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JP2001212972A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

Info

Publication number
JP2001212972A
JP2001212972A JP2000024418A JP2000024418A JP2001212972A JP 2001212972 A JP2001212972 A JP 2001212972A JP 2000024418 A JP2000024418 A JP 2000024418A JP 2000024418 A JP2000024418 A JP 2000024418A JP 2001212972 A JP2001212972 A JP 2001212972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
tank
decompression
sub
recording apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000024418A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Matsumoto
斉 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2000024418A priority Critical patent/JP2001212972A/ja
Publication of JP2001212972A publication Critical patent/JP2001212972A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減圧補給を行うインクジェット式記録装置に
おいて、スループットを向上させること。 【解決手段】 インクカートリッジを構成するメインタ
ンク21より、キャリッジ上に搭載されたサブタンク7
に対して、インク補給チューブ8を介してインクを補給
し、印刷データに基づいて記録ヘッド6よりインク滴を
吐出させることによって印刷を行うように構成されてい
る。前記サブタンク7には減圧室22とインク貯留室2
3が形成され、減圧室の減圧によってメインタンクから
インクが補給されるようになされる。また減圧室22よ
り一方向弁35を介してインク貯留室23にインクが供
給されるように構成されている。この構成により、イン
ク貯留室からのインクの供給を受けて記録ヘッドによる
印字の動作を継続しつつ、減圧室に対してメインタンク
よりインクの補給を実行することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドが搭載
されたキャリッジ上に、記録ヘッドにインクを供給する
ためのサブタンクが搭載され、このサブタンクに対して
インク補給チューブを介してメインタンクからインクが
補給されるように構成したインクジェット式記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は印刷時の騒
音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形
成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多く
の印刷に使用されている。このようなインクジェット式
記録装置は、一般にキャリッジ上に搭載されて記録用紙
の幅方向に移動するインクジェット式記録ヘッドと、記
録用紙を記録ヘッドの移動方向と直交する方向に移動さ
せる紙送り手段が備えられ、印刷データに基づいて記録
ヘッドよりインク滴を吐出させることにより記録用紙に
対して印刷が行われる。
【0003】そしてキャリッジ上に、例えばブラック、
イエロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能な
記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印
刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることによ
り、フルカラー印刷を可能にしている。
【0004】一方、例えばオフィス向けまたは業務用に
提供されるこの種の記録装置においては、比較的大量の
印刷に対応させるために、大容量のインクカートリッジ
を配備する必要が生じ、このためにインクカートリッジ
としてのメインタンクを例えば装置本体の側部に配置さ
れた装着装置(カートリッジホルダ)に装填させる形式
の記録装置が提供されている。
【0005】そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッ
ジ上にはサブタンクが配置され、前記各メインタンクか
