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【住所発表!】武蔵野美術大学の新学部はどんなカリキュラム?都心キャンパスはどこにできるの?

2018年2月23日(金)

1月25日にムサビの新学部・都心キャンパス構想第1弾リリースが発表されましたが、
武蔵野美術大学が新学部・新学科と都心キャンパスを2019年4月開設構想中!

昨日2月22日、ネコの日にもう少し詳細が書かれた第2弾リリースが公開されました。
武蔵野美術大学|創立90周年の2019年に新学部と都心キャンパスを開設 −美大の枠を超えた新しい人材育成プログラムが始動−


引用しながら解説していきます。
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武蔵野美術大学は、創立90周年となる2019年の4月に造形構想学部ならびに大学院造形構想研究科を新たに開設します。また、新学部・新研究科の教育・研究の強みを最大限に活かすため、都心キャンパス(新宿区市ヶ谷)を同時に開設し、外部企業と連携したプロジェクトベースの授業など、都心の環境ならではの授業を展開する予定です(学部・研究科ともに設置構想中)。
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あ、現段階ではどうしても「予定」「構想中」「届出中」とついちゃうのはご了承ください。

つまり2019年4月に
●新学部と新学科を立ち上げる(予定)
●同時に新大学院もスタートする(予定)
●さらに同時に都心キャンパス(新宿区市ヶ谷)を開設する(予定)

ということがここでは書かれています。


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1. 設置に至る背景 
 社会や産業構造が大きく変化していく中で、社会問題も多様化し、さらに複雑化しています。「何が問題となっているのか」「今、何をすべきなのか」、こうした問いを自ら発し、解決の方法を打ち出し実践できるクリエイティブな感性を備えた人材を世の中は求めています。
 本学は創立以来、独自の造形教育と教養教育によって、個々の「創造的思考力」を養ってきました。ものづくりをする上では発想力や造形力が試され、他者に伝えるためには論理力や伝達力が必要不可欠です。これらのチカラを総合的に学ぶなかで磨かれる「創造的思考力」は現代社会に潜む様々な課題を解決の方向へ導く可能性を秘めています。
 この度、新設される造形構想学部は、この「創造的思考力」を実社会で応用するための具体的な方法を学ぶ、新たな美術大学としての試みの場となります。そのために、産業社会の仕組みや最先端技術の現在を知り、とくに新設の「クリエイティブイノベーション学科」では、都心キャンパスにおいて企業と連携したプロジェクト型の実践的な授業を行います。
 この新学部と都心キャンパス開設を機に、これからの社会を担い、かつ牽引していけるような「新しい価値」を創出できる、社会的イノベーションに寄与する人材の育成を目指します。
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第1弾リリースでは「新学部と都心キャンパスを作る予定」ぐらいしか書かれてなかったけど、新学部・新学科のコンセプトがもう少し詳しく説明されています。

ポイントとなるのが、「創造的思考力」というキーワード。
これがこの新学部・学科構想の肝となっています。

「デザイン思考」という言葉がブームのように使われていて、既に美大だけじゃなく総合大学の大学案内でも「デザイン思考を使った問題解決型授業を展開しサスティナブルな社会のためにコトづくりを始めます」と流行り言葉をつなげた売り文句をよくみかけるようになりました。
でも、「デザイン思考は問題解決できても問題発見は苦手」と弱点も既に指摘されています。また、極端な話、デザイン思考だけであれば総合大学でも学べるわけで、はたして美大での学びとは「デザイン思考」だけなのだろうか。

実は「アート思考」の発想力やアイデアの飛躍、表現力、言い方悪いけど「頼まれてもいないのに作品を作る」精神こそ問題発見には必要で、これはどう頑張っても総合大学では表面上程度のことしか学べません。アート思考とデザイン思考などを掛け合わせたクリエイティブ思考、つまり「創造的思考力」こそ美大での学びの本質であり、今社会が求めてる人材ではないだろうか。
つまり、既に造形学部でもやっていることではあるのだけど、そこに注目した学部・学科を作り、より強く美大の存在価値、新たな価値をアピールしよう、というのがコンセプトとなっています。

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2. 新学部・研究科の特徴 
 新たに開設される造形構想学部は、新設の「クリエイティブイノベーション学科」と、従来の造形学部から移設される「映像学科」による2学科体制となります。「クリエイティブイノベーション学科」は、1、2年次は従来の鷹の台キャンパス、3、4年次は学びの舞台を都心キャンパスへ移す、2キャンパス制を導入し、本学独自の造形教育と教養教育によって培われる「創造的思考力」を戦略的に実社会で応用発揮するカリキュラムを実現します。また、3、4年次では大学院生(新設のクリエイティブリーダーシップコース)との合同プロジェクトで、企業と実践的な課題に取り組むなど、実社会と連携したプログラムを展開します。
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第1弾リリースでもこのように書かれてるんですが、何人かから「映像学科がなくなっちゃうのね。残念」と言われました(実話)。
どう読めばそういう解釈になるのか不思議なんだけど、確かに文章だけではわかりにくい。
というわけで、図式化したのがこちら。

