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JP2002005345A - 耐熱高圧ホース - Google Patents

耐熱高圧ホース

Info

Publication number
JP2002005345A
JP2002005345A JP2000185219A JP2000185219A JP2002005345A JP 2002005345 A JP2002005345 A JP 2002005345A JP 2000185219 A JP2000185219 A JP 2000185219A JP 2000185219 A JP2000185219 A JP 2000185219A JP 2002005345 A JP2002005345 A JP 2002005345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber layer
layer
rubber
adhesive
reinforcing layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000185219A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Shinohara
英樹 篠原
Shinobu Kanbe
忍 神戸
Nobuaki Niki
伸明 仁木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2000185219A priority Critical patent/JP2002005345A/ja
Publication of JP2002005345A publication Critical patent/JP2002005345A/ja
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】補強層と、内側ゴム層および外側ゴム層の少な
くとも外側ゴム層との接着性が、従来の硫黄加硫ゴムを
用いた高圧ホースと同等な耐熱高圧ホースを提供する。 【解決手段】内側ゴム層1と、この内側ゴム層1の外周
に形成されたスチールコードワイヤーを用いてなる補強
層2と、この補強層2の外周に形成された外側ゴム層3
とを備えた耐熱高圧ホースである。そして、上記内側ゴ
ム層1および外側ゴム層3の少なくとも外側ゴム層3が
パーオキサイド加硫のなされたゴムによって形成され、
かつ、この外側ゴム層3と上記補強層2とが、外側ゴム
層3のゴムと加硫反応する基および補強層2のスチール
コードワイヤーと反応する基の双方を有する接着剤を用
いて接着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内側ゴム層と外側
ゴム層の間にスチールコードワイヤーを用いて補強した
補強層が形成されてなる耐熱高圧ホースに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のゴムホースは、内側ゴム層と外側
ゴム層との間に、スチールコードワイヤーを用いて補強
した補強層が形成されて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のパーオキサイド加硫のなされたゴムホースは、補強
層と外側ゴム層との接着性に劣るため、補強層と外側ゴ
ム層との間に空気層(エアー層)が介在しやすい構造と
なっている。そのため、ホース使用時の水や高熱によ
り、補強層のスチールコードワイヤーの酸化(さび)が
促進され、短期間でホース機能が低下するという難点が
ある。また、補強層と外側ゴム層との接着性に劣るた
め、ホース端部(加締め部)での外側ゴム層のふくれ、
金具挿入不具合等が生じるという難点もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、補強層と、内側ゴム層および外側ゴム層の少な
くとも外側ゴム層との接着性が、従来の硫黄加硫ゴムを
用いた高圧ホースと同等な耐熱高圧ホースの提供をその
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の耐熱高圧ホースは、内側ゴム層と、この
内側ゴム層の外周に形成されたスチールコードワイヤー
を用いてなる補強層と、この補強層の外周に形成された
外側ゴム層とを備えた耐熱高圧ホースであって、上記内
側ゴム層および外側ゴム層の少なくとも外側ゴム層がパ
ーオキサイド加硫のなされたゴムによって形成され、か
つ、この外側ゴム層と上記補強層とが、外側ゴム層のゴ
ムと加硫反応する基および補強層のスチールコードワイ
ヤーと反応する基の双方を有する接着剤を用いて接着さ
れているという構成をとる。
【0006】すなわち、本発明者らは、補強層と外側ゴ
ム層との接着性が良好な耐熱高圧ホースを得るため、鋭
意研究を重ねた。その結果、外側ゴム層をパーオキサイ
ド加硫のなされたゴムによって形成するとともに、外側
