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JP2004025416A - 精密孔仕上方法及び装置 - Google Patents

精密孔仕上方法及び装置 Download PDF

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JP2004025416A JP2002189367A JP2002189367A JP2004025416A JP 2004025416 A JP2004025416 A JP 2004025416A JP 2002189367 A JP2002189367 A JP 2002189367A JP 2002189367 A JP2002189367 A JP 2002189367A JP 2004025416 A JP2004025416 A JP 2004025416A
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frequency vibration
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柳 和久
Hiromi Isobe
磯部 浩已
Hideo Yoshihara
吉原 英雄
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Kuraki Co Ltd
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Kuraki Co Ltd
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Abstract

【課題】リーマ3の目詰まりを防止しつつ被加工物1の円孔2の精密仕上を可能にし、加工コストの低廉化を図る。
【解決手段】上記被加工物1の鉛直方向に高周波振動させると共に、上記リーマ3を鉛直方向に低周波振動させつつ、このリーマ3により上記円孔2の仕上加工を行なう。上記被加工物1からの切粉の排出を効率良く行なえて、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種機械装置の部品等に形成する円孔の内径を、精密に且つ能率良く、且つ低コストで仕上げられる精密孔仕上方法及び装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種機械装置の部品等に形成する円孔の内周面を平滑に、且つ、この円孔の内径寸法を精密に仕上げる必要がある場合が多い。この様な場合に利用する加工方法として従来から、内径研削加工、ホーニング加工、リーマによる加工が知られている。
このうちの内面研削加工では、研削砥石を回転させつつ上記円孔の内周面に押し付け、この円孔の内周面を仕上げる。
又、ホーニング加工の場合には、微細砥石を円孔の内周面に軽く接触させながらこの円孔の内周面を仕上げる。
更に、リーマによる旋削加工の場合には、刃部に硬質砥粒を固着したリーマを回転させつつ、このリーマの外周面により被加工物の円孔の内周面を削り取って、この円孔の内周面を仕上げる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な、従来から知られている精密孔仕上方法のうちの内面研削加工は、精度の高い孔加工を行なえる反面、加工に長時間を要するだけでなく、設備費が嵩む事が避けられない。この為、精密孔仕上に要するコストが嵩む。
又、ホーニング加工の場合には、1往復での取り代が最大10μm程度に止まる。そして、研削/計測を繰り返して形状精度を出す為、加工に長時間を要し、精密孔仕上に要するコストが嵩む。しかも、円孔を形成した被加工物(ワーク)の発熱等、この円孔の形状及び寸法精度に関する外乱要因を持っている為、高精度の孔加工を安定して行なう事が難しい。
【0004】
これに対して、リーマによる加工の場合には、リーマを円孔内に1回抜き差しするだけでこの円孔の内周面の仕上げ加工を完了する、所謂ワンパス加工を行なえる。
この様に、上記リーマによる加工は、精度、コストの面で、上記内面研削加工やホーニング加工に比べて優位性がある反面、リーマに切屑が付着して目詰まりを起こし易く、このリーマの繰り返し使用可能回数(ツール寿命)が短い。この結果、上記リーマによる加工を採用する事によるコスト低減効果を十分に得られていないのが実情である。
【0005】
この様な事情に鑑みて従来から、特許第3088537号公報に記載されている様に、被加工物とリーマとの少なくとも一方を低周波振動させると共に、第一工程と第二工程とで振動数及び振幅を変える事で、リーマへの切り屑の付着防止を図る技術が提案されている。この様な改良された従来技術によれば、目詰まりの抑制効果はあるが、依然として無視できない程度の早期に目詰まりが生じる為、必ずしも十分なコスト低減を図れない。
【0006】
