JP2004145027A - 発光素子の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】輝度ムラを調整可能な有機ELディスプレイにおける駆動回路を提供することにある。
【解決手段】陽極線走査回路100は、発光素子(E)の駆動源となる基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、各レジスタ102に記憶された調整値に基づいて、この発生された各ブロック毎の基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させる電界効果トランジスタ(FET)105と、有機ELからなる発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路104と、を備え、各ブロック毎に駆動回路104に入力される基準電流(i)を調整するようになっている。
【選択図】 図5
【解決手段】陽極線走査回路100は、発光素子(E)の駆動源となる基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、各レジスタ102に記憶された調整値に基づいて、この発生された各ブロック毎の基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させる電界効果トランジスタ(FET)105と、有機ELからなる発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路104と、を備え、各ブロック毎に駆動回路104に入力される基準電流(i)を調整するようになっている。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL発光素子(E)によってディスプレイを構成する有機ELディスプレイの駆動回路の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス(EL:ElectroLuminescence)素子には、セレンや亜鉛などの無機化合物薄膜を発光材料として用いる無機発光素子(E)と、有機化合物を発光材料として用いる有機EL発光素子(E)とがある。
【0003】
有機EL発光素子(E)には、(1)発光効率が高い、(2)駆動電圧が低い、(3)発光材料を選択することで様々な色(緑、赤、青、黄など)を表示可能、(4)自発光型であるため表示が鮮明でバックライトが不要、(5)面発光であり、視野角依存性が無い、(6)薄型で軽量、(7)製造プロセスの最高温度が低いため、基板材料にプラスチックフィルムなどのような柔らかい材質を用いることが可能、などの優れた特徴がある。
【0004】
そこで、近年、CRTやLCDに代わり、車載用AV機器や、携帯機器であるPDA、携帯電話機など表示装置として、有機EL発光素子(E)を用いたディスプレイ(以下、有機ELディスプレイという。)が注目されている。
【0005】
有機EL発光素子(E)をディスプレイに応用する場合は、ドットマトリクス表示が一般的である。このドットマトリクス表示の有機ELディスプレイの駆動には、アクティブ方式とパッシブ方式とがある。
【0006】
前者のアクティブ方式では、画素を構成する有機EL発光素子(E)の個々に薄膜トランジスタ(TFT)からなるスイッチング素子が接続されており、駆動時は、常時点灯する、いわゆる、スタティック駆動が行なわれるようになっている。
【0007】
一方、後者のパッシブ方式では、陰陽各電極が、複数の行と列から構成されるマトリックス状のライン電極群として形成されるとともに、陰陽各電極のラインを走査することによって順次選択され、列ラインと行ラインとが選択された時にのみ点灯する、いわゆる、デューティ駆動が行なわれるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
上記2方式のディスプレイのうち、アクティブ方式は、TFTを必要とし、高価であるが、画素数の多い、比較的大型のディスプレイに適している一方、ドットマトリクス表示のパッシブ方式のディスプレイは、アクティブ方式と比較して、製造プロセスが簡単であり、低コストで製造できるため、特に、比較的画素数の少ない小型ディスプレイに多く用いられており、現段階では実用規模で生産されはじめている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−232074号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドットマトリクス表示のパッシブ方式のディスプレイは、表示パネルを構成する有機EL発光素子(E)の発光が当該有機EL発光素子(E)を駆動する駆動電流に比例するため、各有機ELを駆動する各定電流源の電流ばらつきや当該有機EL発光素子(E)のばらつきなどにより、有機ELの発光ムラ、すなわち、ディスプレイの輝度ムラが発生するという問題を有していた。
【0011】
本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例としては、輝度ムラを調整可能な有機ELディスプレイにおける駆動回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の発光素子がマトリックス状に形成されるとともに、前記発光素子を列毎に走査して発光する表示部を駆動する発光素子の駆動装置であって、前記表示部における一方の走査線の走査方向である第1走査方向の各走査線毎に、前記各発光素子を駆動する際に基準となる基準電流を供給する第1駆動手段と、前記表示部における他方の走査方向である第2走査方向の各走査線毎に、予め定められた電圧を印加する第2駆動手段と、を備え、前記第1駆動手段が、前記表示部の第1走査方向の各走査線毎、または、当該第1走査方向の複数の走査線毎の少なくとも何れか一方の走査線毎に前記基準電流を発生させる基準電流発生手段と、前記発生させた基準電流毎に電流値を調整する調整手段と、前記調整された各基準電流を前記第1走査方向の各走査線毎に供給する駆動回路と、を有する構成をしている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本願の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0014】
〔パッシブ方式の概要およびその動作〕
まず、図1〜図4を用いてドットマトリクス表示のパッシブ方式の有機ELパネル(以下、単に有機ELパネルという。)とその駆動装置の概要構成その概要動作について説明する。
【0015】
なお、図1は、有機ELパネルとその駆動装置の概要構成を示す構成図である。
【0016】
また、本実施形態では、陽極線は256本および陰極線は64本として説明するとともに、本駆動装置のドライブ方法は、陰極線走査・陽極線ドライブとして説明する。
【0017】
有機ELパネル10には、陽極線(A1)〜(A256)と陰極線(B1)〜(B64)がマトリックス(格子)状に配設され、このマトリックス状に配設された陽極線(A)と陰極線(B)の各交点位置に発光素子(E1、1)〜(E256、64)が接続されている。
【0018】
駆動装置20は、陰極線(B)を一定の時間間隔で順次選択して走査するとともに、この走査に同期して陽極線(A)を駆動源たる電流源411〜41256で駆動することにより、任意の交点位置の発光素子を発光させることによって入力された画像データを有機ELパネル10に表示するようになっている。
【0019】
また、駆動装置20は、各陰極線B1〜B64を順次に走査する陰極線走査回路30と、駆動源たる電流源411〜41256を有する陽極線駆動回路40と、陽極線(A1)〜(A256)の電位をリセットする陽極リセット回路50、陰極線走査回路30、陽極線駆動回路40、および陽極リセット回路50を制御する発光制御回路60とを備えている。
【0020】
なお、例えば、陰極線走査回路30は、本発明に係る第2駆動手段を構成し、陽極線走査回路40は、本発明に係る第1駆動手段を構成する。
【0021】
陰極線走査回路30は、各陰極線(B1)〜(B64)を順次に走査するための走査スイッチ311 〜3164を備えており、各走査スイッチ311 〜3164の一方の端子は、電源電圧からなる逆バイアス電圧VCC(例えば、10V。)に接続され、他方の端子は、アース電位(0V)にそれぞれ接続されている。
【0022】
陽極駆動回路40は、駆動源たる電流源411 〜41256 と、各陽極線(A1)〜(A256)を選択するための駆動スイッチ421 〜42256 とを備えており、駆動用の電流源411 〜41256 は、任意の駆動スイッチをONすることにより、当該陽極線に接続されるようになっている。
【0023】
陽極リセット回路50は、陽極線(A1)〜(A256)をアース電位(0V)へリセットするためのシャントスイッチ511 〜51256 を備えている。
【0024】
発光制御回路4は、これらの走査スイッチ311〜3164、駆動スイッチ421〜42256 およびシャントスイッチ511〜51256のON・OFFを入力されたデータに基づいて制御するようになっている。
【0025】
次に、図1〜図4を用いて有機ELパネル10のパッシブ駆動における発光動作について説明する。
【0026】
なお、以下に述べる動作は、陰極線(B1)を走査して発光素子(E1、1)と(E2、1)を光らせた後、陰極線(B2)に走査を移して発光素子(E2、2)と(E3、2)を光らせる場合を例に採って説明する。
【0027】
また、説明を分かり易くするために、光っている発光素子についてはダイオード記号で示し、光っていない発光素子についてはコンデンサ記号で示す。
【0028】
また、陰極線(B1)〜(B64)に印加する逆バイアス電圧VCCは、装置の電源電圧と同じ10Vとする。
【0029】
まず、図1では、走査スイッチ311 が0V側に切り換えられ、陰極線B1 が走査されており、他の陰極線(B2)〜(B64)には、走査スイッチ312 〜3164により逆バイアス電圧10Vが印加されている。
【0030】
また、陽極線(A1)と(A2)には、駆動スイッチ421と422によって電流源411,412が接続されており、他の陽極線(A3)〜(A256)には、シャントスイッチ513〜51256によって0Vが与えられている。
【0031】
このため、図1の場合、発光素子(E1、1)と(E2、1)のみが準方向にバイアスされ、電流源311 と312 から矢印のように駆動電流が流れ込み、発光素子(E1、1)と(E2、1)のみが発光するようになっている。
【0032】
この図1の状態では、コンデンサにハッチングして示した発光素子は、それぞれ図のような極性の向きに充電された状態となっており、この 図1の発光状態から 図4の発光素子(E2、2)と(E3、2)が発光する状態に走査を移行する際に、以下のようなリセット制御が行なわれるようになっている。
【0033】
すなわち、走査が 図1の陰極線B1から 図4の陰極線B2 に移行する前に、まず、 図2に示すように、すべての駆動スイッチ411 〜4164をオフするとともに、すべての走査スイッチ311 〜3164とすべてのシャントスイッチ511〜51256を0V側に切り換え、陽極線(A1)〜(A256)と陰極線(B1)〜(B64)のすべてを一旦0Vにシャントし、0Vによるオールリセットをかけるようになっている。
【0034】
この0Vへのオールリセットが行なわれると、陽極線と陰極線のすべてが0Vの同電位となるので、各発光素子に充電されていた電荷は図中の矢印で示すようなルートを通って放電し、すべての発光素子の充電電荷が瞬時のうちに0となる。
【0035】
前記のように動作させることによって、すべての発光素子の充電電荷を0にした後、図3に示すように、陰極線(B2)に対応する走査スイッチ312のみを0V側に切り換え、陰極線(B2)の走査を行なうようになっている。
【0036】
これと同時に、駆動スイッチ422と423のみを電流源412と413側に切り換えるとともに、シャントスイッチ511,514〜51256をONし、陽極線(A1),(A4)〜(A256)に0Vを与えるようになっている。
【0037】
上記スイッチの切り換えによって陰極線(B2)の走査が行なわれると、前述したようにすべての発光素子の充電電荷は0とされているので、次に発光させるべき発光素子(E2、2)と(E3、2)には、 図3中に矢印で示したような複数のルートで充電電流が一気に流れ込み、それぞれの発光素子の寄生容量Cが瞬時に充電されるようになっている。
【0038】
すなわち、発光素子(E2、2)には、電流源412→駆動スイッチ422→陽極線(A2)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルートで充電電流が流れ込むとともに、走査スイッチ311→陰極線(B1)→発光素子(E2、1)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルート、走査スイッチ313→陰極線(B3)→発光素子(E2、3)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルート、・・・、走査スイッチ3164→陰極線(B64)→発光素子(E2、64)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルートからも同時に充電電流が流れ込み、発光素子(E2、2)はこれら複数の充電電流によって瞬時に充電されて発光し、図4に示す定常状態に瞬時に移行するようになっている。
【0039】
また、発光素子(E3、2)には、電流源413→駆動スイッチ423→陽極線(A3)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312の通常のルートで充電電流が流れ込むとともに、走査スイッチ311 →陰極線(B1)→発光素子(E3、1)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312のルート、走査スイッチ313→陰極線(B3)→発光素子(E3、3)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312のルート、・・・、走査スイッチ3164→陰極線(B64)→発光素子(E3、64)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312のルートからも同時に充電電流が流れ込み、発光素子(E2、2)はこれら複数の充電電流によって瞬時に充電されて発光し、 図4に示す定常状態に瞬時に移行するようになっている。
