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JP2003224180A - ウエハ支持部材 - Google Patents

ウエハ支持部材

Info

Publication number
JP2003224180A
JP2003224180A JP2002019015A JP2002019015A JP2003224180A JP 2003224180 A JP2003224180 A JP 2003224180A JP 2002019015 A JP2002019015 A JP 2002019015A JP 2002019015 A JP2002019015 A JP 2002019015A JP 2003224180 A JP2003224180 A JP 2003224180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
wafer
shaped ceramic
roughness
ceramic body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002019015A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Uda
靖 右田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2002019015A priority Critical patent/JP2003224180A/ja
Priority to US10/353,834 priority patent/US7068489B2/en
Publication of JP2003224180A publication Critical patent/JP2003224180A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却機構を有するベース部材上に静電チャック
部を接着にて接合したウエハ支持部材において、静電チ
ャック部の載置面側が加熱され、静電チャック部のベー
ス部材側が冷却されたとしても載置面の反りの小さなウ
エハ支持部材を提供する。 【解決手段】板状セラミック体3の一方の主面をウエハ
Wを載せる載置面4とし、板状セラミック体3の他方の
主面5に静電吸着用電極6を備えた静電チャック部2を
冷却機能を備えたベース部材7に接合したウエハ支持部
材1において、上記板状セラミック体3の一方の主面
(載置面4)の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)でA、
上記板状セラミック体3の他方の主面5の表面粗さを算
術平均粗さ(Ra)でBとした時、A<Bでかつ50.
0<((B−A)/B)×100≦99.8の関係を満
足するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
ウエハを支持するのに用いるウエハ支持部材に関するも
のであり、特にウエハを吸着保持する載置面側の温度が
高く、載置面と反対側の温度が低い場合でも載置面の反
りが小さいウエハ支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体の製造工程において、半導
体ウエハ(以下、ウエハと称す)への露光処理、PV
D、CVD、スパッタリング等による成膜処理、プラズ
マエッチングや光エッチング等によるエッチング処理、
ダイシング処理では、ウエハを精度良く支持するため静
電チャックが使用されている。
【0003】また、この種の静電チャックの多くは減圧
下で使用されることが多く、成膜処理では成膜時の反応
ガスによりウエハが加熱され、また、エッチング処理で
は、プラズマエッチングガスや光励起エッチング時の紫
外線や可視光によりウェハが加熱されることから、ウェ
ハに与えられた熱を如何に逃がすか検討されてきた。
【0004】そこで、このような問題に対応するため、
静電チャックに冷却機構を備えたベース部材を接着にて
接合したウエハ支持部材を用いることが提案されてい
る。
【0005】例えば、図7に示すウエハ支持部材41
は、円盤状をした板状セラミック体43の一方の主面を
ウエハWを載せる載置面44とし、他方の主面45に静
電吸着用電極46を備えた静電チャック部42の載置面
44と反対側にベース部材47を接着層49を介して接
合してなり、ベース部材47に備える流体通路48に冷
却ガスや冷却水を流してベース部材47を冷やすことで
静電チャック部42に吸着保持したウエハWに与えられ
た熱を逃がすようになっていた。
【0006】また、図8に示すウエハ支持部材51は、
円盤状をした板状セラミック体53の一方の主面をウエ
ハWを載せる載置面54とし、板状セラミック体53中
に静電吸着用電極56を埋設した静電チャック部52の
載置面54と反対側にベース部材57を接着層59を介