現在ムサビは1学部1研究科で構成されていますが、2019年4月からは2学部2研究科になり、造形学部から映像学科が新学部に移動し、造形学部10学科、新学部2学科という形になります。
なお、今年入学する映像学科の学生さんが卒業するまでは映像学科は「造形学部」なので、在籍者含めて何も変わりません。2019年度入学者からそうなる、ということです。

またここで説明されているのが、
●新学科1,2年と映像学科全学年は鷹の台キャンパスで学びます(予定)
●新学科3,4年と新大学院は都心キャンパスです(予定)

です。
創造的思考力に大事なのが造形力と教養力。それをみっちり鷹の台キャンパスで学び、新学科の3年からはそれらを戦略的に実社会で応用発揮していくために都心キャンパスでやりましょう、ということ。
新学科を都心キャンパスだけで完結する方法もありますが、これが一長一短で。
某美大さんを始め他大学を見てると、新学科の学生さんの「疎外感」が少なからずあるんですよね。在学生・卒業生、そして自分の経験からも「他学科の学生との交流」が大学生活のポイントにあるので、やはり1,2年は鷹の台キャンパスでのびのびと他学科の学生さんとサークルや授業などで交流し、アトリエで作品を作り、そして高度教育の段階で都心で学ぶ方が学生さんのためにもいいだろう、という考えがここには入っています。


  • ことごとくイメージ写真がデザイン・ラウンジ(笑)

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3. 高校での学習や課外活動を重視。文系・理系を問わない新たな入試制度の導入
 新学科での入学試験では美術予備校で学ぶデッサンなど、入学するための専門的なスキルは必要ありません。特に推薦型入学試験では学校での勉強や課外活動など、今夢中になっている事が新学科の試験科目です。一般入学試験では文系でも理系でも得意な科目を選択して受験することができ、推薦・一般どちらのルートで入学してもアートやデザインについては入学後にしっかり学ぶことができます。
 また、入学後は「実社会の様々な問題解決」や「新しい価値」を創出するために必要な、法学、経済学、経営学、ビジネス理論から、デザイン工学を含む理工学、情報工学、心理学や芸術学など文系・理系の幅広い学問領域を包括した学習が可能となります。
 一方、大学院では学内外の学部における学びを活かせる入学試験および社会人の受け入れを可能とする入学試験を実施します。
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ここでは入試やカリキュラムに触れています。

どうしても「美術・デザイン」「美術大学」というと、「もともとの才能と実技力が必要」「美術予備校で学んでから進学」「特殊な人がいく大学」という印象があります。
でも、「美術の通信教育を日本で最初に始めた高等教育機関」「数学受験など昔から実技試験を必要としない学科を作ってきた」ムサビは、「美術は学べるものだ」というポリシーを持っています。
「創造的思考力」を主とする新学科では大学入学前の実技力はポイントではありません。だって入学してからみっちりやるので。

また新学科では、これからのクリエイティブ社会に絶対必要な、法学、経済学、経営学、ビジネス理論から、デザイン工学を含む理工学、情報工学、社会心理学や芸術学など幅広い学問領域のカリキュラムが用意されます。
高校での進路決定で使う「文系・理系」をいう枠組みって、今の社会にもうそぐわないんですよね。「クリエイティブ系に興味あるけど文系がいいのか理系がいいのかわからない」と悩んでる高校生も多いはず。今までの言葉を使えば「文理融合」な学科ではあるのだけど、その表現も少し古いような気もしてて。
また新大学院では、社会人も勉強しやすいカリキュラム・時間割を考えています。都心にあるメリット。

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4. ソーシャルイノベーションの拠点ともなる画期的な都心キャンパス
 JR市ヶ谷駅前とアクセスのよい場所に都心キャンパスが誕生します。教室フロアの他、「くらし」「まなび」「ものつくり」「共創」など、各フロアに基本コンセプトに沿ったオープンスペースを設け、学生、教員、一般利用者や企業、自治体などが連携を持ちながら、新しい価値づくりの拠点となる場を目指します。

名称   :武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス(仮称)
所在地  :東京都新宿区市谷田町1丁目4番地
対象学生 :造形構想学部クリエイティブイノベーション学科(3、4年次)
      大学院クリエイティブリーダーシップコース(1、2年次)
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そして最後が都心キャンパスについて。
初めて住所が発表されました。

これ以上の情報は発表されてないのでまだ手羽も書けないけど、この住所をGoogleマップで調べると、

ここです。
市ヶ谷駅からよく見える建物で、最近ある関係でニュースにもなってました。はい、ムサビだったんです。
ただ、「新学科が入る建物」というよりも、企業やNPO、自治体、団体、教育機関等と連携・協働しながら「ムサビ全体、そして社会の新たな価値づくりの拠点」を目指す予定です。「スーパーデザイン・ラウンジ」てのがわかりやすいかな?(逆にわかりにくい)


カリキュラム等詳細はまた改めて発表されます。
小出しで申し訳ないのですが、今日書けるのはここまで。

OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。