【0040】
以上のように、有機ELパネル10のパッシブ駆動においては、次の走査に移行する前に、陰極線と陽極線のすべてを一旦アース電位である0Vに接続してリセットするようにしたので、次の走査線に切り換えられた際に、切り換えられた走査線上の発光素子を瞬時に発光させることができるようになっている。
【0041】
なお、前記発光させるべき発光素子(E2、2)、(E3、2)以外の他の発光素子についても、 図3中に矢印で示したようなルートでそれぞれ充電が行なわれるが、これらの充電方向は逆バイアス方向であるので、発光素子(E2、2)、(E3、2)以外の他の発光素子が誤発光するおそれはないようになっている。
【0042】
〔第1実施形態〕
次に、図5を用いて本願の有機ELパネル10の駆動装置20の第1実施形態について説明する。
【0043】
本実施形態の有機ELパネル10の駆動装置20は、上述した陽極線走査回路に対して複数の陽極線(A)毎にブロックを構成し、各ブロック毎に基準電流(i)を発生させる点に特徴があり、しがって、以下に説明する陽極線走査回路以外の構成は、上述と同様であり、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0044】
また、本実施形態では、上述と同様に、ドライブ方法は、陰極線走査・陽極線ドライブとして説明する。
【0045】
さらに、上述の有機ELパネルの駆動方法は、陽極線(A)は256本および陰極線は64本として説明しているが、本実施形態では、説明の都合上、陽極線(A)は9本(A1)〜(A9)として説明する。
【0046】
本実施形態の陽極線走査回路100は、図5に示すように、上記発光素子(E)の駆動源となる基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、各レジスタ102に記憶された調整値に基づいて、この発生された各ブロック毎の基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させる電界効果トランジスタ(FET)105と、有機ELからなる発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路104と、を備えている。
【0047】
また、本実施形態では、複数の陽極線(A)により3つのブロックを構成するようになっており、各ブロック毎に、基準電流(i)を発生させるとともに、当該基準電流(i)を調整し、この調整された基準電流(i)を各ブロックの各陽極線(A)に入力するようになっている。
【0048】
例えば、本実施形態では、陽極線(A1)〜(A3)、陽極線(A4)〜(A6)および陽極線(A7)〜(A9)によって3つのブロックを構成するようになっている。
【0049】
なお、例えば、本実施形態の基準電流発生部101は、本発明に係る基準電流発生手段を構成し、調整部103は、本発明に係る調整手段および制御手段を構成している。
【0050】
また、例えば、本実施形態の駆動回路104は、本発明に係る駆動回路を構成している。
【0051】
基準電流発生部101は、図5に示すように、3つのブロックを構成する各陽極線(A)に対して、各ブロック毎に基準電流(i)を発生させ、調整部103によって調整された基準電流値を、FET105を介して駆動回路104に出力するようになっている。
【0052】
調整部103は、レジスタ102と接続され、レジスタに記憶された基準電流(i)の電流値に基づいて微少電流を発生させ、基準電流発生部101によって発生された基準電流(i)に、当該発生させた微少電流を加えるようになっている。
【0053】
駆動回路104は、調整された基準電流値の駆動回路104への出力を制御するFET105と陽極線(A)毎にカレントミラー回路を構成するFET106と、各陽極線(A)毎に基準電流のON/OFFを切り換え、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107とから構成される。
【0054】
この駆動回路104は、上述のように、基準電流発生回路101によって発生される基準電流(i)毎にブロック化され、各ブロック毎に基準電流(i)が入力されるようになっている。
【0055】
例えば、本実施形態の駆動回路104では、図5に示すように、FET1061〜1063、FET1064〜1066およびFET1067〜1069よって各ブロックを構成するようになっている。
【0056】
また、駆動回路104は、当該1のブロックには1の基準電流(i)が入力されるようになっており、この複数の陽極線(A)に基準電流iを供給するFET106には、ブロック毎に共通の入力電圧が印加されるとともに、当該入力電圧により、各FET106に基準電流(i)が入力されるようになっている。
【0057】
各FET106は、陽極線(A)毎にFET105とカレントミラー回路を構成するようになっており、これにより、FET105に生ずる基準電流(i)を正確に駆動回路に104に入力することができるようになっている。
【0058】
具体的には、各FET106のゲートは、ブロック毎に、基準電流発生部101からの基準電流(i)の出力を行うFET105のゲートと接続されるとともに、各FET106のゲートには、各ブロック毎に所定の電圧が印加されるようになっており、各FET106のソースには、ブロック毎のFET105のドレインが接続されるとともに電源(VDDH)に接続され、FET106の各ドレインが各陽極線(A)の駆動スイッチ107の一端に接続されるようになっている。
【0059】
各駆動スイッチ(SW)107は、外部からの制御、具体的には、上述の発光制御回路60によって、各陽極線(A)に基準電流(i)の入力のON/OFFを切り換えるようになっており、当該スイッチがONになったときに、すなわち、当該陽極線(A)が発光制御回路60によって選択された場合に、駆動回路104に入力された基準電流(i)を各陽極線(A)に出力するようになっている。
【0060】
なお、本実施形態の駆動スイッチ107は、上述したように、各陽極線(A)を選択するための駆動スイッチ42を示す。
【0061】
本実施形態では、上述のような構成を有することにより、各ブロック毎に、基準電流発生部101によって発生された基準電流(i)が調整部103によって調整され、当該調整された基準電流(i)がFET105に入力されると、FET105および各FET106とのカレントミラー回路によってその基準電流(i)が駆動回路104に入力されるとともに、駆動回路104に入力された基準電流(i)が、FET106を介して駆動スイッチ107の他端に流れ込み、駆動スイッチ107のON/OFFにより、各陽極線(A)に基準電流(i)が供給されるようになっている。
【0062】
なお、各陽極線(A)には、上述したように、発光制御回路60によって選択された場合に、駆動スイッチ(SW)107がONされ、駆動回路104から基準電流(i)を供給するようになっている。
【0063】
以上により本実施形態によれば、有機ELパネル10における一方の走査線の走査方向である陽極線(A)の各走査線毎に、各発光素子(E)を駆動する際に基準となる基準電流を供給する陽極線走査回路100と、有機ELパネル10における他方の走査方向である陰極線(B)の各走査線毎に、予め定められた電圧を印加する陰極線走査回路30と、を備え、陽極線走査回路100が、有機ELパネル10の複数の陽極線(A)毎から構成されるブロック毎に基準電流(i)を発生させる基準電流発生部101と、発生させた基準電流(i)毎に電流値を調整する調整部103と、調整された各基準電流(i)を陽極線(A)の走査線毎に供給する駆動回路104と、を有する構成をしている。
【0064】
この構成により、本実施形態では、陽極線(A)毎に、ブロック毎に調整された基準電流(i)を供給することができるので、基準電流(i)が陽極線(A)に供給する際に、当該基準電流(i)の電流値がばらついたとしても、当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0065】
したがって、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の輝度ムラを防止することができる。
【0066】
また、本実施形態では、基準電流発生回路101が、ブロック毎に基準電流(i)を発生させる場合であって、駆動回路104が、ブロック毎に、調整部103によって調整された各基準電流(i)に伴う電圧である各入力電圧が印加されることにより、当該各ブロック毎の各走査線に前記基準電流を供給する構成を有している。
【0067】
この構成により、本実施形態では、駆動回路104に、ブロック毎に基準電流(i)を入力する際に、基準電流(i)に伴う電圧によって各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の供給制御を行うことができる。
【0068】
したがって、例えば、駆動回路104にカレントミラー回路を構成することによって、正確に基準電流(i)を当該駆動回路104に入力することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、陽極線走査回路100に、予め設定された基準電流(i)の値を格納するレジスタ103から当該電流値を取得するとともに、取得した基準電流(i)の値に基づいて基準電流(i)を調整する調整部103を設けた構成を有している。
【0070】
この構成により、本実施形態では、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるので、容易に、かつ、簡便に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0071】
〔第2実施形態〕
次に、図6を用いて本願の有機ELパネル10の他の駆動装置20の第2実施形態について説明する。
【0072】
本実施形態は、第1実施形態において、基準電流に伴う入力電圧に基づいて駆動回路のブロック毎の各FETに入力電圧を印加している点に代えて、駆動回路の各ブロック毎のFETをそれぞれ抵抗(R)によって連接している点、および、各ブロックに各基準電流に伴う入力電圧を印加するとともに、各ブロックの駆動回路の他端のFETと隣接する他のブロックの一端のFETを抵抗によって接続する点に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0073】
なお、本実施形態では、各駆動回路の各FETを接続する抵抗は、同一の抵抗値を有している。
【0074】
本実施形態の陽極線走査回路200は、図6に示すように、基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、各レジスタ102に記憶された調整値に基づいて基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させるFET105と、発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行い、各FET106を接続する抵抗(R)201を有する駆動回路202と、を備えている。
【0075】
駆動回路202は、FET105と陽極線(A)毎にカレントミラー回路を構成するFET106と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107と、各FET10とが他のFET106とを接続する各抵抗(R)201とから構成される。
【0076】
なお、例えば、本実施形態のFET106は、本発明に係るスイッチング回路を構成し、抵抗(R)201は、本発明に係る分圧回路を構成している。
【0077】
この各抵抗(R)20は、駆動回路202に入力された各ブロック毎の入力電圧を分圧するとともに、各分圧した入力電圧を各FET106に印加するようになっている。
【0078】
このため、各ブロック毎に各入力電圧の電位差が生じた場合には、各FET106のゲートには、それぞれ、当該電位差を段階的に分圧し、直線的に入力電圧を補完するようになっている。
【0079】
例えば、図6に示すFET1051のゲートに接続されるFET1061のゲートに対する入力電圧が1.00V、FET1052のゲートに接続されるFET1065のゲートに対する入力電圧が1.12Vのとき、FET1062のゲート、FET1063のゲート、FET1064のゲートには、抵抗(R)2011〜抵抗(R)2014により段階的に分圧された入力電圧が入力される。
【0080】
すなわち、FET1062のゲートには、1.03V、FET1063のゲートには、1.06V、FET1064のゲートには、1.09Vが入力されることとなる。
【0081】
同様に、FET1066のゲート、FET1067のゲート、FET1068のゲートにも、FET1065のゲートの入力電圧とFET1069のゲートの入力電圧の電位差と抵抗(R)2011〜抵抗(R)2014に基づいて段階的に分圧された入力電圧が入力される。
【0082】
一方、隣接するFET1052に直接接続され、入力電圧1.12Vを直接入力するFET1065のゲートには、1.12Vが印加されることになる。
【0083】
したがって、各FET106のゲートには、ブロック毎に入力された入力電圧の電位差に基づいて段階的に分圧された入力電圧が入力されるようになるので、ブロック毎に入力される基準電流(i)を段階的に補正することによって、陽極線(A)輝度ムラを段階的、直線的に補完することができ、陽極線(A)間毎の輝度ずれを調整することができきるようになっている。
【0084】
以上により本実施形態によれば、第1実施形態に加えて、駆動回路202に、陽極線(A)の各走査線毎に、各ブロック毎に印加される入力電圧に基づいて当該各走査線への基準電流の供給を制御するFET106を設け、各ブロック毎の各FET106を、ブロック毎に印加される入力電圧を分圧する抵抗(R)201によって連接されるとともに、各ブロックの一端に連接されたFET106を、隣接する他のブロックの一端のFET106と抵抗(R)によって連接される構成を有している。
