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総裁選でにわかに争点になった「解雇規制の緩和」とかいう謎の与太話が騒ぎの中心になっている件について

 公明党の伊佐進一先生が書いておられますが、いま自由民主党の総裁選で話題になっている解雇規制の緩和というのは、

 あくまで「『労使が裁判で争って、解雇不当と判決が出たとしても、そのまま職場にいるのは気まずいので、労働者側からの申し出金銭をもらって辞めることができる制度」を導入するかどうか、という議論」です。

 それ以上でも、それ以下でも(現段階は)ありません。

 ところが、小泉進次郎さんが陣営の方針なのか何なのか分かりませんが突然「解雇規制の見直し」にまで踏み込んでしまったため、俄然騒動になってきています。早くそういう話ではないと否定してもらわないと、本当に解雇規制の見直しで、企業が好き勝手に労働者のクビを切れる改革をしようとしている自由民主党と誤解されかねません。

 さらに、どういう理由か立憲民主党の代表選でも、なぜか「解雇規制の緩和」を自由民主党総裁選の争点であるかのように捉える発言が立候補者の間から出てきてしまったため、どうしてこうなってしまったのかという状態になっています。

 もちろん、いまの日本においては解雇に関しては、労働判例から確立されている4要件(1.人員整理の必要性 2.解雇回避努力義務の履行 3.被解雇者選定の合理性 4.解雇手続の妥当性)があり、ここに金銭解雇の道筋をつけるのかという話は昔からあります。

 いわゆる働かないおじさん問題の解決のために、金銭解雇の是非を論じようというのはあり、この辺は倉重公太朗先生も論じているので興味のある方はお読みいただければと思います。

 私個人の考えで申しますと、解雇規制の緩和を行う場合は、やはり労働者側のセーフティーネットを如何に適切に構築するかというのが大事だと考えておりまして、金銭解雇だけでなく失業から職業訓練、転職までシームレスに公的な支援ができる仕組みが欲しいと思っています。また、フリーランスや個人事業主・零細企業の保護という観点では、いまも下請け法が充分守られているとは言いづらい状況ですので、どうにかならんかなあというのはいつも思うところであります。

 ただ、もともと全然関係ない政策論だったはずの話が、小泉進次郎さんのブッコミでなぜか争点化してしまい、自由民主党の総裁選だけでなく立憲民主党の代表選まで巻き込まれてワイワイやってるのは、伝言ゲームを超えてお前らちゃんと読めって感じのネタになっています。偶発的に起きた戦闘が全面戦争に発展するかのような内容になっておりますので、どうかご留意を戴ければと存じます。

 画像はAIが考えた『最初は若い候補者がウケると思って適当に争点をぶん投げたら、違うやつの眉間に当たって大爆発し、右と左で大論争になってしまう一部始終』です。

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山本一郎(やまもといちろう)
神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント