2024/12 CTOオープン社内報vol.17 『基盤への投資』
皆さんこんにちは!スマートラウンド CTO の小山( @doyaaaaaken )です。
このオープン社内報は、CTOである自身が普段「なにを感じて、どんなことを考えているか」について、月に一回、社内へ共有する試みです。
“オープン社内報” という名称のとおり、この文章の内容は一部編集した上で会社ブログに公開する予定です。
「基盤への投資」は重要
皆さんは「基盤」という言葉を聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
この記事における「基盤」とは、皆が共通で利用する仕組みやプロセスを指すものとします。
例えば、「業務を円滑にするシステムやルール創り」、「チーム間の連携をスムーズにするための仕組み」、「プロダクト開発を効率化するツール・ルール」などが例として挙げられます。
最近では「イネーブルメント」という概念として多く見るようになった気がします。
こうした基盤への投資は、組織全体の生産性を向上させる重要なカギとなります。目立たないながらも大事なことであり、縁の下の力持ち的な取り組みです。
この記事を通じてその取り組みについて皆に認識していただき、今後のスムーズな基盤整備にご協力いただきたいと思い、今回のテーマに選びました。(特に他部署の取り組みについては、今回初めて知るものもあるかもしれません。)
取り組み例の紹介
すべては紹介しきれないですが、いくつか事例を紹介します。
◇BizOps
弊社は営業支援システムとしてSalesforceを利用しています。しかし正直なところ運用ルールがこれまであまり整備されておらず、十分に活用できていない状況でした。
そこでBizOpsとしてOさんがTさんと共に、「プロダクト情報連携の高度化」「データ整備」「データを活用したレポート作成」などを推進してくれています。
これらの活動は、SaaS事業部の業務全体を効率化することに貢献する活動であり、着実に成果を上げています。
最近では、開発ロードマップの策定や、社内の要望をバックログとして蓄積し優先度判断に活用する仕組み作りも進んでいるようです。
◇エンジニア組織
EM(エンジニアリングマネージャ)Iさんが10月に入社後、これまで僕自身が手をつけられていなかった細かな改善点に注目し、課題を整理し、解決を推進してくれています。
まずは「1つ1つは小さな課題だが、積み重なると徐々に生産性や活力を下げていく」いわゆる「チリツモ」的な問題をひとつひとつ解消していただいており、組織の基盤を少しずつ強固なものとしていっていただいています。
組織が成長し続けるためには、このような継続的な変化が欠かせません。「エンジニア組織規模を今後大きくしていく上で生じる”負”を減らす」という方針のもと、基盤の継続的な整備を行っていただいています。
◇デザインシステム
9月の社内報でも触れましたが、デザインシステム『Shirube』が日々進化していっています。
(社内報の中では、smartroundの初期のデザインを創り上げてきたUさんのデザイン思想を汲み取る形で、その後入社したSさんがデザイン思想の言語化・ルール化を進めてくれた、弊社のデザインの歴史について紹介しました。)
これによりデザインの一貫性が向上し、開発効率も上がるでしょう。
さらに、来年度には新たに2名のデザイナーが入社する予定ですが、デザインシステムがあることで複数名のデザイナー間での意図のすり合わせが容易になり効率的に連携できるようになります。
この基盤への投資が、今後の成果を大きく引き上げることになるでしょう。
◇フロントエンドイネーブルメント
弊社には「フロントエンドイネーブルメントエンジニア」としてRさんがいます(この役職名は一般的な呼称ではないのですが、わかりやすく役割の共通認識を社内で持つため、このような名称にしています)。
Rさんはフロントエンド分野における専門性を活かし、フロントエンドコードにオーナーシップを持ちます。(※「フロントエンド」とはUIに関わるプログラムを指します。UIの見た目であったり、サーバとのインタラクションに関わります。)
フロントエンドコードの健全性を保ち、プロダクトエンジニアが快適に開発できる環境を整えることが役割です。
具体的な活動例として、最近はデザインシステムをUIコンポーネントとして再利用可能なソースコードにし、それを広めたり利用をサポートする活動に注力していただいています。
また、そういったイネーブルメント活動(=基盤への投資活動)だけでなく、空いた時間で自らプロダクトエンジニアとして機能開発にも携わっていただいています。
そうすることで直接的なユーザ価値貢献ができ「ユーザ目線」が強まるのみならず、自身がUIコンポーネントの利用者にもなることで「UIコンポーネント利用者目線」も得られ、結果的にイネーブルメント活動をより良いものにしていけるためです。
◇組織的な取り組み
以前の社内報で触れた「全員出社日」や「入社オンボーディング」も、重要な基盤への投資の例です。
特に全員出社日は月に1回、つまり全体の5%(=月約20営業日のうち1日)もの時間をかけており、会社として非常に大きな時間を投資しています。全社・チームの連携を深める貴重な機会なので、ぜひ主体的に参加・活用してください。
適切な基盤投資のバランス
ここまで基盤への投資の重要性やその取組み例について触れてきましたが、気をつけるべき点についても触れておきます。
基盤への投資は、その重要性を知ると「もっとやらなければ」と思いがちです。
しかし一方でやりすぎるとかえって非効率になり、場合によっては「時間・労力をかけて投資したにも関わらず、前より生産性を下げる」という結果になりかねません。
「仕事のための仕事」が多くなり「世の中に価値提供するための仕事」の時間が減るという罠は、世の中的にもかなりよく聞く話です。
やるべきかどうかやその内容については慎重に考える必要があり、実施にあたっても繊細なバランス感覚を要します。
重要なのは、適切なタイミングで適切な規模の投資を行うことです。
基盤投資は多くのものは中長期で成果が出るものであり、一方でスタートアップではやはり「目先の成果をしっかり上げる」ことが大事です。
このバランスを見極めるためには、組織全体の状況や優先順位を冷静に判断する必要があります。
基盤の整備はあくまで手段であり、最終的な目的を見失わないようにする必要がある点には注意が必要です。
以上です!
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