JP2000197022A - 画像切り出し装置およびテレビ電話装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景から人物画像を切り出す際に生じる，虫
食い状態やノイズを除去し、よりきれいな人物の切り出
しを実現する。 【解決手段】 通信前に人物の入っていない背景参照画
像をメモリ２に記録し、通信中は撮像装置１により撮影
している画像と、上記背景参照画像とを２値化処理回路
３により比較して、比較結果画像を２値で表現し、フィ
ルタ処理回路４により上記２値化処理された画像のノイ
ズを除去するためにフィルタ処理を施し、画像置換回路
５により、上記フィルタ処理により得られた２値化画像
の白データの部分を通信画像と置き換えるとにより、人
物の虫食い状態や、背景のノイズを除去した送信画像を
作成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像切り出し装置
およびテレビ電話装置に関し、特に、撮像装置を使用し
て撮影される画像に人物切り出しの処理を施す装置、お
よびかかる人物切り出し処理を施して通信を行うテレビ
電話装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】テレビ電話装置は、撮像装置とマイクロ
フォンもしくは電話とが組み込まれているものであり、
もしくは、撮像装置とマイクロフォンもしくは電話とを
接続して使用するものであり、映像と音声による相互通
信を行うものである。このテレビ電話装置においては、
例えば特開平7-250312号公報のように、背景参照画像
と、テレビ電話通信時の画像（以下、通信画像と称す）
との比較処理を行って、人物画像と背景画像の切り出し
を行い、人物部分のみの情報を相手に送信するようなも
のが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の技術では、人物画像が虫食い状態になったり、人物以
外の背景部分にノイズが発生したりして、きれいに人物
部分の切り出しを行うことができない、という問題点が
あった。本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、上記のような虫食いやノイズを除去して、より
きれいな人物の切り出しを行うことのできる画像切り出
し装置およびその切り出し結果を用いて通信を行うテレ
ビ電話装置を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項１の画像切り出し装置は、撮像装置
により撮影した画像を、背景部分と人物部分とに切り分
けて、人物部分のみの情報を作成する画像切り出し装置
において、あらかじめ記録しておいた，人物の入ってい
ない背景参照画像と、当該参照背景に人物の入っている
人物画像とを、画素毎もしくは所定ブロック毎に比較し
て、等しい部分は黒データまたは白データのいずれか一
方である第１のデータを、異なっている部分は黒データ
または白データの他方である第２のデータを、それぞれ
出力する２値化処理回路と、該２値化処理回路の２値化
処理出力から，そのノイズを除去するためのフィルタ処
理を行うフィルタ処理回路と、該フィルタ処理回路から
得られた２値化処理出力に対し、第２のデータの部分を
上記通信画像に置き換えることにより、背景部分が黒デ
ータまたは白データのいずれかとなった，人物部分の画
像を作成する画像置換回路と、を備えたことを特徴とす
るものである。

【０００５】本発明の請求項２の画像切り出し装置は、
請求項１記載の画像切り出し装置において、上記２値化
処理回路は、上記背景参照画像と上記人物画像とを、輝
度信号と色差信号の両者もしくはいずれか一方につい
て、比較するもの、としたものである。

【０００６】本発明の請求項３の画像切り出し装置は、
請求項１記載の画像切り出し装置において、上記フィル
タ処理回路は、フィルタ処理すべき２値化処理出力のデ
ータを、その周囲の２値化処理出力に第１のデータと第
２のデータのいずれが多いかの多数決処理により、決定
するもの、としたものである。

【０００７】これにより、人物の虫食い状態や背景のノ
イズを除去した人物のみの画像を作成することができ
る。

【０００８】また、本発明の請求項４のテレビ電話装置
は、撮像装置により撮影した画像を、背景部分と人物部
分とに切り分けて、人物部分のみの情報を送信するテレ
ビ電話装置において、通信前にあらかじめ記録しておい
た，人物の入っていない背景参照画像と、テレビ電話通
信時の画像である通信画像とを、画素毎もしくは所定ブ
ロック毎に比較して、等しい部分は黒データまたは白デ
ータのいずれか一方である第１のデータを、異なってい
る部分は黒データまたは白データの他方である第２のデ
ータをそれぞれ出力する２値化処理回路と、該２値化処
理回路の２値化処理出力から，そのノイズを除去するた
めのフィルタ処理を行うフィルタ処理回路と、該フィル
タ処理回路から得られた２値化処理出力に対し、第２の
データの部分を上記通信画像に置き換えることにより、
背景部分が黒データまたは白データのいずれかとなっ
た，人物部分の送信画像を作成する画像置換回路と、を
備えたことを特徴とするものである。

【０００９】本発明の請求項５のテレビ電話装置は、請
求項４記載のテレビ電話装置において、上記２値化処理
回路は、上記背景参照画像と上記人物画像とを、輝度信
号と色差信号の両者もしくはいずれか一方について、比
較するもの、としたものである。

【００１０】本発明の請求項６のテレビ電話装置は、請
求項４記載のテレビ電話装置において、上記フィルタ処
理回路は、フィルタ処理すべき２値化処理出力のデータ
を、その周囲の２値化処理出力に第１のデータと第２の
データのいずれが多いかの多数決処理により、決定する
もの、としたものである。これにより、人物の虫食い状
態や背景のノイズを除去した送信画像を作成することが
できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明にかかる画像切り出し装置
は、撮像装置により撮影した画像を、背景部分と人物部
分とに切り分けて、人物部分のみの情報を作成する画像
切り出し装置において、あらかじめ記録しておいた人物
の入っていない背景参照画像と、当該参照背景に人物の
入っている画像である人物画像とを、画素毎もしくは所
定ブロック毎に比較して、等しい部分は黒データまたは
白データのいずれか一方である第１のデータを、異なっ
ている部分は黒データまたは白データの他方である第２
のデータをそれぞれ出力する２値化処理回路と、該２値
化処理回路の２値化処理出力から，そのノイズを除去す
るためのフィルタ処理回路と、該フィルタ処理回路から
得られた２値化処理出力に対し、第２のデータの部分を
上記人物画像に置き換えて、人物部分のみからなり背景
部分は黒データまたは白データとなった，人物部分の画
像を作成する画像置換回路と、を備えたことを特徴とす
るもので、人物の虫食い状態や背景のノイズ除去を行
い、よりきれいな人物画像を作成できるという作用を有
する。

【００１２】また、本発明にかかるテレビ電話装置は、
撮像装置により撮影した画像を、背景部分と人物部分と
に切り分けて、人物部分のみの情報を送信するテレビ電
話装置において、通信前にあらかじめ記録しておいた人
物の入っていない背景参照画像と、テレビ電話通信時の
画像である通信画像とを、画素毎もしくは所定ブロック
毎に比較して、等しい部分は黒データまたは白データの
いずれか一方である第１のデータを、異なっている部分
は黒データまたは白データの他方である第２のデータを
それぞれ出力する２値化処理回路と、該２値化処理回路
の２値化処理出力から，そのノイズを除去するためのフ
ィルタ処理回路と、該フィルタ処理回路から得られた２
値化処理出力に対し、第２のデータの部分を上記通信画
像に置き換えて、人物部分のみからなり背景部分は黒デ
ータまたは白データのいずれかとなった送信画像を作成
する画像置換回路と、を備えたことを特徴とするもの
で、人物の虫食い状態や背景のノイズ除去を行い、より
きれいな人物画像を相手側に送信することができるとい
う作用を有する。

【００１３】（実施の形態１）以下、本発明の実施の形
態１による画像切り出し装置およびテレビ電話装置につ
いて、図１を用いて説明する。図１は本発明の実施の形
態１によるテレビ電話装置の回路構成図であり、このテ
レビ電話装置は、本発明の実施の形態１による画像切り
出し装置を含んでいるものである。

【００１４】図において、１は撮像装置であり、人物が
入っていない背景参照画像を撮影したり、通信中に画像
を撮影したりする。２はメモリであり、通信前に上記撮
像装置１によりあらかじめ撮影した画像を記録するもの
である。３は２値化処理回路であり、通信中は上記メモ
リ２に記録された背景参照画像と、撮像装置１からの通
信中画像とを、画素毎もしくは所定ブロック毎に、輝度
信号と色差信号のそれぞれについて比較を行い、等しけ
れば“０”（黒データ）を、異なっていれば“１”（白
データ）を出力して、２値の画像データを作成する。

【００１５】４はフィルタ処理回路であり、上記２値化
処理回路３により作成された２値画像にフィルタをかけ
て、人物の虫食い状態や背景のノイズを除去したりする
ものである。このフィルタ処理の詳細な手法は、後ほど
説明する。

