JP2004241363A - 生成水処理システム及び生成水処理方法、並びに発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池におけるセパレータ110には、カソード電極に対して酸化剤ガスとしての空気を供給する空気供給溝116が形成される。そして、セパレータ110には、少なくとも空気供給溝116の途中領域に生成水を処理する吸水布120,121が設けられる。具体的には、セパレータ110には、空気供給溝116が形成された面の少なくとも一部を覆うように、生成水を吸水する吸水部材としての吸水布120が設けられるとともに、空気供給溝116の側壁に沿って吸水布121が設けられる。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理システム及び生成水処理方法、並びにこれら生成水処理システム及び生成水処理方法を適用して発電の際に生成される生成水を処理する発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素等の燃料ガスを供給するとともに、酸素(空気)を供給し、これら燃料ガスと酸素とを電気化学的に反応させて発電体に電力を発生させる装置である。このような燃料電池は、自動車等の車両に動力源として搭載することによって電気自動車やハイブリット式車両としての応用が大きく期待されている他、その軽量化や小型化が容易となる構造に起因して、現状の乾電池や充電式電池の如き用途に限らず、例えば携帯可能な機器といった電気通信分野、電動工具分野、一般家庭電気製品分野、照明分野、非常用無停電電源分野、及び軍需分野等への応用が試みられている。
【0003】
燃料電池としては、水素側電極であるアノード電極と酸素側電極であるカソード電極との間に、例えばプロトン伝導体膜といった所定の電解質膜が設けられ、各電極が、それぞれに対する供給原料が反応するように添加された触媒を含む触媒層と、反応原料が触媒まで到達するための拡散層部とから構成されたセル構造体が複数積層されて構成されたものがある。このような燃料電池においては、アノード電極にて水素ガス(H2)がプロトン(H+)と電子(e−)とに分離する反応が生じる。そして、燃料電池においては、プロトン(H+)がアノード電極側からカソード電極側に向かってプロトン伝導体膜中を移動するとともに、電子(e−)が所定の外部回路を通過してカソード電極に移動し、カソード電極にて酸素(空気)とプロトン(H+)と電子(e−)とから水を生成する反応が行われることにより、所定の起電力が発生する。
【0004】
このような燃料電池においては、反応が行われるために供給原料が触媒層に円滑に送られる必要があるが、カソード電極にて発生した水分やプロトン伝導体膜をアノード側に逆拡散してきた水分が、水素ガス等の供給原料の流れを阻害したり、これら水分が酸素(空気)を供給する空気供給溝に滞留して酸素(空気)の流れを阻害したりすることにより、発電効率を低下させる要因となることが知られている。
【0005】
そこで、燃料電池においては、このような水分を除去するために、通常は、ガスの流速を利用して水分を液体のまま吹き飛ばす手法や、重力を利用して水分を液体のまま排出する手法といったことが行われている。
【0006】
しかしながら、燃料電池においては、重力を利用して水分を液体のまま排出する手法は、携帯型の電子機器といった小型の機器に適用した場合には、デバイスを置く方向が限定されてしまうことから用いることができない。また、ガスの流速を利用して水分を液体のまま吹き飛ばす手法は、実現するために大型ポンプを用いる必要があることから現実的ではない。そのため、燃料電池においては、小型の機器に適用する場合には、小型のポンプ・ファンを用いて水分を液体のまま排出するか、または、空気で水分を蒸発させることになる。
【0007】
なお、具体的には、触媒層や拡散層から水分を排出する技術として、特許文献1に記載された技術が提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−289723号公報
【0009】
この特許文献1には、カソード側集電体が、カーボン繊維を骨格とした基体の孔内に撥水性の第2充填材と当該第2充填材よりも撥水性の小さい第1充填材との混合ペーストが焼成された多孔性混合物層が形成された合成体であり、このカソード側集電体と、アノード側集電体の少なくとも一方が、接触する電極との界面から当該集電体の背面側に向けて水を移動する水移動手段を有する燃料電池が開示されている。この燃料電池においては、カソードでの反応生成水が、集電体の厚み方向に連続的に配された第1充填材粒子の形成する通路を通って移動することから、カソードガス供給が阻害されないという効果を奏する旨が記述されている。
【0010】
また、空気供給溝から水分を排出してガスの流れを確保する技術として、特許文献2又は特許文献3に記載された技術が提案されている。
【0011】
【特許文献2】
特開平11−97041号公報
【特許文献3】
特開2001−11032号公報
【0012】
特許文献2には、少なくともアノード電極側の供給溝の壁面の一部に撥水処理及び親水処理を施した撥水性領域及び親水性領域を形成した固体高分子型燃料電池が開示されている。この固体高分子型燃料電池においては、撥水性領域及び親水性領域を形成することにより、ガスの通路を確保することができる旨が記述されている。
【0013】
また、特許文献3には、アノード電極と、カソード電極と、これらアノード電極及びカソード電極にガスを供給する供給溝を形成した一対のセパレータとのうち、少なくとも1カ所に、水分除去用の流路を配置した高分子電解質型燃料電池が開示されている。この高分子電解質型燃料電池においては、カソード電極側にて生成した水分を除去するための流路を設けることにより、水分の排出とガスの流れとを分離することができ、ガス流路の閉塞を回避することができる旨が記述されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術においては、水分を確実に拡散層から外部へと排出することができず、内部に滞留した水分が水滴となって触媒層へのガスの供給を阻害するという問題があった。また、この技術においては、カソード側にて生成した水分が外部に排出されなければプロトン伝導体膜をアノード側に逆拡散する水分が増加することから、アノード側においても水分が供給原料の流れを阻害するという問題があった。
【0015】
このような水分は、カソード電極の酸素或いは空気を圧力や流量を管理してガスの流れに乗せて排出することもできるが、カソード電極を大気開放型にする場合が多い平面型や小型の発電セルにおいては、ガスの圧力や流量を管理してガスの流れに乗せて排出することが困難である。特に、このような発電セルを携帯型の電子機器に搭載する場合には、生成水を処理するためにガスの圧力や流量を管理する装置を新たに追加することが困難であり、生成された水分が水滴となって拡散すると、機器周囲への水分散乱による動作不良の原因となる。
【0016】
また、上述したように、外部装置或いは自然によって発生した風の流れを用いて水分を吹き飛ばしたり、水滴の自重によって水分を外部に排出したりする方法もあるが、これらの方法においては、風の流れや重力に対するデバイスの向きが所定の範囲内でなければ、離脱した水滴が意図しない場所に散乱する等の事態を生じることが想定され、発電セルを所定の機器に内蔵する場合には、燃料電池の性能低下だけでなく、機器内への水分の放出そのものが問題となる。
【0017】
さらに、生成された水滴をパイプや溝等に沿って流すことにより、一定場所に水滴を回収することもできるが、回収するためのエネルギを供給する新たな機能を設けることになり、装置の小型化と効率化が望めない。例えば、特許文献4に記載された技術においては、カソード電極にて生成する水分を回収してアノード電極の加湿に利用するのであるが、発電時間の増加にともなって水分の生成が増加し、最終的には水分を処理する必要がある。
【0018】
【特許文献4】
特開平9−213359号公報
【0019】
また、上述した特許文献2に記載された技術においては、重力によらずに、空気を供給する長い空気供給溝から水滴を排出する必要があることから、大型のポンプが必要となるという問題があった。
【0020】
さらに、上述した特許文献3に記載された技術においては、水分を除去するための流路に入った水分は排出することができるものの、空気供給溝に入ってしまった水分については全く排出することができないという問題があった。
【0021】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、発電体による発電の際に生成される生成水を、簡易な構成のもとに、効率よく且つ確実に処理することができる生成水処理システム及び生成水処理方法、並びにこれら生成水処理システム及び生成水処理方法を適用した発電装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる生成水処理システムは、発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理システムであって、発電体に配設されるとともに延在して設けられ、生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させる生成水吸収部材と、生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材とを備えることを特徴としている。
【0023】
このような本発明にかかる生成水処理システムは、発電体の発電によって生成する生成水を生成水吸収部材によって回収し、生成水を発電体の内部に滞留させることなく処理することができる。
【0024】
ここで、発電体は、水素を主体とする物質を活性物質として供給されるアノード電極と、大気開放されることによって酸素を活性物質として供給されるカソード電極と、これらアノード電極とカソード電極とに挟持される電解質膜とを有する燃料電池である。そして、本発明にかかる生成水処理システムにおいては、カソード電極に集電体が形成され、この集電体にカソード電極に酸素を供給するための開口部が形成され、この開口部の周辺部に生成水吸収部材が形成される。より具体的には、生成水吸収部材は、開口部の周囲を囲んで開口部の断面を覆い、カソード電極に至るように形成される。
【0025】
したがって、本発明にかかる生成水処理システムは、発電体が大気開放型の燃料電池である場合には、大気開放することによって酸素を供給するために設けられる集電体の開口部の周辺部に生成水吸収部材を形成し、生成水を生成水吸収部材によって回収する。このように、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水が特に生じやすい集電体の開口部を囲んで生成水吸収部材を形成することにより、生成水を効率よく吸収することができ、生成水を発電体の内部に滞留させることなく処理することができる。また、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水吸収部材が発電体から生成水を吸収して大気に蒸発させることから、ガスの圧力や流量を管理する装置を新たに追加することなく、生成水を処理することができる。
【0026】
このように、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水吸収部材によって生成水を効率よく吸収して移動させて処理することができることから、生成水が電解質膜を通過してアノード電極に逆拡散し、水素ガスの触媒部への供給が阻害されるのも回避することができ、生成水が開口部を閉塞して空気の触媒層への供給が阻害されるのを回避することができる。また、本発明にかかる生成水処理システムは、水分がカソード側から排出されることから、燃料電池の出力低下を防止することができる。
【0027】
また、本発明にかかる生成水処理システムにおいて、生成水吸収部材は、長手方向に対して空隙領域が形成された糸状の材料又は表面に凹部を有する多孔質の材料から構成される。
【0028】
したがって、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水吸収部材で毛細管現象が生じ、この毛細管現象を利用して生成水を容易に回収することができ、さらには、毛細管現象を利用して生成水を移動させることができる。また、生成水吸収部材は、毛細管現象を利用して生成水を移動させることができることから、風の流れに対する生成水吸収部材の向きや重力に対する生成水吸収部材の向きに関係なく、生成水を吸収して移動させることができる。
【0029】
生成水吸収部材は、発電体の表面から回収した生成水を大気に蒸発させて処理することから、生成水を処理するための新たな機能やエネルギを供給する装置を設けることなく、発電時間の増加にともなって増加する生成水を簡便且つ効率よく処理することができる。特に、小型化された発電装置の場合には、生成水を簡便に処理し続けることができる。
【0030】
さらに、本発明にかかる生成水処理システムにおいて、生成水吸収部材は、発電体が装着される電子機器の表面に延在して設けられる。そのため、生成水吸収部材は、回収した生成水を電子機器の表面に移動して発電体の表面に比べて面積が大きい電子機器の表面で確実に大気に蒸発させることができる。また、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水を確実に処理することができるため、電子機器に内蔵される発電体の生成水による性能低下を防ぐことができ、さらには、生成水が機器周囲に散乱するのを防ぐことができることから、生成水の散乱による機器の動作不良を回避することができる。
【0031】
さらにまた、本発明にかかる生成水処理システムにおいて、生成水吸収部材は、凹凸部又は突設部を有する。そのため、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水吸収部材が大気に接触する面積を増加させることができ、大気に接触する面積の増加にともなって生成水の蒸発量を増加させることができる。また、本発明にかかる生成水処理システムは、凹凸部や突設部を設けるといったように、生成水吸収部材の構造を変化させることにより、蒸発する生成水の蒸発量を容易に調節することができ、生成水吸収部材が回収する生成水の回収量を調節して発電体の内部の水分量を調節することができる。
【0032】
また、本発明にかかる生成水処理システムは、発電体が生成する生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材を備えることを特徴としている。
【0033】
そのため、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水吸収部材が生成水を回収した後、生成水保水部材に生成水を蓄積することにより、生成水吸収部材から蒸発する生成水の蒸発量を調節することができる。さらに、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水保水部材の容量等を変化させることにより、一時的に蓄積する生成水の蓄積量を調節することができ、生成水吸収部材から蒸発する生成水の蒸発量を調節して生成水吸収部材が回収する生成水の回収量を調節することができ、発電体の内部の水分量を調節することができる。
【0034】
ここで、生成水保水部材は、生成水吸収部材と電子機器との間に設けられる。そのため、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水が電子機器の周囲に散乱した場合であっても、電子機器の表面に設けられる生成水保水部材によって回収することができ、生成水の散乱による機器の動作不良を回避することができる。
【0035】
さらに、本発明にかかる生成水処理システムは、拡散層と集電体との間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を備えることを特徴としている。
【0036】
これにより、本発明にかかる生成水処理システムは、吸水層によって拡散層に存在する生成水を吸水し、吸水層によって吸水された生成水を、当該吸水層の一部に接触する生成水吸収部材によってさらに吸水することから、吸水のさらなる効率化を図ることができるとともに、発生した電気の集電を効率よく行うことができる。
【0037】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる生成水処理方法は、発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理方法であって、生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させ、発電体の外部へと処理する、若しくは一時的に蓄積した後に発電体の外部へと処理することを特徴としている。
【0038】
このような本発明にかかる生成水処理方法は、発電体の発電によって生成する生成水を生成水吸収部材によって回収することにより、生成水を発電体の内部に滞留させることなく処理することができる。
【0039】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる発電装置は、燃料ガスと酸化剤ガスとを供給し、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生させる発電装置であって、発電体に延在して設けられ、発電体で生成される生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させる生成水吸収部材を備えることを特徴としている。
【0040】
このような本発明にかかる発電装置は、発電体の発電によって生成する生成水を生成水吸収部材によって回収することにより、生成水が発電体の内部に滞留することなく処理されることから、発電効率の安定化を図ることができる。
【0041】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる生成水処理システムは、発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理システムであって、第1の電極に対して燃料ガスを供給する燃料供給溝と第2の電極に対して酸化剤ガスを供給する酸化剤供給溝とが形成され、発電体を挟持するセパレータと、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられ、生成水を処理する生成水処理手段とを備えることを特徴としている。
【0042】
このような本発明にかかる生成水処理システムは、生成水を、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられた生成水処理手段によって処理することにより、酸化剤供給溝に生成水が滞留することによって閉塞することがなくなる。したがって、本発明にかかる生成水処理システムは、酸化剤供給溝を通過する酸化剤ガスの流れが阻害されることを回避することができる。
【0043】
ここで、生成水処理手段としては、生成水を吸水する吸水部材を用いることができる。特に、この吸水部材は、少なくとも酸化剤供給溝の側壁の一部領域に沿って設けられるのが望ましい。
【0044】
これにより、本発明にかかる生成水処理システムは、酸化剤供給溝に生成した生成水を直接的に吸水することができる。
【0045】
また、本発明にかかる生成水処理システムにおいて、吸水部材を、さらに、酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けるようにしてもよい。
【0046】
これにより、本発明にかかる生成水処理システムは、少なくとも酸化剤供給溝の側壁の一部領域に沿って設けられた吸水部材によって吸水された生成水を、さらに、酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けられた吸水部材によって外部手段を何ら用いることなく発電体とは離隔された場所にまで拡散させることができる。
【0047】
さらに、本発明にかかる生成水処理システムにおいて、セパレータには、発電体の放熱を行うための放熱部が形成されており、酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けられた吸水部材は、放熱部が形成された面上から延在した所定の形状を呈するように形成され、所定の形状の領域が酸化剤供給溝の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0048】
これにより、本発明にかかる生成水処理システムは、発電体とは離隔された放熱部にまで生成水を拡散させ、この放熱部にて生成水を効率よく且つ確実に蒸発させることができる。
【0049】
さらに、吸水部材は、毛細管現象を利用して生成水を吸水するものであることが望ましい。
【0050】
これにより、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水を吸水部材の全域に拡散させることができることから、水処理速度を向上させ、極めて効率よく且つ確実に生成水を吸水することが可能となる。また、本発明にかかる生成水処理システムは、吸水部材が生成水を一時的に保持するバッファの役割を果たすことができ、環境湿度による生成水の蒸発速度の変化にも対応することができる。
【0051】
なお、このような毛細管現象を利用して生成水を吸水する吸水部材としては、長手方向に対して空隙領域が形成された糸状の繊維の集合体として構成されるものがある。
【0052】
さらにまた、吸水部材は、吸放湿性を有する第1の素材と、吸水性を有する第2の素材とを貼り合わせた2層構造からなる素材に対して、所定のテープ材を第2の素材の下層に貼り合わせた3層構造からなるものであることが望ましい。また、第2の素材は、毛細管現象を利用して生成水を吸水するものであることが望ましい。
【0053】
このように、本発明にかかる生成水処理システムは、所定のテープ材を最下層に設けた吸水部材を用いることにより、酸化剤供給溝を覆う部分が弛むのを回避することができ、形状を安定させることができるとともに、吸水部材に対する切断をともなう加工形成を容易に実現することが可能となる。
【0054】
なお、この3層構造からなる吸水部材のうち、第2の素材は、毛細管現象を利用して生成水を吸水するものであることが望ましい。
【0055】
また、本発明にかかる生成水処理システムは、生成水処理手段として、表面を粗面化した酸化剤供給溝を用いることもでき、さらには、撥水性や親水性の高い領域を形成した酸化剤供給溝を用いることもできる。
【0056】
本発明にかかる生成水処理システムは、このような生成水処理手段を用いることによっても、酸化剤供給溝に生成水が滞留することによって閉塞することがなくなり、酸化剤供給溝を通過する酸化剤ガスの流れが阻害されることを回避することができる。
【0057】
さらに、本発明にかかる生成水処理システムは、拡散層とセパレータとの間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を備えることを特徴としている。
【0058】
これにより、本発明にかかる生成水処理システムは、吸水層によって拡散層に存在する生成水を吸水し、吸水層によって吸水された生成水を、当該吸水層の一部に接触する生成水処理手段によってさらに処理することから、生成水処理をさらに効率よく行うことができるとともに、発生した電気の集電を効率よく行うことができる。
【0059】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる生成水処理方法は、発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理方法であって、発電体を挟持するセパレータに形成された燃料供給溝を介して第1の電極に対して燃料ガスを供給するとともに、セパレータに形成された酸化剤供給溝を介して第2の電極に対して酸化剤ガスを供給し、発電体による発電を行う発電工程と、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられた生成水処理手段を用いて生成水を処理する生成水処理工程とを備えることを特徴としている。
【0060】
このような本発明にかかる生成水処理方法は、生成水を、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられた生成水処理手段によって処理することにより、酸化剤供給溝に生成水が滞留することによって閉塞することがなくなり、酸化剤供給溝を通過する酸化剤ガスの流れが阻害されることを回避することができる。
【0061】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる発電装置は、燃料ガスと酸化剤ガスとを供給し、これら燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生させる発電装置であって、第1の電極と第2の電極との間に所定の電解質膜が設けられた発電体と、第1の電極に対して燃料ガスを供給する燃料供給溝と第2の電極に対して酸化剤ガスを供給する酸化剤供給溝とが形成され、発電体を挟持するセパレータと、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられ、発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理手段とを備えることを特徴としている。
【0062】
このような本発明にかかる発電装置は、生成水を、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられた生成水処理手段によって処理することにより、酸化剤供給溝に生成水が滞留することによって閉塞することがなくなる。したがって、本発明にかかる発電装置は、酸化剤供給溝を通過する酸化剤ガスの流れが阻害されることを回避することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0064】
この実施の形態は、燃料ガスとしての水素と酸化剤ガスとしての空気とを供給し、これら水素と空気とを電気化学的に反応させて発電体に電力を発生させる発電装置としての燃料電池、及びこの燃料電池に適用される生成水処理システムである。
【0065】
まず、第1の実施の形態として示す生成水処理システムについて説明する。
【0066】
図1は、生成水処理システムを適用した発電装置の一例を示す断面図である。生成水処理システムは、発電体と、この発電体に配設されるとともに延在して設けられ当該発電体による発電の際に生成される生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させる生成水吸収部材と、生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材とを有する。
【0067】
具体的には、同図に示すように、発電装置20は、水素側電極であるアノード電極に配設される水素側集電体11と、酸素側電極であるカソード電極に配設される酸素側集電体17と、これら水素側集電体11と酸素側集電体17との間に挟持される発電体10を主たる構成要素とされる。
【0068】
この発電装置20の酸素側集電体17上には、カソード電極にて生成される生成水を移動させる生成水吸収部材18が設けられる。この生成水吸収部材18は、後述する酸素側集電体17における開口部17aからカソード電極に対して酸素が供給されるように当該開口部17aの周辺部に形成されるとともに、また、当該開口部17aからカソード電極が大気に接触するのを阻害しないように形成される。
【0069】
この発電装置20のアノード電極には、燃料として水素(H2)やメタノール等の物質が、例えば水素吸蔵カートリッジ等から燃料として供給される。発電装置20のカソード電極には、酸素(空気)が供給される。ここで、酸素側集電体17には、上述したように、開口部17aが形成されており、この開口部17aを介して酸素側拡散層16が大気開放されて大気に接触することにより、カソード電極に対して酸素が供給される。
【0070】
なお、同図において概略的に示すように、発電装置20上に形成される生成水吸収部材18は、発電体10による発電の際に生成される生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材22に連結している。この生成水保水部材22は、後述するように、生成水吸収部材18に当接するとともに電子機器の表面等に設けられる。
【0071】
発電体10は、酸素側集電体17に当接する酸素側拡散層16と、この酸素側拡散層16からの酸素に対してアノード電極からの電子(e−)とプロトン(H+)とを反応させて水分を生じさせる酸素側触媒層15と、プロトン(H+)の移動を可能とする電解質膜14と、カソード電極へと移動する電子(e−)とプロトン(H+)とを生じさせる水素側触媒層13と、水素側集電体11に当接する水素側拡散層12とを積層した構造となる。
【0072】
このような発電体10においては、酸素側集電体17における開口部17aから大気開放によって流入する酸素が酸素側拡散層16で拡散され、拡散した酸素を用いて酸素側触媒層15で1/2O2+2H++2e−=H2Oの如き反応が起こり、このときの発電によって水分が生成される。ここで、水素側触媒層13、水素側拡散層12、及び水素側集電体11は、燃料電極を構成する。燃料として供給される水素は、水素側拡散層12で拡散され、拡散した水素を用いて水素側触媒層13でH2→2H++2e−の如き反応が起こり、電子(e−)とプロトン(H+)を発生させる。水素側触媒層13で発生したプロトン(H+)は、電解質膜14に移動した後、酸素側触媒層15へと到達して酸素と反応する。そして、電子(e−)は、図示しない外部回路によって酸素側集電体17を介して酸素側触媒層15へと到達する。
【0073】
また、発電装置20の酸素側集電体17には、上述したように、空気中の酸素を発電体10の酸素側拡散層16に対して供給するための気体流入口として開口部17aが複数形成される。生成水吸収部材18は、開口部17aの断面を覆うように形成される。酸素は、この開口部17aを介して発電体10の酸素側拡散層16が大気開放されることによって取り込まれる。なお、開口部としては、例えば生成水吸収部材18に形成してもよく、より具体的には、この生成水吸収部材18に形成された開口部を開口部17aに重ねるようにして当該開口部17aの断面を覆うように形成してもよい。この場合、生成水吸収部材18に形成される開口部の形状は、酸素側集電体17における開口部17aの形状と同様に、円形、楕円形、ストライプ形状、又は多角形形状等の各種形状とすることができ、酸素側拡散層16を大気に接触しやすいような形状とするのが望ましい。また、ここでは、生成水吸収部材18が酸素側集電体17と別個の構成部材となっているが、生成水吸収部材としては、例えばコーティング等を施すことによって酸素側集電体17と一体化することもできる。
【0074】
さらに、酸素側集電体17上に設けられる生成水吸収部材18は、酸素側集電体17に当接して設けられるのであるが、発電体10の酸素側拡散層16に対して大気開放して酸素を供給するために設けられた開口部17aの周囲を囲むようにして当該開口部17aの周辺部に設けられ、具体的には、例えば開口部17aの断面を覆うように形成される。この場合、生成水吸収部材18は、空気を供給する開口部17aを閉塞することがないため、空気の流れを阻害することがない。
【0075】
このような生成水吸収部材18は、水分を吸収する親水性を有する吸収材料からなり、例えば、橋架ポリアクリル酸塩系、イソブチレン/マイレン酸塩系、澱粉/ポリアクリル酸塩系、PVA(Poly Vinyl Alcohol)/ポリアクリル系、アクリル繊維の加水分解系、橋架PVA系といった高分子材料を適用することができる。また、生成水吸収部材18は、後述するように、生成水を離隔された所定の場所まで移動させて蒸発させるのが望ましく、水分を移動させる材料でもあることが望ましい。このような材料としては、例えば、表面に凹部を有する多孔質金属や多孔質鉱物、親水性カーボン、紙、パルプ、高分子材料、天然繊維、合成繊維等が挙げられる。また、このような材料としては、毛細管現象が生じる高吸水性を有する材料が知られており、例えば、長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料を縦横に織り込んだ合成繊維であるポリエステル/ナイロン複合材やポリエステル等がある。また、生成水吸収部材18としては、長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料を集合した合成繊維等でもよい。
【0076】
例えば、長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料としては、ポリエステル/ナイロン複合材等の複合材があるが、凸部を有する略星型形状の材料を中心として当該略星型形状の材料が有する各凸部の間に他の材料が形成される複合材がある。この複合材においては、略星型形状の材料と他の材料との間に微細な空隙領域が形成されており、微細な空隙領域に侵入する水分は、空隙領域の長手方向に対する断面での面積が小さいことから、水の表面張力によって圧力が高められて毛細管現象が生じる。また、微細な空隙領域は、略星型形状の材料と他の材料との間の隙間であってもよいし、長手方向に対して形成された微細な溝であってもよい。このように、長手方向に対する断面で微細な空隙領域が形成された糸状の材料を用いた場合には、微細な空隙領域により水の表面張力によって圧力が高められて毛細管現象が生じ、この毛細管現象を利用して水分を移動させることができ、高い吸水性を有する移動材料を構成できる。さらに、このような糸状の材料を用いた場合には、各糸状の材料同士の間で水の表面張力が生じ、水の表面張力によって水を吸収することができる吸水材料を構成できる。
【0077】
ここで、従来例においては、カソード電極における酸素側触媒層にて生成される生成水は、酸素側拡散層に侵入する。さらに、酸素側拡散層に侵入した生成水は、酸素側集電体へと到達し、常温である大気に接触することによって水滴となり、酸素側集電体上に凝集する。このように、従来例においては、蒸気が水滴となって酸素側集電体上に生成する場合には、水の表面張力によって水滴が大きくなり、開口部17aに相当する開口部が水滴によって閉塞し、酸素側触媒層への酸素の供給が阻害され、発電体の出力が低下することになる。
【0078】
これに対して、発電装置20においては、酸素側集電体17に当接して生成水吸収部材18が形成され、この生成水吸収部材18が酸素側集電体17における開口部17aの周辺部に形成されることから、開口部17aで増加する生成水が生成水吸収部材18に接触して吸収される。このとき、発電装置20においては、生成水が生成水吸収部材18に接触すると水の表面張力によって生成水吸収部材18に吸い寄せられるのであるが、上述したように、生成水吸収部材18が糸状の材料から構成される場合には、糸状の材料間で水の表面張力が作用して吸水性を呈することから、生成水が生成水吸収部材18に吸収される。さらに、発電装置20においては、上述したように、生成水吸収部材18を形成する糸状の材料が長手方向に対する断面で微細な空隙領域が形成されることから、毛細管現象が生じる高吸水性を有する材料とされ、吸収した生成水を毛細管現象を利用して移動させることができる。また、発電装置20においては、酸素側集電体17に染み出る水分であっても、高吸収性を有する生成水吸収部材18によって確実に吸収され、開口部17aが良好な状態のもとに発電体10に酸素が供給されることになる。
【0079】
また、後述するように、生成水吸収部材18は、吸収した生成水を発電体10の表面よりも大きい面積を有する電子機器等の表面に移動させて蒸発させる。このように、発電装置20においては、生成水吸収部材18を面積が大きい電子機器等の表面に設けることにより、効率よく蒸発させることができ、生成水吸収部材18が生成水を吸収・移動させる度に生成水を常に蒸発させ続けることができる。
【0080】
このように、発電装置20においては、長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料から構成される生成水吸収部材18を用いることにより、生成水吸収部材18で生じる毛細管現象を利用して生成水を高吸水性のもとに回収して移動させることができる。特に、発電体10のような大気開放型燃料電池においては、酸素側集電体17に凝集する生成水は開口部17aの周辺部に凝集しやすいが、開口部17aの周辺部に生成水吸収部材18を設けることにより、生成水が生成される度に効率よく回収して移動させることができる。また、発電装置20においては、生成水吸収部材18が酸素側集電体17上に設けられることから、発電によって酸素側集電体17に生じる熱により、生成水吸収部材18から生成水が蒸発するのを促進させることができ、発電時に生じる熱が生成水の蒸発に用いられることから、発電時の熱による発電体10の温度上昇を効率よく回避することができる。なお、発電装置20においては、生成水吸収部材18を酸素側集電体17の開口部17a周辺部の断面を覆うように設けるのではなく、開口部17aから離隔して、重力や風の流れによって酸素側集電体17から離隔した生成水を吸収するように構成してもよい。
【0081】
図2は、生成水吸収部材18が設けられたノート型パーソナルコンピュータの一例の概略図である。上述したように、生成水吸収部材18は、発電装置20における開口部17aの周辺部分に設けられて発電時の生成水を回収した後、回収した生成水を発電体10の表面から移動させて表面積が大きいノート型パーソナルコンピュータ21の背面で蒸発させる。そのため、生成水吸収部材18は、発電装置20の酸素側集電体17に配設されると同時に、生成水が蒸発しやすいような表面積が大きいノート型パーソナルコンピュータ21の背面に延在して設けられる。例えば、同図に示すように、生成水吸収部材18は、発電装置20が収納されるノート型パーソナルコンピュータ21のディスプレイ背面全体に設けられる。また、図示しないが、発電装置20は、装置本体であるノート型パーソナルコンピュータ21に装着されるのであるが、カード用のスロットから挿入したりしてもよく、ノート型パーソナルコンピュータ21の底部に装着したりしてもよい。なお、ここでは、携帯型の電子機器としてノート型パーソナルコンピュータを用いて説明するが、携帯型の電子機器としては、燃料電池カードから電力が供給される携帯電話等であってもよい。
【0082】
生成水吸収部材18として長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料からなる移動材料を用いる場合には、発電装置20のカソード電極で生成される生成水は、生成水吸収部材18により、毛細管現象を利用して回収され、当該生成水吸収部材18の全域に亘って移動される。特に、生成水吸収部材18は、ノート型パーソナルコンピュータ21のディスプレイの背面に設けられる場合には、当該ノート型パーソナルコンピュータ21の使用時にディスプレイを開いた場合であっても、毛細管現象を利用して重力の方向とは逆方向に吸い上げて移動させることができる。このとき、毛細管現象を利用して水分を吸い上げる水通路の断面積が小さいほど吸い上げる力が大きくなることから、生成水吸収部材18は、長手方向に対する断面に微細な空隙領域の断面積が小さいほど吸水性が高くなり、生成水を容易に吸い上げることができる。さらに、生成水吸収部材18は、毛細管現象を利用して水分を吸い上げる水通路の断面積が小さいほど回収した生成水を容易に移動させることができ、当該生成水吸収部材18の全域に生成水を移動しやすくなる。ノート型パーソナルコンピュータ21においては、生成水吸収部材18が生成水を全域に亘って移動させると、当該生成水吸収部材18が大気に接触する表面部分で放湿材料である当該生成水吸収部材18から生成水が蒸発される。このように、ノート型パーソナルコンピュータ21においては、生成水吸収部材18によって回収された生成水が、発電体10の表面積に比べて大きいディスプレイ背面に形成される生成水吸収部材18の表面全域から蒸発し続けることから、生成水を発電装置20の外部へと排出する新たな装置を設けることなく、簡便に生成水を外部へと排出して処理することができる。
【0083】
上述したように、発電体10で生成された水分は、酸素側集電体17に当接する生成水吸収部材18によって吸収され、生成水吸収部材18の全域へと移動される。このとき、ノート型パーソナルコンピュータ21においては、生成水吸収部材18によって生成水を吸収する際に、生成水吸収部材18での毛細管現象を利用して重力の方向とは逆方向に水分を吸収する。そのため、ノート型パーソナルコンピュータ21を開いて使用する発電時であっても、ノート型パーソナルコンピュータ21の背面に形成された生成水吸収部材18は、生成水を吸収して表面積が大きいノート型パーソナルコンピュータ21のディスプレイ背面の全面から生成水を容易に蒸発させることができ、より効率よく生成水を処理することができる。また、ノート型パーソナルコンピュータ21においては、生成水吸収部材18から生成水を蒸発させることにより、生成水吸収部材18が含む生成水の水分濃度が低下するため、発電体10から生成水が生じやすい発電時であっても、生成水を処理することができ、発電体10の発電性能を保持し続けることができる。また、発電装置20を平面型で面積の大きな発電装置としてノート型パーソナルコンピュータ21の底部に装着する場合には、発電体10から生成水を回収する生成水吸収部材18の表面積が大きくなることから、生成水吸収部材18の表面から生成水が蒸発しやすくなり、より効率よく生成水を大気に蒸発させることができる。
