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JP2000262196A - 両軸受リールの制動装置 - Google Patents

両軸受リールの制動装置

Info

Publication number
JP2000262196A
JP2000262196A JP11075395A JP7539599A JP2000262196A JP 2000262196 A JP2000262196 A JP 2000262196A JP 11075395 A JP11075395 A JP 11075395A JP 7539599 A JP7539599 A JP 7539599A JP 2000262196 A JP2000262196 A JP 2000262196A
Authority
JP
Japan
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spool
disk
braking
brake
disc
Prior art date
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Application number
JP11075395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4324268B2 (ja
Inventor
Takeshi Ikuta
剛 生田
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Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Shimano Inc filed Critical Shimano Inc
Priority to JP07539599A priority Critical patent/JP4324268B2/ja
Priority to US09/526,859 priority patent/US6412720B1/en
Priority to AU22386/00A priority patent/AU778558B2/en
Publication of JP2000262196A publication Critical patent/JP2000262196A/ja
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Publication of JP4324268B2 publication Critical patent/JP4324268B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダブルドラグ型のレバードラグ機構におい
て、制動解除状態を確実に確保できるようにする。 【解決手段】 トローリングリールのレバードラグ機構
7は、スプール3糸繰り出し方向の回転を制動するため
装置であって、制動ディスク25と、摩擦ディスク2
6,27と、コイルばね28と、移動機構29とを備え
ている。制動ディスク25は、スプールの一端に回転不
能かつスプールの軸方向に所定距離移動自在に装着され
ている。摩擦ディスク26は、ハンドルからの回転が伝
達され、制動ディスクのスプールと逆側の面に対向して
配置されている。摩擦ディスク27は、制動ディスクの
スプール側の面に対向して配置され、摩擦ディスク26
と連動して回転しかつ軸方向に移動自在である。コイル
ばねは、制動ディスクをスプールから離反する一方向に
付勢する。移動機構は、スプール及び摩擦ディスクを軸
方向に往復移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動装置、特に、
両軸受リールのリール本体に回転自在に装着されたハン
ドルからの回転をスプールに伝達する回転伝達機構の途
中に設けられ、糸繰り出し方向の回転を制動する両軸受
リールの制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】両軸受リールの一種として、トローリン
グリールと呼ばれる大物釣り用のリールが知られてい
る。このトローリングリールは、釣り糸が外周に巻き付
けられるスプールと、スプールを支持するスプール軸
と、スプール軸をその中央部で支持するリール本体とを
備えている。リール本体には、スプール軸と平行に外部
に突出するように配置され先端にハンドルが固定された
ハンドル軸が設けられている。また、ハンドル軸からス
プールに回転を伝達する回転伝達機構がハンドル軸とス
プールとの間に設けられているとともに、回転伝達機構
の途中にはスプールの糸繰り出し方向の回転を制動する
ためのレバードラグ機構が設けられている。
【0003】トローリングリールに装着されるレバード
ラグ機構として、強力なドラグ力が得られるダブルドラ
グ型のレバードラグ機構が知られている。このレバード
ラグ機構は、スプールのハンドル装着側と逆側の一端面
に対向して配置されている。レバードラグ機構は、スプ
ールの一端面に間隔を隔てて回転不能に装着された制動
ディスク部材と、制動ディスク部材を挟んで間隔を隔て
て対向して配置された第1及び第2ディスク部材と、第
1及び第2ディスク部材で制動ディスク部材を挟持可能
にスプール及び第2ディスク部材をスプール軸方向に往
復移動させるための移動手段とを備えている。
【0004】制動ディスク部材は車両用のディスクブレ
ーキのディスクに相当し、両ディスク部材はキャリパー
に相当する。制動ディスク部材は、スプール軸方向に所
定距離移動可能にスプールに装着されている。第1ディ
スク部材は、スプール軸に回転不能に装着されリール本