ら各サブタンクに対してインク補給チューブを介してそ
れぞれインクを補給し、さらに各サブタンクからそれぞ
れ記録ヘッドに対してインクを供給するように構成され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今におい
てはより大きな紙面に対して印刷を行うことが可能な、
キャリッジの走査距離の長い大型の記録装置が要求され
ている。このような記録装置においては、スループット
を向上させるために、記録ヘッドにおいては益々多ノズ
ル化が図られている。さらに、スループットを向上させ
るためには、印刷を実行しながらメインタンクからキャ
リッジに搭載された各サブタンクに対して逐次インクを
補給することを可能とし、各サブタンクからそれぞれ記
録ヘッドに対してインクを安定して供給するような記録
装置が求められる。
【0007】このような記録装置においては、メインタ
ンクからサブタンクに対して、それぞれのインクに対応
してインク補給チューブを接続する必要があり、キャリ
ッジの走査距離が大きいために必然的にチューブの引き
回し距離が増大する。しかも前記したとおり、記録ヘッ
ドにおいては多ノズル化が図られているために、インク
の消費量が多く、メインタンクからサブタンクに接続さ
れた各インク補給チューブ内においてインクの動圧が高
まり、サブタンクに対するインクの補給量が不足すると
いう技術的課題を抱えている。
【0008】このような課題を解決するための一つの手
段として、例えばサブタンク内を負圧に減圧し、メイン
タンクからサブタンクに対して負圧によるインク流を発
生させて、サブタンクに対して必要十分なインクを補給
する構成が考えられる。
【0009】このような減圧によるサブタンクへのイン
クの補給を実行させようとする特許出願等が既に多数な
されているものの、いずれにしてもサブタンクにインク
を補給する場合においては、サブタンク内を負圧により
減圧させる必要があるため、この減圧状態においては、
記録ヘッドに対するインクの供給が困難になる。
【0010】このために、サブタンクにインクを補給す
る状態においては、印字動作を一時的に停止せざるを得
ず、これによりスループットが低下するという問題が発
生する。
【0011】本発明は、このような技術的な課題を解決
するためになされたものであり、その目的とするところ
は、前記したようにサブタンクへの減圧補給を行う場合
においても、記録ヘッドによる印字動作を継続して実行
させることが可能なインクジェット式記録装置を提供し
ようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復
移動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共にキャリ
ッジに搭載され、メインタンクからインク補給路を介し
てインクの補給を受けると共に、前記記録ヘッドにイン
クを供給するサブタンクとを備えたインクジェット式記
録装置であって、前記サブタンクには減圧室が形成さ
れ、前記減圧室の減圧によって前記メインタンクから減
圧室に対してインクが補給されると共に、減圧室に補給
されたインクが一方向弁を介して前記サブタンクに形成
されたインク貯留室に供給されるように構成され、前記
インク貯留室より前記記録ヘッドにインクを供給するよ
うになされる。
【0013】この場合、前記メインタンクからサブタン
クに至るインク補給路として、好ましくは可撓性のイン
ク補給チューブが用いられる。
【0014】そして、前記サブタンクに形成された減圧
室には、メインタンクから補給されるインクの貯留量に
応じて減圧状態または減圧状態を停止させる減圧制御手
段が配置され、前記減圧室が減圧状態になされた場合に
おいて、メインタンクから減圧室にインクが導入される
ように構成される。
【0015】この場合、好ましくは前記サブタンクの減
圧室に配置された減圧制御手段は、減圧室内に貯留され
たインクによって浮上するフロート部材と、前記フロー
ト部材の浮上位置に応じて開閉弁されるエアーバルブと
により構成され、前記エアーバルブが負圧発生手段に連
通された構成とされる。
【0016】そして、キャリッジ上には各インクを個別
に扱う複数のサブタンクが搭載され、各サブタンクの減
圧室にそれぞれ備えられた各エアーバルブが、1つの負
圧発生手段に連通されるように構成されていることが望
ましい。
【0017】さらに、好ましくは前記エアーバルブが、
前記負圧発生手段に連通するバルブ開口を備えた軟質性
素材によるバルブ部材と、前記フロート部材に配置され
てフロート部材の移動に伴って前記バルブ部材のバルブ
開口を閉塞するシール部材とにより構成される。
【0018】一方、前記サブタンクにおける減圧室の下
底部よりも、インク貯留室の下底部が重力方向において
低い位置に形成されることが好ましい。そして、好まし
くは前記減圧室に補給されたインクをインク貯留室に供
給する前記一方向弁が、減圧室の下底部またはその近傍
に配置される。加えて、好ましくは前記記録ヘッドにイ
ンクを供給するインク供給口が、前記サブタンクにおけ
るインク貯留室の下底部またはその近傍に形成される。
【0019】また、前記減圧室には、減圧開放弁に連通
する減圧開放口が形成される。この場合、好ましい実施
の形態においては、前記減圧開放弁がキャリッジ上に配
置される。さらに、前記減圧開放弁が可撓性の減圧開放
チューブを介して記録装置本体側に配置された構成も好
適に採用し得る。
【0020】以上のように構成されたインクジェット式
記録装置によると、サブタンクを構成する減圧室内のイ
ンクが所定以下となった場合には、減圧制御手段を構成
するサブタンク内のフロート部材の位置が低下し、負圧
発生手段としての減圧ポンプに連通するエアーバルブが
開弁状態とされる。これにより減圧室は減圧ポンプの作
用を受けて減圧状態になされる。したがって、減圧室に
は負圧の作用によりメインタンクより迅速にインクが供
給される。
【0021】そして、各サブタンクの減圧室内に所定の
液面までインクが補給されると、フロート部材の浮上に
よりそれぞれに配置されたエアーバルブが閉弁されて減
圧状態が解除される。これにより、各減圧室のインクの
供給は適切な充填状態で停止される。
【0022】この場合、前記したように減圧制御手段
は、各インクを貯留する減圧室に備えられたそれぞれの
エアーバルブを介して1つの負圧発生手段に連通される
ように構成されており、したがって各サブタンクの減圧
室に対して共通の負圧を印加しつつインクを充填するこ
とができる。そして、各サブタンクにおける減圧室のイ
ンク貯留量に応じて、順次エアーバルブが閉弁されてそ
れぞれに対するインクの補給が完了される。
【0023】一方、各サブタンクの減圧室に補給された
インクは、インクの重力にしたがって一方向弁を介して
サブタンクに形成されたインク貯留室にそれぞれ供給さ
れ、インク貯留室には減圧室におけるインクの貯留線と
ほぼ同一となるよう補給される。そして、インク貯留室
に貯留されたインクが記録ヘッドに供給され、記録ヘッ
ドに印加される印刷データに応じてインク滴が吐出さ
れ、記録用紙に対する印刷が実行される。
【0024】そして、印刷の実行等によって減圧室にお
けるインク量が所定以下となった場合には、再び前記し
た減圧補給がなされる。この場合、インク貯留室は前記
一方向弁によって減圧室とは隔離された状態とされるた
め、各メインタンクからのインクの補給動作中において
も、インク貯留室から記録ヘッドに対するインクの供給
を続行することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づい
て説明する。図1は、本発明が適用され得るインクジェ
ット式記録装置の一例を上面図によって示したものであ
る。図1において符号1はキャリッジであり、このキャ
リッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミ
ングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されて紙送り
部材5の長手方向に沿って往復移動されるように構成さ
れている。そして、キャリッジ1の記録用紙に対向する
面には、インクジェット式記録ヘッド6が搭載されてい
る。
【0026】また、キャリッジ1の上部には前記記録ヘ
ッド6にそれぞれインクを供給するためのサブタンク7
が搭載されている。このサブタンク7はこの実施の形態
においては、その内部において各インクを一時的に貯留
するためにそれぞれのインクに対応して4個具備されて
いる。そして、この各サブタンク7に対して装置の本体
側に配置された後述するインクカートリッジとしてのメ
インタンクからインク供給経路を構成する4本のインク
補給チューブ8,8,……をそれぞれ介し、ブラック、
イエロー、マゼンタおよびシアンの各インクが供給され
るように構成されている。
【0027】一方、前記各サブタンク7からは、各サブ
タンク7の内部を減圧状態とする後述する負圧発生手段
としての減圧ポンプに接続される1本の共通した減圧チ
ューブ9が導出されている。さらに、前記記録ヘッド6
の移動経路上の非印字領域には、記録ヘッド6のノズル
形成面を封止することができるキャッピング装置10が
配置されている。このキャッピング装置10の上面に
は、キャリッジ1が非印刷領域、すなわち図中右端に移
動したときに、キャリッジ1の移動に追従して上方向に
移動して前記記録ヘッド6のノズル形成面を封止するキ
ャップ部材10aが配置されている。
【0028】このキャッピング装置10は、記録装置の
休止期間中において記録ヘッド6のノズル形成面を封止
し、ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する
他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加し
てインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク
受けとして機能し、さらに後述する吸引ポンプによる負
圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドからインクを
吸引排出させるクリーニング動作を実行させる機能も兼
ね備えている。
【0029】そして、前記キャップ部材10aには、図
1には示されていないが、吸引ポンプ(チューブポン
プ)におけるチューブの一端がそれぞれ接続され、また
吸引ポンプを介したチューブの他端は、後述する廃液吸
収材を収容した廃液タンク11に接続されており、これ
により前記したクリーニングおよびフラッシング動作に
よって排出された廃液がタンク11に送り込まれるよう
に構成されている。
【0030】図2は、図1に示す記録装置に配備された
1つのインク供給システムの構成を模式的に示したもの
であり、図2において図1と同一部分は同一符号で示し
ている。図2における符号21はインクカートリッジと
してのメインタンクを示しており、このメインタンク2
1は装置の本体側に配置された図示せぬカートリッジホ
ルダに装填されている。
【0031】前記メインタンク21は、例えば内部にイ
ンクを封入した可撓性素材により形成された密閉式のイ
ンク袋(インクパック)と、これを収納する例えば合成
樹脂により箱型に成形された外部ケースとにより構成さ
れている。
【0032】そして、このメインタンク21におけるイ
ンクパックより、インク補給路としてのインク補給チュ
ーブ8を介してキャリッジ1上に装填されたサブタンク
7に対してインクが補給されるように構成されている。
なお、図2においてはメインタンク21、インク補給チ
ューブ8およびサブタンク7は、代表して各1つ描かれ
ているが、この実施の形態においては、それぞれブラッ
ク、イエロー、シアン、マゼンタの各インクを扱う4組
の構成が備えられる。
【0033】図3乃至図5は、前記サブタンク7の詳細
な構成を断面図によって示したものであり、図3はサブ
タンク7内のインク貯留量が低下した状態を示し、また
図4はサブタンク7に対してインクが補充された状態を
示し、さらに図5はサブタンク7に対してインクが補給
された直後に後述するように減圧開放弁が開弁された状
態を示している。
【0034】このサブタンク7は、減圧室22およびイ
ンク貯留室23より構成されている。そして、インク補
給チューブ8を介してメインタンク21から補給される
インクは、減圧室22内に垂直状態に形成されたインク
補給管24を介して減圧室22の下底部22aの近傍に
おいて減圧室22内にインクが補給できるように構成さ
れている。
【0035】そして、前記減圧室22内には、減圧室2
2内に貯留されたインクによって浮上するフロート部材
25が配置されている。このフロート部材25は、減圧
室22内に水平方向に配備された支持軸26を回動中心
として重力方向に上下に可動できるように構成されてい
る。
【0036】また、フロート部材25の上部には、シー
ル部材27が取り付けられており、このシール部材27
は、減圧室22内へ補充されたインクによって浮上し
て、減圧室22の上部に配備されたエアーバルブを構成
するゴム等の軟質性部材により形成されたバルブ部材2
8に当接されるように構成されている。
【0037】このバルブ部材28には、図3に示された
ようにその中央部を貫通するバルブ開口28aが形成さ
れており、したがって、フロート部材25の浮上により
シール部材27がバルブ開口28aを閉塞することでエ
アーバルブを閉弁し、これにより、後述する負圧発生手
段としての減圧ポンプに通ずる吸引口29が閉塞される
ように構成されている。すなわち、前記フロート部材2
5、およびシール部材27とバルブ部材28からなるエ
アーバルブとにより減圧制御手段が構成されている。
【0038】一方、前記吸引口29には、図1および図
2に示したとおり減圧チューブ9の一端が接続されてお
り、その他端は記録装置の本体側に配置された減圧ポン
プ31に接続されている。なお、図には示されていない
が、各サブタンク7における前記吸引口29の先は、横
断的に連通されており、この連通部が減圧チューブ9に
接続され、1本の減圧チューブ9を介して1つの減圧ポ
ンプ31に接続された構成とされている。
【0039】この構成により、それぞれのサブタンク7
における各減圧室22に対して、1つの減圧ポンプ31
による負圧が印加され、後述するように各サブタンク7
における減圧室22に対して、それぞれメインタンクか
らインクが補給できるように作用する。
【0040】また、前記サブタンク7における減圧室2
2には、減圧開放口32が形成されており、この減圧開
放口32は図2に示したように減圧開放チューブ33を
介して、キャリッジ1上に装着された減圧開放弁34に
接続されている。
【0041】一方、減圧室22とインク貯留室23との