【0084】
このように、発電装置20においては、酸素側集電体17に生成水吸収部材18を設け、発電によって生じる生成水を吸収・移動した後、この生成水を大気に蒸発させて処理する場合には、発電体10で生じる水分を当該発電装置20の内部で滞留させることなく、酸素側拡散層16から排出することができる。そのため、発電装置20においては、電解質膜14を通過してアノード電極に水分が逆拡散することにより、水素ガスの水素側触媒層13への供給が阻害されるのを回避することができる。また、発電装置20においては、カソード電極にて生成された生成水についても、酸素側集電体17における開口部17aを閉塞することがなく、空気の酸素側拡散層16への供給が阻害されるのを回避することができ、発電体10の発電性能を低下させることなく発電し続けることができる。さらに、発電装置20においては、生成水吸収部材18の容積や分量を容易に調整することができることから、生成水吸収部材18の容積や分量を調節することにより、生成水吸収部材18が吸収する生成水の水分量や生成水吸収部材18で蒸発する生成水の蒸発量を容易に調節することができ、湿度、温度、空気の流れといった外部環境に影響されにくく、外部環境及び出力に応じた最適な発電を行うことができる。
【0085】
なお、生成水吸水部材としては、以下のような形状とすることもできる。
【0086】
図3には、ノート型パーソナルコンピュータ21のディスプレイ背面に形成する生成水吸収部材について、他の形状を有する場合における一例を示している。同図における生成水吸収部材18aの形状は、鋸歯形状に凹凸部が形成されたものである。この生成水吸収部材18aにおいても、吸収した生成水を全域に移動した後に大気に蒸発させるのであるが、当該生成水吸収部材18aが大気に接触する表面積が大きいほど生成水は蒸発しやすいため、生成水吸収部材18aが大気に接触する表面積に比例して蒸発する生成水の量は増加する。そのため、同図に示す生成水吸収部材18aのように、鋸歯形状に凹凸部が形成された形状とした場合には、生成水吸収部材18aが大気に接触する表面積が増加し、生成水吸収部材18aの投影面積を増加させることなく、蒸発する生成水の量を増加させることができる。
【0087】
また、図4には、ノート型パーソナルコンピュータ21のディスプレイ背面に形成する生成水吸収部材について、さらに他の形状を有する場合における一例を示している。同図における生成水吸収部材18bの形状は、その表面に断面がT字型を呈する突設部が形成されたものである。図3に示した生成水吸水部材18aと同様に、生成水吸収部材18bが大気に接触する表面積が大きいほど生成水は蒸発しやすく、生成水が表面積に比例して蒸発する。そのため、同図に示す生成水吸収部材18bのように、T字型の突設部が形成された形状とした場合には、生成水吸収部材18bが大気に接触する表面積が増加し、生成水吸収部材18bの投影面積を増加させることなく、蒸発する生成水の量を増加させることができる。
【0088】
このように、生成水吸収部材18としては、その形状を立体的な種々の形状とすることにより、大気に接触する面積を増加させることができ、大気に接触する面積の増加にともなって蒸発させて処理できる生成水の量を効率よく増加させることができる。また、発電装置20におけるアノード電極には、水素を水素側拡散層12へと侵入させるために適量の水分が必要であるが、生成水吸収部材18の形状を変更して表面積を変更することにより、生成水吸収部材18による生成水の吸収量を制御し、回収する生成水の回収量を制御することができる。
【0089】
図5は、生成水吸収部材とともに生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材が設けられたノート型パーソナルコンピュータの一例の概略図である。この場合、生成水保水部材22は、ノート型パーソナルコンピュータ21のディスプレイ背面と生成水吸収部材18との間に設けられる。このとき、生成水保水部材22は、ディスプレイの背面全体に設けるようにしてもよいし、ディスプレイ背面の外縁部付近等の一部に設けるようにしてもよい。ノート型パーソナルコンピュータ21においては、生成水保水部材22が生成水吸収材18から生成水を吸収して蓄積した後、生成水吸収部材18が生成水保水部材22から蓄積された生成水を再度吸収し、この生成水を生成水吸収部材22から大気に蒸発させる。このような生成水保水部材22は、ノート型パーソナルコンピュータ21及び生成水吸収部材18から着脱できるように構成され、吸収した生成水がある一定の量を越えると交換したり、或いは生成水を絞ってから再利用したりすることもできる。例えば、生成水保水部材22としては、ノート型パーソナルコンピュータ21から発電装置20を着脱する際に同時に着脱可能な構造とすることができ、発電装置20に燃料を供給する水素吸蔵カートリッジを交換する際等に同時に着脱されるようにすることができる。
【0090】
発電装置20の発電体10で生成される生成水は、生成水吸収部材18で回収された後に生成水吸収部材18の全域に亘って移動され、生成水保水部材22に吸収されて当該生成水保水部材22に一時的に蓄積される。生成水保水部材22は、例えば生成水吸収部材18と同様に生成水を吸収でき且つ保水できる材料から構成されるが、一例として、表面に凹部を有する多孔質金属や多孔質鉱物、親水性カーボン、高分子材料といった保水性を有する材料を用いることができる。また、生成水保水部材22としては、生成水吸収部材18と同様に、長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料が集合して構成される移動材料を用いる場合には、生成水吸収部材18が移動した生成水が毛細管現象を利用して吸い上げられて当該生成水保水部材22に吸収されて蓄積される。このとき、微細な空隙領域の断面積が小さいほど毛細管現象によって吸い上げる力が大きくなることから、生成水保水部材22は、微細な空隙領域の水通路の断面積が小さいほど吸水性が高くなり、容易に吸水することが可能とされる。
【0091】
このように、発電装置20に生成水吸収部材18を配設し、発電によって生じる生成水を回収・移動した後、生成水保水部材22に生成水を一時的に蓄積する場合には、生成水保水部材22は、生成水吸収部材18に当接して設けられるのであるが、生成水吸収部材18が発電体10の発電によって生じる生成水を回収・移動した後に生成水を蒸発させる場合には、生成水吸収部材18からの蒸発量が生成水吸収部材18の回収する生成水量に比べて少ないときに、一時的に生成水を蓄積することができる。そのため、発電装置20においては、生成水保水部材22の容積や分量を調節することにより、生成水吸収部材18が回収する生成水の水分量を調節することができ、湿度、温度、空気の流れといった外部環境に影響されにくく、外部環境及び出力に応じた最適な発電を行うことができる。
【0092】
以上のような発電装置20について、本件出願人は、以下のような実験を行った。
【0093】
まず、発電体である燃料電池を以下のように製造した。すなわち、発電体における水素側触媒層及び酸素側触媒層を形成するために、田中金属株式会社製”白金担持カーボン(担持量46.7wt%)”とデュポン株式会社製”固体高分子電解質溶液(Nafion(登録商標)溶液)”とを、いわゆるNPAと水とを用いて混合し、分散性向上のため、金属球を添加したポリエチレン容器中で2時間攪拌した。さらに、これをポリテトラフルオロエチレンシートの上に白金担持密度が0.22mg/cm2となるように塗布して乾燥させ、水素側触媒層及び酸素側触媒層を形成した。そして、水素側触媒層及び酸素側触媒層を形成した後、これらの触媒層を固体高分子膜からなる電解質膜(商品名 Nafion(登録商標) 112)の両面に熱転写した。さらに、水素側拡散層及び酸素側拡散層をそれぞれ水素側触媒層及び酸素側触媒層上に形成するため、ジャパンゴアテックス株式会社製”カーボンクロスCARBEL(登録商標)”にて挟み込み、再度、熱プレスにて接合を行い、発電体となる膜−電極接合体を製作した。
【0094】
そして、この膜−電極接合体である発電体を、表面に金メッキ処理を施した水素側集電体及び酸素側集電体である金属構造体で把持して燃料電池を製造し、この燃料電池を用いて電圧特性の確認を行った。実験は、気温が22℃〜23℃であり、相対湿度が30%〜40%である室内環境下で行った。また、燃料としてアノード側に水素ガスを供給するとともに、カソード側については酸素側拡散層と接する金属構造体の一部に空気取り入れ口として開口部を設け、この開口部を介して空気を供給した。さらに、生成水吸収部材としては、カネボウ合繊株式会社製の高吸水性且つ高放湿性を有する繊維である”ベリーマ(登録商標)X”からなる布地を用い、これを開口部の周辺部、特に近傍に配置した。さらにまた、比較例として、生成水吸収部材を配置する処理を行わない場合についても、同様の実験を行った。
【0095】
このような発電体を用いた実験結果を図6に示す。同図には、発電体による発電電圧について、1.5Aでの定電流特性を測定したときの時系列チャートを示しており、同図における縦軸は、ボルト(V)を単位とする発電体からの出力電圧を示し、横軸は、分を単位とする経過時間を示している。
【0096】
同図に示すように、生成水吸収部材を配置しない比較例においては、時間の経過にともない出力が徐々に低下していくのに対して、生成水吸収部材を配置した実施例においては、時間の経過にかかわらず出力が安定していることがわかる。また、目視観察についても、比較例においては、発電体の発電によって生成水が空気取り入れ口である開口部に水滴として蓄積したのが観察されたのに対して、生成水吸収部材を配置した場合には、水滴の蓄積は観察されなかった。これは、カソード側の金属構造体の一部に設けられる開口部の近傍に生成水吸収部材を配置したためであり、生成水吸収部材が生成水を回収して移動させたために、開口部から安定した空気の取り入れを行うことができるからに他ならない。このように、生成水吸収部材によって回収された生成水は、生成水吸収部材から大気に蒸発され、長時間に亘って安定した生成水の回収を行うことができ、さらには、燃料電池に対して安定した空気の取り入れを行うことができることがわかった。
【0097】
以上のように、発電装置20においては、生成水吸収部材18によって発電体10で生じる生成水を吸収・移動した後、生成水吸収部材18によって生成水を大気に蒸発させて処理する。そのため、発電装置20においては、発電体10で生じる生成水を当該発電装置20の内部に滞留させることなく処理することができ、酸素側拡散層16から排出することができる。さらに、発電装置20においては、電解質膜14を通過してアノード電極に水分が逆拡散することにより、水素ガス等の水素を主体とする物質の水素側触媒層13への供給が阻害されるのを回避することができる。また、発電装置20においては、カソード電極についても、生成された生成水が酸素側集電体17の開口部17aを閉塞することがなく、空気の酸素側拡散層16への供給が阻害されるのを回避することができ、発電体10の発電性能を低下させることなく発電し続けることができる。
【0098】
また、発電装置20においては、生成水吸収部材18が毛細管現象を利用して生成水を回収して移動させることから、吸収性を変えることなく、生成水吸収材18の容積や分量を容易に調整することにより、生成水の水分量や蒸発する生成水の蒸発量を調節することができ、湿度、温度、空気の流れといった外部環境に影響されにくく、外部環境及び出力に応じた最適な発電を行うことができる。さらに、発電装置20のアノード電極には、プロトンが電解質内を移動するために適量の水分が必要であるが、発電装置20においては、生成水吸収部材18の容積や分量を調節することにより、生成水の水分量や蒸発する生成水の蒸発量を調節することができ、生成水吸収部材18の生成水の吸収量を制御して水素側拡散層12を湿らせる水分量を制御することができる。
【0099】
さらに、生成水吸収部材18は、毛細管現象を利用した高吸収性を有する高放湿材料であることから、カソード電極を大気開放型にする場合が多い平面型や小型の発電装置であっても、ガスの圧力や流量を管理する装置を新たに追加することなく、確実に生成水を回収して大気に蒸発させて処理することができ、さらには、生成水吸収部材18が生成水を回収することにより、機器周囲に散乱する可能性がある生成水を処理することができ、機器の動作不良を回避することができる。
【0100】
さらにまた、生成水吸収部材18は、外部装置や自然に発生した風の流れによって水滴を吹き飛ばしたり、水滴の自重によって水分を外部へと排出したりする方法とは異なり、毛細管現象を利用して生成水を吸い上げて大気に蒸発させることから、風の流れや重力に対する装置の向きとは関係なく生成水を回収して大気に蒸発させることができる。そのため、発電装置20においては、生成水が意図しない場所や機器内に散乱することなく、電子機器に内蔵される燃料電池の性能低下を防ぐだけではなく、機器外へ容易且つ確実に生成水を大気に蒸発させることができる。
【0101】
また、発電装置20のカソード電極で生成された生成水は、生成水吸収部材18によって回収された後に、生成水吸収部材18で蒸発するのであるが、生成水吸収部材18が回収して移動させる度に、生成水吸収部材18から大気に蒸発する。そのため、一定場所に生成水を回収して蓄積させることなく、また新たなエネルギを発電する機能を設けることなく、小型化された装置で発電時間の増加にともなって増加する水分を簡便且つ効率よく大気に蒸発させることができる。また、新たに水分を蓄積する部位を設けることが困難な平面型や小型の携帯型の発電装置であっても、生成水吸収部材18で水分を回収する度に、生成水吸収部材18から大気に蒸発させるため、蓄積した水分を定期的に処理する必要がなく、発電体10で生成される水分を容易に常に処理し続けることができる。
【0102】
