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JP2003343481A - ポンプ - Google Patents

ポンプ

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Publication number
JP2003343481A
JP2003343481A JP2002147820A JP2002147820A JP2003343481A JP 2003343481 A JP2003343481 A JP 2003343481A JP 2002147820 A JP2002147820 A JP 2002147820A JP 2002147820 A JP2002147820 A JP 2002147820A JP 2003343481 A JP2003343481 A JP 2003343481A
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JP
Japan
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bearing
dynamic pressure
pump
rotating body
dlc film
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JP2002147820A
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Yasuhiro Kobayashi
康裕 小林
Kazunori Hayashida
一徳 林田
Masayoshi Onishi
政良 大西
Yuichi Takii
裕一 瀧井
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/04Shafts or bearings, or assemblies thereof
    • F04D29/046Bearings
    • F04D29/0465Ceramic bearing designs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/04Shafts or bearings, or assemblies thereof
    • F04D29/046Bearings
    • F04D29/047Bearings hydrostatic; hydrodynamic

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転体を支持する軸受の耐食性や耐摩耗性な
どを向上することができ、よって長寿命化を図ることが
できるポンプを提供する。 【解決手段】 冷却水に対する耐食性をもつオーステナ
イト系ステンレス鋼により、動圧軸受8を構成する。さ
らに、この動圧軸受8に対向する回転軸4の対向部分の
表面にダイヤモンドライクカーボン膜10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水などの液体
を圧送するポンプに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液体を
循環させるポンプには、その循環液の循環流路上に配置
されたハウジング内に、回転軸とこれに取り付けられた
インペラ(回転翼)とを備えた回転体を配置し、この回
転体を電動モータ等により回転させることでハウジング
内から上記循環流路内へ循環液を流すものがある。とこ
ろで、上記のようなポンプでは、その回転体の回転軸を
支持する軸受をハウジング内で液中に没した状態で使用
する必要がある。このような軸受には、従来、転がり軸
受やすべり軸受が用いられているが、それらの軸受構成
部材に、上記循環液が水を含む場合には当該液による腐
食が生じることがあり、軸受寿命、ひいてはポンプ寿命
が短くなることがあった。また、セラミックス材料を用
いて軸受構成部材を形成した軸受を使用することも提案
されているが、上記水を含む循環液に対する耐食性や液
中使用での耐摩耗性や摺動特性が十分でなく、ポンプ寿
命を向上することは難しいものであった。
【0003】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、回転体を支持する軸受の耐食性や耐摩耗性などを向
上することができ、よって長寿命化を図ることができる
ポンプを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のポンプは、水を
含んだ液体を圧送する回転体と、前記液体を潤滑流体と
して前記回転体を回転自在に支持する動圧軸受とを備え
たポンプであって、前記動圧軸受の軸受面と、前記回転
体の少なくとも前記軸受面に対向する対向部分とのう
ち、少なくとも一方の表面にダイヤモンドライクカーボ
ン膜を形成するとともに、他方を前記液体に対する耐食
性をもつ耐食材により構成したことを特徴とするもので
ある(請求項1)。
【0005】上記のように構成されたポンプにおける動
圧軸受は、その軸受面にダイヤモンドライクカーボン膜
が形成されるかまたは上記耐食材により構成されるの
で、当該軸受の耐食性を向上することができる。また、
軸受面または上記回転体の少なくとも軸受面に対向する
対向部分の表面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成
しているので、回転開始時などでの当該動圧軸受の回転
体に対する耐摩耗性及び摺動特性を向上することができ
る。
【0006】また、上記ポンプ(請求項1)において、
前記動圧軸受と同軸上で前記回転体を回転支持するタッ
チダウン軸受を備えてもよい(請求項2)。この場合、
ポンプ起動または停止時に、上記タッチダウン軸受が回
転体を支持することにより、上記動圧軸受の回転体との
接触を防ぐことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポンプの好ましい
実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、
以下の説明では、水を含む液体として、水とエチレング
リコールとの混合液からなる冷却水(不凍液)を流路内
で循環させる軸流式のポンプを構成した場合を例示して
説明する。図1は本発明の一実施形態に係るポンプの構
成を示す断面図であり、図2は図1に示した動圧軸受の
動圧発生部とこれに対向する回転軸の対向部分とを示す
拡大断面図である。図1及び2において、本実施形態の
ポンプ1は、筒状のハウジング2と、このハウジング2
の吸入口2a側から吐出口2b側に上記冷却水を圧送す
る回転体3とを備えている。ハウジング2は上記流路の
途中に配置されたものであり、その吸入口2a及び吐出
口2bが流路を構成する配管(図示せず)に接続されて
いる。
【0008】上記回転体3は、軸長の回転軸4と、この
回転軸4の一端部側の外周面4aに一体回転可能に取り
付けられたインペラ5とを備えており、上記回転軸4が
電動モータ7により図のR方向に回転駆動されたとき
に、回転体3は上記吸入口2aから冷却水をハウジング
2内に導入し、その冷却水を図1の矢印Fにて示すよう
にハウジング2内を流して、上記吐出口2bから冷却水
を送り出す。上記回転軸4及びインペラ5は、冷却水に
対する耐食性に優れた金属、例えばオーステナイト系ス
テンレス鋼(SUS304等)により構成されたもので
あり、回転体3として必要な強度を有している。また、
回転軸4の一端部側の先端部には球状部4bが形成され
ており、この球状部4bがハウジング2内に固定された
円盤状のピボット板6の球面座6aに接した状態で、回
転体3が回転するようになっている。このピボット板6
は、例えば上記ステンレス鋼により構成されたものであ
り、回転体3が冷却水を圧送したときに当該回転体3が
図1の左側に移動するのを規制している。また、このピ
ボット板6には、冷却水を流すための複数の開口6bが
周方向に沿って適宜設けられており、ポンプ効率の低下
を極力抑えるようになっている。
【0009】上記電動モータ7は、例えばハウジング2
の外部に配置されたステータ巻線7aと、ハウジング2
の内部に配置され、上記回転軸4に固定された筒状のモ
ータロータ7bとを備えている。詳細には、モータロー
タ7bは、回転軸4が圧入された円筒部7cと、この円
筒部7cとの間で周方向に所定間隔をおいて等配された
複数のリブ7dとにより、回転軸4の軸方向中央部分に
一体回転可能に取り付けられており、当該ロータ7bの
一端開口部7b1から流入した冷却水が複数のリブ7d
の各間を通って他端開口部7b2から流出するようにな
っている。また、これらのモータロータ7b、円筒部7
c、及びリブ7dは、例えば上記オーステナイト系ステ
ンレス鋼により構成されたものであり、必要な強度及び
上記冷却水に対する耐食性が確保されている。また、モ
ータロータ7bの外周側には、樹脂モールドされること
により防水性が確保された永久磁石(図示せず)が設け
られている。そして、この電動モータ7は、そのステー
タ巻線7aに通電することによって回転磁界を発生さ
せ、その回転磁界と上記永久磁石の磁界との相互作用に
より回転体3を所望の回転速度で回転させる。
【0010】また、上記回転体3は、モータロータ7b
を左右方向で挟むように設けられた一対の動圧軸受8に
より、上記ハウジング2内で回転自在に支持されてい
る。上記動圧軸受8は、上記オーステナイト系ステンレ
ス鋼などの冷却水に対する優れた耐食性をもつ金属素材
からなる耐食材により構成されたものであり、ハウジン
グ2に固定された円環状の固定部8aと、この固定部8
aと同芯円上に設けられ、内周面8b1にスパイラルパ
ターンやへリングボーンパターン等の帯状の動圧発生用
溝8b2(図2)が形成された円環状の動圧発生部8b
とを備えている。また、動圧軸受8は、図1の矢印F1
にて示すように、ハウジング2内を流れる冷却水を潤滑
流体として、その動圧発生用溝8b2とこれに対向する
回転軸外周面4aとの間に、回転体3の回転に応じた動
圧を発生させることにより、回転体3をラジアル方向に
支承する。また、この動圧軸受8では、上記固定部8a
と動圧発生部8bとの間で周方向に沿って等間隔に複数
の開口8cが設けられており、これらの開口8cに冷却
水を通してポンプ効率の低下を極力抑えるようになって
いる。
【0011】また、図2に示すように、上記動圧発生部
8bと対向する回転軸外周面4aの上記対向部分の表面
にはダイヤモンドライクカーボン膜(以下、「DLC
膜」ともいう)10が形成されている。上記DLC膜1
0は、例えば炭素をターゲットとしたスパッタリング法
により、1.0〜5.0μm程度の膜厚で上記対向部分
の表面上に成膜されたものであり、ビッカース硬度10
00〜2000(Hv)程度の硬さを有する硬質膜を構
成している。このDLC膜10の表面粗さは例えば中心
線平均粗さ(Ra)で0.1μm以下に管理されてい
る。また、このDLC膜10は、所定の密着力(少なく
とも40N、好ましくは60N)で対向部分の上記表面
に接合されており、この表面から剥離しないようになっ
ている。さらに、このDLC膜10は、冷却水に対する
優れた耐食性を有するとともに、当接する相手材への攻
撃性及び摩擦係数が低く、しかも耐摩耗性に優れ、若干
の自己潤滑性を有する皮膜であり、回転体3の回転開始
時や停止時などにおいて動圧軸受8と回転体3の回転軸
外周面4aとが接触するときに動圧軸受8の回転軸外周
面4aとの間での耐摩耗性及び摺動特性を向上させる。
【0012】上記スパッタリング法によるDLC膜10
の形成では、アルゴンガス、炭化水素ガスなどの導入ガ
スが導入された蒸着室内の圧力を10-3〜10(Tor
r)程度とし、放電電圧100〜2000(V)、電流
2〜10(A)の放電処理を行うことにより、ターゲッ
ト面である上記対向部分の表面に炭素を蒸着する。これ
により、上記膜厚、硬さ等を有し、グラファイト(SP
2)構造とダイヤモンド(SP3)構造とが共存した非晶
質構造からなるDLC膜10が上記対向部分の表面上に
形成される。尚、このDLC膜10を形成するときに
は、上記ターゲット面以外の外周面4aなどの回転軸表
面はマスク部材によりマスキングが施され、炭素が付着
しないようになっている。また、上記DLC膜10の膜
厚が1.0μm未満であれば耐摩耗性が不足し、5.0
μmを超えると、コストが膨大となるだけでなく、膜厚
が厚すぎることによる内部応力が大きくなり剥離の原因
となる。それ故、DLC膜10の好ましい膜厚は、1.
0〜5.0μmであり、さらに好ましくは3.0μmで
ある。また、DLC膜10の上記表面に対する密着力が
40N未満であると、当該DLC膜10の剥離を生じや
すくなる。また、DLC膜10の硬さがビッカース硬度
(Hv)で1000未満であれば耐摩耗性が不足し、2
000を超えると、内部応力が大きくなり剥離の原因と
なる。
【0013】尚、上記のスパッタリング法以外に、ベン
ゼンを原料ガスとしたイオンビーム蒸着によるイオンプ
レーティング法等の他の物理蒸着法(PVD)、化学蒸
着法(CVD)、あるいはプラズマジェットを利用した
プラズマ溶射などの溶射法を用いて、DLC膜10を形
成してもよい。また、ローレット加工等により、上記対
向部分の表面を粗面に仕上げることでDLC膜10が形
成される表面への密着性(密着強度)を高めてもよい。
但し、上記スパッタリング法等のPVDは、物理的メカ
ニズムを利用した成膜法であることから、下地(回転軸
4)の材料に左右されることがなく、他の成膜法に比べ
て下地に対する高い密着性を容易に確保できるので、D
LC膜10の形成に最適である。また、この説明以外
に、タングステン等をDLC膜10に含有させたり、ク
ロム膜等をDLC膜10と表面との間に介在させたりし
て、DLC膜10の回転軸表面に対する密着強度を高め
る構成でもよい。
【0014】また、図1においては、上記動圧発生部8
bと回転軸4との隙間を誇張して図示しているが、実際
の隙間の寸法は数十μm程度に設定されており、動圧発
生部8bがDLC膜10との間でキャビテーションとこ
れに起因する異常音及び異常振動等を生じることなく、
上記動圧を適切に発生させて回転体3を安定して支持す
るようになっている。
【0015】以上のように、本実施形態のポンプ1で
は、上記金属素材からなる耐食材により動圧軸受8を構
成しているので、当該軸受8の冷却水に対する耐食性を
向上することができる。また、回転軸外周面4aの動圧
軸受8と対向する対向部分に上記DLC膜10を形成し
て、回転体3の回転開始時などでの動圧軸受8の回転軸
外周面4aとの間での耐摩耗性及び摺動特性を向上させ
るので、冷却水に対する耐食性を向上することができる
点とも相まって、動圧軸受8は長期間にわたって回転体
3を高精度に支持することができ、当該動圧軸受8の寿
命、ひいてはポンプ1の寿命を長寿命なものとすること
ができる。さらに、ポンプ1の循環水である冷却水を潤
滑流体として用いた動圧軸受8によって回転体3を支持
させているので、グリースが封入された転がり軸受を用
いた場合と異なり、軸受内部への循環水の浸入に起因す
るグリースの流出やその粘度低下、劣化等が発生するこ
とがなく、循環水の汚染及び軸受性能の低下などの発生
を防いだ高性能で環境性に優れ、かつ長期間にわたって
回転体3の回転精度を維持することができるエンジン冷
却用等のポンプを容易に構成することができる。
【0016】尚、本発明の発明者等による検証試験によ
れば、回転体3を10000rpmで回転させて、60
℃の水を循環供給するポンプで6ヶ月以上連続運転させ
ても、動圧軸受8及びポンプ1に不具合発生の兆候は全
く現れておらず、ポンプ寿命を格段に延ばせることが実
証されている。
【0017】また、本実施形態の説明では、回転軸4の
外周面4aの動圧軸受8に対向する対向部分の表面にD
LC膜10を形成する構成について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、回転体3の少なくと
も動圧軸受8に対向する対向部分の表面にDLC膜10
を形成するものであればよく、回転軸4の外周面4a全
面にわたってDLC膜10を形成する構成でもよい。こ
のように構成した場合、当該DLC膜10の耐食性によ
り回転軸全体の耐食性を向上できる。
【0018】また、上記の説明では、モータロータ7b
を左右方向で挟むように、一対の動圧軸受8を設けた構
成について説明したが、動圧軸受8の形状、設置数や設
置箇所、またはDLC膜10の成膜箇所、あるいはイン
ペラ5の形状や個数などの回転体3の構成は上記のもの
に何等限定されない。具体的にいえば、上記一対の動圧
軸受8に代えて、図3及び4に示すように、モータロー
タ7bの外周面に対向するようハウジング2の内周面に
固定された筒状のスリーブ部材18aによって動圧軸受
18を構成して、回転体3を回転自在に支持する構成で
もよい。上記スリーブ部材18aは、動圧軸受8と同様
に、上記オーステナイト系ステンレス鋼などの金属素材
からなる耐食材によって構成されたものであり、当該ス
リーブ部材18aには、モータロータ7bの対向する外
周面7b3との対向面に回転体3の回転に応じた所望の
動圧を発生させる動圧発生用溝18a2が内周面18a
1に形成されている。また、図4に示すように、モータ
ロータ7bの外周面7b3の表面上には、上記DLC膜
10が形成されている。尚、上記とは逆に、モータロー
タ7bの外周面7b3に動圧発生用溝を設け、スリーブ
部材18aには同溝を設けない構成としてもよい。
【0019】また、図3においては、スリーブ部材18
aと上記モータロータ7bとの隙間を誇張して図示して
おり、スリーブ部材18aとモータロータ7bの最外周
部である上記DLC膜10との隙間は数十μm程度であ
り、図1に示した場合と同様に、スリーブ部材18aが
DLC膜10との間でキャビテーションとこれに起因す
る異常音及び異常振動等を生じることなく、上記動圧を
適切に発生させて回転体3を安定して支持するようにな
っている。また、上記耐食材によりスリーブ部材18a
を構成するとともに、このスリーブ部材18aに対向す
るモータロータ7bの表面にDLC膜10を形成したこ
とから、動圧軸受18は図1に示した動圧軸受8と同様
な効果を得ることができる。
【0020】また、この実施形態では、図3に示すよう
に、モータロータ7bの内部に一対のインペラ5を設
け、これらのインペラ5を介してモータロータ7bと回
転軸4とを一体回転可能に連結するとともに、上記動圧
軸受18と同軸上で回転体3を回転支持する一対のタッ
チダウン軸受12をハウジング2内に設けている。詳細
には、インペラ5の一端(外周)側がモータロータ7b
の内周面側に固定され、他端(内周)が回転軸4の外周
面側に一体回転可能に取り付けられている。これによ
り、図1に示した円筒部7c及びリブ7dを割愛するこ
とができるとともに、インペラ5をモータロータの7b
の内部に設けたことから、回転体3、ひいてはポンプ1
の軸方向長さを容易に短くすることができる。
【0021】また、上記タッチダウン軸受12は、上記
耐食材からなる円筒状の部材により構成されたものであ
り、同耐食材により構成されたドーナツ状の取付部材1
1を介してハウジング2内に配置されている。上記取付
部材11は、ハウジング2に固定された円環状の固定部
11aと、タッチダウン軸受12が圧入固定されたリン
グ状部11bと、これら固定部11aとリング状部11
bとの間で周方向に沿って等間隔に形成された複数の開
口11cとを備えており、上記の開口11cに冷却水を
通してポンプ効率の低下を極力抑えるようになってい
る。また、上記タッチダウン軸受12の内周面12aと
回転軸4の外周面4aとの離間寸法は、動圧軸受18の
内周面18a1と上記外周面7b3上のDLC膜10と
の間の間隔寸法より、数μm〜数十μm程度小さい値に
設定されており、タッチダウン軸受12は回転体3のラ
ジアル方向の可動範囲を規制するとともに、ポンプ1の
起動時及び停止時などで回転軸4の外周面4aと当接す
ることによって、動圧軸受18のDLC膜10との接触
を防止する。
【0022】以上のように、この実施形態では、タッチ
ダウン軸受12を設けて動圧軸受18のDLC膜10と
の接触を防止するので、この接触による摩耗や損傷が動
圧軸受18及びDLC膜10などに発生するのを確実に
防止することができる。また、タッチダウン軸受12が
動圧軸受18とDLC膜10との接触を防止することか
ら、たとえ冷却水漏れ等により動圧軸受18が動圧を発
生させることができないポンプ緊急停止時などでも、当
該軸受18とDLC膜10との衝突を防ぐことができ、
上記動圧発生用溝18a2などに変形や破損を生じるこ
とを防止することができる。また、上記取付部材11及
びタッチダウン軸受12を、動圧軸受8,18と同様に
上記耐食材により構成したことから冷却水に対する耐食
性を向上することができるとともに、タッチダウン軸受
12の回転軸4に対する耐摩耗性及び摺動特性を向上さ
せることができ、タッチダウン軸受12の寿命、ひいて
はポンプ寿命を長寿命化することができる。また、ポン
プ1の起動停止を頻繁に行う用途でタッチダウン軸受1
2が損傷した場合でも、当該ダッチダウン軸受12のみ
交換すればポンプ1の継続使用が可能となる。また、モ
ータロータ7bに向かい合う上記動圧軸受18によって
回転体3を回転自在に支持することから、一対の動圧軸
受8を用いたものに比べて、ポンプ1の軸方向長さを長
くすることなくタッチダウン軸受12を容易にハウジン
グ2内に設けることができる。
【0023】尚、上記の説明では、冷却水を循環させる
軸流式のポンプに適用した場合について説明したが、本
発明は、蒸留水などのピュアな水や化学物質を含んだ水
溶液などの液体を圧送する回転体と、この液体を潤滑流
体として用いて回転体を回転自在に支持する動圧軸受と
を有する、電動ウォータポンプ等の各種ポンプに好適に
用いることができる。また、本発明における動圧軸受に
は、動圧溝を有さないものや、すべり軸受、ステップ軸
受をも含んでいる。また、上記の説明では、オーステナ
イト系ステンレス鋼などの金属素材からなる耐食材によ
り動圧軸受8,18を構成した場合について説明した
が、本発明は、冷却水等の水を含む液体(潤滑流体)に
対する耐食性をもつ耐食材により動圧軸受8,18を構
成するものであれば何等限定されない。具体的には、上
記DLC膜10を軸受用鋼(SUJ2等)の表面に形成
した耐食材により、動圧軸受8,18を構成してもよ
く、このように動圧軸受8,18側にDLC膜10を形
成した場合は、その軸受の耐摩耗性及び摺動特性を向上
することから回転体3側でのDLC膜10の形成を割愛
することができる。また、DLC膜10に代えて、上記
水を含む液体に対する耐食性に優れたニッケル等の金属
皮膜を電気メッキなどによって軸受用鋼などの表面上に
形成した耐食材を用いて、動圧軸受8,18を構成して
もよい。
【0024】また、上記の説明では、回転軸4の一端部
側の先端部に球状部4bを設け、この球状部4bをピボ
ット板6の球面座6aに接した状態で回転体3を回転さ
せる構成について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではない。例えば上記球状部4bを設けることな
く回転軸4の上記先端部を断面円形状とし、さらに上記
球面座6aの代わりに、ピボット板6の回転軸先端部に
対向する軸方向端面にヘリングボーン状等の動圧発生用
溝を形成して、この溝により発生させた動圧によって回
転体3が冷却水を圧送したときに当該回転体3が図1,
3の左側に移動するのを規制しつつ、軸方向に回転体3
を支承する構成でもよい。このようにピボット板6で回
転体3を軸方向に支承する場合、動圧軸受8,18と同
様に、このピボット板6あるいは球状部4bを上記耐食
材によって構成し、このピボット板6に対向する回転軸
4の先端部表面にDLC膜10を形成することにより、
当該ピボット板6の寿命、ひいてはポンプ寿命を容易に
向上することができる。また、逆に、ピボット板6の表
面にDLC膜10を形成し、対向する回転軸4の先端部
を上記耐食材で形成してもよい。
【0025】尚、上記各実施形態では、動圧軸受8,1
8の軸受面とこれに対向する回転軸4の対向面のいずれ
か一方にDLC膜10を設けた場合を示したが、両方に
DLC膜10を設けてもよい。一般に、耐摩耗性を重視
する用途では、いずれか一方のみにDLC膜10を設け
た方が好ましいが、他方の面の耐食材として、耐食被膜
としてのDLC膜10を表面に形成した部材を用いるこ
とで、DLC膜10の極めて優れた耐久性を利用でき、
耐食性をより重視する用途で好ましい形態の一つといえ
る。
【0026】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1のポンプによれば、動圧軸受の
水を含む液体に対する耐食性を向上することができると
ともに、回転開始時などでの当該軸受の回転体に対する
耐摩耗性及び摺動特性を向上することができるので、長
期間にわたって回転体を高精度に支持することができ、
軸受寿命、ひいてはポンプ寿命の長寿命化を図ることが
できる。
【0027】請求項2のポンプによれば、上記タッチダ
ウン軸受がポンプ起動または停止時に回転体を支持して
上記動圧軸受の回転体との接触を防ぐことができるの
で、その接触による摩耗などが動圧軸受等に発生するの
を確実に防止することができ、軸受及びポンプの寿命を
延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るポンプの構成を示す
断面図である。
【図2】図1に示した動圧軸受の動圧発生部とこれに対
向する回転軸の対向部分とを示す拡大断面図である。
【図3】別の実施形態に係るポンプの構成を示す断面図
である。
【図4】図3に示した動圧軸受の動圧発生部とこれに対
向するモータロータの対向部分とを示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ポンプ 3 回転体 8,18 動圧軸受 10 ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜) 12 タッチダウン軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 政良 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 瀧井 裕一 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 Fターム(参考) 3H022 AA01 BA06 CA11 CA51 DA13 3J011 AA20 BA02 CA02 CA05 DA01 JA02 KA02 MA02 QA04 SB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水を含んだ液体を圧送する回転体と、前記
    液体を潤滑流体として前記回転体を回転自在に支持する
    動圧軸受とを備えたポンプであって、 前記動圧軸受の軸受面と、前記回転体の少なくとも前記
    軸受面に対向する対向部分とのうち、少なくとも一方の
    表面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成するととも
    に、他方を前記液体に対する耐食性をもつ耐食材により
    構成したことを特徴とするポンプ。
  2. 【請求項2】前記動圧軸受と同軸上で前記回転体を回転
    支持するタッチダウン軸受を備えたことを特徴とする請
    求項1記載のポンプ。
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