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JP2002519725A - 赤外干渉フィルター - Google Patents

赤外干渉フィルター

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JP2002519725A
JP2002519725A JP2000556589A JP2000556589A JP2002519725A JP 2002519725 A JP2002519725 A JP 2002519725A JP 2000556589 A JP2000556589 A JP 2000556589A JP 2000556589 A JP2000556589 A JP 2000556589A JP 2002519725 A JP2002519725 A JP 2002519725A
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ジェイ. オーダーカーク,アンドリュー
孝 原田
誠 石川
彰 陽田
達也 中村
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 誘電反射層を含んでいて、特定波長帯域の光を所定の割合で反射しかつ可視光帯域の光を所定の割合で透過可能な光フィルター。誘電反射層は、それぞれ第1のポリマーからなる複数の層から構成された第1組の誘電反射層単位と、それぞれ第1のポリマーとは異なる屈折率を有する第2のポリマーからなる複数の層から構成された第2組の誘電反射層単位とを組み合わせて含み、その際、第1組及び第2組の誘電反射層単位は、第1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層することにより組み合わされており、そして誘電反射層は、上記の反射する光の反射率が70%以上であり、かつ、青の帯域(波長:430〜490nm)、緑の帯域(波長:515〜575nm)及び赤の帯域(波長:580〜640nm)を含めた、可視スペクトルの3原色帯域の光透過率が60%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の技術分野 本発明は、光フィルターに関し、特に、例えばプラズマディスプレィ装置のよ
うな発光装置と、例えばリモートコントロール方式を採用したオーディオ/ビデ
オコンポーネントにおいて認められるもののような感赤外線検出器との間に配置
して、不所望な赤外発光が赤外センサーに入り込んだり、リモートコントロール
装置によって発せられた所望の赤外コントロール信号に干渉するのを防止するこ
とができる、赤外干渉フィルターに関する。 発明の背景 コンシューマ用のオーディオ/ビデオ(A/V)システムでは、リモートコン
トロール方式を使用したコントロールがしばしば行われている。リモートコント
ロール装置では、通常、赤外発光ダイオードを使用して単純パルスしたデータス
トリームを供給し、そのデータをA/V機器の感赤外線検出器によって検知して
いる。IRデータストリームは、限られた数のコマンドしか存在していないので
、一般的に低周波数である。また、リモート機器の配置は、あらかじめ定められ
ていない用途の性質に依存しているので、A/V機器のIRセンサーは、広い範
囲の検知角を有していなければならない。最近の技術についてみると、A/Vシ
ステムのリモートコントロール装置に干渉の発生するおそれがあることが紹介さ
れている。そのような装置としては、高周波ノイズを伴った光源(コンパクトな
照明調整型蛍光バルブやプラズマディスプレィ装置を含む)や、高周波データの
流れを使用したより新型の機器が含まれる。後者の例としては、データ中継装置
、ディジタルカメラ/プリンタのリンク機構、そしてローカルエリアネットワー
ク(LAN)を含めたコンピュータ周辺機器がある。これらの機器の赤外発光は
、高周波であり、A/Vシステムの低速検出器によって復調され、見かけ上ラン
ダムなコマンドを発生するおそれがある。高周波機器の発生信号又はA/V機器
の感赤外線検出器に対する入力のいずれかをフィルタリングし、不所望な発光が
A/V機器のコントロール又は運転に干渉しないようにすることが望ましい。
【0002】 所望の波長帯域の電磁波を選択的に透過させ、かつ不所望の波長帯域の電磁波
を吸収又は反射するため、いろいろな光フィルターが知られている。このような
光フィルターは、可視光の透過を阻害せず、不要な波長帯域の光をカットするた
め、ディスプレィ装置の画面の前面側にしばしば配置されている。例えば、ディ
スプレィ装置は、発光物質の電界発光や電子線照射による蛍光体の励起発光を利
用し、画面上に画像を視覚化する装置である。したがって、このようなディスプ
レィ装置では、その画像可視化機構のため、可視光の他に、画質の向上には不要
の光、例えば、紫外領域や赤外帯域、あるいは紫外よりもさらに短波長帯域の光
が放出される。このような不要な帯域の光は、人体、そしてディスプレィ装置以
外の機器等に悪影響を及ぼす場合があるので、可及的にカットされるのが好まし
い。
【0003】 特開平8−231245号公報は、ガラス基板(透明な支持体)と、その基板
の表面を被覆した、紫外線吸収材及び赤外線吸収材を含有するシリコーン系コー
ティングからなるフィルター層とから構成される光フィルター(紫外線赤外線吸
収ガラス)を開示している。赤外線吸収材の具体例として、フタロシアニン系化
合物、ポリメチレン系化合物及びその他の化合物が開示されている。これらの慣
用の光フィルターにおいて用いられている光吸収型フィルター層は、また、可視
光帯域(通常、400〜800nmの範囲の波長)の望ましい光も吸収してしま
う傾向にある。吸収される可視光の量は少ないというものの、不便が生じる場合
がある。光フィルターをディスプレィ装置の画面の前面側に配置して使用する場
合、不要な波長帯域の光の量を減らすことを試みると、可視光の吸収量が増大し
て可視光の透過率が低下するので、画質を損なうおそれがある。
【0004】 特開平9−22657号公報は、ホログラムミラーを表面に有する樹脂層から
フィルター層を形成したことを特徴とする光フィルターを開示している。この光
フィルターのフィルター層では、ホログラムミラーが有する波長選択反射特性を
利用し、光フィルター効果を発現させている。このホログラムミラー型光フィル
ターは、慣用の光フィルターの光吸収型フィルター層とは異なって、染料や顔料
を使用していない。しかし、ホログラムを形成する場合には、樹脂層に感光剤を
添加している。この感光剤は、ホログラムの形成後も光フィルター中に残留する
ので、可視光帯域の光を吸収してしまうおそれがある。 発明の概要 多くのA/Vリモートコントロール装置では、約940nm近傍に発光中心を
有する発光ダイオードを使用している。干渉性の光源では、より短い波長の、通
常900nm未満の光が放出されることがしばしばである。その結果、大体にお
いて、その干渉光を、約940nmよりも大きな波長のもののみを透過させるフ
ィルターで発光光源をカバーすることによって、さもなければ、リモートコント
ロール装置の発光によって規定されるような興味のある波長領域のみの光だけを
透過させ、干渉性の波長領域の光を反射するフィルターでデテクタ素子をカバー
することによって、はじき返している。実用面では、このことを標準的なフィル
ターを通じて達成することは難しい。吸収型のフィルターでは、吸収から透過ま
での広い範囲の遷移を生じるので、高い識別比を得ることが妨害される。ダイク
ロイックフィルターでは、固定された角度において反射から透過に至る急峻な遷
移が発生し得、非常に高い識別比を得ることができるが、このダイクロイックフ
ィルターの場合、角度の変化とともに反射光の波長がシフトするので、通常、使
用角度がより狭くなるであろう。用途によっては、狭い使用角度を受け入れるこ
とができない。また、反射から透過に至る急峻な分光遷移を達成するためには、
比較的に大きな数の層をもってダイクロイックフィルターを構成することが必要
となり、製造が不経済である。
【0005】 1つの面において、本発明は、誘電反射層を含んでいて、特定波長帯域の光を
所定の割合で反射しかつ可視光帯域の光を所定の割合で透過する光フィルターに
ある。誘電反射層は、それぞれ第1のポリマーからなる複数の層から構成された
第1組の誘電反射層単位と、それぞれ第1のポリマーとは異なる屈折率を有する
第2のポリマーからなる複数の層から構成された第2組の誘電反射層単位とを組
み合わせて含み、その際、第1組及び第2組の誘電反射層単位は、第1のポリマ
ーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層することにより組み合わされており
、また、誘電反射層は、上記の反射する光の反射率が70%以上であり、かつ、
青の帯域(波長:430〜490nm)、緑の帯域(波長:515〜575nm
)及び赤の帯域(波長:580〜640nm)を含めた、可視スペクトルの3原
色帯域の光の透過率が60%以上である。
【0006】 本発明の光フィルターは、別の面において、もしも発光源のフィルタリングが
実用的でないならば、不所望な高周波数の発光がリモートコントロール装置から
の低周波数の発光に干渉することがないようにするため、A/V装置の赤外線検
出器に対する入力信号をフィルタリングするために使用してもよい。本発明の光
フィルターは、ひとつの面において広い観察角もたらし、かつそれに直交する面
において限られた観察角をもたらすためにカーブせしめてもよく、さもなければ
、広い観察角をもたらすためにディフューザーと組み合わせて使用してもよい。
本発明において使用されるフィルターは、所期の用途に応じていろいろと広く変
更し得るというものの、本発明で使用するのに好適な赤外フィルターは、米国特
許出願第08/402,041号及び米国特許出願第09/005,727号に
記載されている。 発明の詳細な説明 オーディオ/ビデオ(A/V)システム用のリモートコントロールシステム(
リモコン)は、送信ユニットと受信ユニットとを備えている。リモート機器の配
置は、あらかじめ定められていない用途の性質に依存しているので、A/V機器
のIRセンサーは、広い範囲の検知角を有している。典型的な送信ユニットは、
一般的に波長スペクトルのIR領域(約800nm〜約1,000nm)に含ま
れる運転信号を発信する。しばしば、送信ユニットは、赤外発光ダイオードから
の単純で低周波数のパルスしたデータの流れを供給し、その際の発光中心は、一
般的に、約940nmの近傍にある。次いで、A/V機器の赤外線受信ユニット
よって運転信号を検出する。もしも送信ユニット以外の装置が送信装置のものと
実質的に同じ波長のIR光を放出し、次いでそのIR光を受信ユニットで受理す
るのであるならば、受信ユニットは、IR光を送信ユニットからの運転信号であ
ると誤認する。その結果、A/V装置の不適当な運転が行われる。最近の技術に
ついてみると、A/Vシステムのリモートコントロール装置に干渉の発生するお
それがあることが紹介されている。そのような装置としては、高周波ノイズを伴
った光源(コンパクトな照明調整型蛍光バルブやプラズマディスプレィ装置を含
む)や、高周波データの流れを使用したより新型の機器が含まれる。後者の例と
しては、データ中継装置、ディジタルカメラ/プリンタのリンク機構、そしてロ
ーカルエリアネットワーク(LAN)を含めたコンピュータ周辺機器がある。こ
れらの機器の赤外発光は、高周波であり、A/Vシステムの低速検出器によって
復調され、見かけ上ランダムなコマンドを発生するおそれがある。本発明では、
高周波機器の発生信号又はA/V機器の感赤外線検出器に対する入力のいずれか
をフィルタリングし、不所望な発光がA/V機器のコントロール又は運転に干渉
しないようにすることができる。
【0007】 本発明で使用される光フィルターは、リモコンの送信機以外の発信装置から放
出される不所望なIR発光によって引き起こされる、リモートコントロール操作
に対する干渉を効果的に防止することができる。最適化された挙動を得るために
は、リモコンユニットの不適切な作用を防止するため、リモコン操作時のあらか
じめ定められた波長領域の光の少なくとも70%、好ましくは、そのあらかじめ
定められた波長領域の光の80%よりも大、最も好ましくは、90%よりも大を
反射することが望ましい。誘電反射層 本発明の光フィルターにおいてフィルター層として用いられる誘電反射層は、
特定の波長帯域の光(電磁波)を所定の割合で反射するが、別の所定の光帯域の
光は所定割合で透過する。本発明では、「誘電反射層」は、光透過性の誘電体の
層の複数を互いに密着させて積層している。各層の厚みと屈折率との関係は、波
長選択性(ある波長帯域の光を透過し、別の波長帯域の光を反射するという性質
)を有するように決定される。好ましい1態様において、この波長選択性は、2
つの物質に挟まれた誘電体層の厚みと屈折率の積は、その層内に入射された光の
波長の4分の1であり、また、その層の屈折率は、両物質のいずれの屈折率より
も高いか又は低く、それにより、両物質と層との2つの界面での反射光は互いに
位相が一致して相互に強め合うという反射の原理を利用している。
【0008】 誘電反射層は、例えば、それぞれが第1のポリマーからなる複数の層から構成
された第1組の誘電反射層単位と、それぞれが第1のポリマーとは異なる屈折率
を有する第2のポリマーからなる複数の層から構成された第2組の誘電反射層単
位とを含み、第1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層して形成
される。好ましい1態様において、第1組及び第2組の誘電反射層単位の少なく
とも一方は、厚み(d、単位はnm)とポリマーの屈折率(n)の積、すなわち
、n×dが、反射する光の波長の4分の1である4分の1波長層を含み、また、
上記積(n×d)が4分の1波長に相当しない波長の光は、透過可能である。誘
電反射層において利用されている波長選択反射原理は、図1を参照して説明する
下記の説明からより容易に理解することができるであろう。
【0009】 図1は、本発明の光フィルターの誘電反射層の一部を拡大して示した略示断面
図である。図示の例では、第1又は第2のポリマーからなる誘電反射層形成性ポ
リマー層O、X、Y及びZが示されている。すなわち、誘電反射層は、これらの
層とその他の任意のポリマー層(図示されていない)の積層体である。図示のよ
うに、ポリマー層O内を進み、ポリマー層Oと隣接するポリマー層Xとの界面1
に向かって入射した光があるとすると、その入射光は、界面1で反射される光A
と、ポリマー層X内に進入し界面2で反射される光Bとに二分される。この場合
に、光Aと光Bの光路差は、2ndcosψ(式中、dはポリマー層Xの厚み、
そしてnはポリマー層Xの屈折率を表す)である。この光路差が、入射した光の
波長の半分(λ/2)に等しい時、反射光の強度が最も強められる。しかし、こ
の場合に、ポリマー層Xの屈折率は、隣接するポリマー層O及びYの屈折率より
も大きいかもしくは小さく、また、図示の例では、ポリマー層Xの屈折率はポリ
マー層Oの屈折率よりも大である。
【0010】 ポリマー層Oにおいて、界面1の法線(図中の点線)に沿って光が入射した時
(すなわち、ψ=0°、θ=0°)、上記した光路差は2ndに等しくなる。こ
の場合に、反射光の強度が最も強められる要件は、 2nd=λ/2、すなわち、nd=λ/4 となる。すなわち、ポリマー層Xの厚みと屈折率の積(nd)の4倍の大きさの
波長の光は、図示の誘電反射層によって最も強く反射される。これが、いわゆる
「4分の1波長原理」である。同様に、もしも界面2及び3で光が反射されるな
らば、ポリマーYの厚みと屈折率に対応して、特定波長の光が強く反射される。
とりわけ、厚みを異にする複数のポリマー層を、厚みと屈折率の間の所要の関係
を満たすように積層して含む誘電反射層は、各ポリマー層の厚みと屈折率に対応
した特定範囲の波長の光を反射し、その範囲外の光を効果的に透過する。
【0011】 一般的に、1つのポリマー層は、約10〜数十nmの波長帯域に対して有効に
作用するので、有限数の層を含んでいる誘電反射層は、所望の波長選択反射体と
して有効に機能する。したがって、例えば800〜10,000nmの波長帯域
の光を有効に反射するには、少なくとも20層のポリマー層があればよい。しか
しながら、通常、異なる厚みの層の数が多ければ多いほど、反射率がより向上せ
しめられる。また、各層は光透過性ではあるものの、僅かではあるが光が吸収さ
れる。したがって、層数が多すぎると、光透過率及び反射率が低下するおそれが
ある。このような理由によって、本発明で使用される誘電反射層におけるポリマ
ー層(誘電体層)の積層数は、50〜2,000の範囲が好適である。
【0012】 一方、界面1の法線に対して傾いた方向から光が入射した時(すなわち、ψ>
0°、θ>0°)、上記した光路差は、2ndよりも小さくなる、すなわち、2
ndcosψである。したがって、反射光の強度が最も強められる条件は、nd
cosψ=λ/4となる。すなわち、ポリマー層Xの厚みと屈折率の積(nd)
の4倍よりも小さな波長(すなわち、4ndcosψに等しい波長)の光が入射
した時、その入射光が誘電反射層により最も強く反射される。誘電反射層は、厚
みの積(nd)が反射光の4分のm(ここで、mは3以上の奇数である)である
層を含んでいてもよい。
【0013】 上記したような誘電反射層は、例えば、誘電反射フィルムから形成できる。誘
電反射フィルムは、例えば(a)透明なポリマーフィルムの上に、誘電体の層を
多層コーティングして形成する方法、及び(b)ポリマー材料からなる誘電体を
用い、共押出法により多層フィルムとして形成する方法のような慣用の方法によ
り形成できる。このような誘電反射フィルムの製造方法は、例えば、米国特許出
願第08/402,041号、同第09/006,288号及び同第09/00
6,455号に開示されている。
【0014】 誘電反射層を構成するのに使用し得る好ましい誘電体としては、1.1以上の
屈折率を有する光透過性の材料、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレン
ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、エチレンナフタレート−エチレン
テレフタレートのコポリエステル)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリメチル
メタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリレートとの共重合
体)、ポリスチレン系ポリマー(例えば、ポリスチレン、スチレンとブタジエン
の共重合体、スチレンとアクリロニトリルの共重合体)、フッ素系ポリマー(例
えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化エチレン−フッ化プロピレン共重合体)、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂などのポリマーが含まれる。その他の好適な材料は、米国特許出願第
09/006,601号及び同第08/402,041号に開示されている。
【0015】 誘電反射フィルムは、共押出法により多層フィルムとして形成するのが好まし
い。この方法を使用すると、良好な成形性を得ることができ、また、本発明の光
フィルターを容易に製造することができる。このような誘電反射フィルムは、例
えば、上記のような誘電体の少なくとも1種を含んでなる第1の層と、上記のよ
うな誘電体の少なくとも1種を含んでなる第2の層とを、交互に積層して形成す
る。実質的にすべての層はその膜厚が1μm未満であり、また、それらの層のな
かには、上記のような波長選択性を発現するように、複数の異なる厚みの層が含
まれる。各層の屈折率は、通常1.1以上であり、好適には1.2〜2.8の範
囲である。また、第1の層の屈折率n1 と、第2の層の屈折率n2 との差Δn(
=|n1 −n2 |)は、通常0.05〜1.5の範囲であり、好適には0.1〜
1.0の範囲である。各層がポリマーを含有する場合、波長選択反射性(所定の
波長の光の反射率)の効果的な向上のため、それらのポリマー層はそれぞれ二軸
配向されているのが好ましい。
【0016】 上記した2種類の誘電体の層の他に、少なくとも1層のその他の誘電体の層を
加えて積層体を形成してもよい。また、誘電反射層には、本発明の作用効果を損
なわない限り、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防黴剤、防錆剤、吸湿剤、着色材、
燐光物質、界面活性剤等の添加剤を含有させることもできる。さらに、本発明の
作用効果を損なわない限り、誘電反射フィルムの表面、裏面又は両面に、光透過
性の保護膜や接着剤層を形成することもできる。エミッション・ソース・フィルター(発光源用フィルター) 例えばプラズマディスプレィ装置やコンパクトな照明調整型蛍光バルブのよう
な発光源からの不所望な発光がA/V装置の赤外センサーに到達するのは、その
発光源を、特定波長帯域の光を所定の割合で反射しかつ可視光帯域の光を所定の
割合で透過する光フィルターでカバーすることによって、防止することができる
。光フィルターは、好ましくは、それぞれが第1のポリマーからなる層の複数か
ら構成された第1組の誘電反射層単位と、それぞれが第1のポリマーとは異なる
屈折率を有する第2のポリマーからなる層の複数から構成された第2組の誘電反
射層単位とを組み合わせて含む誘電反射層を有しており、その際、第1組及び第
2組の誘電反射層単位は、第1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互に
積層することにより組み合わされている。好ましい構成において、第1組及び第
2組の誘電反射層単位の少なくとも一方は、厚み(d、単位はnm)とポリマー
の屈折率(n)との積、すなわち、n×dが、反射する光の波長の4分の1であ
る4分の1波長層を含んでいる。例えばプラズマディスプレィ装置の出力のフィ
ルタリングのような用途の場合、誘電反射層は、上記の反射する光の反射率が少
なくとも70%であり、かつ、青の帯域(波長:430〜490nm)、緑の帯
域(波長:515〜575nm)及び赤の帯域(波長:580〜640nm)を
含めた、可視スペクトルの3原色帯域の光透過率が少なくとも60%であること
が好ましい。
【0017】 本発明の光フィルターにおいて、前記4分の1波長層の積(n×d)は、好ま
しくは200〜250nmの範囲であり、800〜1,000nmの範囲の波長
帯域の光反射率は、好ましくは70%以上である。 また、本発明の光フィルターにおいて、その光フィルターが、誘電反射層の少
なくとも一方の面と対向するように配置されたスクラッチ耐性又は反射防止性の
樹脂の層をさらに含んでいるのが好ましい。樹脂は、好ましくは、フッ素系ポリ
マーを含有する。例えば、このような樹脂の層が、光フィルターの最上層に位置
する場合、汚損防止層として機能し、フィルター表面が傷ついたり、ヒトの指紋
等の汚れがフィルター表面に付着し、画面が見えにくくなることを効果的に防止
できる。
【0018】 また、前記樹脂の層は、その樹脂層の厚さ(d、単位はnm)とポリマーの屈
折率(n)との積、すなわち、n×dが、誘電反射層を透過可能な可視光の波長
の4分の1である場合、すなわち、4分の1波長樹脂層である場合、可視光に対
する反射防止層として機能する。これにより、前記樹脂の層の上の面と下の面で
反射する光、特に可視光の光路差が1/2になり、反射光の強さを効果的に最小
限におさえることができる。すなわち、可視光帯域の波長の光の反射を、上記4
分の1波長樹脂層がないときに比べて小さくすることができる。このような反射
防止作用は、ディスプレィの視認度の低下を効果的に防止することができる。
【0019】 さらに、上記のような4分の1波長樹脂層は、光フィルターの最上層に位置す
る場合、反射防止層及び汚損防止層の両方として機能するので、特に好適である
。 上記したように、本発明の光フィルターは、特定の誘電反射層をフィルター層
として利用している。この誘電反射層は、それぞれが第1のポリマーからなる複
数の層から構成された第1組の誘電反射層単位と、それぞれが第1のポリマーと
は異なる屈折率を有する第2のポリマーからなる複数の層から構成された第2組
の誘電反射層単位とを含み、第1のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互
に積層して形成される。好ましい1態様において、第1組及び第2組の誘電反射
層単位の少なくとも一方は、厚み(d、単位はnm)とポリマーの屈折率(n)
との積、すなわち、n×dが、反射する光の波長の4分の1である4分の1波長
層を含む。したがって、本発明の光フィルターは、いわゆる誘電反射の原理を利
用している。
【0020】 誘電反射層は、上記のような複数種類のポリマーを、詳細は後述する所定の方
法で積層して形成される。ホログラムミラー型光フィルターの作製に必要であっ
た、ポリマー層に感光剤を添加することは不必要である。したがって、このよう
な感光剤による可視光帯域の光の吸収が生じ、可視光透過率が低くなるおそれが
なくなる。また、ポリマーから実質的に構成される誘電反射層は、その誘電反射
層の可視光に対する透明性を高める。ある用途では、誘電反射層は、3原色帯域
の光透過率、すなわち、青の帯域(波長:430〜490nm)、緑の帯域(波
長:515〜575nm)、及び赤の帯域(波長:580〜640nm)の光透
過率が、60%以上である。この可視光透過率が60%未満であると、フィルタ
ーを介して認識される光(色)の明度や彩度が低下し、表示画質等が損なわれる
。このような観点から、3原色帯域の光透過率は、好適には70%よりも大、特
に好適には80%よりも大である。
【0021】 本発明の光フィルターは、通常、上記した3原色帯域の光の光透過率が、その
3原色帯域以外の可視光帯域の光のそれと同等となるように、設計する。しかし
ながら、発光した光の色純度を高めるために、3原色帯域以外の可視光帯域の光
の透過率は、70%未満であってもよい。なお、本願明細書において、「光透過
率」又は「光反射率」は、分光光度計を用いて測定された値である。また、以降
、特に波長帯域を特定しないで単に「光透過率」と呼ぶ場合、その語は、「3原
色帯域の可視光」の透過率である。
【0022】 好ましい1形態において、本発明の光フィルターで用いられる誘電反射層は、
800〜1,000nmの範囲の波長帯域の光(以下、「IR光」と呼ぶことも
ある)の反射率が70%よりも大であり、よって、上記4分の1波長層の積(n
×d)が200〜250nmの範囲であるように設計される。このように構成し
たことにより、ディスプレィ装置の画面から放出される、800〜1,000n
mの範囲の波長帯域の光を効果的にカットし、リモートコントロール方式のA/
V装置の誤作動を効果的に防止できる。
【0023】 本発明の光フィルター、それにフィルター層として含まれる誘電反射層、その
他の詳細についてさらに具体的に説明する。 例えばプラズマディスプレィ装置用のフィルターのような用途において、本発
明の光フィルターは、例えば、誘電反射フィルム(詳細は後述)からなる誘電反
射層を、透明支持体の上に密着させて形成することができる。透明支持体は、例
えば、ガラス又はプラスチック材料から形成される。ここで使用可能なプラスチ
ック材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂がある
。透明性と機械的強度(特に表面硬度)にすぐれるため、好適にはアクリル樹脂
がプラスチック材料として使用できる。また、耐衝撃性を改良するためにポリ弗
化ビニリデン樹脂をブレンドしたアクリル樹脂も使用できる。
【0024】 支持体の厚みは、通常1〜10mm、好適には2〜7mm、特に好適には3〜
5mmの範囲である。支持体の厚みが大きすぎると、光フィルター全体の透明性
(光透過率)が低下するおそれがあり、反対に厚みが薄すぎると、支持体に対し
て誘電反射フィルムを密着させる操作が困難になるおそれがある。また、誘電反
射フィルム自体の機械的強度が不十分な場合、光フィルターを画面前に設置した
時に、フィルター全体が撓んで変形することもある。支持体の光透過率は、通常
70%以上、好適には80%以上、特に好適には85%以上である。
【0025】 支持体に対する誘電反射フィルムの密着は、例えば、透明性の高い接着剤を用
いて行うことができる。ここで使用する接着剤の光透過率は、通常70%以上、
好適には80%以上、特に好適には85%以上である。 上記接着剤としては、高透明性と、高密着力とを一緒に有するアクリル系接着
剤が好適である。アクリル系接着剤は、例えばイソオクチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレートのような炭素数4〜14の
アルキル基を有するアクリレートモノマーと、例えば(メタ)アクリル酸、カル
ボキシルアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート又はN,N−ジアルキルアクリルアミドのような極性基を有する(メタ)ア
クリレートモノマーとを含有する反応物質から調製することができ、あるいはそ
のような重合体を含有する組成物である。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、
周知のように、アクリル酸及びメタクリル酸を包含する呼称であり、(メタ)ア
クリレートなどもこれに準じて用いられている。
【0026】 上記したアクリル系接着剤を使用して誘電反射フィルムと支持体の密着を行う
に当たっては、例えば、誘電反射フィルムの表面上にアクリル系接着剤を接着層
として形成した後、支持体と誘電反射フィルムとを圧着することができる。接着
層の厚みは、通常5〜100μm、好適には10〜50μmの範囲である。接着
層は、例えば、上記重合体又は重合体組成物を含有する塗布液を誘電反射フィル
ム上に塗布して設けることができる。さもなければ、上記反応物質を含む塗布液
を塗布した後、フィルム上で重合操作を行うこともできる。さらに、別途剥離フ
ィルム上に形成されたフィルム状接着剤を、剥離フィルムから誘電反射フィルム
の上に転写させることもできる。接着層は、層の透明性を損なわない限り、ポリ
スチレン粒子等の拡散反射粒子を含有してもよい。
【0027】 上記した支持体を2枚用い、それらの支持体の間に誘電反射層を挟み、誘電反
射層が外部環境と接触しないようにし、劣化や破損から守るのが好ましい。 光フィルター全体の光透過率は、通常65%以上、好適には70%以上、特に
好適には75%以上である。また、光フィルター全体の厚みは、後述する付加的
な層も含めて、通常2〜15mmの範囲である。
【0028】 光フィルターをディスプレィ装置で使用する場合には、例えば、そのディスプ
レィ装置の画面の前面側に光フィルターを次のような手法で配置することができ
る。光フィルターを画面とほぼ同じ形状に、かつ少なくともひと回り大きな平面
寸法のプレートに加工する。このプレートの全周囲の縁部分を受け入れる溝を有
するフレームを用意し、そのフレームに光フィルターを固定する。このフレーム
付光フィルターのフレーム部と、ディスプレィ装置の画面の周縁部(通常、ディ
スプレィ本体を支えるディスプレィ用のフレームが配置されている)とを接合し
、光フィルターを固定する。
【0029】 さもなければ、接着剤や面ファスナー等の接合手段を用い、ディスプレィ装置
の画面の周縁部と光フィルターの周縁部とを接合し、光フィルターを固定するこ
ともできる。さらに、光フィルターのディスプレィ画面と対向する面のほぼ全面
に透明な接着層を配置し、画面全体と光フィルターの上記対向面とを密着させ、
光フィルターをディスプレィ装置の画面に固定することもできる。さらにまた、
本発明の光フィルターは、誘電反射層と接着層とを含む形態をとることもできる
【0030】 誘電反射層に含まれる誘電反射フィルムは、反射波長特性や反射率を所望の値
に改善するために、2枚もしくはそれ以上の枚数のフィルムの積層体を含むこと
ができる。この場合、接着剤を用いずに単に重ねた積層体を、前述のようにして
フレームで固定するのが一般的なやり方である。さもなければ、前述の透明接着
剤を用い、フィルムどうしを互いに密着することもできる。積層枚数は、3〜1
0枚が好適である。積層枚数が3枚より少ないと、反射波長特性や反射率を所望
の値に改善する効果が期待できず、反対に10枚を超えると、可視光透過率が低
下するおそれがある。
【0031】 ある用途では、本発明の光フィルターは、1層もしくはそれ以上の追加の層を
さらに含んださまざまな形態をとることができる。例えば、本発明の好ましい1
態様によると、光透過率が80%以上であるEMIシールド層を誘電反射層の少
なくとも一方の表面に密着するようにさらに適用してもよい。この態様は、人体
に悪影響を及ぼすとされる電磁波をカットするために使用できる。このようなE
MIシールド層としては、ITO膜、金属薄膜、金属メッシュ等が使用できる。
シールド層の厚みは、誘電反射層やシールド層の光透過率にもよるが、光フィル
ターの光透過率を上記レベルより下回らないように設定される。例えば、ITO
膜の場合には、比較的透明性が高いので、その厚みは50nm〜3μmの範囲が
好ましい。
【0032】 本発明のもう1つの好ましい態様に従うと、光透過率が80%以上である透明
樹脂の層が、誘電反射層の少なくとも一方の表面に密着した状態でさらに適用さ
れていてもよい。この樹脂層は、ハードコート層、帯電防止層、紫外線(UV)
カット層等の形態をとることができ、また、そのような目的に合った樹脂又は樹
脂組成物から構成することができる。例えば、樹脂層が、波長帯域が約280〜
約400nmの範囲(紫外帯域)の光を反射又は吸収するUVフィルター層であ
る場合、ディスプレィ装置の画面から放出される有害な紫外線を、IR光ととも
に有利にカットできる。UVカット層の光透過率は、光フィルターの透明性を損
なわない限り特に限定されないが、80%以上が好適である。
【0033】 好ましくは、上述のUVカット層は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂等を含む樹脂コーティングである。例えば、(メタ)アクリルモノマー
等の重合成分を含有する塗布液を誘電反射層の表面上にコーティングし、引き続
いて重合成分を重合させて、樹脂層とすることができる。好ましい(メタ)アク
リルモノマーは、例えばアクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル又は
アクリル酸ビスフェノールAのような、フェニル基と(メタ)アクリロイル基を
分子内に有するモノマーである。これらの材料は、重合後の樹脂層の耐熱性、耐
摩耗性、そして透明性を高めることができる。(メタ)アクリルモノマーに代え
て、上記モノマーを含有する成分から形成されたオリゴマーや、ウレタン(メタ
)アクリレートも使用できる。また、(メタ)アクリレートモノマーの他、エポ
キシ基又はビニルエーテル基を有する化合物や、シロキサン変性ポリエステルを
単独で、あるいは(メタ)アクリレートモノマーと混合して、用いることもでき
る。上記重合成分は、本発明の作用効果を損なわない限り、無機質コロイド、カ
ップリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、酸化防止剤、防黴剤、光触
媒等の添加剤を含有することもできる。なお、重合操作は、放射線の照射又は加
熱によって行うことができる。
【0034】 また、UVカット層は、樹脂フィルムを誘電反射層の表面に密着させて形成し
てもよい。ここで使用可能な樹脂フィルムとしては、アクリル樹脂フィルムの他
、ポリエステルフィルム(例えばポリエチレンテレフタレート及びポリエチレン
ナフタレートフィルム)、そしてポリ弗化ビニリデン系フィルム(アクリル変性
弗化ビニリデンフィルムを含む)がある。樹脂フィルムを誘電反射層に密着させ
て適用するには、例えば、前述のようなアクリル系接着剤を使用するのが好適で
ある。
【0035】 透明樹脂層は、その層がUVカット効果以外の上記効果のいずれかを有する場
合であっても、UVカット層の形成に使用したものと同様の材料及び方法で形成
することができる。透明樹脂層の厚みは、光フィルターの光透過率が上記レベル
より下回らないように設定される。例えば、アクリル系樹脂を含有する層の場合
、比較的透明性が高いので、アクリル系樹脂層の厚みは、0.1〜10μmの範
囲であるのが好ましい。
【0036】 透明樹脂層及びEMIシールド層は、例えば、それぞれ誘電反射体層の一方の
表面に直接密着させて適用することができる。とりわけ、光フィルターは、UV
カット層、誘電反射層及びシールド層をこの順に含む積層体を含むことができる
。また、誘電反射層の上に透明樹脂層及びEMIシールド層の一方を密着させ、
その上に他方の層を配置することもできる。
【0037】 光フィルターが2枚の透明支持体を含む場合、例えば、次のような方法によっ
て光フィルターを形成してもよい。まず、第1の支持体の上に誘電反射フィルム
をアクリル系感圧接着剤を介して密着させ、次いで、その誘電反射層の上にEM
Iシールド層を配置する。EMIシールド層は、誘電反射フィルムの表面にコー
ティングすることができる。ここで使用可能なコーティング方法としては、例え
ば、蒸着又はスパッタリングのような薄膜形成法や、導電性ペーストを塗布する
方法がある。また、透明なプラスチックフィルムとEMIシールド層とからなる
積層フィルムを用い、これを、誘電反射フィルムの上にアクリル系感圧接着剤を
介して密着させてもよい。上記プラスチックフィルムに好適な材料としては、ポ
リエチレンテレフタレート、アクリル系ポリマー、そしてポリ弗化ビニリデンが
ある。また、EMIシールド層は、プラスチックフィルムの表面にコーティング
して形成してもよい。
【0038】 次に、第1の支持体/誘電反射フィルム/EMIシールド層からなる積層体の
上に第2の支持体を配置し、その第2の支持体の上に例えばUVカット層のよう
な透明樹脂層を配置し、光フィルターを完成させる。上記した積層体と第2の支
持体とは、密着させてもよく、あるいは密着させなくてもよい。密着させること
が推奨される場合は、アクリル系接着剤を使用するのが好ましい。透明樹脂層は
、前述の方法(すなわち、誘電反射層の上に透明樹脂層を直接設ける方法)と同
様の方法を用いて形成してもよい。また、透明樹脂層の上に他の層、例えば反射
防止層(詳細は後述)を配置してもよい。
【0039】 ある用途の場合には、本発明の光フィルターの誘電反射層の上に、直接もしく
は透明樹脂層を介して、反射防止層を配置するのが好適である。これは、上記誘
電反射層および透明樹脂層は、表面性(表面粗さ)が高く、表面反射率が比較的
高いので、ディスプレィ装置の画面が見えにくくなるおそれがあるからである。
反射防止層は、このような不所望の表面反射を効果的に防止できる。誘電反射層
が2枚の透明支持体で挟持されている場合、ディスプレィ装置の画面と対向しな
い側の支持体表面に、反射防止層を配置することもできる。反射防止層としては
、例えば、表面がマット加工されたフィルムを用いることができる。
【0040】 また、誘電反射層の上には、直接もしくは透明樹脂層を介して、汚損防止層を
配置して、フィルター表面に引っ掻き傷が付くのを効果的に防止したり、ヒトの
指紋等の汚れがフィルター表面に付着し、画面が見えにくくなることを効果的に
防止するのが好適である。好ましい1態様において、汚損防止層は、フッ素系コ
ーティング剤(例えば、米国ミネソタ州セントポール在の3M社から商名「フロ
ラード(Fluorad)」として入手可能なもの)から形成するか、さもなけ
れば、前記したように、透明樹脂としてフッ素系ポリマーを含む樹脂層から形成
することができる。また、反射防止層は、米国特許出願第09/006,379
号に記載されるように、誘電層を共押出しして形成してもよい。
【0041】 汚損防止層の形成のためのフッ素系ポリマーとしては、THV(テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド)、ポリ弗化
ビニリデン、TFE−PDD(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ環状重合
体)等を挙げることができる。また、本発明の作用効果を損なわない限り、フッ
素系ポリマーと、例えばアクリル系ポリマー等の非フッ素系ポリマーとを混合し
て用いることもできる。好適なフッ素系ポリマーは、THV等の結晶性ポリマー
である。TFE−PDD等の非晶質のフッ素系ポリマーは、高温での耐熱性が比
較的低く、耐熱性を高めるため、架橋させることのような追加の工程や材料(架
橋剤)が必要であるからである。結晶性のフッ素系ポリマーは、架橋等の余分な
工程や材料(架橋剤)を必要とすることなく、樹脂層の耐熱性を容易に高めるこ
とができる。
【0042】 好適な反射防止層は、フッ素系ポリマーを含む4分の1波長樹脂層である。こ
の層は、誘電反射層の少なくとも一方の面と対向するように配置され、層の厚さ
と屈折率とが前述の所定の関係を満たすものである。4分の1波長樹脂層の積(
n×d)を決定する可視光の波長としては、通常430〜640nmの範囲(3
原色帯域の全域を含む範囲)、好適には515〜575nmの範囲(3原色帯域
のほぼ中央域であり、緑の帯域を含む範囲)の帯域に含まれる1つの値が選ばれ
る。これにより、可視光帯域のほぼ全域の光に対する反射防止作用が効果的に高
められる。たとえば、550nmの波長を選択し、上記した積(n×d)が13
7.5になるように、樹脂の屈折率と層の厚さを決定する。たとえば、屈折率が
1.36のTHVを用いた場合、厚さ約101nmのTHV層を、誘電反射層の
反射面に設ける。このような4分の1波長樹脂層からなる反射防止層は、ディス
プレィ装置の視認度を低下させる可視光帯域の光の表面反射を効果的に低減させ
る。
【0043】 上記4分の1波長樹脂層(フッ素系ポリマーを含む樹脂層)は、例えば下記の
ような方法によって、誘電反射層の少なくとも一方の面と対向するように配置す
ることができる。 (1)誘電反射層の上に直接、または (2)前述の透明樹脂層やEMIシールド層を設けた後、それらの上に、 4分の1波長樹脂層を密着させる。このように密着した層は、フッ素系ポリマー
を含む樹脂コーティング塗料を塗布して形成できる。
【0044】 また、上記(1)及び(2)の手法のどちらの場合にも、4分の1波長樹脂層
の密着性を高めるために、プライマー層を用いるのが好適である。特に、4分の
1波長樹脂層が、光フィルターの最上層に配置される場合、4分の1波長樹脂層
の耐摩耗性(耐スクラッチ性)を効果的に高めることができる。プライマー層に
は、たとえば、シランカップリグ剤等のカップリング剤を含有する塗膜が使用で
きる。また、プライマー層の厚さは、通常0.01〜1μmである。
【0045】 上記4分の1波長樹脂層は、たとえば、次のようにして形成できる。まず、T
HV等のフッ素系ポリマーを、MEK(メチルエチルケトン)等の極性溶剤に溶
解し、樹脂塗料を調製する。樹脂塗料中のフッ素系ポリマーの濃度は、通常0.
5〜10重量%である。次に、その樹脂塗料を、バーコート、ナイフコート、ロ
ールコート、ダイコート、スピンコート等の塗布手段を用いて、誘電反射層また
は透明樹脂層の上に塗布し、乾燥し、フッ素系ポリマーを含有する塗膜からなる
4分の1波長樹脂層を形成する。この乾燥塗膜の厚さが上記所定の範囲になるよ
うに、塗布液の濃度や塗布条件を適宜決定する。
【0046】 前述のように、通常の誘電反射層は、屈折率が互いに異なる2種類のポリマー
を複数層にも重ねてなるものであるので、膜厚のコントロールが難しい。また、
膜厚が変動するために、本来反射されるように設計されていない可視光帯域の光
もわずかに反射してしまうおそれがある。このような可視光帯域の反射率は10
%程度になる場合もある。しかしながら、上記反射防止層付き光フィルターは、
ディスプレィ装置の視認度が損なわれるのを効果的に防止できる。
【0047】 一方、上記手法(2)に従って、透明樹脂層やEMIシールド層を設けた後、
それらの上に4分の1波長樹脂層を密着させた場合、反射防止効果を不要に低下
させないために、透明樹脂層やEMIシールド層の屈折率(nU )が、4分の1
波長樹脂層の屈折率(nT )とは通常は異なるようにする。好適には、nU 及び
T が式nU >nT を満足させる。このようにすることにより、反射防止効果を
低下させずに、透明樹脂層やEMIシールド層の作用効果を発現させることがで
きる。好適には、nU 及びnT は、式:0.8×(nT )2≦nU ≦1.2×(n T )2を満足させ、特に好適には、nU が(nT )2にほぼ等しい。nU が(nT )2 に近いほど、反射防止効果の低下が効果的に防止できる。
【0048】 有機物であるポリマー樹脂は、無機物に比べて比較的屈折率が低い。したがっ
て、4分の1波長樹脂層と誘電反射層との間に樹脂を配置して、それら両層と密
着する透明樹脂層の屈折率を高めるためには、 (I)分子内にベンゼン環、フッ素原子以外のハロゲン原子、および硫黄原子
のうちの少なくとも1つ含むポリマーを用いること、 (II)酸化チタン、五酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化
アルミニウム等の高屈折率酸化物コロイドを混入すること、 等の手段を用いるのがよい。上記手段(II)の場合、透明樹脂層がハードコート
層としても機能し、4分の1波長樹脂層の耐摩耗性(耐スクラッチ性)を効果的
に高めることもできる。
【0049】 上記酸化物コロイドは、その粒径が可視光の波長よりも小さいので、比較的多
量に酸化物コロイドを使用しても、樹脂層の透明性は損なわれない。粒径は、電
子顕微鏡で測定した値で、好適には1〜300nmである。粒径が1nm未満で
は、耐摩耗性が高められないおそれがあり、また、粒径が300nmを超えると
、コロイドの分散性や透明樹脂層の透明性が低下するおそれがある。また、酸化
物コロイドの含有量は、全樹脂100重量部に対して、通常50〜1,000重
量部である。また、酸化物コロイドを均一に分散させるために、シランカップリ
ング剤等のカップリング剤を添加するのがよい。
【0050】 4分の1波長樹脂層と組み合わせて用いられる透明樹脂層の厚さは、通常1〜
40μmの範囲である。透明樹脂層にコロイド状シリカを含有させ、4分の1波
長樹脂層の耐摩耗性を効果的に高めてもよい。 上記のような反射防止層付き光フィルターは、アクリル樹脂、ガラス等からな
る透明な支持体の上に、透明な接着剤を介して、反射防止層と誘電反射層とを含
む積層体を固定して形成する。この場合、(i)反射防止層が接着剤と接してい
ても、また、(ii)誘電反射層が接着剤と接していても、よい。しかしながら、
好ましくは反射させたくない、すなわち、好ましくは透過させたい可視光が、反
射防止層を透過した後に誘電反射層に入射するような手法で光フィルターを使用
してもよい。たとえば、ディスプレィ装置用フィルターは、ディスプレィ装置の
画面と、反射防止層との間に誘電反射層が配置されるような手法で使用するのが
好適である。
【0051】 また、反射防止層を、汚損防止層としても利用する場合は、上記(ii)の形態
において、反射防止層を最上層の上に配置するのが好適である。さらに、透明支
持体の、反射防止層と誘電反射層とを含む積層体が接着していない側の表面に、
フッ素系ポリマーを含有する樹脂層を設け、この面にも汚損防止効果を付与した
り、可視光の透過率をさらに向上させることもできる。さらにまた、反射防止層
付き光フィルターとして、支持体を含まない、反射防止層と誘電反射層とを含む
積層体を用いることもできる。
【0052】 反射防止層付き光フィルターは、ディスプレィ装置用フィルターとして以外の
用途も有している。例えば、光フィルターは、車両(自動車、列車等)、船舶、
航空機、建物の部屋(室)の窓ガラス等に貼り付けて使用して、省エネルギーフ
ィルムとして用いることができる。これらの用途では、窓ガラスにおける可視光
の表面反射を抑え(すなわち、可視光の透過率を効果的に高め)、窓ガラスの外
の景色等の視認性を低下させることなく、熱線を含む赤外帯域の光、紫外線、人
体に有害な電磁波等のカットしたい光を効果的に反射することができる。省エネ
ルギーフィルムは、通常、窓ガラスの室内側に、反射防止層が室内側に面するよ
うにして貼り付ける。窓ガラスへの貼り付け(接着)手段には、前述の透明(光
透過性)接着剤が利用できる。また、この場合、通常は前述のような透明支持体
を含まない光フィルターを、直接窓ガラスに接着する。
【0053】 上記のような反射防止層付き光フィルターを窓ガラスに接着して得られる構造
体は、本発明のもう1つの実施形態を提供する。すなわち、この構造体は、(1
)窓ガラスと、(2)その窓ガラスの少なくとも一方の表面に接着された、本発
明の反射防止層付き光フィルターとを含む窓ガラス構造体である。このような窓
ガラス構造体は、窓ガラスの外の景色等の視認性を低下させることなく、熱線を
含む赤外帯域の光による室内の温度上昇を防止でき、室内の冷房効率を効果的に
高めることができる。
【0054】 一方、ディスプレィ装置用フィルターとして用いる場合、光フィルターの周縁
部のような、フィルターを通して画面等を視認するのに邪魔にならないフィルタ
ー表面に、又は積層構造体のフィルター内部の位置に、例えば金属箔のような導
電性材料を配置し、アース部位を設けることもできる。好適な金属箔には、銅箔
テープがある。
【0055】 さらに、本発明の光フィルターは、その光フィルターを反射型カラーフィルタ
ーとして用いるため、着色された誘電反射層をさらに有していてもよい。例えば
、前述のように、IR光を反射可能な誘電反射層を、所定の波長帯域の可視光を
反射し、それ以外の帯域の所望の可視光を透過するようにし、所望の可視光だけ
を被照明物に照射し、熱線等を比較的多く含む光を被照明物には当たらないよう
に構成する方法を使用することができる。所定の波長帯域の可視光を反射するよ
うにするには、前述の誘電反射原理を利用するのが好適である。すなわち、誘電
反射層を、第1組及び第2組の誘電反射層単位の少なくとも一方が、厚み(d)
とポリマーの屈折率(n)の積、すなわち、n×dが、IR光及び、所定の可視
光の波長の4分の1である4分の1波長層を含むように構成してもよい。
【0056】 本発明の光フィルターは、プラズマディスプレィ装置のディスプレィ画面の前
面側に配置して使用するのに特に適している。プラズマディスプレィ装置は、例
えば、希ガス(例えば、Ne又はXe)のプラズマ放電に伴う発光を利用する平
面型発光素子であることができ、「プラズマ表示素子(PDP)」と呼ばれてい
る。駆動方式は、交流駆動及び直流駆動のどちらでもよい。画面のサイズは、通
常20〜60インチであり、また、視野角は、通常140度以上である。下記の
ような理由から、このようなディスプレィ装置と組み合わせて、本願明細書に記
載のダイクロイックフィルターを使用するのがとりわけ有用である。
【0057】 (1)プラズマディスプレィ装置の画面サイズは比較的大きいので、従来の光
フィルターでは、画面全体において光フィルター効果を十分に発揮することがで