さらに、生成水吸収部材18は、その形状を種々の形状とすることにより、大気に接触する面積を増加させることができ、それにともなって蒸発させて処理できる生成水の量を効率よく増加させることができる。
【0103】
さらにまた、発電装置20においては、生成水吸収部材18からの蒸発量が生成水吸収部材18の吸収する生成水量に比べて少ないような場合には、生成水吸収部材18上に当接して生成水保水部材22を設けることにより、一時的に生成水を蓄積することができる。そのため、発電装置20においては、生成水保水部材22を設けることにより、生成水吸収部材18から蒸発する生成水の蒸発量を制御することができ、当該発電装置20の内部の水分量を容易に制御することができ、湿度、温度、空気の流れといった外部環境に影響されにくく、外部環境及び出力に応じた最適な発電を行うことができる。
【0104】
なお、生成水吸収部材を適用した電子機器としては、ノート型パーソナルコンピュータに限られるものではない。すなわち、生成水吸収部材を適用した燃料電池や燃料電池カードを搭載する機器としては、ノート型パーソナルコンピュータの他、携帯型のプリンタやファクシミリ、パーソナルコンピュータ用周辺機器、電話機、テレビジョン受像機、通信機器、携帯端末機、カメラ、オーディオ機器、ビデオ機器、扇風機、冷蔵庫、アイロン、ポット、掃除機、炊飯器、電磁調理器、照明器具、ゲーム機やラジコンカー等の玩具、電動工具、医療機器、測定機器、車両搭載用機器、事務機器、健康美容器具、電子制御型ロボット、衣類型電子機器等を挙げることができ、その他の用途にも使用することができる。特に、本発明は、携帯型で小型の電子機器に燃料電池を搭載する場合には、新たに生成水を処理する装置を追加することなく使用することができる。
【0105】
つぎに、第2の実施の形態として示す生成水処理システムについて説明する。
【0106】
この第2の実施の形態は、生成水処理システムを適用した発電装置たる燃料電池である。この燃料電池は、アノード電極とカソード電極との間に所定の電解質膜が設けられた発電体としてのいわゆるMEAを複数積層して構成されたものであり、アノード電極に対して水素を供給する燃料供給溝としての水素供給溝とカソード電極に対して空気を供給する酸化剤供給溝としての空気供給溝とが表裏面に形成された薄板状のセパレータによってMEAを挟持し、このセパレータを介して水素及び空気の供給を行うことにより、発電を行うものである。
【0107】
特に、この燃料電池は、少なくともセパレータに形成された空気供給溝の途中領域に、発電体による発電の際に生成された生成水を処理する手段を設けることにより、簡易な構成のもとに、生成水を効率よく且つ確実に処理することができるものである。
【0108】
まず、燃料電池におけるセパレータの構成について説明する。
【0109】
図7に燃料電池におけるセパレータ110を表面から見た平面図を示す。このセパレータ110には、図示しないアノード電極に対して水素を供給する水素供給溝111がその表面に形成される。
【0110】
この水素供給溝111は、セパレータ110の面内に水素を流入させるためのものであり、水素ガスを供給する図示しない水素供給部と接続する供給孔112と接続部113を介して一体に形成されるとともに、水素ガスを排出する排出孔114と接続部115を介して一体に形成される。また、水素供給溝111は、小型化を図りつつも発電効率を高めるために、供給孔112と接続する接続部113から排出孔114と接続する接続部115まで蛇行状に1本の溝として形成される。なお、供給孔112及び排出孔114は、後述する発電部としてスタック構造を形成した際に積層される各セパレータ110の間で接続され、水素ガスを各セパレータ110に供給する供給路を形成する。
【0111】
また、このセパレータ110には、図8に裏面から見た底面図を示すように、図示しないカソード電極に対して空気を供給する空気供給溝116が形成される。
【0112】
この空気供給溝116は、セパレータ110の面内に酸素を含む空気を流入させるためのものであり、同図縦方向で示すセパレータ110の短手方向における両側縁部に開口して延在するように形成される。セパレータ110には、この空気供給溝116が、同図横方向で示す長手方向に沿って複数形成される。なお、同図においては、10本の空気供給溝116が設けられている様子を示している。また、空気供給溝116には、空気を供給する図示しない空気供給部に臨んで一方の側縁部に開口した供給口117を介して空気が供給されるとともに、この供給口117とは逆側の他方の側縁に開口した排出口118を介して空気が排出される。ここで、供給口117及び排出口118は、それぞれ、空気供給溝116の断面積よりも大きく形成されるとともに、同図縦方向で示す空気供給溝116の奥行き方向に沿ってテーパ状に断面が狭まる形状に形成される。これにより、セパレータ110においては、空気供給溝116への空気の取り込み及び空気供給溝116からの空気の排出の際における流路抵抗を低減することができ、空気の供給及び排出を円滑に行うことが可能となる。
【0113】
さらに、セパレータ110には、同図中斜線部に示すように、空気供給溝116が形成された面の少なくとも一部を覆うように、生成水を吸水する吸水部材としての吸水布120が設けられる。この吸水布120は、同図中右部に示す空気供給溝116が形成されていない所定の面積を有する放熱フィンが形成された面上から、複数の帯状領域が延在することによって短冊状の形状を呈するように形成され、短冊状の領域が空気供給溝116の少なくとも一部を覆うように配置される。また、セパレータ110には、図8中一点鎖線で示すHH線の断面図を図9に示すように、空気供給溝116の側壁に沿って同図斜線部に示す吸水部材としての吸水布121が設けられる。
【0114】
これら吸水布120,121としては、吸水性を有するものであればいかなるものであっても適用することができる。
【0115】
具体的には、吸水布120,121としては、親水性を有する吸水材料を用いるのが望ましく、上述した生成水吸収部材18と同様に、例えば、橋架ポリアクリル酸塩系、イソブチレン/マイレン酸塩系、澱粉/ポリアクリル酸塩系、PVA/ポリアクリル系、アクリル繊維の加水分解系、橋架PVA系といった高分子材料を適用することができる。また、吸水布120,121としては、吸水した生成水を離隔された所定の場所まで移動させて蒸発させるのが望ましく、水分を移動させる材料でもあることが望ましい。このような材料としても、上述したように、例えば、表面に凹部を有する多孔質金属や多孔質鉱物、親水性カーボン、紙、パルプ、高分子材料、天然繊維、合成繊維等が挙げられる。また、このような材料としては、毛細管現象を利用した高吸水性を有する材料が知られており、例えば、長手方向に対する断面に微細な空隙領域が形成された糸状の材料を縦横に織り込んだ合成繊維であるポリエステル/ナイロン複合材やポリエステル等がある。
【0116】
吸水布120,121としては、このような特性を実現する種々の材料を用いることができる。
【0117】
ここで、吸水布120,121に望まれるこれらの特性を踏まえ、吸水布120,121として、以下に示すものを提案する。
【0118】
吸水布としては、図10に示すように、吸放湿性に優れた第1の素材131と、吸水性に優れた第2の素材132とを貼り合わせた2層構造からなる布材に対して、さらに、粘着テープ等のテープ材133を第2の素材132の下層に貼り合わせた3層構造からなる素材を提案する。
【0119】
第1の素材131は、吸放湿性に優れたものが用いられ、例えば、吸水ポリマーをナイロンで被覆した芯鞘複合構造によって吸放湿性の制御を可能としたユニチカファイバー株式会社製”ハイグラ(HYGRA)(登録商標)”を適用することができる。このハイグラ(登録商標)は、衣服等に用いた場合には、衣服内及び外気における蒸気圧の差によって吸湿及び放湿を行うものである。このような第1の素材131は、3層構造からなる吸水布の最上層を形成し、第2の素材132によって吸水された生成水を吸湿し、外気へと放湿する。
【0120】
第2の素材132は、吸水性に優れたものが用いられ、例えば、上述した毛細管現象を利用して高吸水性を発揮するユニチカファイバー株式会社製”ルミエース(LUMIACE)(登録商標)”を適用することができる。このルミエース(登録商標)は、不定型断面を有する異なる繊度の繊維の集合体であり、各繊維が通常の丸断面よりも非常に多くの接触点を有するとともに、通常の丸断面糸では存在しない接触面を有するものである。そして、このルミエース(登録商標)は、これら接触点及び接触面の存在によって長手方向に対して形成される微細な空隙領域に侵入した水分の表面張力による圧力が高くなることにより、毛細管作用が働き、優れた吸水性を発揮するものである。このような第2の素材132は、3層構造からなる吸水布の中間層を形成し、テープ材133を介して吸水した生成水を第1の素材131へと放出する。
【0121】
なお、第1の素材131と第2の素材132とを貼り合わせた2層構造からなる布材としては、例えば、ユニチカファイバー株式会社製”HYGRA−LU”のように市販されているものもあり、吸水布としては、このような材料を用いることもできる。
【0122】
テープ材133は、粘着性を有する樹脂系のものが用いられ、セパレータ110に対して吸水布を貼着するために設けられる。したがって、テープ材133は、水分によって接着力に影響を受けにくいものが望ましく、例えば、住友スリーエム株式会社製”ポリエステル基材両面テープ442JS”を適用することができる。このポリエステル基材両面テープ442JSは、ポリエステル基材の両面に耐アルカリ性に優れたゴム系粘着材をコーティングしたいわゆる両面テープであり、種々の被着体に対して優れた初期接着力を示すとともに、剥離時には糊残りがしにくいものである。このようなテープ材133は、3層構造からなる吸水布の最下層を形成し、セパレータ110に貼着され、第2の素材132による吸水力によって吸水された生成水を第2の素材132へと通過させる。
【0123】
セパレータ110においては、毛細管現象を利用して高吸水性を有するこのような3層構造からなる素材を用いることにより、極めて効率よく且つ確実に生成水を吸水することが可能となる。
【0124】
また、セパレータ110においては、吸水布120,121として、このようなテープ材133を最下層に設けたものを用いることにより、空気供給溝116を不必要に閉塞するおそれを回避することができる。すなわち、吸水性を有する布材は、極めてしなやかであることから、テープ材133を設けずにそのまま吸水布120として用いた場合には、図11にセパレータ110の断面の一部領域を示すように、空気供給溝116を覆う部分が弛み、形状を安定させることが困難となるおそれがある。これに対して、テープ材133は、可撓性はあっても形状が安定する程度の強固性を有するものであることから、吸水布120の形状を安定させることができ、弛みによって空気供給溝116を不必要に閉塞するおそれを回避することができる。
【0125】
さらに、セパレータ110においては、吸水布120,121として、上述したテープ材133を最下層に設けたものを用いることにより、吸水布120,121を任意に切断して形状を整える際の取り扱いが容易となる。すなわち、セパレータ110においては、吸水布120,121を、上述した短冊状の形状等に加工形成する場合には、市販されている布材等を切断することになるが、布材の端部はほつれやすく、任意の形状に切断しにくい。そこで、吸水布120,121においては、テープ材133を設けた3層構造を呈する素材とすることにより、切断をともなう加工形成を容易に実現することが可能となる。
【0126】
さて、このようなセパレータ110においては、吸水布120,121が空気供給溝116の途中領域に設けられることにより、発電体による発電の際に生成された生成水が吸水される。
【0127】
具体的には、セパレータ110においては、空気供給溝116の側壁に沿って設けられた吸水布121により、空気供給溝116に滞留する生成水が吸水される。セパレータ110においては、この吸水布121によって吸水された生成水が、空気供給溝116の少なくとも一部を覆うように設けられた吸水布120によってさらに吸水され、図8中右部に示した放熱フィンがある領域へと吸水布120を介して移動する。そして、セパレータ110においては、放熱フィンへと移動した生成水が当該放熱フィンにて熱や風等によって蒸発する。
【0128】
このように、セパレータ110においては、吸水布120,121が空気供給溝116の途中領域に設けられることにより、発電体による発電の際に生成された生成水が吸水されることから、空気供給溝116が生成水によって閉塞することがなく、空気供給溝116を通過する空気の流れが阻害されることを回避することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
【0129】
実際に、このような吸水布120,121が設けられたセパレータ110による効果を検証するために、本件出願人は比較実験を行った。
【0130】
実験は、気温25℃、相対湿度100%という結露しやすい環境下で、MEAへの供給電流を、157mA/cm2とした定電流測定によるものであり、吸水布120,121の有無による比較を試みた。なお、実験に使用したMEAは、いわゆるパーフルオロカーボンスルホン酸を伝導体として用いたものである。また、吸水布120,121としては、上述したユニチカファイバー株式会社製”HYGRA−LU”と住友スリーエム株式会社製”ポリエステル基材両面テープ442JS”とを貼り合わせた3層構造からなる素材を用いた。なお、この素材については、JIS(Japan Industrial Standard)にて規格化されている繊維製品の吸水性試験方法の1つであって、鉛直に吊した試験片の下端を水中に浸して一定時間放置後に上昇した水の高さで吸水速度を表す方法であるバイレック法を用いて、吸水性の確認試験を行っている。
【0131】
