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この料理家のレシピが天才すぎる㉓チーフさん編/高山惠

私はフリーライターとして仕事をするかたわら、夫と高校生、小学生の子どもとともに生活しています。原稿などの締め切りに追われる毎日ですが、夜になるととりあえず仕事を切り上げ、台所に立って夕食をつくっています。
 
そんな自分にとって日々助けになっているのが、SNSなどでみかける「誰かが作った美味しそうなレシピ」。簡単で美味しそうなレシピをみつけては「いいね」を押して、いつでも確認できるようにするのがライフワークとなっています。 

【高山惠 プロフィール】
ライターとして雑誌「DIME」「BE-PAL」「kufura」(小学館)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、「サンデー毎日」(毎日新聞出版)などで執筆。
他さまざまなWEB媒体でも活動。
フードコーディネーターの資格を取得し、「食」のコーディネートも行う。

チーフさんのレシピはその後が気になる……!

いつからかは定かではないのですが、X(旧Twitter)で手作りのパンやクッキー、ケーキなどを“あとは焼くだけ”の写真とともに、こんなポストをみかけることが増えました。
 
「この後のツイートがなかったら失敗したと思ってください」
 
果たしてその後、この料理の焼き上がりは成功したのか? それが気になるのでついその後のポストもチェックしてしまいます。なんかうまいこと誘導されてしまい、なかなか巧みな言い回しだなと感心していたのですが、この言葉を最初に使い始めたのが、こちらのチーフさんです。

チーフさんはプロの料理家ではなく、単身赴任をしているサラリーマン。平日は一人暮らしで自炊をし、週末になると家族のもとへ帰って料理を担当する、そんなライフスタイルを送っている方です。料理写真がとにかく美味しそうなのはもちろん、「この後のツイートがなかったら失敗したと思ってください」といった、独特の言い回しが特徴的。これについてフォロワーの方々から“チーフ構文”と呼ばれているようですが、これをオマージュする方々がXではたくさんいらっしゃいます。 

失敗しないハッセルバックポテト

そんなチーフさんの料理の中で、私が大のお気に入りのレシピがこちらです。

「ハッセルバックポテト」はジャガイモに細い切れ込みをたくさん入れ、オーブンで焼き上げたシンプルなスウェーデンの家庭料理。オープンで焼き上げると切れ込みが開いて見栄えが良く、映える要素もあります。
本当にシンプルなのですが、美味しすぎてジャガイモが秒でなくなるんです。

つくりました

すみません。我が家、じゃがいもの皮が嫌がられるので、むいております。そうなると映え度が微妙に下がるのですが……。220℃45分という高温で長時間っじっくりと焼き上げることで、切り込み部分がカリッカリになります。これが本当に香ばしくて美味しいんです。

これは別の日に作ったハッセルバックポテト。同じレシピでもジャガイモの個数や大きさ、切込み具合によって微妙に焼き上がりが変わります。基本的には220℃45分さえ守れば「この後のツイートがなかったら失敗したと思ってください」という事態にはなりません。失敗知らずのレシピです。

初エッセイ本も出版!私も頑張らなければ

そんなチーフさんはなんと、10月29日に初エッセイ『家族には週末料理担当を任されています ~チーフの日常~』(KADOKAWA)を発売したばかり。面白いのはレシピ本ではなくエッセイ本であること。レシピも15品ほど収録されており、その中には今回紹介した「ハッセルバックポテト」も入っています。しかし基本は日々の投稿の裏話や家族への想いなど、チーフさんのパーソナルな部分が中心。
今の時代は優れた才能があってSNS上で表現を続けていれば、必ず誰かが発見してくれる時代。自分が何かになりたいと思ったら、とりあえず何かを発信するべきなのだなあ……。私も頑張らなければいけませんね。
 
(つづく)

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