサと、前記診断用具を用いた診断により前記目印物体が前記患部付近に配置された状態で、前記目印物体と前記センサとの距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を提示する提示手段と、を有するアプリケータの最適位置提示システム。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、アプリケータの最適位置提示システムの概略構成図である。なお、図1に示す各構成は、説明の容易のために、形状を簡略化し、大きさ等も見やすいように変更して表現されている。
【0028】
図1に示すように、アプリケータの最適位置提示システム1(以下、単にシステム1と称する)は、患者の患部の診断に使用するグローブ2(診断用具)と、グローブ2に設けられる目印物体3と、治療のために生体内に挿入されるアプリケータ4と、アプリケータ4に設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部5と、エネルギー供給部5に略隣接してアプリケータ4に設けられ、目印物体3との距離を検出可能なセンサ6と、グローブ2を用いた診断により目印物体3が患部付近に配置された状態で、センサ6と目印物体3との距離に基づいて、アプリケータ4の最適位置を判断する制御装置7(判断手段)と、制御装置7による判断結果を表示する表示装置8(提示手段)と、を有する。
【0029】
グローブ2は、手先の微妙な感覚を損なわないように薄く、かつ治療中に破損しないように丈夫に形成されている。材料としては、たとえば、天然ゴムラテックスが用いられる。グローブ2は、感染症の防止のために、滅菌処理されている。
【0030】
目印物体3も、同様に滅菌処理されている。目印物体3は、センサ6により検出可能なものであればよい。たとえば、センサ6が、超音波センサ6である場合には、目印物体3は、金属片のような超音波反射体により形成される。超音波反射体とは、生体とは異なる音響インピーダンスを有する物体であり、金属片の他にも、空気等でもよい。目印物体3に空気を用いる場合には、空気を小さな風船に詰めて、グローブ2に取り付ける。
【0031】
目印物体3の取り付け位置は、グローブ2の指先が好ましい。目印物体3を指先に設けることにより、使用者が触診により患部を確認した姿勢のままで、その略中心に目印物体3を配置することができる。目印物体3は、触診の際に使用者の指先の感覚を損なわせないように、小型に薄く形成されている。角がない略丸型に形成されることが好ましい。
【0032】
アプリケータ4は先端側に、細く長尺状に形成されて、基端側が保持しやすい形状の挿入部43を有する。挿入部43は、エネルギー供給部5が内蔵され、エネルギーを生体に向けて放射するための窓部41が設けられている。エネルギー供給部5は、挿入部43内部に沿って延びるエネルギー経路42を介して、エネルギー発生装置9に接続されている。エネルギー発生装置9は、使用者による治療開始の指示に従って、エネルギーを発生する。ここで、エネルギー発生装置9により発生されるエネルギーは、レーザ光やマイクロ波、高周波等の電磁波であり、エネルギー供給部5から患部に供給されて、加熱治療される。
【0033】
エネルギー供給部5近傍には、2つのセンサ6が設けられている。センサ6は、挿入部43の長さ方向に並んで、エネルギー供給部5の中心から等間隔の位置に配置されている。センサ6は、グローブ2に設けられた目印物体3の検出のために、挿入部43外面に設けられることが望ましい。センサ6は、挿入部43内部に延びる図示しない信号線を介して、制御装置7に接続されている。制御装置7にはさらに表示装置8が接続されている。制御装置7には、所定の情報を記憶する記憶部70が設けられている。
【0034】
次に、図2〜図4を参照して、上記システム1が使用者によりどのように治療に使用されるかについて説明する。以下では、前立腺肥大症の治療を行う場合について説明する。
【0035】
図2は使用者が患部を特定する動作の流れを示すフローチャート、図3は使用者がアプリケータ4の最適位置を確認する動作の流れを示すフローチャート、図4は使用者が患部を治療する様子を示す図である。
【0036】
まず、使用者は、治療に備えて、上記目印物体3が設けられたグローブ2を着用する(ステップS11)。そして、目印物体3が設けられた指(たとえば、中指)を、生理食塩水や水で充填した直腸に挿入し、患部の触診を開始する(ステップS12)。ここで、前立腺肥大の場合、球状の前立腺の最も膨らんでいる部分が患部の中心である。
【0037】