一方、特公平6−26789号公報には、被加工物の内周面を、この被加工物の内径よりも小さな外径を有する砥石により研削加工する場合に、この砥石を軸方向及び半径方向に超音波振動させつつ軸方向に低周波振動させる研削方法に関する発明が記載されている。この様な従来技術は、被加工物の内径よりも小さな外径を有する砥石を使用する場合には適用できても、円孔の内径をリーマの外径に合わせて仕上加工する場合には適用できない。仮に適用した場合には、上記円孔の内径寸法を所望通りに精密に仕上げる事ができなくなる。
本発明の精密孔仕上方法及び装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の精密孔仕上方法及び装置は、刃部に硬質砥粒を固着したリーマを回転させつつ、このリーマの外周面により被加工物の円孔の内周面を削り取る方法及び装置である。
特に、請求項1に記載した精密孔仕上方法に於いては、上記リーマと被加工物との少なくとも一方の部材に、このリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する低周波振動を加える。同時に、上記リーマと被加工物との少なくとも何れかの部材に、このリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する高周波振動を、この高周波振動と上記低周波振動とを互いに重畳させる状態で加える。低周波振動を加える部材と高周波振動を加える部材とは、同じであっても、別であっても良い。何れにしても、上記低周波振動と高周波振動とを加えつつ、上記円孔の内周面を削り取る。
又、請求項2に記載した精密孔仕上装置に於いては、第一の振動付与手段と第二の振動付与手段とを備える。このうちの第一の振動付与手段は、上記リーマと被加工物との少なくとも一方の部材に、このリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する低周波振動を付与する。又、上記第二の振動付与手段は、上記リーマと被加工物との少なくとも何れかの部材に、このリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する高周波振動を、上記低周波振動に重畳させた状態で加える。
【0008】
【作用】
上述の様に構成する本発明の精密孔仕上方法及び装置によれば、リーマに目詰まりが生じにくくすると共に、加工精度を向上させられる事が、本発明者の行なった実験により確認された。
即ち、リーマと被加工物との間に、それぞれが軸方向にのみ振動する低周波振動と高周波振動とを互いに重畳させた状態で付与する事により、上記リーマの目詰まり抑制効果を大幅に向上させられる事が確認された。この理由は、異なる周波数の振動が互いに重畳された状態で加えられる事により、上記リーマの表面に付着した削り屑をふるい落とす効果が向上する為と考えられる。
更に、上記振動を加える事に伴って、リーマの外周面に存在する砥粒と、被加工物に形成した円孔の内周面との衝突速度が速くなる事に基づき、切削抵抗が減少し、発熱の低減による加工精度の向上効果も得られる事が分かった。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、被加工物1側に、この被加工物1に鉛直方向に形成した円孔2の軸方向(鉛直方向)に振動する、周波数が3〜30KHz程度で振幅が3〜8μm程度の超音波振動(高周波振動)を付与する様にしている。又、リーマ3に、上記円孔2の軸方向に振動する、周波数が10〜60Hz程度で振幅が0.2〜2.0mm程度の低周波振動を付与する様にしている。
【0010】
上記被加工物1に上記高周波振動を付与する為に、この被加工物1を支持する為の保持具4を圧電素子等の超音波振動ユニット5により、鉛直方向にのみ振動させる様にしている。即ち、仕上加工装置の加工テーブル6の上面の所定位置に位置決め支持自在なホルダ7に上記保持具4を、鉛直方向の変位のみ自在に支持すると共に、これらホルダ7の上面中央部と保持具4の下面中央部との間に、請求項に記載した第二の振動付与手段に相当する上記超音波振動ユニット5を設けている。精密孔仕上加工時には、この超音波振動ユニット5に、上記被加工物1の(硬度等の材質を中心とする)物性に応じて制御した電圧を加える事により、上記保持具4を介して上記被加工物1を、高周波で加振する(高周波振動させる)。
【0011】
上記超音波振動ユニット5の中心軸と、上記保持具4の上面中央部に設けた保持凹孔8の中心軸とは、互いに一致させている。又、この保持凹孔8内には上記被加工物1の下半部を、がたつきなく内嵌自在としている。従って、上記超音波振動ユニット5の通電時に上記被加工物1は、その中心軸方向にのみ超音波振動する。言い換えれば、径方向に振動したり、モーメント方向の振動が加わる事はない。更に、上記ホルダ7を上記加工テーブル6の上面の所定位置に位置決め支持した状態で、上記保持凹孔8の中心軸と上記リーマ3の回転中心軸とが一致する様にしている。上記円孔2は上記被加工物1の中心に形成されている為、この円孔2の中心軸と上記リーマ3の中心軸とは一致する。
【0012】
一方、上記リーマ3をその下端部に同心に結合固定した主軸9を、回転及び昇降自在に支持する為に、前記テーブル6の上面に設けたコラム10の前面(図1の左側面)に主軸頭11を、昇降自在に設けている。上記被加工物1の加工時にこの主軸頭11は、上記コラム10の前面で昇降する。このコラム10に支持された駆動モータ12の回転は、上記主軸頭11の昇降に拘らず、この主軸頭11の内側に回転自在に支持された、上記主軸9に伝達され続ける。尚、この部分の構造は、従来から広く知られている精密孔仕上装置と同様であり、本発明の要旨でもない為、詳しい説明は省略する。
【0013】
本例の場合、上記主軸頭11を低周波振動させる事により、上記リーマ3に低周波振動を付与する様にしている。上記主軸頭11に低周波振動を与える構造は、カムによる一般的な加振方法も採用可能である。即ち、上記主軸頭11を、ばね等を介して鉛直方向に関する変位を自在に弾性支持すると共に、この主軸頭11の鉛直方向端面をカムにより押圧する構造により、この主軸頭11に低周波振動を付与できる。但し、この様な構造では、振動の振幅を変える場合には、カムを交換する必要があり、振幅の調節作業が面倒である。
【0014】
そこで、本例の場合には、この様な面倒を解消すべく、上記主軸頭11を鉛直方向に移動させる為の送り機構にリニアモータ13を使用し、請求項に記載した第一の振動付与手段に相当するこのリニアモータ13により、上記主軸頭11に低周波振動を付与自在としている。即ち、図3に示す様に、前記コラム10に上記リニアモータ13の駆動コイル14、14を、上記主軸頭11を両側から挟む状態で配置している。そして、この主軸頭11の両側面にマグネット板15、15を、それぞれ上記両駆動コイル14、14に対向させた状態で固定している。前記円孔2の仕上加工時にはこれら両駆動コイル14、14に、前記リーマ3を前記円孔2内に進入させるべく、上記主軸頭11を加工させる為の送り指令信号と、上記リーマ3を軸方向に低周波振動させる為の振動信号とを重畳させた電気信号を与える。そして、上記主軸頭11を、鉛直方向に振動させつつ下降させる。上記低周波振動の周波数及び振幅の変更は上記振動信号を変える事により行なえる為、上記周波数及び振幅の変更を、容易且つ迅速に行なえる。
【0015】
本例の精密孔仕上装置は、上述の様な機構により、前記被加工物1と上記リーマ3との間に低周波振動と高周波振動を重畳させた振動を加えつつ、上記被加工物1に形成した円孔2の仕上加工を行なう事ができる。そして、異なる種類の振動を付与しつつ仕上加工を施す事により、加工部で生じる切粉の排出を効率良く行なって、この加工部に残留する切粉の量を大幅に減少させ、切削抵抗を減少させ、上記リーマ3の寿命を大幅に向上させると共に、上記円孔2の加工精度を向上させる事ができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の精密孔仕上方法及び装置は、以上に述べた通り構成し作用する為、各種機械装置の部品等に形成する円孔の内周面の仕上加工を低コストで、しかも高品質を維持した状態で実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す部分側面図。
【図2】図1の拡大A−A断面図。
【図3】図1のB矢視図。
【符号の説明】
1  被加工物
2  円孔
3  リーマ
4  保持具
5  超音波振動ユニット
6  テーブル
7  ホルダ
8  保持凹孔
9  主軸
10  コラム
11  主軸頭
12  駆動モータ
13  リニアモータ
14  駆動コイル
15  マグネット板

Claims (2)

  1. 刃部に硬質砥粒を固着したリーマを回転させつつ、このリーマの外周面により被加工物の円孔の内周面を削り取る精密孔仕上方法に於いて、これらリーマと被加工物との少なくとも一方の部材にこのリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する低周波振動を、上記リーマと被加工物との少なくとも何れかの部材にこのリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する高周波振動を、この高周波振動と上記低周波振動とを互いに重畳させた状態で加えつつ上記円孔の内周面を削り取る事を特徴とする精密孔仕上方法。
  2. 刃部に硬質砥粒を固着したリーマを回転させつつ、このリーマの外周面により被加工物の円孔の内周面を削り取る精密孔仕上装置に於いて、これらリーマと被加工物との少なくとも一方の部材にこのリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する低周波振動を付与する第一の振動付与手段と、上記リーマと被加工物との少なくとも何れかの部材にこのリーマ及び上記円孔の軸方向にのみ振動する高周波振動を、上記低周波振動に重畳させた状態で加える第二の振動付与手段とを備える事を特徴とする精密孔仕上装置。
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