ゴム層のゴムと加硫反応する基および補強層のスチール
コードワイヤーと反応する基の双方を有する接着剤を用
いて外側ゴム層と補強層の界面を接着すると、加硫反応
時に上記接着剤がゴムおよびスチールコードワイヤーの
双方に化学的結合を示すようになり、外側ゴム層と補強
層の接着強度が向上することを見出し、本発明に到達し
た。
【0007】そして、上記内側ゴム層および外側ゴム層
のいずれもが、パーオキサイド加硫のなされたゴムを用
いて形成されていると、内側ゴム層も上記接着剤によっ
てスチールコードワイヤーと化学的結合を示すようにな
り、内側ゴム層と補強層と外側ゴム層の接着強度が向上
し、さらに耐熱性の高いホースが得られる。
【0008】また、上記接着剤としてシラン系接着剤を
用いると、高温雰囲気中および熱老化後に安定した接着
性能を示し、動的疲労耐久性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】本発明の耐熱高圧ホースは、例えば、図1
に示すように、内側ゴム層1と、この内側ゴム層1の外
周に形成されたスチールコードワイヤーを用いてなる補
強層2と、この補強層2の外周に形成された外側ゴム層
3とを備えた構造である。そして、本発明は、上記内側
ゴム層1と外側ゴム層3の少なくとも外側ゴム層3がパ
ーオキサイド加硫のなされたゴムによって形成され、か
つ、この外側ゴム層3と上記補強層2とが、外側ゴム層
3のゴムと加硫反応する基および補強層2のスチールコ
ードワイヤーと反応する基の双方を有する接着剤を用い
て接着されていることが最大の特徴である。
【0011】上記外側ゴム層3の形成材料となるゴム
は、パーオキサイド(過酸化物)によって加硫されるゴ
ム(以下「パーオキサイド加硫系ゴム」という)であれ
ば特に限定はなく、例えば、塩素化ポリエチレン(CP
E)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、天然
ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴ
ム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SB
R)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NB
R)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、
クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ア
クリルゴム(ACM)、エピクロルヒドリンゴム、シリ
コーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。これらのなかでも、強度、耐熱性、耐油性、圧縮永
久歪性、オゾン性の点で、塩素化ポリエチレン(CP
E)が好適に用いられる。
【0012】上記パーオキサイド加硫系ゴムの加硫剤と
なるパーオキサイド(過酸化物)としては、例えば、下
記の式(1)で表されるジクミルパーオキサイド(DC
P)、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン、下記の式(2)で表されるベンゾ
イルパーオキサイド、ジクメニルパーオキサイド、2,
2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等があげ
られる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いら
れる。これらのなかでも、安価、汎用性の点で、ジクミ
ルパーオキサイド(DCP)が好適に用いられる。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】上記パーオキサイドの配合量は、上記パー
オキサイド加硫系ゴム100重量部(以下「部」と略
す)に対して、0.1〜10部の範囲に設定することが
好ましく、特に好ましくは1.0〜5.0部である。
【0016】なお、上記外側ゴム層3の形成材料として
は、パーオキサイド加硫系ゴムおよびパーオキサイドに
加えて、加工助剤、補強剤、軟化剤、架橋促進剤、老化
防止剤、共架橋剤等を必要に応じて適宜配合して用いる
ことができる。
【0017】上記加工助剤としては、例えば、ステアリ
ン酸等があげられる。上記補強剤としては、例えば、カ
ーボンブラック等があげられる。上記軟化剤としては、
例えば、プロセスオイル、ナフテンオイル等があげられ
る。上記架橋促進剤としては、例えば、MgO,ZnO
等の金属活性剤等があげられる。上記老化防止剤として
は、例えば、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノ
ール系老化防止剤等があげられる。上記共架橋剤として
は、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAI
C)、メタクリル酸亜鉛等があげられる。