間には、減圧室22からインク貯留室23側にのみイン
ク流すことができる一方向弁35が配置されている。こ
の一方向弁35は、減圧室の下底部またはその近傍に配
置されていることが望ましく、図に示す形態において
は、一方向弁35は減圧室22とインク貯留室23とを
区画する中央の区画壁7aにおける下端部に配置されて
いる。
【0042】また、前記サブタンクにおける減圧室22
の下底部22aよりも、インク貯留室23の下底部23
aが重力方向において低い位置に形成されていることが
望ましい。
【0043】このような構成によって、インク貯留室2
3に貯留されたインクが記録ヘッド6の印字動作等によ
って消費された場合、減圧室22に貯留されるインクの
殆どを、その自重により一方向弁35を介してインク貯
留室23側に供給することができる。
【0044】前記インク貯留室23には、記録ヘッド6
にインクを供給するインク供給口23bが形成されてい
る。この場合、インク供給口23bはインク貯留室の下
底部またはその近傍に形成されていることが望ましく、
この実施の形態においては、インク供給口23bはイン
ク貯留室23の側壁における下端部に形成されている。
そして、インク供給口23bに接続されたチューブ37
を介して前記記録ヘッド6に対してインクが供給される
ように構成されている。
【0045】この構成によって、インク貯留室23に貯
留されたインクの液面が、その下底部近傍に至るまで、
サブタンクへのインクの補給を停止させることができ、
後述する減圧補給の動作間隔を実質的に広げることがで
きる。
【0046】なお、前記インク貯留室23の上部には大
気開放口36が形成されており、この大気開放口36
は、前記減圧室22から一方向弁35を介してインク貯
留室23にインクが供給される場合、また、インク貯留
室23のインクが記録ヘッド6によって消費される場合
に、インク貯留室23への大気の導入および排出がなさ
れるように作用する。
【0047】また、図2に示されたように、記録ヘッド
6のノズル形成面を封止するキャッピング装置10に接
続された吸引ポンプ38の排出側は、廃液タンク11に
接続されている。そして、前記したヘッドクリーニング
動作等によって排出された廃液は、廃液タンク11に収
容された廃液吸収材11aに吸収された状態で保持され
るように構成されている。
【0048】以上の構成において、図3に示されたよう
にサブタンク7内のインク貯留量が低下し、サブタンク
7に対してインクを補給する場合においては、減圧開放
弁34が閉弁された状態で前記減圧ポンプ31が駆動さ
れる。これにより、減圧ポンプ31による負圧がサブタ
ンク7における減圧室22に印加される。この場合にお
いては、前記一方向弁35は閉弁状態となされ、したが
って、各サブタンク7における減圧室22は負圧状態と
なり、それぞれメインタンク21より減圧室22に対し
てインクが補給される。
【0049】メインタンク21よりインクが補給される
にしたがって、減圧室22内におけるフロート部材25
は、図3から図4に示されたように支持軸26を回動中
心として浮上する。そして、図4に示されたように、減
圧室22内のインク量がほぼ満タンの状態となった時、
フロート部材25は最も浮上した状態となり、フロート
部材25に取り付けられたシール部材27が、バルブ部
材28のバルブ開口28aを閉塞する。これにより、減
圧ポンプ31による負圧を受けてシール部材27はバル
ブ部材28に吸着された状態で閉弁される。
【0050】したがって、減圧室22は減圧ポンプ31
による負圧の印加が解除され、図4に示された状態でイ
ンクの補給が停止される。そして、前記減圧ポンプ31
は、すべてのサブタンク7における減圧室にインクがほ
ぼ満タンに補給された時点で、その駆動が停止されると
共に、前記減圧開放弁34は開弁される。
【0051】前記減圧ポンプ31の駆動停止動作、およ
び減圧開放弁34の開弁動作は、減圧ポンプ31の駆動
開始後における所定の時間経過後になされるように構成
されていてもよい。また、減圧ポンプ31の負荷が増大
した時、この状態ですべてのサブタンクにおいてインク
がほぼ満タンに補給されたと推定して、減圧ポンプ31
の駆動停止動作および減圧開放弁34の開弁動作を行っ
てもよい。
【0052】以上の動作により、図4に示されたように
各サブタンク7における減圧室22には、ほぼ満タンに
インクが補給される。そして、前記減圧開放弁34の開
弁により、減圧室22内のインクはインクの水頭差に基
づいて、一方向弁35を介してサブタンク7に形成され
たインク貯留室23にそれぞれ供給され、図5に示され
たようにインク貯留室23には減圧室22におけるイン
クの貯留線とほぼ同一となる程度にインク補給される。
【0053】この時、フロート部材25は減圧室22に
おけるインクの貯留線の低下にしたがって図5に示され
たように若干重力方向に回動され、フロート部材25に
取り付けられたシール部材27によるバルブ開口28a
の閉塞が解かれる。
【0054】そして、インク貯留室23に貯留されたイ
ンクが記録ヘッド6に供給され、記録ヘッドに印加され
る印刷データに基づいてインク滴が吐出され、記録用紙
に対する印刷が実行される。この印刷の実行により、イ
ンク貯留室23のインクが消費され、インク液面が低下
すると、減圧室におけるインクは前記一方向弁35を介
して、逐次インク貯留室23側に補給される。
【0055】そして、いずれかのサブタンク7における
インク貯留量が所定以下となる状態において、再び減圧
開放弁34が閉弁され、減圧ポンプ31が駆動されるこ
とによって前記した減圧補給が実行される。この減圧補
給の実行中においては、サブタンク7におけるインク貯
留室23は、前記一方向弁35の作用によって、負圧か
ら隔離されるため、引き続いてインク貯留室23に貯留
されたインクによって印字を続行させることができる。
【0056】なお、図2に示した実施の形態において
は、前記したように減圧開放弁34がキャリッジ上に搭
載された構成とされている。この場合、減圧開放弁34
の開弁および閉弁作用を行うにあたっては、例えば電磁
プランジャー等のアクチェータが必要になり、キャリッ
ジ1の慣性が大きくなるという問題が残される。
【0057】そこで、キャリッジ1の移動経路に必要に
応じて突出するレバー等を配置し、キャリッジ1の一方
向への移動により、前記レバー等に係合されて減圧開放
弁34を閉弁させると共に、キャリッジ1の他方向への
移動により、前記レバー等に係合されて減圧開放弁34
を開弁させるような機構を採用することもできる。
【0058】図6には、減圧開放弁34を開閉弁制御さ
せるために、電磁プランジャー等のアクチェータ、ある
いはレバー等を備えた減圧開放弁の開閉機構をキャリッ
ジ上に搭載させずに制御できる構成が示されている。な
お、図6において、既に説明した各部に相当する部分は
同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省
略する。
【0059】すなわち、図6に示す構成においては、減
圧開放弁34は、記録装置本体側に配置され、キャリッ
ジ上のサブタンクにおける減圧開放口32と、記録装置
本体側に配置された減圧開放弁34とを減圧開放チュー
ブ33によって接続した構成とされている。
【0060】この構成によると、各サブタンクにおける
減圧開放口32の先を横断的に連通させて、この連通部
が減圧開放チューブ33を介して、記録装置本体側に配
置された1つの減圧開放弁34に接続させることができ
る。したがって、実質的に記録装置本体側とキャリッジ
側との間に、一本のチューブを追加することで、図2に
示した機能と同一の機能を果たすインクジェット式記録
装置を構成することができる。
【0061】なお、本発明は冒頭において説明したよう
に、特にキャリッジの走査距離の長い大型の記録装置に
好適に利用することができるが、本発明はこのような特
定の記録装置以外に適用しても、スループットを低下さ
せることのない独自の効果を得ることができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインクジェット式記録装置によると、サブタンク
には減圧室とインク貯留室が形成され、減圧室の減圧に
よってメインタンクからインクが補給されるようになさ
れ、またインク貯留室より一方向弁を介してインク貯留
室にインクが供給されるように構成されているので、イ
ンク貯留室におけるインクの供給を受けて記録ヘッドに
よる印字の動作を継続しつつ、減圧室に対してメインタ
ンクよりインクの補給を受けることができる。したがっ
て、減圧補給を行うこの種のインクジェット式記録装置
において、遥かにスループットを向上させることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用され得るインクジェット式記録装
置の一例を示した上面図である。
【図2】図1に示された記録装置に配備されたインク供
給システムの構成を示した模式図である。
【図3】図2に示されたインク供給システムを構成する
サブタンクにおいて、貯留インクが低減した状態を示す
断面図である。
【図4】同じくサブタンクにおいて、貯留インクが満タ
ンとなった状態を示す断面図である。
【図5】同じくサブタンクにおいて、貯留インクが満タ
ンとなった状態で減圧開放弁を開弁した状態を示す断面
図である。
【図6】インク供給システムの他の構成を示した模式図
