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JP2003055511A - 硬化速度の改善された硬化性組成物および硬化性改善方法 - Google Patents

硬化速度の改善された硬化性組成物および硬化性改善方法

Info

Publication number
JP2003055511A
JP2003055511A JP2001248502A JP2001248502A JP2003055511A JP 2003055511 A JP2003055511 A JP 2003055511A JP 2001248502 A JP2001248502 A JP 2001248502A JP 2001248502 A JP2001248502 A JP 2001248502A JP 2003055511 A JP2003055511 A JP 2003055511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
curable composition
acid
component
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001248502A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Junji Takase
純治 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001248502A priority Critical patent/JP2003055511A/ja
Publication of JP2003055511A publication Critical patent/JP2003055511A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性の良好な硬化性組成物を供すること。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
飽和炭化水素系重合体、(B)シラノール縮合触媒、
(C)一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基を表す。)
および/または一般式(2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は水素原子または炭素数1〜20の置換あ
るいは非置換の炭化水素基を表す。)で示される第二ア
ミン類、を含有することを特徴とする硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素原子に結合
した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合
を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、
「反応性ケイ素基」という。)を有する飽和炭化水素系
重合体を含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素
基を含有する飽和炭化水素系重合体は、室温においても
湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシ
ロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得
られるという興味深い性質を有することが知られてい
る。この重合体は、耐熱性、耐水性、耐候性などに優れ
るため、建築用シーリング材や複層ガラス用シーリング
材等に用いると有効である。飽和炭化水素系重合体を主
成分として含有するシーリング材組成物は、例えば特公
平4−69659号公報などに記載されている。
【0003】一方、反応性ケイ素基を有する有機重合体
を含有する硬化性組成物の硬化触媒としては、Sn化合
物やTi化合物などの各種シラノール縮合触媒が用いら
れているが、これらのシラノール縮合触媒の活性を高め
硬化速度を向上する目的で、ラウリルアミンなどの第一
アミン類を助触媒として併用することが一般的である。
【0004】これらの助触媒の併用により顕著に硬化速
度は改善されるが、寒冷地等で使用する場合には、さら
に硬化速度を向上させる必要がある。硬化速度を更に速
めるために、シラノール縮合触媒や助触媒の添加部数を
増量することが一般的に行われているが、この場合に
は、組成物がコストアップし、また硬化物の耐久性が低
下する場合があるなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とする硬化
性組成物であって、硬化性の良好な組成物および硬化性
改善方法を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、この重合体
の硬化反応助触媒として特定のアミン化合物を添加する
ことによって、耐久性を低下させることなく、この組成
物の硬化性を改善することができることを見い出して、
本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1は、(A)ケイ素
原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロ
キサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有
基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)シラノール縮合触媒、(C)一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基を表す。)
および/または一般式(2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は水素原子または炭素数1〜20の置換あ
るいは非置換の炭化水素基を表す。)で示される第二ア
ミン類、を含有することを特徴とする硬化性組成物に関
する。
【0008】好ましい実施態様としては、飽和炭化水素
系重合体が、数平均分子量が500〜50000の範囲
内にあり、主鎖の末端および/または側鎖に、一般式
(3):
【0009】
【化2】 (式中、R3およびR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
徴とする前記の硬化性組成物に関する。
【0010】更に好ましい実施態様としては、Xがアル
コキシ基であることを特徴とする前記の硬化性組成物に
関する。
【0011】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分の飽和炭化水素系重合体がイソブチレン系重合体であ
る前記いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0012】更に好ましい実施態様としては、イソブチ
レン系重合体が、イソブチレンに起因する繰り返し単位
を総量で50重量%以上有する重合体である前記の硬化
性組成物に関する。
【0013】更に好ましい実施態様としては、(B)成
分のシラノール縮合触媒が、金属カルボン酸塩であるこ
とを特徴とする前記いずれかに記載の硬化性組成物に関
する。
【0014】更に好ましい実施態様としては、(B)成
分の金属カルボン酸塩が、2価のスズカルボン酸塩であ
