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ただ競技麻雀を打ちたいだけのプロ雀士へのメッセージ


【プロ雀士の定義】

 麻雀のプロとは何か。
 これを客観的に定義すると「プロ団体に所属している人」ということになる。ひとつの「枠」に閉じ込めることができるのでシンプルな定義だ。
 だが、もう一つの客観的な定義があって、それが「麻雀で生計を立てている人」だ。
 こうなるとプロ団体に所属しているかどうかは関係なくて「麻雀」にまつわる仕事をしている人が「プロ」ということになる。
 雀荘経営者や従業員、麻雀教室に関わっている人、麻雀タレント的にギャラをもらって稼いでいる人は「麻雀のプロ」と言えるだろう。麻雀の本を出したり、麻雀のゲームや映像制作に携わっている人も「麻雀のプロ」かもしれない。
 プロ団体と違って「枠」がないので境界がボンヤリしてはいるが、こちらの方が「プロ」という言葉の意味に近いとも言える。
 だがこれらは「理屈」の世界であって、実際に世間はそう見ていないと思われる。
 一般の方から見た「麻雀のプロ」は「テレビで麻雀を打っているプロ」だろう。一般の中でもマニアな人であれば、雀荘ゲストに行っていたり、ネット配信されているプロ団体の公式戦に出ている人も「プロ」と認識しているだろう。
 が、普通の人にとってはMONDOをはじめとするCSの各局の番組や、ABEMAに出ている人だけが「プロ」だ。
 さらにライト層になると、無料のABEMAに出ている人だけが「プロ」という認識なのではないか。
 今は映像の時代なので、放送対局に恒常的に出ている人だけが「プロ」で、それ以外は「誰?」というのが現状だ。
 そして映像対局にレギュラーのように出ている人たちは、麻雀で生計を立てることもできる。
 つまり、映像対局に出ている人は、世間の評価的にもプロだし、収入的な意味でもプロなのである。

【映像の世界をナメてはいけない】

 世間から見ると、まだテレビに出られていないプロ雀士は「これからの人」というイメージなのだろう。実際、ほとんどのケースがそうで、特に若い子たちは皆、Mリーグや麻雀最強戦、MONDOなどを目指して日々、研鑽している。
 が、ごくまれに「自分は競技麻雀がやりたいだけなので、テレビ出演とかどうでもいいです」というスタンスの人もいる。
 どうでも良いけど、出ろと言われたら出るし、一生懸命戦います。演出上、協力しなければならないことには喜んで協力します。
 こういうタイプは、コンテンツを制作する裏方にとっては「ギリギリセーフ」な存在だ。
 あまり積極的ではないにせよ、こちらの要望には応えてくれる。不器用だけど協力的であれば、あとは裏方と選手の努力次第で何とかなる。
 こういう感じの人は、だいたいは途中で目覚める。お客さんとかファンの存在を感じ、ありがたみを知って、人生観や価値観を変えて頑張り始めるのだ。
 だが「出ろと言われたら出ますが、嫌なことはやれと言われてもやりません」というタイプは手に負えない。正直しんどい。出ないでくれよと思う。それが裏方の本音だ。もう、二度と声をかけたくはない。何でこんな人にオファーしちゃったんだろう。それぐらい思う。

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