映画 マチネの終わりに 感想です。
この映画、原作本のくどさが削られていて、それでいてモチーフは残っていて、さらに、恋愛映画としても切なさを感じました。
石田ゆり子さんの演技が素晴らしい
パリの街並みと季節の描写が美しい
クラシックギターの音色が素晴らしい
こういうの本では表現できない。
未来が過去を変えるというテーマです。
これは原作と同じモチーフです。
過去は固定されたものというイメージがあります。
それは不変というのがコンセンサスなのですが、本作では、未来の選択によって過去も変わるというもの。
悲惨なテロ現場を目撃しトラウマになった洋子。
ネット電話で蒔野のジョークを聞き、彼の音楽を聞いているうちに少し気が楽になってくる。
恋に落ちた二人の間に、マネージャー三谷の嫉妬にかられた妨害メール。
二人はすれ違い別れることになりますが、妻になった三谷が彼のコンサートに来てと彼女を誘うことで二人は再会するラスト。
たぶん、三谷の悪事も何もかも、すべての過去は二人の未来の選択によって、その色は薄れていくのだと思います。
過去は変えられない。
ではなく、未来の選択によって変えられる。
この発想はいいですね。
原作に忠実でいい映画でした。
洋子役の石田ゆり子さんの演技が最高でした。
しかし、原作と印象がまったく違う。
原作では、小憎らしくて理屈ぽくて少し傲慢な女に思えました。
原作通りのキャステングなら、この人が妥当でしょう。
天海祐希さん
毒舌!!
知的!!
喧嘩腰!!
迫力ある映画になることでしょう。