体に対して糸繰り出し方向に回転不能である。また、第
1ディスク部材は、スプール軸の軸方向に移動不能であ
る。第2ディスク部材は、スプール軸に回転不能かつ軸
方向に移動自在に装着され第1ディスク部材と連動して
回転する。
【0005】移動手段は、スプール軸回りに揺動自在に
装着された制動操作レバーと、制動操作レバーの揺動を
スプール軸方向の往復移動に変換する移動機構とを備え
ている。移動機構は、制動操作レバーの揺動に応じてス
プール軸の周囲に配置された軸受やピニオンギアなどの
部材を介して、スプール及び第2ディスク部材を軸方向
の一方に移動させるカム機構と、カム機構により押圧さ
れたスプール及び第2ディスク部材を軸方向の他方に移
動させるリターンばねとを有している。
【0006】このような構成のダブルドラグ型のドラグ
機構では、制動操作レバーを一方向に揺動させると、揺
動に応じてスプール及び第2ディスク部材が軸方向の一
方に移動するとともにスプールとともに制動ディスク部
材が移動し、制動ディスク部材に両ディスク部材が接触
すると圧接力に応じたドラグ力でスプールが制動され
る。また、制動操作レバーを他方向に揺動させると、揺
動に応じてリターンばねによりスプール及び第2ディス
ク部材が付勢されて軸方向の他方に徐々に移動し、制動
ディスク部材から両ディスク部材が離反するとスプール
が自由回転可能になる。このときのドラグ力は、制動操
作レバーの揺動位置を調整して両ディスク部材と制動デ
ィスク部材との圧接力を変化させることにより調整でき
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のドラグ機構
では、たとえば仕掛けを投入するために制動状態から制
動解除状態にしてスプールを自由回転させようとすると
き、両ディスク部材が制動ディスク部材から離反するタ
イミングがばらつきやすい。これは、制動ディスク部材
が軸方向に移動可能にスプールに装着されているため、
制動ディスク部材の軸方向の挙動が安定しないためと考
えられる。このように離反タイミングがばらつくと、制
動ディスク部材がいずれかのディスク部材に接触したま
まの状態が維持され制動解除状態を確保できなくなり、
スプールを自由回転させることができない場合も生じ
る。
【0008】本発明の課題は、ダブルドラグ型のレバー
ドラグ機構において、制動解除状態を確実に確保できる
ようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルの制動装置は、両軸受リールのリール本体に回転自在
に装着されたハンドルからの回転をスプールに伝達する
回転伝達機構の途中に設けられ、スプールの糸繰り出し
方向の回転を制動するため装置であって、制動ディスク
部材と、第1ディスク部材と、第2ディスク部材と、第
1付勢部材と、移動手段とを備えている。制動ディスク
部材は、スプールの一端に間隔を隔てて回転不能かつス
プールの軸方向に所定距離移動自在に装着された部材で
ある。第1ディスク部材は、ハンドルからの回転が伝達
され、制動ディスク部材のスプールと逆側の面に対向し
て配置され、リール本体に対して糸繰り出し方向の回転
が禁止されかつ軸方向のうち少なくとも制動ディスク部
材から離反する方向に移動不能な部材である。第2ディ
スク部材は、制動ディスク部材のスプール側の面に対向
して配置され、第1ディスク部材と連動して回転しかつ
第1ディスク部材に対して接離するように軸方向に移動
自在な部材である。第1付勢部材は、制動ディスク部材
を第2ディスク部材から離反する方向に付勢する部材で
ある。移動手段は、第1及び第2ディスク部材で制動デ
ィスク部材を挟持可能にスプール及び第2ディスク部材
を軸方向に往復移動させるための手段である。
【0010】この制動装置では、移動手段によりスプー
ル及び第2ディスク部材を第1ディスク部材に接近する
方向に移動させると、第1付勢部材により第2ディスク
部材から離反する方向に付勢された制動ディスク部材が
スプールとともに制動ディスクから離反する方向に移動
不能な第1ディスク部材に向かって移動して接触する。
制動ディスク部材が第1ディスク部材に接触すると、ス
プール及び第2ディスク部材のみが移動して制動ディス
ク部材との間隔が小さくなる。そしてさらに移動して第
2ディスク部材が制動ディスク部材に接触すると、制動
ディスク部材は両ディスク部材に挟持される。この結
果、両ディスク部材の糸繰り出し方向の回転が禁止され
ているので、制動ディスク部材の糸繰り出し方向の回転
が制動され制動ディスク部材を回転不能に装着したスプ
ールが制動される。そして、第2ディスク部材をさらに
移動させると、両ディスク部材の制動ディスク部材に対
する圧接力が強くなり制動力(ドラグ力)がさらに大き
くなる。
【0011】制動状態から移動手段によりスプール及び
第2ディスク部材を逆方向に移動させると、両ディスク
部材の圧接力が徐々に弱くなりドラグ力が徐々に小さく
なり、第2ディスク部材が制動ディスク部材から離反す
る。このとき、制動ディスク部材は、第1付勢部材によ
り第2ディスク部材から離反する方向に付勢されている
ので、スプールが所定距離移動するまでは第1ディスク
部材に接触した状態を維持する。このため、この状態で
は僅かなドラグ力が制動ディスク部材を介してスプール
に作用する。そして、スプールが所定距離移動すると、
制動ディスク部材が第2ディスク部材から離反して制動
解除状態になりスプールが自由回転可能になる。
【0012】ここでは、制動ディスク部材を第1付勢部
材により第2ディスク部材から離反する方向に付勢する
とともに、制動ディスク部材をスプールに所定距離移動
自在に装着したので、制動ディスク部材の軸方向の挙動
が安定し第2ディスク部材と確実に離反するとともに第
1ディスク部材が制動ディスク部材から離反して制動解
除状態になるタイミングはスプールが所定距離移動した
時点となり、タイミングが一定になる。このため、制動
状態から制動解除状態へ確実に移行でき、制動解除状態
を確実に確保できる。
【0013】発明2に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1に記載の装置において、第1及び第2ディスク部
材は、スプールの中心を貫通してスプールを回転自在に
支持するスプール軸に回転不能に装着されている。この
場合には、第1ディスク部材及び第2ディスク部材がス
プール軸に回転不能に装着されているので、両ディスク
部材を連動して回転させる構成を容易に実現できる。
【0014】発明3に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1又は2に記載の装置において、移動手段は、リー
ル本体に移動自在に設けられた制動操作部材と、制動操
作部材の一方への移動に応じてスプール及び第2ディス
ク部材を押圧して第1ディスク部材に接近する軸方向の
一方向に移動させる押圧手段と、第2ディスク部材を付
勢して制動操作部材の他方への移動に応じてスプール及
び第2ディスク部材を軸方向の他方向に移動させるため
の第2付勢部材とを有する。この場合には、押圧手段
は、スプール及び第2ディスクを押圧するだけでよいの
でその構成が簡素になる。また、カム機構等を用いれ
ば、制動操作部材の移動量が小さくても軸方向に比較的
大きな距離押圧できる。
【0015】発明4に係る両軸受リールの制動装置は、
発明3に記載の装置において、第2付勢部材は、第2デ
ィスク部材と第1ディスク部材とを離反させる方向に両
部材を付勢する。この場合には、両ディスク部材が離反
する方向に付勢されるので、両ディスク部材の離反と第
2ディスク部材及びスプールの軸方向の他方向への移動
とをひとつの付勢部材で実現できる。
【0016】発明5に係る両軸受リールの制動装置は、
発明3又は4に記載の装置において、制動操作部材は、
リール本体にスプールの軸回りに揺動自在に装着され、
スプールは、スプールの回転軸に回転自在に装着され、
押圧手段は、制動操作部材の揺動に応じて回転軸の周囲
に配置された部材を介してスプールを一方向に押圧して
移動させるとともにスプールを介して第2ディスク部材
を一方向に押圧して移動させる。この場合には、スプー
ル軸の周囲に配置された軸受やギア等の部材を介してス
プールを押圧しさらにスプールを介して第2ディスク部
材を押圧して一方向に移動させているので、スプールと
第2ディスク部材の間隔が常に同じになり、制動開始タ
イミングが一定になりやすい。
【0017】発明6に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から5のいずれかに記載の装置において、移動手
段によりスプール及び第2ディスク部材が他方向に移動
したとき、第1ディスク部材と制動ディスク部材との隙
間は、第2ディスク部材と制動ディスク部材との隙間よ
り大きい。この場合には、制動解除時には、第1ディス
ク部材から制動ディスク部材が離反してからの距離を長
くとることができ、制動解除状態を広い範囲で確保でき
る。また制動時には、制動ディスク部材に第1ディスク
部材が接触してから第1付勢部材の付勢力に抗してスプ
ールが制動ディスク部材に接近しつつ第2ディスク部材
が制動ディスク部材に接触するまでの時間(距離)が短
くなり制動ディスク部材が第1ディスク部材にのみ接触
している時間が少なくなり、有効にドラグ力を上昇させ
ることができる。
【0018】発明7に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から6のいずれかに記載の装置において、制動デ
ィスク部材は、スプールのハンドルと逆側の端面に装着
されている。この場合には、比較的空間的に余裕がある
ハンドルと逆側に制動装置が配置されるので、リールの
大型化を招くことなくダブルドラグ型の制動装置を配置
できる。
【0019】発明8に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から7のいずれかに記載の装置において、制動デ
ィスク部材は、第1及び第2ディスク部材の径方向外方
に配置された回り止め部材によりスプールに回転不能に
装着されている。この場合には、制動ディスク部材が比
較的空間的に余裕がある両ディスク部材の外方で回り止
め部材によりスプールに回り止めされているので、回り
止め部材の構成が簡素になる。
【0020】発明9に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から8のいずれかに記載の装置において、制動デ
ィスク部材は、第1及び第2ディスク部材の径方向外方
に配置された制限部材により軸方向の移動を制限されて
所定距離だけ移動する。この場合には、制動ディスク部
材が比較的空間的に余裕がある両ディスク部材の外方で
制限部材により移動を制限されているので、制限部材の
構成が簡素になる。
【0021】発明10に係る両軸受リールの制動装置
は、発明9に記載の装置において、回り止め部材は制限
部材と兼用されている。この場合には、両部材が兼用さ
れているので、両部材の構成がさらに簡素になる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形
態による両軸受リールであるトローリングリールは、筒
状のリール本体1と、リール本体1の中心部に回転自在
に装着されたスプール軸2と、スプール軸2に回転自在
かつ軸方向移動不能に支持されたスプール3と、リール
本体1の側方に配置されたハンドル4とを備えている。