使用者は、触診によって前立腺の最も膨らんでいる部分を患部として特定し(ステップS13)、特定した患部の位置に、目印物体3を配置する(ステップS14)。ここで、使用者は、目印物体3を患部側の直腸壁に密着させる。超音波の伝搬を容易ならしめるためである。使用者の触診によるので、前立腺の最も膨らんでいる部分は、容易に特定できる。
【0038】
使用者は、直腸に中指を挿入し、患部に目印物体3を配置したままの状態で、生体内にアプリケータ4の挿入部43を挿入する(ステップS21)。ここでは、前立腺肥大症の治療であるので、尿道にアプリケータ4を挿入する。
【0039】
使用者は、表示装置8の表示に従って、アプリケータ4を操作し、位置合わせする(ステップS22)。使用者は、最適位置と表示されたかどうかを判断する(ステップS23)。最適位置と判断しない場合(ステップS23:NO)には、位置合わせを続行する。最適位置と表示されたら(ステップS23:YES)、その位置でアプリケータ4を固定し、患部の治療を開始する(ステップS24)。ここで、治療の開始とは、具体的には、エネルギー発生装置9のスイッチをONにし、システム1にエネルギー供給を指示することである。図4に示すように、前立腺は、尿道を囲んでいる。前立腺肥大部分を治療するためには、アプリケータ4を任意の角度ずつ回転させて、エネルギーを前立腺肥大部分に供給する。
【0040】
次に、図5〜図9を参照して、上記システム1の作用について説明する。
【0041】
図5はシステム1がアプリケータの最適位置を判断する流れを示すフローチャート、図6はシステム1が位置ズレを検出する流れを示すフローチャート、図7は2つのセンサ6により目印物体3を検出する様子を示す図、図8はアプリケータが最適位置かどうかを判断する様子を示す図、図9は表示装置8に表示される画面を示す図である。図5に示す手順は、図2および図3に示す、ステップS11〜ステップS21までの動作が完了した後のものである。また、以下では、センサ6は、超音波センサ6であり、目印物体3は、金属片である場合について説明する。
【0042】
システム1は、図7に示すように、センサ6により指向性を持った超音波の発振を開始する(ステップS31)。超音波があたる位置に目印物体3があれば、超音波が反射されるので、センサ6は反射された超音波を受信する(ステップS32)。制御装置7は、センサ6が超音波を発振してから受信するまでの時間を計測し、計測時間に基づいて目印物体3との距離を算出する(ステップS33)。
【0043】
制御装置7は、2つのセンサ6について算出した目印物体3との距離が等しいかどうかを判断する(ステップS34)。等しくない場合(ステップS34:NO)は、ステップS31からの処理を繰り返す。図8に示すように、距離(Da、Db)が等しい場合(ステップS34:YES)は、制御装置7は、アプリケータ4の最適位置であると判断して、最適位置である旨を表示装置8に表示させる(ステップS35)。制御装置7は、アプリケータ4の最適位置、すなわち、最適位置と判断したときのセンサ6と目印物体3との距離を、内蔵の記憶部70に記憶する(ステップS36)。そして、図6に示す工程に進む。
【0044】
制御装置7は、エネルギー供給指示が使用者により入力されたか否かを判断する(ステップS41)。エネルギー供給指示がされるまで(ステップS41:NO)、待機する。指示がされると(ステップS41:YES)、制御装置7は、エネルギーの供給時間のカウントを開始し(ステップS42)、同時に、エネルギー供給部5は、患部へのエネルギー供給を開始する(ステップS43)。
【0045】
また、システム1は、2つのセンサ6により定期的に超音波を発振し(ステップS44)、目印物体3により反射して返って来た超音波をそれぞれ受信する(ステップS45)。制御装置7は、超音波の発振から受信までの時間を計測し、目印物体3との距離を算出する(ステップS46)。さらに、制御装置7は、算出した距離に基づいて、記憶部70に記憶しているアプリケータ4の最適位置からの位置ズレを算出する(ステップS47)。
【0046】
制御装置7は、位置ズレが許容範囲以上か否かを判断する(ステップS48)。許容範囲以内の場合(ステップS48:YES)、制御装置7は、ステップS42から開始したエネルギーの供給時間のカウントを参照して、治療のために必要な時間として設定された供給時間が経過したか否かを判断する(ステップS49)。設定時間が経過していない場合(ステップS49:NO)、エネルギーの供給を続行したままで、ステップS44の処理に戻る。供給時間のカウントで設定時間が経過した場合(ステップS49:YES)、エネルギー供給を停止すると共に(ステップS50)、表示装置8が治療終了の旨を表示し(ステップS51)、患部の治療工程を終了する。
【0047】
