JP2001238962A - 医療用挿通線体 - Google Patents
医療用挿通線体Info
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- A61M25/00—Catheters; Hollow probes
- A61M25/01—Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
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- A61M25/00—Catheters; Hollow probes
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- A61M2025/09083—Basic structures of guide wires having a coil around a core
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 潤滑性が高く、カテーテル内及び
血管内を円滑に進行可能であり、また、適度の腰があ
り、操作が容易なガイドワイヤを提供すること。 【解決手段】 DLC被膜を有することを特徴と
するガイドワイヤ。
血管内を円滑に進行可能であり、また、適度の腰があ
り、操作が容易なガイドワイヤを提供すること。 【解決手段】 DLC被膜を有することを特徴と
するガイドワイヤ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用挿通線体
に関し、さらに詳しくは、潤滑性が高くて、カテーテル
内、及び例えば血管、消化管等の管状組織等の生体組織
内を円滑に進行可能であり、また、適度の剛性があっ
て、操作が容易な医療用挿通線体に関する。
に関し、さらに詳しくは、潤滑性が高くて、カテーテル
内、及び例えば血管、消化管等の管状組織等の生体組織
内を円滑に進行可能であり、また、適度の剛性があっ
て、操作が容易な医療用挿通線体に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用挿通線体は、例えば治療具等を体
内の患部へと案内するための治療用具として、或いは管
状組織等の生体組織内を挿通して先端部を患部に迄到達
させ、先端部で患部の治療を行う治療用具として、使用
される。
内の患部へと案内するための治療用具として、或いは管
状組織等の生体組織内を挿通して先端部を患部に迄到達
させ、先端部で患部の治療を行う治療用具として、使用
される。
【0003】例えば冠状動脈梗塞を治療するための医療
用挿通線体は、芯線の先端に形成された螺旋線体被装着
部とその螺旋線体被装着部に装着された螺旋線体とを有
する。この螺旋線体被装着部は、通常、テーパ状に形成
される。螺旋線体は、線体即ちワイヤをコイル状に形成
してなる。
用挿通線体は、芯線の先端に形成された螺旋線体被装着
部とその螺旋線体被装着部に装着された螺旋線体とを有
する。この螺旋線体被装着部は、通常、テーパ状に形成
される。螺旋線体は、線体即ちワイヤをコイル状に形成
してなる。
【0004】例えば冠状動脈梗塞の治療に使用される医
療用挿通線体は、螺旋線体が装着された部分を先頭にし
て、人体の所定の部位から血管中に挿入されたカテーテ
ル中に挿入される。このカテーテルは、その先端開口部
が人体内の患部近傍に位置するように、人体内に挿入さ
れている。カテーテル内に医療用挿通線体を繰り込んで
行き、カテーテルの先端開口部から更にこの医療用挿通
線体を繰り出し、患部に迄到達させる。このとき、医療
用挿通線体の先端は患部に至る一方医療用挿通線体の末
端は、人体の外に出ている。
療用挿通線体は、螺旋線体が装着された部分を先頭にし
て、人体の所定の部位から血管中に挿入されたカテーテ
ル中に挿入される。このカテーテルは、その先端開口部
が人体内の患部近傍に位置するように、人体内に挿入さ
れている。カテーテル内に医療用挿通線体を繰り込んで
行き、カテーテルの先端開口部から更にこの医療用挿通
線体を繰り出し、患部に迄到達させる。このとき、医療
用挿通線体の先端は患部に至る一方医療用挿通線体の末
端は、人体の外に出ている。
【0005】次いで、この医療用挿通線体の末端を治療
具に挿通し、この医療用挿通線体に沿って治療具をカテ
ーテル内に沿って進行させ、患部に至らせる。患部に至
った治療具を操作することにより、しかるべき治療をそ
の治療具で行う。
具に挿通し、この医療用挿通線体に沿って治療具をカテ
ーテル内に沿って進行させ、患部に至らせる。患部に至
った治療具を操作することにより、しかるべき治療をそ
の治療具で行う。
【0006】この医療用挿通線体は、人体へのカテーテ
ル挿入部位から患部近傍までを、湾曲したカテーテル中
を、カテーテル内面と接触しながら進行することにな
る。したがって、医療用挿通線体とカテーテルとの滑り
が悪いと、医療用挿通線体がカテーテル中を円滑に進行
することができない。
ル挿入部位から患部近傍までを、湾曲したカテーテル中
を、カテーテル内面と接触しながら進行することにな
る。したがって、医療用挿通線体とカテーテルとの滑り
が悪いと、医療用挿通線体がカテーテル中を円滑に進行
することができない。
【0007】そこで、従来では通常、医療用挿通線体は
その外周面をテフロン(登録商標)コーティング膜とす
ることにより、医療用挿通線体の外周面とカテーテル内
面との摩擦抵抗を小さくして、医療用挿通線体がカテー
テル中を円滑に進行するように図られている。
その外周面をテフロン(登録商標)コーティング膜とす
ることにより、医療用挿通線体の外周面とカテーテル内
面との摩擦抵抗を小さくして、医療用挿通線体がカテー
テル中を円滑に進行するように図られている。
【0008】また、医療用挿通線体は、その直径が大き
いと、カテーテル内における空間的余裕が小さくなっ
て、カテーテル中を進行し難くなる。したがって、医療
用挿通線体の直径は一定の大きさ以下にしなければなら
ない。このため、テフロンコーティング被膜を施す場合
には、テフロンコーティング被膜の厚みの分だけ、テフ
ロンコーティングを施す医療用挿通線体の芯線を予め細
めに設計し、その芯線上にテフロンコーティング被膜を
形成させて、医療用挿通線体の直径が大きくなりすぎな
いようにしている。
いと、カテーテル内における空間的余裕が小さくなっ
て、カテーテル中を進行し難くなる。したがって、医療
用挿通線体の直径は一定の大きさ以下にしなければなら
ない。このため、テフロンコーティング被膜を施す場合
には、テフロンコーティング被膜の厚みの分だけ、テフ
ロンコーティングを施す医療用挿通線体の芯線を予め細
めに設計し、その芯線上にテフロンコーティング被膜を
形成させて、医療用挿通線体の直径が大きくなりすぎな
いようにしている。
【0009】一方、医療用挿通線体の芯線を細くする
と、医療用挿通線体の腰が弱くなるので、換言すると医
療用挿通線体の剛性が小さくなるので、医療用挿通線体
をカテーテル内に送り込む際に医療用挿通線体が撓み、
医療用挿通線体をカテーテル内で思い通りに進行させる
ことができなかったり、また医療用挿通線体に加えた力
がその先端部まで十分に伝わらず、患部治療行為を効果
的に行うことができない等の不都合が生じる。したがっ
て、テフロンコーティング被膜の厚みを可能な限り小さ
くし、そして医療用挿通線体を形成するための芯線の直
径を可能な限り大きくすることが望ましい。
と、医療用挿通線体の腰が弱くなるので、換言すると医
療用挿通線体の剛性が小さくなるので、医療用挿通線体
をカテーテル内に送り込む際に医療用挿通線体が撓み、
医療用挿通線体をカテーテル内で思い通りに進行させる
ことができなかったり、また医療用挿通線体に加えた力
がその先端部まで十分に伝わらず、患部治療行為を効果
的に行うことができない等の不都合が生じる。したがっ
て、テフロンコーティング被膜の厚みを可能な限り小さ
くし、そして医療用挿通線体を形成するための芯線の直
径を可能な限り大きくすることが望ましい。
【0010】しかし、テフロンコーティング被膜は、磨
耗性が大きいので、初期においては厚めに形成させてお
かざるをえず、また、その厚みを小さく形成させること
は技術的にも困難である。したがって、テフロンコーテ
ィング被膜を施した医療用挿通線体においては、医療用
挿通線体の芯線の直径が必然的に小さくなり、前記に示
した不都合を回避するのに十分な医療用挿通線体の腰の
強さを確保することは困難である。
耗性が大きいので、初期においては厚めに形成させてお
かざるをえず、また、その厚みを小さく形成させること
は技術的にも困難である。したがって、テフロンコーテ
ィング被膜を施した医療用挿通線体においては、医療用
挿通線体の芯線の直径が必然的に小さくなり、前記に示
した不都合を回避するのに十分な医療用挿通線体の腰の
強さを確保することは困難である。
【0011】また、医療用挿通線体の先端部が、カテー
テルの先端開口部から、カテーテルの外部に出た後は、
医療用挿通線体の先端部が、血管の内壁面に接触しなが
ら、血液中を患部に向かって進行する。したがって、医
療用挿通線体の先端部は、カテーテルの外部に出た後に
おいては、血管の内壁面との潤滑性、及び血液との親和
性が要求される。
テルの先端開口部から、カテーテルの外部に出た後は、
医療用挿通線体の先端部が、血管の内壁面に接触しなが
ら、血液中を患部に向かって進行する。したがって、医
療用挿通線体の先端部は、カテーテルの外部に出た後に
おいては、血管の内壁面との潤滑性、及び血液との親和
性が要求される。
【0012】しかし、そのような潤滑性及び親和性を備
えた医療用挿通線体は現在知られていない。
えた医療用挿通線体は現在知られていない。
【0013】医療用挿通線体は、冠状動脈梗塞の治療だ
けに使用されるのではない。例えば脳梗塞治療にも使用
される。もっとも、脳梗塞治療に使用される医療用挿通
線体は、その先端が、脳梗塞治療に適するように加工さ
れている。また、医療用挿通線体は、消化管内に挿通し
てその先端を患部に至らせ、その先端部に治療具を案内
し、案内されたその治療具で患部を治療するといった目
的にも、使用される。
けに使用されるのではない。例えば脳梗塞治療にも使用
される。もっとも、脳梗塞治療に使用される医療用挿通
線体は、その先端が、脳梗塞治療に適するように加工さ
れている。また、医療用挿通線体は、消化管内に挿通し
てその先端を患部に至らせ、その先端部に治療具を案内
し、案内されたその治療具で患部を治療するといった目
的にも、使用される。
【0014】医療用挿通線体が、いずれの用途に使用さ
れるにしても、カテーテル内を、或いは生体組織内を摩
擦抵抗少なく、しかも適度の剛性をもって円滑に進行す
ることができるように、仕組まれていなければならな
い。
れるにしても、カテーテル内を、或いは生体組織内を摩
擦抵抗少なく、しかも適度の剛性をもって円滑に進行す
ることができるように、仕組まれていなければならな
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の医
療用挿通線体が有する前記欠点を解消すること、すなわ
ち、潤滑性が高く、カテーテル内及び血管等の管状組織
内を円滑に進行可能であり、また、適度の剛性があり、
操作が容易な医療用挿通線体を提供することを目的とす
る。
療用挿通線体が有する前記欠点を解消すること、すなわ
ち、潤滑性が高く、カテーテル内及び血管等の管状組織
内を円滑に進行可能であり、また、適度の剛性があり、
操作が容易な医療用挿通線体を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を解決するため
のこの発明は、芯線体とその表面に形成されたDLC被
膜とを有することを特徴とする医療用挿通線体であり、
この医療用挿通線体の第1の態様においては、芯線体の
先端より所定の部位までが、螺旋線体被装着部であり、
その螺旋線体被装着部に螺旋線体が装着されて成る医療
用挿通線体であり、この医療用挿通線体の第2の態様に
おいては、前記芯線体は、その先端から所定の部位まで
の表面に、親水性被膜を有して成り、この医療用挿通線
体の第3の態様においては、前記親水性被膜は、その親
水性被膜に存在する官能基に結合した親水性物質を有
し、この医療用挿通線体の第4の態様においては、前記
DLC被膜は、その厚みが0.3〜7μmであり、この
医療用挿通線体の第5の態様においては、前記DLC被
膜は、フッ素を含有し、この医療用挿通線体の第6の態
様においては、前記芯線体と前記DLC被膜との間にシ
リコン被膜が形成されて成る医療用挿通線体である。
のこの発明は、芯線体とその表面に形成されたDLC被
膜とを有することを特徴とする医療用挿通線体であり、
この医療用挿通線体の第1の態様においては、芯線体の
先端より所定の部位までが、螺旋線体被装着部であり、
その螺旋線体被装着部に螺旋線体が装着されて成る医療
用挿通線体であり、この医療用挿通線体の第2の態様に
おいては、前記芯線体は、その先端から所定の部位まで
の表面に、親水性被膜を有して成り、この医療用挿通線
体の第3の態様においては、前記親水性被膜は、その親
水性被膜に存在する官能基に結合した親水性物質を有
し、この医療用挿通線体の第4の態様においては、前記
DLC被膜は、その厚みが0.3〜7μmであり、この
医療用挿通線体の第5の態様においては、前記DLC被
膜は、フッ素を含有し、この医療用挿通線体の第6の態
様においては、前記芯線体と前記DLC被膜との間にシ
リコン被膜が形成されて成る医療用挿通線体である。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明に係る医療用挿通線体
は、芯線体とその表面に形成されたDLC被膜とを有す
る。前記DLC皮膜の形成される部位は、医療用挿通線
体がカテーテル又は生体組織と接触する可能性のある表
面である。
は、芯線体とその表面に形成されたDLC被膜とを有す
る。前記DLC皮膜の形成される部位は、医療用挿通線
体がカテーテル又は生体組織と接触する可能性のある表
面である。
【0018】この発明に係る医療用挿通線体は、様々な
治療に使用されることができるので、その治療の態様に
応じて前記DLC被膜を形成する芯線体における部位
が、決定されることができる。
治療に使用されることができるので、その治療の態様に
応じて前記DLC被膜を形成する芯線体における部位
が、決定されることができる。
【0019】また、例えば冠状動脈梗塞等を治療するの
に使用される医療用挿通線体がある。図1に示されるよ
うに、この医療用挿通線体1は、芯線体本体2とその芯
線体本体2の先端に一体に形成された螺旋線体被装着部
3とからなる芯線体4と、前記芯線体本体2の表面に形
成されたDLC被膜5と、前記螺旋線体被装着部3に装
着された螺旋線体6とを備えて成り、例えば冠状動脈梗
塞の治療用として使用されることができる。いずれの治
療に使用されるにせよ、この発明に係る前記医療用挿通
線体は、人体の組織内に挿通させるワイヤである。
に使用される医療用挿通線体がある。図1に示されるよ
うに、この医療用挿通線体1は、芯線体本体2とその芯
線体本体2の先端に一体に形成された螺旋線体被装着部
3とからなる芯線体4と、前記芯線体本体2の表面に形
成されたDLC被膜5と、前記螺旋線体被装着部3に装
着された螺旋線体6とを備えて成り、例えば冠状動脈梗
塞の治療用として使用されることができる。いずれの治
療に使用されるにせよ、この発明に係る前記医療用挿通
線体は、人体の組織内に挿通させるワイヤである。
【0020】ここで、DLCとは、ダイヤモンドライク
カーボン(Diamond Like Carbon)の略語である。DL
Cは、炭素原子を主体とし、微量の水素原子を含んで構
成される物質である。炭素原子から構成される物質であ
るダイヤモンドは、ダイヤモンド構造(SP3)により
構成され、同じく炭素原子から構成される物質であるグ
ラファイトは、グラファイト構造(SP2)により構成
されるのに対し、DLCは、SP3とSP2との両方を含
んで、また一部水素との結合を含んで構成されるアモル
ファス構造を有する。
カーボン(Diamond Like Carbon)の略語である。DL
Cは、炭素原子を主体とし、微量の水素原子を含んで構
成される物質である。炭素原子から構成される物質であ
るダイヤモンドは、ダイヤモンド構造(SP3)により
構成され、同じく炭素原子から構成される物質であるグ
ラファイトは、グラファイト構造(SP2)により構成
されるのに対し、DLCは、SP3とSP2との両方を含
んで、また一部水素との結合を含んで構成されるアモル
ファス構造を有する。
【0021】この発明においては、前記DLC被膜が、
医療用挿通線体を生体内に挿通したときにその医療用挿
通線体が生体に直接に接触し、又はその医療用挿通線体
がカテーテル内表面に接触する可能性のある部位に相当
する芯線体の表面に、形成される。例えば前記DLC被
膜は、芯線体の先端より所定の部位から後端にむかう芯
線体の表面に、又は芯線体本体の表面に、形成される。
医療用挿通線体を生体内に挿通したときにその医療用挿
通線体が生体に直接に接触し、又はその医療用挿通線体
がカテーテル内表面に接触する可能性のある部位に相当