また、トローリングリールは、ハンドル4の回転をスプ
ール3に伝達する回転伝達機構6と、スプール3の糸繰
り出し方向の回転を制動するレバードラグ機構7と、ス
プール3の糸繰り出し方向の回転を規制する逆転防止機
構9とをリール本体1の内部に備えている。
【0023】リール本体1は、金属製の左右1対の皿状
の側板10,11と、側板10,11が両端にいんろう
結合により同芯に結合され、複数本の固定ネジ8により
固定された金属製の孔あき筒状のリールボディ12とを
有している。側板10,11は、そのほぼ中心部で回動
自在にスプール軸2の両端を支持する。ハンドル4側の
側板11には、スプール軸2を支持するために軸方向外
方に突出するボス部11aが設けられており、ボス部1
1aの周囲には、ハンドル4のハンドル軸5を装着する
ための厚肉円板状の軸受ブロック15がねじ止めされて
いる。
【0024】リールボディ12と両側板10,11との
間の上部にはリールハーネスに装着するためのハーネス
ラグ13が間隔を隔てて装着されている。リールボディ
12の下部にはリールを釣り竿に装着するための竿取付
部14が設けられている。
【0025】スプール軸2は、両端に配置された左右1
対の軸受31a,31bによりリール本体1の側板1
0,11に回転自在に支持されている。またその内側で
軸方向に間隔を隔ててスプール3の両端に配置された2
つの軸受32a,32bによりスプール3を回転自在に
支持する。スプール軸2の右端の軸受31bの外輪の右
側にはレバードラグ機構7の移動機構(後述)の構成部
品が当接している。また内輪の左側には回転伝達機構6
の第3ギア(後述)が当接している。スプール軸2の左
端の軸受31aの内輪の右側には逆転防止機構9が当接
している。また外輪の右端には、側板10が当接してい
る。スプール3を支持する右側の軸受32bの外輪の左
側には熱感応油圧ドラグ機構33を介してスプールが当
接している。また内輪の右側にはワッシャ(図示せず)
を介して皿ばね34が当接している。この皿ばね34
は、制動操作レバー(後述)の揺動に対してドラグ力を
急激に上昇させることなく広範囲でドラグ力を調整可能
にするために設けられている。スプール3を支持する左
側の軸受32aの内輪の左側にはレバードラグ機構7の
後述する第2ディスク板が当接している。外輪の右側は
スプール3に当接している。
【0026】スプール3は、糸巻胴部3aと糸巻胴部3
aの両端に一体形成されたフランジ部3bとを有してい
る。右側のフランジ部3bの端面には、ドラグ作動時に
音出しするための周方向に多数の音出し孔35aを有す
る音出しリング35が設けられている。この音出しリン
グ35の音出し孔35aには側板11に取り付けられた
音出しピン36が対向している。この音出しピン36は
突出側に付勢されている。また、この音出しピン36
は、レバー37(図2)により進出位置と退入位置とに
移動自在であり、仕掛けの投入時を除いて通常は、レバ
ー37により進出位置に配置される。このため、通常は
スプール3が回転するとクリック音を発する。
【0027】ハンドル4は、スプール軸2の下方にスプ
ール軸2と平行に配置された筒状のハンドル軸5の突出
端に固定されている。ハンドル軸5は、ボス部11aの
下方に軸方向に間隔を隔てて配置された2つの軸受33
a,33bによりリール本体1に回転自在に支持されて
いる。軸受33a,33bは、ボス部11aの下方で軸
受ブロック15にはめ込まれた筒状部材15aの内周面
の両端に装着されている。ハンドル軸5の先端には、図
3に示すように、径方向に貫通するスリット5aが形成
されており、先端内面には雌ねじ5dが形成されてい
る。
【0028】回転伝達機構6は、高低二速に切換可能な
変速機構を備えている。回転伝達機構6は、図1及び図
3に示すように、ハンドル4のハンドル軸5に回転自在
に支持された高速巻取用の第1ギア16及び低速巻取用
の第2ギア17と、これらのギア16,17にそれぞれ
噛み合う状態でスプール軸2に回転不能に装着された第
3ギア18及び第4ギア19と、第1及び第2ギア1
6,17のいずれか一方とハンドル軸5とを結合し、回
転を伝達する係合片20と、係合片20の両側で係合片
20を位置決めする2つの圧縮ばね21a,21bと、
係合片20の位置を設定する操作軸22とを有してい
る。
【0029】係合片20は、ハンドル軸5のスリット5
a内に回転不能に配置されている。係合片20の中心部
には突起部20aが設けられている。突起部20aは、
圧縮ばね21aを受けるフランジ状のばね受け24の内
周側に配置される。ばね受け24は、ハンドル軸5の先
端にねじ止めされている。
【0030】操作軸22は、ハンドル軸5内部にハンド
ル軸5を貫通して外部に突出している。操作軸22は、
ハンドル軸5の突出端にねじ込まれたガイド部5b及び
ハンドル軸5の中間部内周面に形成されたガイド部5c
により軸方向に移動自在に支持されている。操作軸22
の外部への突出端には溝22aが形成されている。この
溝22aに係合する、スライド型のストッパ23がハン
ドル4に設けられている。また、操作軸22の逆側の端
部には圧縮ばね21bを受けるばね受け部材22bが装
着されている。
【0031】このような構成の回転伝達機構6では、操
作軸22を図1及び図3の操作軸芯の上側に示すように
押し込むと、第2ギア17に係合片20が配置されハン
ドル4の回転が第2ギア17を介して第4ギア19に伝
達されスプール軸2及びスプール3が低速回転する。一
方、スライド型のストッパ23をスライドさせて操作軸
22を図3操作軸芯の下側に示すように引き出すと、第
1ギア16に係合片20が配置されハンドル4の回転が
第1ギア16を介して第3ギア18に伝達されスプール
軸2及びスプール3が高速回転する。
【0032】レバードラグ機構7は、図1に示すよう
