#350 2024年 今年の漢字はどんな感じ?
すでにメディアやSNSにあふれている話題だから、ちょっとタイミングを外した形になるだろうか。ワンテンポずれているのはいつものこと。
今年の漢字の“金”について。
自慢したくはないが、金とは64年もの長い付き合いになる。
私は金も金も唸るほどある資産家のボンボンとして生まれ、ほしいものはパパかママに言えば何でも買ってもらえて、つまり、何不自由なく育ってきた、なんてことはどう考えてもあり得ない。
「金」との付き合いが長いというのは、苗字の漢字が「かね偏」だから。右側の旁と合わせると、「金を右から左へ動かすことを令する人になれるぞ、ウフフ」と思いながら生きてきたのだ。
しかし、現実は残酷である。
それにしても、「金」の字を一体、何万回書いてきたことか。だから私は「金のスペシャリスト」とも言える。
将棋の金将は玉(王将)の守り駒であり、敵の玉にとどめを刺すことも多い重要な立場だ。銀将は金よりも特攻隊長的か。私は何度、とどめを刺され玉砕したことか。
歳を重ねて悟ったことがある。
30年以上にわたって高校生と向き合い、今は大学生と向き合いながら、カウンセリングやコーチングをしていると、教師の性で、ついティーチングしたくなる。
「金言」を言い放とうとすることもある。
ティーチャーはティーチングしたがり、教えたがり、解説したがり、導きたがり、蘊蓄を垂れたがり、先生と呼ばれたがり、敬われ尊ばれたがり・・・・なのである。
おまけに私はチンパンジーだから、道化を演じたがり、ふざけたがるという習性がある。
学生との面談のあり方について、最近、カウウンセリングの師匠から言われたことがある。
雄弁は銀
沈黙は金
金銀の使い分けは難しい。