である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 6 記録ヘッド 7 サブタンク 8 インク補給チューブ(インク供給経路) 9 減圧チューブ 10 キャッピング装置 11 廃液タンク 21 メインタンク(インクカートリッジ) 22 減圧室 22a 減圧室下底部 23 インク貯留室 23a インク貯留室下底部 23b インク供給口 24 インク補給管 25 フロート部材 27 シール部材(エアーバルブ) 28 バルブ部材(エアーバルブ) 28a バルブ開口 29 吸引口 32 減圧開放口 33 減圧開放チューブ 34 減圧開放弁 35 一方向弁 36 大気開放口 38 吸引ポンプ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復移動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共
    にキャリッジに搭載され、メインタンクからインク補給
    路を介してインクの補給を受けると共に、前記記録ヘッ
    ドにインクを供給するサブタンクとを備えたインクジェ
    ット式記録装置であって、 前記サブタンクには減圧室が形成され、前記減圧室の減
    圧によって前記メインタンクから減圧室に対してインク
    が補給されると共に、減圧室に補給されたインクが一方
    向弁を介して前記サブタンクに形成されたインク貯留室
    に供給されるように構成され、前記インク貯留室より前
    記記録ヘッドにインクを供給するようになされたインク
    ジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記メインタンクからサブタンクに至る
    インク補給路が、可撓性のインク補給チューブにより構
    成されている請求項1に記載のインクジェット式記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記サブタンクに形成された減圧室に
    は、メインタンクから補給されるインクの貯留量に応じ
    て減圧状態または減圧状態を停止させる減圧制御手段が
    配置され、前記減圧室が減圧状態になされた場合におい
    て、メインタンクから減圧室にインクが導入されるよう
    に構成した請求項1または請求項2に記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記サブタンクの減圧室に配置された減
    圧制御手段は、減圧室内に貯留されたインクによって浮
    上するフロート部材と、前記フロート部材の浮上位置に
    応じて開閉弁されるエアーバルブとにより構成され、前
    記エアーバルブが負圧発生手段に連通されてなる請求項
    3に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記キャリッジ上には各インクを個別に
    扱う複数のサブタンクが搭載され、各サブタンクの減圧
    室にそれぞれ備えられた各エアーバルブが、1つの負圧
    発生手段に連通されるように構成された請求項4に記載
    のインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記エアーバルブが、前記負圧発生手段
    に連通するバルブ開口を備えた軟質性素材によるバルブ
    部材と、前記フロート部材に配置されてフロート部材の
    移動に伴って前記バルブ部材のバルブ開口を閉塞するシ
    ール部材とにより構成されている請求項4または請求項
    5に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記サブタンクにおける減圧室の下底部
    よりも、インク貯留室の下底部が重力方向において低い
    位置に形成されてなる請求項1乃至請求項6のいずれか
    に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記減圧室に補給されたインクをインク
    貯留室に供給する前記一方向弁が、減圧室の下底部また
    はその近傍に配置されてなる請求項1乃至請求項7のい
    ずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドにインクを供給するイン
    ク供給口が、前記サブタンクにおけるインク貯留室の下
    底部またはその近傍に形成されてなる請求項1乃至請求
    項8のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記減圧室には減圧開放弁に連通する
    減圧開放口が形成されてなる請求項1乃至請求項9のい
    ずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 前記減圧開放弁がキャリッジ上に配置
    されてなる請求項10に記載のインクジェット式記録装
    置。
  12. 【請求項12】 前記減圧開放弁が可撓性の減圧開放チ
    ューブを介して記録装置本体側に配置されてなる請求項
    10に記載のインクジェット式記録装置。
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