【0018】また、上記内側ゴム層1は、パーオキサイ
ド加硫以外の加硫(例えば、硫黄加硫)のなされたゴム
によって形成しても差し支えないが、上記外側ゴム層3
の形成材料と同様の材料を用いて形成することが好まし
い。このように、内側ゴム層1および外側ゴム層3の双
方をパーオキサイド加硫系ゴムを用いて形成すると、内
側ゴム層1も上記接着剤によってスチールコードワイヤ
ーと化学的結合を示すようになり、内側ゴム層1と補強
層2と外側ゴム層3の接着強度が向上し、さらに耐熱性
の高いホースが得られる。
【0019】上記内側ゴム層1と外側ゴム層3の間に形
成される補強層2は、ホース全体の強度を補強するため
にスチールコードワイヤーをブレード状、スパイラル状
等に編み組してなる層である。なお、上記補強層2は図
1に示したような単層構造に限定されるものではなく、
2層以上の多層構造であっても差し支えない。
【0020】上記スチールコードワイヤーは、めっき処
理を施したものが好ましく、めっき処理としては、例え
ば、銅めっき、亜鉛めっき、ブラス(銅−亜鉛系合金)
めっき、ニッケルめっき、錫めっき、コバルトめっき等
があげられる。
【0021】上記スチールコードワイヤーは、通常、直
径が0.15〜1.00mmの範囲のものが用いられ
る。
【0022】上記外側ゴム層3と補強層2の接着に用い
られる接着剤としては、外側ゴム層3のパーオキサイド
加硫系ゴムと加硫反応する基および補強層2のスチール
コードワイヤーと反応する基の双方を有するものが用い
られる。
【0023】そして、上記外側ゴム層3のパーオキサイ
ド加硫系ゴムと加硫反応する基としては、例えば、ビニ
ル基、エポキシ基、メタクリル基等があげられる。
【0024】また、上記補強層2のスチールコードワイ
ヤーと反応する基としては、例えば、エトキシ基、アセ
トキシ基、メトキシ基等があげられる。
【0025】上記パーオキサイド加硫系ゴムと加硫反応
する基およびスチールコードワイヤーと反応する基の双
方を有する接着剤としては、例えば、シラン系接着剤、
塩化ゴム−フェノール樹脂系接着剤があげられる。これ
らのなかでも、上記シラン系接着剤を用いると、高温雰
囲気中および熱老化後に安定した接着性能を示し、動的
疲労耐久性が向上するため好ましい。
【0026】上記シラン系接着剤としては、例えば、下
記の一般式(3)で表されるものがあげられる。一般式
(3)においてXで表される基としては、例えば、エト
キシ基、アセトキシ基、メトキシ基等があげられ、Yで
表される基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、
メタクリル基等があげられ、Rで表される基としては、
例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基があげられ
る。
【0027】
【化3】
【0028】また、上記塩化ゴム−フェノール樹脂系接
着剤としては、例えば、クロロプレンゴム−レゾール系
接着剤があげられる。
【0029】本発明の耐熱高圧ホースは、例えば、つぎ
のようにして作製することができる。すなわち、まず、
パーオキサイド加硫系ゴムおよびパーオキサイド、必要
に応じてその他の成分を配合し、これをニーダー等の混
練機を用いて混練して、外側ゴム層形成材料を調製す
る。これと同様にして、内側ゴム層形成材料を調製す
る。つぎに、押出成形機を用いて上記内側ゴム層形成材
料をマンドレル上に押し出し内側ゴム層1を成形する。
ついで、上記内側ゴム層1の外周面に、スチールコード
ワイヤーをブレード状、スパイラル状等に編み組して補
強層2を形成する。つづいて、上記補強層2の上に、上
記特定の基を有する特殊な接着剤を塗布した後、風乾す
る。さらに、上記接着剤の塗布面に、押出成形機を用い
て上記外側ゴム層形成材料を押し出し外側ゴム層3を成
形する。ついで、所定の条件でパーオキサイド加硫した
後、上記マンドレルを抜き取ることにより、目的とする
耐熱高圧ホースを作製することができる(図1参照)。
【0030】なお、上記特定の基を有する特殊な接着剤
の塗布方法は、特に限定はなく、例えば、滴下法(シャ
ワー塗布)、浸漬法、スプレー塗布、刷毛塗り等の方法
があげられる。
【0031】また、上記パーオキサイド加硫の条件は、
通常、140〜180℃×10〜60分の範囲に設定さ
れる。
【0032】このようにして得られる耐熱高圧ホース
は、内側ゴム層の厚みが、通常、1.0〜5.0mmで
あり、外側ゴム層の厚みが、通常、1.0〜5.0mm
であり、1層当たりの補強層の厚みが、通常、0.15
〜2.0mmである。また、耐熱高圧ホースの内径は、
通常、5〜70mmである。
【0033】本発明の耐熱高圧ホースは、例えば、自動
車のパワーステアリングホース、建築機械の油圧ホース
の他、各種油圧ホース等に用いることができる。
【0034】なお、本発明においては、内側ゴム層と補
強層との界面を、上記特殊な接着剤を用いて接着するこ
とも可能であり、この場合、内側ゴム層を外側ゴム層と
同様、パーオキサイド加硫系ゴムを用いて形成すること
により、加硫時に、接着剤が内側ゴム層のパーオキサイ
ド加硫系ゴムおよび補強層のスチールコードワイヤーの
双方に化学的結合を示すようになり、内側ゴム層と補強
層の接着強度が向上し、ホース全体の強度が向上するた
めより一層好ましいものとなる。
【0035】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0036】
【実施例1】〔外側ゴム層形成材料の調製〕塩素化ポリ
エチレン(CPE)〔ダイソー社製、ダイソラックH−
135〕100部と、ジクミルパーオキサイド(DP
C)2.5部と、SRFカーボンブラック90部と、M
gO5部と、トリメリット酸オクチルエステル45部
と、TAIC2部とを配合したものを、ニーダーを用い
て混練し、外側ゴム層形成材料を調製した。
【0037】〔内側ゴム層形成材料の調製〕上記外側ゴ
ム層形成材料の調製と同様にして、内側ゴム層形成材料
を調製した。
【0038】〔ホースの作製〕まず、押出成形機を用い
て上記内側ゴム層形成材料をマンドレル上に押し出し内
側ゴム層を成形した。ついで、上記内側ゴム層の外周面
に、ブラスめっきスチールコードワイヤー(直径0.3
2mm)をブレード状に編み組して補強層を形成した。
つづいて、上記補強層の上に、前記式(3)で表される
シラン系接着剤(X:−COCH3 、Y:−CH=CH
2 、R:−CH3 )をシャワー塗布した後、風乾した。
さらに、上記接着剤の塗布面に、押出成形機を用いて上
記外側ゴム層形成材料を押し出し外側ゴム層を成形し
た。ついで、160℃×60分間、パーオキサイド加硫
した後、上記マンドレルを抜き取ることにより、目的と
するホース(内径9.7mm)を作製した。なお、内側
ゴム層の厚みは2.1mm、外側ゴム層の厚みは1.6
mm、補強層の厚みは0.6〜0.8mmであった。
【0039】
【実施例2】上記シラン系接着剤に代えて、塩化ゴム−
フェノール樹脂系接着剤(クロロプレンゴム−レゾール
系接着剤)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にし
てホースを作製した。
【0040】
【比較例1】上記シラン系接着剤に代えて、塩化ゴム系
接着剤(クロロプレンゴム系接着剤)を用いた。それ以
外は、実施例1と同様にしてホースを作製した。
【0041】
【比較例2】〔外側ゴム層形成材料の調製〕クロロプレ
ンゴム(デュポン・ダウ・エラストマー社製、ネオプレ
ンWK)100部と、硫黄(加硫剤)1.0部と、SR
Fカーボンブラック100部と、ステアリン酸2部と、
ZnO5部と、オゾノン6C4部と、プロセスオイル1
0部と、架橋促進剤DT1.0部とを配合したものを、
ニーダーを用いて混練し、外側ゴム層形成材料を調製し
た。
【0042】〔内側ゴム層形成材料の調製〕上記外側ゴ
ム層形成材料の調製と同様にして、内側ゴム層形成材料
を調製した。
【0043】〔ホースの作製〕上記内側ゴム層形成材料
および外側ゴム層形成材料を用い、これを硫黄加硫(1
50℃×60分間)する以外は、比較例1と同様にして
ホースを作製した。
【0044】
【比較例3】塩化ゴム系接着剤に代えて、前記式(3)
で表されるシラン系接着剤を用いる以外は、比較例2と
同様にしてホースを作製した。
【0045】このようにして得られた実施例品および比
較例品のホースを用いて、下記の基準に従い、剥離試験
および熱老化試験を行った。これらの結果を、後記の表
1〜表3に併せて示した。
【0046】〔剥離試験〕剥離試験は、JIS K 6
330に準拠して行った。すなわち、得られたホースを
長さ25mmとなるように切断し、長手方向に切開して
試験サンプルを作製した。ついで、所定の温度条件下
で、上記試験サンプルの切開面より外側ゴム層を剥離
し、その剥離端を引張試験機のつかみ治具に固定して、
引張速度25mm/分で引張試験を行い、得られた荷重
より剥離強度を求めるとともに、その時の剥離状態を目
視により観察した。
【0047】〔熱老化試験〕所定の温度で72時間加熱
した後、再び上記測定方法により剥離強度を測定すると
ともに、その時の剥離状態を目視により観察した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】上記表1〜表3の結果から、実施例品のホ
ースは、いずれも剥離強度が大きく、しかも、剥離状態
が、界面剥離ではなく、外側ゴム破壊を示すことから、
外側ゴム層と補強層の接着性が良好であることがわか
る。特に実施例1品のホースは、シラン系接着剤を用い
ているため、高温雰囲気中および熱老化後の接着性が良
好であることがわかる。
【0052】これに対して、比較例1品のホースは、実
施例品のホースに比べて全体的に剥離強度が小さく、し
かも、剥離状態が、外側ゴム層と接着剤部分との界面で
剥離する界面剥離を示すことから、外側ゴム層と補強層
の接着性に劣ることがわかる。これは、上記塩化ゴム系
接着剤が、補強層のスチールコードワイヤーと反応する
基のみを有し、外側ゴム層のパーオキサイド加硫系ゴム