に、スプール3の図1左端に装着された制動ディスク2
5と、制動ディスク25の両側に配置された1対の摩擦
ディスク26,27と、制動ディスク25をスプール3
を介して摩擦ディスク27から離反する方向に付勢する
付勢手段であるコイルばね28(図5)と、スプール3
及び摩擦ディスク27をスプール軸方向に往復移動させ
るための移動機構29とを有している。
【0033】制動ディスク25は、図4に示すように、
たとえばステンレス製のワッシャ状の円板部材であり、
周方向に間隔を隔てて配置された複数本の取付ピン40
により、スプール3の左側のフランジ部3bの端面にス
プール3と接離する方向に所定距離移動自在かつスプー
ル3に対して回転不能に装着されている。取付ピン40
は、フランジ部3bの端面にねじ込まれるねじ部40a
と、ねじ部40aより大径のガイド部40bと、ガイド
部40bより大径の頭部40cとを有している。制動デ
ィスク25は、取付ピン40のガイド部40bに軸方向
移動自在に装着されており、ガイド部40bの軸方向長
さから自身の厚みを引いた所定距離移動自在である。こ
の取付ピン40が制動ディスク25の回り止め部材と制
限部材とを兼ねている。制動ディスク25は、制動解除
状態ではコイルばね28により付勢されて頭部40cに
接触する位置に配置されている。なお、図3及び図4で
は、スプール軸芯より上側に制動状態が下側に制動解除
状態が描かれている。
【0034】摩擦ディスク26は、制動ディスク25の
スプール3と逆側の面に対向して配置されている。摩擦
ディスク26の制動ディスク25に対向する面には、た
とえばカーボングラファイトや繊維強化樹脂などの耐摩
耗素材製のリング状の摩擦板26aがビス等の適宜の固
定手段により固定されている。摩擦ディスク26は、中
心部に筒状のボス部26bを有しており、このボス部2
6bにスプール軸2の径方向に沿って貫通してスプール
軸2に装着されたピン2aが係止されている。これによ
り摩擦ディスク26は、スプール軸2に回転不能に装着
されており、スプール軸2とともに回転する。また、摩
擦ディスク26のボス部26bの図4左端面には逆転防
止機構9のラチェットホイール50が当接している。ラ
チェットホイール50は、ボス部26bの外周面にたと
えばセレーションなどの適宜の係止手段により回転不能
に装着されている。ラチェットホイール50は、軸受3
1aの内輪に当接している。また軸受31aの外輪は前
述したように側板10に当接している。この結果、摩擦
ディスク26は、スプール軸方向外方(図4左方)つま
り制動ディスク25から離反する方向へ移動不能である
とともに、ラチェットホイール50により糸繰り出し方
向の回転が禁止される。
【0035】なお、逆転防止機構9は、外周面に鋸歯5
0aが形成されたラチェットホイール50と、ラチェッ
トホイール50の外周側に配置され先端が鋸歯50aを
係止するラチェット爪51とを有する爪式のものであ
る。ラチェット爪51は、側板10の内側面に揺動自在
に装着されており、引張ばねにより鋸歯50aを係止す
る側に付勢されている。
【0036】摩擦ディスク27は、制動ディスク25の
スプール3側の面に対向して配置され、摩擦ディスク2
6と連動して回転しかつ摩擦ディスク26に対して接離
するようにスプール軸方向に移動自在にスプール軸2に
装着されている。摩擦ディスク27の制動ディスク25
に対向する面には、たとえばカーボングラファイトや繊
維強化樹脂等の耐摩耗性素材製のリング状の摩擦板27
aがねじ止めされている。摩擦ディスク27は、スプー
ル軸2の径方向に沿って貫通してスプール軸2に装着さ
れたピン2bにより中心でスプール軸2に回転不能に装
着されている。また、摩擦ディスク27の図4右端面に
はワッシャ30を介して軸受32aの内輪が当接してい
る。この結果、摩擦ディスク27は、軸受32aを介し
てスプール3により押圧されるとともに、スプール3を
押圧する。
【0037】ここで、制動解除状態にあるとき、図5に
示すように、摩擦ディスク26の摩擦板26aと制動デ
ィスク25との隙間Aは、摩擦ディスク27の摩擦板2
7aと制動ディスク25との隙間Bより大きい。この理
由については後述する制動動作において説明する。
【0038】摩擦ディスク26の外側は、ドラグカバー
41により覆われている。ドラグカバー41は、たとえ
ば放熱性能を考慮したアルミニウム合金製であり、中心
に円形の開口を有する皿状のカバー本体41aと、カバ
ー本体41aの外周面に一体形成されたリング状の取付
部41bとを有している。カバー本体41aは、内部に
摩擦ディスク26,27や制動ディスク25を収納可能
な空間を有している。取付部41bは、複数本のビスな
どの適宜の固定手段によりスプール3のフランジ部3b
の端面に固定されている。このように複数本のビスによ
り固定すると、全体をスプールにねじ込み式で固定する
場合に比べて締め付けトルクの管理が容易であり、組立
が容易になる。
【0039】取付部41bには、スプール側端面からス
プール3側に突出する筒状のシール部41cが設けられ
ている。スプール3の左側のフランジ部3bの端面に
は、環状溝3cが形成されており、この環状溝3cにシ
ール部41cがはめ込まれている。この環状溝3cにシ
ール部41cをはめ込むことで、シール部41cの内周
面でスプール3とドラグカバー41との芯出しがなされ
ている。シール部41cの外周面にはOリング42が装
着され外周側からの液体の浸入を防止している。
【0040】カバー本体41aの内周面にも摩擦ディス
ク26側に突出するシール部41dが設けられている。
シール部41dには、リップ付きのシール部材43が装
着されている。このシール部材43のリップの先端は、
摩擦ディスク26のボス部26bの外周面に接触してい