する芯線体の表面に、形成される。例えば前記DLC被
膜は、芯線体の先端より所定の部位から後端にむかう芯
線体の表面に、又は芯線体本体の表面に、形成される。
【0022】DLC被膜を前記芯線体の表面又は芯線体
本体の表面に形成すると、テフロン被膜を有して成る従
来の医療用挿通線体と同等の、又はそれ以上の、カテー
テル内壁面に対する医療用挿通線体の潤滑性及び生体に
対する親和性が発揮されるという利点がある。
本体の表面に形成すると、テフロン被膜を有して成る従
来の医療用挿通線体と同等の、又はそれ以上の、カテー
テル内壁面に対する医療用挿通線体の潤滑性及び生体に
対する親和性が発揮されるという利点がある。
【0023】この発明においては、螺旋線体被装着部を
備えてなる医療用挿通線体における前記DLC被膜は、
少なくとも芯線体の先端より所定の部位から後端にむか
う芯線体の表面に、又は芯線体本体の表面に形成される
ことが必須であるが、螺旋線体を備えていない医療用挿
通線体については、場合によっては、芯線体全体の表面
に形成されていても良い。
備えてなる医療用挿通線体における前記DLC被膜は、
少なくとも芯線体の先端より所定の部位から後端にむか
う芯線体の表面に、又は芯線体本体の表面に形成される
ことが必須であるが、螺旋線体を備えていない医療用挿
通線体については、場合によっては、芯線体全体の表面
に形成されていても良い。
【0024】前記DLC被膜は、その厚みに関係なく、
この発明の目的を達成するのに十分な潤滑性及び生体親
和性を医療用挿通線体に付与することができる。また、
DLC被膜は、テフロン被膜等に比較して磨耗性が小さ
いので、使用による磨耗を考慮しても、テフロン被膜等
に対して要求される厚みほどの厚みは必要ではない。一
方、DLC被膜の厚みを大きくし過ぎると、その分芯線
体の径を小さくしなければならず、その結果として医療
用挿通線体の腰が弱くなるという不都合を生じる。以上
より、DLC被膜の厚みとしては、0.3〜7μmであ
ることが好ましく、さらに0.5〜2μmであることが
特に好ましい。なお、DLC被膜の厚みは必ずしも均一
である必要はない。
この発明の目的を達成するのに十分な潤滑性及び生体親
和性を医療用挿通線体に付与することができる。また、
DLC被膜は、テフロン被膜等に比較して磨耗性が小さ
いので、使用による磨耗を考慮しても、テフロン被膜等
に対して要求される厚みほどの厚みは必要ではない。一
方、DLC被膜の厚みを大きくし過ぎると、その分芯線
体の径を小さくしなければならず、その結果として医療
用挿通線体の腰が弱くなるという不都合を生じる。以上
より、DLC被膜の厚みとしては、0.3〜7μmであ
ることが好ましく、さらに0.5〜2μmであることが
特に好ましい。なお、DLC被膜の厚みは必ずしも均一
である必要はない。
【0025】前記DLC被膜の形成方法としては、DL
C被膜を効果的に形成可能な方法であれば特に制限はな
く、CVD法等の公知の方法を使用することができる。
CVD被膜を形成する公知の方法として、特開平1−2
75746号公報、特開平2−54770号公報、特開
平4−285154号公報、特開平4−333578号
公報、特開平6−322527号公報、特開平8−28
3931号公報及び特開平8−283940号公報等に
記載された方法を挙げることができる。
C被膜を効果的に形成可能な方法であれば特に制限はな
く、CVD法等の公知の方法を使用することができる。
CVD被膜を形成する公知の方法として、特開平1−2
75746号公報、特開平2−54770号公報、特開
平4−285154号公報、特開平4−333578号
公報、特開平6−322527号公報、特開平8−28
3931号公報及び特開平8−283940号公報等に
記載された方法を挙げることができる。
【0026】以上より、この発明の医療用挿通線体は、
従来のテフロン被膜を施した医療用挿通線体と比較し
て、以下に示す利点を有する。テフロン被膜を形成する
ことにより潤滑性を付与しようとした医療用挿通線体に
おいては、テフロン被膜の磨耗性が大きいこと、及び、
薄いテフロン被膜を形成することが技術的に困難である
こと等の理由から、テフロン被膜の厚みを小さくとも1
0〜20μm程度にせざるをえない。前述のように医療
用挿通線体の直径は一定値以上にすることはできないの
で、テフロンの厚みの分だけ芯線体の直径を小さくする
必要あり、その結果として医療用挿通線体の腰の強さが
低下する。一方、DLC被膜を備えて成る医療用挿通線
体においては、DLC被膜の磨耗性がテフロン被膜に比
較して小さいこと、DLC被膜の潤滑性がテフロン被膜
と同等かそれ以上であること、及び、薄いDLC被膜を
形成することが技術的に可能であること等の理由から、
DLC被膜の厚みを前述のようにテフロン被膜よりも小
さくすることができるので、その分、芯線体の直径を大
きくすることができる。その結果として、テフロン被膜
の場合よりも、医療用挿通線体の腰の強さを大きくする
ことが可能になる。
従来のテフロン被膜を施した医療用挿通線体と比較し
て、以下に示す利点を有する。テフロン被膜を形成する
ことにより潤滑性を付与しようとした医療用挿通線体に
おいては、テフロン被膜の磨耗性が大きいこと、及び、
薄いテフロン被膜を形成することが技術的に困難である
こと等の理由から、テフロン被膜の厚みを小さくとも1
0〜20μm程度にせざるをえない。前述のように医療
用挿通線体の直径は一定値以上にすることはできないの
で、テフロンの厚みの分だけ芯線体の直径を小さくする
必要あり、その結果として医療用挿通線体の腰の強さが
低下する。一方、DLC被膜を備えて成る医療用挿通線
体においては、DLC被膜の磨耗性がテフロン被膜に比
較して小さいこと、DLC被膜の潤滑性がテフロン被膜
と同等かそれ以上であること、及び、薄いDLC被膜を
形成することが技術的に可能であること等の理由から、
DLC被膜の厚みを前述のようにテフロン被膜よりも小
さくすることができるので、その分、芯線体の直径を大
きくすることができる。その結果として、テフロン被膜
の場合よりも、医療用挿通線体の腰の強さを大きくする
ことが可能になる。
【0027】この発明に係る医療用挿通線体におけるD
LC被膜には、フッ素を含有させることができる。前記
DLC被膜にフッ素を含有させると、カテーテル及び生
体に対する潤滑性を更に向上させることができるという
利点がある。
LC被膜には、フッ素を含有させることができる。前記
DLC被膜にフッ素を含有させると、カテーテル及び生
体に対する潤滑性を更に向上させることができるという
利点がある。
【0028】前記DLC被膜中におけるフッ素の含有量
としては、1〜5重量%であることが好ましい。フッ素
の含有量が前記範囲内であると、前記の利点が効果的に
得られる。
としては、1〜5重量%であることが好ましい。フッ素
の含有量が前記範囲内であると、前記の利点が効果的に
得られる。
【0029】前記DLC被膜中にフッ素を含有させる方
法としては、たとえば、DLC被膜生成時に、主として
メタンと水素とからなる原料ガスにフッ素化炭化水素ガ
スを混合する方法等を挙げることができる。
法としては、たとえば、DLC被膜生成時に、主として
メタンと水素とからなる原料ガスにフッ素化炭化水素ガ
スを混合する方法等を挙げることができる。
【0030】この発明に係る医療用挿通線体の一態様と
して、前記芯線体の表面と前記DLC被膜との間にシリ
コン被膜を有する医療用挿通線体を挙げることができ
る。つまり、DLC被膜を形成させる芯線体の表面にま
ずシリコン被膜を形成し、その後、そのシリコン被膜上
に前記DLC被膜を形成する。シリコン被膜上にDLC
被膜を形成すると、DLC被膜とシリコン被膜との密着
性が大きいので医療用挿通線体におけるDLC被膜の剥
落を防止することができるという利点がある。
して、前記芯線体の表面と前記DLC被膜との間にシリ
コン被膜を有する医療用挿通線体を挙げることができ
る。つまり、DLC被膜を形成させる芯線体の表面にま
ずシリコン被膜を形成し、その後、そのシリコン被膜上
に前記DLC被膜を形成する。シリコン被膜上にDLC
被膜を形成すると、DLC被膜とシリコン被膜との密着
性が大きいので医療用挿通線体におけるDLC被膜の剥
落を防止することができるという利点がある。
【0031】前記シリコン被膜の厚みとしては、この発
明の目的を達成することができる限りにおいて特に制限
はないが、0.01〜0.2μmであることが、DLC
被膜の密着性を向上させ、また医療用挿通線体の直径が
大きくなり過ぎない点において好適である。
明の目的を達成することができる限りにおいて特に制限