一方、アプリケータ4の最適位置からの位置ズレが許容範囲以上である場合(ステップS48:NO)、表示装置8は、警告音を発し、図9に示すように、画面に警告表示を表示する(ステップS52)。警告を受けて、使用者は位置ズレを修正することができる。制御装置7は、位置ズレが生じてから3秒以上経過したか否かを判断し(ステップS53)、3秒間の間にステップS44〜S48の位置ズレの検出を繰り返す(ステップS53:NO)。この間に位置ズレが修正されれば、ステップS48よりステップS49へ進むこととなる。
【0048】
また、位置ズレが生じてから3秒以上経過した場合には(ステップS53:YES)、エネルギー供給部5はエネルギーの供給を中断し(ステップS54)、治療を中断する(ステップS55)。ここで、位置ズレが生じてからの時間は、制御装置7によりステップS48で許容範囲以上の位置ズレと判断されてから計測されているものとする。そして、表示装置8は、治療を中断した旨を表示し(ステップS56)、使用者に知らせ、アプリケータ4が適切な位置に戻され、治療が再開されるまで待機する。
【0049】
次に、上記ステップS34で、2つのセンサ6により検出した目印物体3との距離が等しいときに、アプリケータ4が最適位置であると判断する根拠を、図8を参照して説明する。
【0050】
図8では、目印物体3が配置されている位置に仮想鎖線Vを示している。上述のように、2つのセンサ6は、エネルギー供給部5の中央から等距離に配置されている。すなわち、2つのセンサ6の中央に、エネルギー供給部5の中央が位置する。
【0051】
図中左側のセンサ6をセンサ6a、右側のセンサ6をセンサ6bとする。これらのセンサ6a、bによる超音波の送受信に基づいて算出した目印物体3までの距離を、それぞれ距離Da、距離Dbとする。また、センサ6a、bを結ぶ直線と、仮想鎖線Vとが交わる点を交点Iとする。
【0052】
距離Daと距離Dbが等しくない場合、センサ6a、センサ6b、目印物体3の三点を含む三角形は、二等辺三角形とはならない。したがって、センサ6aから交点Iまでの距離と、センサ6bから交点Iまでの距離とは等しくないので、エネルギー供給部5の中央と、目印物体3とは位置がずれている。
【0053】
一方、距離Daと距離Dbが等しい場合、センサ6a、センサ6b、目印物体3の三点を含む三角形は、二等辺三角形である。したがって、センサ6aから交点Iまでの距離と、センサ6bから交点Iまでの距離とは等しいので、エネルギー供給部5の中央と、目印物体3との位置が一致している。すなわち、エネルギー供給部5の中央と、患部の中心との位置が一致している。この場合、エネルギー供給部5により、患部の中心からその周囲にエネルギーを照射することができ、患部に充分エネルギーを供給できる。
【0054】
以上より、距離Daと距離Dbが等しい場合が、アプリケータ4の最適位置といえる。
【0055】
なお、上記ステップS48において、位置ズレと判断する許容範囲は、位置ズレに伴うエネルギー供給が正常な生体に深刻な悪影響を与えないかどうかという観点から、予め定められている。
【0056】
以上説明してきたように、本実施形態のシステム1によれば、グローブ2に目印物体3が設けられているので、使用者がグローブ2を用いて触診しながら患部の位置を示す目印として目印物体3を配置することができる。この目印物体3との距離をセンサ6により検出できるので、検出した距離に基づいて、アプリケータ4の最適位置を判断できる。判断結果は表示装置8により表示されるので、該表示に従って、使用者は、容易にアプリケータ4を患部に位置合わせできる。
【0057】
また、超音波センサ6は、超音波を発振し、受信も行うので、アプリケータ4の構成が簡易になり径を小型化できる。これにより、患者の負担を軽減できる。また、目印物体3は、生体とは異なる音響インピーダンスを有するので、超音波センサ6により確実に検出される。
【0058】
超音波センサ6を2つ設けているので、各センサ6の目印物体3までの距離を算出することにより、距離が一致したときを一義的にアプリケータ4の最適位置と判断することができる。
【0059】
表示装置8は、アプリケータ4が最適位置に到達した旨を音声および画像により表示するので、視覚および聴覚によりアプリケータ4の最適位置を確認することができる。なお、使用者への提示は、画像または音声のいずれか一方でもよい。
【0060】
表示装置8は、アプリケータ4の位置が、最適位置から位置ズレしたときにも画像および音声により警告を表示するので、該警告を視覚および聴覚により確認できる。従来から、アプリケータ4の位置固定のために、体外からの操作により拡張可能な拡張部を設け、拡張部を体内に引掛ける技術があるが、この欠点を克服することができる。すなわち、患者に個人差があるので、従来技術の拡張部では固定できるとは限らず、位置ズレを起こしても察知できず、正常な生体を損傷する虞がある。しかし、本実施形態では、特殊機構による固定はしないものの、位置ズレを察知できるので、正常な生体を損傷することなく、充分な治療効果を得ることができる。なお、警告の提示は、画像または音声のいずれか一方でもよい。
【0061】
また、上記目印物体3は、滅菌可能なので、感染症を起こすことがなく、安全に生体内に導入できる。目印物体3は、触診に影響を与えないように、薄く小さく、角がない略丸型に形成されているので、使用者が指先の微妙な感覚を損なわずに触診できる。
【0062】
さらに、上記実施形態では、アプリケータ4を尿道に挿入し、センサ6を直腸に配置するので、前立腺肥大症の治療に適している。
【0063】
(変形例等)
次に、上記実施形態で説明した各構成の具体的な動作または異なる動作や、変形例について説明する。
【0064】
(警告表示)
上記ステップS52において、システム1は、図9に示すような警告表示を行っている。この警告表示では、ステップS36において記憶したアプリケータ4の最適位置との誤差も表示できる。たとえば、図9に示すように、アプリケータ4の挿入方向に+3mmの誤差がある場合には、位置ズレの表示と共に、+3mmずれている旨を表示できる。ここで、誤差は、2つのセンサ6と目印物体3との間の超音波の往復時間から求めた目印物体3までの距離に基づいて算出する。
【0065】
詳細には、図8を参照して説明する。アプリケータ4の位置が最適位置からずれると、センサ6aから目印物体3までの距離Daおよびセンサ6bから目印物体3までの距離Dbは、等しくなくなる。このときDa、Dbの値に基づいて、センサ6aおよびセンサ6bから交点Iまでの距離をそれぞれ算出できる。これらを、アプリケータ4が最適位置のときの、センサ6aから交点Iまでの距離と比較することによって、誤差を算出できる。
【0066】
(センサの変形例)
<センサの個数>
上記実施形態では、センサ6を2個設けている。しかし、センサ6の数は、2個より多くてもよく、また、1個であってもよい。センサ6が多くなる程、精度を高めることができる。センサ6が2個より多い場合でも、2個の場合と同様に目印物体3との距離を算出することにより、アプリケータ4の最適位置を求めることができるので、この場合の説明は省略する。
【0067】
センサ6が1個の場合について、アプリケータ4の最適位置の判断手法について説明する。センサ6は、エネルギー供給部5の中央に対応する位置で、アプリケータ4に取り付けられる。すなわち、センサ6と、エネルギー供給部5の中央とは、アプリケータ4の半径方向に一直線に並べられる。ここで、上記ステップS14までの工程に従って、使用者により目印物体3が患部に中央に配置されているものとする。
【0068】
上述の通り、センサ6は、目印物体3に超音波を発振し、反射した超音波を受信するまでの時間を計測することにより、目印物体3までの距離を算出可能にする。これは、センサ6が1個の場合でも可能である。ただし、センサ6が2個の場合のように、目印物体3までの距離が等しくなったら、最適位置だと判断することはできない。
【0069】
ここで、制御装置7は、1個のセンサ6を用いて検出した目印物体3までの距離を逐次記憶部70に記憶し、これを比較できることとする。アプリケータ4の挿入に従い、最初は、検出した目印物体3までの距離は短くなっていき、目印物体3を通り過ぎると、距離は長くなっていく。したがって、距離が長くなり始めるときが、アプリケータ4の最適位置である。制御装置7は、これに基づいて、目印物体3とセンサ6との距離を逐次測定および比較し、目印物体3にセンサ6が最も接近したときを、アプリケータ4の最適位置と判断することができる。
【0070】
<センサによる電圧検出>
センサ6は、超音波の受信の際に、超音波の強度を電圧として検出することもできる。この場合、上述のようにセンサ6と目印物体3との間の超音波の往復時間を計測しなくても、アプリケータ4の最適位置を判断することができる。超音波の電圧を検出するセンサ6の能力について、次の具体的な条件の下で説明する。
【0071】
(1)超音波センサ6には、15MHzと高い利得を有するPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子を使用する。
【0072】
(2)目印物体3には、直径5mmのSUSチップを使用する。
【0073】
(3)グローブ2に(2)の目印物体3を接着し、グローブ2内部に水を充填する。
【0074】