る。これにより内周側からの液体の浸入も防止される。
これらのOリング42及びシール部材43により、ドラ
グカバー41とスプール3及びドラグカバー41と摩擦
ディスク26とがシールされ、制動ディスク25や摩擦
ディスク26,27が配置されるドラグカバー41内が
水密に封止される。このようにOリング42と、シール
部材43とを組み合わせることで、信頼性の高いドラグ
防水構造が得られる。なお、Oリング42の装着を容易
にするためにシール部41cにOリングの取付溝を設け
てもよい。
【0041】移動機構29は、図2〜図4に示すよう
に、リール本体1に揺動自在に設けられた制動操作レバ
ー45と、制動操作部材の図2時計回りの揺動に応じて
スプール3及び前記摩擦ディスク27を押圧して図3左
方に移動させる押圧機構46と、摩擦ディスク27を付
勢して制動操作レバー45の図2反時計回りの移動に応
じてスプール及び摩擦ディスク27を図3右方に移動さ
せるためのリターンばね47とを有している。
【0042】リターンばね47は、両摩擦ディスク2
6,27の間においてスプール軸2の外周側に圧縮状態
で装着され、両摩擦ディスク26,27を離反する方向
に付勢しかつ摩擦ディスク27及びスプール3を図4右
方に付勢する。
【0043】制動操作レバー45は、図2に実線で示す
制動解除位置と2点鎖線で示す最大制動位置との間でリ
ール本体1に揺動自在に装着されている。制動操作レバ
ー45は、ボス部11aに揺動自在に装着されるレバー
部45aと、レバー部45aの先端に固定されたつまみ
部45bとを有している。レバー部45aの基端部は、
押圧機構46を構成する第1カム部材60に回転不能に
係止されている。
【0044】押圧機構46は、ボス部11aの内周面に
回転自在かつ軸方向移動不能に装着された第1カム部材
60と、第1カム部材60の回動により軸方向に移動す
る第2カム部材61と、第2カム部材61に連動して軸
方向に移動する押圧部材62と、押圧部材62による押
圧力を調整するための押圧力調整機構65とを備えてい
る。
【0045】第1カム部材60は、制動操作レバー45
の揺動に連動して回動する大小2段の筒状部材である。
第1カム部材60の小径の先端側(図3右側)の外周面
には、セレーションなどの適宜の係止手段により制動操
作レバー45のレバー部45aの基端が回転不能に係止
されている。大径の基端側の端面には傾斜カム60aが
形成されている。
【0046】第2カム部材61は、筒状の部材であり、
ボス部11aの内周面に回転不能かつ軸方向移動自在に
装着されている。第2カム部材61の第1カム部材60
に対向する外周側の端面には、傾斜カム60aに係合す
る傾斜カム61aが形成されている。この2つの傾斜カ
ム60a,61aの相対回動により第1カム部材60の
回動運動が第2カム部材61の軸方向の直線運動に変換
され第2カム部材61が軸方向に移動する。第2カム部
材61には、径方向に突出する2本の係止ピン63が立
設されている。係止ピン63の先端は、ボス部11aの
内周面に軸方向に沿って形成された係止溝11bに係止
されており、第2カム部材61をボス部11aに回転不
能に係止している。第2カム部材61の内周面は、押圧
部材62に螺合している。これにより第2カム部材61
と押圧部材62との軸方向の相対位置関係を調整でき、
制動操作レバー45の所定位置でのドラグ力を調整でき
る。
【0047】押圧部材62は、鍔付き円筒状の部材であ
り、円筒部分の外周面が第2カム部材61に螺合してい
る。また、鍔部分の図3左端面は僅かに突出しており、
この突出部分が軸受32bの外輪に当接している。
【0048】押圧力調整機構65は、押圧部材62の中
心部に先端部66aが回転不能かつ軸方向移動自在に係
止される調整ノブ66を有している。調整ノブ66は、
リール本体1にスプール軸芯回りに回転自在に装着され
ており、回転によりクリック音を生じるように構成され
ている。調整ノブ66を回動させると、押圧部材62が
回動し、押圧部材62と押圧部材62に螺合する第2カ
ム部材61との軸方向の相対位置が変化する。これによ
り制動操作レバー45が所定位置にあるときのドラグ力
を調整できる。なお、図3では、スプール軸芯の下側
に、押圧部材62と第2カム部材61とを接触させて押
圧力を最小に調整した状態を示し、上側に、押圧部材6
2と第2カム部材61とが最も離反させて押圧力を最大
に調整した状態を示している。
【0049】次にレバードラグ機構7の制動動作につい
て説明する。
【0050】レバードラグ機構7では、制動操作レバー
45を図2に2点鎖線で示す制動位置から実線で示す制
動解除位置に揺動させると、図3及び図4のスプール軸
芯の上側に示す状態から下側に示す状態に変化する。ま
ず、リターンばね47の付勢力により摩擦ディスク27
が押圧されて図4右側に移動する。摩擦ディスク27が
移動すると、制動ディスク25はコイルばね28により
スプール3から離反する方向(摩擦ディスク27から離
反する方向)に付勢されているので、制動ディスク25
は摩擦ディスク26に圧接された状態を維持し、摩擦デ
ィスク27は制動ディスク25から離反し、制動ディス
ク25と摩擦ディスク27との間に強制的に隙間ができ
る。さらに軸受32aを介してスプール3が押圧され右
側に移動する。そして、スプール3が所定距離移動する
と、制動ディスク25が取付ピン40の頭部40cに係
止されスプール3とともに図4右側に移動する。この結
果、制動ディスク25が摩擦ディスク26から離反し、
制動ディスク25と摩擦ディスク26との間に強制的に
隙間ができる。これによりスプール3の制動が解除され
る。一方、スプール3が移動すると、熱感応油圧ドラグ
機構33、軸受32b、皿ばね34、第3及び第4ギア