はないが、0.01〜0.2μmであることが、DLC
被膜の密着性を向上させ、また医療用挿通線体の直径が
大きくなり過ぎない点において好適である。
【0032】前記シリコン被膜の形成方法としては、た
とえば、スパッタリングやイオン注入等の方法を挙げる
ことができる。
とえば、スパッタリングやイオン注入等の方法を挙げる
ことができる。
【0033】前記シリコン被膜上へのDLC被膜の形成
方法は、前記のDLC被膜形成方法と同様である。
方法は、前記のDLC被膜形成方法と同様である。
【0034】前記芯線体の断面形状は、この発明の目的
を達成することができる限りにおいて特に制限はなく、
通常は円形又は楕円形等であり、好適な断面形状は円形
である。なお、この発明において、「円形」と言う用語
は、真円のみならず少々歪みがあるけれど実質的に円形
といって差し支えないものを含む。楕円形についても同
様である。
を達成することができる限りにおいて特に制限はなく、
通常は円形又は楕円形等であり、好適な断面形状は円形
である。なお、この発明において、「円形」と言う用語
は、真円のみならず少々歪みがあるけれど実質的に円形
といって差し支えないものを含む。楕円形についても同
様である。
【0035】前記芯線体の長さとしては、この発明の目
的を達成することができる限りにおいて特に制限はない
が、操作性等を考慮すると0.3〜3mが好適であり、
さらに好ましくは1〜2mである。
的を達成することができる限りにおいて特に制限はない
が、操作性等を考慮すると0.3〜3mが好適であり、
さらに好ましくは1〜2mである。
【0036】前記芯線体は、カテーテル内をスムースに
進行可能なように、その先端部から30〜50cmの部
分がテーパ状になっていて、先端部に至るに従って細く
なっていることが好ましい。なおこの場合、テーパ状に
なった前記芯線体の部分は、一定の角度をもって細くな
っている必要はなく、先端部に至るに従って細くなって
いれば、段差を有していても構わない。
進行可能なように、その先端部から30〜50cmの部
分がテーパ状になっていて、先端部に至るに従って細く
なっていることが好ましい。なおこの場合、テーパ状に
なった前記芯線体の部分は、一定の角度をもって細くな
っている必要はなく、先端部に至るに従って細くなって
いれば、段差を有していても構わない。
【0037】前記芯線体は、前記テーパ状に成った部分
を螺旋線体被装着部とすることができ、その螺旋線体被
装着部に螺旋線体を装着することができる。換言する
と、螺旋線体を装着する部位が螺旋線体被装着部であ
る。
を螺旋線体被装着部とすることができ、その螺旋線体被
装着部に螺旋線体を装着することができる。換言する
と、螺旋線体を装着する部位が螺旋線体被装着部であ
る。
【0038】なお、この芯線体は、前記螺旋線体被装着
部となる芯線と芯線本体とを別々に形成しておき、その
後にこの螺旋線体被装着部となる芯線と前記芯線本体と
を一体に結合することにより形成することもできるし、
芯線体にするべき芯線素材を加工し、その先端部を線引
き加工し、又は削り出し加工することにより螺旋線体被
装着部を形成することもできる。このように形成された
芯線体は、螺旋線体被装着部と芯線体本体とから成る。
好ましい芯線体は、螺旋線体被装着部と芯線体本体とが
最初から一体物として形成されて成る。
部となる芯線と芯線本体とを別々に形成しておき、その
後にこの螺旋線体被装着部となる芯線と前記芯線本体と
を一体に結合することにより形成することもできるし、
芯線体にするべき芯線素材を加工し、その先端部を線引
き加工し、又は削り出し加工することにより螺旋線体被
装着部を形成することもできる。このように形成された
芯線体は、螺旋線体被装着部と芯線体本体とから成る。
好ましい芯線体は、螺旋線体被装着部と芯線体本体とが
最初から一体物として形成されて成る。
【0039】前記芯線体の直径は、前記芯線体がカテー
テル内を円滑に進行可能な程度に十分小さく、また、前
記芯線体をカテーテル内に所定の位置まで送り込むこと
ができる程度に前記医療用挿通線体が剛性の強さを有し
ていれば特に制限はない。この芯線体が芯線体本体と螺
旋線体被装着部とからなる場合には、前記芯線体本体の
直径はたとえば0.2〜2mmであり、テーパ状に、換
言すると先細の形状になっている螺旋線体被装着部の先
端の直径は例えば0.05〜0.3mmである。
テル内を円滑に進行可能な程度に十分小さく、また、前
記芯線体をカテーテル内に所定の位置まで送り込むこと
ができる程度に前記医療用挿通線体が剛性の強さを有し
ていれば特に制限はない。この芯線体が芯線体本体と螺
旋線体被装着部とからなる場合には、前記芯線体本体の
直径はたとえば0.2〜2mmであり、テーパ状に、換
言すると先細の形状になっている螺旋線体被装着部の先
端の直径は例えば0.05〜0.3mmである。
【0040】前記芯線体は、この発明の目的を達成する
ことができる限りにおいて特に制限はなく、たとえば、
ステンレス合金、及びNi−Ti合金等の非造影性金属
で形成されることができる。これらの中でも芯線体は、
ステンレス合金で形成されているのが好ましい。このよ
うなことから、芯線体本体と螺旋線体被装着部とは、共
にステンレス合金で形成されるのが好ましい。
ことができる限りにおいて特に制限はなく、たとえば、
ステンレス合金、及びNi−Ti合金等の非造影性金属
で形成されることができる。これらの中でも芯線体は、
ステンレス合金で形成されているのが好ましい。このよ
うなことから、芯線体本体と螺旋線体被装着部とは、共
にステンレス合金で形成されるのが好ましい。
【0041】前記螺旋線体は、ワイヤを螺旋状に成形し
てなるコイルであり、前記螺旋線体被装着部に巻回装着
される。この螺旋線体は、医療用挿通線体の先端部に適
度のしなやかさと剛性とを付与する。
てなるコイルであり、前記螺旋線体被装着部に巻回装着
される。この螺旋線体は、医療用挿通線体の先端部に適
度のしなやかさと剛性とを付与する。
【0042】前記螺旋線体を形成するワイヤの断面形状
は、この発明の目的を達成することができる限りにおい
て特に制限はないが、前記螺旋線体が螺旋線体被装着部
に装着されて成る医療用挿通線体がカテーテル及び血管
中を円滑に進行することができるように、丸みを帯びた
形状であることが好ましく、通常は円形又は楕円形等で
ある。もっとも、場合によっては、前記螺旋線体を形成
するワイヤの断面形状が方形乃至長方形であっても良
い。そのようなワイヤはフラットワイヤと称されること
がある。
は、この発明の目的を達成することができる限りにおい
て特に制限はないが、前記螺旋線体が螺旋線体被装着部
に装着されて成る医療用挿通線体がカテーテル及び血管
中を円滑に進行することができるように、丸みを帯びた
形状であることが好ましく、通常は円形又は楕円形等で
ある。もっとも、場合によっては、前記螺旋線体を形成
するワイヤの断面形状が方形乃至長方形であっても良
い。そのようなワイヤはフラットワイヤと称されること
がある。
【0043】前記螺旋線体を形成するワイヤの断面が円
形であるときにはそのワイヤの直径は、この発明の目的
を達成することができる限りにおいて特に制限はない
が、作業性及び強度等の理由から、50〜100μmで
あることが好ましい。
形であるときにはそのワイヤの直径は、この発明の目的
を達成することができる限りにおいて特に制限はない
が、作業性及び強度等の理由から、50〜100μmで
あることが好ましい。
【0044】前記螺旋線体を形成するワイヤがフラット
ワイヤであるときには、その厚みは10〜50μmであ
り、その幅は20〜500μmであることが好ましい。
ワイヤであるときには、その厚みは10〜50μmであ
り、その幅は20〜500μmであることが好ましい。
【0045】前記螺旋線体の長さとしては、この発明の
目的を達成することができる限りにおいて特に制限はな
いが、前記螺旋線体を前記芯線体に装着する際に、前記
螺旋線体即ちコイルの軸線方向の長さが60〜1000
mmとなる長さであることが好ましい。
目的を達成することができる限りにおいて特に制限はな
いが、前記螺旋線体を前記芯線体に装着する際に、前記
螺旋線体即ちコイルの軸線方向の長さが60〜1000
mmとなる長さであることが好ましい。
【0046】前記コイルの直径及びピッチは、従来の医
療用挿通線体におけるコイルと同様であって差し支えな
い。たとえば、直径は0.1〜1mmとすることがで
き、ピッチはワイヤの径の1.1〜2倍とすることがで
きる。
療用挿通線体におけるコイルと同様であって差し支えな
い。たとえば、直径は0.1〜1mmとすることがで
き、ピッチはワイヤの径の1.1〜2倍とすることがで
きる。
【0047】前記螺旋線体を形成する材料としては、こ
の発明の目的を達成することができる限りにおいて特に
制限はない。特に好ましい前記螺旋線体は、造影性金属
により形成される部分(以下、「コイル造影性部」とい
う)と非造影性金属により形成される部分(以下、「コ
イル非造影性部」という)とで構成される。
の発明の目的を達成することができる限りにおいて特に
制限はない。特に好ましい前記螺旋線体は、造影性金属
により形成される部分(以下、「コイル造影性部」とい
う)と非造影性金属により形成される部分(以下、「コ
イル非造影性部」という)とで構成される。
【0048】コイル造影性部とコイル非造影性部とを有
する螺旋線体としては、例えば、特開昭60−1684
66号公報に記載されたように、コイル造影性部である
第1コイルとコイル非造影性部である第2コイルとを交
互巻きして成る螺旋線体、特開平6−54912号公報
に記載されたように、クラッド法によりコイル造影性部
とコイル非造影性部とを形成して成る螺旋線体、特開平
9−38210号公報に記載されたように、コイル造影
性部である造影性ワイヤとコイル非造影性部である非造
影性ワイヤとを直列に接続し、コイル状に巻回して成る
螺旋線体等を挙げることができる。以上の外に、特開昭
2−114973号、特開平2−104370号、特開
平6−501179号、特開平6−54911号、特開
平6−327775号、特開平10−43307号、特
開平3−133463号、特開平6−319805号、
特開平3−51060号、特開平9−510125号、
特開平2−180277号、特開平6−178811
号、特開平7−500749号の各公報等に記載されて
いるところの、この発明における螺旋線体に相当するコ
イルを、螺旋線体として使用することができる。
する螺旋線体としては、例えば、特開昭60−1684
66号公報に記載されたように、コイル造影性部である
第1コイルとコイル非造影性部である第2コイルとを交
互巻きして成る螺旋線体、特開平6−54912号公報
に記載されたように、クラッド法によりコイル造影性部
とコイル非造影性部とを形成して成る螺旋線体、特開平
9−38210号公報に記載されたように、コイル造影
性部である造影性ワイヤとコイル非造影性部である非造
影性ワイヤとを直列に接続し、コイル状に巻回して成る
螺旋線体等を挙げることができる。以上の外に、特開昭
2−114973号、特開平2−104370号、特開
平6−501179号、特開平6−54911号、特開
平6−327775号、特開平10−43307号、特
開平3−133463号、特開平6−319805号、
特開平3−51060号、特開平9−510125号、
特開平2−180277号、特開平6−178811
号、特開平7−500749号の各公報等に記載されて
いるところの、この発明における螺旋線体に相当するコ
イルを、螺旋線体として使用することができる。
【0049】もっとも、以上に言及した公知の螺旋線体
よりも、非造影性金属線の表面の全て又は一部に造影性
金属被膜を形成してなる螺旋線体即ち被覆螺旋線体が、
好適である。この被覆螺旋線体においては、前記非造影
性金属線がコイル非造影性部となり、前記造影性金属被
膜がコイル造影性部となる。
よりも、非造影性金属線の表面の全て又は一部に造影性
金属被膜を形成してなる螺旋線体即ち被覆螺旋線体が、
好適である。この被覆螺旋線体においては、前記非造影
性金属線がコイル非造影性部となり、前記造影性金属被
膜がコイル造影性部となる。
【0050】この被覆螺旋線体は、従来の螺旋線体にお
けるようなコイル非造影部とコイル造影部とをロウ付け
することによる接合部に起因する不都合がなく、しなや
かさを維持する。しかも、このような構成の螺旋線体
は、大量生産に好適であり、コストの低減を図ることが
できる。
けるようなコイル非造影部とコイル造影部とをロウ付け
することによる接合部に起因する不都合がなく、しなや
かさを維持する。しかも、このような構成の螺旋線体
は、大量生産に好適であり、コストの低減を図ることが
できる。
【0051】なお、非造影性とは、医療現場における通
常の造影条件においてX線撮影しても、画像として現わ
れない性質をいい、造影性とは、医療現場における通常
の造影条件においてX線撮影した場合に、画像として現
われる性質をいう。なお、ここで、医療現場における通
常の造影条件としては、電圧50〜150kV、電流値
0.2〜3A、焦点サイズ0.2〜3mm、IIF5〜
15インチである。
常の造影条件においてX線撮影しても、画像として現わ
れない性質をいい、造影性とは、医療現場における通常
の造影条件においてX線撮影した場合に、画像として現
われる性質をいう。なお、ここで、医療現場における通
常の造影条件としては、電圧50〜150kV、電流値
0.2〜3A、焦点サイズ0.2〜3mm、IIF5〜
15インチである。
【0052】非造影性金属線は、前述したように、ステ
ンレス合金、Ni−Ti合金等の非造影性金属で形成さ
れることができる。
ンレス合金、Ni−Ti合金等の非造影性金属で形成さ
れることができる。
【0053】この非造影性金属線の断面形状は、円形、
楕円形、方形及び長方形等の形を取り得る。この非造影
性金属線の断面形状が円形であるときには、その直径
は、通常、20〜200μmである。またこの非造影性
金属線の断面形状が楕円形であるときには、その長径及
び短径が20〜200μmの範囲内で適宜に決定され
る。同様にこの非造影性金属線の断面形状が方形又は長
方形であるときも、その断面形状における縦及び横の寸
法は20〜200μmの範囲内で適宜に決定される。
楕円形、方形及び長方形等の形を取り得る。この非造影
性金属線の断面形状が円形であるときには、その直径
は、通常、20〜200μmである。またこの非造影性
金属線の断面形状が楕円形であるときには、その長径及
び短径が20〜200μmの範囲内で適宜に決定され
る。同様にこの非造影性金属線の断面形状が方形又は長
方形であるときも、その断面形状における縦及び横の寸
法は20〜200μmの範囲内で適宜に決定される。
【0054】前記造影性金属被膜は、この発明の目的を
達成することができる限りにおいて特に制限はなく、た
とえば白金、金、及びイリジウム等、並び前記金属とロ
ジウム、ニッケル、又はコバルト等の金属とからなる合
金等で形成されることができ、特に金、金合金等で形成
された造影性金属線が、コイルの柔軟性、加工性及び造
影性の点において、好適である。
達成することができる限りにおいて特に制限はなく、た
とえば白金、金、及びイリジウム等、並び前記金属とロ
ジウム、ニッケル、又はコバルト等の金属とからなる合
金等で形成されることができ、特に金、金合金等で形成
された造影性金属線が、コイルの柔軟性、加工性及び造
影性の点において、好適である。
【0055】前記被覆螺旋線体の製造方法としては、非
造影性金属製芯線の表面の一部を、めっき法、スパッタ
法、EVD法、CVD法、又はイオン注入法等の公知の
方法により造影性金属で被覆する方法であってもよい。
このうち、非造影性金属製芯線における一端表面部を電
解めっき法により造影性金属で被覆する方法が、コイル
のしなやかさを損なうことなく、また製造が容易である
等の理由により最も好適である。
造影性金属製芯線の表面の一部を、めっき法、スパッタ
法、EVD法、CVD法、又はイオン注入法等の公知の
方法により造影性金属で被覆する方法であってもよい。
このうち、非造影性金属製芯線における一端表面部を電
解めっき法により造影性金属で被覆する方法が、コイル
のしなやかさを損なうことなく、また製造が容易である
等の理由により最も好適である。
【0056】特に、非造影性金属製芯線をコイル状に巻
回して成る巻回物を電解液に浸漬することにより非造影
性金属製芯線を一部溶解し、その非造影性金属製芯線の
直径を小さくしていき、所定時間の経過後に、直径の小
さく成った非造影性金属製芯線の巻回物を新たな電解め
っき液に浸漬することからなる電解メッキ法が好まし
く、この電解めっき法によると、直径の小さく成った非
造影性金属製芯線の表面に造影性金属がめっきされてい
き、最終的には非造影性金属製芯線の外表面に造影性金
属被膜の形成された被覆螺旋線体が形成される。
回して成る巻回物を電解液に浸漬することにより非造影
性金属製芯線を一部溶解し、その非造影性金属製芯線の
直径を小さくしていき、所定時間の経過後に、直径の小
さく成った非造影性金属製芯線の巻回物を新たな電解め
っき液に浸漬することからなる電解メッキ法が好まし
く、この電解めっき法によると、直径の小さく成った非