この実験の結果、図12に示す結果が得られた。なお、同図における縦軸は、ボルト(V)を単位とする発電体からの出力電圧を示し、横軸は、分を単位とする経過時間を示している。
【0132】
同図から、吸水布120,121を設けない場合には、発電開始から20分程度で空気供給溝116の窒息現象によって電圧低下を引き起こしているのに対して、吸水布120,121を設けた場合には、発電開始から1時間経過後においても、安定した出力が得られることが明らかである。
【0133】
このように、セパレータ110においては、吸水布120,121が空気供給溝116の途中領域に設けられることにより、ポンプや水分除去用に新たに形成した流路といった複雑な機構を何ら用いることなく簡易な構成のもとに、生成水を効率よく且つ確実に処理することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
【0134】
また、セパレータ110においては、吸水布120,121によって捉えた生成水が当該吸水布120,121の全域に拡散することから、蒸発速度、すなわち、水処理速度を向上させることができる。
【0135】
さらに、一般に、外部環境の湿度が低い場合には、水は蒸発しやすいが、外部環境の湿度が高い場合には、蒸発しにくい。すなわち、水の蒸発速度は、環境湿度によって変化する。これに対して、セパレータ110においては、吸水布120,121が生成水を保持するバッファの役割も果たすことから、外部環境の湿度が高い場合には、一時的に生成水を保持しておくことができる。
【0136】
さらにまた、セパレータ110においては、吸水布120,121として、毛細管現象を利用して高吸水性を有するこのような3層構造からなる素材を用いることにより、吸水布120,121を長く形成しさえすれば、毛細管現象によって外部手段を何ら用いることなく生成水を発電体とは離隔された放熱フィンにまで拡散させることができ、放熱フィンにて熱や風等を用いて生成水を蒸発させることができる。したがって、セパレータ110においては、水処理速度を向上させることができ、特に、相対湿度が高いような日常環境下であっても、発電時の出力を安定させることができる。
【0137】
なお、セパレータ110においては、空気供給溝116の側壁に沿って吸水布121を設けることにより、空気の通路が狭くなり、これによって空気の流れに影響が出ることが懸念される。しかしながら、空気の流れを阻害する最大要因は、生成水の滞留による窒息であることから、実際には、空気供給溝116の側壁に沿って吸水布121を設けることによる弊害はなく、この事実は、本件出願人による実験によって検証済みである。
【0138】
さて、以下では、このようなセパレータ110が設けられた燃料電池の具体例について説明する。
【0139】
図13に示すように、燃料電池150は、筐体160と、当該燃料電池150を動作させるのに必要な各種回路が形成された制御基板170と、セパレータ110を用いて構成される発電部180と、この発電部180を冷却するための冷却ファン191と、発電部180に対して空気を供給する上述した空気供給部に相当する2つの空気供給ファン192,193と、水素供給溝111に滞留した水を排出するための水素パージバルブ194と、水素ガスの圧力制御を行うレギュレータ195と、水素ガスを発電部180に供給するための手動バルブ196とを備える他、図示しないが、必要に応じて、外部から取りこまれる空気や当該燃料電池150の内部から排出される空気の温度・湿度・圧力等を検知するセンサや、発電部180自体の温度を検知するセンサ等を備える。
【0140】
また、この燃料電池150には、水素ガスを吸蔵させた水素吸蔵カートリッジ200が取り付けられる。燃料電池150は、この水素吸蔵カートリッジ200から供給される水素ガスを受け取り、発電を行う。すなわち、この水素吸蔵カートリッジ200は、上述した水素ガスを供給する水素供給部に相当するものである。
【0141】
筐体160は、図13及び図14に示すように、略直方体状の外形を呈し、燃料電池150に搭載される各種部材を覆うように、内部が空洞とされるとともに、底面が開放されて構成される。また、筐体160は、その上面における一の側面側が、かかる一の側面に向かった傾斜面とされる。
【0142】
また、筐体160には、3つの排気口161,162,163と、2つの吸気口164,165とが形成される。
【0143】
排気口161,162,163は、図14(a)に示すように、筐体160の一の側面において互いに隣接するように形成される。これら排気口161,162,163からは、それぞれ、発電部180を冷却するために燃料電池150の内部で流動された空気と発電部180による発電反応後の空気とが排出される。具体的には、排気口161は、筐体160の一の側面に略スリット状に開口した孔がかかる一の側面の上下方向に複数形成されるとともに、これらの孔の大きさがかかる一の側面の上下方向にいくにしたがって徐々に短くなるように形成される。この排気口161は、後述する放熱フィンを介して放熱するための空気が、燃料電池150から排出されるための空気の出口として設けられる。また、排気口162,163は、それぞれ、排気口161と同様に、筐体160の一の側面に略スリット状に開口した孔がかかる一の側面の上下方向に複数形成されるとともに、これらの孔の大きさがかかる一の側面の上下方向にいくにしたがって徐々に短くなるように形成される。これら排気口162,163は、それぞれ、発電部180による発電を行う際に、この発電部180に供給された空気が排出されるための出口として設けられる。
【0144】
また、吸気口164,165は、図14(b)に示すように、筐体160における排気口161,162,163が形成された一の側面と対面する他の側面において互いに隣接するように形成される。これら吸気口164,165からは、それぞれ、発電部180を冷却するための空気と発電部180による発電反応に供される酸素を含む空気とが、燃料電池150の内部に取り込まれる。具体的には、吸気口164は、筐体160の他の側面に略スリット状に開口した孔がかかる一の側面の上下方向に複数形成される。この吸気口164は、後述する放熱フィンを介して放熱するための空気が、燃料電池150に取り込まれるための空気の取り込み口として設けられる。また、吸気口165は、吸気口164と同様に、筐体160の他の側面に略スリット状に開口した孔がかかる一の側面の上下方向に複数形成される。この吸気口165は、発電部180による発電を行う際に、この発電部180に供給される空気が取り込まれるための取り込み口として設けられる。
【0145】
さらに、筐体160には、図13、図14(c)及び図14(d)に示すように、一の端面に、燃料電池150と外部との間で各種信号を送受信するための配線を当該燃料電池150の内部に挿入するための接続孔166が形成されるとともに、他の端面に、所要の接続孔167が形成される。
【0146】
制御基板170には、燃料電池150を構成する各種部材を制御するための制御回路を含む各種回路が形成される。制御基板170は、発電部180の上側に設けられる。なお、この制御基板170に形成される制御回路の詳細については、特に図示しないが、例えば、冷却ファン191及び空気供給ファン192,193の駆動を制御する制御回路、水素パージバルブ194の開閉動作を制御する制御回路、発電部180から出力される電圧を昇圧するDC/DC(Direct Current to Direct Current)コンバータといった電圧変換回路、後述するセンサによって検知された温度や湿度等の各種環境条件を取得することによって各種部材の駆動に関する指示を与える制御回路等が実装される。なお、ここでは、この制御基板170が、燃料電池150の内部に設けられるものとして説明するが、この制御基板170は、燃料電池150の外部に設けてもよく、例えば、燃料電池150から駆動用の電力が提供される各種電子機器が備えるようにしてもよい。
【0147】
発電部180は、図13及び図15に示すように、略直方体状の外形を呈し、冷却ファン191及び空気供給ファン192,193に臨む側面186に対向する側面の一部が上下方向に沿って矩形状に切り欠かれた形状とされる。
【0148】
具体的には、発電部180は、図15に示すように、例えば9枚のセパレータ110の間にそれぞれ発電体としての接合体181が挟み込まれて構成され、これにより、発電を行う単位素子が8個直列に接続されたスタック構造を有する。
【0149】
図16に示すように、単位素子UNは、上述した2つのセパレータ110と、これら2つのセパレータ110の間に挟持される接合体181とから構成される。なお、同図においては、直列に接続される2つの単位素子UNを示している。
【0150】
セパレータ110には、水素供給溝111及び空気供給溝116が形成された面外に放熱フィン182が突設される。セパレータ110においては、後述するように、冷却ファン191の作用により、この放熱フィン182を介して放熱が行われる。また、セパレータ110には、裏面側に複数の空気供給溝116が設けられる。セパレータ110においては、後述するように、空気供給ファン192,193の作用によってこの空気供給溝116に空気が供給されることにより、発電部180の内部における空気の流動が実現される。
【0151】
接合体181は、吸湿した際にイオン伝導性を有する固体高分子電解質膜183と、この固体高分子電解質膜183を両面から挟み込む電極184とによって形成される。固体高分子電解質膜183としては、例えばスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。また、電極184としては、発電反応を促進するための触媒が担持された電極を用いることができる。
【0152】
また、接合体181の周縁付近には、発電部180としてスタック構造を形成した際に、セパレータ110と接合体181との間を封止する封止部材185が配置される。この封止部材185は、セパレータ110の周縁部と接合体181の周縁部とを十分に絶縁することができる材質から構成される。また、封止部材185としては、発電部180の放熱性を高めるために高い熱伝導性を有する材質を用いてもよく、例えばコサーム(太陽金網社製)といった十分な熱伝導性及び電気的絶縁性を有するものを用いることもできる。
【0153】
このような単位素子は、1素子で約0.6Vの電圧を出力することができるものであり、図15に示した発電部180は、単位素子が8個直列に接続されていることから、全体で4.8Vの電圧を出力することが可能とされる。また、発電部180は、約2Aの電流を流すことが可能である。これにより、発電部180から出力される電力は、理想的には9.6Wとなるが、発電反応における発熱等により、実際には、理想的な出力電力の約7割である約6.7Wとされる。ただし、発電部180は、接合体181に含まれる水分量を適切に調整したり、当該発電部180への水素ガスの円滑な供給を実現したりすることにより、さらに出力電力を高めることができる。なお、発電部180を形成する単位素子は、8個である必要はなく、各種電子機器を駆動するために必要とされる出力電力に合わせて所要の数だけ設けられる。
【0154】
発電部180は、このような単位素子が複数直列に接続されることによってスタック構造とされる。したがって、発電部180の側面186には、図15に示したように、各セパレータ110に形成された複数の空気供給溝116における上述した排出口118が臨み、側面186の反対側の側面には、図示しないが、複数の排出口118のそれぞれに対応するように、複数の空気供給溝116における上述した供給口117が臨むように、当該発電部180が構成される。
【0155】
そして、発電部180には、図13に示したように、側面186に沿って、冷却ファン191及び空気供給ファン192,193が互いに隣接するように設けられる。また、発電部180には、端面に沿って、水素パージバルブ194、レギュレータ195及び手動バルブ196が互いに隣接するように設けられる。
【0156】
冷却ファン191は、筐体160に形成された排気口161と発電部180における放熱フィン182との間に側面186に沿って設けられ、発電部180を冷却する。具体的には、冷却ファン191は、図17に示すように、筐体160に形成された吸気口164から取り込まれた空気を排気口161まで流動させ、燃料電池150の外部に排出する。
【0157】
このように、燃料電池150においては、放熱フィン182を通過するように冷却ファン191によって空気を流動させることにより、放熱フィン182を介して発電部180の放熱を行うことができる。
【0158】
なお、冷却ファン191を設ける位置としては、放熱フィン182の近傍に限ることはなく、発電部180の冷却を目的として燃料電池150の内部全体に空気を流動させるような位置に設けるようにしてもよい。また、燃料電池150においては、冷却ファン191を逆回転させることにより、空気を逆向きに流動させるようにしてもよい。
【0159】
空気供給ファン192,193は、それぞれ、筐体160に形成された排気口162,163と発電部180における空気供給溝116の排出口118に臨む領域との間に側面186に沿って設けられ、発電部180に対して空気を供給する。具体的には、空気供給ファン192,193は、それぞれ、図17に示すように、筐体160に形成された吸気口165から取り込まれた空気を発電部180を介して排気口162,163まで流動させ、燃料電池150の外部に排出する。
【0160】
このように、燃料電池150においては、発電部180を通過するように空気供給ファン192,193のそれぞれによって空気を流動させることにより、発電部180を構成するセパレータ110に形成された空気供給溝116に空気を供給することができる。
【0161】
なお、燃料電池150においては、冷却ファン191と同様に、空気供給ファン192,193のそれぞれを逆回転させることにより、空気を逆向きに流動させるようにしてもよい。また、これら空気供給ファン192,193のそれぞれによって形成される空気の流れは、冷却ファン191によって形成される空気の流れとは独立させることができる。したがって、燃料電池150においては、冷却ファン191と空気供給ファン192,193とを独立して駆動することにより、発電部180の冷却と発電部180に対する空気の供給及び排出とを独立して行うことが可能となる。特に、燃料電池150においては、発電部180の温度や発電部180に残留する水分量を測定し、これに応じて、空気供給ファン192,193と冷却ファン191とを独立して駆動することにより、例えばドライアップのような発電の際の不具合を生じさせることなく安定した発電を行うことが可能となる。
【0162】
水素パージバルブ194は、セパレータ110に形成された水素供給溝111を大気開放することによって滞留した水を排出する。すなわち、燃料電池150においては、水素パージバルブ194を開くことによって水素供給溝111が大気開放されると、水素供給溝111に滞留した水分に対する供給路側の水素ガスの圧力と大気開放された排出側の圧力との間に圧力差が生じ、かかる圧力差によって水素供給溝111に滞留した水分が排出される。
【0163】
このように、燃料電池150においては、水素ガスを供給する供給路側と水素パージバルブ194によって大気開放される水分の排出側との間で圧力差を生じさせることにより、発電部180がスタック構造を有する場合であっても、滞留した水分の影響によって水素ガスが流れにくくなっている水素供給溝111から水分を排出することが可能となり、水素供給溝111に水素ガスを円滑に流すことができる。
【0164】
なお、燃料電池150においては、水素パージバルブ194として、例えば電磁力を用いた駆動方式によって駆動するものを用いてもよく、当該水素パージバルブ194を駆動させるための電力を発電部180から供給するようにしてもよい。
【0165】
レギュレータ195は、水素吸蔵カートリッジ200から供給される水素ガスの圧力制御を行うものであり、水素ガスの圧力を所定の圧力になるように調整し、発電部180に供給する。例えば、レギュレータ195は、水素吸蔵カートリッジ200から供給される水素ガスの圧力が0.8MPa〜1.0MPa程度である場合には、この水素ガスの圧力を0.05MPa〜0.10MPa程度の圧力に減圧し、発電部180に供給する。
【0166】
手動バルブ196は、水素ガスを発電部180に供給するために設けられるものであり、発電部180によって発電を行う際に、水素吸蔵カートリッジ200から発電部180に水素ガスを供給するための流路を開放する。
【0167】
このような各部を備える燃料電池150においては、冷却ファン191、空気供給ファン192,193、水素パージバルブ194、レギュレータ195及び手動バルブ196を配置するための領域を発電部180の周囲に確保することにより、当該燃料電池150を駆動するための各種部材をコンパクトに筐体160の内部に収納することが可能となり、これにより、当該燃料電池150の大幅な小型化を実現することが可能となる。
【0168】
したがって、燃料電池150は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機又は携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)といった携帯型の各種電子機器をはじめとする任意の電子機器を駆動するための電力を供給する電源として極めて好適に用いることができる。
【0169】
そして、この燃料電池150においては、上述した吸水布120,121が設けられたセパレータ110を用いて発電部180を構成することにより、ポンプや水分除去用に新たに形成した流路といった複雑な機構を何ら用いることなく簡易な構成のもとに、生成水を効率よく且つ確実に処理することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
【0170】
なお、この第2の実施の形態では、セパレータ110に形成された空気供給溝116の両側壁に沿って吸水布121が設けられるものとして説明したが、本発明は、吸水布121を片側壁に沿って設けるものであっても適用することができ、また、側壁全域に沿って設けるのではなく、少なくとも側壁の一部領域に沿って設けるようにしてもよい。
【0171】
また、第2の実施の形態では、吸水布120の形状として、放熱フィン182とされる領域から、複数の帯状領域が延在することによって短冊状の形状を呈するものについて説明したが、本発明は、吸水布120の形状に限定されるものではなく、例えば、空気供給溝116が形成された面を全部覆うような形状としてもよい。
【0172】
さらに、第2の実施の形態では、吸水布120,121を設けるものとして説明したが、本発明は、吸水布121によって吸水した生成水を効率よく外部へと排出できるのであれば、吸水布121のみを設ける場合であってもよい。
【0173】
さらにまた、第2の実施の形態では、生成水を処理する手段として、吸水布120,121を用いるものとして説明したが、本発明は、これら吸水布120,121とは異なる手段であっても適用することができる。
【0174】
例えば、生成水を処理する手段としては、空気供給溝の側壁や底面にキズ等を付けることによって当該空気供給溝の表面を粗面化することが挙げられる。また、生成水を処理する手段としては、空気供給溝の材質をテフロン(登録商標)やシリコン等の撥水性の高いものとしたり、フッ素ガスを用いたプラズマ処理等によって空気供給溝に対して撥水処理を行ったりするといったように、空気供給溝に撥水性の高い領域を形成することが挙げられる。さらに、生成水を処理する手段としては、空気供給溝を親水性の高い領域を形成することも挙げられる。さらにまた、生成水を処理する手段としては、これら複数の手段を組み合わせてもよい。
【0175】
いずれにせよ、本発明は、発電体による発電の際に生成された生成水を処理する手段を、少なくとも空気供給溝の途中領域に設けるものであれば、いかなるものであっても適用することができる。
【0176】
また、第2の実施の形態では、セパレータ110の具体的な適用例として、燃料電池150について説明したが、本発明は、このような燃料電池150についてのみ適用されるものではなく、生成水を処理する手段を設けたセパレータを適用可能な装置であれば、いかなるものであっても適用することができる。
【0177】
最後に、第3の実施の形態として示す生成水処理システムについて説明する。
【0178】
この第3の実施の形態は、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態をさらに改良したものであって、拡散層と集電体たるセパレータとの間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を設けることにより、吸水のさらなる効率化を図るとともに、発生した電気の集電を効率よく行うことができるものである。
【0179】
上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、例えば図18に示す発電装置たる燃料電池300のように、所定の電解質膜301の両側に設けられた水素側触媒層302や酸素側触媒層303で発電によって生成した水分が、例えばカーボン繊維を紙状として撥水処理が施された拡散層としてのカーボン繊維層304に移動し、この水分がセパレータ305に形成された空気供給溝306の周囲に設けられた生成水吸収部材や吸水布(以下、吸水布307と総称する。)によって吸水されるものとして説明した。
【0180】
ここで、吸水布307は、拡散層たるカーボン繊維層304の一部にしか接触していない。したがって、このような燃料電池300においては、カーボン繊維層304に存在する生成水を、場所に応じて便宜上、W1,W2,W3,W4として表すと、吸水布307が接触しているカーボン繊維層304の近傍に存在する生成水W2,W3か、若しくはカーボン繊維層304から排出されて空気供給溝306に到達した生成水しか、吸水布307によって吸水されない。
【0181】
カーボン繊維層304から生成水を効率よく排出するためには、カーボン繊維層304と接触する吸水布307の面積を大きくすればよいが、燃料電池300においては、吸水布307をセパレータ305の全域に亘って設けるようにすると、吸水布307が導電性を有しないことから、発生した電気をセパレータ305によって集電することが困難となる。
【0182】
そこで、図19に示すように、カーボン繊維層304とセパレータ305との間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層350を設けた燃料電池300’を考案した。
【0183】
このような燃料電池300’においては、カーボン繊維層304に存在する生成水W1,W2,W3,W4が一旦吸水層350によって吸水され、この吸水層350内部で拡散する。そして、燃料電池300’においては、吸水層350によって吸水された生成水が、当該吸水層350の一部に接触する吸水布307によってさらに吸水され、この吸水布307を介して外部へと排出されることになる。
【0184】
吸水層350としては、例えばケッチョン・ブラック・インターナショナル社製”ケッチョンブラック”等のカーボンブラックとポリイミド等の親水性バインダとを、NPA等の溶剤を用いて混合し、これをインクとしてセパレータ305の略全域に塗布することにより、形成することができる。
【0185】
その他、吸水層350としては、金属の合成繊維に親水処理を施したものや、例えば上述した毛細管現象を利用した高吸水性を有する糸状の繊維をカーボンや金属に混合したものを用いることもできる。
【0186】
このように、燃料電池300’においては、カーボン繊維層304とセパレータ305との間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層350を設けることにより、生成水をさらに効率よく吸水することができるとともに、発生した電気をセパレータ305によって効率よく集電することも可能となる。
【0187】
以上説明したように、本発明の実施の形態として示す生成水処理システム及び燃料電池(発電装置)は、生成水を吸水する吸水部材を設けることにより、極めて効率よく且つ確実に生成水を処理することができる。
【0188】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、生成水吸収部材や吸水布として、実施の形態に応じて異なる具体例について示したが、本発明は、これら具体例に代表されるような部材を、各実施の形態間で相互に用いる場合にも適用することができる。
【0189】
また、本発明は、上述した3つの実施の形態を、可能な範囲で適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0190】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0191】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる生成水処理システム及び生成水処理方法、並びに発電装置は、それぞれ、発電によって生じる生成水を生成水吸収部材により回収した後、生成水吸収部材によって生成水を大気に蒸発させて処理することにより、発電体の発電によって生じる水分を発電体の内部に滞留させることなく外部に処理することができる。
【0192】
また、本発明にかかる生成水処理システム及び生成水処理方法、並びに発電装置は、それぞれ、生成水を、少なくとも酸化剤供給溝の途中領域に設けられた生成水処理手段によって処理することにより、酸化剤供給溝に生成水が滞留することによって閉塞することがなくなり、酸化剤供給溝を通過する酸化剤ガスの流れが阻害されることを回避することができる。
【0193】
したがって、本発明にかかる生成水処理システム及び生成水処理方法、並びに発電装置は、それぞれ、ポンプや水分除去用に新たに形成した流路といった複雑な機構を何ら用いることなく極めて簡易な構成のもとに、効率よく且つ確実に処理することができ、発電効率の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示す生成水処理システムを適用した発電装置の構成を示す断面図である。
【図2】生成水吸収部材が設けられたノート型パーソナルコンピュータの外観概略を示す斜視図である。
【図3】図2に示す生成水吸収部材とは異なる形状を有する生成水吸収部材が設けられたノート型パーソナルコンピュータの外観概略を示す斜視図である。
【図4】図2及び図3に示す生成水吸収部材とは異なる形状を有する生成水吸収部材が設けられたノート型パーソナルコンピュータの外観概略を示す斜視図である。
【図5】生成水吸収部材とともに生成水保水部材が設けられたノート型パーソナルコンピュータの外観概略を示す斜視図である。
【図6】生成水吸収部材が設けられた発電体による効果を検証するための実験結果を説明するための図であり、発電体からの出力電圧と発電開始からの経過時間との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態として示す燃料電池に適用可能なセパレータを表面から見た平面図である。
【図8】同セパレータを裏面から見た底面図である。
【図9】図8中一点鎖線で示すHH線で切断した同セパレータの断面図である。
【図10】3層からなる吸水布の構造を説明するための断面図である。
【図11】セパレータの一部領域を示す断面図であって、テープ材を設けずにそのまま吸水布として用いた場合に、空気供給溝を覆う部分が弛む様子を説明するための図である。
【図12】図10に示す吸水布が設けられたセパレータによる効果を検証するための実験結果を説明するための図であり、発電体からの出力電圧と発電開始からの経過時間との関係を示す図である。
【図13】同セパレータを適用した燃料電池の構成を示す分解斜視図である。