【００１６】ここで、図２は、従来法により、背景参照
画像と通信中画像との比較のみにより人物の切り出しを
行った場合の処理画像を示す図である。即ち、図２にお
いて、８は、通信前にメモリ２に記憶させている背景参
照画像であり、９は通信中の撮像装置１により撮影され
る通信画像であり、画像に通話している人物が含まれて
いる。１０は上記背景参照画像と上記通信中画像とによ
る比較結果画像である。上記比較結果画像、すなわち送
信画像は、従来法では、単に背景参照画像と通信中画像
との比較のみを行なっていることにより、人物部分と背
景部分のいずれにおいてもノイズ等の影響が現れ、結
果、人物部分が虫食い状態１０ａであったり、背景部分
にノイズ１０ｂが挿入したりして、きれいな人物切り出
しを行うことはできなかったものである。

【００１７】図１に戻って、５は画像置換回路であり、
上記フィルタ処理された２値画像の白データの部分を、
撮像装置１からの通信画像データに置き換える回路であ
る。この画像の置き換えの処理過程により、背景部分を
黒データ（“０”）に置き換えた人物のみのきれいな送
信画像を作成することができるものである。６はビデオ
コーデックであり、上記画像置換回路５までの過程で作
成された送信画像を圧縮して、相手側に送信するもので
ある。７はバッファであり、上記画像置換回路５までの
処理の終了した２値画像の白データの部分を通信中画像
に置き換えるのに際し、置き換える通信画像を、画像置
換処理が終了するまで保持しておくためのものである。

【００１８】これら、撮像装置１，メモリ２，２値化処
理回路３，フィルタ処理回路４，画像置換回路５，バッ
ファ７により本発明の実施の形態１による画像切り出し
装置が構成され、これにビデオコーデック６を加えたも
のが、本発明の実施の形態１によるテレビ電話装置に相
当するものである。

【００１９】次に、上記それぞれの処理過程の詳細につ
いて説明する。図３は、本実施の形態１における２値化
処理画像を示す説明図である。図３において、１１は、
図１の２値化処理回路３により出力された２値画像であ
り、これは、背景参照画像８と通信画像９とを、画素毎
もしくは所定ブロック毎に、輝度信号と色差信号の両者
を比較して、等しければ黒データを、異なっていれば白
データを出力して、その比較結果画像を２値画像とした
ものである。この２値画像は、図中の１２に示すように
人物に虫食いが発生したり、図中の１３に示すように背
景にノイズが挿入されたりしており、決してきれいな２
値画像ではない。

【００２０】図４は、本実施の形態１におけるフィルタ
処理画像を示す説明図である。図４において、１４は、
図１のフィルタ処理回路４により図３の２値画像１１を
処理することにより得られた２値画像である。このフィ
ルタ処理回路４におけるフィルタ処理には、多数決フィ
ルタを用いる。多数決フィルタは所定ブロック毎に、例
えば本実施の形態１では、３×３の大きさのマトリクス
でフィルタ処理を行う。

【００２１】図５は、本実施の形態１における多数決フ
ィルタによるフィルタ処理を示す説明図である。この多
数決フィルタ処理では、マトリクスの中心画素のデータ
を、周囲の白データと黒データの数により決定する。例
えば、画素データ１５のような３×３マトリクスでは、
マトリクスの中心画素（この例では白データである。）
の周囲に白データが５画素、黒データが３画素存在する
ため、フィルタ処理結果は、画素データ１６のように中
心画素は白データのままとなる。

【００２２】また画素データ１７のような３×３マトリ
クスでは、中心画素の周囲に白データが３画素、黒デー
タが５画素存在するため、フィルタ処理結果は、画素デ
ータ１８のように中心画素は黒データに変換される。

【００２３】しかし、次のような場合も多数存在すると
思われる。画素データ１９のような３×３マトリクスで
は、周囲に白データが４画素、黒データが４画素存在す
るため、中心画素のデータを決めかねるが、この場合
は、中心画素のデータをそのまま使用するのが望ましい
と思われる。なぜなら、人物の虫食い状態や、背景のノ
イズは、単画素で存在することが多く、従って、周囲の
データ数が等しいのは、人物と背景の境界であるといっ
た場合がほとんどであるため、このような境界の画像で
あれば、その画素値はそのままとするのが望ましいから
である。

【００２４】また、画面端の画素に対してこれを中心と
して３×３マトリクスがあるものと判断することは不可
能であり、このため、画面端においてマトリクスを選択
することは不可能であるが、このようにデータがない画
素については、多数決処理を行う画素の数には含めず処
理を行うようにする。そして、このような処理を画面左
上から順次施していく。ただし、この処理順は決して左
上からでなくてもよく、任意の画素から処理を始めても
構わない。次に、上記フィルタ処理回路４から出力され
た２値画像の白データの画素情報を通信中画像に置き換
える処理を、画像置換回路５により行う。

【００２５】図６は、本実施の形態１における画像置換
処理画像を示す説明図であり、図６において、２１は、
画像置換回路５により出力された送信画像である。以上
の各種処理回路等による処理により、２１のような人物
のみが切り出された送信画像を作成することができる。
この送信画像２１は、図１に示されるビデオコーデック
６により圧縮され、相手側に送信される。受信側では、
黒のデータの画素部分を、好みの画像に置換するなどし
て、テレビ電話を楽しむことが出来る。

【００２６】このように、本実施の形態１によれば、あ
らかじめ撮像装置により背景のみの背景参照画像を撮像
してこれをメモリに記憶しておき、この背景参照画像に
人物を含んだ画像を撮像しこれと元の背景参照画像を、
輝度信号および色差信号の両者に関して比較し、等しい
部分は黒データとし、異なる部分は白データとする２値
化処理を行い、この２値化処理結果に対し多数決処理を
行うことにより、ノイズ等を除去するフィルタ処理を行
い、フィルタ処理後の白データの部分を人物を含んだ画
像で置き換えることにより、人物を切り出し、この背景
が黒の，人物の切り出し画像を相手方に送信するように
したので、ノイズや虫食い状態のない，きれいな人物の
切り出し画像を相手方に送信することができる。

【００２７】なお、上記実施の形態１によれば、背景の
みの画像と人物を含んだ画像との比較を、輝度信号と色
差信号の両者について比較することにより２値化処理を
行うようにしたが、２値化処理を行ううえで支障が生じ
なければ、想輝度信号と色差信号のいずれか一方のみに
ついてこれを行うようにしてもよく、この場合、２値化
処理回路の構成を簡略化できる。

【００２８】また、上記実施の形態１によれば、背景の
みの画像と人物を含んだ画像とを比較し、等しい部分は
黒データを、異なっている部分は白データを出力し、白
データの部分を人物を含んだ画像に置き換えることによ
り、背景部分が黒データとなった人物部分の画像データ
を作成するようにしたが、等しい部分は白データを、異
なっている部分は黒データを出力し、黒データの部分を
人物を含んだ画像に置き換えることにより、背景部分が
白データとなった人物部分の画像データを作成すること
も可能である。

【００２９】さらに、上記実施の形態１によれば、背景
部分から人物部分のみを切り出し、これをビデオコーデ
ック処理して相手側に送信する，テレビ電話装置を例に
とって説明したが、単に人物部分のみを切り出す画像切
り出し装置として使用するようにしてもよく、この場
合、その出力をパソコン等に取り込むことにより、人物
の画像の背景を入れ替える等の画像合成処理を行うため
の、素材としての人物のみの画像を高速に得ること等が
可能である。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本願の請求項１の発明に
かかる画像切り出し装置によれば、撮像装置により撮影
した画像を、背景部分と人物部分とに切り分けて、人物
部分のみの情報を作成する画像切り出し装置において、
あらかじめ記録しておいた，人物の入っていない背景参
照画像と、当該参照背景に人物の入っている人物画像と
を、画素毎もしくは所定ブロック毎に比較して、等しい
部分は黒データまたは白データのいずれか一方である第
１のデータを、異なっている部分は黒データまたは白デ
ータの他方である第２のデータを、それぞれ出力する２
値化処理回路と、該２値化処理回路の２値化処理出力か
ら，そのノイズを除去するためのフィルタ処理を行うフ
ィルタ処理回路と、該フィルタ処理回路から得られた２
値化処理出力に対し、第２のデータの部分を上記通信画
像に置き換えることにより、背景部分が黒データまたは
白データのいずれかとなった，人物部分の画像を作成す
る画像置換回路と、を備え、上記画像の置き換えによ
り、人物の虫食い状態や背景のノイズ除去を行うように
したので、人物に虫食い状態が発生したり、背景にノイ
ズが発生したりすることなく、よりきれいな人物切り出
し画像を作成することができる効果が得られる。

【００３１】また、本願の請求項２の発明にかかる画像
切り出し装置によれば、請求項１記載の画像切り出し装
置において、上記２値化処理回路は、上記背景参照画像
と上記人物画像とを、輝度信号と色差信号の両者もしく
はいずれか一方について、比較するものとしたので、人
物に虫食い状態が発生したり、背景にノイズが発生した
りすることなく、よりきれいな人物切り出し画像を作成
することができ、かつ、その切り抜くべき部分を決定す
る２値化処理として、輝度信号と色差信号に基づく処理
を用いているため、装置を容易に実現できる効果が得ら
れる。

【００３２】また、本願の請求項３の発明にかかる画像
切り出し装置によれば、請求項１記載の画像切り出し装
置において、上記フィルタ処理回路は、フィルタ処理す
べき２値化処理出力のデータを、その周囲の２値化処理
出力に第１のデータと第２のデータのいずれが多いかの
多数決処理により、決定するものとしたので、人物に虫
食い状態が発生したり、背景にノイズが発生したりする
ことなく、よりきれいな人物切り出し画像を作成するこ
とができ、かつ、そのノイズを除去するためのフィルタ
処理として、多数決に基づく処理を用いているため、装
置を容易に実現できる効果が得られる。

【００３３】また、本願の請求項４の発明にかかるテレ
ビ電話装置によれば、撮像装置により撮影した画像を、
背景部分と人物部分とに切り分けて、人物部分のみの情
報を送信するテレビ電話装置において、通信前にあらか
じめ記録しておいた，人物の入っていない背景参照画像
と、テレビ電話通信時の画像である通信画像とを、画素
毎もしくは所定ブロック毎に比較して、等しい部分は黒
データまたは白データのいずれか一方である第１のデー
タを、異なっている部分は黒データまたは白データの他
方である第２のデータをそれぞれ出力する２値化処理回
路と、該２値化処理回路の２値化処理出力から，そのノ
イズを除去するためのフィルタ処理を行うフィルタ処理
回路と、該フィルタ処理回路から得られた２値化処理出
力に対し、第２のデータの部分を上記通信画像に置き換
えることにより、背景部分が黒データまたは白データの
いずれかとなった，人物部分の送信画像を作成する画像
置換回路と、を備え、上記画像の置き換えにより、人物
の虫食い状態や背景のノイズ除去を行うようにしたの
で、人物に虫食い状態が発生したり、背景にノイズが発
生したりすることなく、よりきれいな人物切り出し画像
を作成し、相手側に送信することができる効果が得られ
る。

【００３４】また、本願の請求項５の発明にかかるテレ
ビ電話装置によれば、請求項４記載のテレビ電話装置に
おいて、上記２値化処理回路は、上記背景参照画像と上
記通信画像とを、輝度信号と色差信号の両者もしくはい
ずれか一方について、比較するものとしたので、人物に
虫食い状態が発生したり、背景にノイズが発生したりす
ることなく、よりきれいな人物切り出し画像を作成し、
相手側に送信することができ、かつ、その切り抜くべき
部分を決定する２値化処理として、輝度信号と色差信号
に基づく処理を用いているため、装置を容易に実現でき
る効果が得られる。

【００３５】また、本願の請求項６の発明にかかるテレ
ビ電話装置によれば、請求項４記載のテレビ電話装置に
おいて、上記フィルタ処理回路は、フィルタ処理すべき
２値化処理出力のデータを、その周囲の２値化処理出力
が第１のデータと第２のデータのいずれが多いかの多数
決処理により、決定するものとしたので、人物に虫食い
状態が発生したり、背景にノイズが発生したりすること
なく、よりきれいな人物切り出し画像を作成し、相手側
に送信することができ、かつ、そのノイズを除去するた
めのフィルタ処理として、多数決に基づく処理を用いて
いるため、装置を容易に実現できる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１によるテレビ電話装置の
回路構成図