【0085】
この構成により、本実施形態では、駆動回路202に入力される基準電流(i)の電流値がブロック毎に異なる場合に、陽極線(A)毎に当該各FET106に印加される入力電圧をブロックから他のブロックまで段階的に調整することができるので、各陽極線(A)に入力される基準電流(i)は、段階的に当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0086】
したがって、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の隣接する陽極線の輝度ムラを防止することができる。
【0087】
〔第3実施形態〕
次に、図7を用いて本願の有機ELパネル10の駆動装置20の第3実施形態について説明する。
【0088】
本実施形態は、第1実施形態において、各ブロック毎に、レジスタに格納された値に基づいて発生させた基準電流(i)を調整している点に代えて、各ブロック毎に、駆動回路に入力された基準電流(i)を測定するとともに、当該測定した基準電流(i)に基づいて調整部を制御する点に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0089】
本実施形態の陽極線走査回路300は、図7に示すように、基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させるFET105と、発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路301と、駆動回路301の各陽極線(A)に供給される基準電流(i)を各ブロック毎に測定する測定部303と、各測定部303による測定結果に基づいて各調整部103に対して基準電流(i)のフィードバック制御を行う制御部304と、を備えている。
【0090】
なお、例えば、本実施形態の制御部304は、本発明に係る制御手段を構成している。
【0091】
駆動回路301は、FET105と陽極線(A)毎にカレントミラー回路を構成するFET106と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107と、各ブロック毎の陽極線(A)に供給する基準電流(i)を測定するFET302とから構成される。
【0092】
なお、例えば、本実施形態のFET302は、本発明に係る基準電流取得手段および取得用スイッチング回路を構成している。
【0093】
FET302は、各ブロック毎に1づつ設けられるようになっており、FET106と同様に、当該FET302のゲートは、各ブロック毎のFET106のゲートに接続されるとともに、当該FET302は、FET105とカレントミラー回路を構成するようになっている。
【0094】
各測定部303には、FET302によって測定された各ブロック毎の基準電流(i)が入力されるようになっており、この各測定部303は、この入力された各ブロック毎の基準電流(i)を測定し、この測定結果を制御部304に出力するようになっている。
【0095】
具体的には、この各測定部303は、入力端子には抵抗が接続されるとともに、入力された基準電流(i)によって当該抵抗に両端に発生した電圧と、予め定められた値と、を比較することによってその電位差に応じた出力を制御部304に出力するようになっている。
【0096】
各制御部301は、ブロック毎に設けられ、各ブロック毎の調整部103を制御することによって基準電流発生部101によって発生された基準電流(i)を調整させ、各FET105に出力させるようになっている。
【0097】
具体的には、この各制御部301には、測定部303の測定結果が入力されるようになっており、各制御部301は、入力された測定結果に基づいて、調整部103内の電流発生量を制御し、一定の基準電流(i)となるように、当該調整部103を制御するようになっている。
【0098】
本実施形態では、このような構成を有することにより、各ブロック毎に、駆動回路301に基準電流(i)が入力されると、FET105および各FET106とのカレントミラー回路によってその基準電流(i)が駆動回路301に入力され、FET106の他にFET302を介してブロック毎の基準電流(i)が測定部303に入力される。
【0099】
また、測定部303は、この入力された基準電流(i)の測定結果を制御部304に出力するようになっており、制御部304は、各ブロック毎に入力された測定結果に基づいて調整部103を制御し、基準電流発生部101から発生された基準電流(i)を調整するようになっている。
【0100】
なお、駆動回路301では、第1実施形態と同様に、駆動回路301に入力された基準電流(i)が、FET106を介して駆動スイッチ107の他端に流れ込み、駆動スイッチ107のON/OFFにより、各陽極線(A)に基準電流(i)を供給するようになっており、各陽極線(A)には、上述したように、発光制御回路60によって選択された場合に、駆動スイッチ(SW)107がONされ、駆動回路301から基準電流(i)を供給するようになっている。
【0101】
以上により本実施形態によれば、陽極線走査回路100に、各ブロック毎に調整部103によって調整された各基準電流を取得するFET106と、取得された各基準電流の電流値に基づいて調整部103を制御する制御部304と、を設けた構成を有している。
【0102】
この構成により、本実施形態では、駆動回路301からブロック毎に各陽極線(A)に供給される基準電流(i)を取得するとともに、当該取得他基準電流(i)に基づいて各ブロック毎に駆動回路301に入力させる基準電流(i)の電流値を制御することができるので、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるとともに、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、駆動回路301に、陽極線(A)の各走査線毎に、各ブロック毎に印加された入力電圧に基づいて当該各陽極線(A)への基準電流(i)の供給を制御するFET106が設けられている場合であって、FET303が、各ブロック毎に、各ブロック毎に印加される入力電圧に基づいて基準電流(i)を取得するとともに、各ブロック毎に設けられた複数のFET106のうち少なくとも何れか1のFET106に連接される構成を有している。
【0104】
この構成により、本実施形態では、FET302によって実際に駆動回路301から出力される基準電流(i)を取得するとともに、この取得した基準電流(i)に基づいて各ブロック毎に駆動回路301に入力させる基準電流(i)の電流値を制御することができるので、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるとともに、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0105】
なお、本実施形態では、ブロック毎に、駆動回路301に入力された基準電流(i)を測定し、当該測定した基準電流(i)に基づいて調整部103を制御して生成した基準電流(i)を調整しているが、第2実施形態のように、駆動回路のFETを、各ブロックの基準電流(i)を測定するためのFET302を含め、それぞれ抵抗(R)によって連接するとともに、各ブロックに入力電圧が印加され、当該各ブロックの駆動回路の他端のFETと隣接する他のブロックの一端のFETとも抵抗(R)によって接続するようにしてもよく、この構成を図8に示す。
【0106】
この場合、陽極線走査回路400は、上述と同様に、図8に示すように、基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させるFET105と、発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路301と、駆動回路301の各陽極線(A)に供給される基準電流(i)を各ブロック毎に測定する測定部303と、各測定部303による測定結果に基づいて各調整部103に対して基準電流(i)のフィードバック制御を行う制御部304と、を備え、第2実施形態と同様に、各ブロック毎に駆動回路301の各FET106を抵抗(R)401で連接するとともに、何れかの1のFET106とFET302を連接し、各ブロック毎の他端のFET106と隣接する他のブロックの一端のFET(図8ではFET302)とを抵抗(R)401によって接続するようにする。
【0107】
したがって、上述の効果に加えて、駆動回路301に入力される基準電流(i)の電流値がブロック毎に異なる場合に、陽極線(A)毎に当該各FET106に印加される入力電圧をブロックから他のブロックまで段階的に調整することができるので、各陽極線(A)に入力される基準電流(i)は、段階的に当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0108】
この結果、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の隣接する陽極線の輝度ムラを防止することができる。
【0109】
なお、各駆動回路の各FETを接続する抵抗(R)は、第2実施形態と同様に、同一の抵抗値を有する。
【0110】
〔第4実施形態〕
次に、図9を用いて本願の有機ELパネル10の駆動装置20の第4実施形態について説明する。
【0111】
本実施形態は、第1実施形態において、各ブロック毎に、レジスタに格納された値に基づいて発生させた基準電流(i)を調整している点に代えて、各陽極線毎に供給される基準電流(i)を用いて当該供給される各基準電流(i)を調整する点、および、調整部が予め設定された時間毎(時分割)に各基準電流(i)を調整する点に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0112】
本実施形態の陽極線走査回路500は、図9に示すように、基準電流(i0)を発生させる基準電流発生部501と、各陽極線(A)毎の基準電流(in)の電流値と発生された基準電流(i0)を比較する調整する比較器502と、抵抗(R)503と、各陽極線(A)毎の基準電流(in)の出力の切り換えを行う出力制御スイッチ(SW)504と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)に供給する基準電流(in)の供給制御を行う駆動回路505と、を備えている。
【0113】
なお、例えば、本実施形態の基準電流発生部501は、本発明に係る基準電流発生手段を構成し、比較器502は、本発明に係る調整手段および制御手段を構成する。
【0114】
また、例えば、本実施形態の出力制御スイッチ(SW)504は、本発明に係る基準電流取得手段を構成する。
【0115】
基準電流発生部501は、唯一の基準電流i0を生成し、当該基準電流(i)を用いて発生させた電圧(V0)を比較器502の一方の入力端子に出力するようになっている。
【0116】
比較器502には、基準電流発生部501から出力された基準電流(i0)に発生された電圧(V0)と、駆動回路505が各陽極線(A)に供給する際の基準電流(in)と抵抗(R)503によって発生した電圧(V1)と、が入力されるようになっており、比較器503は、入力された基準電流(i)発生部501によって出力された電圧(V0)と抵抗(R)503の両端にかかる電圧(V1)を比較し、その差に応じた入力電圧を駆動回路505に印加するようになっている。
【0117】
なお、比較器502は、出力制御スイッチ(SW)504と後述する入力制御スイッチ(SW)506nとにより、順次、陽極線(A)毎に入力電圧を印加するようになっている。
【0118】
出力制御スイッチ(SW)504は、駆動回路505が各陽極線(A)に供給する際の基準電流(in)の比較器502への出力を切り換えるようになっており、外部からの制御により、このON/OFFを切り換えるようになっている。
【0119】
具体的には、出力制御スイッチ(SW)504は、FET106のドレインに接続されるとともに、比較器503の一端と抵抗(R)503に接続され、駆動回路505から出力された基準電流(i)を当該抵抗(R)503によって電圧(V1)を生じさせ、比較器502の他方に入力するようになっている。
【0120】
また、駆動回路505は、各陽極線(A)毎に基準電流(in)の供給制御を行うFET106と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107と、各FET106の入力電圧の入力のON/OFFを行う入力制御スイッチ506と、各FETの入力電圧を保持するコンデンサ(C)507とから構成される。
【0121】
なお、例えば、本実施形態のFET106は、本発明に係るスイッチング回路を構成し、コンデンサ(C)507は、本発明に係る電流(i)調整手段を構成している。
【0122】
入力制御スイッチ(SW)506は、比較器502の出力側とFET106のゲートおよびコンデンサ(C)507に接続されるようになっており、出力制御スイッチ(SW)504に連動してスイッチのON/OFFを切り換えるようになっている。
【0123】
コンデンサ(C)507には、入力制御スイッチ(SW)506がONされたときに、入力電圧が印加されるとともに、この入力制御スイッチ(SW)506がOFFされたときに、当該コンデンサ(C)507が保持する電圧をFET106に印加するようになっている。
【0124】
次に、図10を用いて本実施形態において、基準電流(i)を補正する補正原理について説明する。
【0125】
なお、図10は、本実施形態の補正動作の原理を説明するための図であり、ここでは、任意の陽極線(An)を駆動するFET106nおよび駆動スイッチ(SW)107nを用いて説明する。
【0126】
また、本実施形態では、各陽極線(A)には、上述したように、発光制御回路60によって選択された場合に、駆動スイッチ(SW)107がONされ、駆動回路505から基準電流(i)を供給するようになっているため、駆動スイッチ(SW)107がOFFされているときに、当該補正動作を行うようになっている。
【0127】
