JP2002218339A

JP2002218339A - デジタル放送受信機

Info

Publication number: JP2002218339A
Application number: JP2001007753A
Authority: JP
Inventors: Kohei Ueno; 耕平植野
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 2001-01-16
Filing date: 2001-01-16
Publication date: 2002-08-02

Abstract

(57)【要約】【課題】種々伝送パラメータを使用して伝送する地上
波デジタル放送方式に対応した受信機において、受信エ
リア情報から、予め記憶した受信地域対伝送パラメータ
対応表を参照することにより、初期同調を速やかに成功
させ、新たな伝送パラメータを取得できるようにするこ
と。【解決手段】選局手段と、地上波デジタル放送伝送方
式を用いて伝送されるＯＦＤＭフレームをデコードする
手段と、同じく伝送パラメータが多重されているＴＭＣ
Ｃ部を復号する手段と、視聴者が受信している地域を入
力し、受信地域を検知する受信地域検索手段と、復調パ
ラメータを制御し同調や復号に利用するように作用させ
る手段と、復調パラメータを記憶しておく手段とを、具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地上波デジタル放
送受信機等のデジタル放送受信機に係り、特に、ＩＳＤ
Ｂ−Ｔ（Integrated Services Digital Broadcasting−
Ｔ）の伝送方式を採用し、ＳＦＮ（Single Freqency Ne
twork）、ＭＦＮ（Multi Freqency Network）等を混合
したネットワーク構成を採用している放送方式・運用方
式の受信に用いて好適なデジタル放送受信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の地上波放送はＮＴＳＣで伝送され
ており、伝送モードは唯一のモードで伝送されている。
すなわち、輝度信号と２つの色差信号に分離し、色信号
は色副搬送波にて表し、搬送波抑圧されたキャリアを使
った直角２相変調方式で振幅変調し、輝度信号、同期信
号、バースト信号等を挿入している。さらに、周波数イ
ンターリービングにて周波数の使用効率を高めている。

【０００３】一方、地上波デジタル放送方式は、日本固
有のＯＦＤＭ（Orthogonal Frequency Division Multip
lex；直交周波数分割多重）、すなわちＢＳＴ−ＯＦＤ
Ｍ（Band Segmented Transmisson−ＯＦＤＭ）で転送さ
れる。このＯＦＤＭは、伝送帯域を小さなセグメントの
グループに分割し、各グループに所要のパラメータで伝
送路符号化を施し、劣化耐性が異なる複数の伝送が可能
な階層伝送方式である。これらの構成は、番組の編成情
報に基づいて行われ、この編成情報を階層伝送の制御信
号として、ＴＭＣＣ（Transmission and Multiplexing
Configration Control；伝送および多重構成制御）信号
により、受信機に伝送される。さらに、地上波デジタル
テレビジョン放送の導入では、現行アナログ放送のＵＨ
Ｆ帯空きチャネルを使用し、周波数の有効利用のため、
放送区域毎に単一の周波数ネットワークを構築すること
が予定されている。ところが、種々干渉妨害等による影
響などを極力抑圧し、正受信率を確保するため、一部、
複数の周波数ネットワークの導入も想定されている。

【０００４】受信機は、受信している地域のネットワー
ク情報や伝送制御信号情報を、ＴＭＣＣやＮＩＴ（Netw
ork Information Table；ネットワーク情報テーブル）
を受信・デコードし、正しく検知することができるが、
初期状態すなわち初期同調が成功するまでは、受信地
域、受信ネットワーク情報や伝送制御情報を検知できな
い。初期状態において、いかに速やかに同調するかが重
要な受信性能であり、導入前であること等から、放送区
域毎のネットワークを考慮した最適な初期同調に関連す
る方式や手順は、従前提案されていない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記の初期状態におい
て、番組の編成情報に基づいて行われた階層伝送の種々
制御信号を予め受信機に用意・格納しておき、それらを
元に同調した後、ＴＭＣＣ信号を受信・参照し、予め持
っていた番組の編成情報に基づいて行われた階層伝送の
種々制御信号を更新することにより、次回同調以降から
優先的に当該伝送モードを元に同調開始することによ
り、速やかに同調することが可能となる。この番組の編
成情報に基づいて行われた階層伝送の種々制御信号の情
報を、どのように受信機に持たすか、また更新していく
かが課題となる。

【０００６】さらに、地上波デジタルテレビジョン放送
の導入では、現行アナログ放送のＵＨＦ帯空きチャネル
を使用し、周波数の有効利用のため、放送区域毎に単一
の周波数ネットワークを構築することが予定されている
が、放送区域毎、干渉妨害等の影響を避けるため、単一
の周波数ではなく複数の周波数を使用する場合がある。
また、移動しながらの受信や引っ越し等による受信地域
の変更等では、伝送モードだけでなく、ＮＩＴに含まれ
る周波数情報から、現行受信している地域のモードを速
やかに検知しなければならない。現在ＮＩＴに記述され
るネットワーク情報は、代表的なもののみの記述が予定
されており、実際に同調した際検知した周波数等がスト
リームに記述されている周波数情報等と異なる可能性が
高い。よって、この２つの周波数情報の管理手段の実現
も課題となる。基本的に受信機は、ＮＩＴの情報を元に
同調するため、ＮＩＴの情報と実際に同調した情報の相
関をとり、次回の同調に利用することが必要である。さ
らに、移動体での受信は、受信地域が刻々変化するた
め、これらの情報を逐次変化する受信地域に更新してや
らなければ、シームレスな受信は実現できない。よっ
て、受信地域の特定手法の実現も課題となる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ための手段の概要は、以下の通りである。

【０００８】まず、予め事前に告知された全国各地の受
信周波数、伝送諸元対応表を記憶しておく。受信してい
る地域は、ユーザが郵便番号や地域設定を入力すること
により、受信機は検知する。受信機は、このユーザが入
力した受信地域情報と、全国各地の受信周波数、伝送諸
元対応表から、受信地域の受信可能周波数、伝送諸元を
参照し、初期同調に使用する。同調に成功した場合、こ
の受信エリア情報、受信周波数情報、モード・ガードイ
ンターバル情報を対応させ、更新記憶する。同調が成功
しなかった場合、受信周波数を変化させずモード、ガー
ドインターバルの一方の組み合わせを試行し同調動作を
行う。さらに同調成功に至らなかった場合は、全国各地
の受信周波数、伝送諸元対応表から、近接するサービス
地域の周波数を選択し、同調動作を繰り返す。以上の手
順において同調に成功した場合は、いずれの場合も、受
信エリア情報、受信周波数情報、モード・ガードインタ
ーバル情報を対応させ、更新記録する。同調が成功しな
かった場合、アンテナの方向や受信障害により受信でき
ないと判定し、受信者にその旨を知らせる。さらに、同
調が成功した場合、復調したデジタル信号（ＭＰＥＧ−
ＴＳ）からネットワーク情報テーブル（ＮＩＴ）を分離
し、その情報から、受信周波数やサービスリストを検知
する。その際、受信地域によっては、単一の周波数ネッ
トワークを構築することが予定されているが、種々干渉
妨害等による影響などを極力抑圧し、正受信率を確保す
るため、一部、複数の周波数ネットワークの導入も想定
されている。そのため、複数の周波数を用いた場合、親
局と中継局の周波数が異なる可能性があり、実際に同調
・同期した周波数とＮＩＴに記述されている周波数が異
なる。このような場合、この周波数の差分を別途記憶す
る手段を備え、受信地域、受信周波数、伝送制御情報、
ＮＩＴ情報等を対応付け、記憶することが必要である。
さらに、ＮＩＴに記述されているネットワーク情報か
ら、全ての受信可能周波数で前記同調動作を実施し、同
調成功時の受信周波数、伝送制御情報を対応付けて受信
機に更新記憶する。次回以降の同調は、この記憶した確
定情報を元に同調制御する。さらに受信地域を移動した
場合、受信機に記憶しているサービスエリア内の同調成
功時の受信周波数、伝送制御信号の対応情報は使用でき
なくなり、新たに対応情報を取得する必要がある。その
際、放送業者毎の伝送制御情報は、全国で相関があると
判断し、受信周波数以外の記憶している伝送制御情報を
優先的に使用し、同調動作を開始する。この作用によ
り、同調を比較的速やかに完了することができる。すな
わち、全国各地の受信周波数、伝送諸元対応表から、受
信した地域の情報を逐次更新記憶し、それ以外の地域に
移動した場合の初期同調は、この対応表を元にした周波
数と更新記憶した放送業者毎の伝送制御信号から動作を
開始する。一方、別の手段、たとえばモデムを介して全
国各地の受信周波数、伝送諸元対応表や、その受信地域
の受信周波数、伝送諸元対応表を受信機に取り込む手段
を設けてもよい。さらに、移動体たとえば自動車等に搭
乗して地上波デジタル放送を受信する場合、受信地域が
刻々と変化するため、逐次受信地域を特定する手段とし
て、自動車等に搭載されている自動測位システムと連動
させ、受信地域を特定することも考えられる。そして、
前記した手段により特定された受信地域に応じ、周波数
や伝送制御信号を切り替え、同調制御することにより、
移動体中でもシームレスに受信・視聴することが可能と
なる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。