(4)水中において、目印物体3が超音波センサ6から22mm離れた位置にくるように、グローブ2を配置する。グローブ2の位置は固定する。なお、22mmは、前立腺肥大症患者の直腸から尿道までの平均的な距離である。
【0075】
上記条件の下、超音波センサ6を目印物体3に対して平行移動させた。平行移動は、ある一方向(X方向:例えば、挿入部43の長軸方向)と、これに直交する方向(Y方向)に行った。このとき、図10に示す結果が得られた。図10は、センサ6と目印物体3との相対的な距離と、センサ6により検出した電圧との関係を示す図である。横軸にセンサ6と目印物体3の相対的な距離、縦軸に電圧を示す。図10では、X方向に超音波センサ6を移動させた場合を実線で示し、Y方向に超音波センサ6を移動させた場合を点線で示している。
【0076】
図10に示すように、超音波センサ6と目印物体3との相対的な距離が近づくと、急激に検出される電圧が向上する。特に、Y方向に移動させた場合に電圧変化が顕著であり、およそ移動距離1mmオーダーで判別できる。一方、X方向の場合に顕著に電圧変化が得られないのは、超音波センサ6の姿勢や、送信される超音波の波面の不均一によるものである。
【0077】
このように、超音波を電圧として検出できるセンサ6を用いても、その出力電圧の変化に基づいて、電圧値が最も大きくなったときをアプリケータ4の最適位置とみなせる。したがって、該センサ6を、アプリケータ4の最適位置提示システム1に適用できる。
【0078】
<磁気センサ>
超音波センサ6の代わりに、磁気センサを用いることができる。磁気センサとしては、MIセンサや、MRセンサなどの高精度で磁場の測定が可能なものが望ましい。磁気センサを用いる場合、目印物体3には、磁石などの磁性体か、あるいは誘導コイルを用いる。磁気センサは、磁性体や、誘導コイルが発生する磁場に基づいて、目印物体3までの距離を測定することができる。
【0079】
<センサの形状>
図11は、センサ6の形状の変形例を示す図である。
【0080】
上記実施形態では、超音波センサ6は、アプリケータ4の周囲の一点に配置されている。しかし、超音波センサは、図11に示すように、円筒状のアプリケータ4の外周に沿って設けることもできる。PZT振動子が用いられる場合、超音波センサ60は、複数個がアプリケータ4上にアレー配置される。超音波センサ60は、構成材料にPVDF等の圧電ポリマーを用い、細長形状に形成されて、アプリケータ4の周囲に配置することもできる。
【0081】
このように、アプリケータ4の外周に沿って超音波センサが設けられることによって、アプリケータ4が患部の治療のために軸を中心に回転しても、超音波センサ60により目印物体3から反射した超音波を受信でき、アプリケータ4の最適位置を判断可能である。前立腺肥大症の治療のように、尿道からその周囲360°の前立腺を治療する際に、特に有効である。
【0082】
(治療中断までの判断時間)
上記実施形態のステップS53において、位置ズレが発生してから、治療中断を判断するまでの時間を3秒間に定めている。しかし、位置ズレしてエネルギーを供給しても、生体を損傷しない程度の時間であれば、いかなる時間でもよい。
【0083】
(エネルギー供給部)
エネルギー供給部5によって、電磁波以外にも、音波、電流のいずれかのエネルギーを患部に供給することができる。これにより、音波、電流のいずれかのエネルギーにより患部を治療できる。
【0084】
(他の適用)
上記実施形態では、前立腺肥大症の治療に、アプリケータ4の最適位置提示システム1を用いる場合について説明している。しかし、前立腺肥大症の治療のみならず、他の治療にも適用できる。たとえば、食道の治療の場合、のど、胸、腹等の外部から上記グローブ2を用いて患部を触診して、患部の位置に目印物体3を配置して、その後、口からアプリケータ4を挿入して、上述の要領でアプリケータ4の最適位置を使用者に提示できる。
【0085】
(目印物体およびセンサの交換)
上記実施形態では、グローブ2に目印物体3を、アプリケータ4にセンサ6をそれぞれ設けている。しかし、目印物体3とセンサ6を交換して、グローブ2にセンサ6を、アプリケータ4に目印物体3を設けてもよい。この場合、目印物体3とセンサ6との設けられる位置が交換されること以外では、制御装置7および表示装置8がグローブ2側に接続されることしか、上記実施形態と変わらないので、詳細な説明は省略する。
【0086】
使用者は、センサ6付きのグローブ2を用いて患者の患部を触診し、患部付近にセンサ6を配置する。すると、アプリケータ4の最適位置提示システムは、アプリケータ4に設けられた目印物体3を、センサ6により検出し、検出した距離に基づいてアプリケータ4の最適位置を判断して、表示装置8に表示する。