さらに、本実施形態では、後述するように、発光制御回路60によって発光素子(E)を走査させる際の水平同期信号(HSYNC)直後に各陽極線(A)毎に順次行うようになっているので、陽極線走査回路500は、この水平同期信号に基づいて出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nを制御する、すなわち、水平同期信号直後に予め設定された期間に出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nをONするようになっている。
【0128】
まず、任意の水平同期信号が発光制御回路60より陽極線走査回路500に入力されると、陽極線走査回路500は、出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nを連動させてONにする。
【0129】
このとき、比較器502は、図10(a)に示すように、基準電流発生部501から出力された電圧V0と、後述するように抵抗(R)503の両端に生ずる電圧V1とが入力され、この電位差に基づいて所定の電圧を出力する。
【0130】
また、比較器502から所定の電圧が出力されると、入力制御スイッチ(SW)506nがONされているため、当該比較器502から出力された電圧によってコンデンサ(C)507nに電圧が印加されるとともに、FET106nのゲートに当該電圧が印加され、基準電流(i)がFET106nのソースからドレインに流れる。
【0131】
このとき、駆動スイッチ(SW)107nがOFFであり、出力制御スイッチ(SW)504がONであることから、FET106のドレインから基準電流(i)は出力制御スイッチ(SW)504nを介して抵抗(R)503に流れ込み、抵抗(R)503に所定の電圧を生じさせ、上述のように比較器502の他方の入力端子に入力される。
【0132】
次いで、任意の水平同期信号に基づいて陽極線走査回路500は、出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nを連動させてOFFにすると、図10(b)に示すように、コンデンサ(C)507nに生じた電圧V2がFET106nのゲートに印加される。
【0133】
このとき、駆動スイッチ(SW)107nがONされている場合には、FET106nのゲートに電圧が印加されることにより、基準電流(i)がFET106nのソースからドレインに流れ、陽極線(An)に基準電流(i)が供給されることになる。
【0134】
本実施形態では、各出力スイッチ(SW)504および駆動回路505における各コンデンサ(C)507および各FET106を用いることによって各陽極線(A)毎に、このような補正動作を行うことにより、順次、陽極線(A)毎に当該各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整するようになっている。
【0135】
次に、図11を用いて各陽極線(A)毎の補正動作のタイミングについて説明する。
【0136】
なお、図11は、本実施形態の補正動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【0137】
本実施形態では、図11に示すように、各陽極線(A)毎の補正は、水平同期信号に基づいて、各陽極線(A)毎に上述の補正動作を行うようになっている。
【0138】
例えば、陽極線(A1)に基準電流(i)を供給する場合、まず、最初に入力された水平同期信号に基づいて出力制御スイッチ(SW)5041と入力制御スイッチ(SW)5061をONにし、陽極線(A1)の基準電流(i)を上述の補正動作を行うことにより補正する(補正区間)。
【0139】
次いで、出力制御スイッチ(SW)5041と入力制御スイッチ(SW)5061をOFFにし、発光制御回路60の制御に基づいて駆動スイッチ(SW)107のONのときは、FET1061を介して当該基準電流(i)を陽極線(A1)に出力する(表示区間)。
【0140】
次いで、次の水平同期信号が入力されたときに、陽極線(A2)に供給する基準電流(i)を補正して当該陽極線(A2)に出力する。
【0141】
以上のように、本実施形態では、水平同期信号に基づいて各陽極線(A)毎に基準電流(i)を補正して各陽極線(A)に出力するようになっている。
【0142】
なお、上記のように、駆動スイッチ(SW)107は、各陽極線(A)への基準電流(i)の供給を制御しているため、駆動スイッチ(SW)107のON/OFFと駆動スイッチ(SW)107の出力は、一致するようになる。
【0143】
以上のように本実施形態によれば、基準電流発生部501が、陽極線(A)の走査線毎に基準電流を発生させる場合であって、陽極線走査回路500に、陽極線(A)の各走査線毎に、当該各走査線へ供給する基準電流を取得する出力制御スイッチ(SW)504を設け、比較器502および各コンデンサ(C)507が、取得された各基準電流(i)の電流値に基づいて前記陽極線(A)の各走査線毎に基準電流発生部501によって発生された各基準電流(i)の電流値を調整する構成を有している。
【0144】
この構成により、本実施形態では、各陽極線(A)毎に当該各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができるので、基準電流(i)が陽極線(A)に供給する際に、当該基準電流(i)の電流値がばらついたとしても、当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0145】
したがって、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の輝度ムラを防止することができる。
【0146】
また、本実施形態によれば、比較器502および各コンデンサ(C)507が、予め設定された時間間隔毎に、陽極線(A)の各走査線毎に供給する各基準電流(i)の電流値を順次調整する構成を有している。
【0147】
この構成により、本実施形態では、1の比較器502によって各陽極線(A)毎に当該陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができるので、簡易な構成により、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0148】
また、本実施形態によれば、出力制御スイッチ(SW)504によって取得された基準電流(i)の電流値と前記基準電流発生部501によって発生される基準電流の電流値を比較する比較器502と、比較器502の比較結果に基づいて陽極線(A)の各走査線毎に供給する各基準電流(i)の電流値を調整する各コンデンサ(C)507と、を有する構成をしている。
【0149】
この構成により、本実施形態では、比較器502によって各陽極線(A)に供給される基準電流(i)と基準電流(i)発生部501によって発生された基準電流(i)を比較し、常に、当該比較結果に基づいて各陽極線(A)毎に基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるので、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0150】
また、本実施形態によれば、駆動回路505に、陽極線(A)の各走査線毎に、比較器502および各コンデンサ(C)507によって調整された各基準電流(i)に伴う電圧である各入力電圧に基づいて、当該調整された各基準電流(i)の供給を制御するFET106を設け、コンデンサ(C)507が、比較器502の比較結果に基づいて調整された各基準電流(i)に伴う電圧である各入力電圧を保持するとともに、当該保持した入力電圧を駆動回路505に印加することによって各陽極線(A)毎に供給する各基準電流(i)の電流値を調整する構成を有している。
【0151】
この構成により、本実施形態では、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるとともに、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0152】
また、各陽極線(A)に、基準電流(i)を入力する際に、基準電流(i)に伴う電圧によって各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の供給制御を行うことができるので、正確に基準電流(i)を当該駆動回路505に入力することができる。
【0153】
なお、本実施形態では、各陽極線(A)における基準電流(i)の補正動作を水平同期信号直後に各陽極線(A)毎に順次行うようになっているが、原則的には、駆動スイッチ(SW)107がOFFのときであって、駆動回路505が他の陽極線(A)における基準電流(i)の補正を行なっていないときであれば、いつでも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図2】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図3】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図4】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図5】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第1実施形態の構成を示す図である。
【図6】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第2実施形態の構成を示す図である。
【図7】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第3実施形態の構成を示す図である。
【図8】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第3実施形態の他の構成を示す図である。
【図9】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第4実施形態の構成を示す図である。
【図10】第4実施形態の駆動装置における補正動作の原理を説明するための図である。
【図11】第4実施形態の駆動装置における補正動作の補正タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 … 有機ELパネル
20 … 駆動装置
30 … 陰極線走査回路
40、100、200、300、400、500 … 陽極線走査回路
101、501 … 基準電流発生部
102 … レジスタ
103 … 調整部
104、202、301、505 … 駆動回路
106、302 … FET
107 … 駆動スイッチ(SW)
201、401 … 抵抗(R)
303 … 測定部
304 … 制御部
502 … 比較器
504 … 出力制御スイッチ(SW)
506 … 入力制御スイッチ(SW)
507 … コンデンサ(C)
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL発光素子(E)によってディスプレイを構成する有機ELディスプレイの駆動回路の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス(EL:ElectroLuminescence)素子には、セレンや亜鉛などの無機化合物薄膜を発光材料として用いる無機発光素子(E)と、有機化合物を発光材料として用いる有機EL発光素子(E)とがある。
【0003】
有機EL発光素子(E)には、(1)発光効率が高い、(2)駆動電圧が低い、(3)発光材料を選択することで様々な色(緑、赤、青、黄など)を表示可能、(4)自発光型であるため表示が鮮明でバックライトが不要、(5)面発光であり、視野角依存性が無い、(6)薄型で軽量、(7)製造プロセスの最高温度が低いため、基板材料にプラスチックフィルムなどのような柔らかい材質を用いることが可能、などの優れた特徴がある。
【0004】
そこで、近年、CRTやLCDに代わり、車載用AV機器や、携帯機器であるPDA、携帯電話機など表示装置として、有機EL発光素子(E)を用いたディスプレイ(以下、有機ELディスプレイという。)が注目されている。
【0005】
有機EL発光素子(E)をディスプレイに応用する場合は、ドットマトリクス表示が一般的である。このドットマトリクス表示の有機ELディスプレイの駆動には、アクティブ方式とパッシブ方式とがある。
【0006】
前者のアクティブ方式では、画素を構成する有機EL発光素子(E)の個々に薄膜トランジスタ(TFT)からなるスイッチング素子が接続されており、駆動時は、常時点灯する、いわゆる、スタティック駆動が行なわれるようになっている。
【0007】
一方、後者のパッシブ方式では、陰陽各電極が、複数の行と列から構成されるマトリックス状のライン電極群として形成されるとともに、陰陽各電極のラインを走査することによって順次選択され、列ラインと行ラインとが選択された時にのみ点灯する、いわゆる、デューティ駆動が行なわれるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
上記2方式のディスプレイのうち、アクティブ方式は、TFTを必要とし、高価であるが、画素数の多い、比較的大型のディスプレイに適している一方、ドットマトリクス表示のパッシブ方式のディスプレイは、アクティブ方式と比較して、製造プロセスが簡単であり、低コストで製造できるため、特に、比較的画素数の少ない小型ディスプレイに多く用いられており、現段階では実用規模で生産されはじめている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−232074号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドットマトリクス表示のパッシブ方式のディスプレイは、表示パネルを構成する有機EL発光素子(E)の発光が当該有機EL発光素子(E)を駆動する駆動電流に比例するため、各有機ELを駆動する各定電流源の電流ばらつきや当該有機EL発光素子(E)のばらつきなどにより、有機ELの発光ムラ、すなわち、ディスプレイの輝度ムラが発生するという問題を有していた。
【0011】
本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例としては、輝度ムラを調整可能な有機ELディスプレイにおける駆動回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の発光素子がマトリックス状に形成されるとともに、前記発光素子を列毎に走査して発光する表示部を駆動する発光素子の駆動装置であって、前記表示部における一方の走査線の走査方向である第1走査方向の各走査線毎に、前記各発光素子を駆動する際に基準となる基準電流を供給する第1駆動手段と、前記表示部における他方の走査方向である第2走査方向の各走査線毎に、予め定められた電圧を印加する第2駆動手段と、を備え、前記第1駆動手段が、前記表示部の第1走査方向の各走査線毎、または、当該第1走査方向の複数の走査線毎の少なくとも何れか一方の走査線毎に前記基準電流を発生させる基準電流発生手段と、前記発生させた基準電流毎に電流値を調整する調整手段と、前記調整された各基準電流を前記第1走査方向の各走査線毎に供給する駆動回路と、を有する構成をしている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本願の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0014】
〔パッシブ方式の概要およびその動作〕
まず、図1〜図4を用いてドットマトリクス表示のパッシブ方式の有機ELパネル(以下、単に有機ELパネルという。)とその駆動装置の概要構成その概要動作について説明する。
【0015】
なお、図1は、有機ELパネルとその駆動装置の概要構成を示す構成図である。
【0016】
また、本実施形態では、陽極線は256本および陰極線は64本として説明するとともに、本駆動装置のドライブ方法は、陰極線走査・陽極線ドライブとして説明する。
【0017】
有機ELパネル10には、陽極線(A1)〜(A256)と陰極線(B1)〜(B64)がマトリックス(格子)状に配設され、このマトリックス状に配設された陽極線(A)と陰極線(B)の各交点位置に発光素子(E1、1)〜(E256、64)が接続されている。
【0018】
駆動装置20は、陰極線(B)を一定の時間間隔で順次選択して走査するとともに、この走査に同期して陽極線(A)を駆動源たる電流源411〜41256で駆動することにより、任意の交点位置の発光素子を発光させることによって入力された画像データを有機ELパネル10に表示するようになっている。
【0019】
また、駆動装置20は、各陰極線B1〜B64を順次に走査する陰極線走査回路30と、駆動源たる電流源411〜41256を有する陽極線駆動回路40と、陽極線(A1)〜(A256)の電位をリセットする陽極リセット回路50、陰極線走査回路30、陽極線駆動回路40、および陽極リセット回路50を制御する発光制御回路60とを備えている。
【0020】
なお、例えば、陰極線走査回路30は、本発明に係る第2駆動手段を構成し、陽極線走査回路40は、本発明に係る第1駆動手段を構成する。
【0021】
陰極線走査回路30は、各陰極線(B1)〜(B64)を順次に走査するための走査スイッチ311 〜3164を備えており、各走査スイッチ311 〜3164の一方の端子は、電源電圧からなる逆バイアス電圧VCC(例えば、10V。)に接続され、他方の端子は、アース電位(0V)にそれぞれ接続されている。
【0022】
陽極駆動回路40は、駆動源たる電流源411 〜41256 と、各陽極線(A1)〜(A256)を選択するための駆動スイッチ421 〜42256 とを備えており、駆動用の電流源411 〜41256 は、任意の駆動スイッチをONすることにより、当該陽極線に接続されるようになっている。
【0023】
陽極リセット回路50は、陽極線(A1)〜(A256)をアース電位(0V)へリセットするためのシャントスイッチ511 〜51256 を備えている。
【0024】
発光制御回路4は、これらの走査スイッチ311〜3164、駆動スイッチ421〜42256 およびシャントスイッチ511〜51256のON・OFFを入力されたデータに基づいて制御するようになっている。
【0025】
次に、図1〜図4を用いて有機ELパネル10のパッシブ駆動における発光動作について説明する。
【0026】
なお、以下に述べる動作は、陰極線(B1)を走査して発光素子(E1、1)と(E2、1)を光らせた後、陰極線(B2)に走査を移して発光素子(E2、2)と(E3、2)を光らせる場合を例に採って説明する。
【0027】
また、説明を分かり易くするために、光っている発光素子についてはダイオード記号で示し、光っていない発光素子についてはコンデンサ記号で示す。
【0028】
また、陰極線(B1)〜(B64)に印加する逆バイアス電圧VCCは、装置の電源電圧と同じ10Vとする。
【0029】
まず、図1では、走査スイッチ311 が0V側に切り換えられ、陰極線B1 が走査されており、他の陰極線(B2)〜(B64)には、走査スイッチ312 〜3164により逆バイアス電圧10Vが印加されている。
【0030】
また、陽極線(A1)と(A2)には、駆動スイッチ421と422によって電流源411,412が接続されており、他の陽極線(A3)〜(A256)には、シャントスイッチ513〜51256によって0Vが与えられている。
【0031】
このため、図1の場合、発光素子(E1、1)と(E2、1)のみが準方向にバイアスされ、電流源311 と312 から矢印のように駆動電流が流れ込み、発光素子(E1、1)と(E2、1)のみが発光するようになっている。
【0032】
この図1の状態では、コンデンサにハッチングして示した発光素子は、それぞれ図のような極性の向きに充電された状態となっており、この 図1の発光状態から 図4の発光素子(E2、2)と(E3、2)が発光する状態に走査を移行する際に、以下のようなリセット制御が行なわれるようになっている。
【0033】
すなわち、走査が 図1の陰極線B1から 図4の陰極線B2 に移行する前に、まず、 図2に示すように、すべての駆動スイッチ411 〜4164をオフするとともに、すべての走査スイッチ311 〜3164とすべてのシャントスイッチ511〜51256を0V側に切り換え、陽極線(A1)〜(A256)と陰極線(B1)〜(B64)のすべてを一旦0Vにシャントし、0Vによるオールリセットをかけるようになっている。
【0034】
この0Vへのオールリセットが行なわれると、陽極線と陰極線のすべてが0Vの同電位となるので、各発光素子に充電されていた電荷は図中の矢印で示すようなルートを通って放電し、すべての発光素子の充電電荷が瞬時のうちに0となる。
【0035】
前記のように動作させることによって、すべての発光素子の充電電荷を0にした後、図3に示すように、陰極線(B2)に対応する走査スイッチ312のみを0V側に切り換え、陰極線(B2)の走査を行なうようになっている。
【0036】
これと同時に、駆動スイッチ422と423のみを電流源412と413側に切り換えるとともに、シャントスイッチ511,514〜51256をONし、陽極線(A1),(A4)〜(A256)に0Vを与えるようになっている。
【0037】
上記スイッチの切り換えによって陰極線(B2)の走査が行なわれると、前述したようにすべての発光素子の充電電荷は0とされているので、次に発光させるべき発光素子(E2、2)と(E3、2)には、 図3中に矢印で示したような複数のルートで充電電流が一気に流れ込み、それぞれの発光素子の寄生容量Cが瞬時に充電されるようになっている。
【0038】
すなわち、発光素子(E2、2)には、電流源412→駆動スイッチ422→陽極線(A2)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルートで充電電流が流れ込むとともに、走査スイッチ311→陰極線(B1)→発光素子(E2、1)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルート、走査スイッチ313→陰極線(B3)→発光素子(E2、3)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルート、・・・、走査スイッチ3164→陰極線(B64)→発光素子(E2、64)→発光素子(E2、2)→走査スイッチ312のルートからも同時に充電電流が流れ込み、発光素子(E2、2)はこれら複数の充電電流によって瞬時に充電されて発光し、図4に示す定常状態に瞬時に移行するようになっている。
【0039】
また、発光素子(E3、2)には、電流源413→駆動スイッチ423→陽極線(A3)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312の通常のルートで充電電流が流れ込むとともに、走査スイッチ311 →陰極線(B1)→発光素子(E3、1)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312のルート、走査スイッチ313→陰極線(B3)→発光素子(E3、3)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312のルート、・・・、走査スイッチ3164→陰極線(B64)→発光素子(E3、64)→発光素子(E3、2)→走査スイッチ312のルートからも同時に充電電流が流れ込み、発光素子(E2、2)はこれら複数の充電電流によって瞬時に充電されて発光し、 図4に示す定常状態に瞬時に移行するようになっている。
【0040】
以上のように、有機ELパネル10のパッシブ駆動においては、次の走査に移行する前に、陰極線と陽極線のすべてを一旦アース電位である0Vに接続してリセットするようにしたので、次の走査線に切り換えられた際に、切り換えられた走査線上の発光素子を瞬時に発光させることができるようになっている。
【0041】
なお、前記発光させるべき発光素子(E2、2)、(E3、2)以外の他の発光素子についても、 図3中に矢印で示したようなルートでそれぞれ充電が行なわれるが、これらの充電方向は逆バイアス方向であるので、発光素子(E2、2)、(E3、2)以外の他の発光素子が誤発光するおそれはないようになっている。
【0042】
〔第1実施形態〕
次に、図5を用いて本願の有機ELパネル10の駆動装置20の第1実施形態について説明する。
【0043】
本実施形態の有機ELパネル10の駆動装置20は、上述した陽極線走査回路に対して複数の陽極線(A)毎にブロックを構成し、各ブロック毎に基準電流(i)を発生させる点に特徴があり、しがって、以下に説明する陽極線走査回路以外の構成は、上述と同様であり、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0044】
また、本実施形態では、上述と同様に、ドライブ方法は、陰極線走査・陽極線ドライブとして説明する。
【0045】
さらに、上述の有機ELパネルの駆動方法は、陽極線(A)は256本および陰極線は64本として説明しているが、本実施形態では、説明の都合上、陽極線(A)は9本(A1)〜(A9)として説明する。
【0046】
本実施形態の陽極線走査回路100は、図5に示すように、上記発光素子(E)の駆動源となる基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、各レジスタ102に記憶された調整値に基づいて、この発生された各ブロック毎の基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させる電界効果トランジスタ(FET)105と、有機ELからなる発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路104と、を備えている。
【0047】
また、本実施形態では、複数の陽極線(A)により3つのブロックを構成するようになっており、各ブロック毎に、基準電流(i)を発生させるとともに、当該基準電流(i)を調整し、この調整された基準電流(i)を各ブロックの各陽極線(A)に入力するようになっている。
【0048】
例えば、本実施形態では、陽極線(A1)〜(A3)、陽極線(A4)〜(A6)および陽極線(A7)〜(A9)によって3つのブロックを構成するようになっている。
【0049】
なお、例えば、本実施形態の基準電流発生部101は、本発明に係る基準電流発生手段を構成し、調整部103は、本発明に係る調整手段および制御手段を構成している。
【0050】
また、例えば、本実施形態の駆動回路104は、本発明に係る駆動回路を構成している。
【0051】
基準電流発生部101は、図5に示すように、3つのブロックを構成する各陽極線(A)に対して、各ブロック毎に基準電流(i)を発生させ、調整部103によって調整された基準電流値を、FET105を介して駆動回路104に出力するようになっている。
【0052】
調整部103は、レジスタ102と接続され、レジスタに記憶された基準電流(i)の電流値に基づいて微少電流を発生させ、基準電流発生部101によって発生された基準電流(i)に、当該発生させた微少電流を加えるようになっている。
【0053】
駆動回路104は、調整された基準電流値の駆動回路104への出力を制御するFET105と陽極線(A)毎にカレントミラー回路を構成するFET106と、各陽極線(A)毎に基準電流のON/OFFを切り換え、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107とから構成される。
【0054】
この駆動回路104は、上述のように、基準電流発生回路101によって発生される基準電流(i)毎にブロック化され、各ブロック毎に基準電流(i)が入力されるようになっている。
【0055】
例えば、本実施形態の駆動回路104では、図5に示すように、FET1061〜1063、FET1064〜1066およびFET1067〜1069よって各ブロックを構成するようになっている。
【0056】
また、駆動回路104は、当該1のブロックには1の基準電流(i)が入力されるようになっており、この複数の陽極線(A)に基準電流iを供給するFET106には、ブロック毎に共通の入力電圧が印加されるとともに、当該入力電圧により、各FET106に基準電流(i)が入力されるようになっている。
【0057】