(CPE)と加硫反応する基を有しないため、補強層と
の接着性のみ良好で、外側ゴム層との接着性に劣るため
であると考えられる。
【0053】比較例2品のホースは、内側ゴム層および
外側ゴム層が硫黄加硫系ゴムを用いて形成されているた
め、パーオキサイド加硫系ゴムを用いて内側ゴム層およ
び外側ゴム層を形成してなる実施例1品のホースより
も、外側ゴム層と補強層の熱老化後の接着性が劣ること
がわかる。
【0054】比較例3品のホースは、内側ゴム層および
外側ゴム層が硫黄加硫系ゴムを用いて形成されているた
め、比較例1と同様に外側ゴム層と接着剤とが化学的結
合をせず、パーオキサイド加硫系ゴムを用いて内側ゴム
層および外側ゴム層を形成してなる実施例1品のホース
よりも、接着性が劣ることがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐熱高圧ホース
は、内側ゴム層および外側ゴム層の少なくとも外側ゴム
層がパーオキサイド加硫のなされたゴムを用いて形成さ
れ、かつ、この外側ゴム層と上記補強層とが、外側ゴム
層のゴムと加硫反応する基および補強層のスチールコー
ドワイヤーと反応する基の双方を有する接着剤を用いて
接着されている。そのため、加硫反応時に、上記接着剤
が、外側ゴム層のゴムおよび補強層のスチールコードワ
イヤーの双方に化学的結合を示すようになり、外側ゴム
層と補強層の接着強度が向上する。その結果、外側ゴム
層と補強層との間に空気層(エアー層)が介在すること
がなく、ホース使用時の水や熱により補強層のスチール
コードワイヤーが酸化(さび)することがなくなるた
め、長期にわたってホース機能を維持することができる
という効果を奏する。また、ホース端部(加締め部)で
の外側ゴム層のふくれ、金具挿入不具合等の工程内不具
合が低減する。さらに、外側ゴム層と補強層の接着力の
向上により、補強層内のスチールコードワイヤーの挙動
を抑制することができるとともに、ホース端部を研磨等
する際にスチールコードワイヤーの広がりを抑制するこ
とができる。
【0056】そして、上記内側ゴム層および外側ゴム層
のいずれもが、パーオキサイド加硫のなされたゴムを用
いて形成されていると、内側ゴム層も上記接着剤によっ
てスチールコードワイヤーと化学的結合を示すようにな
り、内側ゴム層と補強層と外側ゴム層の接着強度が向上
し、さらに耐熱性の高いホースが得られる。
【0057】また、上記接着剤としてシラン系接着剤を
用いると、高温雰囲気中および熱老化後に安定した接着
性能を示し、動的疲労耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱高圧ホースの一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 内側ゴム層 2 補強層 3 外側ゴム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁木 伸明 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA13 CB04 CB10 CC08 CC18 DA07 DA11 DB12 EA15 4F100 AA37A AA37C AA37H AB04B AH02A AH02C AH02H AK10A AK10C AK52G AN00A AN00C BA03 BA10A BA10C BA13 CA02A CA02C CB00 DA11 DG01B DG12B GB90 JK06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側ゴム層と、この内側ゴム層の外周に
    形成されたスチールコードワイヤーを用いてなる補強層
    と、この補強層の外周に形成された外側ゴム層とを備え
    た耐熱高圧ホースであって、上記内側ゴム層および外側
    ゴム層の少なくとも外側ゴム層がパーオキサイド加硫の
    なされたゴムによって形成され、かつ、この外側ゴム層
    と上記補強層とが、外側ゴム層のゴムと加硫反応する基
    および補強層のスチールコードワイヤーと反応する基の
    双方を有する接着剤を用いて接着されていることを特徴
    とする耐熱高圧ホース。
  2. 【請求項2】 上記内側ゴム層および外側ゴム層のいず
    れもが、パーオキサイド加硫のなされたゴムによって形
    成されている請求項1記載の耐熱高圧ホース。
  3. 【請求項3】 上記接着剤がシラン系接着剤である請求
    項1または2記載の耐熱高圧ホース。
JP2000185219A 2000-06-20 2000-06-20 耐熱高圧ホース Withdrawn JP2002005345A (ja)

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Cited By (8)

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