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「バカにされないで育つ」って大事なこと


マレーシア人の間にいて感じるのが「バカにされたり、バカにしたりする人を見ることが少ない」ってことです。
スポーツでも音楽でも、ものすごく下手でも笑われなかったりします。下手な人を笑ったり怒ったりする人、もちろんゼロではないけれど、笑ったりする人は、逆に周囲では割と軽蔑されている気がします。

もちろん、これには、良い面も悪い面もある。

なかには、悔しくなってそれをバネに奮起して、すごーく頑張る人もいます。
バカにされたくない一心で、職人肌で、完璧に、責められないモノを作り出す人も出てきます。

ただ、「お前はダメだ」「バカだ」と言われて落ち込むタイプの人もいるんですよね。そして「批判されない」ように守りに入る。
行動を制限し、プライドを守るよーになってしまう。
しまいには、今度は他人の行動をいちいち批判する「批評家」になっていくんじゃないかなぁ。

日本のツイッターを見ると、そんな「批評家」がいっぱいいます。
せっかくの知性を他人の批評に使うのは、なんというか、もったいないなーと思いますね。

挑戦してる人は、コテンパンに他人を批判できない

挑戦し続けてる人って、そこまでコテンパンに他人を批判できないんですよ。批判している暇もないですし。

語学なんて特にそうです。誰しも、習い初めは赤ちゃんみたいなコトしか言えず、大人の会話の中で一人固まってしまいます。ダメダメでかっこ悪い自分を散々さらけ出した先にしか、上達がないのです。

人は挑戦している限り、必ず失敗しますしね。あまり人を批判してると、自分自身のハードルも無駄に上がってしまいます。私なんてうっかり者で毎回失敗ばかりなので、他人の間違えを責める気にはなれないかな……。

一方で、マレーシア人の知り合いの若者たち。他人にバカにされたりせずに育った感じが顔つきにも出ています。

大人になった今や、みんな穏やかながら、静かな自信がある感じ。何をやるのにも、素直で躊躇がなく、自分の意見をまっすぐに伝えてきます。彼らは新たな語学にもどんどん挑戦し、間違いを恐れずすぐに覚えた表現を使います。

なんというのかな、世界を恐れている感じがあまりないんですよね。そしてコミュニケーションが柔らかく、とても上手だと感じます。

やっぱり「バカにされないで育つ」って大事なことだと思いますね。





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野本響子@文筆家&編集者・在マレーシア
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