各FET106は、陽極線(A)毎にFET105とカレントミラー回路を構成するようになっており、これにより、FET105に生ずる基準電流(i)を正確に駆動回路に104に入力することができるようになっている。
【0058】
具体的には、各FET106のゲートは、ブロック毎に、基準電流発生部101からの基準電流(i)の出力を行うFET105のゲートと接続されるとともに、各FET106のゲートには、各ブロック毎に所定の電圧が印加されるようになっており、各FET106のソースには、ブロック毎のFET105のドレインが接続されるとともに電源(VDDH)に接続され、FET106の各ドレインが各陽極線(A)の駆動スイッチ107の一端に接続されるようになっている。
【0059】
各駆動スイッチ(SW)107は、外部からの制御、具体的には、上述の発光制御回路60によって、各陽極線(A)に基準電流(i)の入力のON/OFFを切り換えるようになっており、当該スイッチがONになったときに、すなわち、当該陽極線(A)が発光制御回路60によって選択された場合に、駆動回路104に入力された基準電流(i)を各陽極線(A)に出力するようになっている。
【0060】
なお、本実施形態の駆動スイッチ107は、上述したように、各陽極線(A)を選択するための駆動スイッチ42を示す。
【0061】
本実施形態では、上述のような構成を有することにより、各ブロック毎に、基準電流発生部101によって発生された基準電流(i)が調整部103によって調整され、当該調整された基準電流(i)がFET105に入力されると、FET105および各FET106とのカレントミラー回路によってその基準電流(i)が駆動回路104に入力されるとともに、駆動回路104に入力された基準電流(i)が、FET106を介して駆動スイッチ107の他端に流れ込み、駆動スイッチ107のON/OFFにより、各陽極線(A)に基準電流(i)が供給されるようになっている。
【0062】
なお、各陽極線(A)には、上述したように、発光制御回路60によって選択された場合に、駆動スイッチ(SW)107がONされ、駆動回路104から基準電流(i)を供給するようになっている。
【0063】
以上により本実施形態によれば、有機ELパネル10における一方の走査線の走査方向である陽極線(A)の各走査線毎に、各発光素子(E)を駆動する際に基準となる基準電流を供給する陽極線走査回路100と、有機ELパネル10における他方の走査方向である陰極線(B)の各走査線毎に、予め定められた電圧を印加する陰極線走査回路30と、を備え、陽極線走査回路100が、有機ELパネル10の複数の陽極線(A)毎から構成されるブロック毎に基準電流(i)を発生させる基準電流発生部101と、発生させた基準電流(i)毎に電流値を調整する調整部103と、調整された各基準電流(i)を陽極線(A)の走査線毎に供給する駆動回路104と、を有する構成をしている。
【0064】
この構成により、本実施形態では、陽極線(A)毎に、ブロック毎に調整された基準電流(i)を供給することができるので、基準電流(i)が陽極線(A)に供給する際に、当該基準電流(i)の電流値がばらついたとしても、当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0065】
したがって、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の輝度ムラを防止することができる。
【0066】
また、本実施形態では、基準電流発生回路101が、ブロック毎に基準電流(i)を発生させる場合であって、駆動回路104が、ブロック毎に、調整部103によって調整された各基準電流(i)に伴う電圧である各入力電圧が印加されることにより、当該各ブロック毎の各走査線に前記基準電流を供給する構成を有している。
【0067】
この構成により、本実施形態では、駆動回路104に、ブロック毎に基準電流(i)を入力する際に、基準電流(i)に伴う電圧によって各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の供給制御を行うことができる。
【0068】
したがって、例えば、駆動回路104にカレントミラー回路を構成することによって、正確に基準電流(i)を当該駆動回路104に入力することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、陽極線走査回路100に、予め設定された基準電流(i)の値を格納するレジスタ103から当該電流値を取得するとともに、取得した基準電流(i)の値に基づいて基準電流(i)を調整する調整部103を設けた構成を有している。
【0070】
この構成により、本実施形態では、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるので、容易に、かつ、簡便に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0071】
〔第2実施形態〕
次に、図6を用いて本願の有機ELパネル10の他の駆動装置20の第2実施形態について説明する。
【0072】
本実施形態は、第1実施形態において、基準電流に伴う入力電圧に基づいて駆動回路のブロック毎の各FETに入力電圧を印加している点に代えて、駆動回路の各ブロック毎のFETをそれぞれ抵抗(R)によって連接している点、および、各ブロックに各基準電流に伴う入力電圧を印加するとともに、各ブロックの駆動回路の他端のFETと隣接する他のブロックの一端のFETを抵抗によって接続する点に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0073】
なお、本実施形態では、各駆動回路の各FETを接続する抵抗は、同一の抵抗値を有している。
【0074】
本実施形態の陽極線走査回路200は、図6に示すように、基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、各レジスタ102に記憶された調整値に基づいて基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させるFET105と、発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行い、各FET106を接続する抵抗(R)201を有する駆動回路202と、を備えている。
【0075】
駆動回路202は、FET105と陽極線(A)毎にカレントミラー回路を構成するFET106と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107と、各FET10とが他のFET106とを接続する各抵抗(R)201とから構成される。
【0076】
なお、例えば、本実施形態のFET106は、本発明に係るスイッチング回路を構成し、抵抗(R)201は、本発明に係る分圧回路を構成している。
【0077】
この各抵抗(R)20は、駆動回路202に入力された各ブロック毎の入力電圧を分圧するとともに、各分圧した入力電圧を各FET106に印加するようになっている。
【0078】
このため、各ブロック毎に各入力電圧の電位差が生じた場合には、各FET106のゲートには、それぞれ、当該電位差を段階的に分圧し、直線的に入力電圧を補完するようになっている。
【0079】
例えば、図6に示すFET1051のゲートに接続されるFET1061のゲートに対する入力電圧が1.00V、FET1052のゲートに接続されるFET1065のゲートに対する入力電圧が1.12Vのとき、FET1062のゲート、FET1063のゲート、FET1064のゲートには、抵抗(R)2011〜抵抗(R)2014により段階的に分圧された入力電圧が入力される。
【0080】
すなわち、FET1062のゲートには、1.03V、FET1063のゲートには、1.06V、FET1064のゲートには、1.09Vが入力されることとなる。
【0081】
同様に、FET1066のゲート、FET1067のゲート、FET1068のゲートにも、FET1065のゲートの入力電圧とFET1069のゲートの入力電圧の電位差と抵抗(R)2011〜抵抗(R)2014に基づいて段階的に分圧された入力電圧が入力される。
【0082】
一方、隣接するFET1052に直接接続され、入力電圧1.12Vを直接入力するFET1065のゲートには、1.12Vが印加されることになる。
【0083】
したがって、各FET106のゲートには、ブロック毎に入力された入力電圧の電位差に基づいて段階的に分圧された入力電圧が入力されるようになるので、ブロック毎に入力される基準電流(i)を段階的に補正することによって、陽極線(A)輝度ムラを段階的、直線的に補完することができ、陽極線(A)間毎の輝度ずれを調整することができきるようになっている。
【0084】
以上により本実施形態によれば、第1実施形態に加えて、駆動回路202に、陽極線(A)の各走査線毎に、各ブロック毎に印加される入力電圧に基づいて当該各走査線への基準電流の供給を制御するFET106を設け、各ブロック毎の各FET106を、ブロック毎に印加される入力電圧を分圧する抵抗(R)201によって連接されるとともに、各ブロックの一端に連接されたFET106を、隣接する他のブロックの一端のFET106と抵抗(R)によって連接される構成を有している。
【0085】
この構成により、本実施形態では、駆動回路202に入力される基準電流(i)の電流値がブロック毎に異なる場合に、陽極線(A)毎に当該各FET106に印加される入力電圧をブロックから他のブロックまで段階的に調整することができるので、各陽極線(A)に入力される基準電流(i)は、段階的に当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0086】
したがって、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の隣接する陽極線の輝度ムラを防止することができる。
【0087】
〔第3実施形態〕
次に、図7を用いて本願の有機ELパネル10の駆動装置20の第3実施形態について説明する。
【0088】
本実施形態は、第1実施形態において、各ブロック毎に、レジスタに格納された値に基づいて発生させた基準電流(i)を調整している点に代えて、各ブロック毎に、駆動回路に入力された基準電流(i)を測定するとともに、当該測定した基準電流(i)に基づいて調整部を制御する点に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0089】
本実施形態の陽極線走査回路300は、図7に示すように、基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させるFET105と、発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路301と、駆動回路301の各陽極線(A)に供給される基準電流(i)を各ブロック毎に測定する測定部303と、各測定部303による測定結果に基づいて各調整部103に対して基準電流(i)のフィードバック制御を行う制御部304と、を備えている。
【0090】
なお、例えば、本実施形態の制御部304は、本発明に係る制御手段を構成している。
【0091】
駆動回路301は、FET105と陽極線(A)毎にカレントミラー回路を構成するFET106と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107と、各ブロック毎の陽極線(A)に供給する基準電流(i)を測定するFET302とから構成される。
【0092】
なお、例えば、本実施形態のFET302は、本発明に係る基準電流取得手段および取得用スイッチング回路を構成している。
【0093】
FET302は、各ブロック毎に1づつ設けられるようになっており、FET106と同様に、当該FET302のゲートは、各ブロック毎のFET106のゲートに接続されるとともに、当該FET302は、FET105とカレントミラー回路を構成するようになっている。
【0094】
各測定部303には、FET302によって測定された各ブロック毎の基準電流(i)が入力されるようになっており、この各測定部303は、この入力された各ブロック毎の基準電流(i)を測定し、この測定結果を制御部304に出力するようになっている。
【0095】
具体的には、この各測定部303は、入力端子には抵抗が接続されるとともに、入力された基準電流(i)によって当該抵抗に両端に発生した電圧と、予め定められた値と、を比較することによってその電位差に応じた出力を制御部304に出力するようになっている。
【0096】
各制御部301は、ブロック毎に設けられ、各ブロック毎の調整部103を制御することによって基準電流発生部101によって発生された基準電流(i)を調整させ、各FET105に出力させるようになっている。
【0097】
具体的には、この各制御部301には、測定部303の測定結果が入力されるようになっており、各制御部301は、入力された測定結果に基づいて、調整部103内の電流発生量を制御し、一定の基準電流(i)となるように、当該調整部103を制御するようになっている。
【0098】
本実施形態では、このような構成を有することにより、各ブロック毎に、駆動回路301に基準電流(i)が入力されると、FET105および各FET106とのカレントミラー回路によってその基準電流(i)が駆動回路301に入力され、FET106の他にFET302を介してブロック毎の基準電流(i)が測定部303に入力される。
【0099】
また、測定部303は、この入力された基準電流(i)の測定結果を制御部304に出力するようになっており、制御部304は、各ブロック毎に入力された測定結果に基づいて調整部103を制御し、基準電流発生部101から発生された基準電流(i)を調整するようになっている。
【0100】
なお、駆動回路301では、第1実施形態と同様に、駆動回路301に入力された基準電流(i)が、FET106を介して駆動スイッチ107の他端に流れ込み、駆動スイッチ107のON/OFFにより、各陽極線(A)に基準電流(i)を供給するようになっており、各陽極線(A)には、上述したように、発光制御回路60によって選択された場合に、駆動スイッチ(SW)107がONされ、駆動回路301から基準電流(i)を供給するようになっている。
【0101】
以上により本実施形態によれば、陽極線走査回路100に、各ブロック毎に調整部103によって調整された各基準電流を取得するFET106と、取得された各基準電流の電流値に基づいて調整部103を制御する制御部304と、を設けた構成を有している。
【0102】
この構成により、本実施形態では、駆動回路301からブロック毎に各陽極線(A)に供給される基準電流(i)を取得するとともに、当該取得他基準電流(i)に基づいて各ブロック毎に駆動回路301に入力させる基準電流(i)の電流値を制御することができるので、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるとともに、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、駆動回路301に、陽極線(A)の各走査線毎に、各ブロック毎に印加された入力電圧に基づいて当該各陽極線(A)への基準電流(i)の供給を制御するFET106が設けられている場合であって、FET303が、各ブロック毎に、各ブロック毎に印加される入力電圧に基づいて基準電流(i)を取得するとともに、各ブロック毎に設けられた複数のFET106のうち少なくとも何れか1のFET106に連接される構成を有している。
【0104】
この構成により、本実施形態では、FET302によって実際に駆動回路301から出力される基準電流(i)を取得するとともに、この取得した基準電流(i)に基づいて各ブロック毎に駆動回路301に入力させる基準電流(i)の電流値を制御することができるので、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるとともに、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0105】
なお、本実施形態では、ブロック毎に、駆動回路301に入力された基準電流(i)を測定し、当該測定した基準電流(i)に基づいて調整部103を制御して生成した基準電流(i)を調整しているが、第2実施形態のように、駆動回路のFETを、各ブロックの基準電流(i)を測定するためのFET302を含め、それぞれ抵抗(R)によって連接するとともに、各ブロックに入力電圧が印加され、当該各ブロックの駆動回路の他端のFETと隣接する他のブロックの一端のFETとも抵抗(R)によって接続するようにしてもよく、この構成を図8に示す。
【0106】
この場合、陽極線走査回路400は、上述と同様に、図8に示すように、基準電流(i)を複数のブロック毎に発生させる基準電流発生部101と、基準電流(i)の電流値を調整する調整部103と、調整された基準電流値を後述する駆動回路に出力させるFET105と、発光素子(E)に供給する基準電流(i)の供給制御を行う駆動回路301と、駆動回路301の各陽極線(A)に供給される基準電流(i)を各ブロック毎に測定する測定部303と、各測定部303による測定結果に基づいて各調整部103に対して基準電流(i)のフィードバック制御を行う制御部304と、を備え、第2実施形態と同様に、各ブロック毎に駆動回路301の各FET106を抵抗(R)401で連接するとともに、何れかの1のFET106とFET302を連接し、各ブロック毎の他端のFET106と隣接する他のブロックの一端のFET(図8ではFET302)とを抵抗(R)401によって接続するようにする。
【0107】
したがって、上述の効果に加えて、駆動回路301に入力される基準電流(i)の電流値がブロック毎に異なる場合に、陽極線(A)毎に当該各FET106に印加される入力電圧をブロックから他のブロックまで段階的に調整することができるので、各陽極線(A)に入力される基準電流(i)は、段階的に当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0108】
この結果、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の隣接する陽極線の輝度ムラを防止することができる。
【0109】
なお、各駆動回路の各FETを接続する抵抗(R)は、第2実施形態と同様に、同一の抵抗値を有する。
【0110】
〔第4実施形態〕
次に、図9を用いて本願の有機ELパネル10の駆動装置20の第4実施形態について説明する。
【0111】
本実施形態は、第1実施形態において、各ブロック毎に、レジスタに格納された値に基づいて発生させた基準電流(i)を調整している点に代えて、各陽極線毎に供給される基準電流(i)を用いて当該供給される各基準電流(i)を調整する点、および、調整部が予め設定された時間毎(時分割)に各基準電流(i)を調整する点に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0112】
本実施形態の陽極線走査回路500は、図9に示すように、基準電流(i0)を発生させる基準電流発生部501と、各陽極線(A)毎の基準電流(in)の電流値と発生された基準電流(i0)を比較する調整する比較器502と、抵抗(R)503と、各陽極線(A)毎の基準電流(in)の出力の切り換えを行う出力制御スイッチ(SW)504と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)に供給する基準電流(in)の供給制御を行う駆動回路505と、を備えている。
【0113】
なお、例えば、本実施形態の基準電流発生部501は、本発明に係る基準電流発生手段を構成し、比較器502は、本発明に係る調整手段および制御手段を構成する。
【0114】
また、例えば、本実施形態の出力制御スイッチ(SW)504は、本発明に係る基準電流取得手段を構成する。
【0115】
基準電流発生部501は、唯一の基準電流i0を生成し、当該基準電流(i)を用いて発生させた電圧(V0)を比較器502の一方の入力端子に出力するようになっている。
【0116】
比較器502には、基準電流発生部501から出力された基準電流(i0)に発生された電圧(V0)と、駆動回路505が各陽極線(A)に供給する際の基準電流(in)と抵抗(R)503によって発生した電圧(V1)と、が入力されるようになっており、比較器503は、入力された基準電流(i)発生部501によって出力された電圧(V0)と抵抗(R)503の両端にかかる電圧(V1)を比較し、その差に応じた入力電圧を駆動回路505に印加するようになっている。
【0117】
なお、比較器502は、出力制御スイッチ(SW)504と後述する入力制御スイッチ(SW)506nとにより、順次、陽極線(A)毎に入力電圧を印加するようになっている。
【0118】
出力制御スイッチ(SW)504は、駆動回路505が各陽極線(A)に供給する際の基準電流(in)の比較器502への出力を切り換えるようになっており、外部からの制御により、このON/OFFを切り換えるようになっている。
【0119】
具体的には、出力制御スイッチ(SW)504は、FET106のドレインに接続されるとともに、比較器503の一端と抵抗(R)503に接続され、駆動回路505から出力された基準電流(i)を当該抵抗(R)503によって電圧(V1)を生じさせ、比較器502の他方に入力するようになっている。
【0120】
また、駆動回路505は、各陽極線(A)毎に基準電流(in)の供給制御を行うFET106と、各陽極線(A)毎に発光素子(E)の駆動を切り換える駆動スイッチ(SW)107と、各FET106の入力電圧の入力のON/OFFを行う入力制御スイッチ506と、各FETの入力電圧を保持するコンデンサ(C)507とから構成される。
【0121】
なお、例えば、本実施形態のFET106は、本発明に係るスイッチング回路を構成し、コンデンサ(C)507は、本発明に係る電流(i)調整手段を構成している。
【0122】
入力制御スイッチ(SW)506は、比較器502の出力側とFET106のゲートおよびコンデンサ(C)507に接続されるようになっており、出力制御スイッチ(SW)504に連動してスイッチのON/OFFを切り換えるようになっている。
【0123】
コンデンサ(C)507には、入力制御スイッチ(SW)506がONされたときに、入力電圧が印加されるとともに、この入力制御スイッチ(SW)506がOFFされたときに、当該コンデンサ(C)507が保持する電圧をFET106に印加するようになっている。
【0124】
次に、図10を用いて本実施形態において、基準電流(i)を補正する補正原理について説明する。
【0125】
なお、図10は、本実施形態の補正動作の原理を説明するための図であり、ここでは、任意の陽極線(An)を駆動するFET106nおよび駆動スイッチ(SW)107nを用いて説明する。
【0126】
また、本実施形態では、各陽極線(A)には、上述したように、発光制御回路60によって選択された場合に、駆動スイッチ(SW)107がONされ、駆動回路505から基準電流(i)を供給するようになっているため、駆動スイッチ(SW)107がOFFされているときに、当該補正動作を行うようになっている。
【0127】
さらに、本実施形態では、後述するように、発光制御回路60によって発光素子(E)を走査させる際の水平同期信号(HSYNC)直後に各陽極線(A)毎に順次行うようになっているので、陽極線走査回路500は、この水平同期信号に基づいて出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nを制御する、すなわち、水平同期信号直後に予め設定された期間に出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nをONするようになっている。
【0128】
まず、任意の水平同期信号が発光制御回路60より陽極線走査回路500に入力されると、陽極線走査回路500は、出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nを連動させてONにする。
【0129】
このとき、比較器502は、図10(a)に示すように、基準電流発生部501から出力された電圧V0と、後述するように抵抗(R)503の両端に生ずる電圧V1とが入力され、この電位差に基づいて所定の電圧を出力する。
【0130】
また、比較器502から所定の電圧が出力されると、入力制御スイッチ(SW)506nがONされているため、当該比較器502から出力された電圧によってコンデンサ(C)507nに電圧が印加されるとともに、FET106nのゲートに当該電圧が印加され、基準電流(i)がFET106nのソースからドレインに流れる。
【0131】
このとき、駆動スイッチ(SW)107nがOFFであり、出力制御スイッチ(SW)504がONであることから、FET106のドレインから基準電流(i)は出力制御スイッチ(SW)504nを介して抵抗(R)503に流れ込み、抵抗(R)503に所定の電圧を生じさせ、上述のように比較器502の他方の入力端子に入力される。
【0132】
次いで、任意の水平同期信号に基づいて陽極線走査回路500は、出力制御スイッチ(SW)504nと入力制御スイッチ(SW)506nを連動させてOFFにすると、図10(b)に示すように、コンデンサ(C)507nに生じた電圧V2がFET106nのゲートに印加される。
【0133】
このとき、駆動スイッチ(SW)107nがONされている場合には、FET106nのゲートに電圧が印加されることにより、基準電流(i)がFET106nのソースからドレインに流れ、陽極線(An)に基準電流(i)が供給されることになる。
【0134】
本実施形態では、各出力スイッチ(SW)504および駆動回路505における各コンデンサ(C)507および各FET106を用いることによって各陽極線(A)毎に、このような補正動作を行うことにより、順次、陽極線(A)毎に当該各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整するようになっている。
【0135】
次に、図11を用いて各陽極線(A)毎の補正動作のタイミングについて説明する。
【0136】
なお、図11は、本実施形態の補正動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【0137】
本実施形態では、図11に示すように、各陽極線(A)毎の補正は、水平同期信号に基づいて、各陽極線(A)毎に上述の補正動作を行うようになっている。
【0138】
例えば、陽極線(A1)に基準電流(i)を供給する場合、まず、最初に入力された水平同期信号に基づいて出力制御スイッチ(SW)5041と入力制御スイッチ(SW)5061をONにし、陽極線(A1)の基準電流(i)を上述の補正動作を行うことにより補正する(補正区間)。
【0139】
次いで、出力制御スイッチ(SW)5041と入力制御スイッチ(SW)5061をOFFにし、発光制御回路60の制御に基づいて駆動スイッチ(SW)107のONのときは、FET1061を介して当該基準電流(i)を陽極線(A1)に出力する(表示区間)。
【0140】
次いで、次の水平同期信号が入力されたときに、陽極線(A2)に供給する基準電流(i)を補正して当該陽極線(A2)に出力する。
【0141】
以上のように、本実施形態では、水平同期信号に基づいて各陽極線(A)毎に基準電流(i)を補正して各陽極線(A)に出力するようになっている。
【0142】
なお、上記のように、駆動スイッチ(SW)107は、各陽極線(A)への基準電流(i)の供給を制御しているため、駆動スイッチ(SW)107のON/OFFと駆動スイッチ(SW)107の出力は、一致するようになる。
【0143】
以上のように本実施形態によれば、基準電流発生部501が、陽極線(A)の走査線毎に基準電流を発生させる場合であって、陽極線走査回路500に、陽極線(A)の各走査線毎に、当該各走査線へ供給する基準電流を取得する出力制御スイッチ(SW)504を設け、比較器502および各コンデンサ(C)507が、取得された各基準電流(i)の電流値に基づいて前記陽極線(A)の各走査線毎に基準電流発生部501によって発生された各基準電流(i)の電流値を調整する構成を有している。
【0144】