【0087】
したがって、このシステムによっても、使用者は、表示装置8の表示に従って、容易にアプリケータ4を患部に位置合わせすることができる。
【0088】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明においては、診断用具に目印物体が設けられているので、医師等が診断用具を用いて診断しながら患部の位置を示す目印として目印物体を配置することができる。この目印物体との距離をセンサにより検出できるので、検出した距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断できる。判断結果は提示手段により提示されるので、該提示に従って、使用者は、容易にアプリケータを患部に位置合わせできる。
【0089】
請求項2に記載の発明においては、超音波センサまたは磁気センサにより、目印物体を容易に検出することができる。
【0090】
請求項3に記載の発明においては、超音波センサが、超音波を発振し、受信も行うので、アプリケータの構成が簡易になり径を小型化できる。これにより、患者の負担を軽減できる。また、目印物体は、生体とは異なる音響インピーダンスを有するので、超音波センサにより確実に検出される。
【0091】
請求項4に記載の発明においては、アプリケータを患部の治療のために回転しても、超音波センサにより目印物体を検出でき、アプリケータの最適位置を判断することができる。
【0092】
請求項5に記載の発明においては、単一個のセンサで、目印物体とセンサとの距離を逐次測定および比較し、目印物体にセンサが最も接近したときを、容易にアプリケータの最適位置を判断することができる。
【0093】
請求項6に記載の発明においては、センサを2つ設けることにより、各センサと目印物体との距離に基づいて、該距離が一致したときを一義的にアプリケータの最適位置と判断することができる。
【0094】
請求項7に記載の発明においては、視覚および聴覚の少なくとも一方により、アプリケータの最適位置を確認できる。
【0095】
請求項8に記載の発明においては、アプリケータの位置が、最適位置から位置ズレしたときに警告を画像または音声により提示するので、該警告を視覚または聴覚の少なくとも一方により確認できる。
【0096】
請求項9に記載の発明においては、音波、電磁波、電流のいずれかのエネルギーを生体に供給して、患部を治療できる。
【0097】
請求項10に記載の発明においては、目印物体が殺菌可能なので、感染症の虞がなく、安全に生体内に導入できる。
【0098】
請求項11に記載の発明においては、前立腺肥大症を治療することができる。
【0099】
請求項12に記載の発明においては、触診に影響を与えない形状および大きさに形成されているので、使用者は手先の感覚を損なわず触診等できる。
【0100】
請求項13に記載の発明においては、診断用具にセンサが設けられているので、医師等が診断用具を用いて診断しながら患部の位置をセンサを配置することができる。このセンサは、アプリケータに設けられた目印物体との距離を検出できるので、検出した距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断できる。判断結果は提示手段により表示されるので、該提示に従って、使用者は、容易にアプリケータを患部に位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アプリケータの最適位置提示システムの概略構成図である。
【図2】使用者が患部を特定する動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】使用者がアプリケータの最適位置を確認する動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】使用者が患部を治療する様子を示す図である。
【図5】システムがアプリケータの最適位置を判断する流れを示すフローチャートである。
【図6】システムが位置ズレを検出する流れを示すフローチャートである。
【図7】2つのセンサにより目印物体を検出する様子を示す図である。
【図8】アプリケータが最適位置かどうかを判断する様子を示す図である。
【図9】表示装置に表示される画面を示す図である。
【図10】センサと目印物体との相対的な距離と、センサにより検出した電圧との関係を示す図である。
【図11】センサの形状の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1…最適位置提示システム、
2…グローブ、
3…目印物体、
4…アプリケータ、
5…エネルギー供給部、