【図２】従来技術における人物切り出し画像を示す図

【図３】上記実施の形態１のテレビ電話装置における２
値化処理画像を示す説明図

【図４】上記実施の形態１のテレビ電話装置におけるフ
ィルタ処理画像を示す説明図

【図５】上記実施の形態１における多数決フィルタによ
るフィルタ処理を示す説明図

【図６】上記実施の形態１のテレビ電話装置における画
像置換処理画像を示す説明図

【符号の説明】

１ 撮像装置 ２ メモリ ３ ２値化処理回路 ４ フィルタ処理回路 ５ 画像置換回路 ６ ビデオコーデック ７ バッファ ８ 背景参照画像 ９ 通信中画像 １０ 従来技術における比較結果画像 １１ ２値化処理画像 １２ 人物の虫食い １３ 背景のノイズ １４ 多数決フィルタ処理画像 １５、１７、１９ 画素データ（多数決フィルタ処理前
の３×３マトリクス） １６、１８、２０ 画素データ（多数決フィルタ処理後
の３×３マトリクス） ２１ 画像置換処理後の送信画像

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩永 泰一 香川県高松市古新町８番地の１ 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 喜田 純一 香川県高松市古新町８番地の１ 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 白田 満将 香川県高松市古新町８番地の１ 松下寿電 子工業株式会社内 Ｆターム(参考） 5C064 AA01 AC02 AC08

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮像装置により撮影した画像を、背景部
   分と人物部分とに切り分けて、人物部分のみの情報を作
   成する画像切り出し装置において、 あらかじめ記録しておいた，人物の入っていない背景参
   照画像と、当該参照背景に人物の入っている人物画像と
   を、画素毎もしくは所定ブロック毎に比較して、等しい
   部分は黒データまたは白データのいずれか一方である第
   １のデータを、異なっている部分は黒データまたは白デ
   ータの他方である第２のデータを、それぞれ出力する２
   値化処理回路と、 該２値化処理回路の２値化処理出力から，そのノイズを
   除去するためのフィルタ処理を行うフィルタ処理回路
   と、 該フィルタ処理回路から得られた２値化処理出力に対
   し、第２のデータの部分を上記通信画像に置き換えるこ
   とにより、背景部分が黒データまたは白データのいずれ
   かとなった，人物部分の画像を作成する画像置換回路
   と、 を備えたことを特徴とする画像切り出し装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の画像切り出し装置におい
   て、 上記２値化処理回路は、上記背景参照画像と上記人物画
   像とを、輝度信号と色差信号の両者もしくはいずれか一
   方について、比較するものである、 ことを特徴とする画像切り出し装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の画像切り出し装置におい
   て、 上記フィルタ処理回路は、フィルタ処理すべき２値化処
   理出力のデータを、その周囲の２値化処理出力に第１の
   データと第２のデータのいずれが多いかの多数決処理に
   より、決定するものである、 ことを特徴とする画像切り出し装置。
4. 【請求項４】 撮像装置により撮影した画像を、背景部
   分と人物部分とに切り分けて、人物部分のみの情報を送
   信するテレビ電話装置において、 通信前にあらかじめ記録しておいた，人物の入っていな
   い背景参照画像と、テレビ電話通信時の画像である通信
   画像とを、画素毎もしくは所定ブロック毎に比較して、
   等しい部分は黒データまたは白データのいずれか一方で
   ある第１のデータを、異なっている部分は黒データまた
   は白データの他方である第２のデータをそれぞれ出力す
   る２値化処理回路と、 該２値化処理回路の２値化処理出力から，そのノイズを
   除去するためのフィルタ処理を行うフィルタ処理回路
   と、 該フィルタ処理回路から得られた２値化処理出力に対
   し、第２のデータの部分を上記通信画像に置き換えるこ
   とにより、背景部分が黒データまたは白データのいずれ
   かとなった，人物部分の送信画像を作成する画像置換回
   路と、 を備えたことを特徴とするテレビ電話装置。
5. 【請求項５】 請求項４記載のテレビ電話装置におい
   て、 上記２値化処理回路は、上記背景参照画像と上記通信画
   像とを、輝度信号と色差信号の両者もしくはいずれか一
   方について、比較するものである、 ことを特徴とするテレビ電話装置。
6. 【請求項６】 請求項４記載のテレビ電話装置におい
   て、 上記フィルタ処理回路は、フィルタ処理すべき２値化処
   理出力のデータを、その周囲の２値化処理出力が第１の
   データと第２のデータのいずれが多いかの多数決処理に
   より、決定するものである、 ことを特徴とするテレビ電話装置。