この構成により、本実施形態では、各陽極線(A)毎に当該各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができるので、基準電流(i)が陽極線(A)に供給する際に、当該基準電流(i)の電流値がばらついたとしても、当該基準電流(i)の電流値を調整することができ、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0145】
したがって、トランジスタの成形、不純物のむら、ゲート幅のばらつきなど、陽極線走査回路を半導体チップによって製造上発生するばらつきや、半導体チップ内の端と端の駆動回路では物理上数mmの距離があることによるばらつきにより、発光素子(E)の輝度にムラが生ずる場合であっても、陽極線(A)に入力する基準電流(i)の電流値を調整することができるので、有機ELパネル上の輝度ムラを防止することができる。
【0146】
また、本実施形態によれば、比較器502および各コンデンサ(C)507が、予め設定された時間間隔毎に、陽極線(A)の各走査線毎に供給する各基準電流(i)の電流値を順次調整する構成を有している。
【0147】
この構成により、本実施形態では、1の比較器502によって各陽極線(A)毎に当該陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができるので、簡易な構成により、発光素子(E)の輝度を調整することができる。
【0148】
また、本実施形態によれば、出力制御スイッチ(SW)504によって取得された基準電流(i)の電流値と前記基準電流発生部501によって発生される基準電流の電流値を比較する比較器502と、比較器502の比較結果に基づいて陽極線(A)の各走査線毎に供給する各基準電流(i)の電流値を調整する各コンデンサ(C)507と、を有する構成をしている。
【0149】
この構成により、本実施形態では、比較器502によって各陽極線(A)に供給される基準電流(i)と基準電流(i)発生部501によって発生された基準電流(i)を比較し、常に、当該比較結果に基づいて各陽極線(A)毎に基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるので、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0150】
また、本実施形態によれば、駆動回路505に、陽極線(A)の各走査線毎に、比較器502および各コンデンサ(C)507によって調整された各基準電流(i)に伴う電圧である各入力電圧に基づいて、当該調整された各基準電流(i)の供給を制御するFET106を設け、コンデンサ(C)507が、比較器502の比較結果に基づいて調整された各基準電流(i)に伴う電圧である各入力電圧を保持するとともに、当該保持した入力電圧を駆動回路505に印加することによって各陽極線(A)毎に供給する各基準電流(i)の電流値を調整する構成を有している。
【0151】
この構成により、本実施形態では、常に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の電流値を一定に調整することができるとともに、容易に、かつ、的確に、各陽極線(A)に供給する基準電流(i)を調整することができる。
【0152】
また、各陽極線(A)に、基準電流(i)を入力する際に、基準電流(i)に伴う電圧によって各陽極線(A)に供給する基準電流(i)の供給制御を行うことができるので、正確に基準電流(i)を当該駆動回路505に入力することができる。
【0153】
なお、本実施形態では、各陽極線(A)における基準電流(i)の補正動作を水平同期信号直後に各陽極線(A)毎に順次行うようになっているが、原則的には、駆動スイッチ(SW)107がOFFのときであって、駆動回路505が他の陽極線(A)における基準電流(i)の補正を行なっていないときであれば、いつでも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図2】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図3】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図4】本願の発光素子(E)駆動装置における駆動方法の概要構成および動作を説明するための図である。
【図5】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第1実施形態の構成を示す図である。
【図6】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第2実施形態の構成を示す図である。
【図7】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第3実施形態の構成を示す図である。
【図8】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第3実施形態の他の構成を示す図である。
【図9】本願に係る発光素子(E)の駆動装置における第4実施形態の構成を示す図である。
【図10】第4実施形態の駆動装置における補正動作の原理を説明するための図である。
【図11】第4実施形態の駆動装置における補正動作の補正タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 … 有機ELパネル
20 … 駆動装置
30 … 陰極線走査回路
40、100、200、300、400、500 … 陽極線走査回路
101、501 … 基準電流発生部
102 … レジスタ
103 … 調整部
104、202、301、505 … 駆動回路
106、302 … FET
107 … 駆動スイッチ(SW)
201、401 … 抵抗(R)
303 … 測定部
304 … 制御部
502 … 比較器
504 … 出力制御スイッチ(SW)
506 … 入力制御スイッチ(SW)
507 … コンデンサ(C)
Claims (10)
- 複数の発光素子がマトリックス状に形成されるとともに、前記発光素子を列毎に走査して発光する表示部を駆動する発光素子の駆動装置であって、
前記表示部における一方の走査線の走査方向である第1走査方向の各走査線毎に、前記各発光素子を駆動する際に基準となる基準電流を供給する第1駆動手段と、
前記表示部における他方の走査方向である第2走査方向の各走査線毎に、予め定められた電圧を印加する第2駆動手段と、
を備え、
前記第1駆動手段が、
前記表示部の第1走査方向の各走査線毎、または、当該第1走査方向の複数の走査線毎の少なくとも何れか一方の走査線毎に前記基準電流を発生させる基準電流発生手段と、
前記発生させた基準電流毎に電流値を調整する調整手段と、
前記調整された各基準電流を前記第1走査方向の各走査線毎に供給する駆動回路と、
を有することを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項1に記載の発光素子の駆動装置において、
前記基準電流発生手段が、前記第1走査方向の複数の走査線から構成されるブロック毎に前記基準電流を発生させる場合であって、
前記駆動回路が、前記ブロック毎に、前記調整手段によって調整された各基準電流に伴う電圧である各基準電圧が印加されることにより、当該各ブロック毎の各走査線に前記基準電流を供給することを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項2に記載の発光素子の駆動装置において、
前記駆動回路に、前記第1走査方向の各走査線毎に、前記各ブロック毎に印加される基準電圧に基づいて当該各走査線への基準電流の供給を制御するスイッチング回路を設け、
前記各ブロック毎の各スイッチング回路を、前記ブロック毎に印加される基準電圧を分圧する分圧回路によって連接されるとともに、
前記各ブロックの一端に連接されたスイッチング回路を、隣接する他のブロックの一端のスイッチング回路と前記分圧回路によって連接されることを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項2または3に記載の発光素子の駆動装置において、
前記第1駆動手段に、
予め設定された基準電流を取得する基準電流取得手段と、
前記取得された各基準電流の電流値に基づいて前記各調整手段を制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項2または3に記載の発光素子の駆動装置において、
前記第1駆動手段に、
前記各ブロック毎に前記調整手段によって調整された各基準電流を取得する基準電流取得手段と、
前記取得された各基準電流の電流値に基づいて前記各調整手段を制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項5に記載の発光素子の駆動装置において、
前記駆動回路に、第1走査方向の各走査線毎に、前記各ブロック毎に印加された基準電圧に基づいて当該各走査線への基準電流の供給を制御するスイッチング回路が設けられている場合であって、
前記基準電流取得手段が、前記各ブロック毎に、前記各ブロック毎に印加される基準電圧に基づいて前記基準電流を取得する取得用スイッチング回路を有し、
前記取得用スイッチング回路が、各ブロック毎に設けられた前記複数のスイッチング回路のうち少なくとも何れか1のスイッチング回路に連接されることを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項1に記載の発光素子の駆動装置において、
前記基準電流発生手段が、前記第1走査方向の走査線毎に前記基準電流を発生させる場合であって、
前記第1駆動手段に、
前記第1走査方向の各走査線毎に、当該各走査線へ供給する基準電流を取得する基準電流取得手段を設け、
前記調整手段が、前記取得された各基準電流の電流値に基づいて前記第1走査方向の各走査線毎に前記基準電流発生手段によって発生された各基準電流の電流値を調整することを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項7に記載の発光素子の駆動装置において、
前記調整手段が、予め設定された時間間隔毎に、前記各第1走査方向の各走査線毎に供給する各基準電流の電流値を順次調整することを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項7または8に記載の発光素子の駆動装置において、
前記調整手段が、
前記各基準電流取得手段によって取得された前記基準電流の電流値と前記基準電流発生手段によって発生される基準電流の電流値を比較する比較器と、
前記比較器の比較結果に基づいて前記第1走査方向の各走査線毎に供給する前記各基準電流の電流値を調整する電流調整手段と、
を有することを特徴とする発光素子の駆動装置。 - 請求項9に記載の発光素子の駆動装置において、
前記駆動回路に、前記第1走査方向の各走査線毎に、前記調整手段によって調整された各基準電流に伴う電圧である各基準電圧に基づいて、当該調整された各基準電流の供給を制御するスイッチング回路を設け、
前記電流調整手段が、前記比較器の比較結果に基づいて調整された各基準電流に伴う電圧である各基準電圧を保持するとともに、当該保持した基準電圧を前記駆動回路に印加することによって各走査線毎に供給する前記各基準電流の電流値を調整することを特徴とする発光素子の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002310174A JP2004145027A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 発光素子の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002310174A JP2004145027A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 発光素子の駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004145027A true JP2004145027A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32455767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002310174A Abandoned JP2004145027A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 発光素子の駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004145027A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010039407A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-18 | Hitachi Displays Ltd | 表示装置 |
US11615752B2 (en) | 2020-05-07 | 2023-03-28 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Backlight driver, backlight device including the same, and operating method of the backlight device |
-
2002
- 2002-10-24 JP JP2002310174A patent/JP2004145027A/ja not_active Abandoned
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US11615752B2 (en) | 2020-05-07 | 2023-03-28 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Backlight driver, backlight device including the same, and operating method of the backlight device |
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