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「他人が怖い」のはなぜか

先週会った日本から来た若者が「私は、人が怖いんです」と言ってました。
これをツイッターに書いたら、「私も小さい頃からそうだった」「怖くなるのには原因がある」と言う声をもらいました。

実にいろんな意見があります。



人が怖くなる原因は色々あるでしょう。

家庭がピリピリしてたのかもしれません。
友達から野次られたり、バカにされたりしたのかもしれません。
いじめや、仲間外れを見てきたのかもしれません。
突然怒り出したり、「失礼だ」と怒鳴られたりする経験をしてきたのかもしれません。
街宣車の怒鳴り声や、芸能人の私生活を糾弾する電車の中吊り広告の「悪意」にやられたのかもしれません。

そのせいで、一生、対人恐怖で苦しむ人も少なくないです。

けれど、人は一人で生きられない。
子供の頃「人は怖いものだ」「社会は信用できない」とインプットされてしまうことの「デメリット」って計り知れないです。

マレーシアは治安こそよくないですが、「自分なんてカスだ」とか「私はダメな人間なんで」みたいに卑下する人はほとんど見ないんです。おそらく自己肯定感が高いのだと思います。
そして、赤の他人を信頼する人が多いという統計も出ています。

自販機でお金がなかなか入らなくて困っていると、「これ使って」と後ろの人が小銭をくれたり、見知らぬ人が、荷物を部屋まで運んでくれたりする。運転が下手すぎた私は、路地にはまり込んでしまい、見知らぬ近所の人に運転席に座ってもらって助けてもらったこともあります。

こういう経験が増えてくると、今度は人がいればいるほど、「仲間が増えた。助けてくれるかも」と思うのです。

おかげで、エレベータで誰かと乗り合わせたら、
日本では「気をつけなきゃ。変質者かも」だったのが、
今や「この人、困ったら助けてくれそう」と思うようになりました。


これ、私にとって、ものすごいパラダイムシフトでした。
この体験だけでも、マレーシアに来てよかったなと思います。

実は、日本にも同じ経験をしている人がいる

けれど、日本でもほんとはそうなのかもしれませんよ。
例えば、この方、すごい気づきをされてるな、と感心します。


このかた、私が今まで書いていることの逆を、見事に日本で証明してしまっていますよね。正直、こんなことが日本でもできるんだ!と驚きました。

そうそう、私にはできなかったけれど、実は、接し方、自分の考え方ひとつで、本当は世界って変わるのかもしれません。

それでも「人は怖い」とインプットされてしまいそうな人は、彼のように、自分の考え方や行動を変えてみるか、私のように、思い切って居場所を変えてみるのもいいかもしれませんね。


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野本響子@文筆家&編集者・在マレーシア
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