きない。 (2)不所望の波長帯域の光(例えば、短波長電磁波、紫外線、そしてIR光
)が比較的強く放出され、また、特にIR光の放出は、リモコン装置の誤作動を
招くおそれがある。
【0058】 (3)比較的大きな画面から、ディスプレィ装置の周囲の広範囲にわたって上
記不所望の光を放出するので、ディスプレィ装置の周囲に配置された、すべての
ディスプレィ装置以外の機器への影響が懸念される。 本発明の光フィルターは、比較的大きなサイズのディスプレィ画面の前面側に
配置して使用される場合でも、画面全体において光フィルター効果を十分に発揮
することができるので、ディスプレィ装置の周囲に配置された、すべてのディス
プレィ装置以外の機器への悪影響(リモコンの誤作動等)を効果的に防止できる
。また、本発明の光フィルターは、観察者が画像を視認するための可視光を不要
に吸収することのない高透明性を有するので、画質を損なうことなく高品質の画
像を観察者に見せることができる。
【0059】 したがって、本発明の1つの面は、プラズマディスプレィ装置と、そのディス
プレィ画面の前面側に配置された光フィルターとを含み、ディスプレィ装置の画
質を低下させることなく、その他の機器へ悪影響を及ぼす不所望な発光を効果的
に防止できるディスプレィ装置にある。前述のように、本発明の光フィルターを
使用すると、可視光に対する透明性が高く、不所望な波長帯域の光を効果的にカ
ットすることができるという作用効果が発現する。特に、本発明の光フィルター
は、従来の技術において未解決の問題であった、可視光の吸収に原因した透明性
の低下によって引き起こされる画質の低下を防止でき、また、A/V装置のリモ
コンの誤作動を引き起こすIR波長帯域の光を効果的にカットすることができる
という点で注目に値する。さらに、本発明の光フィルターに例えばフッ素系ポリ
マー含有層のような汚損防止層を含ませることによって、フィルター表面のスク
ラッチング又はフィルター表面に対する汚染や指紋の付着を最小限に抑えること
ができる。さらにまた、4分の1波長樹脂層を設ける場合には、可視帯域の波長
の光の反射を低下させて、ディスプレィ装置の視認性の低下を効果的に防止する
ことができる。赤外(IR)センサーフィルター 例えばプラズマディスプレイ装置やコンパクト蛍光バルブのような、リモート
コントロール方式のA/Vシステムに干渉し得る不所望なIR線を放出する発光
源の他に、A/Vシステムのリモートコントロールをも妨害し得るような最近の
技術も紹介されている。そのような技術としては、高周波データの流れを使用し
た装置、例えば、データ中継装置、キーボード、ディジタルカメラ/プリンタの
リンク機構、そしてローカルエリアネットワーク(LAN)を含めたコンピュー
タ周辺機器がある。これらの装置の赤外発光は、高周波であり、A/Vシステム
の低速検出器によって復調すると、見かけ上ランダムなコマンドを発生すること
ができる。この場合に、高周波装置の運転には興味をもった波長帯域の信号を発
生させることが必要となるので、発光源のフィルタリングを行うことは実用的で
ない。実際、不所望な高周波発光がリモートコントロール装置からの低周波発光
に干渉しないようにするため、A/V装置の赤外検出器に対する入力信号をフィ
ルタリングすることが望ましい。
【0060】 本発明のポリマー製ダイクロイックフィルターは、反射から透過に至る迅速な
遷移を示し、経費を必要とせず、また、特定の用途の要件を満足させるために容
易に適合することができる。図6は、ノッチフィルター12とディフューザー1
4を使用することによって、短い干渉波長と長い干渉波長の両方を排除するため
にフィルター10を使用する例を示したものである。ディフューザー14で、受
理される信号に対して広い観察角が与えられる。ディフューザー/フィルターア
センブリの幅とそのアセンブリの電子デバイス22のデテクタ素子からの距離の
比を小さくすればするほど、透過される波長と反射される波長との間の有効分光
識別比が増大せしめられるであろう。適用に際しては、この比をデテクタの感度
とバランスさせるべきである。ディフューザー/フィルターアセンブリの光学的
口径(アパーチュア)は、デテクタのアパーチュアにほぼ等しいことが好のまし
い。図6のIRフィルターは、いかなるダイクロイックフィルターであってもよ
いけれども、好ましくは、多層構造の複屈折ポリマーから作られたフィルターで
ある。また、このフィルターは、米国特許出願第09/006,085号におい
て開示されているように、高透過率から高反射率までシャープな遷移を示すよう
に設計されていることが好ましい。
【0061】 第2の形態は、図7に示されている通りである。この図では、ひとつの面にお
いて広い観察角が与えられ、直交する面において制限された観察角が与えられる
ように、IRフィルター30がわん曲せしめられている。IRフィルムは、その
フィルムが円筒体(シリンダ)の弧に追従し、デテクタの表面がその弧の中心に
位置するように、わん曲せしめられている。このように構成した場合に、弧の半
径をデテクタのアパーチュアとの関連において増加させると、光学的な識別力を
増大させることができる。また、そのフィルムを球形となるように成形すること
によって、上記した両方の面における観察角をさらに増大させることができる。
この複合した球形は、米国特許出願第09/126,917号に記載されている
ようにフィルムを熱成形することによって製造することができる。熱成形を行う
と、フィルムの局部的な薄膜化に原因して分光シフトが引き起こされるであろう
し、また、分光シフトに適応させるため、フィルムの形状を球形から変形させる
こともできる。
【0062】 次いで、本発明を下記の実施例を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下
記の実施例に限定されるものではないことを理解されたい。実施例1 本発明の光フィルターを次のようにして作製した。 先ず、透明であって、そのサイズが、厚み2mm、平面たて方向寸法36cm
、横方向寸法47cmであるアクリル樹脂板(三菱レイヨン社製、光透過率は約
100%)を支持体として用意した。この透明支持体の上に、厚みが55μm(
平面寸法は上記支持体と同じ)の誘電反射フィルムを、アクリル系感圧接着剤(
イソオクチルアクリレート/アクリル酸共重合体、光透過率は約98%)からな
る接着層を介して密着させた。
【0063】 上記のようにして光フィルターを作製するに当たり、接着層は、上記感圧接着
剤を含む溶液を、ナイフコータを用いて誘電反射フィルムの一方の表面に厚み2
5μmで塗布して形成した。また、誘電反射フィルムは、第1のポリマーとして
ポリエチレンナフタレート(PEN)(屈折率=1.64)をかつ第2のポリマ
ーとしてポリメチルメタクリレート(PMMA)(屈折率=1.49)をそれぞ
れ用い、国際特許公開(WO)第95/17303号に開示の方法により調製し
た。このようにして調製した誘電反射フィルムは、図2に示すような透過分光ス
ペクトルを有していた。なお、図示のスペクトルは、誘電反射フィルムの表面の
法線に沿って入射した光に対する測定結果である。また、この誘電反射フィルム
では、透過しない光は実質的にすべて反射され、IR帯域の光(800〜1,0
00nmの波長スペクトル)の透過率は低く、その帯域の光の反射率は80%以
上であった。なお、これらの光透過率及び反射率は、日立社製の自記分光光度計
「(形式)U−4000」を用いて測定した値である。
【0064】 上記のようにして作製した光フィルターのIR光カット効果を、次のような手
順に従って確認した: 先ず、富士通社製の21インチ・プラズマディスプレィ(PDP)装置「(型
番)PDS−2170」と、ビクター社製のビデオデッキ「(型番)HR−S7
800(リモコン装置を標準装備)」を用意した。ビデオデッキを、ディスプレ
ィ画面の水平方向ほぼ中央から、画面の法線方向に沿って約0.5m離れた位置
で、デッキのリモコン信号受信部(受光部)が画面法線に対してほぼ垂直に配置
されるように、設置した。この時のデッキ配置角度(θ)を0°とした。
【0065】 次に、PDPのディスプレィ画面に静止画像を映し出し、先に作製した光フィ