【００１０】まず、本発明の各実施形態の説明に先立
ち、標準的な地上波デジタル放送受信機について説明す
る。図１は、標準的な地上波デジタル放送受信機の構成
例を示すブロック図であり、同図において、１は選局
部、２はＯＦＤＭ復調・復号部、３は多重分離部、４は
情報源復号部である。

【００１１】図１に示す構成において、ＵＨＦ帯域で伝
送された放送波は、アンテナを介し、選局部１に入力さ
れる。選局部１は、受信可能なまたは受信したい放送波
の周波数に同調し、希望波だけを取り出し、これをＯＦ
ＤＭ復調・復号部２に出力する。ＯＦＤＭ復調・復号部
２では、アナログ信号をデジタル信号に変換した後、Ｆ
ＦＴ（高速フーリエ変換）を介し、復調・周波数／時間
デインターリーブを施す。さらに階層伝送されている場
合は、変調分割し、それぞれの変調方式に基づいたデマ
ッピングの後、再度合成し、ビットデインターリーブ／
デパンクチュアードする。最後に、ビタビ復号・バイト
デインターリーブ・エネルギー拡散除去をし、ＭＰＥＧ
−ＴＳを再生した後、外符号により誤り訂正する。一
方、伝送制御信号を復号するため、ＯＦＤＭフレームを
デコードし、伝送制御信号部分を判別し、取り出す。多
重されている伝送制御信号の主なものは、次の通りであ
る。すなわち、システム識別（広帯域／狭帯域ＩＳＤＢ
−Ｔ）、キャリア変調方式（ＤＱＰＳＫ／ＱＰＳＫ／１
６ＱＡＭ／６４ＱＡＭ）、畳み込み符号化レート（１／
２，２／３，３／４，５／６，７／８）、インターリー
ブ方式（時間インターリーブの構成）等である。この伝
送制御信号に基づいた復調動作を実行することが必要で
ある。しかし、この伝送制御信号は、当該放送波を受信
し、同調・復調できた後、検知できる信号であり、初期
同調の際は、使用することはできない。そのため、初期
同調をいかに速やかに成功させるかが重要な機能とな
る。

【００１２】前記したように誤り訂正されたＭＰＥＧ−
ＴＳ（以下、ＴＳと記す）は、ビットストリームとし
て、多重分離部３に供給される。多重分離部３では、視
聴したい映像信号や音声信号、及び番組配列情報等を分
離し、配列情報に基づいた復号・制御を行う。特に番組
配列情報において、地上のネットワークの情報が記述さ
れているＮＩＴについて説明する。ＮＩＴの中に、地上
の分配システムの情報を記述した地上分配システム記述
子がある。記述子には、エリアコード（サービスエリア
の特定）、ガードインターバル、モード情報、周波数情
報等が記述される。いずれも、選局、ＯＦＤＭ復調の際
使用する重要な情報で、同調する際、この情報が誤って
いると永久に受信できない可能性がある。しかし、この
ＮＩＴも前述の伝送制御信号と同様に、同調、ＯＦＤＭ
復調が成功しないと、検知・デコードできない。初期同
調で同調した際、ＮＩＴの情報と実際に同調したパラメ
ータを比較し、以後、齟齬をきたさないように考慮し、
制御してやる必要がある。

【００１３】そして、視聴したい映像・音声は、多重分
離部３より情報源復号部４に出力される。情報源復号部
４において、ＭＰＥＧで符号化された映像信号及び音声
信号は復号され、提示装置にて提示される。

【００１４】次に、本発明の各実施形態について説明す
る。図２は、本発明の第１実施形態に係る地上波デジタ
ル放送受信機の要部構成を示すブロック図である。図２
において、１は選局部、５はＡＤＣ（Ａ／Ｄ変換部）、
６はＯＦＤＭフレームデコード部、７はＴＭＣＣ復号
部、８は受信地域検索部、９は復調パラメータ制御部、
１０は復調パラメータ記憶部である。なお、図２におい
ては、説明の簡略化のために、本発明の要旨に関連する
機能ブロックのみを示してあるが、本実施形態の受信機
も、図１に示した受信機と同様の機能を具備している
（これは、以下の各実施形態においても同様である）。

【００１５】図２に示す構成において、選局部１によ
り、受信可能なまたは受信したい放送波の周波数に同調
し、希望波だけを取り出す。その際、事前にたとえば告
知されている全国各地の受信周波数、伝送諸元対応表
を、復調パラメータ記憶部１０に予め記憶しておく。さ
らに、視聴者に受信エリアを地域設定や郵便番号で入力
してもらい、その情報と全国各地の受信周波数、伝送諸
元対応表を関連付けるため、受信地域検索部８にて、当
該対応表に適合した地域コードに変換する。変換された
コードは、復調パラメータ制御部９に入力される。復調
パラメータ制御部９では、そのコードを元に、復調パラ
メータ記憶部１０から、整合した地域の受信周波数・伝
送諸元を取り出し、選局部１及びＯＦＤＭフレームデコ
ード部６にセットし、初期同調・復調動作を開始する。
この情報を元に復調された信号から、ＴＭＣＣ復号部７
にて変調方式他の伝送諸元を取り出し、この取り出した
情報と復調パラメータ記憶部１０の情報とを復調パラメ
ータ制御部９で照合し、異なっていた場合は、復調パラ
メータ記憶部１０の情報を更新する。さらに、復調パラ
メータ記憶部１０に、整合した地域における他の周波数
や伝送諸元がある場合、全ての組み合わせで同調・復調
を繰り返し、その都度、ＴＭＣＣ復号部７にて変調方式
他の伝送諸元を取り出し、この取り出した情報と復調パ
ラメータ記憶部１０の情報とを照合し、異なっていた場
合、復調パラメータ記憶部１０の情報を更新する。

【００１６】図３は、本発明の第２実施形態に係る地上
波デジタル放送受信機の要部構成を示すブロック図であ
り、同図において、先の実施形態と均等な構成要素には
同一符号を付してある（これは、以下の各実施形態にお
いても同様である）。図３において、１１はＯＦＤＭ復
号部、１２は多重・分離部、１３は周波数差分記憶・変
換部である。

【００１７】図３に示す構成において、選局部１によ
り、受信可能なまたは受信したい放送波の周波数に同調
し、希望波だけを取り出す。その際、事前にたとえば告
知されている全国各地の受信周波数、伝送諸元対応表
を、復調パラメータ記憶部１０に予め記憶しておく。さ
らに、視聴者に受信エリアを地域設定や郵便番号で入力
してもらい、その情報と全国各地の受信周波数、伝送諸
元対応表を関連付けるため、受信地域検索部８にて、当
該対応表に適合した地域コードに変換する。変換された
コードは、復調パラメータ制御部９に入力される。復調
パラメータ制御部９では、そのコードを元に、復調パラ
メータ記憶部１０から、整合した地域の受信周波数・伝
送諸元を取り出し、選局部１及びＯＦＤＭフレームデコ
ード部６にセットし、初期同調・復調動作を開始する。
この情報を元に復調された信号から、ＴＭＣＣ復号部７
にて変調方式他の伝送諸元を取り出し、この取り出した
情報と復調パラメータ記憶部１０の情報とを復調パラメ
ータ制御部９で照合し、異なっていた場合は、復調パラ
メータ記憶部１０の情報を更新する。さらに、復調パラ
メータ記憶部１０に、整合した地域における他の周波数
や伝送諸元がある場合、全ての組み合わせで同調・復調
を繰り返し、その都度、ＴＭＣＣ復号部７にて変調方式
他の伝送諸元を取り出し、この取り出した情報と復調パ
ラメータ記憶部１０の情報とを照合し、異なっていた場
合、復調パラメータ記憶部１０の情報を更新する。

【００１８】一方、各同調動作においてＯＦＤＭフレー
ムデコード部６にて再構成されたビットストリームはＯ
ＦＤＭ復号部１１に入力され、ＯＦＤＭ復号部１１に
て、地上波デジタル放送の伝送路符号化方式を復号し、
ＴＳ信号を取り出す。このＴＳ信号は、多重・分離部１
２に入力し、特に番組配列情報において、地上のネット
ワークの情報が記述されているＮＩＴの中の、地上分配
システムの情報を記述した地上分配システム記述子を検
出し、エリアコード（サービスエリアの特定）、ガード
インターバル、モード情報、周波数情報を取り出す。こ
の情報から、受信者が入力したエリアとこのエリア情報
が合致している場合のガードインターバル、モード情
報、受信周波数を抽出し、復調パラメータ制御部９を介
し、復調パラメータ記憶部１０に記憶されている周波数
他と照合する。もし、ＮＩＴで記述されている情報と当
該記憶情報が異なる場合、周波数差分記憶・変換部１３
にてこの差分情報を記憶しておき、次回の選局時、この
差分情報を元に、ＮＩＴに記述されていた周波数から、
実際に同調可能な周波数に変換し、復調パラメータ制御
部９を介し、選局部１及びＯＦＤＭフレームデコード部
６を制御する。前記差分情報の記憶は、ＮＩＴに記述さ
れている受信エリア毎のパラメータ全ての中で、視聴者
が設定した受信エリアを受信地域検索部８にて変換した
地域コード／エリアコードに限り、照合・記憶する。

【００１９】次に、引っ越し等で受信地域が変わった場
合の対応について説明する。受信地域を引っ越し等の理
由で移動した場合、視聴者に、再度、受信エリアを地域
設定や郵便番号で入力してもらい、その情報と全国各地
の受信周波数、伝送諸元対応表を関連付けるため、受信
地域検索部８にて、当該対応表に適合した地域コードに
変換する。変換されたコードは、復調パラメータ制御部
９に入力される。この受信地域を元に、図２または図３
で説明した動作を開始するが、全国において、伝送パラ
メータは比較的に事業者毎に統一されていることを想定
し、以前の記録から変更された部分とその変更された伝
送諸元を検知し、その伝送諸元他から優先的に初期同調
に入る。このような動作制御により、図２や図３で説明
した動作を最初から繰り返すよりも速やかに同調でき、
情報の取得も円滑に行われる。

【００２０】図４は、本発明の第３実施形態に係る地上
波デジタル放送受信機の要部構成を示すブロック図であ
り、同図において、１４はモデム、１５はモデム制御・
データ変換部である。

【００２１】本実施形態の基本動作は、前記した第１実
施形態と同様であるが、本実施形態は、復調パラメータ
記憶部１０に記憶する情報をどのようにして取得するか
の具体例である。受信者は、強制的に関知することな
く、または、希望に応じて、最新の全国各地の受信周波
数、伝送諸元対応表を業者が格納してあるサーバーにア
クセスして取得する。すなわち、モデム１４を介し、ホ
ストサーバーにアクセスし、全国各地の受信周波数、伝
送諸元対応表を引き出してくる。この全国各地の受信周
波数、伝送諸元対応表は、モデム制御・データ変換部１
５に入力され、入力されたデータ列は、復調パラメータ
記憶部１０に記憶する形式に変換し、記憶する。デジタ
ル放送受信機では、モデム搭載がほぼ必須の機能となっ
ているため、このモデムを利用し、取得する例を説明し
た。

【００２２】なお、モデムの代替手段として、ダウンロ
ード方式を使用し、放送波によってその対応表または更
新差分を配信し、これを順次収集し更新するように構成
してもよい。このようにすると、順次導入エリアが変更
・更新されてもこれに追従できる受信システムが構築可
能となる。

【００２３】図５は、本発明の第４実施形態に係る地上
波デジタル放送受信機の要部構成を示すブロック図であ
り、同図において、１６は自動測位システム、１７は受
信地域検出部である。ここで、自動測位システム１６
は、受信機に具備させてもよいが、ここでは自動車等に
搭載されているシステムを利用するものとしている。

【００２４】本実施形態の基本動作も、前記した第１実
施形態と同様であるが、本実施形態では、移動体たとえ
ば自動車等に搭乗して移動している際に、逐次自分の移
動中の受信エリアが明確に判断できない場合や受信エリ
アの変更を逐次できない場合に、自動車等に搭載されて
いる自動測位システム１６と連動させ、受信エリアの判
別を自動的に行い、受信動作に反映させることにより、
シームレス受信を可能とするものである。すなわち、移
動体に搭載されている自動測位システム１６から、位置
情報を受信地域検出部１７に供給する。受信地域検出部
１７では、位置情報から、地域コード、エリアコードに
変換し、復調パラメータ制御部９を介し、復調パラメー
タ記憶部１０から所望の地域の種々パラメータを取り出
し、選局、復調に使用する。この動作シーケンスによ
り、移動体で移動中でも自動測位システム１６と連動さ
せることにより、リアルタイムで受信地域を検知・特定
することが可能となり、適宜最適な同調・復調が可能と
なる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１に係る発明によれば、視聴者が
入力した受信地域の情報に基づき、予め記憶した全国各
地の受信地域対伝送パラメータのテーブルを検索し、当
該受信地域の伝送諸元を元に同調・復調することによ
り、初期同調を速やかに、かつ確実に実施することがで
きる。さらに、受信した伝送諸元と記憶してある伝送諸
元を比較し、更新することにより、最新のデータを記憶
することが可能となる。

【００２６】請求項２に係る発明によれば、ＴＳのスト
リーム中に含まれるＮＩＴのデータを検知することによ
り、その周波数情報等実際の同調結果と異なった場合、
正しく同調できるように差分を記憶し、常に差分を考慮
し、周波数情報を変換することにより、確実に同調に成
功させることができる。これに対し、差分を記憶しない
でＮＩＴの情報のみで同調動作を開始した場合、永久に
同調に成功しない場合が考えられる。

【００２７】請求項３に係る発明では、実際に同調した
伝送パラメータをたとえば放送事業者毎に整理してお
き、引っ越し等で受信地域が変更になった場合、初期同
調は、以前に記憶し整理した情報を元に優先的に同調を
かけることにより、より速やかに同調することができ
る。これは、放送事業者毎に全国の受信エリアにおいて
伝送パラメータは相関を持つことに着目した制御であ
る。