して接合したもので、図7に示すウエハ支持部材41と
同様に、ベース部材57に備える流体通路58に冷却ガ
スや冷却水を流してベース部材57を冷やすことで静電
チャック部52に吸着保持したウエハWに与えられた熱
を逃がすようになっていた。
【0007】また、従来、図7及び図8に示すウエハ支
持部材41,51においては、静電チャック部42、5
2の反りを防ぐため、板状セラミック体43,53の載
置面44,54と他方の主面45,55はほぼ同程度の
表面粗さに仕上げられていた(特開2001−1681
77公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前述
したように、各種処理によって静電チャック部42,5
2の載置面44,54側の温度が高くなり、かつベース
部材47,57の冷却機構によって静電チャック部4
2,52の載置面44,54と反対側の温度が低くなる
と、静電チャック部42,52を形成する板状セラミッ
ク体43,53の中央が載置面44,54側に凸となる
ような反りが発生し、各種処理時の載置面44,54の
平面度が悪くなるため、ウエハWへの処理精度を高める
ことができないといった問題点があった。
【0009】特にこの問題点は、静電チャック部42,
52を形成する板状セラミック体43,53の板厚が薄
ければ薄いほど発生し易く、大きな問題となっていた。
【0010】即ち、静電チャック部42,52の吸着力
を高めるためには、載置面44,54と静電吸着用電極
46,56との距離をできるだけ短くすることが良く、
図7に示すウエハ支持部材41の静電チャック部42で
は、通常、板厚が0.5〜3.0mmの板状セラミック
体43が用いられ、また、図8に示すウエハ支持部材5
1のように、静電吸着用電極56を板状セラミック体5
3中に埋設した静電チャック部52を用いたものでは、
載置面54上に吸着保持するウエハWの熱を逃がし易く
するため、板状セラミック体53の板厚を薄くするよう
になっており、通常、板厚が2.0〜5.0mmの板状
セラミック体53が用いられているが、このように板状
セラミック体43,53が5.0mm未満となると反り
が発生し易いといった問題点があった。
【0011】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明は上記
問題点に鑑み、板状セラミック体の一方の主面をウエハ
を載せる載置面とし、上記板状セラミック体の他方の主
面又は上記板状セラミック体の内部に静電吸着用電極を
備える静電チャック部の上記載置面と反対側に、冷却機
能を備えたベース部材を接合したウエハ支持部材におい
て、上記板状セラミック体の一方の主面の表面粗さを算
術平均粗さ(Ra)でA、上記板状セラミック体の他方
の主面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)でBとした
時、A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)×10
0≦99.8の関係を満足するようにしたことを特徴と
する。
【0012】なお、上記載置面の表面粗さは、算術平均
粗さ(Ra)で1.5μm以下とすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0014】図1は本発明のウエハ支持部材の一例を示
す断面図である。
【0015】このウエハ支持部材1は、静電チャック部
2とベース部材7とを接着層9を介して接合したもの
で、上記静電チャック部2は、円盤状をした板状セラミ
ック体3の一方の主面を、半導体ウエハ等のウエハWを
載せる載置面4とし、上記板状セラミック体3の他方の
主面5に一対の静電吸着用電極6を備えたもので、ベー
ス部材7には冷却ガスや冷却水を流すための流体通路8
を形成してある。
【0016】図2は本発明のウエハ支持部材の他の例を
示す断面図である。
【0017】このウエハ支持部材11は、静電チャック
部12とベース部材17とを接着層19を介して接合し
たもので、上記静電チャック部12は、板状セラミック
体13の一方の主面を、半導体ウエハ等のウエハWを載
せる載置面14とし、上記板状セラミック体13中に一
対の静電吸着用電極16を備えたもので、ベース部材1
7には冷却ガスや冷却水を流すための流体通路18を形
成してある。
【0018】そして、いずれのウエハ支持部材1,11
も、静電チャック部2,12を形成する板状セラミック
体3,13の載置面4,14の表面粗さを算術平均粗さ
(Ra)でA、上記板状セラミック体3,13の他方の
主面5,15の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)でBと
した時、A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)×
100≦99.8の関係を満足するように構成してあ
る。
【0019】その為、これらのウエハ支持部材1,11
の載置面4,14にウエハWを載せ、一対の静電吸着用
電極6,16間に電圧を印加すれば、ウエハWと載置面
4,14との間に静電吸着力を発生させることができる
ため、ウエハWを載置面4,14に吸着させることがで
きる。
【0020】また、ベース部材7,17の流体通路8,
18に冷却ガスや冷却水を流しながら、載置面4,14
に吸着保持するウエハWに対して露光処理、成膜処理、
エッチング処理、ダイシング処理等の加工処理を施せ
ば、この加工処理によってウエハWに与えられた熱を静
電チャック部2,12を介してベース部材7,17へ逃
がすことができるため、ウエハWが所定の処理温度より
高くなることを防ぐことができる。
【0021】さらに、ベース部材7,17の流体通路
8,18に冷却ガスや冷却水を流すと、静電チャック部
2,12のベース部材7,17側が冷却され、載置面
4,14側との間には温度差が発生するとともに、加工
処理によってウエハWに熱が与えられると、載置面4,
14側の温度がさらに高くなり、静電チャック部2,1
2の載置面4,14側とベース部材7,17側との間に
は大きな温度差が発生するため、静電チャック部2,1
2を形成する板状セラミック体3,13は、その中央が
載置面4,14側に凸となるように反ろうとするのであ
るが、本発明は上述したように、板状セラミック体3,
13の他方の主面5,15を載置面4,14より粗くし
てあることから、温度差によって板状セラミック体3,
13が反ろうとするのを抑えることができるため、静電
チャック部2,12の載置面4,14側とベース部材
7,17側とで温度差がある苛酷な条件下でも載置面
4,14が大きく反るようなことがなく、吸着したウエ
ハWを精度良く保持することができる。
【0022】即ち、静電チャック部2,12を形成する
板状セラミック体3,13は薄いため、上下面に温度差
が発生すると、図3(a)に示すように、温度が高い方
が凸となるような反りが発生するのであるが、本発明
は、図3(b)に示すように、板状セラミック体3(1
3)の他方の主面5(15)の表面粗さを載置面4(1
4)の表面粗さよりも意図的に粗くし、他方の主面5
(15)側での残留応力を載置面4(14)よりも大き
くして板状セラミック体3(13)の他方の主面5(1
5)側が凸となるような反りを発生させるようにしたこ
とから、加工処理時には双方の反りを相殺させ、図3
(c)に示すように載置面4,14に反りが発生するこ
とを防止することができる。
【0023】なお、板状セラミック体3,13の他方の
主面5,15の表面粗さを載置面4,14の表面粗さよ
りも粗くすると、板状セラミック体3,13の他方の主
面5,15側が凸となるような反りが発生するのである
が、室温時は接着層9,19によってベース部材7,1
7に接合してあることから、板状セラミック体3,13
の反りを拘束し、室温時でも載置面4,14を平坦に保
つことができる。
【0024】その為、ウエハWに対して露光処理、成膜
処理、エッチング処理、ダイシング処理等の加工処理を
施せば、加工精度を向上させることができる。
【0025】ただし、このような効果を奏するために
は、板状セラミック体3,13の載置面4,14の表面
粗さを算術平均粗さ(Ra)でA、上記板状セラミック
体3,13の他方の主面5,15の表面粗さを算術平均
粗さ(Ra)でBとした時、A<Bでかつ50.0<
((B−A)/B)×100≦99.8の関係を満足す
ることが好ましい。
【0026】なぜなら、板状セラミック体3,13の載
置面4,14と他方の主面5,15の表面粗さがA≧B
であると、板状セラミック体3,13の載置面4,14
側が凸となるように反り易くなるとともに、載置面4,
14側の温度が高く、他方の主面5,15側の温度が低
くなると、さらに載置面4,14側が凸となるように反
るために平坦化することができないからである。
【0027】また、A<Bであっても((B−A)/
B)×100の値が99.8より大きくなると、薄肉の
板状セラミック体3,13に作用する応力が大きく反り
が大きいため、ベース部材7,17に接合しようとして
も載置面4,14を平坦にすることは難しく、酷い時に
は薄肉の板状セラミック体3,13が破損する恐れがあ
るからであり、逆に、A<Bであっても((B−A)/
B)×100の値が50.0以下となると、板状セラミ
ック体3,13の他方の主面5,15側が凸となるよう
な反りを発生させる力が小さいため、加工処理時に載置
面4,14側の温度が高く、他方の主面5,15側の温
度が低くなっても載置面4,14の反りを十分に抑える
ことができないからである。
【0028】より好ましくはA<Bでかつ60.0≦
((B−A)/B)×100≦80.0の関係を満足す
るようにしたものが良く、このような範囲とすることで
より一層加工処理時における載置面4,14の反りを抑
えることができる。
【0029】なお、載置面4,14及び他方の主面5,
15の算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601に
基づき測定したもので、本発明では、載置面4,14及
び他方の主面5,15のそれぞれ3箇所以上を測定し、
その平均値を各面の算術平均粗さ(Ra)とした。
【0030】また、上記関係を満足するとしても、載置
面4,14の表面粗さが粗すぎると、ウエハWとの間に
隙間ができ、吸着力が低下することから、ウエハWを載
置面4,14の精度に倣って精度良く保持することがで
きなくなる。その為、載置面4,14の表面粗さは算術
平均粗さ(Ra)で1.5μm以下とすることが好まし
く、さらには算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下と
することが望ましい。ただし、載置面4,14の算術平
均粗さ(Ra)が0.01μmを下回ると、静電吸着用
電極6,16への通電を止めてもウエハWが載置面4,
14に貼り付き、ウエハWの離脱時間が長くなる。
【0031】したがって、載置面4,14は算術平均粗
さ(Ra)で0.01μm〜1.5μmとすることが良
い。
【0032】一方、板状セラミック体3,13の他方の
主面5,15の表面粗さは特に限定するものではない
が、図1に示すウエハ支持部材1のように、他方の主面
5に静電吸着用電極6を形成するような場合、他方の主
面5の表面粗さが粗すぎると、静電吸着用電極6を形成
する導体膜が前記主面5の凹部内にまで十分に入り込ま
ないために密着性が悪く、静電吸着用電極6が剥がれ易
くなる。
【0033】その為、板状セラミック体3の他方の主面
5に静電吸着用電極6を形成する場合、他方の主面5は
算術平均粗さ(Ra)で5.0μm以下としておくこと
が好ましい。
【0034】ところで、図1及び図2では、静電チャッ
ク部2,12を形成する板状セラミック体3,13の一
方の主面を載置面4,14とした例が示したが、例えば
図4(a)(b)に示すように、板状セラミック体3
(13)の一方の主面を載置面4(14)とし、この載
置面4(14)にヘリウムガス等を供給するためのガス
溝4aを備えたものや、図5(a)(b)に示すよう
に、板状セラミック体3(13)の一方の主面に凹部4
bを形成し、この凹部4b底面を載置面4(14)とし
たもの、あるいは図6(a)(b)に示すように、板状
セラミック体3(13)の一方の主面に複数の突起4c
を設け、これらの突起4cの頂面を載置面4(14)と
したものであっても良い。ただし、これらの構造を採用
する場合、板状セラミック体3,13の一方の主面の表
面粗さとは、図4(a)(b)の場合、ガス溝4aを除
く載置面4(14)の表面粗さを指し、図5(a)
(b)の場合、載置面4(14)をなす凹部底面の表面
粗さを指し、図6(a)(b)の場合、突起4cを除く
板状セラミック体3(13)の一方の主面の表面粗さを
指し、これらの算術平均粗さ(Ra)の値(A)が他方
の主面5(15)の算術平均粗さ(Ra)の値(B)と
の間で、A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)×
100≦99.8の関係を満足するようにすれば良い。
【0035】ところで、静電チャック部2,12を形成
する板状セラミック体3,13としては、剛性率が20
0GPa以上を有するアルミナ、窒化アルミニウム、窒
化珪索、炭化珪素、チタン酸バリウム、チタン酸カルシ
ウム、イットリア等を主成分とするセラミック焼結体あ
るいは単結晶アルミナを用いることができる。これらの
中でも窒化アルミニウムを主成分とするセラミック焼結
体は、優れた耐食性、耐プラズマ性を有しているため、
エッチング時やクリーニング時に用いられるハロゲン系
ガスに曝される場合には特に好適である。
【0036】また、板状セラミック体3,13の表面又
は内部に形成する静電吸着用電極6,16としては、板
状セラミック体3,13を形成するセラミック焼結体又
は単結晶アルミナとの熱膨張差が小さなチタン、ニッケ
ル、タングステン、モリブデン等の金属を用いることが
でき、その形態は金属膜や金属箔あるいは金属メッシュ
のいずれであっても構わない。
【0037】次に、図1及び図2に示すウエハ支持部材
1,11の製造方法について説明する。
【0038】まず、静電チャック部2,12を製造す
る。
【0039】図1に示すように、板状セラミック体3の
他方の主面5に静電吸着用電極6を備えた静電チャック
部2を形成する場合、焼結された板状セラミック体3を
用意し、研磨加工、ラッピング、あるいはブラスト加工
を施して上下面の表面粗さを略同じ粗さに調整する。好
ましくは上下面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で2
μm〜5μmとすることが良い。
【0040】次に、板状セラミック体3の他方の主面5
の略全面に、スパッタリング法、メッキ法等の膜形成手
段にて金属膜を被着した後、ブラスト加工やエッチング
加工にて金属膜の不要な箇所を除去し所定のパターン形
状に形成することにより静電吸着用電極6を形成して静
電チャック部2を製作するか、あるいは板状セラミック
体3の他方の主面5に、金属箔又は金属メッシュからな
る静電吸着用電極6を接着にて貼り付けて静電チャック
部2を製作する。
【0041】また、図2に示すように、板状セラミック
体13中に静電吸着用電極16を埋設した静電チャック
部12を形成する場合、未焼成のセラミックグリーンシ
ートを複数枚用意し、数枚積層した後、金属ペーストを
印刷するか、あるいは金属ペーストをシート状とした静
電吸着用電極16を載せ、残りのセラミックグリーンシ
ートを重ねて積層した後、焼成することにより静電吸着
用電極16が埋設された板状セラミック体13を製作
し、さらに板状セラミック体13に研磨加工、ラッピン
グ、あるいはブラスト加工を施して上下面の表面粗さを
略同じ粗さに調整することにより静電チャック部12を
製作するか、あるいは金型にて未焼成のセラミック成形
体を形成した後、金属ペーストを印刷するか、あるいは
金属箔又は金属メッシュからなる静電吸着用電極16を
載せ、さらにセラミック粉末を充填してホットプレス成
形法により一体的に焼成して静電吸着用電極16が埋設
された板状セラミック体13を製作し、さらに板状セラ
ミック体13に研磨加工、ラッピング、あるいはブラス
ト加工を施して上下面の表面粗さを略同じ粗さに調整す
ることにより静電チャック部12を製作する。なお、上
下面の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で2μm〜5μ
mとなるようにすることが好ましい。
【0042】次に、アルミニウム、銅、アルミニウム合
金、銅合金、あるいは多孔質セラミック体の開気孔中に
アルミニウムを充填した複合材からなり、内部に流体通
路8,18を有するベース部材7,17を用意し、ベー
ス部材7,17の接合面に接着剤を塗布した後、図1又
は図2に示す静電チャック部2,12の他方の主面5,
15を貼り合わせ、接着剤を硬化させる。
【0043】この時、図1又は図2に示す静電チャック
部2,12を形成する板状セラミック体3,13の上下
面における表面粗さは略同じ粗さとしてあるため、板状
セラミック体3,13の反りは小さく、ベース部材7,
17に接着後の板状セラミック体3,13の上面は反り
の小さな平坦面とすることができる。
【0044】しかる後、板状セラミック体3,13の上
面に研磨加工やラッピング加工を施してさらに平滑に仕
上げて載置面4,14を形成することにより本発明のウ
エハ支持部材1,11を製作するのであるが、この時、
載置面4,14の算術平均粗さ(Ra)をA、載置面
4、14と反対側の算術平均粗さ(Ra)をBとした
時、A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)×10
0≦99.8の関係を満足するようにするとともに、好
ましくは載置面4,14の算術平均粗さ(Ra)が1.
5μm以下となるようにすれば良い。
【0045】このように、本来板状セラミック体3,1
3の上下面の表面粗さを異ならせると反りが発生するの
であるが、本発明は、上下面の表面粗さを略同じ粗さに
仕上げた板状セラミック体3,13をベース板7,17
に接着した後、板状セラミック体3,13の上面にのみ
研磨加工を施して上下面の表面粗さを異ならせるように
したことから、板状セラミック体3,13が反るのを接
着層9,19によって防ぐことができ、平坦な載置面
4,14を持ったウエハ支持部材1,11を製作するこ
とができる。
【0046】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明は上述した実施形態だけに限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、改良や変更
したものでも良いことは言う迄もない。
【0047】
【実施例】(実施例1)ここで、静電チャック部2の載
置面4と載置面4と反対側の主面5の表面粗さを異なら
せた図1に示すウエハ支持部材1を製作し、室温時及び
使用時(載置面と反対側の表面温度を載置面側よりも低
くする)における載置面4の反り量を調べる実験を行っ
た。
【0048】本実験に使用するウエハ支持部材1は、静
電チャック部2の載置面4と載置面4と反対側の主面5
の表面粗さを異ならせる以外は全て同じ寸法のものを使
用した。
【0049】具体的には、静電チャック部2を形成する
板状セラミック体3には、直径300mm、厚み1mm
の円板状をした窒化アルミニウム質焼結体を用い、その
上下面に研削加工やブラスト加工を施して略同じ表面粗
さとなるように加工した後、板状セラミック体3の他方
の主面5の略全面にメッキ法にてNi膜を被着した後、
エッチング加工により不要箇所を除去し、一対の半円状
をした静電吸着用電極6を形成して静電チャック部2を
構成した。
【0050】次に、静電チャック部2の静電吸着用電極
6側にポリイミド樹脂からなる絶縁層を被着し、さらに
シリコン系接着剤を塗布した後、直径300mm、厚み
36mmのアルミニウムからなるベース部材7を貼り合
わせ、熱を加えて接着剤を硬化させた後、静電チャック
部2の載置面4に研磨加工を施して載置面4と反対側の
表面5との表面粗さを異ならせることにより試料として
のウエハ支持部材を製作した。
【0051】なお、静電チャック部2の載置面4と載置
面4と反対側の表面5の各表面粗さは表面粗さ計にて三
箇所測定し、JIS B0601に基づいて得られた算
術平均粗さ(Ra)の平均値を各面の表面粗さとした。
【0052】そして、まず得られた各ウエハ支持部材1
の室温時における載置面4の反り量を平面度測定器にて
測定した後、ハロゲンランプを用いて載置面4側を加熱
するとともに、ベース部材7の流体通路8に冷却ガスを
流して載置面4の表面温度が80℃となるように調整し
た時(使用時)の載置面4の反り量を平面度測定器にて
測定し、室温時及び使用時における載置面4の反り量が
10μm以下であるものを優れたものとして評価した。
【0053】結果は表1に示す通りである。
【0054】
【表1】
【0055】この結果、まず室温では、各ウエハ支持部
材1とも載置面4の反り量が10μm以下であった。
【0056】しかしながら、板状セラミック体3の載置
面4の表面粗さと他方の主面5の表面粗さの差が小さい
試料No.1は、使用時の温度差によって板状セラミッ
ク体3が載置面4側に凸になるように反りが発生し、そ
の反り量は15.3μmと悪かった。
【0057】また、載置面4の表面粗さが他方の主面5
の表面粗さよりも粗い試料No.12,13は、面粗さ
によって板状セラミック体3が載置面4側に凸になるよ
うに反ろうとするとともに、使用時の温度差によって反
りがさらに大きくなり、反り量が17.3mm以上と悪
かった。
【0058】また、板状セラミック体3の載置面4の表
面粗さ(A)が他方の主面5の表面粗さ(B)よりも小
さいもののA<B、((B−A)/B)×100の値が
50.0以下である試料No.2,3は、載置面4と反
対側の表面5の表面粗さを載置面の表面粗さより粗した
ことによる効果が小さく、その結果、使用時の温度差に
よる載置面4の反り量が12.2μm以上と悪かった。
【0059】さらに、板状セラミック体3の載置面4の
表面粗さ(A)が他方の主面5の表面粗さ(B)よりも
小さいもののA<B、((B−A)/B)×100の値
が99.8を超える試料No.11は、載置面4の表面
粗さと載置面4と反対側の表面5の表面粗さとの差が大
きすぎるため、温度差が作用した時に板状セラミック体
3内に生じる内部応力によって割れが発生した。
【0060】これに対し、板状セラミック体3の載置面
4の表面粗さ(A)を他方の主面5の表面粗さ(B)よ
りも小さく(A<B)するとともに、50≦((B−
A)/B)×100≦99.8の関係を満足する試料N
o.4〜10は、使用時の温度差によって板状セラミッ
ク体3には載置面4側が凸となるような力が作用するの
であるが、板状セラミック体3にはその上下面の表面粗
さを異ならせて載置面4と反対の表面5側が凸となるよ
うな力が作用するようにしてあるため、双方の力が相殺
され、温度差が作用する状態でも載置面4の反り量を1
0μm以下に抑えることができた。
【0061】以上の結果より、板状セラミック体3の載
置面4の表面粗さ(A)と他方の主面5の表面粗さ
(B)は、A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)
×100≦99.8の関係を満足するようにすれば、室
温時及び使用時に関係なく、載置面4の反りを小さくす
ることができるため、このウエハ支持部材1を用いてウ
エハWを吸着させ、各種加工処理を施せば、ウエハWに
対して精度良く加工することができる。
【0062】(実施例2)次に、好ましい載置面4の表
面粗さを確認するため、板状セラミック体3の載置面4
の表面粗さ(A)と他方の主面5の表面粗さ(B)は、
A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)×100≦
99.8の関係を満足するウエハ支持部材1を製作する
とともに、載置面4に開口するガス供給孔を設け、ウエ
ハWを載置面4に吸着固定した状態で上記ガス供給孔よ
りウエハWとの間にガスを供給し、その漏れ量を測定す
ることにより吸着力の大きさを調べる実験を行った。
【0063】なお、実験にあたり、ウエハ支持部材1の
寸法は実施例1と同じとし、静電吸着用電極6に500
Vの電圧を印加してウエハWを載置面4に吸着させると
ともに、ガス導入孔よりヘリウムガスを2.7kPaの
圧力で導入させたときのガス漏れ量を測定した。
【0064】結果は表2に示す通りである。
【0065】
【表2】
【0066】この結果、表2より判るように、載置面4
の表面粗さが算出平均粗さ(Ra)で1.5μmを超え
ると極端にヘリウムガスの漏れ量が多くなった。これは
板状セラミック体3の載置面4における表面粗さが1.
5μmを超えると、ウエハWの吸着力が弱くなり、供給
されるガス圧によってウエハWと載置面4との間に隙間
ができ、その隙間よりヘリウムガスが漏れたものであっ
た。
【0067】この結果より、吸着力を大きく低下させな
いようにするためには、板状セラミック体3の載置面4
の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.5μm以下と
することが良いことが判る。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、板状セ
ラミック体の一方の主面をウエハを載せる載置面とし、
上記板状セラミック体の他方の主面又は上記板状セラミ
ック体の内部に静電吸着用電極を備える静電チャック部
の上記載置面と反対側に、冷却機能を備えたベース部材
を接合したウエハ支持部材において、上記板状セラミッ
ク体の載置面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)でA、
上記板状セラミック体の他方の主面の表面粗さを算術平
均粗さ(Ra)でBとした時、A<Bでかつ50.0<
((B−A)/B)×100≦99.8の関係を満足す
るようにしたことによって、室温時はもとより、静電チ
ャック部の載置面側が加熱され、載置面と反対側の表面
が冷却されるような場合でも載置面の反りを抑え、平坦
に保持することができる。その為、本発明のウエハ支持
部材を用いてウエハを吸着保持し、露光処理、成膜処
理、エッチング処理、ダイシング処理等の各種加工を施
せば、ウエハを精度良く加工することができる。
【0069】また、上記載置面の表面粗さを算術平均粗
さ(Ra)で1.5μm以下とすることにより、吸着力
を大きく低下させることがないため、ウエハを載置面に
倣って精度良く吸着保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ支持部材の一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明のウエハ支持部材の他の例を示す断面図
である。
【図3】(a)は板状セラミック体の上下面に温度差が
発生した時の状態を示す側面図、(b)は板状セラミッ
ク体の上下面の表面粗さを異ならせた時の状態を示す側
面図、(c)は上下面の表面粗さを異ならせた板状セラ
ミック体の上下面に温度差を与えた時の状態を示す側面
図である。
【図4】本発明のウエハ支持部材を構成する静電チャッ
ク部の他の例を示す図で、(a)はその平面図、(b)
は(a)のX−X線断面図である。
【図5】本発明のウエハ支持部材を構成する静電チャッ
ク部の他の例を示す図で、(a)はその平面図、(b)
は(a)のY−Y線断面図である。
【図6】本発明のウエハ支持部材を構成する静電チャッ
ク部の他の例を示す図で、(a)はその平面図、(b)
は(a)のZ−Z線断面図である。
【図7】従来のウエハ支持部材の一例を示す断面図であ
る。
【図8】従来のウエハ支持部材の他の例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1,11,41,51:ウエハ支持部材 2,12,42,52:静電チャック部 3,13,43,53:板状セラミック体 4,14,44,54:載置面 5,15,45,55:他方の主面 6,16,46,56:静電吸着用電極 7,17,47,57:ベース部材 8,18,48,58:流体通路 9,19,49,59:接着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状セラミック体の一方の主面をウエハを
    載せる載置面とし、上記板状セラミック体の他方の主面
    又は上記板状セラミック体の内部に静電吸着用電極を備
    える静電チャック部の上記載置面と反対側に、冷却機能
    を備えたベース部材を接合したウエハ支持部材におい
    て、上記板状セラミック体の一方の主面の表面粗さを算
    術平均粗さ(Ra)でA、上記板状セラミック体の他方
    の主面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)でBとした
    時、A<Bでかつ50.0<((B−A)/B)×10
    0≦99.8の関係を満足するようにしたことを特徴と
    するウエハ支持部材。
  2. 【請求項2】上記載置面の表面粗さが算術平均粗さ(R
    a)で1.5μm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のウエハ支持部材。
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