ルターごしに画面を観察した。その結果、4種の色画面、すなわち、画面全面が
赤、緑、青又は白の4種の色(発光色)すべてにおいて、それぞれの色として明
るい画面が確認できた。 一方、ビデオデッキのリモコン装置を、PDPのハウジングの上、ディスプレ
ィ画面の水平方向ほぼ中央位置で、リモコン装置が画面にかぶさらないようにし
ながら、デッキの信号受信部に向かってリモコン信号を送り、リモコン操作を行
った。上記と同じ赤、緑、青及び白の4種の画像において、(i)オン−オフ、
(ii)再生、(iii )早送り、(iv)巻戻し、及び(v)一時停止の5種のリモ
コン操作を行ったところ、すべての色画面において、誤作動することなく、すべ
てのリモコン操作を行うことが可能であった。
【0066】 比較のため、PDPのディスプレィ画面の画面側に本例の光フィルターを取り
付けないという相違点を除いて、上記と同様にしてデッキのリモコン操作を行っ
た。結果として、上記すべての色の画面において、すべてのリモコン操作が不可
能であった。これらの結果は、図3に示されるPDP画面の発光スペクトル、そ
して図4に示されるリモコン信号の発光スペクトルからさらに容易に理解するこ
とができるであろう。
【0067】 図4から分かるように、リモコン装置は、約850〜1,000nmの波長帯
域のIR光を発信している。一方、図3において比較例として参照する細い線の
グラフから分かるように、RDP画面は、約850〜1,000nmの範囲のI
R光を発している。一方、太い線のグラフは、本例の光フィルターをPDP画面
前面に配置した場合にはそのようなIR光が有効にカットされるという本発明例
を示している。ビデオデッキの信号受信部が、リモコン信号と、PDP画面から
放出された、リリモコン信号の光信号とほぼ同じ波長帯域及びほぼ同じ強度のI
R光との両方を受信した場合、そのデッキが作動することはない。しかしながら
、PDP画面が放出するIR光を、その画面前面に配置した光フィルターが有効
にカットした場合、上述のような誤作動を効果的に防止することができる。
【0068】 IR光のカット効果についての試験を、上記配置角度θを変更するという相違
を除いて、上述のような手法に従って実施した。配置角度θが0〜45°の範囲
では、上記のようなデッキのリモコン誤作動は必ず生じ、θが約60°になると
幾分発生しにくくなった。これとは対照的に、本例の光フィルターを画面前面に
配置した場合、θが0〜60°の範囲で、このような誤作動は確実に防止できる
ことが分かった。実施例2 ダイネオン(株)社製のTHVポリマー「(品番)THV200」を、MEK
中に、濃度が3.4重量%となるようにして溶解し、得られた溶液(樹脂塗料)
をワイヤーバー(直径0.4mm)で、誘電反射フィルム(誘電反射層)の表面
(透明支持体と接着されていない側の表面)に塗布し、乾燥し、厚さ101nm
の4分の1波長樹脂層を形成した以外は、前記実施例1と同様にして本例の光フ
ィルターを作製した。なお。上記THVポリマーの屈折率は、1.36であった
【0069】 本例の光フィルターの反射率を、前記実施例1で用いたのと同じ分光光度計を
用いて測定した。測定結果を図5に示す。光は、4分の1波長樹脂層の方から、
誘電反射層内に入射するようにした。なお、同図には、参考のため、実施例1の
光フィルター(4分の1波長樹脂層を設けていない)の測定結果も合わせて示す
。図5にプロットした結果から明らかなように、4分の1波長樹脂層の反射防止
層としての効果により、IR光カットの性能を損なうことなく、可視光帯域(約
430〜640nm)の反射率が低減できる。実施例3 前記誘電反射フィルム(誘電反射層)の表面(透明支持体と接着されていない
側の表面)にプライマー層を設け、そのプライマー層の上に4分の1波長樹脂層
を形成した以外は、前記実施例2と同様にして本例の光フィルターを作製した。
なお、上記プライマー層は、シランカップリング剤(1重量%濃度のエタノール
溶液)をワイヤーバーで塗布し、乾燥させて得た、厚さ約30nmの塗膜であっ
た。
【0070】 本例の光フィルターは、前記実施例2のものと同等のフィルター性能(IR光
カット性および反射防止性)を有していた。また、汚損防止性の評価のために4
分の1波長樹脂層の表面に故意につけた手指の指紋跡は、市販のティッシュペー
パーを用い、手で2〜3回擦ることだけで、4分の1波長樹脂層の表面に傷が入
ることなくきれいに拭き取ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光フィルターに含まれる誘電反射層の波長選択反射原理について説明
した略示断面図である。
【図2】 本発明の実施例で使用した誘電反射フィルムの透過分光スペクトルを示すグラ
フである。
【図3】 実施例におけるPDP画面の発光スペクトルを示すグラフである。
【図4】 実施例で使用したリモコン装置のリモコン信号の発光スペクトルを示すグラフ
である。
【図5】 実施例1および実施例2で作製した光フィルターの波長による反射率の変動を
示すグラフである。
【図6】 赤外センサーに対する入力部でディフューザーをIR光フィルターと組み合わ
せたことを示す本発明の1態様の模式図である。
【図7】 カーブ付きのIR光フィルターを使用して1つの観察面において側面観察角を
もたらすことを示す本発明の別の態様の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 陽田 彰 〒194−0003東京都町田市小川3丁目9− 19 (72)発明者 中村 達也 〒229−0031神奈川県相模原市相模原1− 1−32−706 Fターム(参考) 2H048 GA05 GA11 GA12 GA24 GA33 GA34 GA61 5G435 AA00 AA01 AA16 BB06 CC12 GG11 GG16 HH02 HH03 KK07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電反射層を含んでいて、特定波長帯域の光を所定の割合で
    反射しかつ可視光帯域の光を所定の割合で透過する光フィルターであって、 前記誘電反射層が、それぞれ第1のポリマーからなる複数の層から構成された
    第1組の誘電反射層単位と、それぞれ前記第1のポリマーとは異なる屈折率を有
    する第2のポリマーからなる複数の層から構成された第2組の誘電反射層単位と
    を組み合わせて含み、その際、前記第1組及び第2組の誘電反射層単位は、第1
    のポリマーの層と第2のポリマーの層とを交互に積層することにより組み合わさ
    れており、そして前記誘電反射層は、上記の反射する光の反射率が70%以上で
    あり、かつ、青の帯域(波長:430〜490nm)、緑の帯域(波長:515
    〜575nm)及び赤の帯域(波長:580〜640nm)を含めた、可視スペ
    クトルの3原色帯域の光透過率が60%以上である、光フィルター。
  2. 【請求項2】 前記第1組及び第2組の誘電反射層単位の少なくとも一方が
    、厚み(d、単位はnm)とポリマーの屈折率(n)との積、すなわち、n×d
    が、反射する光の波長の4分の1である4分の1波長層を含んでいる、請求項1
    に記載の、光フィルター。
  3. 【請求項3】 前記4分の1波長層の積(n×d)が200〜250nmの
    範囲であり、かつ800〜1,000nmの範囲の波長帯域の光反射率が70%
    以上である、請求項2に記載の光フィルター。
  4. 【請求項4】 前記誘電反射層の少なくとも一方の面と対向するように配置
    された樹脂の層をさらに含んでなり、かつ、その層の樹脂が、フッ素系ポリマー
    を含んでいる、請求項1に記載の光フィルター。
  5. 【請求項5】 前記樹脂の層の厚さ(d、単位はnm)と樹脂の屈折率(n
    )との積、すなわち、n×dが、前記誘電反射層を透過可能な可視光の波長の4
    分の1である、請求項4に記載の光フィルター。
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