【００２８】請求項４に係る発明では、次のような効果
を奏する。地上波デジタル放送は当初は地域を限定して
導入され、順次拡大されていく。その際、受信地域で伝
送パラメータの追加／廃止／変更等が頻繁に行われる可
能性がある。この改訂情報を常に初期同調の結果から得
るのではなく、請求項４に係る発明では、デジタル放送
受信機に必須の機能として搭載されているモデムを使用
し、予め改訂情報を収めたサーバにアクセスし、その情
報を受信機に取り込むようにしたものである。このよう
に構成をとることにより、正確な改訂情報を常に得るこ
とが可能となり、初期同調がより速やかになる。

【００２９】請求項５に係る発明の狙いも、請求項４に
係る発明と同様であるが、請求項５に係る発明では、モ
デムを使用しないで、放送波の受信機能の一部であるダ
ウンロードシステムを使用し、放送波を介し、全受信機
一度に改訂情報を更新することができ、さらに効率的か
つ大量に更新が可能となる利点がある。

【００３０】請求項６に係る発明は、次のような効果を
奏する。地上波デジタル放送は、移動体サービスが一つ
の大きな特長である。移動体において、移動中の位置情
報を正確に視聴者が入力または知り得ることは困難であ
り、受信エリアが変わる毎に再度受信地域入力と初期同
調が必要となり、シームレスに受信し続けることはでき
ない。そこで、請求項５に係る発明では、受信エリアの
特定に自動測位システムを使用し、この逐次検知可能な
位置情報を受信機の地域コード仕様に変換し、前記した
同調動作と組み合わせることで、移動体においてもシー
ムレスに受信し続けることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】標準的な地上波デジタル放送受信機の構成例を
示すブロック図である。

【図２】本発明の第１実施形態に係る地上波デジタル放
送受信機の要部構成を示すブロック図である。

【図３】本発明の第２実施形態に係る地上波デジタル放
送受信機の要部構成を示すブロック図である。

【図４】本発明の第３実施形態に係る地上波デジタル放
送受信機の要部構成を示すブロック図である。

【図５】本発明の第４実施形態に係る地上波デジタル放
送受信機の要部構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１選局部２ＯＦＤＭ復調・復号部３多重分離部４情報源復号部５ＡＤＣ６ＯＦＤＭフレームデコード部７ＴＭＣＣ復号部８受信地域検索部９復調パラメータ制御部１０復調パラメータ記憶部１１ＯＦＤＭ復号部１２多重・分離部１３周波数差分記憶・変換部１４モデム１５モデム制御・データ変換部１６自動測位システム１７受信地域検出部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】受信している地域あるいはサービスエリ
アを入力する手段と、受信周波数及び変調方式、モー
ド、ガードインターバル等の伝送諸元を記憶する手段を
具備し、当該受信地域の前記情報を取得するために予め
記憶した全国各地の受信周波数、伝送諸元対応表を基
に、初期同調を開始し、同調成功時、受信周波数及び変
調方式、モード、ガードインターバル等の伝送諸元を更
新するように構成させたデジタル放送受信機。
【請求項２】請求項１記載において、復調したデジタル信号（ＭＰＥＧ−ＴＳ）から、ネット
ワーク情報テーブル（ＮＩＴ）を分離し、その情報か
ら、受信周波数やサービスリストを記憶する手段を持
ち、実際に同調・同期した周波数とＮＩＴに記述されて
いる周波数の差分を別途記憶する手段を備えてるデジタ
ル放送受信機。
【請求項３】請求項１記載において、受信している地域あるいはサービスエリアを移動してい
る場合、初期同調・同期を開始する際の伝送諸元を以前
同期した際の既に記憶している伝送諸元から優先的に同
調を開始するように構成させたデジタル放送受信機。
【請求項４】請求項１記載において、全国各地の受信周波数、伝送諸元対応表をモデムを介し
て収集し、記憶するよう構成させたデジタル放送受信
機。
【請求項５】請求項１記載において、全国各地の受信周波数、伝送諸元対応表をダウンロード
システムにて配信・収集し、記憶するよう構成させたデ
ジタル放送受信機。
【請求項６】請求項１記載において、自動車等の移動体にて受信する際、移動の際の受信エリ
ア特定を移動体自動側位システムと連動させ、自動同調
するように構成させたデジタル放送受信機。