【図14】同燃料電池を構成する筐体の構造を示す構造図であって、(a)は、一の側面を示す正面図であり、(b)は、他の側面を示す背面図であり、(c)は、一の端面を示す側面図であり、(d)は、他の端面を示す側面図である。
【図15】同燃料電池を構成する発電部を示す斜視図である。
【図16】同発電部の一部を示す分解斜視図である。
【図17】同燃料電池の内部構成を示す平面図であり、空気の流れを説明するための図である。
【図18】吸水布が拡散層たるカーボン繊維層の一部にしか接触していない構成とされる燃料電池の構成を示す断面図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態として示す燃料電池の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 発電体
11 水素側集電体
12 水素側拡散層
13,302 水素側触媒層
14,301 電解質膜
15,303 酸素側触媒層
16 酸素側拡散層
17 酸素側集電体
17a 開口部
18,18a,18b 生成水吸収部材
20 発電装置
21 ノート型パーソナルコンピュータ
22 生成水保水部材
110,305 セパレータ
111 水素供給溝
112 供給孔
113,115 接続部
114 排出孔
116,306 空気供給溝
117 供給口
118 排出口
120,121,307 吸水布
131 第1の素材
132 第2の素材
133 テープ材
150,300,300’ 燃料電池
160 筐体
161,162,163 排気口
164,165 吸気口
166,167 接続孔
170 制御基板
180 発電部
181 接合体
182 放熱フィン
183 固体高分子電解質膜
184 電極
185 封止部材
186 側面
191 冷却ファン
192,193 空気供給ファン
194 水素パージバルブ
195 レギュレータ
196 手動バルブ
200 水素吸蔵カートリッジ
304 カーボン繊維層
350 吸水層
Claims (46)
- 発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理システムであって、
上記発電体に配設されるとともに延在して設けられ、上記生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させる生成水吸収部材と、
上記生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材とを備えること
を特徴とする生成水処理システム。 - 上記発電体は、
水素を主体とする物質を活性物質として供給されるアノード電極と、
大気開放されることによって酸素を活性物質として供給されるカソード電極と、
上記アノード電極と上記カソード電極とに挟持される電解質膜とを有する燃料電池であること
を特徴とする請求項1記載の生成水処理システム。 - 上記カソード電極に集電体が形成され、
上記集電体に上記カソード電極に酸素を供給するための開口部が形成され、
上記開口部の周辺部に上記生成水吸収部材が形成されること
を特徴とする請求項2記載の生成水処理システム。 - 上記生成水吸収部材は、上記開口部の周囲を囲んで上記開口部の断面を覆い、上記カソード電極に至るように形成されること
を特徴とする請求項3記載の生成水処理システム。 - 上記生成水吸収部材は、長手方向に対して空隙領域が形成された糸状の材料又は表面に凹部を有する多孔質の材料から構成されること
を特徴とする請求項1記載の生成水処理システム。 - 上記生成水吸収部材は、上記発電体が装着される電子機器の表面に延在して設けられること
を特徴とする請求項1記載の生成水処理システム。 - 上記生成水吸収部材は、凹凸部又は突設部を有すること
を特徴とする請求項1記載の生成水処理システム。 - 上記生成水保水部材は、上記生成水吸収部材と上記電子機器との間に設けられること
を特徴とする請求項6記載の生成水処理システム。 - 拡散層と集電体との間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を備えること
を特徴とする請求項1記載の生成水処理システム。 - 発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理方法であって、
上記生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させ、上記発電体の外部へと処理する、若しくは一時的に蓄積した後に上記発電体の外部へと処理すること
を特徴とする生成水処理方法。 - 拡散層と集電体との間に設けられた、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層によって上記拡散層に存在する上記生成水を吸水し、上記吸水層によって吸水された上記生成水を、当該吸水層の一部に接触する生成水吸収部材によってさらに吸水すること
を特徴とする請求項10記載の生成水処理方法。 - 燃料ガスと酸化剤ガスとを供給し、上記燃料ガスと上記酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生させる発電装置であって、
発電体に延在して設けられ、上記発電体で生成される生成水を毛細管現象を利用して回収して移動させる生成水吸収部材を備えること
を特徴とする発電装置。 - 上記生成水を一時的に蓄積する生成水保水部材とを備えること
を特徴とする請求項12記載の発電装置。 - 拡散層と集電体との間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を備えること
を特徴とする請求項12記載の発電装置。 - 発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理システムであって、
第1の電極に対して燃料ガスを供給する燃料供給溝と第2の電極に対して酸化剤ガスを供給する酸化剤供給溝とが形成され、上記発電体を挟持するセパレータと、
少なくとも上記酸化剤供給溝の途中領域に設けられ、上記生成水を処理する生成水処理手段とを備えること
を特徴とする生成水処理システム。 - 上記生成水処理手段は、上記生成水を吸水する吸水部材であること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 上記吸水部材は、少なくとも上記酸化剤供給溝の側壁の一部領域に沿って設けられること
を特徴とする請求項16記載の生成水処理システム。 - 上記吸水部材は、さらに、上記酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けられること
を特徴とする請求項17記載の生成水処理システム。 - 上記セパレータには、上記発電体の放熱を行うための放熱部が形成されており、
上記酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けられた上記吸水部材は、上記放熱部が形成された面上から延在した所定の形状を呈するように形成され、上記所定の形状の領域が上記酸化剤供給溝の少なくとも一部を覆うように配置されること
を特徴とする請求項18記載の生成水処理システム。 - 上記吸水部材は、毛細管現象を利用して上記生成水を吸水するものであること
を特徴とする請求項16記載の生成水処理システム。 - 上記吸水部材は、長手方向に対して空隙領域が形成された糸状の繊維の集合体であること
を特徴とする請求項20記載の生成水処理システム。 - 上記吸水部材は、吸放湿性を有する第1の素材と、吸水性を有する第2の素材とを貼り合わせた2層構造からなる素材に対して、所定のテープ材を上記第2の素材の下層に貼り合わせた3層構造からなるものであること
を特徴とする請求項20記載の生成水処理システム。 - 上記第2の素材は、毛細管現象を利用して上記生成水を吸水するものであること
を特徴とする請求項22記載の生成水処理システム。 - 上記生成水処理手段として、表面を粗面化した上記酸化剤供給溝を用いること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 上記生成水処理手段として、撥水性の高い領域を形成した上記酸化剤供給溝を用いること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 上記生成水処理手段として、親水性の高い領域を形成した上記酸化剤供給溝を用いること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 上記燃料ガスは、水素ガスであり、
上記酸化剤ガスは、酸素を含む空気であること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 上記発電体は、上記第1の電極と上記第2の電極との間に所定の電解質膜が設けられたものであること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 拡散層と上記セパレータとの間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を備えること
を特徴とする請求項15記載の生成水処理システム。 - 発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理方法であって、
上記発電体を挟持するセパレータに形成された燃料供給溝を介して第1の電極に対して燃料ガスを供給するとともに、上記セパレータに形成された酸化剤供給溝を介して第2の電極に対して酸化剤ガスを供給し、上記発電体による発電を行う発電工程と、
少なくとも上記酸化剤供給溝の途中領域に設けられた生成水処理手段を用いて上記生成水を処理する生成水処理工程とを備えること
を特徴とする生成水処理方法。 - 上記生成水処理工程では、拡散層と上記セパレータとの間に設けられた、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層によって上記拡散層に存在する上記生成水が吸水され、上記吸水層によって吸水された上記生成水が、当該吸水層の一部に接触する上記生成水処理手段によってさらに吸水されること
を特徴とする請求項30記載の生成水処理方法。 - 燃料ガスと酸化剤ガスとを供給し、上記燃料ガスと上記酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生させる発電装置であって、
第1の電極と第2の電極との間に所定の電解質膜が設けられた発電体と、
上記第1の電極に対して上記燃料ガスを供給する燃料供給溝と上記第2の電極に対して上記酸化剤ガスを供給する酸化剤供給溝とが形成され、上記発電体を挟持するセパレータと、
少なくとも上記酸化剤供給溝の途中領域に設けられ、上記発電体による発電の際に生成される生成水を処理する生成水処理手段とを備えること
を特徴とする発電装置。 - 上記生成水処理手段は、上記生成水を吸水する吸水部材であること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。 - 上記吸水部材は、少なくとも上記酸化剤供給溝の側壁の一部領域に沿って設けられること
を特徴とする請求項33記載の発電装置。 - 上記吸水部材は、さらに、上記酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けられること
を特徴とする請求項34記載の発電装置。 - 上記セパレータには、上記発電体の放熱を行うための放熱部が形成されており、
上記酸化剤供給溝が形成された面の少なくとも一部を覆うように設けられた上記吸水部材は、上記放熱部が形成された面上から延在した所定の形状を呈するように形成され、上記所定の形状の領域が上記酸化剤供給溝の少なくとも一部を覆うように配置されること
を特徴とする請求項35記載の発電装置。 - 上記吸水部材は、毛細管現象を利用して上記生成水を吸水するものであること
を特徴とする請求項33記載の発電装置。 - 上記吸水部材は、長手方向に対して空隙領域が形成された糸状の繊維の集合体であること
を特徴とする請求項37記載の発電装置。 - 上記吸水部材は、吸放湿性を有する第1の素材と、吸水性を有する第2の素材とを貼り合わせた2層構造からなる素材に対して、所定のテープ材を上記第2の素材の下層に貼り合わせた3層構造からなるものであること
を特徴とする請求項37記載の発電装置。 - 上記第2の素材は、毛細管現象を利用して上記生成水を吸水するものであること
を特徴とする請求項39記載の発電装置。 - 上記生成水処理手段として、表面を粗面化した上記酸化剤供給溝を用いること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。 - 上記生成水処理手段として、撥水性の高い領域を形成した上記酸化剤供給溝を用いること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。 - 上記生成水処理手段として、親水性の高い領域を形成した上記酸化剤供給溝を用いること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。 - 上記燃料ガスは、水素ガスであり、
上記酸化剤ガスは、酸素を含む空気であること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。 - 上記発電体を上記セパレータによって挟持した素子が複数積層されたスタック構造を有する発電部を備えること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。 - 拡散層と上記セパレータとの間に、少なくとも、吸水性、通気性、及び導電性を有する吸水層を備えること
を特徴とする請求項32記載の発電装置。
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