造影性金属製芯線の表面に造影性金属がめっきされてい
き、最終的には非造影性金属製芯線の外表面に造影性金
属被膜の形成された被覆螺旋線体が形成される。
【0057】また、非造影性金属線と造影性金属被膜と
を有する金属線をコイル状になった螺旋線体に形成する
方法としては、金属線等をコイル状に成形することがで
きる公知の方法を使用することができる。また、前記螺
旋線体は、コイル状に形成した後に、前記芯線体に装着
してもよく、また、前記金属線を芯線体に巻きつけてい
き、巻き終わった時点で螺旋線体が螺旋線体被装着部に
装着されて成るようにしても良い。
を有する金属線をコイル状になった螺旋線体に形成する
方法としては、金属線等をコイル状に成形することがで
きる公知の方法を使用することができる。また、前記螺
旋線体は、コイル状に形成した後に、前記芯線体に装着
してもよく、また、前記金属線を芯線体に巻きつけてい
き、巻き終わった時点で螺旋線体が螺旋線体被装着部に
装着されて成るようにしても良い。
【0058】この発明における螺旋線体は、更に最外表
面層として前記DLC被膜を含有していても良い。
面層として前記DLC被膜を含有していても良い。
【0059】この発明に係る医療用挿通線体の好適な態
様として、芯線体における医療用挿通線体の先端部以外
の部分にDLC被膜を有し、その先端部には親水性被膜
を有する医療用挿通線体を挙げることができる。
様として、芯線体における医療用挿通線体の先端部以外
の部分にDLC被膜を有し、その先端部には親水性被膜
を有する医療用挿通線体を挙げることができる。
【0060】前記親水性被膜は、DLC被膜よりも親水
性が大きいので、血管壁面に対してDLC被膜よりも低
い摩擦係数を有する。したがって、前記の構造を有する
医療用挿通線体の先端部は、血管中に挿入されたカテー
テルの先端開口部からカテーテル外に出た後に、先端部
に被覆を有しない医療用挿通線体及び先端部にDLC被
膜を有する医療用挿通線体等よりも、血管内皮を傷つけ
ずに血管中を円滑に進行することが可能になる。
性が大きいので、血管壁面に対してDLC被膜よりも低
い摩擦係数を有する。したがって、前記の構造を有する
医療用挿通線体の先端部は、血管中に挿入されたカテー
テルの先端開口部からカテーテル外に出た後に、先端部
に被覆を有しない医療用挿通線体及び先端部にDLC被
膜を有する医療用挿通線体等よりも、血管内皮を傷つけ
ずに血管中を円滑に進行することが可能になる。
【0061】前記先端部とは、医療用挿通線体におけ
る、カテーテル先端開口部からカテーテル外に出て、血
管中を進行する部分をいう。通常は、前記先端部は、医
療用挿通線体の先端とその先端から10〜60cmの位
置との間の部分である。
る、カテーテル先端開口部からカテーテル外に出て、血
管中を進行する部分をいう。通常は、前記先端部は、医
療用挿通線体の先端とその先端から10〜60cmの位
置との間の部分である。
【0062】なお、前記親水性被膜は、前記先端部に一
様に形成されている必要はなく、前記先端部に前記親水
性被膜が形成されていない部分が存在していても構わな
い。また、DLC被膜と親水性被膜とは、互いの末端部
同士を接触させた状態で医療用挿通線体上に設けられて
いる必要はなく、DLC被膜及び親水性被膜が共に設け
られていない部分を介して医療用挿通線体上に設けられ
ていてもよい。
様に形成されている必要はなく、前記先端部に前記親水
性被膜が形成されていない部分が存在していても構わな
い。また、DLC被膜と親水性被膜とは、互いの末端部
同士を接触させた状態で医療用挿通線体上に設けられて
いる必要はなく、DLC被膜及び親水性被膜が共に設け
られていない部分を介して医療用挿通線体上に設けられ
ていてもよい。
【0063】医療用挿通線体上における、DLC被膜と
親水性被膜とを設ける部分の態様は、前記条件を満たす
限り様々に可能である。たとえば、前記螺旋線体非装着
部となる芯線体の先端部に親水性被膜を形成させ、前記
芯線体における、前記螺旋線体を装着した部分以外の部
分にDLC被膜を形成させる方法、前記コイル上に親水
性被膜を形成させ、前記芯線体における、テーパ状にな
った部分以外の部分にDLC被膜を形成させる方法、及
び前記芯線体における、テーパ状になった部分と前記コ
イル上とに親水性被膜を形成させ、前記芯線体におけ
る、テーパ状になった部分以外の部分にDLC被膜を形
成させる方法等を挙げることができる。
親水性被膜とを設ける部分の態様は、前記条件を満たす
限り様々に可能である。たとえば、前記螺旋線体非装着
部となる芯線体の先端部に親水性被膜を形成させ、前記
芯線体における、前記螺旋線体を装着した部分以外の部
分にDLC被膜を形成させる方法、前記コイル上に親水
性被膜を形成させ、前記芯線体における、テーパ状にな
った部分以外の部分にDLC被膜を形成させる方法、及
び前記芯線体における、テーパ状になった部分と前記コ
イル上とに親水性被膜を形成させ、前記芯線体におけ
る、テーパ状になった部分以外の部分にDLC被膜を形
成させる方法等を挙げることができる。
【0064】前記親水性被膜の形成方法としては、コー
ティングやコーティング後の架橋による一部不溶化等を
挙げることができる。前記親水性被膜を形成する物質の
種類としては、この発明の目的を達成することができる
限りにおいて特に制限はなく、たとえば、ポリエチレン
グリコール、ボリカルボン酸、ポリビニルピロリドン及
びヒアルロン酸等を挙げることができる。また、
ティングやコーティング後の架橋による一部不溶化等を
挙げることができる。前記親水性被膜を形成する物質の
種類としては、この発明の目的を達成することができる
限りにおいて特に制限はなく、たとえば、ポリエチレン
グリコール、ボリカルボン酸、ポリビニルピロリドン及
びヒアルロン酸等を挙げることができる。また、
【0065】前記親水性被膜の厚みとしては、この発明
の目的を達成することができる限りにおいて特に制限は
なく、たとえば0.1〜20μmとすることができる。
前記親水性被膜の厚みが前記範囲内であると、医療用挿
通線体に親水性を十分に付与することができ、また医療
用挿通線体の直径が大きくなり過ぎない点において好適
である。なお、前記親水性被膜の厚みは必ずしも均一で
ある必要はない。
の目的を達成することができる限りにおいて特に制限は
なく、たとえば0.1〜20μmとすることができる。
前記親水性被膜の厚みが前記範囲内であると、医療用挿
通線体に親水性を十分に付与することができ、また医療
用挿通線体の直径が大きくなり過ぎない点において好適
である。なお、前記親水性被膜の厚みは必ずしも均一で
ある必要はない。
【0066】また、医療用挿通線体の先端部に親水性を
付与する他の方法として、芯線体の先端部を被覆したD
LC被膜に官能基を導入し、この官能基に親水性物質を
結合させる方法が挙げられる。この方法により得られる
医療用挿通線体は、前記の先端部に親水性被膜を有する
医療用挿通線体の場合と同様に、血管中に挿入されたカ
テーテルの先端開口部からカテーテル外に出た医療用挿
通線体の先端部が、血管等の生体組織中及びカテーテル
内を円滑に進行することが可能である。
付与する他の方法として、芯線体の先端部を被覆したD
LC被膜に官能基を導入し、この官能基に親水性物質を
結合させる方法が挙げられる。この方法により得られる
医療用挿通線体は、前記の先端部に親水性被膜を有する
医療用挿通線体の場合と同様に、血管中に挿入されたカ
テーテルの先端開口部からカテーテル外に出た医療用挿
通線体の先端部が、血管等の生体組織中及びカテーテル
内を円滑に進行することが可能である。
【0067】前記親水性物質としては、前記親水性被膜
を形成することのできる物質と同様に、たとえばポリエ
チレングリコール、ボリカルボン酸、ポリビニルピロリ
ドン及びヒアルロン酸等を挙げることができる。
を形成することのできる物質と同様に、たとえばポリエ
チレングリコール、ボリカルボン酸、ポリビニルピロリ
ドン及びヒアルロン酸等を挙げることができる。
【0068】前記官能基に結合させる親水性物質の量
は、医療用挿通線体の先端部に十分な親水性及び潤滑性
を付与することができれば特に制限はないが、前記目的
を達成することができる範囲内で最少量であることが望
ましい。
は、医療用挿通線体の先端部に十分な親水性及び潤滑性
を付与することができれば特に制限はないが、前記目的
を達成することができる範囲内で最少量であることが望
ましい。
【0069】前記官能基としては、カルボキシル基、水
酸基、アミノ基及び塩素原子等を挙げることができ、特
に、アミノ基及び塩素原子が、反応制御性に優れるとい
う点において好ましい。