ることを特徴とする前記の硬化性組成物に関する。
【0015】更に好ましい実施態様としては、(C)成
分の第二アミン類が、1分子中の炭素数が9〜20個で
あることを特徴とする前記いずれかに記載の硬化性組成
物に関する。
【0016】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分100重量部に対して、(B)成分を0.1〜20重
量部、(C)成分を0.01〜20重量部含有すること
を特徴とする前記いずれかに記載の硬化性組成物に関す
る。
【0017】本発明の第2は、(A)ケイ素原子に結合
した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合
を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なく
とも1個有する飽和炭化水素系重合体に、(B)シラノ
ール縮合触媒と、(C)一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1は前記に同じ。)および/または一般式
(2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は前記に同じ。)で示される第二アミン類
を添加することを特徴とする、硬化性組成物の硬化性改
善方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。
【0019】本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽
和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素−炭素不飽和
結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素
添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあ
げられる。
【0020】反応性ケイ素基としては、一般式(3):
【0021】
【化3】 (式中、R3およびR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
は0または1〜19の整数である)で表される基があげ
られる。
【0022】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。
【0023】これらのうちでは、アルコキシ基、アミド
基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏やか
で取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに好
ましい。
【0024】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0025】反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1
個以上であるが、シロキサン結合などにより連結された
ケイ素原子の場合には、20個以下であることが好まし
い。
【0026】とくに、一般式(4):
【0027】
【化4】 (式中、R4、Xは前記と同じ。cは1〜3の整数。)
で表される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好
ましい。
【0028】反応性ケイ素基のより具体的な例示として
は、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ト
リイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル
基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチ
ルシリル基などが挙げられる。特に、トリメトキシシリ
ル基は活性が高く、後述する(B)成分のシラノール縮
合触媒や(C)成分の第二アミンの量を低減できる点か
ら、好ましい。
【0029】飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケ
イ素基は1個以上であり、1.1〜5個の範囲であるこ
とが好ましい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が
1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム
弾性が得られなくなることがある。また反応性ケイ素基
の数が5個を越える場合は、得られるゴム状硬化物の伸
び特性が悪く(伸びの値が小さく)なることがあるため
好ましくない。
【0030】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子鎖末
端にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる
飽和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0031】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。
【0032】本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽
和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのよ
うな炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主成分として
重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのよ
うなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記オ
レフィン系化合物と共重合させた後、水素添加するなど
の方法により得ることができる。なかでも、イソブチレ
ン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官
能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末
端官能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0033】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
他単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の点から、
イソブチレンに由来する繰り返し単位を50重量%以上
含有するものが好ましく、更には80重量%以上含有す
るものがより好ましく、更には90〜99重量%含有す
るものが最も好ましい。
【0034】共重合可能な単量体成分としては、たとえ
ば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳
香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類な
どがあげられる。上記の単量体成分としては、たとえば
1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルス
チレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−
ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメ
チルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビ
ニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラ
ン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラ
ン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメ
チルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシ
ラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルク
ロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルト
リメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジ
メトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなど
があげられる。
【0035】上記のうち、イソブチレンと共重合性を有
する単量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を
使用すると、ケイ素含有量が増加するためシランカップ
リング剤として作用しうる基が多くなり、得られる組成
物の接着性が向上する効果を有する。
【0036】水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭
化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体
の場合と同様に、主成分となる単量体単位以外に他の単
量体単位を含有させてもよい。
【0037】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後二重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。上記単量体単
位の使用量が10%を越える場合は、耐候性が低下する
ため好ましくない。
【0038】飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブ
チレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数
平均分子量は、GPC(Waters製LC Modu
le1、クロロホルム溶媒)におけるポリスチレン換算
において500〜50,000程度であるのが好まし
く、とくに1,000〜30,000程度の液状ないし
流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から好まし
い。数平均分子量が500より小さい場合は、得られる
ゴム状硬化物の伸び特性が悪く(伸びの値が小さく)な
ることがあり、50,000を上回ると高粘度となるこ
とから作業性が悪くなる場合があるため、好ましくな
い。
【0039】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。
【0040】反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重
合体のうち、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法
(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する
特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端
官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合
体を用いて製造することができる。反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体の製法としては、例えば重合
反応により得られる三級炭素−塩素結合を有する重合体
の末端の脱ハロゲン化水素反応や、三級炭素−塩素結合
を有する重合体の末端とアリルトリメチルシランとの反
応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレン系
重合体を得た後、一般式(5):
【0041】
【化5】 (式中、R3、R4、X、aおよびbは前記と同じ。)で
表されるヒドロシラン化合物、好ましくは、一般式
(6):
【0042】
【化6】 (式中、R4、Xおよびcは前記と同じ。)で表される
ヒドロシラン化合物を白金触媒を用いて付加させる反応
(ヒドロシリル化反応)により得ることができる。
【0043】ヒドロシラン化合物としては、たとえば、
トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン
化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラ
ン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキ
シシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチル
ケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシル
ケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメート
シラン類などがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのうちでは、入手性の点から、とくに
ハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0044】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号公報、特公平7−108928号公報、
特開昭63−254149号公報、特開昭64−229
04号公報、特許第2539445号公報などに記載さ
れている。
【0045】また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレン系重合体は、イソブチレンを含有する単
量体中に、反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やア
リルシラン類を添加し、共重合せしめることにより製造
される。
【0046】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する重合反応の際に、
主成分であるイソブチレン単量体以外に反応性ケイ素基
を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを共重合
せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入することによ
り、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイ
ソブチレン系重合体が製造される。
【0047】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0048】また本発明における反応性ケイ素基を有す
る飽和炭化水素系重合体として、反応性ケイ素基を有す
る水添ポリブタジエン重合体を挙げることができる。反
応性ケイ素基を有する水添ポリブタジエン重合体は、オ
レフィン基を有する水添ポリブタジエン重合体のヒドロ
シリル化反応により得ることができる。末端オレフィン
基を有する水添ポリブタジエン系重合体は、たとえば、
まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の水
酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にした
後、一般式(7): CH2=CH−R5−Y (7) 〔式中、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハ
ロゲン原子、R5は−R6−、−R6−OCO−または−
6−CO−(R6は炭素数1〜20の2価の炭化水素基
であり、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレ
ン基、アラルキレン基が好ましい)で示される2価の有
機基で、−CH2−、−R”−C64−CH2−(R”は
炭素数1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基が
とくに好ましい〕で示される有機ハロゲン化合物を反応
させることにより得ることができる。
【0049】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。
【0050】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分
子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体
が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合に
は、一般式(7)の有機ハロゲン化合物を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中に
ハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応
させれば分子量を増大させることができ、その後一般式
(7)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、
より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポ
リブタジエン系重合体をうることができる。
【0051】前記一般式(7)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0052】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応さ
せることにより製造される。
【0053】前記のように反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有
機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来の
ゴム系重合体よりなるシーリング剤などと比較して、著
しく耐候性がよくなる。また、該重合体は炭化水素系重
合体であるので耐水性がよく、湿気透過性の低い硬化物
になりうる。
【0054】本発明の硬化性組成物中における反応性ケ
イ素基を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%
以上であることが好ましく、20%以上であることがよ
り好ましく、30%以上であることがとくに好ましい。
【0055】本発明の硬化性組成物においては、(B)
成分としてシラノール縮合触媒を使用する。
【0056】かかるシラノール縮合触媒としては、各種
金属カルボン酸塩類や、4価のスズ系シラノール縮合触
媒、アルミニウム系触媒、および、有機チタン酸エステ
ル類等を好適に使用しうる。これらの中で、金属カルボ
ン酸塩類は、(C)成分である第二アミン類との併用に
よる硬化性の加速が特に顕著である点から、好ましい。
【0057】前記金属カルボン酸塩に含まれる金属元素
としては、例えば、スズ、チタン、ビスマス、バナジウ
ム、カルシウム、鉛、鉄、バリウム、ジルコニウム、セ
リウム、マンガン、カリウム、ニッケル、コバルト等が
挙げられる。これらの中では、スズ、チタン、ビスマ
ス、バナジウム、カルシウム、鉛、鉄、ジルコニウム
が、触媒の活性が高い点から好ましく、更にスズ、チタ
ン、ビスマスはより好ましく、特に2価のスズは最も好
ましい。
【0058】前記金属カルボン酸塩のカルボン酸として
は、例えば、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、2−エチ
ルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル
酸などの直鎖飽和脂肪酸類;オブツシル酸、カプロレイ
ン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテ
リン酸、ミリストレイン酸、2−ヘキサデセン酸、6−
ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、パルミトレイン
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アス
クレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン
酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレ
イン酸、キシメン酸、ルメクエン酸などのモノエン不飽
和脂肪酸類; ソルビン酸、デカジエン酸、リノール
酸、10,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−
エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ
酸、リノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン
酸、7,10,13−ドコサトリエン酸、4,8,1
1,14−ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステ
アリドン酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ド
コサテトラエン酸、4,8,12,15,18−エイコ
サペンタエン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエ
ン酸などのポリエン不飽和脂肪酸類;イソバレリアン
酸、α−メチル酪酸、イソ酸、アンテイソ酸、ツベルク
ロステアリン酸などの枝分れ脂肪酸類;タリリン酸、ス
テアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキ
サデシン酸などの三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン
酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルビン
酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸などの脂環式カ
ルボン酸類;サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン
酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤ
ラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、ア
リューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12
−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタ
デカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、リ
シノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セ
レブロン酸などの含酸素脂肪酸類;コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸などのジカルボン酸類等が挙げられる。
【0059】好ましい金属カルボン酸塩の具体例として
は、2−エチルヘキサン酸スズ(2価)、ミリスチン酸
スズ(2価)、パルミチン酸スズ(2価)、オレイン酸
スズ(2価)、エライジン酸スズ(2価)、エルカ酸ス
ズ(2価)、リノール酸スズ(2価)、リノレン酸スズ
(2価)、アラキドン酸スズ(2価)、ドコサヘキサエ
ン酸スズ(2価)、ナフテン酸スズ(2価)、2−エチ
ルヘキサン酸チタン(4価)、ミリスチン酸チタン(4
価)、パルミチン酸チタン(4価)、オレイン酸チタン
(4価)、リノール酸チタン(4価)、リノレン酸チタ
ン(4価)、ドコサヘキサエン酸チタン(4価)、ナフ
テン酸チタン(4価)、2−エチルヘキサン酸ビスマス
(3価)、ミリスチン酸ビスマス(3価)、パルミチン
酸ビスマス(3価)、オレイン酸ビスマス(3価)、リ
ノール酸ビスマス(3価)、リノレン酸ビスマス(3
価)、ドコサヘキサエン酸ビスマス(3価)、ナフテン
酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキサン酸スズ(4
価)、2−エチルヘキサン酸バナジウム(3価)、2−
エチルヘキサン酸カルシウム(2価)、2−エチルヘキ
サン酸鉛(2価)、2−エチルヘキサン酸鉄(3価)、
2−エチルヘキサン酸鉄(2価)、2−エチルヘキサン
酸バリウム(2価)、2−エチルヘキサン酸ジルコニウ
ム(4価)、2−エチルヘキサン酸セリウム(3価)、
2−エチルヘキサン酸マンガン(2価)等が挙げられ
る。触媒活性の点から、2−エチルヘキサン酸スズ(2
価)、ミリスチン酸スズ(2価)、パルミチン酸スズ
(2価)、オレイン酸スズ(2価)、ナフテン酸スズ
(2価)、2−エチルヘキサン酸ビスマス(3価)、オ
レイン酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキサン酸チタ
ン(4価)、オレイン酸チタン(4価)がより好まし
く、2−エチルヘキサン酸スズ(2価)、オレイン酸ス
ズ(2価)が特に好ましい。
【0060】4価のスズ系シラノール縮合触媒の具体例
としては、ジアルキル錫カルボン酸塩類、ジアルキル錫
オキサイド類、一般式(8): QdSn(OZ)4-d、又は[Q2Sn(OZ)]2O (8) (式中、Qは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を、Z
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基または自己内部に
Snに対して配位結合を形成し得る官能基を有する有機
基を表す。さらに、dは0、1、2、3のいずれかであ
る。)で示されるキレート化合物、および、錫アルコラ
ート類などが示される。また、ジアルキル錫オキサイド
やジアルキル錫ジアセテート等の4価錫化合物と、テト
ラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランな
どの加水分解性ケイ素基を有する低分子ケイ素化合物と
の反応物もシラノール縮合反応を顕著に加速するシラノ
ール縮合触媒として有効である。
【0061】前記ジアルキル錫カルボン酸塩類の具体例
としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、
ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレー
ト、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチル
マレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチ
ル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレ
ート、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫ジアセテー
ト、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウ
レート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫
ジイソオクチルマレート等が挙げられる。
【0062】前記ジアルキル錫オキサイド類の具体例と
しては、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ドや、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混
合物等が挙げられる。
【0063】前記キレート化合物を具体的に例示する
と、
【0064】
【化7】 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中では、触媒活性が高く、低コストであり、入
手が容易である点から、ジブチル錫ビスアセチルアセト
ナートが最も好ましい。
【0065】前記錫アルコラート類を具体的に例示する
と、
【0066】
【化8】 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中ではジアルキル錫ジアルコキサイドが好まし
い。特に、ジブチル錫ジメトキサイドは、低コストであ
り、入手が容易である点から、より好ましい。
【0067】また、上記のスズ系シラノール縮合触媒以
外の触媒の具体例として、アルミニウムトリスアセチル
アセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテ
ート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセ
テート等のアルミニウム系シラノール縮合触媒;ジルコ
ニウムテトラアセチルアセトナート等が例示できる。
【0068】前記有機チタン酸エステル類としては、例
えば、有機チタン酸エステル、チタンのキレート化合
物、チタンのケイ酸エステルによるキレート化合物、チ
タネート系カップリング剤、これらの部分加水分解縮合
物などが挙げられる。有機チタン酸エステル類の具体例
としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノル
マルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テ
トラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラス
テアリルチタネート、テトラメチルチタネート、ジエト
キシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロピ
ルビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキ
シビス(エチルアセトアセテート)チタン、イソプロポ
キシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタ
ン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−
1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシ
ビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチ
ルアセトネートチタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チ
タンおよびこれらの加水分解縮合物等を挙げることがで
きる。
【0069】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。
【0070】上記(B)成分のシラノール縮合触媒の配
合量は、(A)成分の飽和炭化水素系重合体100重量
部(以下、部)に対して0.1〜20部程度が好まし
く、更に1〜10部程度がより好ましい。シラノール縮
合触媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くな
ることがあり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場
合がある。一方、シラノール縮合触媒の配合量がこの範
囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好
な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くな
り過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0071】本発明の硬化性組成物においては、シラノ
ール縮合触媒の活性をより高めるために、助触媒機能を
有する(C)成分として、一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基を表す。)
および/または一般式(2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は水素原子または炭素数1〜20の置換あ
るいは非置換の炭化水素基を表す。)で示される第二ア
ミン類を使用する。
【0072】該アミン化合物は2つのアルキル基が窒素
原子に結合しているために、ラウリルアミン等の比較的
極性が高い第一アミン類と比較して(A)成分である飽
和炭化水素系重合体との相溶性が良好となり、助触媒と
して有効に機能して硬化性をより高くする。また該アミ
ン化合物は、窒素原子に隣接するα位およびβ位の炭素
原子上に嵩だかい置換基が無いために有効に機能して硬
化性をより向上させる。
【0073】該アミン化合物の炭素数が少ないと毒性が
より高くなり、炭素数が多いとより結晶性が高くなり取
り扱い難くなる点から、該アミン化合物1分子中におけ
る炭素数は、9〜40個であることが好ましく、更には
9〜20個であることがより好ましい。
【0074】該アミン化合物の具体例としては、例え
ば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n
−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジイソペン
チルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジイソヘキシル
アミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジイソヘプチルアミ
ン、ジ−n−オクチルアミン、ジイソオクチルアミン、
ジネオオクチルアミン、ジ−n−デシルアミン、ジイソ
デシルアミン、ジネオデシルアミン、ジラウリルアミ
ン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、メチル
(n−ブチル)アミン、メチル(n−ヘキシル)アミ
ン、メチル(n−オクチル)アミン、メチルイソオクチ
ルアミン、メチルラウリルアミン、メチルステアリルア
ミン、メチルオレイルアミン、エチル(n−ブチル)ア
ミン、エチル(n−ヘキシル)アミン、エチル(n−オ
クチル)アミン、エチルラウリルアミン、エチルステア
リルアミン、 n−ヘキシル(ラウリル)アミン、 n−
ヘキシル(n−オクチル)アミンなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらの中では、ジ
−n−ヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−
n−デシルアミン、ジステアリルアミン、メチルステア
リルアミンは、硬化性が良好で、毒性が低く、入手が容
易である点からより好ましく、特に、ジ−n−ヘキシル
アミン、ジ−n−オクチルアミンは、室温で液状である
ために取り扱い易く、最も好ましい。
【0075】本発明の硬化性組成物においては、本発明
の目的が達成される範囲で、その他のアミン類を少量併
用添加することができる。これらのアミン類の具体例と
しては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミル
アミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチル
ヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリ
ルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステア
リルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミ
ン類;ピロリジン、ピペリジン、モルフォリン、ジ(2
−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン等
の一般式(1)または一般式(2)で示される第二アミ
ン類以外の第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキ
シルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン
類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェ
ニルアミン等の芳香族アミン類等を挙げることができ
る。
【0076】この(C)成分の第二アミン類の配合量
は、(A)成分の飽和炭化水素系重合体100部に対し
て、0.01〜20部程度が好ましく、更に0.1〜5
部がより好ましい。第二アミン類の配合量がこの範囲を
下回ると硬化速度が遅くなる場合があり、また硬化反応
が充分に進行し難くなる場合がある。一方、第二アミン
類の配合量がこの範囲を上回ると、ポットライフが短く
なり過ぎるため、作業性の点から好ましくない。
【0077】本発明の硬化性組成物には、各種充填材が
必要に応じて用いられる。前記充填材の具体例として
は、例えば、木粉、パルブ、木綿チップ、アスベスト、
ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻
粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリ
カ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマ
イト、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸カルシウ
ム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、
アルミニウム微粉末、フリント粉末、亜鉛粉末などがあ
げられる。これら充填材のうちでは、補強性と貯蔵安定
性の点から、沈降性シリカ、ヒュームシリカ、結晶性シ
リカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭
酸カルシウム、酸化チタン、タルクなどが好ましい。こ
れらの充填材は単独で用いてもよく、2種以上併用して
もよい。充填材を用いる場合の使用量は(A)成分10
0部に対して10〜1000部が好ましく、更に50〜
300部がより好ましい。
【0078】本発明の硬化性組成物には、必要に応じて
各種添加剤が添加される。
【0079】このような添加剤としては、例えば、生成
する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、シランカ
ップリング剤などの接着性付与剤、可塑剤、老化防止
剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、
オゾン劣化防止剤、光安定剤、リン系過酸化物分解剤、
滑剤、顔料、発泡剤、光硬化性樹脂、チクソ性付与剤な
どがあげられる。
【0080】このような添加剤の具体例は、例えば、特
公平4−69659号公報、特公平7−108928号
公報、特開昭63−254149号公報、または特開昭
64−22904号公報などに記載されている。
【0081】本発明の硬化性改善方法は、(A)ケイ素
原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロ
キサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有
基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体に、
(B)シラノール縮合触媒と、(C)一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1は前記に同じ。)および/または一般式
(2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は前記に同じ。)で示される第二アミン類
を添加することにより、得られる硬化性組成物の硬化性
を改善することに関するものである。
【0082】上記改善方法にて、(A)飽和炭化水素系
重合体への(B)シラノール縮合触媒および(C)第二
アミン類の添加方法としては特に限定はないが、予め
(A)成分と(B)成分と(C)成分を混合した1液型
の硬化性組成物として用いる方法と、(A)成分を有す
る主剤と(B)成分と(C)成分を有する硬化剤からな
る2液または3液以上の多液型硬化性組成物を調製し、
主剤と硬化剤を使用直前に混合して用いる方法、等が挙
げられる。
【0083】本発明の硬化性改善効果は、前述の各種添
加剤が添加された場合も同様に認められる。すなわち、
本発明の硬化性組成物は、弾性シーリング材として、建
造物、土木工事、電気・電子部品用途、また工業用途等
の分野に有用であり、更に塗料、接着剤、注入剤、コー
ティング材としても使用できる。2液型建築用弾性シー
リング材や複層ガラス用シーリング材に用いられた場合
は特に有用である。
【0084】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 (製造例1)2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを
取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容
器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス
3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したも
の)262.5mlおよびトルエン(モレキュラーシー
ブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥し
たもの)787.5ml 、p−DCC(下記化合物
(A))4.85g(21.0mmol)を加えた。
【0085】
【化9】 次にイソブチレンモノマー438ml(5.15mo
l)が入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガ
ス採取管を、三方コックに接続して、重合容器を−70
℃のドライアイス/エタノールバス中につけて冷却した
後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニードル
バルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管
から重合容器内に導入した後、三方コック内の一方から
窒素を導入することにより容器内を常圧に戻した。次
に、2−メチルピリジン0.72g(7.7mmol)
を加えた。次に、四塩化チタン10.58ml(96.
5mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から7
0分後に、アリルトリメチルシラン7.20g(63.
0mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導入反
応を行った。アリルトリメチルシランを添加してから1
20分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄したあ
と、溶剤を留去することによりアリル末端イソブチレン
系重合体を得た。
【0086】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−200gと、炭化水素系可塑剤である
パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)100gを混合し、約
75℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン2.4
[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体7.
5x10-5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化
反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約2
0時間で1640cm-1のオレフィンに基づく吸収が消失
した。
【0087】目的とする両末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレンポリマ−と可塑剤であるPS−32との
混合物(2/1の重量比)が得られた。
【0088】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMR
は、Varian Gemini300(300MH
z)を用い、CDCl3中で測定した。
【0089】なお、FT−IRは島津製作所製IR−4
08、GPCは送液システムとしてWaters LC
Module1、カラムはShodex K−804
を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに
対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、
Mn=17600、Mw/Mn=1.23、Fn(シリ
ル)=1.96であった。(数平均分子量Mnはポリス
チレン換算、末端シリル官能基数Fnはイソブチレンポ
リマー1分子当たりの個数)。(実施例1〜5、比較例
1〜5)製造例1で得られた(A)成分の反応性ケイ素
基を有する飽和炭化水素系重合体とパラフィン基プロセ
スオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセス
PS−32)の混合物(重量比:PIB/PS−32=
2/1)150部に対して、表1に示す処方にしたがっ
て、各種添加剤をそれぞれ計量し、三本ペイントロール
でよく混練して主剤とした。
【0090】次に、(B)成分のシラノール縮合触媒で
ある2−エチルヘキサン酸スズ(日東化成(株)製、商
品名U−28)3部と、(C)成分の各種アミン化合物
を表1に示す部数を計量し、撹拌混合して硬化剤を調整
した。ここで、アミン化合物の添加部数は、全て同じm
ol数となるように調整した。
【0091】ここで、本発明の(C)成分である一般式
(1)または一般式(2)のアミン化合物として、ジ−
n−ヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n
−デシルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリ
ルアミンを用いたものをそれぞれ実施例1〜5とし、一
般式(1)または一般式(2)以外のアミン化合物とし
て、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミ
ン、オレイルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン
を用いたものをそれぞれ比較例1〜5とした。
【0092】次に、上記主剤と硬化剤を表1に示す処方
にしたがって計量し、スパテュラを使用して3分間攪
拌、混合した。得られた組成物を約3mmの厚みに薄く
のばし、23℃、湿度50%RH条件下で表面が皮を張
るまでの時間(皮張り時間)を測定した。 皮張り時間
が短い方が、硬化性が優れることを表す。
【0093】結果を表1に示す。
【0094】
【表1】 表1に示す通り、上記一般式(1)および一般式(2)
のアミン化合物を用いた場合(実施例1〜5)、硬化性
は速く、皮張り時間は90分以内であるが、一般式
(1)または一般式(2)以外のアミン化合物を用いた
場合(比較例1〜5)、硬化性は悪く、皮張り時間は2
倍以上となった。
【0095】以上のように、(A)分子中に少なくとも
1個の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体、
(B)シラノール縮合触媒、(C)一般式(1)または
一般式(2)で表されるアミン化合物、からなる硬化性
組成物は、著しく硬化速度が速いことがわかる。
【0096】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、硬化性を著し
く改善することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ケイ素原子に結合した水酸基または
    加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することに
    より架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する飽
    和炭化水素系重合体、(B)シラノール縮合触媒、
    (C)一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数
    1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基を表す。)
    および/または一般式(2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は水素原子または炭素数1〜20の置換あ
    るいは非置換の炭化水素基を表す。)で示される第二ア
    ミン類、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の飽和炭化水素系重合体が、数
    平均分子量が500〜50000の範囲内にあり、主鎖
    の末端および/または側鎖に、一般式(3): 【化1】 (式中、R3およびR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
    数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
    性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
    徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】Xがアルコキシ基であることを特徴とする
    請求項2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分の飽和炭化水素系重合体がイソ
    ブチレン系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載
    の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】イソブチレン系重合体が、イソブチレンに
    起因する繰り返し単位を総量で50重量%以上有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】(B)成分のシラノール縮合触媒が、金属
    カルボン酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(B)成分の金属カルボン酸塩が、2価の
    スズカルボン酸塩であることを特徴とする請求項6記載
    の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】(C)成分の第二アミン類が、1分子中の
    炭素数が9〜20個であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】(A)成分100重量部に対して、(B)
    成分を0.1〜20重量部、(C)成分を0.01〜2
    0重量部含有することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】(A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体に、(B)シラノール縮合触媒
    と、(C)一般式(1): HN(CH2CH212 (1) (式中、 R1は前記に同じ。)および/または一般式
    (2): HN(CH3)CH2CH22 (2) (式中、 R2は前記に同じ。)で示される第二アミン類
    を添加することを特徴とする、硬化性組成物の硬化性の
    改善方法。
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