18,19及び軸受31bを介して第2カム部材61及
び押圧部材62が押圧されて図3右側に後退する。そし
て、制動操作レバー45が制動解除位置に揺動すると図
3及び図4のスプール軸芯の下側の状態になり、スプー
ル3を含む皿ばね34より左側の部材は、距離S1だけ
移動する。また、第3,第4ギア18,19を含む皿ば
ね34より右側の部材は距離S2だけ移動する。そし
て、制動ディスク25から両摩擦ディスク26,27が
完全に離反する。このとき、前述したように摩擦ディス
ク26と制動ディスク25との隙間Aが摩擦ディスク2
7と制動ディスク25との隙間Bより大きいので、制動
解除時に、摩擦ディスク26から制動ディスク25が離
反してからの距離を長くとることができ、制動解除状態
を広い範囲で確保できる。
【0051】一方、制動操作レバー45を図2に実線で
示す制動解除位置から2点鎖線で示す制動位置に揺動さ
せると、図3及び図4のスプール軸芯の下側に示す状態
から上側に示す状態に変化する。まず、制動操作レバー
45の揺動により第1カム部材60が回動し、第2カム
部材61がスプール軸方向左方に移動する。これに連動
して押圧部材62が軸受31bの外輪を押圧して移動さ
せ、第3,第4ギア、皿ばね34,軸受32b及び熱感
応油圧ドラグ機構33を介してスプール3が押圧されス
プール軸方向左方(図1左方)に移動する。この結果、
コイルばね28に付勢された制動ディスク25も軸方向
左方に移動する。一方、スプール3及び軸受32aを介
して摩擦ディスク27も押圧され軸方向左方に移動す
る。この結果、制動ディスク25及び摩擦ディスク27
が摩擦ディスク26に接近する。そして、制動ディスク
25が、軸方向に移動不能でかつ糸繰り出し方向に回転
不能な摩擦ディスク26に接触すると、僅かなドラグ力
がスプール3に作用する。そしてさらにスプール3が押
圧されると、摩擦ディスク26に接触している制動ディ
スク25にスプール3が接近し、制動ディスク25と摩
擦ディスク27とが接触する。そして、制動操作レバー
45を最大揺動位置まで揺動させると、押圧力が最大に
なり、制動ディスク25が2枚の摩擦ディスク26,2
7により挟持されて大きなドラグ力が得られる。このと
き、前述したように摩擦ディスク26と制動ディスク2
5との隙間Aが摩擦ディスク27と制動ディスク25と
の隙間Bより大きいので、制動時に、制動ディスク25
が摩擦ディスク26に接触すると、すぐに摩擦ディスク
27が制動ディスク25に接触して感度よく有効にドラ
グ力を上昇させることができる。つまり、制動ディスク
25に摩擦ディスク26が接触してからコイルばね28
の付勢力に抗して制動ディスク25がスプール3に接近
しつつ摩擦ディスク27が制動ディスク25に接触する
までの時間(距離)が短くなり制動ディスク25が摩擦
ディスク26にのみ接触している時間が少なくなり、有
効にドラグ力を上昇させることができる。
【0052】次に、トローリングリールの操作方法につ
いて説明する。
【0053】回転伝達機構6により高速巻取する際に
は、操作軸22を引き出す。これにより、圧縮ばね21
aの付勢力で係合片20が第1ギア16に係合する。こ
の結果、ハンドル4の回転が、ハンドル軸5、第1ギア
16、第3ギア18、スプール軸2、レバードラグ機構
7を介してスプール3に伝達され、スプール3が高速回
転する。
【0054】一方、低速巻取する際には、操作軸22を
押し込む。これにより、圧縮ばね21bの付勢力で係合
片20が第2ギア17に係合する。この結果、ハンドル
4の回転が、ハンドル軸5、第2ギア17、第4ギア1
9、スプール軸2、レバードラグ機構7を介してスプー
ル3に伝達され、スプール3が低速回転する。なお、操
作軸22を押し込んだときには、ストッパ23を溝22
aに係合すると、操作軸22の押し込み状態を保持す
る。
【0055】また、レバードラグ機構7の制動操作レバ
ー45の所定揺動位置における押圧力を調節する際に
は、調整ノブ66によって押圧部材62と第2カム部材
61との軸方向の相対位置を変更する。たとえば、調整
ノブ66を図2の反時計回りに回転させて両者を接近さ
せた場合には、スプール3が摩擦ディスク26から離れ
る方向に移動するため、押圧力が低下する。逆に調整ノ
ブ66を図2の時計回りに回転させて両者を離反させた
場合には、スプール3が摩擦ディスク26に接近する方
向に移動するため、押圧力が増加する。
【0056】制動操作レバー45により、ドラグ力を調
整する場合には、制動操作レバー45を制動解除位置か
ら最大制動位置の間で徐々に揺動させると、第2カム部
材61が図3左方に移動して押圧部材62の押圧力が軸
受31b等のスプール軸2周りの部材を伝達されてスプ
ール3及び摩擦ディスク27が移動し、制動ディスク2
5と2つの摩擦ディスク26,27との摩擦力が徐々に
大きくなる。これによりドラグ力を調整できる。そし
て、魚が仕掛けにかかりレバードラグ機構7を介して逆
転防止機構9により逆転が規制されたスプール3が魚の
引きにより逆転すると、レバードラグ機構7により設定
されたドラグ力がスプール3に作用する。
【0057】〔他の実施形態〕 (a) レバードラグ機構7の装着位置は、スプール3
のハンドルと逆側の位置に限定されず、ハンドル側の位
置でもよい。この場合、スプール軸を回転不能にリール
本体に装着し、回転伝達機構の第3及び第4ギアの回転
をスプール軸を介さずにレバードラグ機構の摩擦ディス
ク26,27に直接伝達してもよい。
【0058】(b) 移動機構29の構成はカムに限定
されるものではなく、ねじや他の移動手段を用いてもよ
い。また、制動操作部材は、揺動するレバーに限定され
るものではなく、直線移動するものや回動するものでも
よい。
【0059】
【発明の効果】本発明に係る両軸受リールの制動装置に