酸基、アミノ基及び塩素原子等を挙げることができ、特
に、アミノ基及び塩素原子が、反応制御性に優れるとい
う点において好ましい。
【0070】前記官能基を、医療用挿通線体の先端部を
被覆したDLC被膜に導入する方法としては、たとえ
ば、DLC被膜生成過程の最終段階でアミノ基及び塩素
原子等を含有する化合物を反応系に注入する方法等を挙
げることができる。
被覆したDLC被膜に導入する方法としては、たとえ
ば、DLC被膜生成過程の最終段階でアミノ基及び塩素
原子等を含有する化合物を反応系に注入する方法等を挙
げることができる。
【0071】前記官能基に前記親水性物質を結合させる
方法としては、たとえば、イソシアナート化合物による
反応を利用する方法等を挙げることができる。
方法としては、たとえば、イソシアナート化合物による
反応を利用する方法等を挙げることができる。
【0072】この発明に係る医療用挿通線体は、以下の
ように作用する。
ように作用する。
【0073】人体の所定の位置から例えば血管中に挿入
されたカテーテル中に、前記医療用挿通線体を挿入し、
カテーテル中を進行させる。このとき、前記医療用挿通
線体は、その表面に、カテーテル内壁面に対して、潤滑
性の大きいDLC被膜を有するので、前記医療用挿通線
体はカテーテル内を円滑に進行することができる。ま
た、前記医療用挿通線体は、前述のように腰が強いの
で、前記医療用挿通線体をカテーテル中に送り込む際
に、前記医療用挿通線体がカテーテル中で撓むことがな
く、また前記医療用挿通線体に加えた力がその先端部ま
で確実に伝わり、複雑に湾曲した血管中にも前記医療用
挿通線体を効果的に送り込むことができる。
されたカテーテル中に、前記医療用挿通線体を挿入し、
カテーテル中を進行させる。このとき、前記医療用挿通
線体は、その表面に、カテーテル内壁面に対して、潤滑
性の大きいDLC被膜を有するので、前記医療用挿通線
体はカテーテル内を円滑に進行することができる。ま
た、前記医療用挿通線体は、前述のように腰が強いの
で、前記医療用挿通線体をカテーテル中に送り込む際
に、前記医療用挿通線体がカテーテル中で撓むことがな
く、また前記医療用挿通線体に加えた力がその先端部ま
で確実に伝わり、複雑に湾曲した血管中にも前記医療用
挿通線体を効果的に送り込むことができる。
【0074】医療用挿通線体の先端部は、カテーテルの
先端部に達した後、カテーテル先端開口部からカテーテ
ル外に出て、生体組織内例えば血管内の血液中を進行す
る。医療用挿通線体の先端部にDLC被膜が設けられて
いる場合には、DLC被膜は血管内の血液及び血管壁面
に対して親和性を有するので、医療用挿通線体の先端部
は血管中を円滑に進行することができる。
先端部に達した後、カテーテル先端開口部からカテーテ
ル外に出て、生体組織内例えば血管内の血液中を進行す
る。医療用挿通線体の先端部にDLC被膜が設けられて
いる場合には、DLC被膜は血管内の血液及び血管壁面
に対して親和性を有するので、医療用挿通線体の先端部
は血管中を円滑に進行することができる。
【0075】また、医療用挿通線体の先端部に親水性被
膜が設けられている場合、又は、医療用挿通線体の先端
部に親水性物質が結合されている場合には、親水性被膜
及び親水性物質は、DLC被膜よりも大きな前記親和性
を有するので、医療用挿通線体の先端部は血管中をさら
に円滑に進行することができる。
膜が設けられている場合、又は、医療用挿通線体の先端
部に親水性物質が結合されている場合には、親水性被膜
及び親水性物質は、DLC被膜よりも大きな前記親和性
を有するので、医療用挿通線体の先端部は血管中をさら
に円滑に進行することができる。
【0076】医療用挿通線体先端部は、血管中を進行
し、塞栓存在部に達する。前述のように、前記医療用挿
通線体は腰が強いので、前記医療用挿通線体に加えた力
がその先端部まで確実に伝わり、塞栓除去作業を効果的
に実施することができる。
し、塞栓存在部に達する。前述のように、前記医療用挿
通線体は腰が強いので、前記医療用挿通線体に加えた力
がその先端部まで確実に伝わり、塞栓除去作業を効果的
に実施することができる。
【0077】
【発明の効果】この発明に係る医療用挿通線体は、DL
C被膜を有するので、テフロン被膜を有する医療用挿通
線体よりも、カテーテル内を円滑に進行させることがで
きる。また、この発明に係る医療用挿通線体は、その先
端部にDLC被膜若しくは親水性被膜を形成させること
により、又はその先端部に親水性物質を結合させること
により、血管中を円滑に進行させることができる。
C被膜を有するので、テフロン被膜を有する医療用挿通
線体よりも、カテーテル内を円滑に進行させることがで
きる。また、この発明に係る医療用挿通線体は、その先
端部にDLC被膜若しくは親水性被膜を形成させること
により、又はその先端部に親水性物質を結合させること
により、血管中を円滑に進行させることができる。
【0078】この発明に係る医療用挿通線体は、腰が強
いので、医療用挿通線体に加えた力がその先端部まで確
実に伝わり、塞栓除去作業を効果的に実施することがで
きる。
いので、医療用挿通線体に加えた力がその先端部まで確
実に伝わり、塞栓除去作業を効果的に実施することがで
きる。
【0079】この発明に係る医療用挿通線体は、その製
造に当たり、従来の医療用挿通線体の製造において必要
であった熟練を要することがなく、また一時に大量生産
可能である。
造に当たり、従来の医療用挿通線体の製造において必要
であった熟練を要することがなく、また一時に大量生産
可能である。
【図1】図1はこの発明の一例である医療用挿通線体を
示す説明図である。
示す説明図である。
1…医療用挿通線体、2…芯線体本体、3…螺旋線体被
装着部、4…芯線体、5…DLC被膜、6…螺旋線体。
装着部、4…芯線体、5…DLC被膜、6…螺旋線体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C061 AA00 AA23 BB00 CC00 DD00 FF43 GG15 HH56 JJ06 JJ11 4C081 AC08 BB05 CA132 CE09 CF161 DA03 DC04
Claims (7)
- 【請求項1】 芯線体とその表面に形成されたDLC被
膜とを有することを特徴とする医療用挿通線体。 - 【請求項2】 芯線体の先端より所定の部位までが、螺
旋線体被装着部であり、その螺旋線体被装着部に螺旋線
体が装着されて成る前記請求項1に記載の医療用挿通線
体。 - 【請求項3】 前記芯線体は、その先端から所定の部位
までの表面に、親水性被膜を有する請求項1に記載の医
療用挿通線体。 - 【請求項4】 前記親水性被膜は、その親水性被膜に存
在する官能基に結合した親水性物質を有する請求項3に
記載の医療用挿通線体。 - 【請求項5】 前記DLC被膜は、その厚みが0.3〜
7μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療
用挿通線体。 - 【請求項6】 前記DLC被膜は、フッ素を含有する請
求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用挿通線体。 - 【請求項7】 前記芯線体と前記DLC被膜との間にシ
リコン被膜が形成されて成る請求項1〜6のいずれか1
項に記載の医療用挿通線体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000053903A JP2001238962A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 医療用挿通線体 |
PCT/JP2001/001506 WO2001064276A1 (fr) | 2000-02-29 | 2001-02-28 | Element lineaire d'insertion chirurgicale, production de celui-ci, element lineaire pouvant recevoir une spirale utilisable avec l'element lineaire d'insertion chirurgicale, et production de cet element lineaire pouvant recevoir une spirale |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000053903A JP2001238962A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 医療用挿通線体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001238962A true JP2001238962A (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=18575230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000053903A Withdrawn JP2001238962A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 医療用挿通線体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001238962A (ja) |
WO (1) | WO2001064276A1 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007132570A1 (ja) * | 2006-05-17 | 2007-11-22 | Toyo Advanced Technologies Co., Ltd. | ダイヤモンド様薄膜を備えた医療器具及びその製造方法 |
JPWO2005061021A1 (ja) * | 2003-12-19 | 2007-12-13 | 学校法人慶應義塾 | 炭素膜を被覆した医療用ガイドワイヤー |
JP2008515534A (ja) * | 2004-10-08 | 2008-05-15 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | ダイヤモンド状炭素で被覆された医療用装置 |
JP2009125774A (ja) * | 2007-11-22 | 2009-06-11 | Tokuriki Honten Co Ltd | 微小薄肉金属パイプおよびその製造方法 |
JP2009527283A (ja) * | 2006-02-16 | 2009-07-30 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | 医療用バルーンおよびその製造方法 |
WO2010122773A1 (ja) * | 2009-04-20 | 2010-10-28 | 国立大学法人茨城大学 | 生体組織と人工物の接着装置、ステント |
US8162855B2 (en) | 2002-09-20 | 2012-04-24 | Seven Dreamers Laboratories, Inc. | Medical guide wire and process for production thereof |
WO2016136609A1 (ja) * | 2015-02-27 | 2016-09-01 | 二プロ株式会社 | ガイドワイヤ |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62240066A (ja) * | 1986-04-10 | 1987-10-20 | 田畑 米穂 | 医療用管状器官および製造方法 |
JPH03267301A (ja) * | 1990-03-16 | 1991-11-28 | Nok Corp | 表面被覆超微粒子の製造方法 |
JPH07185010A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-07-25 | Clinical Supply:Kk | 医療用ガイドワイヤ |
JP3599772B2 (ja) * | 1994-02-21 | 2004-12-08 | 株式会社パイオラックス | 医療用ガイドワイヤ |
JPH10110257A (ja) * | 1996-10-03 | 1998-04-28 | Nissin Electric Co Ltd | 医療用被覆材 |
US5924998A (en) * | 1997-03-06 | 1999-07-20 | Scimed Life System, Inc. | Guide wire with hydrophilically coated tip |
JPH10290839A (ja) * | 1997-04-21 | 1998-11-04 | Terumo Corp | ガイドワイヤ |
-
2000
- 2000-02-29 JP JP2000053903A patent/JP2001238962A/ja not_active Withdrawn
-
2001
- 2001-02-28 WO PCT/JP2001/001506 patent/WO2001064276A1/ja active Application Filing
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8162855B2 (en) | 2002-09-20 | 2012-04-24 | Seven Dreamers Laboratories, Inc. | Medical guide wire and process for production thereof |
US8192373B2 (en) | 2002-09-20 | 2012-06-05 | Seven Dreamers Laboratories, Inc. | Medical guide wire and process for production thereof |
JPWO2005061021A1 (ja) * | 2003-12-19 | 2007-12-13 | 学校法人慶應義塾 | 炭素膜を被覆した医療用ガイドワイヤー |
JP2008515534A (ja) * | 2004-10-08 | 2008-05-15 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | ダイヤモンド状炭素で被覆された医療用装置 |
JP2009527283A (ja) * | 2006-02-16 | 2009-07-30 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | 医療用バルーンおよびその製造方法 |
WO2007132570A1 (ja) * | 2006-05-17 | 2007-11-22 | Toyo Advanced Technologies Co., Ltd. | ダイヤモンド様薄膜を備えた医療器具及びその製造方法 |
US7931934B2 (en) | 2006-05-17 | 2011-04-26 | Toyo Advanced Technologies Co., Ltd. | Medical device having diamond-like thin film and method for manufacturing thereof |
JP2009125774A (ja) * | 2007-11-22 | 2009-06-11 | Tokuriki Honten Co Ltd | 微小薄肉金属パイプおよびその製造方法 |
WO2010122773A1 (ja) * | 2009-04-20 | 2010-10-28 | 国立大学法人茨城大学 | 生体組織と人工物の接着装置、ステント |
JP5543435B2 (ja) * | 2009-04-20 | 2014-07-09 | 国立大学法人茨城大学 | 生体組織と人工物の接着装置、ステント |
WO2016136609A1 (ja) * | 2015-02-27 | 2016-09-01 | 二プロ株式会社 | ガイドワイヤ |
CN107206216A (zh) * | 2015-02-27 | 2017-09-26 | 尼普洛株式会社 | 导丝 |
JPWO2016136609A1 (ja) * | 2015-02-27 | 2017-12-07 | ニプロ株式会社 | ガイドワイヤ |
CN107206216B (zh) * | 2015-02-27 | 2020-11-06 | 尼普洛株式会社 | 导丝 |
US10987493B2 (en) | 2015-02-27 | 2021-04-27 | Nipro Corporation | Guide wire |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2001064276A1 (fr) | 2001-09-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070501 |