6、6a、6b…センサ、
7…制御装置、
8…表示装置、
9…エネルギー発生装置、
70…記憶部。
Claims (13)
- 患部の診断に使用する診断用具と、
前記診断用具に設けられる目印物体と、
生体内に挿入されるアプリケータと、
前記アプリケータに設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部と、
前記アプリケータに設けられ、前記目印物体との距離を検出可能なセンサと、前記診断用具を用いた診断により前記目印物体が前記患部付近に配置された状態で、前記センサと前記目印物体との距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を提示する提示手段と、を有するアプリケータの最適位置提示システム。 - 前記センサは、超音波センサまたは磁気センサであり、単一個または複数個設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータの最適位置提示システム。
- 前記超音波センサは、超音波発振子の役割も果たし、
前記目印物体は、生体と異なる音響インピーダンスを有する超音波反射体であることを特徴とする請求項2に記載のアプリケータの最適位置提示システム。 - 前記アプリケータは、円筒状に形成され、
前記超音波センサは、円筒の外周に沿って設けられ、前記アプリケータが軸を中心に回転しても、複数方向から超音波を受信可能であることを特徴とする請求項2に記載のアプリケータの最適位置提示システム。 - 前記センサが単一個設けられており、
前記判断手段は、前記目印物体に前記センサが最も接近した位置を、前記アプリケータの最適位置と判断することを特徴とする請求項2に記載の最適位置提示システム。 - 前記センサが、前記アプリケータの挿入方向に一直線に並ぶように2つ設けられ、
前記判断手段は、前記各センサと目印物体との距離が等しくなった位置を、前記アプリケータの最適位置と判断することを特徴とする請求項2に記載の最適位置提示システム。 - 前記提示手段は、画像および音声の少なくとも一方により、前記判断手段による判断結果を提示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアプリケータの最適位置提示システム。
- 前記判断手段は、前記アプリケータの最適位置と判断したときの前記センサと前記目印物体との距離を記憶し、治療中に前記センサにより検出される前記目印物体との距離の誤差が所定値以上となった場合に、位置ズレと判断し、
前記提示手段は、前記判断手段が位置ズレと判断したら、位置ズレの警告を画像または音声の少なくとも一方により提示する請求項1〜7のいずれか一項に記載のアプリケータの最適位置提示システム。 - 前記エネルギー供給部は、電磁波、音波、電流のいずれかのエネルギーを生体に供給することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のアプリケータの最適位置提示システム。
- 前記目印物体は、滅菌可能であり、前記診断用具に搭載して生体内に導入可能であることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータの最適位置提示システム。
- 前記アプリケータは、前立腺疾患治療のために尿道に挿入される挿入部を有し、前記エネルギー供給部は該挿入部に設けられ、
前記診断用具は、直腸から患部を触診するために用いられる手袋であり、
前記目印物体は、触診により前記患部付近に配置されるものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のアプリケータの最適位置提示システム。 - 前記目印物体は、前記手袋を用いた触診に影響を与えない形状および大きさに形成されていることを特徴とする請求項11に記載のアプリケータの最適位置提示システム。
- 生体内に挿入されるアプリケータと、
前記アプリケータに設けられ、生体にエネルギーを供給するエネルギー供給部と、
前記アプリケータに設けられる目印物体と、
患部の診断に使用する診断用具と、
前記診断用具に設けられ、前記目印物体との距離を検出可能なセンサと、
前記診断用具を用いた診断により前記目印物体が前記患部付近に配置された状態で、前記目印物体と前記センサとの距離に基づいて、アプリケータの最適位置を判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を提示する提示手段と、を有するアプリケータの最適位置提示システム。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |