JP2003242983A - 鉛蓄電池正極集電体用箔 - Google Patents
鉛蓄電池正極集電体用箔Info
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 チタンの酸化を有効に防止して充放電サイク
ル寿命を向上させることができる鉛蓄電池正極集電体用
箔を提供する。 【解決手段】 チタンまたはチタン合金からなり、少な
くとも一方の表面の表面粗さが0.05<Ra<1.
0、0.3<Ry<7.0である。
ル寿命を向上させることができる鉛蓄電池正極集電体用
箔を提供する。 【解決手段】 チタンまたはチタン合金からなり、少な
くとも一方の表面の表面粗さが0.05<Ra<1.
0、0.3<Ry<7.0である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池正極集電
体用箔に係り、特に、小型軽量化への対応を可能にする
とともに、電解液による酸化を有効に防止する技術に関
する。
体用箔に係り、特に、小型軽量化への対応を可能にする
とともに、電解液による酸化を有効に防止する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガスによる地球温暖化などの
環境問題から、ガソリンエンジンの自動車から電気自動
車やハイブリッド車などへの移行が注目されてきてお
り、ハイブリッド車等のバッテリーとしては、ニッケル
水素電池が採用されることが多い。ニッケル水素電池
は、従来の自動車に使用されている鉛蓄電池と比較する
と高価であるため、ハイブリッド車等にも鉛蓄電池を搭
載することが望まれている。
環境問題から、ガソリンエンジンの自動車から電気自動
車やハイブリッド車などへの移行が注目されてきてお
り、ハイブリッド車等のバッテリーとしては、ニッケル
水素電池が採用されることが多い。ニッケル水素電池
は、従来の自動車に使用されている鉛蓄電池と比較する
と高価であるため、ハイブリッド車等にも鉛蓄電池を搭
載することが望まれている。
【0003】しかしながら、近年のハイブリッド化等に
伴いバッテリーの高出力化が望まれると同時に、車両重
量の軽量化および車内空間の確保等の観点からバッテリ
ーの小型軽量化が望まれる現状では、鉛蓄電池はその重
量と大きさから採用し得ない状況にある。すなわち、鉛
蓄電池のセルは、正極活物質(PbO2)と負極活物質
(Pb)との間に希硫酸からなる電解液を設け、活物質
の外側に、正極集電体および負極集電体を設けて構成さ
れている。正極集電体としては、従来、鉛合金を網状に
拡げたエキスパンドメタルが用いられていた。この正極
集電体は、電解液との反応により腐蝕してしまううため
厚さを厚くせざるを得ず、そのために鉛蓄電池の重量お
よび寸法が増大してしまうのである。
伴いバッテリーの高出力化が望まれると同時に、車両重
量の軽量化および車内空間の確保等の観点からバッテリ
ーの小型軽量化が望まれる現状では、鉛蓄電池はその重
量と大きさから採用し得ない状況にある。すなわち、鉛
蓄電池のセルは、正極活物質(PbO2)と負極活物質
(Pb)との間に希硫酸からなる電解液を設け、活物質
の外側に、正極集電体および負極集電体を設けて構成さ
れている。正極集電体としては、従来、鉛合金を網状に
拡げたエキスパンドメタルが用いられていた。この正極
集電体は、電解液との反応により腐蝕してしまううため
厚さを厚くせざるを得ず、そのために鉛蓄電池の重量お
よび寸法が増大してしまうのである。
【0004】そこで、耐食性に優れるとともに比重の小
さいチタンを正極集電体に使用し、その電解液側の面に
酸化防止層として導電性のSnO2を積層する技術が提
案されている(特開平6−349519号公報)。
さいチタンを正極集電体に使用し、その電解液側の面に
酸化防止層として導電性のSnO2を積層する技術が提
案されている(特開平6−349519号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】チタンの正極集電体に
SnO2の酸化防止層を設けるに際しては、ペースト状
にして塗布する方法が安価である。しかしながら、この
方法では、チタンとSnO2との密着性が不充分なた
め、酸化防止層の剥離ないし脱落によりチタンが酸化さ
れ、蓄電池としての能力が大きく低下してしまうという
問題があった。また、酸化防止層が剥離しなくても、酸
化防止層の厚さが薄いと電解液が浸入し、チタンが酸化
されるという問題があった。したがって、本発明は、酸
化防止層との密着性を向上させることができ、チタンの
酸化を有効に防止することができる鉛蓄電池正極集電体
用箔を提供することを目的としている。
SnO2の酸化防止層を設けるに際しては、ペースト状
にして塗布する方法が安価である。しかしながら、この
方法では、チタンとSnO2との密着性が不充分なた
め、酸化防止層の剥離ないし脱落によりチタンが酸化さ
れ、蓄電池としての能力が大きく低下してしまうという
問題があった。また、酸化防止層が剥離しなくても、酸
化防止層の厚さが薄いと電解液が浸入し、チタンが酸化
されるという問題があった。したがって、本発明は、酸
化防止層との密着性を向上させることができ、チタンの
酸化を有効に防止することができる鉛蓄電池正極集電体
用箔を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の鉛蓄電池正極集
電体用箔は、チタンまたはチタン合金からなり、少なく
とも一方の表面の表面粗さが0.05<Ra<1.0、
0.3<Ry<7.0であることを特徴としている。
電体用箔は、チタンまたはチタン合金からなり、少なく
とも一方の表面の表面粗さが0.05<Ra<1.0、
0.3<Ry<7.0であることを特徴としている。
【0007】上記構成の鉛蓄電池正極集電体用箔にあっ
ては、上記のように表面粗さを設定しているため、表面
の凹凸がアンカー効果を奏して塗布される酸化防止層と
の密着性が向上し、酸化防止層の剥離や脱落を有効に防
止することができる。RaおよびRyの下限値は、その
ような効果を得るための限界値である。また、Raおよ
びRyの上限値を規定したのは、それ以上になると酸化
防止層の厚さが不均一となり、厚さの薄い箇所でチタン
が酸化されるからである。
ては、上記のように表面粗さを設定しているため、表面
の凹凸がアンカー効果を奏して塗布される酸化防止層と
の密着性が向上し、酸化防止層の剥離や脱落を有効に防
止することができる。RaおよびRyの下限値は、その
ような効果を得るための限界値である。また、Raおよ
びRyの上限値を規定したのは、それ以上になると酸化
防止層の厚さが不均一となり、厚さの薄い箇所でチタン
が酸化されるからである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の鉛蓄電池正極集電体用箔
は、酸化防止層として例えばSnO2を塗布する場合に
有効である。酸化防止層は、SnO2の粉末、リン酸水
素二ナトリウム等の水和防止剤、およびバインダーとし
て樹脂を混合しペースト状にして鉛蓄電池正極集電体用
箔に塗布し、次いで乾燥することによって密着させる。
この場合の酸化防止層の厚さは、0.1〜1.0μm、
より好ましくは0.1〜0.5が好適であり、鉛蓄電池
正極集電体用箔の厚さは20μm〜0.1mmが好適で
ある。
は、酸化防止層として例えばSnO2を塗布する場合に
有効である。酸化防止層は、SnO2の粉末、リン酸水
素二ナトリウム等の水和防止剤、およびバインダーとし
て樹脂を混合しペースト状にして鉛蓄電池正極集電体用
箔に塗布し、次いで乾燥することによって密着させる。
この場合の酸化防止層の厚さは、0.1〜1.0μm、
より好ましくは0.1〜0.5が好適であり、鉛蓄電池
正極集電体用箔の厚さは20μm〜0.1mmが好適で
ある。
【0009】鉛蓄電池正極集電体用箔は圧延加工により
製造するが、圧延時に使用する圧延油が箔の表面に付着
する、また、圧延時には圧延する箔自体の金属粉も発生
する。圧延油、金属粉は圧延後の脱脂工程で洗浄し、除
去するが、完全には除去できない。これら圧延油、金属
粉は、集電体用箔の酸化防止層との密着性を劣化させ
る。そのため、集電体用箔の酸化防止層との密着性をさ
らに向上させるためには、その表面の残留油分は4mg
/m2以下であることが望ましい。また、同様の理由か
ら表面の残留金属粉は6mg/m2以下であることが望
ましい。
製造するが、圧延時に使用する圧延油が箔の表面に付着
する、また、圧延時には圧延する箔自体の金属粉も発生
する。圧延油、金属粉は圧延後の脱脂工程で洗浄し、除
去するが、完全には除去できない。これら圧延油、金属
粉は、集電体用箔の酸化防止層との密着性を劣化させ
る。そのため、集電体用箔の酸化防止層との密着性をさ
らに向上させるためには、その表面の残留油分は4mg
/m2以下であることが望ましい。また、同様の理由か
ら表面の残留金属粉は6mg/m2以下であることが望
ましい。
【0010】また、鉛蓄電池正極集電体用箔の表面に
は、Ti−C−N化合物からなる厚さ5nm以上の皮膜
を設けることが望ましい。ここで、Ti−C−N化合物
とは、チタンの炭化物、窒化物、および炭窒化物を総称
したものであり、そのような化合物の皮膜は硫酸に対す
る耐食性が良好で、かつ、酸化膜に比べると格段に電気
抵抗が小さい。さらに、鉛蓄電池正極集電体用箔の酸化
の進行を抑制するために、その表面に形成される酸化膜
の厚さは10nm以下であることが望ましい。なお、上
記化合物および酸化膜の厚さは、グロー放電分光法を用
いて測定することができる。
は、Ti−C−N化合物からなる厚さ5nm以上の皮膜
を設けることが望ましい。ここで、Ti−C−N化合物
とは、チタンの炭化物、窒化物、および炭窒化物を総称
したものであり、そのような化合物の皮膜は硫酸に対す
る耐食性が良好で、かつ、酸化膜に比べると格段に電気
抵抗が小さい。さらに、鉛蓄電池正極集電体用箔の酸化
の進行を抑制するために、その表面に形成される酸化膜
の厚さは10nm以下であることが望ましい。なお、上
記化合物および酸化膜の厚さは、グロー放電分光法を用
いて測定することができる。
【0011】ここで、上記化合物層はイオンプレーティ
ング、蒸着、ガス窒化(ガス窒炭化)等浸炭や窒化によ
って形成することができるが、本出願人が先に提案した
特公昭5−15784号公報に開示した方法が好適であ
る。すなわち、チタン箔を圧延する際に表面に油を存在
させて油を表面に強固に付着させ、その後300℃以上
で熱処理することにより、油に含まれるCおよびNを表
面から浸透させることができる。この方法によれば、化
合物層の形成と油分の除去を同時に行うことができる。
ング、蒸着、ガス窒化(ガス窒炭化)等浸炭や窒化によ
って形成することができるが、本出願人が先に提案した
特公昭5−15784号公報に開示した方法が好適であ
る。すなわち、チタン箔を圧延する際に表面に油を存在
させて油を表面に強固に付着させ、その後300℃以上
で熱処理することにより、油に含まれるCおよびNを表
面から浸透させることができる。この方法によれば、化
合物層の形成と油分の除去を同時に行うことができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明をさらに詳し
く説明する。 [実施例1]:表面粗さの影響(請求項1の検証) チタンを厚さ50μmに圧延し、脱脂後、縦および横が
100mmのチタン箔を作製した。最終圧延で使用する
ロールの表面粗さを種々設定することにより、表1に示
す表面粗さ(Ra,Ry)のチタン箔を得た。なお、表
1において本発明の範囲を逸脱する値には下線を付して
ある。次いで、SnO2粉末:900重量部、Sn粉
末:200重量部、水:350重量部、水和防止剤(リ
ン酸水素二ナトリウム無水物):30重量部、メチルセ
ルロース:10重量部を配合したものを混練し、ペース
ト状にした。このペーストを該チタン箔に20μm(乾
燥後)の厚さで塗布して乾燥した。
く説明する。 [実施例1]:表面粗さの影響(請求項1の検証) チタンを厚さ50μmに圧延し、脱脂後、縦および横が
100mmのチタン箔を作製した。最終圧延で使用する
ロールの表面粗さを種々設定することにより、表1に示
す表面粗さ(Ra,Ry)のチタン箔を得た。なお、表
1において本発明の範囲を逸脱する値には下線を付して
ある。次いで、SnO2粉末:900重量部、Sn粉
末:200重量部、水:350重量部、水和防止剤(リ
ン酸水素二ナトリウム無水物):30重量部、メチルセ
ルロース:10重量部を配合したものを混練し、ペース
ト状にした。このペーストを該チタン箔に20μm(乾
燥後)の厚さで塗布して乾燥した。
【0013】上記のようにして酸化防止層を塗布したチ
タン箔を正極集電体、厚さ30μmの銅箔を負極集電体
とし、Pbを負極活物質、PbO2を正極活物質とする
とともに、比重1.25のH2SO4水溶液を電解液と
して電池を作製した。この電池に100%の充電を行っ
た後、5時間率で定格容量の70%の放電と放電量の1
20%の充電を繰り返す充放電サイクルを行った。この
充放電サイクルの10サイクル目と100サイクル目に
おける放電容量の初期放電容量の割合を表1に併記し
た。
タン箔を正極集電体、厚さ30μmの銅箔を負極集電体
とし、Pbを負極活物質、PbO2を正極活物質とする
とともに、比重1.25のH2SO4水溶液を電解液と
して電池を作製した。この電池に100%の充電を行っ
た後、5時間率で定格容量の70%の放電と放電量の1
20%の充電を繰り返す充放電サイクルを行った。この
充放電サイクルの10サイクル目と100サイクル目に
おける放電容量の初期放電容量の割合を表1に併記し
た。
【0014】
【表1】
【0015】表1から判るように、表面粗さが0.05
<Ra<1.0、0.3<Ry<7.0の範囲を逸脱す
る比較例では、100サイクル後の放電容量が大きく低
下した。これは、チタン箔と酸化防止層との密着性が悪
く、チタン箔が電解液によって酸化されたためである。
これに対して、本発明例では、チタン箔と酸化防止層と
の密着性が良好なために100サイクル目の放電容量の
低下はごく一般的なレベルとなった。
<Ra<1.0、0.3<Ry<7.0の範囲を逸脱す
る比較例では、100サイクル後の放電容量が大きく低
下した。これは、チタン箔と酸化防止層との密着性が悪
く、チタン箔が電解液によって酸化されたためである。
これに対して、本発明例では、チタン箔と酸化防止層と
の密着性が良好なために100サイクル目の放電容量の
低下はごく一般的なレベルとなった。
【0016】[実施例2]:残留油分、金属粉の影響
(請求項2の検証) 実施例1における試料No.3のチタン箔について、冷
間圧延後の脱脂工程でのライン速度を変えることによ
り、箔表面の残留油分および残留金属粉の量を表2に示
す値に調整した。このチタン箔を用いて実施例1と同様
に電池を作製し、充放電サイクルを行った。その結果を
表2に併記する。表2から判るように、残留油分および
/または残留金属粉が4mg/m2または6mg/m2
を超えるNo.3−6〜3−8では、放電容量が低下し
た。
(請求項2の検証) 実施例1における試料No.3のチタン箔について、冷
間圧延後の脱脂工程でのライン速度を変えることによ
り、箔表面の残留油分および残留金属粉の量を表2に示
す値に調整した。このチタン箔を用いて実施例1と同様
に電池を作製し、充放電サイクルを行った。その結果を
表2に併記する。表2から判るように、残留油分および
/または残留金属粉が4mg/m2または6mg/m2
を超えるNo.3−6〜3−8では、放電容量が低下し
た。
【0017】
【表2】
【0018】[実施例3]:皮膜の影響(請求項3、4
の検証) 実施例1における試料No.4のチタン箔に熱処理(窒
化、浸炭)を施すことにより、チタン箔のC、Nおよび
Oを含む皮膜の厚さを調整した。なお、皮膜の厚さはグ
ロー放電分光法を用いて、試料表面から深さ方向のC、
N、Oの濃度プロファイルを測定し、バルク組成と同一
になった深さを表3に示す。Ti−C−N化合物の皮膜
厚さは表3中C、Nの値で大きい方の値とする。このチ
タン箔を用いて実施例1と同様に電池を作製し、充放電
サイクルを行った。その結果を表3に併記する。4−1
は実施例1の試料である。表3から判るように、4−1
〜4−3、4−6、4−7の結果からCおよび/または
N皮膜が形成されるとサイクル試験時の放電容量が向上
することがわかる。また4−4、4−5、4−8の比較
から、酸化膜の厚さが10nmを超えるNo.4−8で
は、放電容量が低下した。
の検証) 実施例1における試料No.4のチタン箔に熱処理(窒
化、浸炭)を施すことにより、チタン箔のC、Nおよび
Oを含む皮膜の厚さを調整した。なお、皮膜の厚さはグ
ロー放電分光法を用いて、試料表面から深さ方向のC、
N、Oの濃度プロファイルを測定し、バルク組成と同一
になった深さを表3に示す。Ti−C−N化合物の皮膜
厚さは表3中C、Nの値で大きい方の値とする。このチ
タン箔を用いて実施例1と同様に電池を作製し、充放電
サイクルを行った。その結果を表3に併記する。4−1
は実施例1の試料である。表3から判るように、4−1
〜4−3、4−6、4−7の結果からCおよび/または
N皮膜が形成されるとサイクル試験時の放電容量が向上
することがわかる。また4−4、4−5、4−8の比較
から、酸化膜の厚さが10nmを超えるNo.4−8で
は、放電容量が低下した。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、チ
タンまたはチタン合金の少なくとも一方の表面の表面粗
さを0.05<Ra<1.0、0.3<Ry<7.0と
しているから、酸化防止層との密着性を向上させること
ができ、チタンの酸化を有効に防止して充放電サイクル
寿命を向上させることができるという効果が得られる。
タンまたはチタン合金の少なくとも一方の表面の表面粗
さを0.05<Ra<1.0、0.3<Ry<7.0と
しているから、酸化防止層との密着性を向上させること
ができ、チタンの酸化を有効に防止して充放電サイクル
寿命を向上させることができるという効果が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 チタンまたはチタン合金からなり、少な
くとも一方の表面の表面粗さが0.05<Ra<1.
0、0.3<Ry<7.0であることを特徴とする鉛蓄
電池正極集電体用箔。 - 【請求項2】 チタンまたはチタン合金からなり、少な
くとも一方の表面の残留油分が4mg/m2以下であ
り、かつ、上記表面の残留金属粉が6mg/m 2以下で
あることを特徴とする鉛蓄電池正極集電体用箔。 - 【請求項3】 チタンまたはチタン合金からなり、少な
くとも一方の表面にTi−C−N化合物からなる厚さ5
nm以上の皮膜を設けたことを特徴とする鉛蓄電池正極
集電体用箔。 - 【請求項4】 前記表面に形成される酸化膜の厚さを1
0nm以下にしたことを特徴とする請求項3に記載の鉛
蓄電池正極集電体用箔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002037305A JP2003242983A (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 鉛蓄電池正極集電体用箔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002037305A JP2003242983A (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 鉛蓄電池正極集電体用箔 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003242983A true JP2003242983A (ja) | 2003-08-29 |
Family
ID=27778945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002037305A Pending JP2003242983A (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 鉛蓄電池正極集電体用箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003242983A (ja) |
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-
2002
- 2002-02-14 JP JP2002037305A patent/JP2003242983A/ja active Pending
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