よれば、制動ディスク部材を第1付勢部材により第2デ
ィスク部材から離反する方向に付勢するとともに、制動
ディスク部材をスプールに所定距離移動自在に装着した
ので、制動ディスク部材の軸方向の挙動が安定し第2デ
ィスク部材と確実に離反するとともに第1ディスク部材
が制動ディスク部材から離反して制動解除状態になるタ
イミングはスプールが所定距離移動した時点となり、タ
イミングが一定になる。このため、制動状態から制動解
除状態へ確実に移行でき、制動解除状態を確実に確保で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるトローリングリール
の断面図。
【図2】その側面図。
【図3】その右断面拡大図。
【図4】その左断面拡大図。
【図5】レバードラグ機構の断面部分図。
【符号の説明】
1 リール本体 2 スプール軸 3 スプール 4 ハンドル 6 回転伝達機構 7 レバードラグ機構 25 制動ディスク 26,27 摩擦ディスク 28 コイルばね 29 移動機構 45 制動操作レバー 46 押圧機構 47 リターンばね

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両軸受リールのリール本体に回転自在に装
    着されたハンドルからの回転をスプールに伝達する回転
    伝達機構の途中に設けられ、前記スプールの糸繰り出し
    方向の回転を制動するための両軸受リールの制動装置で
    あって、 前記スプールの一端に間隔を隔てて回転不能かつ前記ス
    プールの軸方向に所定距離移動自在に装着された制動デ
    ィスク部材と、 前記ハンドルからの回転が伝達され、前記制動ディスク
    部材の前記スプールと逆側の面に対向して配置され、前
    記リール本体に対して糸繰り出し方向の回転が禁止され
    かつ前記軸方向のうち少なくとも前記制動ディスク部材
    から離反する方向に移動不能な第1ディスク部材と、 前記制動ディスク部材の前記スプール側の面に対向して
    配置され、前記第1ディスク部材と連動して回転しかつ
    前記第1ディスク部材に対して接離するように前記軸方
    向に移動自在な第2ディスク部材と、 前記制動ディスク部材を前記第2ディスク部材から離反
    する方向に付勢する第1付勢部材と、 前記第1及び第2ディスク部材で前記制動ディスク部材
    を挟持可能に前記スプール及び前記第2ディスク部材を
    前記軸方向に往復移動させるための移動手段と、を備え
    た両軸受リールの制動装置。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2ディスク部材は、前記ス
    プールの中心を貫通して前記スプールを回転自在に支持
    するスプール軸に回転不能に装着されている、請求項1
    に記載の両軸受リールの制動装置。
  3. 【請求項3】前記移動手段は、 前記リール本体に移動自在に設けられた制動操作部材
    と、 前記制動操作部材の一方への移動に応じて前記スプール
    及び前記第2ディスク部材を押圧して前記第1ディスク
    部材に接近する軸方向の一方向に移動させる押圧手段
    と、 前記第2ディスク部材を付勢して前記制動操作部材の他
    方への移動に応じて前記スプール及び前記第2ディスク
    部材を前記軸方向の他方向に移動させるための第2付勢
    部材とを有する、請求項1又は2に記載の両軸受リール
    の制動機構。
  4. 【請求項4】前記第2付勢部材は、前記第2ディスク部
    材と第1ディスク部材とを離反させる方向に前記両部材
    を付勢する、請求項3に記載の両軸受リールの制動機
    構。
  5. 【請求項5】前記制動操作部材は、前記リール本体に前
    記スプールの軸回りに揺動自在に装着され、 前記スプールは、前記スプールの回転軸に回転自在に装
    着され、 前記押圧手段は、前記制動操作部材の揺動に応じて前記
    回転軸の周囲に配置された部材を介して前記スプールを
    前記一方向に押圧して移動させるとともに前記スプール
    を介して前記第2ディスク部材を前記一方向に押圧して
    移動させる、請求項3又は4に記載の両軸受リールの制
    動装置。
  6. 【請求項6】前記移動手段により前記スプール及び第2
    ディスク部材が前記他方向に移動したとき、前記第1デ
    ィスク部材と前記制動ディスク部材との隙間は、前記第
    2ディスク部材と制動ディスク部材との隙間より大き
    い、請求項1から5のいずれかに記載の両軸受リールの
    制動装置。
  7. 【請求項7】前記制動ディスク部材は、前記スプールの
    前記ハンドルと逆側の端面に装着されている、請求項1
    から6のいずれかに記載の両軸受リールの制動装置。
  8. 【請求項8】前記制動ディスク部材は、前記第1及び第
    2ディスク部材の径方向外方に配置された回り止め部材
    により前記スプールに回転不能に装着されている、請求
    項1から7のいずれかに記載の両軸受リールの制動装
    置。
  9. 【請求項9】前記制動ディスク部材は、前記第1及び第
    2ディスク部材の径方向外方に配置された制限部材によ
    り前記軸方向の移動を制限されて前記所定距離だけ移動
    する、請求項1から8のいずれかに記載の両軸受リール
    の制動装置。
  10. 【請求項10】前記回り止め部材は前記制限部材と兼用
    されている、請求項9に記載の両軸受リールの制動装
    置。
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